情報処理推進機構(IPA)が11日に公表したコンピュータウイルスの届出状況によると、4月の届出件数は4028件で、3月の4012件と同様、高水準での推移となった。W32/Netskyは、1767件の届出が寄せられ、3月の1795件に続き2ヵ月連続で1000件を超えた。続いて、W32/Klez314件、W32/Bagle265件となっている。
4月も3月と同様に、W32/Netskyの亜種(Netsky.D、Netsky.P、Netsky.Q)の届出が多数寄せられ、これら以外にも次々と亜種が出現し、5月10日現在、亜種の数が26種以上になっている。これらの亜種のなかには、Internet Explorerのセキュリティホールを悪用するものやDos攻撃を行うものなど、より悪質な機能が追加されたものもある。
4月にも新たなセキュリティホールがOutlook Expressに見つかっており、これを悪用するウイルスが出現する可能性がある。対策を実施していないと、いつの間にか被害に遭ってしまうので、Windows Updateなどを利用してセキュリティホールを解消する、ワクチンソフトを導入するなどの予防策を実施することをIPAでは強く勧めている。
4月にはマイクロソフト社のOSやアプリケーションソフトに非常に重大なセキュリティホールがあることが同社自身により公開された。Windows XPやWindows 2000を含む複数のOSに含まれているプログラムにセキュリティホールがあり、これらを突かれると攻撃者に任意の命令を実行されるなどの被害に遭う可能性がある。
5月1日には、これらのセキュリティホールのなかの一つを悪用し、パソコンがインターネットに接続された状態であれば、メールを受信したりホームページを見ていなくても感染してしまう「W32/Sasser」ワームが出現している。Windowsを利用しているユーザーは至急、Windows Updateや修正プログラムの適用によりセキュリティホールを解消する必要がある。