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税務関連情報 (2005/01/05)

定率減税半減は2006年1月からの源泉徴収で実施

 増税色の濃い2005年度税制改正の象徴は定率減税の半減だ。所得税については、控除率が20%から10%に、控除限度額が25万円から12万5000円に引き下げられる。また、個人住民税についても、控除率を15%から7.5%に、控除限度額が4万円から2万円に引き下げられる。所得税については2006年1月から、個人住民税については同年6月の徴収分から実施される。

 定率減税の半減による所得税・個人住民税の負担増は最大で14万5000円となるわけだが、この最大の負担増となるのは夫婦2人に子ども2人の標準世帯であれば年収1500万円クラスである。同じ標準世帯で年収700万円ならば年額4万1000円、同年収500万円では年額1万8000円の負担増となる。つまり、定率減税半減は、主に中堅からやや高めの所得層への増税といえる。

 中堅層以下の世帯の負担増はそれほどでもないとの見方があるが、厚生年金保険料の毎年0.354%ずつの引上げが昨年10月から始まっており、さらに今年からは配偶者特別控除の上乗せ部分が廃止される。財務省の試算では、夫婦子2人の年収700万円の標準世帯での月額ベースの負担増は、今年は前年に比べ3600円となり、2005年は定率減税の半減によって、今年よりもさらに3600円の負担増となる。

 加えて定率減税は最終的には廃止される。政府税制調査会の答申では、2006年度税制改正までに全廃する考えを明記したが、与党の税制改正大綱では、「今後の景気動向を注視し、見直しも含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する」との文言が盛り込まれた。全廃するかどうかは政府・与党の決断ということになるが、現状では景気が急激に悪化するおそれは少ない。結局は2006年度改正までに全廃される公算が強い。