2009年は上場廃止がハイペースで進んでいる。2008年以降は、経営破たんによる上場廃止も急増し、上場廃止後の倒産も増加傾向にある。帝国データバンクがこのほど発表した「上場廃止企業実態調査」結果によると、2009年の上場廃止企業(重複上場分を除く)の社数は、7月末までの7ヵ月間で110社となり、戦後最悪の企業倒産件数を更新した2008年(149社)を上回りそうな過去最高のペースで進んでいる。
2005年から2009年7月末までの上場廃止企業(重複上場分含む)は、延べ649社。年別推移でみると、2008年が166社で最多、2007年の135社、2005年の124社が続いた。市場別では、「東証1部」の191社が最多で、「ジャスダック」の162社、「東証2部」の84社が続く。2009年に入り、「東証マザーズ」の11社、「大証ヘラクレス」の13社はすでに最高を記録するなど、新興市場の増加ぶりが浮き彫りとなっている。
上場廃止理由をみると、「完全子会社化」が341社、「株式の全部取得」が80社など。「経営破たん」は、2008年33社、2009年24社と、上場企業倒産の増加に伴い急増、2005年からの合計は72社にのぼった。その「経営破たん」を理由とする上場廃止企業の上場期間は、モリモト(2008年11月、民事再生法、東証2部)の「10ヵ月」が最短で、エルクリエイト(2008年10月、破産、ジャスダック)の「1年2ヵ月」が続いた。
なお、近年、上場廃止後の企業倒産が増加傾向にある。2006年以降9社を数えたが、特に2009年は、7月までにすでに5社と急増している。これらの企業の上場廃止理由は、「虚偽記載」が4社、「監査意見不表明」と「債務超過」が各2社となり、市場別でみると、「ジャスダック」、「東証マザーズ」、「東証2部」が各2社、「東証1部」、「大証2部」、「大証ヘラクレス」が各1社となっている。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090802.pdf