11月には、相手にスパイウェアを送りつけて銀行の口座情報を盗み出し、不正送金をした犯人が逮捕された。普段、メールの添付ファイルの扱いに注意を払っている人でも、うっかりファイルを開いてしまい、ウイルスやスパイウェアに感染してしまう例が増えている。「スパイウェアにだまされるな!」との注意を呼びかけ、怪しいファイルの見分け方を伝授するのは情報処理推進機構(IPA)である。
IPAによると、メールに添付されたファイルの種類を確認せずにファイルを開くことが感染の最大要因だという。Windowsの場合は、ファイルの拡張子とアイコンによって、そのファイルの種類を判別できる。例えば、文書ファイルのアイコンは一枚のペーパーの左肩に四角で囲まれた「W」がついたもので、拡張子は「doc」である。画像ファイルの拡張子は「jpg」、テキストファイルは「txt」などだ。
一方、ウイルスやスパイウェアなどの不正プログラムは、ほとんどが拡張子“exe”である実行形式のファイルである。通常のメールのやり取りでは拡張子の“exe”のファイルを添付することはほとんどない。つまり、メールの添付ファイルの拡張子が“exe”だった場合は、ファイルを開かずにメールを即削除することが、感染を防ぐための一番簡単な最良の方法となる。
Webサイトからダウンロードしたファイルの場合も、ファイルを開く前にファイルの拡張子とアイコンによって、そのファイルの種類を判別できる。しかし、Windowsの初期設定では拡張子が表示されないようになっている。マイコンピュータやエクスプローラのメニューバーから「ツール」-「フォルダオプション」を選択し、「登録されている拡張子は表示しない」のチェックをはずし、拡張子を表示させるようにすればいい。
いずれにせよ、信頼できない相手からメールで送られてきたファイルや、信頼できないサイトからダウンロードしたファイルは、不用意に開かないという心がけが大事である。