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経営関連情報 (2005/09/09)

中小80万社の決算データに基づく新たな財務指標

 経済産業省は5日、中小企業約80万社の決算データをもとに新たに作成した財務指標を公表した。これは、国が中小企業の信用データベースとして構築したCRD(中小企業信用リスク情報データベース)のデータを活用して、中小企業法人80万1913社の2003年1月~12月決算期分の決算書をもとに作成したもの。中小企業の経営活動の実態を計数的に把握し、中小企業の経営戦略の立案や中小企業の診断・助言などに資することが目的。

 新たな財務指標によると、総資本に対する当期純利益の割合を示す「総資本当期純利益率(ROA)」は、産業別では「情報通信業」が1.7%ともっとも高く、ついで「サービス業」(1.1%)、「運輸業」(1.0%)などの順。もっとも低いのは「飲食・宿泊業」の▲0.5%で、「小売業」(0.0%)も低い。創業年数別では、情報通信業の「創業期(5年以下)」が2.0%ともっとも高く、飲食店・宿泊業の「老舗(30年以上)」が▲0.8%ともっとも低い。

 売上高に対する経常利益の割合を示す「売上高経常利益率」は、産業別では「不動産業」の3.7%がもっとも高く、つぎの「情報通信業」(1.6%)を2.1ポイント上回っている。もっとも低いのは「飲食・宿泊業」の0.0%だが、「小売業」(0.2%)も低い。創業年数別では、不動産業の「老舗」が4.9%ともっとも高く、飲食・宿泊業の「創業期」が▲0.2%ともっとも低い。

 総資本のうち自己資本の占める割合を示す「自己資本比率」は、産業別では「情報通信業」の22.0%がもっとも高く、つぎの「サービス業」(16.7%)を5.3ポイント上回った。もっとも低いのは「飲食・宿泊業」の1.3%で、つぎに低い「小売業」(7.1%)よりも5.8ポイント下回っている。創業年数別では、情報通信業の「創業期」が26.0%ともっとも高く、飲食・宿泊業の「中間期(5年超~30年未満)」が▲0.2ともっとも低い。

 総資本に対する売上高の割合を示す「総資本回転率」は、産業別では「情報通信業」が2.0回ともっとも高く、以下、「小売業」(1.9回)、「卸売業」(1.8回)などがつづく。もっとも低いのは「不動産業」の0.3回で、つぎに低い「製造業」(1.2回)を大きく下回っている。創業年数別では、小売業の「創業期」が2.2回ともっとも高く、不動産業の「老舗」が0.2回ともっとも低い。

 「中小企業の経営指標」(概要)は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20050905001/1-zaimushohyou-set.pdf