経 営 関 連 情 報 |
2002年03月13日-001
同じ葬儀会社に頼みたくないが約3割
矢野経済研究所は3月11日、高齢・少子化社会の現代において数少ない成長産業といわれる葬祭ビジネスの調査結果(2002年版「葬祭ビジネス白書」)を公表した。それによると、再度同じ葬儀会社に依頼したいかとの問いには、「依頼したい」が60.9%、「依頼したくない」が32.1%だった。特に東京とでは47.8%が依頼したくないと考えており、約半数の消費者が葬儀会社に不満をもっていることが分かった。葬儀価格については、「高い」30.8%、「妥当」60.3%、「安い」1.9%という結果。サービス内容には3割が「満足」、5割強が「普通」、1割弱が「不満」と答えている。
ところで、成長産業である葬祭ビジネスの2001年の市場規模は1兆6,700円で、今後、死亡人口増加に伴うパイの拡大が期待されるが、葬儀価格の下落や企業淘汰による寡占化などでパイはゆっくり拡大していき、2035年ごろにピークの1兆8,400億円市場に成長、その後はパイの縮小が加速度的に進行していくと予測されている。葬儀価格下落の背景は消費者意識の変化と高齢・少子化の影響だ。消費者の宗教意識の希薄化や必要以上に費用をかけずに葬儀を行いたいというニーズが高くなっている。
一方、新規参入産業が相次いだ葬祭ビジネス業界では、既に葬儀会社は飽和状態にあり、激しい生き残り競争が始まっている。会員制の顧客の事前囲い込みやセミナー・カルチャースクール開催などによる地域コミュニティの強化など、他社との差別化を図ろうとしている。しかし、財務面が弱い小規模企業では、中堅・大手企業に太刀打ちできずに倒産していくケースも徐々に増えており、このような企業淘汰の結果、葬儀会社は半数の2千社程度まで減少すると推定されている。
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