情報処理推進機構(IPA)が3日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、2月の届出件数は4150件で1月から15.0%の減少となった。ウイルスの月別の届出件数は、2004年の3月に前月の1733件から4012件に急増して以降、同年5月の5439件をピークに4千件台以上の高水準で推移している。2004年の合計は前年の約3倍の5万2151件と急増し、今年に入ってもその勢いは衰えていない。
その象徴が昨年2月に初めて届出が寄せられたW32/Netskyウイルスで、昨年3月以降、1年にわたり届出件数のトップとなっている。2月も1064件となり、12ヵ月連続で千件を超える届出が寄せられた。W32/Netskyは、次々に亜種が出現し、非常に多くのウイルスメールを撒き散らしている状況が、IPAの検知システムで観測されている。同ウイルスが高い水準で感染活動を続けている要因として、以下の特徴を指摘している。
それは、1)感染したコンピュータ上で、見た目にわかる症状が出ず、感染を気づかない、2)受信したメールの件名に自分自身のメールアドレスが表示され、自分が送信したメールのエラーと勘違いして添付ファイルを開いてしまう、3)不特定多数への大量メール送信型ウイルス(マスメール型ウイルス)であるため、感染すると大量にウイルスメールが送信され、感染が拡大するなどだ。
このように、最近のウイルスは、感染しても見た目にわかる症状が出るものはほとんどなく、気づかずにウイルスメールを発信しているケースが多数存在していると推測される。ウイルスに感染しているかどうかを確認するためには、ウイルス対策ソフトで検査することが必要だ。思い当たることがなくても、いつのまにかウイルスに感染していることもあるので、IPAでは、今一度チェックすることを勧めている。