2011年04月27日-1
司法書士の「法律関係書類作成」業務参画に反対

 「法律関係書類作成業務」をめぐり日本行政書士会連合会と日本司法書士会連合会が火花を散らしている。両会ともそれぞれ行政書士法、司法書士法の改正を目指しているが、司法書士会が2月の臨時総会で決めた「司法書士法改正大綱」で司法書士の名称を「法務士」または「司法士」に変更するとともに、司法書士の業務に「法律関係書類を作成すること」を新設することに行政書士会が反対を表明している。

 全国約2万人の司法書士の総意として承認された「司法書士法改正大綱」では、現行の目的規定を廃止し、「使命」規定を新設するほか、「司法書士の業務範囲」、「司法書士となる資格」、「欠格事由」、「懲戒権限の獲得」、「登録前研修」などを項目として掲げ、現実に即した司法書士業務の明確化を図るとともに、司法書士界の自律的な能力担保や自浄作用についても明文化した法改正を目指している。

 一方、行政書士会では、行政書士法改正重点要望項目として、「行政不服審査法における不服申立ての代理」、「ADR(裁判外紛争解決)代理権」、「一人法人を可能とする行政書士法人制度」の獲得を目指している。特に、他の隣接法律専門職種で既に不服申立ての代理権が付与され、政府の行政救済制度検討チームでも代理人の範囲拡大が検討されている中で、行政書士への代理権付与を目指している。

 このような中で、4月20日に自民党の行政書士制度推進議員連盟の総会が行われ、日行連は、(1)震災被災者・事業者への復興支援への参画要望、(2)行政書士に関係する法改正要望、(3)自動車関係手続きのワンストップサービスに関する要望、(4)司法書士法改正に反対、の4項目を要求した。司法書士法改正反対は、「法律関係書類作成」は行政書士の専管業務であるというもので、業際をめぐる士業の対立は様々な場で起こっている。

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