京都議定書に基づく京都メカニズムを活用した排出クレジットの取引が活発化しつつあるが、国税庁はこのほど、そのクレジットの取引に係る法人税及び消費税の取扱いを明らかにした。これは、経済産業省と環境省からの照会に回答したもの。このクレジットに係る取引としては、内国法人が他の者からそのクレジット購入し、償却(自社使用)を目的として政府保有口座に移転または内国法人等に売買(有償譲渡)する場合がある。
法人税については、内国法人が、償却を目的として購入したクレジットをわが国の国別登録簿における同法人の保有口座から政府保有口座に移転する場合には、そのクレジットが政府保有口座に記録された日(そのクレジットの政府保有口座への移転が完了した日)を含む事業年度において、原則として、そのクレジットの価額に相当する金額を国等に対する寄附金として、損金の額に算入する。
この場合におけるそのクレジットの価額とは時価をいい、政府保有口座に記録された日に近い売買実例等を参考に適正に算定するが、時価の算定が困難な場合には、その内国法人の帳簿価額をそのクレジット価額として取り扱う。なお、内国法人が、仮に転売目的でクレジットを購入し、他の者に売却した場合には、原則として、棚卸資産の譲渡として扱い、売却によって生じた損益額を、その事業年度の損金または益金に算入する。
消費税については、内国法人が他の内国法人にクレジットを売却した場合には、その取引は課税の対象となる一方、内国法人による他の内国法人からのクレジットの有償取得については、課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となる。また、内国法人が外国法人にクレジットを有償譲渡する場合には、輸出免税が適用される。内国法人が外国法人からクレジットを有償で取得する場合は国外取引となり、消費税の課税対象とはならない。
同クレジットの取引にかかる税務上の取扱いについての詳細は↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/090219/01.htm#a01