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新卒採用実施企業割合は3年ぶり増加~経団連調査

経営関連情報 - 2011年10月03日

 経団連が会員企業を対象に実施した「新卒採用に関するアンケート調査」結果(有効回答数545社)によると、2011年3月卒業者の採用活動を実施した企業割合は95.4%と、前回調査(2010年3月卒採用)より4.3ポイント増加し、3年ぶりの増加となった。前年の採用人数に対し、「増加させた」との回答が38.1%となり、前回調査と比べ23.9ポイント増加したのに対し、「減少した」は36.3%と32.4ポイントの減少となった。

 採用人数増加の理由としては、「業績の回復、事業拡大」が54.5%で最多、次いで「採用基準に見合う学生が増えた」が14.6%。減少の理由では、「経営環境の悪化」が24.3%、「採用基準に見合う学生が少なかった」が19.6%。前年と比較した就職採用市場に関する評価では、「特に変化はなかった」が55.8%だが、「買い手市場だった」とする企業が35.8%と、大幅に増加した前回(64.1%)に引き続き、その傾向が続いている。

 一方、2012年3月卒の採用計画が「ある」とした企業は、東日本大震災前は92.5%だった。このうち採用人数を2011年3月卒採用より「増やす」とした企業は31.5%で、「減らす」(19.2%)を12.3ポイント上回り、「変わらない」は47.0%だった。震災後の採用計画の変更については、「変更しない」とする企業が87.5%で、「変更した、またはその予定がある」は9.7%(53社)、うち「減らす」とした企業は22社にとどまった。

 また、採用選考活動において、被災学生等へ何らかの配慮を「行った」企業が91.7%あり、具体的な内容(複数回答)としては、「被災、影響を受けた学生については個別に対応する」(63.9%)、「選考開始時期を全体的に遅らせた」(48.5%)、「エントリーシート等提出書類の締切りを延長した」(40.0%)などが多かった。そのほか、「東北地方に採用選考会場を設けた」と回答した企業も多く、企業が様々な配慮をしたことがうかがえる。

 同アンケート調査結果の概要は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/091.html