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10年度企業倒産1万1496件、2ヵ月連続前年度比減

経営関連情報 - 2011年04月11日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2010年度(10年4月~11年3月)の倒産件数は1万1496件と、前年度の1万2866件を10.6%下回り、2年連続の前年度比減少となった。月別推移をみると、4月以降、前年同月比二ケタの減少率が4ヵ月続くなど、年度前半に大幅減少が目立った。年度後半にかけては1月に1年5ヵ月ぶりに前年同月を上回るなど、減少幅は縮小した。

 一方、負債総額は4兆5573億7600万円となり、前年度比35.1%減少した。2年連続で前年度を下回り、過去10年で最少を記録している。月別推移では、9月に日本振興銀行(株)や(株)武富士の大型倒産が発生したものの、4月以降総じて低水準が続いた。負債額トップは、日本振興銀行(東京都)の6805億6300万円。負債100億円以上の大型倒産は35件(前年度58件)と、過去10年で最少だった。

 業種別にみると、7業種すべてで前年度を下回った。不動産業(350件)が前年度比20.1%の大幅減少となったほか、製造業(1712件、前年度比▲14.8%)、卸売業(1636件、同▲14.1%)などでも減少が目立った。不動産業では、土地・建物売買(114件、同▲33.7%)の減少が目立つ。製造業では、食料品(144件、同▲25.0%)や電気機械器具(148件、同▲16.9%)などで減少した。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業の倒産は5726件(構成比49.8%)で、前年度比0.2%減にとどまったが、高止まりが続いている。一方、負債100億円以上の大型倒産は上記のように35件にとどまった。資本金別でも、資本金1億円以上の倒産が236件と、前年度の289件を18.3%下回るなど、中堅・大企業の倒産減少が目立った。大型倒産減少の背景には、私的整理手法の広がりや外需主導による景気回復の恩恵などがある。

 なお、東日本大震災は、発生から約1ヵ月経てなお、被害の全容は把握できておらず、日本経済全体への深刻な影響は長期化の様相を呈している。今から16年前の95年1月に起こった阪神大震災後にも、関連倒産が95年2月~97年12月の約3年間の累計で394件判明。直接被災した企業だけでなく、被災企業の取引先もまた、商品や材料調達難や売掛金回収難から倒産しており、今後は間接被害を受けた倒産多発が懸念されている。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/10nendo.html