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税務関連情報 (2004/12/20)

前に簡易課税を選択し免税を経た課税事業者の注意点

 消費税の免税点引下げに伴い新たに課税事業者となる事業者が簡易課税制度の適用を受ける場合は、周知のように経過措置が設けられている。本来、簡易課税制度の適用を受けるためには、適用を受けようとする課税期間の開始する日の前日までに簡易課税制度選択届出書を税務署に提出しなければならないが、免税点の引下げに伴い新たに課税事業者となった場合は、その課税期間内に選択届出書を提出すれば簡易課税制度が適用される。

 ところで、この新たな課税事業者は、今回の改正で初めて課税事業者となる事業者がほとんどだろう。しかしなかには、以前に課税事業者で簡易課税制度を選択していた事業者が、その後免税事業者となって、今回の免税点の引下げで再び課税事業者となった場合もある。この事業者が、今回の課税期間は簡易課税制度を適用せずに申告しようと考えている場合は、上記の経過措置が適用されないので注意が必要だ。

 というのも、簡易課税制度選択届出書の効力は、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出していない限り存続するからだ。いったん、その基準期間における課税売上高が1000万円(今年4月以前は3000万円)以下となり免税事業者となった場合でも、その後の課税期間の課税売上高が1000万円を超え5000万円(同2億円)以下となった場合には、簡易課税制度を適用して申告することになる。

 だから、簡易課税制度の適用を受けないことにする場合は、適用を受けないこととする課税期間の開始の日の前日までに「選択不適用届出書」を提出しなければならないことになる。例えば、個人事業者が平成17年分は簡易課税制度の適用を受けないこととする場合は、今年の12月末日までに不適用届出書を提出する必要があるわけだ。この取扱いは法人においても同様なので、大きな設備投資などを考えている場合は注意が必要だ。