企業や一般市民にとってわかりづらいもののひとつに弁護士報酬がある。金額がわからないと不安になり、相談したくても敷居が高くなる。加えて、2004年4月から弁護士会が定める報酬規定が廃止され、弁護士の費用は、個々の弁護士が決めることになっており、費用の妥当性がわからない。そこで紹介するのは、日本弁護士連合会が、報酬規定廃止後の2005年2月に実施したアンケート結果に基づいて作成した目安である。
それによると、弁護士費用には弁護士報酬と実費の2種類がある。実費は、収入印紙代、郵便切手代、コピー料、交通費、保証金など。弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料、着手金、報酬金、手数料、顧問料、日当などがある。着手金は、弁護士が手続きを進めるために事件を受注するときに受け取る弁護士報酬で、手付金の意味ではない。また、報酬金は、弁護士が扱った事件の成功の程度に応じて受け取る。
さて、「中小企業のための弁護士報酬の目安」によると、法律相談料は、1時間で「1万円」が59%、「5000円」が35%となっており、相談内容によって違う。当然ながら、あらかじめ弁護士に確認することを勧めている。次に、月額顧問料は、「5万円」と「3万円」が28%と多く、「2万円」が12%、「10万円」も7%ある。依頼者との契約によって、内容や範囲がいろいろなので大きな幅がある。
また、「納入した商品の品質にクレームをつけて代金2000万円を支払わない。品質には問題がないので代金を回収するために訴訟を起こし、その結果、勝訴し任意で全額回収できた」という説例では、着手金は「50万円前後」が36%、「100万円前後」が29%、「70万円前後」が26%。報酬金は、「200万円前後」が44%、「150万円前後」が30%としている。報酬金は、回収金額や事案の複雑さなどで幅がある。
アンケート結果にもとづく「中小企業のための弁護士報酬の目安」は↓
http://www.nichibenren.or.jp/ja/attorneys_fee/data/meyasu_company.pdf
同「市民のための弁護士報酬の目安」は↓
http://www.nichibenren.or.jp/ja/attorneys_fee/data/meyasu.pdf