厚労省はこのほど、労働政策審議会職業安定分科会の労働力需給制度部会が、労働者派遣法の改正に向けて原案を提示したことを明らかにした。労働者派遣については、雇用管理に欠ける形態である日雇派遣など社会的に問題のある派遣形態が出てきていることや、禁止業務派遣や二重派遣などの違反事案が顕在化し、業務停止処分などの行政処分となる事案もみられることなどから、労働者派遣法の改正が検討されている。
原案では、日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者については、労働者派遣を原則禁止する。その一方、現在、派遣受入期間の制限がない26業務から、特別な雇用管理を必要とする「建築物清掃」や「駐車場の管理」など、及び日雇派遣がほとんどみられない「放送機器操作」や「アナウンサー」などを除外した業務については、ポジティブリスト化した上で認めることが適当であるとしている。
登録型派遣の常用化については、1年以上勤務している、期間を定めて雇用する派遣労働者の希望を踏まえ、(1)期間を定めないで雇用する派遣労働者または通常の労働者として雇い入れる、(2)期間を定めないで雇用する派遣労働者への転換を促進するための教育訓練等の措置を講ずる、(3)紹介予定派遣の対象とすること等を通じて派遣先での直接雇用を促進する、などのいずれかの措置を講ずる努力義務を派遣元事業主に課す。
また、派遣労働者の待遇を確保するため、 (1)派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験等を勘案し、賃金を決定する努力義務、(2)派遣労働者のキャリアパスを考慮に入れた適切な教育訓練の実施、就業機会の確保などを講ずる努力義務、(3)派遣料金、派遣労働者の賃金、これらの差額の派遣料金に占める割合などの事務運営に関する情報の公開義務、などを派遣元事業主に対して課す。
同原案については↓
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0912-3a.pdf