ゼイタックス

経営関連情報 (2007/02/16)

8割の企業が賃上げを予定、賃上げ率は1.7~2.1%

 実感なき景気回復、低下する労働分配率、非正規雇用の増大がもたらす格差社会の問題に関心が高まるなか、2007年の春季労使交渉がスタートした。産労総合研究所が実施した「2007年春季労使交渉にのぞむ経営側のスタンス調査」結果(有効回答数148社)によると、2007年の自社の賃上げは、8割近い76.4%の企業が「実施する」と回答。一方、「賃上げは実施せず、賃金を据え置く」予定の企業が15.5%だった。

 自社の賃上げ率は、「2006年と同程度」がもっとも多く69.9%で、予想賃上げ率は平均1.8%、次いで「2006年を上回る」が15.9%で、同じく2.1%、「2006年を下回る」が8.8%で、同1.7%。2006年調査と比べると、「前年を上回る」と回答した企業が8.1%から15.9%にほぼ倍増しているほか、予想賃上げ率も、ほぼ同様となっている。企業が労働力の定着・確保を図るなかで、賃金改善せざるをえない企業の事情がうかがえる。

 賃上げのカギとなっている定期昇給制度の有無については、79.7%の企業が「ある」と回答。企業規模別にみると、「1000人以上」の大企業が63.9%、「300~999人」の中堅企業が91.1%、「299人以下」の中小企業が80.6%と、中堅企業の採用率がもっとも高い。また、定昇制度がある企業のうち、「定昇のみ実施予定」の企業が77.1%を占めるが、「定昇・ベアともに実施予定」の企業も、2006年の6.5%から13.6%に倍増している。

 2006年度の業績見通しは、「増収増益」が36.5%でトップ、次いで「減収減益」が24.3%と二極化した。2005年と比べると、増収増益企業が3.9ポイント増える一方で、減収減益企業も8.7ポイント増えている。業績向上による成果配分は、「賃上げよりも賞与原資に回したい」と考える企業が64.2%と圧倒的多数を占め、「賃上げと賞与にバランスよく配分したい」企業は24.3%にとどまっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/sanro_p070206.pdf