税 務 関 連 情 報

2002年06月10日-002
法人減税による設備投資拡大効果は特別償却方式が最大との試算

 設備投資は、需要と供給の双方に影響を及ぼすため、景気にとって重要な役割を果たす。現在、政府税調や財政諮問会議において、設備投資の増加が期待される法人減税として、1)設備投資減税(特別償却方式と税額控除方式)、2)研究開発投資減税(同)、3)法人税率の引下げが議論の対象となっているが、UFJ総合研究所はこのほど、これらの法人税減税による設備投資効果を分析したレポートをまとめ公表した。

 それによると、法人減税は、キャッシュフローの増加から、収益の低迷による設備投資原資の不足を補い、設備投資の拡大に寄与すると指摘。各法人減税を減税規模5千億円で試算したところ、研究開発投資減税・特別償却方式による設備投資押上げ効果が最も大きく、設備投資が7千億円程度増加する結果となった。次いで、約5千億円の設備投資増加が見込まれる結果となったのが設備投資減税・特別償却方式だが、設備投資減税・税額控除方式や法人税率引下げは、特別償却方式ほどの効果が得られなかった。特に、研究開発投資減税・税額控除方式は、その効果が設備投資以外の人件費や原材料費、経費などの費用に回ってしまうと考えられることから、設備投資をほとんど押し上げない結果となっている。

 また、設備投資との連動が強い減価償却を拡大させる特別償却方式は、税引後利益を拡大させる税額控除方式や法人税率の引下げよりも減税効果が早く現れることが分かった。

 

 

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