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日本公認会計士協会、「監査提言集」を公表

税務関連情報 - 2009年10月14日

 日本公認会計士協会はこのほど、「監査提言集」を公表した。この提言集は、会員(会計士)の監査業務の指導を担当する「監査業務審査会」が事案を基にまとめた業務改善事項集。これまで会員に限って公開されてきたが、昨今の不適正な会計処理事例が後を絶たない現状を踏まえ、一部を「一般に公表」することにした。ただし、個別事案の内容部分については引き続き非公開とし、事案のタイトルのみを公表している。

 同提言提言集は、(1)提言概観、(2)問題発覚の発端、(3)監査手続等の実施に際しての留意事項、(4)事案例目次、によって構成されている。提言集の目玉である(3)を見ると、「リスクの評価」のポイントとして、ア.監査人交代に際しての前任監査人の情報、イ.企業風土等の考慮、ウ.ビジネスモデルの経済合理性等、エ.短期間での監査人交代、オ.内部統制の不備、カ.新規の取引、の6点を列挙している。
 
  このうち、ア.については、「監査受託に当たっては、前任監査人からの引継事項及び会社の潜在リスクを考慮する必要がある」、ウ.については、「会社のビジネスモデル自体が、社会性や経済合理性の観点から疑義を感じさせる場合がある。会社の前向きな説明や主要顧客の知名度からくる信頼性について先入観を持ちすぎると、ビジネスモデルの不自然さに気付かないリスクがある」などとそれぞれ指摘している。

 また、(2)の問題発覚の発端では、同提言集に掲げた事案例について、記載されている問題事項が発覚することとなった発端として、A.会社、監督官庁、あるいは監査法人等への内部通報・外部通報、B.行政当局の調査、C.会社破綻後の調査、D.監査人の問題意識から、過年度財務諸表への影響が発覚、E.社内調査、F.首謀者の自白、G.共謀取引先等における事実の発覚、H.その他、のように整理している。

 同提言集についての詳細は↓
 http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1216.html