ゼイタックス

税務関連情報 (2005/03/25)

新規公開特例の廃止とエンジェル税制の延長

 新規公開株式の譲渡益に係る特例とは、上場前に3年を超えて所有している株式を、上場の日以降1年以内に譲渡した場合には、その譲渡益を2分の1に軽減するものだ。ベンチャー支援などのために創業者利益を考慮した制度だ。ただし、上場株式等の譲渡益に係る10%の軽減税率が適用される期間(2007年12月末まで)は適用が凍結されている。この特例が、2005年度税制改正で廃止される。

 新規公開特例が廃止されると、2008年以降に新規公開した企業のオーナーが譲渡した場合の税負担は、エンジェル税制の適用に該当する場合を除き、一般投資家が譲渡した場合の税負担と同じになる。また、新規公開特例はエンジェル税制との併用が認められていたため、2002年までは、課税対象が譲渡所得の4分の1まで大幅に軽減されていたが、この優遇措置も閉ざされることになる。

 エンジェル税制の2分の1特例の適用期限は、2005年度税制改正において2007年3月末まで2年延長される。ベンチャー企業の株式(特定中小会社株式)については、所有期間が3年を超えるものを、上場後3年以内または上場前のM&Aなどによって譲渡したときは、その譲渡益を2分の1に軽減する特例がある。さらに、譲渡益課税の税率は、2007年12月末までは10%の軽減税率が適用される。