今年6月までの1年間(2005事務年度)に申告期限がきた法人の黒字申告割合が前年度に比べ0.4ポイント増の31.9%と、3年連続で上昇したことが明らかになった。景気の持続的な回復に伴う企業業績の向上が反映したことはいうまでもないが、まだ30%台の低い数字であり、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分にも満たない。これは、国税庁が27日に公表した2005事務年度の法人税課税事績でわかったもの。
同課税事績によると、本年6月末現在の法人数は前年度に比べ2万8千法人(1.0%)増の297万7千法人で、うち2005年度中に申告したのは276万7千法人(前年度比0.9%増)だった。法人数、申告件数ともに過去最高。このうち黒字申告した法人の割合が31.9%だったわけだが、景気回復は大企業が先行しており、7割弱の大部分の中小企業にとってはまだまだ苦しい経営環境だったということになろう。
黒字法人の申告所得金額は50兆3974億円で、前年度に比べ16.7%(7兆2239億円)増と大幅に伸びた。法人の申告所得が50兆円を突破したのは1991年度以来14年ぶりとなり、景気回復を税務申告面から裏付けた。黒字申告1件あたりでは5661万円で同14.5%の増加となり、こちらも過去最高の数字。一方、申告欠損金額は22兆7154億円で同2.7%(6422億円)減、赤字申告1件あたり1183万円で同3.1%減となった。
申告欠損金額はピークの2002年度(33兆116億円)以降3年連続で減少しており、赤字法人が7割を占めるが、資本金1億円以上の大法人に限れば申告欠損金額は前年度に比べ0.1%増となっている。つまり、申告欠損金額の減少はほとんどが中小企業にかかるもので、遅まきながら中小企業の経営内容も上向いている。なお、申告税額は12兆5969億円で前年度に比べ13.3%(1兆4739億円)増となっている。