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経営関連情報 (2006/09/20)

定期給与の横ばい推移は非正規雇用者増加の影響

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のきまって支給する給与(定期給与)の最近の推移をみると、7月は季節調整済前月比▲0.2%、また3ヵ月移動平均をとると6月は同▲0.0%、7月は同▲0.1%と横ばい圏内で推移している。一見すると労働者の定期給与が上昇していないようにみえるが、これは比較的賃金の低い非正規雇用者が増加しているため、平均的な賃金指数が押し下げられている可能性がある、との分析は内閣府のレポートだ。

 レポートは、非正規雇用者比率の上昇がどれほど賃金押し下げに寄与するか、正規・非正規雇用の賃金格差を0.6とするなど一定の仮定をおいた上で試算している。それによると、非正規雇用者比率の上昇によって、フルタイム労働者の定期給与が前年比で約0.2%~0.4%程度押し下げられていることが分かった。同様に、パートタイム労働者の定期給与についても押し下げに寄与していることが分かった。

 このような賃金押し下げ効果がある非正規雇用比率の動向をみると、2006年4~6月期において正規雇用者が大きく増加したことにより、雇用者全体の非正規雇用比率は2006年1~3月期に比べ低下している。今後の景気回復の過程において引き続き正規雇用者が増加していけば、非正規雇用比率の押し下げ効果も剥落することが予想され、各種の賃金指数も上昇していく、とレポートは予測している。