ゼイタックス

税務関連情報 (2004/04/09)

総額表示、87%が「税率引上げの布石」と回答

 4月1日から始まった消費税の総額表示の義務化は、一部にレジシステムの不具合からの消費税の二重徴収も起こったが、おおむね順調なようだ。もっともこれはお店側の話で、消費者はどう感じているのか。日本経済新聞社が2~5日にかけて実施した消費者緊急アンケート調査結果(有効回答数1261人)によると、消費者の感じ方も千差万別のようだ。

 総額表示の認知度については、「導入以前から具体的に知っていた」との回答が70.5%、「何となく知っていた」(27.8%)を合わせると98.3%と認知度は高い。また、義務化そのものについては、「賛成」(18.9%)、「どちらかといえば賛成」(36.8%)を合わせ56.7%が肯定している。ただし、「将来の税率引上げへの布石」ではないかとの不安視する回答が87.7%を占めている。

 そのほか、「便乗値上げが起きる」(57.4%)や「価格を抑えるために品質の低下が起こる」(31.7%)との懸念も強い。一方で「割高感を避けるために実質的な値下がりが起こる」(57.2%)との期待感も便乗値上げへの警戒感と同じぐらいあり、総額表示が始まったばかりで消費者の感じ方も疑心暗鬼といったところだ。

 総額表示になって不便に感じたことは、「以前の本体価格より割高に感じる」が51.9%と過半数に達し、「消費税が分かりにくいことが不安」との回答が50%近くあるほか、「店舗によって表示方法が違い、価格を見比べにくい」や「表示が見づらくなった」との不満も多い。総額表示の表示方法を6つも認めてしまった財務省の方針が、混乱の元となっている面が否めない。

 総額表示となった価格をどう感じるかについては、「値上がりした」が39.0%なのに対し、「値下がりした」も26.9%と、ここでも感じ方にはバラツキがある。これは、スーパーやコンビニなどが価格表示を「総額のみ」にしたことで値上がり感が強くなった反面、実質値下げをした家電量販店などがあったことや、総額表示の切換え当初の一定期間に値下げセールを行った小売店も多かったことが影響しているものとみられ、消費者の感じ方を知るにももう少し時間が必要なようだ。