酒類小売業界は中小・零細事業者が多く、量販店等の安売り攻勢などにさらされ厳しい経営環境となっている。加えて、昨年9月から、それまで制限があった酒類販売免許枠が全面自由化され、スーパーやコンビニなどが全国各地で酒類販売に参入可能となって過当競争が強まっている。こうした酒類小売業者の2006年度(法人は2006年4月1日直前終了事業年度、個人は2005年)の経営実態を調査したのは国税庁だ。
調査結果(有効回答数6万7445者)によると、業態別企業数は、「一般酒販店」が全体の65.4%(4万4125場)を占め、次いで「コンビニ」が23.3%(1万5736場)、「スーパー」が3.7%(2486場)となっている。中小企業(資本金等が5千万円以下の会社及び従業員数が50人以下の会社・個人)割合は、全体では94.8%だが、「一般酒販店」は99.0%が中小企業、「コンビニ」は96.6%、「スーパー」は59.2%。
酒類売上金額規模をみると、最多層は、一般酒販店が「300万円以下」層で24.8%を占めるのに対し、コンビニは「1000万円超1500万円以下」層が27.8%、スーパーは「1億円超5億円以下」層が19.4%。一方、専業割合(総売上のうち、酒類の売上が占める割合)の最多層は、一般酒販店では「90%以上」層が18.9%を占めるのに対し、コンビニの73.4%、スーパーの71.6%は、「10%未満」層の専業割合となっている。
また、赤字企業は全体の28.3%だが、そのうち65.2%を「一般酒販店」が占める。専業割合別に赤字企業数をみると、最多層は、一般酒販店は「90%以上」が20.0%を占めるのに対し、コンビニ及びスーパーでは同「10%未満」がそれぞれ64.1%、67.9%を占めて最多となっている。つまり、専業割合が高い一般酒販店ほど赤字企業が多く、街の酒屋さんを中心とした一般酒販店は、厳しい経営環境にあることがうかがわれる。
「2006年度酒類小売業者の経営実態調査」結果の詳細は↓
http://www.nta.go.jp/category/sake/10/kouri/h18/kouri.htm