国税庁がこのほど発表した「国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用に関するアンケート調査」結果(有効回答数8678人)によると、e-Taxの改善要望について「(非常に)そう思う」との回答割合は、「事前手続きに手間がかかる」が79%と、ほぼ8割がその改善を求めた。次いで、「操作マニュアルが分かりづらい」(68%)、「電子証明書、ICカードリーダライタの準備が手間」(65%)などが続いた。
一方、e-Tax利用者の事前手続きについての感想について、「(とても)利用しやすい」との回答割合は、「開始届出書の提出」(38%)や「ICカードリーダライタの取得・設定」(37%)、「電子証明書の取得」(34%)などすべての項目で4割に満たず、依然として事前手続きの段階で不満を持つ納税者が少なくない。こうしてみると、e-Tax普及のカギは各種の「事前手続き」の改善にあるといえる。
e-Tax未利用者の利用していない理由(複数回答)でも、「電子証明書の取得等に手間や費用がかかる」(5240件)が突出して多い。その内訳は、電子証明書の取得に「手間」が28.9%、同「費用がかかる」が23.0%、ICカードリーダライタの入手に「費用がかかる」が25.7%、同「手間」が22.4%。このように、事前手続きのなかでも、特に電子証明書の取得とICカードリードライタの入手における手間・費用の改善が望まれる。
なお、納税者からe-Taxに関して「事前準備に必要な電子証明書の取得に手間がかかるため、利用者番号と暗証番号だけで利用可能にすべき」との改善要望があったことに対し、国税庁は「電子政府全体として現行の電子署名方式とは別の新たな仕組みについて検討しており、新たな仕組みが確立された場合は、当庁としても導入に向けて検討を行う」と回答。電子証明書は、近いうちに不要となる可能性もあるようだ。
同アンケート調査結果の詳細は↓
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topicse20.pdf