フジテレビとライブドアの攻防がマスコミを賑わしているが、企業のM&A活動(合併・買収など)が一段と盛んになっている。ニッセイ基礎研究所が1月に実施したM&Aに関する実態調査結果(有効回答数2392社)によると、過去5年間に、2割を超える企業が1回以上のM&Aを実施している。実施企業の内訳は、「1回」が11.9%、「2回」が3.8%、「3~5回」が3.3%、「6回以上」が1.7%だ。
また、企業規模別にみると、大企業が44.6%と、企業規模が大きいほどM&A実施率が高いが、中堅企業の22.6%、中小企業でも14.1%が1回以上M&Aを実施している。実施したM&Aの内容については、「株式取得」(35.5%)がもっとも多く、「営業譲渡」(29.6%)、「合併」(28.0%)、「完全子会社化」(26.0%)と続く。非製造業では「合併」や「営業譲渡」が、製造業では「株式取得」が多い。
M&Aの目的については、「規模・シェア拡大」(53.0%)がもっとも多く、「グループ再編」(37.3%)、「商品・サービスラインの拡充」(28.6%)、「事業展開のスピードアップ」(22.6%)などとなっている。実施したM&Aの評価については、「成功」が33.9%でもっとも多く、「どちらかというと成功」(31.5%)を合わせ65.4%の企業が成功と判断している。「失敗」は「どちらかというと」も含め1.8%と少ない。
M&A成功の理由(としては、「明確な経営戦略」(35.8%)がもっとも多く、「スムーズな業務・人事の統合」(19.8%)、「スピードある意思決定」(17.3%)と続く。M&Aを失敗とみる企業はわずかだが、その理由は、「過大な企業価値評価」(33.3%)がもっとも多く、「不明確な経営戦略」(22.2%)、「スピードに欠けた意思決定」(〃)、「緻密なデューデリジェンス(詳細調査・適正評価)の欠如」(〃)などとなっている。
調査の詳細は↓
http://www.nli-research.co.jp/doc/eco0504a.pdf