日本商工会議所が5月29日に発表した早期景気観測5月調査結果によると、5月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は▲65.7となり、前月と比べ+4.7ポイントとマイナス幅が大幅に縮小した。前月比4ポイント以上のマイナス幅の縮小は2005年5月以来4年ぶり。依然厳しい水準ながら、3ヵ月連続でマイナス幅が縮小するなど、底打ちへの期待がさらに増してきた。
産業別にみると、DI値のマイナス幅はすべての業種で依然厳しい水準ながら、「建設業」(▲71.6)を除くすべての業種でマイナス幅が縮小した。向こう3ヵ月(6月~8月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比)が▲53.9と、昨年同時期の先行き見通しに比べ約5ポイント悪化。産業別に昨年同時期の先行き見通しと比較した場合、「建設業」(▲60.8)を除く、すべての業種でマイナス幅が拡大している。
景気に関する声、当面する問題としては、世界的な景気悪化の影響により、建設業や製造業を中心に、厳しい状況を訴える声が強い。先行きについて、在庫調整の進展による生産の下げ止まり、高速道路料金の値下げや定額給付金の効果、さらには公共工事に期待する声が寄せられている。一方で、新型インフルエンザの感染拡大による受注や売上の減少、雇用情勢のさらなる悪化など、引き続き厳しい状況を訴える声もあるという。
売上面では、全産業合計の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」)は▲63.2となり、前月比+3.0ポイントと2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。産業別にみると、DI値のマイナス幅は「建設」(▲69.3)で拡大したものの、他の4業種では縮小した。また、従業員面では、全産業合計の従業員DI(前年同月比、「不足」-「過剰」)は▲21.2となり、調査開始後の最悪値を記録した前月からほぼ横ばいで推移している。
同5月調査結果の詳細は↓
http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200905.pdf