今冬のボーナスは前年比▲1.6%を予想
第一生命経済研究所は、民間企業の2011年冬のボーナス支給額を前年比▲1.6%(支給額:37万3000円)と予測した。夏のボーナス(前年比▲0.8%)に続いて減少する見込みという。冬のボーナスとしては3年連続の減少。大企業については、経団連調査や日本経済新聞社調査などで示されている通り大幅に増加した模様だが、より業況が厳しい中小・零細企業ではボーナスが削減され、全体としてはマイナスになった。
大企業では震災発生前に労使交渉を終えた企業が大半で、前年度の業績が反映される形でボーナスが増加した一方、中小企業は組合組織率が低く、労使交渉自体実施されないところが多いため、震災後の売上減少でボーナス支給の見送り・減額が行われた可能性がある。実際、6~8月の特別給与の伸びは、事業所規模500人以上の事業所では前年比+5.0%と大幅に増加する一方、事業所規模が小さくなるにつれて減少幅が大きくなっている。
冬のボーナスでも同様の構図が当てはまり、大企業では増加が見込まれる一方、中小・零細企業では削減が予想され、全体としては減少を予想。大企業対象の経団連調査(第一回集計)では、冬のボーナスは前年比+4.77%(製造業+5.59%、非製造業▲0.36%)。しかし、中小企業では、大企業に比べて業況が厳しいことに加え、震災後の業績悪化による押し下げ圧力もあることから、夏に続いて、冬のボーナスも減少すると予想している。
個人消費は震災後、予想以上のペースで改善してきたが、夏場以降、テレビの駆込み需要の反動等の影響もあって改善ペースが鈍っている。こうした下で冬のボーナスが減少すれば、消費はますます厳しい状況に置かれる可能性が高い。7~9月期の個人消費(GDPベース)は前期比で大幅な増加が予想されるが、10~12月期については前期比でマイナスに転じる可能性が高いだろう、と予測している。
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http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban_index.html