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税務関連情報 (2006/02/27)

年収調整するパートの半数が“103万円の壁”意識

 妻のパートの収入が103万円を超えると夫が配偶者控除を受けられなくなることから言われる “103万円の壁”はよく知られている。厚生労働省がこのほど発表した「パートタイム労働者実態調査(21世紀職業財団が実施)」結果(有効回答数4347人)によると、年収や労働時間を「調整している」とする」パートが32.5%とほぼ3人に1人だったが、その半数が“103万円の壁”を意識していることがわかった。

 パートが年収などを調整している理由(複数回答)をみると、もっとも多いのは「自分の所得税の非課税限度額(103万円)を超えると税金を支払わなければならない」(54.9%)で5割を超えた。次いで「一定額(130万円)を超えると社会保険の被扶養者控除から外され、自分で社会保険に入る必要がある」(46.4%)、「一定額を超えると配偶者控除がなくなり、配偶者特別控除が少なくなる」(36.5%)などが続いた。

 この結果を厚労省の2001年調査と比べると、「103万円の壁」という理由が16.8ポイント減、「配偶者特別控除の減少」が4.3ポイント減とともに減少し、代わって「130万円の壁」が11.9ポイントも上昇した。多くのパートが、今では“103万円の壁”よりも“130万円の壁”のほうが収入に影響すると意識していることがうかがえる。いずれにせよ、現行の税制や社会保険制度がパートの働き方に中立ではないことは明らかだ。

 妻のパートの年収が103万円を超えたからといって急に税金が増えることはない。夫が配偶者控除を受けられなくなるが、妻の所得に応じて配偶者特別控除が受けられる。それよりも影響があるのは130万円を超えた場合だ。夫の社会保険の3号被保険者から除外され、妻自身が社会保険の被保険者となる。社会保険の保険料は労使折半だが、収入の10%を超える。働く妻の本当の壁は「130万円」といえそうだ。