税 務 関 連 情 報 |
2002年08月19日-003
会計士協会、2003年度税制改正意見・要望書を公表
日本公認会計士協会はこのほど、「2003年度税制改正意見・要望書」を去る7月29日開催の理事会で承認し公表した。同協会の税制改正要望における基本的スタンスは、「課税の公平」、「税制の簡素化及び納税コストの軽減」、「会計基準との適合性」、「経済取引への中立性」、「国際的整合性」の5点。また、会計によって計算された利益は、企業の担税力を示す指標として最も大きな説得力を有するものであることを一貫して主張してきている。会計上の利益が課税所得の中心にあるべきであり、会計と税の調整は租税法としての要請からくる客観的測定可能性、形式性、公平性などの理由によるものや、租税特別措置法による特別の政策目的によるものなどに限られるべきであるとの考えを示している。
今回は、全体で37項目の要望を盛り込んでいるが、特に重要要望事項として次の7項目を掲げている。
1)法人税法の改正に当たっては、企業会計の基準を十分に尊重するとともに、税務上の事実認定において企業会計の専門家たる公認会計士の監査上の基準を尊重すること
2)棚卸資産(特に不動産)の時価の下落による評価減の損金算入を認めること
3)中間法人の税制については非収益事業所得を非課税とすること
4)連結納税制度における付加税を廃止すること
5)連結納税制度における連結子会社の連結前欠損金の持込み制限を緩和すること
6)欠損金の繰戻しによる還付の不適用の規定を廃止すること
7)欠損金等の繰越控除期間を最低限7年間とし、開業に長期間を要する場合の特例を設けること
例えば、2)については、2000年4月1日以後開始事業年度からは販売用不動産についての監査上の取扱いとして、時価が取得価額の50%以上下落した場合は、評価損の計上を要請する指針が明確に示されている。一方、法人税法においては、棚卸資産について災害による損傷、陳腐化、法律の規定による評価換え、その他これらに準ずる特別の事実が生じた場合については、損金経理を要件として評価損の計上が認められているものの、単なる価額の著しい下落は、評価損が計上できる場合として列挙されていない。そこで、税務上の取扱いにおいても、時価が著しく下落した場合に評価損の計上を認める旨の明文規定を設けることを要望している。
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