経 営 関 連 情 報

2003年09月24日-003
冷夏と消費には明瞭な相関関係はみられない?

 ここ30年間の7・8月の平年値(東京都)は26度前半だが、今年は24度前半と非常に低く、93年(23度半ば)以来の冷夏となった。このため、夏物商品の売れ行き不振が景気を押し下げる要因になったのではないかとの見方が一般的だ。内閣府の「今週の指標」が冷夏と消費の関係を検証している。

 夏物消費とは、ビール、その他の飲料、アイスクリーム・シャーベット、すいか、もも、なし、ぶどう、メロン、電気代、エアコン、電気冷蔵庫、被服及び履物などの消費である。指標によると、冷夏と消費の関係を見極めるために、過去20年ほどの夏物消費と気温の関係をみると、確かに、7・8月の気温が上昇すると、夏物消費も増加するという関係があったことが確認できる。

 今年7月も、気温の低下によってエアコンやビールの売上が大幅に落ち込むなど、夏物関係消費は大きな打撃を受けた。しかし、過去における夏物以外の消費と気温の関係をみると、緩やかながら若干の負の関係があったことが認められる。夏物消費とその他の消費の間に代替的な関係があるのではないかと推察されるのだ。

 例えば、ビールの替わりに日本酒、夏物衣料の替わりに秋物衣料というように、代替性が強い財の間で需要がシフトするほか、直接代替的な関係が強くないものについても、夏季商品を買わないことによって財布の中身に余裕ができるため、消費が増加している可能性もあるという。

 結果として、消費全体と気温の関係をみてみると、明確な相関はみられないというのが指標の結論である。しかし、これは消費全体としての話であって、ビールメーカーや家電メーカーが冷夏によって打撃を受けたことには明らかであって、そのような意味では、冷夏と消費の間には明瞭な相関関係がある。事業者にとって重要なのはこちらなのだが…。

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