ゼイタックス

税務関連情報 (2004/06/04)

電子申告の全国での届出件数はいまだ1万5千件

 国税電子申告・納税システム(e-Tax)は6月1日から全国での利用が可能になったが、4月から全国の税務署で受け付けていたe-Taxの開始届出書の届出者数は、5月13日現在で1万5133件と伸び悩んでいることが分かった。そのうち約57%と半数以上の8555件(うち税理士・税理士法人3456件)がe-Taxを先行開始した名古屋国税局管内のもの。ほかの国税局を合計してもそれより少ないのである。

 総届出者数1万5133件の内訳は、個人納税者が1万614件で、うち税理士が約56%の5964件を占めている。法人は4519件で、うち税理士法人が224件である。国税局別にみると、名古屋局以外では、「東京局」が2046件(うち税理士等971件)が最も多く、次いで「大阪局」822件(同363件)、「関東信越局」766件(同319件)と続き、地方局は200~500件台である(沖縄事務所は48件)。

 納税者の代理で電子申告できる税理士・税理士法人でも計6188件に過ぎない。開業税理士事務所を4万件前後とみると、約15%の事務所等しか利用意向がないことになる。もっとも、全国での電子申告が可能になった6月は4月決算法人が中心になるから、今後、順次届出数は増えていくと予想される。先行した名古屋局ではe-Taxソフト使用などでトラブルも生じたことから、現在は様子見をしている納税者も多いのだろう。

 ところで、2004年度税制改正において法人税申告に使用する別表などの帳票が一部改正されたことで、e-Taxソフトなどの修正作業が必要なことから、4月決算法人の電子申告は今月末以降にずれ込むことになったようだ。国税庁では現在、別表などの帳票について、6月上旬にシステム修正の仕様を公開し、市販ソフトによる電子申告は6月下旬から受け付けられるように修正作業を進めている。

 しかし、e-Taxソフトの修正や上記以外の帳票の受付に係るシステム修正は、期間的・作業量的な制約から、6月末までに完了することが困難な状況にある。国税庁では、修正を完了し受付可能となる時期については、現在なお検討中だが、順次情報を提供していく予定という。6月末が申告期限の4月決算法人の電子申告は難しそうな事態となっている。本格的な電子申告時代の道のりはまだまだ遠い…。