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税務関連情報 (2007/08/20)

課税されない創業記念品は処分見込価額で判定

 法人が創業記念や工事完成記念などに際して社員に支給する記念品は、1)その支給する記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつ、そのものの価額が1万円以下のもの、2)創業記念のように一定期間ごとに到来する記念に際し支給する記念品は、創業後相当な期間(おおむね5年以上の期間)ごとに支給するもの、の両要件を満たせば、その経済的利益に対して課税しなくてもよいこととされている。

 この場合の1万円以下かどうかは、その記念品の処分見込価額で判定されるが、それは定価の6割とされている。この取扱いは通達で明記されているわけではないが、クイズの商品等で源泉徴収の対象となる価額の算定において、その商品の通常の現金正価の60%相当額とされていることに準じたものだ。このため、記念品の価額が1万6666円以下であれば、給与課税されないことになる。

 ただし、この金額基準をクリアーしても、「社会通念上記念品としてふさわしいもの」という要件を満たさないと課税対象となる。そもそも記念品として支給する記念品には、現物に換えて支給する金銭は含まれないとされている。したがって、換金性・流通性の高い商品券や素材としての価値が価格の大部分を占める金地金商品などは、記念品としてはふさわしくないことになろう。

 ただし、同じ金でも、素材自体の価値というよりは加工賃が主体となる18Kのペンダントヘッドなどは、裏に会社名等を刻印してあれば、記念品として認められる。結局のところ、常識的な範囲での記念品を支給するほうが税務上問題視されないことになる。なお、課税しない経済的利益とされる記念品には、建築業者や造船業者等が請負工事や造船の完成などに際し支給するものは含まれないこととされている。