国税庁は2月25日付の文書回答において、「企業が支払うグリーン・エネルギー・マークの使用料は、製造原価として損金の額に算入することができ、また、消費税法上、仕入税額控除できる」ことを明らかにした。資源エネルギー庁からの照会に回答したもの。政府は、新エネルギー政策の抜本強化策の一環として、グリーン電力(風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーにより発電された電力)の普及拡大を図っている。
具体的には、グリーン・エネルギー・マークの利用を希望する企業は、マークを制定した財団法人エネルギー経済研究所との間でマークの使用許諾契約を締結したマーク事業者との間で、再使用許諾契約を結び、各事業年度においてマークを添付した製品の製造に対して費消した電力量に応じたマーク使用料を支払う。マーク事業者は、これらの利益をもってグリーン電力を発電する事業者を支援するというシステムである。
企業は、製品にマークを添付して販売することを通じて地球温暖化対策に取り組んでいることをアピールすることで企業イメージの向上が図れ、その趣旨に賛同する消費者の購買を期待できる。つまり、企業にとってマーク使用料は、企業及び商品の広告宣伝効果を期待して支払うものといえる。マーク使用料の金額は、使用契約に基づき、各企業の事業年度ごとの金額がその事業年度のマークの使用実績に応じて確定する。
そこで、このマーク使用料の税務上の取扱いだが、同使用料は製品の製造のために要するものだから棚卸資産の取得価額に算入すべきものであり、その確定額のうちその事業年度の売上に対応する部分の金額をその事業年度の各企業の所得計算において、製造原価として損金算入する。確定額のうち、その事業年度の売上に対応しない部分の金額は、棚卸資産として翌事業年度以降の売上に応じて損金算入することとなる。
また、企業はマークの使用許諾契約に基づき製造した製品にマークを添付することができるものであり、対価性のあるマークの使用料に該当する。企業が支払うマーク使用料は、商標であるマークの使用料であることから、消費税法上の資産の貸付の対価に該当する。したがって、企業はマークを使用した課税期間の使用実績において確定した金額を仕入税額控除の対象とすることができる。以上の取扱いを国税庁が認めている。