矢野経済研究所が上場企業の人材採用・育成担当者を対象に実施した「09年度新人採用に関する意識調査」結果によると、新人採用の面接で最重視する点は、「性格・人柄」との回答が40.9%で最多、次いで「熱意」(19.0%)、「質問に対する理解力・対応力」(16.2%)となった。2009年度に実際に採用した学生について自由回答を求めた結果でも、「性格・人柄」、「意欲・意識」、「能力」の3点を選考基準として重視する傾向がみられた。
具体的にみると、「性格・人柄」では、「明るさや元気のよさ」、「明るく元気がよく、誠実な人柄であること」など、“元気、明るい、素直”というキーワードが多く挙げられた。また、「熱意」では、「入社意思の高さ、積極性」、「意欲的かどうか、志望動機」など、入社にあたっての熱意が感じられるかが重視されている。「能力」については、“コミュニケーション能力、論理的思考能力”の有無が重視される傾向にある。
留学生については、直近1年以内に採用活動を行っている企業は36.6%と少ないが、採用企業はその働きぶりについて、「期待以上の働き」が19.5%、「ほぼ期待どおりの働き」が58.6%と高評価している。配属先は、海外対応や技術系の部署ではなく、「日本人学生と同様の部署」(28.9%)が最多となった。今後の採用についても、留学生として別扱いせず、「基準を備えている人材であれば積極的に採用」する企業が60.1%となった。
企業の大きな課題となっている新入社員の離職について、特別な離職防止対策を実施している」とする企業は38.6%と4割弱だった。その内容は、定期的な集合研修である「フォロー研修」(33.9%)と「定期的な面談・カウンセリング」(33.9%)が2大対策となっている。そのうち、離職率が低い企業ほど、面談・カウンセリング、ブラザー・シスター制などの精神面での支援策を重視する対策を講じている傾向がみられた。