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円滑化法での返済猶予の中小企業の申込は192万件

経営関連情報 - 2011年07月15日

 東京商工リサーチがこのほど発表した全国410金融機関「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予実績によると、2011年3月末までの申込件数は合計212万1571件、金額54兆941億8800万円だった。同法の利用企業は、国内の個人企業を含む約400万社のうち、約1割に達する可能性もある。ただし、全国的には広く浸透しているが、地域的な格差は依然として大きいことが明らかになった。

 申込件数約212万件のうち、中小企業(個人企業を含む)は192万2694件、金額は51兆1560億4700万円。このうち実行件数は172万4360件(実行率89.6%)、金額は46兆6418億1600万円(同91.1%)で、ともに約9割を占めた。地区別にみると、「関東」が88万7994件(構成率46.1%)で最多、次いで「中部」30万5212件、「近畿」25万4090件、「九州」11万1874件の順。最少は「北海道」の3万8739件だった。

 中小企業の申込件数を金融機関の業態別にみると、「信用金庫」が62万4104件(構成比32.4%)でもっとも多く、次いで「地方銀行」が60万1127件(同31.2%)、「大手行」が25万2997件(同13.1%)と続く。その他、「政府系金融」が23万3214件、「第二地銀」が20万7057件の順。小・零細企業への浸透と信用金庫、地場の有力企業を主体に取引している地方銀行の積極性を反映した結果となっている。

 これに対し実行は、「信用金庫」56万6351件(実行率90.7%)、「地方銀行」54万1484件(同90.0%)、「大手行」22万3221件(同88.2%)、「政府系金融」20万5604件(同88.1%)、「第二地銀」18万4086件(同88.9%)の順となっている。件数の実行率では、信用金庫、地方銀行が90%台に対し、大手行、第二地銀、政府系金融が88%台、第二地銀が86%台と、業態間の格差も大きかった。

 中小企業の申込件数の実行率は、「中部」が92.0%で最高、次いで「中国」91.4%、「北陸」91.1%、「四国」90.4%、「北海道」89.8%、「近畿」89.1%、「関東」89.0%、「九州」88.1%、「東北」87.3%の順。地区別の謝絶率は、「九州」が3.79%でトップ。九州は実行率が低く、謝絶率は高かった。次いで「東北」(3.77%)、「四国」(3.0%)と続く。実行率が最高だった中部は1.9%と謝絶率の低さが目立ち、地域間で対応にバラつきが大きい。

 この件の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2011/1212030_1903.html