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経営関連情報 (2006/09/11)

地域事業者は金融サービスを地銀・信金に期待

 野村総研が地方の中小企業者や自営業者を対象に実施した「地域の金融サービスに関する意識調査」結果(有効回答数1000人)によると、今後期待する金融サービス提供者として、「メガバンク」を挙げた地域事業者が10%だったのに対し、64%が「地方銀行」を、40%が「信用金庫」を挙げた。このように、地域金融機関を重視する地域事業者が多数を占めることがわかった。

 また、拡大志向の事業者の24%が、自社の課題として「前向きな資金調達をしたいが難しい」ことを挙げている。この背景の一つに、銀行などの金融機関が、顧客企業の不動産担保や、財務評価に基づく内部格付けによって融資判断している実態があると考えられている。野村総研は、事業から生み出される動産・債権を担保とする融資の活用などが、地域事業者を支える重要なインフラになるとみている。

 今後期待する金融機能・サービスでは、拡大志向の事業者の「電子商取引上での決済サービス」や「電子商取引上での売掛債権を活用した資金調達」に対する期待が突出して高いという結果がでた。2007年度施行予定の電子債権法に対応して、地域金融機関が地域事業者の代理人として、地域外の事業者に対し、地域事業者の電子債権上での債務保証や電子債権の取引の仲介を行ったりすることも可能だろう。

 2010年代に向け、スーパーやコンビニ、郵便局といった様々なチャンネルを通じた金融サービスの提供が急速に進み、生活に密着したサービスを利用者が選択可能になると予想される。野村総研では、地域金融機関と全国展開型の金融サービス提供者とのすみ分けは、対人的なサービス提供とIT等を活用した効率的なサービス提供という2つの方法を、どのような配分で組み合わせるのか、という点に集約されてくると考えている。