就職情報サイト「マイナビ2010」を運営する毎日コミュニケーションズが、2010年卒業予定の学生を対象に実施した「就職意識調査」結果(有効回答数1万5288人)によると、学生の就職観のトップは今年も「楽しく働きたい」(35.3%)となった。次いで「個人の生活と仕事を両立させたい」(22.7%)だが、3位の「人のためになる仕事をしたい」は13.0%で、1990年の同項目調査開始時と比べると8.4ポイントも伸びている。
会社選択のポイントでは、「自分のやりたい仕事が出来る会社」(39.1%)が調査開始以来トップ、次いで「安定している会社」(26.0%)が昨年の3位から順位を上げ、全体順位は低いが、「一生続けられる会社」(10.2%)が0.8ポイント増加した。昨年は全体的に勤務制度に関する項目が回答割合を伸ばしていたが、今年は社員の定着率や長期的安定に関する項目の割合が伸びており、会社選択のポイントが変化している様子がうかがえる。
一方、行きたくない会社としては、「暗い雰囲気の会社」(41.0%)や「ノルマのきつそうな会社」(31.1%)、「仕事内容が面白くない会社」(23.8%)など、“暗い、きつい、面白くない”会社を敬遠する学生の傾向は変わらないが、今年は学生の「安定志向」を裏付けるように「財務内容の悪い会社」との回答が、前年の13.7%から15.5%へと1.8ポイント増加している。
学生の志望職種は、今年も「総務・経理・人事などの管理部門」(16.4%)、「商品企画・開発・設計部門」(16.4%)、「営業企画・営業部門」(16.3%)の3項目がほぼ同じ割合で上位となった。なお、「なにがなんでも就職したい」という就職希望度は、全体で89.8%となり、昨年(89.9%)とほぼ変わらない結果となった。この3年間は89%台で推移しており、6年前の2003年調査時(80.7%)と比較しても高い状態で推移している。