税 務 関 連 情 報

2003年09月22日-001
わが国財政は月収55万円で44万円の借金が必要

 自民党総裁選は小泉首相が再選されたが、これを機に改めてわが国の厳しい財政事情を確認してみたい。格好の資料は、財務省が19日に公表した「財政の現状と今後のあり方」である。それによると、わが国財政を家計にたとえたら、月収55万円の世帯が月々約44万円を借金していかなければ生きていけないというのである。30兆円の国債を発行するといわれてもピンとこないが、実に分かりやすいではないか。

 わが国の2003年度一般会計予算は約82兆円である。内訳は、地方交付税交付金等が17兆3988億円(構成比21.3%)、国債費が16兆7981億円(同20.5%)、残りが一般歳出で47兆5922億円(同58.2%)である。一方、歳入は、税収(約41.8兆円)と税外収入で45兆3441億円と約5割を賄っているが、残りのうち36兆4450億円は公債金収入に依存しなければならないのだ。なお、年度末の公債残高は450兆円程度と見込まれる。

 このような財政状況を年収661万円(家計調査による2001年全国勤労者世帯の平均)の家計にたとえた場合、月収が約55万円(税収・税外収入)となり、このうち約20万円は借金の返済(国債費)に充てなければならず、また、田舎への仕送り(地方交付税)に約21万円が必要なため、実際に可処分所得として使えるのは約14万円だけとなる。もう台所は火の車である。

 一方、この家計は、家計費(一般歳出)として月々約58万円を必要としており、収入で賄いきれない約44万円は、借金(公債金収入)として調達しなければならない。年々、借金は増え続けており、その残高は約6600万円に達する状況なのだ。このような厳しい家計の全ては家長である小泉さんの責任ではないが、小泉さんなら何とかしてくれるだろうと信じて家計を任せた我々の期待に応えてほしいと切に願うばかりだ。

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