税 務 関 連 情 報

2002年10月04日-001
消費税の免税点・簡易課税撤廃がWで直撃する中小企業

 政府税制調査会は1日、基礎問題小委員会を開き、消費税の中小企業者に対する特例措置のうち、年間売上高3千万円以下の事業者の納税を免除する制度について、法人は免税点を撤廃し、個人事業者に限って、1,500万円から1千万円程度に引き下げた上で免税点を残す方針を明らかにした。簡易課税制度も廃止の方向で検討されており、免税事業者である中小企業は、ダブルで税負担がのしかかってくることになる。

 政府税調では、法人は納付税額の有無に関係なく申告が義務付けられており、消費税の納税が義務付けられても事務負担はあまり変わらないとの考えから、免税の対象からはずすことにしたものだ。ただし、個人事業者のほうは、年税額がなければ所得税の申告は不要であり、零細事業者にとっては新たに消費税納税の事務負担が生ずることから、免税点を残すことを決めた。仮に、免税点が1千万円以下となると、免税事業者割合は31%(183万8千事業者)まで縮小される。

 一方、簡易課税制度については、「基本的には廃止の方向で検討する」とされた中間整理を再確認した形だ。益税を解消するために、簡易課税制度の廃止は、免税点が撤廃される法人だけでなく、個人事業者の場合でも、仮に免税点が1千万円以下とされると、現在免税点で3千万円から1千万円の間の個人事業者は簡易課税制度もないというダブルパンチとなる。消費税制度の透明性を高めるという目的は理解できるが、このように多くの中小・零細事業者が厳しい経済状況のなかでの税負担増となる見直しでは、経済活性化という目的に矛盾するのではないだろうか。中小企業団体の強い反発も必至の状況だけに、11月半ばを予定する政府税調の最終報告が注目される。

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