仕事上ではいうに及ばず、日常生活でも言葉づかいや話し方は大切だ。不適切な言動であらぬ誤解や不快感を与えることも多い。新聞折込求人広告の最大手アイデム社が同社ビジネススクールの受講者を対象に実施した「ビジネスマナーに関する意識調査」結果(有効回答数2089人)によると、仕事上、自分の言葉づかいや話し方に「自信がある」は23.4%にとどまり、76.2%とほとんどの人が「自信がない」ことがわかった。
年代別にみると、当然、年代が上がり職業経験を積むにつれ、「自信がある」人の割合が増えている。とはいえ、その割合は、「40代」で34.0%、「50代」で38.5%となっており、5~6割近くの人はあまり自信を持っていない。自分の言葉づかいや話し方にもっとも気をつかう相手は、「お客様」が75.8%、「職場の上司・先輩」が21.2%と、「お客様」と回答した割合が圧倒的に高い結果となった。
逆に、他人の言葉づかいや話し方に不快を感じたことが「ある」との回答は83.1%だった。年代が上がるほど高く、「50代以上」では94.5%に達する。年代の高い人ほど、正しくない言葉づかいや話し方に抵抗があるようだ。他人の言葉づかいや話し方を不快に感じるところ(複数回答)は、「馴れ馴れしく話す」(47.0%)、「だらだらと話す」(42.2%)、「語尾をのばす」(35.1%)などの順。これらに共通するのは“緊張感のなさ”だろう。
また、15の文例から違和感のあるものを選択してもらった結果、「部長みたいに偉くなりたい」(77.3%)、「今日の会議に出れない」(72.2%)、「私(わたし)的には、難しいと思います」(70.1%)が上位となった。これらに共通するのは、「~みたく」、「ら抜き」、「~的」の表現が、いずれも若者の間で使われている点。年代によって違和感のある割合は違うが、様々な年代が集まる職場などでは、こうした表現は避けたほうが無難だ。
逆に違和感の度合が低かったのは「申し訳ございません」(4.0%)や「とんでもございません」(17.2%)だった。「申し訳ない」、「とんでもない」の「ない」は、分類上形容詞であるため、「ございません」に変えることはできないとされている。「申し訳ございません」などに違和感があるとの回答はいずれも少数であり、世間で広く使われていくうちに、違和感が薄れてきたのではないかと推測されている。
同意識調査結果の詳細は↓
http://apj.aidem.co.jp/pdf/tyousa060602.pdf