特許庁は3月29日、今年度から、審査官が持っている検索手法を外部向けに加工したうえで、順次、同庁ホームページを通じて公表する方針を決定した。このほど、その第一弾として、従来技術の検索手法に関する情報の集約が進んでいる技術分野について「特許検索ガイドブック」として公表した。重複した研究を避けるための他社研究開発動向、特許出願や審査請求の要否判断のための従来技術調査などへの活用を期待している。
「特許検索ガイドブック」は、特許庁の特許審査官が日々特許出願の審査を行うなかで培ってきたサーチノウハウを集約・整理したもの。各技術分野において、各種特許情報検索ツールを利用して特許文献などを検索する際に有益な情報、例えば、各種検索キーの有効な組合せ方法、関連技術分野の範囲、キーワードの類義語などが体系的にまとめられている。
また、同ガイドブックは、特許庁内の検索環境を前提に検索手法などの情報をまとめたものなので、使用する特許情報検索システムによっては、ガイドブックに示されている検索式や機能が使えない場合もあるが、検索方針の立て方や検索キーの組合せ方など、特許審査官の検索の考え方は、出願人や研究者が特許情報の検索を行う際に十分参考になるものとしている。
なお特許庁では、審査官のサーチ方ハウをそのまま書き下ろしたものなので、特許検索にある程度基礎知識がある人たちに活用してもらうことを想定しているという。
今回、特許庁ホームページを通じて公表される特許検索ガイドブックは、1)レーザー一般、2)光学分析技術、3)電子ゲーム、4)ハイブリッド自動車、5)マニプレータ、6)調理機器、7)遺伝子工学、8)固体廃棄物の処理、9)燃料電池、10)デジタル記録担体及び周辺機器、11)光学的記録担体及びその製造、12)電話機の回路等、の12の技術分野についてである。
特許庁ホームページは↓
http://www.jpo.go.jp/indexj.htm