国民生活金融公庫総合研究所が9月に実施した「小企業の雇用動向調査」結果(有効回答数7426社)によると、従業員の過不足判断DI(「不足」-「過剰」)は、前年調査(2006年7~9月期)に比べて0.5ポイント低下し9.0となった。DIがプラス(「不足」超)となるのは4年連続。回答の内訳をみると、「適正」とする企業割合が64.6%ともっとも高く、「不足」が22.2%、「過剰」が13.2%となっている。
従業員の過不足状況を業種別にみると、「不足」の企業割合は「情報通信業」(51.1%)や「運輸業」(35.8%)で高くなっている。また、従業員規模別にみると、規模の小さい企業ほど「適正」の割合が高く、「0~4人」では73.5%を占める。一方、「不足」の割合は、「0~4人」で16.8%であるのに対し、「20人以上」では36.4%と、規模の大きい企業ほど「不足」の割合が高くなっている。
雇用に関する課題(2つまで回答)としては、「現在の従業員の能力向上」を挙げる企業の割合が42.6%ともっとも高く、次いで「即戦略となる従業員の採用」(23.0%)、「人件費の削減」(15.3%)、「従業員数の確保」(9.0%)、「能力や業績に合わせた処遇」(8.5%)の順となっている。「従業員数」といった量的なことよりも、「能力」や「即戦力」など質的なことを重視する企業が多いことがうかがえる。
1年前と比べた賃金の動向をみると、「ほとんど変わらない」の割合が68.9%ともっとも高く、「上昇した」が21.1%、「低下した」が10.1%だった。業種別にみると、「上昇した」割合は「情報通信業」が52.7%と突出して高く、次いで「製造業」(27.3%)、「卸売業」(26.2%)などが続く。従業員規模別にみると、「上昇した」割合は規模が大きい企業ほど高く、「20人以上」では44.9%と半数近くを占めた。
同雇用動向調査の詳細は↓
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/koyou_doukou_071029.pdf