団塊世代の本格的な大量退職を迎え、企業の人材確保・定着・育成などに向けた人事施策が注目される。社会経済生産性本部が、上場企業の人事労務担当者を対象に実施した「日本的人事制度の変容に関する調査」では、ポスト団塊の人材マネジメントの優先課題として、「優秀な人材の確保・定着」が54.8%でもっとも多く挙げら、同様の調査を行った2004年での7位(37.5%)からトップに躍り出た。
調査結果(有効回答数241社)によると、団塊世代リタイア後、3~5年の間で人事マネジメント施策(18項目)のうち優先順位が高いもの(5つまで選択)は、「優秀な人材の確保・定着」がトップ、以下、「評価制度の納得性・透明性向上」(48.1%)、「次世代リーダーの早期選抜・育成」(46.0%)、「従業員のキャリア開発支援」(40.2%)が続き、全体に社員の育成・活用に関心が高まってきている。
その一方で、「成果反映型処遇制度の導入・強化」(18.4%)は6位から11位に、「人件費の抑制・削減」(11.7%)も10位から14位にそれぞれ下がるなど、2000年から続いていた賃金制度も含めての成果主義や人件費管理はひと段落ついた感がある。また、契約社員やパート社員など非典型雇用者に対して「非典型雇用者がやる気を出す人事制度構築」(3.8%)は最下位(18位)となっている。
なお、何らかの形で経営幹部への早期選抜・育成を行っている企業は43.6%と04年調査に比べ17.5ポイントも増加。その時期は入社10年目、年齢33.0歳からとなっており、第三次産業では入社7.5年目、30.5歳ともっとも早くなっている。また、女性管理職比率は3.7%だが、従業員規模が小さいほど高く500人未満では8.3%ともっとも高くなっており、女性の登用が進んでいることがうかがわれる。
同調査結果の概要は↓
http://www.jpc-sed.or.jp/contents/whatsnew-20070322-1.html