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2003年04月30日-002
注目される「個人向け国債」
今年3月から売り出された購入者を個人に限定した満期10年の「個人向け国債」が注目されている。約1400兆円といわれるわが国個人金融資産を市場に引き出すという面はあるのだろうが、100万円を普通預金に預けて1年間でたった10円(利子率0.001%)という超低金利時代に、政府が利子や元本の支払を保証する国債は魅力的な商品だ。
個人向け国債は、1)最低額面金額が1万円(従来の国債は5万円)と少額での投資が可能、2)半年ごとに実勢金利に応じて利率が変動する変動金利制、3)償還は10年後だが、発行後1年経過すれば中途換金が可能、といった点で、従来の国債に比べて、個人がより購入しやすい商品となっている。
年2回の利払期における利率は、基準金利から0.80%を引いた値となる。基準金利は10年固定利付国債の入札結果から算出する複利利回りで、それに連動して変わるが、下限が0.05%に決められているため、元本割れするリスクがない。
発行後1年経過すれば中途換金もできる。しかしその場合は、直近2回分の利子相当額が解約手数料として差し引かれる。この利子相当額は税引き前の計算を行うことなどから、短期での中途解約では投資金額を下回る可能性がないこともないが、基本的に元本は保証されるといってもいいだろう。
この個人向け国債の税制上の取扱いについては、導入前に一時全額非課税にするなどの優遇措置が検討されたが、結局見送られ、利息については利子所得として20%(所得税15%、住民税5%)の源泉徴収による一律分離課税とされた。なお、今年1月27日以降に発行される国債はペーパレス化されており、購入する際には金融機関で債券取引口座を開設する必要がある。
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