帝国データバンクが14日に発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、1月の倒産件数は842件で、法的整理のみが集計対象となった2005年4月以降では過去最高となった前月比では6.0%減となったものの、前年同月比では15.3%増加した。2ヵ月連続で二ケタ台の伸び率となっており、緩やかな増加基調をたどってきた倒産は、ここにきて増加ペースが加速する兆しをみせている。
負債総額は5467億9900万円で、前月比18.1%増、前年同月比5.9%増とともに増加となった。負債総額が膨らんだのは、旧・住専の融資先だったエフ・アール・イー(負債2223億円)が、多額の負債を残した状態で、債権者から破産を申し立てられ、手続き開始決定を受けたため。負債1000億円以上の倒産が前月に続き2ヵ月連続の発生となったものの、総じて大型倒産は低水準で推移している。
倒産件数を業種別にみると、7業種中、建設業(235件、前年同月比29.1%増)、製造業(112件、同23.1%増)、卸売業(132件、同21.1%増)小売業(157件、同18.9%増)の4業種で前年同月比増加となった。特に建設業は、前月を3件、前年同月を53件上回り、また、小売業とサービス業も2005年4月以降で最高となった前月を下回ったものの、依然として高水準で推移するなど、内需関連業界の倒産増加が目立っている。
倒産件数を負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は364件発生し、前月を14.6%下回ったが、前年同月を41.6%上回った。負債5000万円以上1億円未満と合わせた負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は517件、構成比61.4%、前年同月比31.6%増で、増加傾向にある。また、資本金別にみると、個人経営(129件、前月比23.7%減、前年同月比163.3%増)の倒産が高水準で推移している。