社会経済生産性本部がこのほど発表した「レジャー白書2008」によると、日本人の余暇活動の現状について2007年は、「動物園、植物園、水族館、博物館」(対前年比340万人増)のような“行楽系”の種目や、Wii等の新型ハードが好調だったテレビゲーム(同70万人増)のような“インドア系”の種目で、参加人口を伸ばす種目が多くみられた。一方で、「国内観光旅行」など、遠距離の移動を伴う種目では参加人口が伸び悩んだ。
2007年の余暇市場は74兆5370億円、前年比では5.8%の縮小となった。これは、規模の大きいパチンコ市場の落込みが反映したもので、それを除いた市場規模はほぼ横ばいで推移した。「娯楽部門」(前年比▲8.5%)は、パチスロ機への規制に伴いパチンコ市場が約4.5兆円減と大きく落ち込み、テレビゲームは好調が続く一方、ゲームセンターは苦戦。「スポーツ部門」(同0.5%増)は、ゴルフ場・ゴルフ練習場が好調だった。
91種目の余暇活動定点観測種目についてみると、一人の人が1年間に経験する余暇活動種目数は、この10年で17.8種目から14.5種目に縮小。特に10代の若年層を中心に余暇活動の“絞り込み”の傾向がはっきりみられたという。若年期の余暇経験の貧困化は、この層の中高年期における活動低迷につながる怖れがあり、将来の余暇需要のいっそうの縮小が懸念されている。
一方、この10年で9割の種目が参加率の水準を落としたにもかかわらず、年間平均参加回数が上昇した種目は6割にのぼった。つまり、“好きな種目にはいっそう盛んに参加する一方で、関心の低い種目への参加は控える”、といった余暇活動の「選択投資化」の傾向がはっきり認められた。社会経済生産性本部は、こうした消費者の志向の変化に対応した需要開拓戦略の転換が求められるとしている。