中小企業金融公庫が14日に発表した「中小製造業設備投資動向調査」結果(有効回答数8330社)によると、中小製造業(従業員300人未満)の2005年度設備投資実績は前年度実績比11.7%増で、3年連続の二ケタの伸び率となった。2006年度当初計画は、前年度当初計画比では15.3%増だが、前年度実績比では▲5.2%減となる。上期は同8.6%増と引き続き好調な伸びが続くが、下期は同▲18.0%減となる見込みだ。
2005年度実績を業種別にみると、「鉄鋼業」、「非鉄金属」、「金属製品」、「一般機械」など、金属・機械関連業種の前年に引き続く増加に加え、「木材・木製品」、「窯業土石製品」、「紙・パルプ・紙加工品」など建設・内需関連業種でも高い伸びがみられた。2006年度当初計画では、「鉄鋼業」、「非鉄金属」、「輸送用機器」は前年に引き続き増加の見通し。さらに、「電気機器」、「化学工業」でも当初計画段階で実績比プラスの計画となっている。
設備投資の内容(取得ベース)を2005年度実績でみると、「機械・装置」が1兆3856億円で全体の51.7%を占め、対前年度実績比は7.4%増だが、特に「建物・構築物」が7853億円、構成比29.3%で、同23.7%増と、工場増設投資などの増加に伴い大幅に増加した。2006年度当初計画も、2005年度当初計画比でみると、引き続き「建物・構築物」の増加が34.5%増と目立つ。
目的別にみると、2005年度実績では、増産に対応するための「能力拡充」投資が34.4%と3年連続でもっとも高い割合となった。2006年度当初計画でも、「能力拡充」の割合は34.2%と、バブル期の1989年度当初計画での33.6%を上回る高い水準を維持。また、平均投資金額は、2005年度は1社平均6990万円、前年度実績比11.3%増と上昇、実施企業割合も59.5%と6割近い水準に回復し、設備投資に広がりがみられた。
2006年度当初計画でも、平均投資金額は7560万円と前年度実績比8.2%増となった。とりわけ、「鉄鋼業」、「非鉄金属」など素材型業種での工場新設・増設や中核設備更新の大型計画が目立つ。
同設備投資動向調査結果の要約は↓
http://www.jasme.go.jp/jpn/result/manufactyouyaku.pdf