政府・与党は10月30日、「生活対策」と題した新たな経済対策を決定・公表した。中小・小規模企業等支援対策約22兆円を始めとする事業規模は過去最大規模の約27兆円にのぼる。税制面では、(1)総額2兆円の給付金方式の定額減税を単年度の措置として今年度内に実施、(2)上場株の譲渡益・配当に対する10%軽減措置の3年間延長、(3)今年末に期限切れとなる住宅ローン減税の延長・拡充などが盛り込まれている。
目玉となる総額2兆円を限度とした定額減税は、家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現し、かつ、低所得者にも広く公平に行き渡らせるため、当初予想されていた税額控除方式ではなく給付金方式の「生活支援定額給付金(仮称)」とする。具体的な実施方式等については早急に検討することとされているが、今年度中に現金かクーポンで給付する方針で、夫婦と15歳未満の子ども2人の世帯で6万4千円になる見通しだ。
金融証券税制では、金融所得課税の一体化を推し進め、簡素な制度とすることで、個人投資家が投資しやすい環境を整備する。上場株式等の配当等についての軽減措置を来年以降3年間延長する一方、金融所得課税一体化を推し進め、そのなかで少額投資のための簡素な優遇措置を導入する。また、企業型確定拠出年金(日本版401k)において、企業が拠出する掛け金に従業員が上乗せして資金を出す「マッチング拠出」を導入する。
住宅ローン減税は、最大控除可能額を過去最大の水準まで引き上げ、省エネ・バリアフリー等の住宅リフォーム減税について投資型の減税の導入等を検討する。そのほか、中小・小規模企業等支援対策として、中小企業に対する軽減税率の時限的引下げや中小企業の欠損金の繰戻し還付の復活などを措置する。なお、税制措置については、2009年度税制改正において具体化することとされている。
新たな経済対策「生活対策」の本文は↓
http://www5.cao.go.jp/keizai1/2008/081030taisaku.pdf