厚労省、東日本大地震と労災保険Q&Aを公表
厚生労働省は、東日本大震災の発生に伴い、労働者が仕事中や通勤中に、地震や津波による建物崩壊等が原因となって被災した場合、本人や遺族が受給できる労災保険について、補償の適用例や請求手続方法等をまとめた労災保険に関するQ&A集をまとめた。Q&Aは、「業務災害関係」、「通勤災害関係」、「診療費関係」、「請求書の提出関係」、「年金関係」「診療費関係」、「義肢等舗装具関係」、「その他」、「審査請求関係」に分かれ全36問ある。
業務災害関係では、仕事中に地震や津波に遭遇してケガをしたのだが、労災保険が適用されるか、という質問に対し、仕事中に地震や津波に遭い、ケガをした(死亡した)場合、通常、業務災害として労災保険給付を受けることができると回答。これは、地震で建物が倒壊したり津波にのみ込まれるという危険な環境下で仕事をしていたと認められるからだが、「通常」としているのは、仕事以外の私的な行為をしていた場合を除くためとしている。
通勤災害関係では、父親が会社を出て帰宅途中と思われる時間帯に、津波に遭い亡くなり、通勤経路や、どのあたりで被災したかはわからないが、労災請求できるか、との質問に、被災の状況がわからない場合であっても、明らかに通勤とは別の行為を行っているということでなければ通勤災害として認定されると回答。自分で判断ができない場合についても、請求書を受け付けて調査するとして、労災請求を勧めている。
年金関係では、遺族補償年金を受けていた母が津波で亡くなったが、補償はあるのか、との質問に、労災保険の遺族補償年金では、受給権者のうち最先受給権者が保険給付を受け取ることとしており、最先順位者が死亡等で失権した場合、次順位者に繰り下げて年金を支給(「転給」)すると回答。転給する遺族がいないときは、既に支払った遺族補償年金の額と一定額(給付基礎日額の1000日分)との差額が支給されるという。
同労災保険Q&Aの全容は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000169r3.html