税 務 関 連 情 報

2003年03月17日-002
もうすぐ焼酎に追い抜かれる清酒

 清酒の下落傾向に歯止めがかからない。国税庁がまとめた2002年の酒類課税数量統計速報によると、昨年1年間の清酒の課税数量は90万7千キロリットルで前年に比べ6.2%減で7年連続の減少となった。一方、“ブーム再来”ともいわれている焼酎は4.3%増の79万キロリットルで4年連続の増加。その差は11万キロリットル。年間4~5%の割合で増加する焼酎の上昇傾向からみて、清酒を追い抜く日は近い。

 90年代初めには清酒が焼酎の3倍近い課税数量だったが、焼酎は、ウーロン割りなどの手軽な飲み方や安さが若い世代に支持され、中高年世代には本格焼酎が受けるなど順調に消費量を増やしてきた。その分、清酒が割りを食ったという見方もできるが、清酒業界の努力が「吟醸酒」という高価格酒にしか現れなかったところに敗因がありそうだ。いくら美味しくても値段が高ければ、若い世代は敬遠してしまう。

 安いといえば発泡酒だが、発泡酒が大部分を占める雑酒は2002年も全ての月で前年同月を上回り、258万キロリットルと前年に比べ5.7%増加して、酒類全体の4分の1を占めた。しかし、42.0%増という前年の伸び率と比べると26.3ポイントも下回っており、発売以来の急上昇カーブの勢いがやや弱まった感がある。

 とはいえ、発泡酒のビールへの侵食は続いており、話題商品投入などのメーカー側の努力も実らず、ビールは前年の11.6%減に続き2002年も10.9%減の436万6千キロリットルとなった。この結果、昨年1年間の酒類課税数量は、全体の半数近くを占めるビールの減少が影響して、前年比1.3%減となる959万9千キロリットルだった。

 

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