連合総研が10月に実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」結果(有効回答数785人)によると、残業手当の支給対象者は全体の62.5%だったが、このうち「不払残業がある割合」(残業手当の支給割合が「7~8割」またはそれ以下)は42.5%にのぼった。前年同期に比べ5.6ポイント上昇しており、不払残業がある割合は2004年10月以降おおむね4割前後が続いており、依然として改善はみられない。
実際に残業手当が支給された割合は、「すべて(10割)」が46.4%ともっとも多いものの、「7~8割」が17.2%を占め、さらに、半分程度しか支払われていない層も約25%いた。不払残業がある割合は42.5%だったが、長時間労働者の不払残業の状況をみると、週当たり労働時間が「60時間以上」では64.5%、「50時間以上60時間未満」でも56.5%となった。性別・年齢別では、「40代男性」が56.8%、「30代男性」が54.4%と多い。
不払残業が多い理由(3つまで回答)は、「残業の上限時間が決められている」という回答が35.9%、「上司の対応等の雰囲気により手当を申請しにくい」(30.7%)、「予算枠などで残業手当の支払に上限がある」(27.5%)などの順。「自分が納得する成果を出したいので残業手当の申請をしていない」(18.3%)や「マイペースで仕事をしたいので申請していない」(17.6%)といった、自分の仕事に対する姿勢を挙げる割合は2割未満だった。
残業手当が支給される時間が決定される方式は、不払残業の発生の有無、あるいはどの程度発生するかに影響を与えると考えられるが、決定方式の実態は、「自己申告の時間どおり」が36.7%でトップ、次いで「タイムカードや電子機器等による記録どおり」(27.9%)、「自己申告またはタイムカードや電子機器による記録をもとに上司等が調整を行う」(10.4%)、「あらかじめ定められた上限時間による」(9.8%)などだった。
同アンケート調査結果の詳細は↓
http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1228986537_a.pdf