日本能率協会が8月から9月にかけて実施した「2009年度当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数706社)によると、2009年の経営課題(3つまで回答)として、昨年同様に「収益性向上」(60.8%)が第1位となった。次いで、「売上・シェア拡大」を挙げた企業が昨年度から14.7ポイント増の52.8%と急増。世界同時不況、国内需要減退というなかで、売上回復が当面の課題となっていることがうかがわれる。
昨年に第2位(40.2%)だった「人材強化(採用・育成・多様化)」は第3位(33.9%)に後退した。ただし、将来(2012年ごろ)の課題認識としては、「収益性向上」(47.6%)に次いで第2位(40.1%)となっており、依然として「人材強化」が経営課題として重要視されていることがうかがわれる。2009年の経営課題の第4位は「新製品・新サービス・新事業開発」(19.7%)、第5位は「財務体質強化」(16.6%)となっている。
2008年度の決算と比較した3年後の業績見通しについては、「増収増益(営業利益ベース)」を見込む企業が51.0%と半数を占めた。一方、「減収減益」は12.2%。3年前と比較した2008年度の決算は、「増収増益」の企業が26.6%と、「減収減益」(37.3%)を下回った。また、低価格競争に巻き込まれているかどうかを尋ねたところ、「強く、そう感じる」が43.8%、「やや、そう感じる」が36.0%と、計8割にのぼった。
経営機能別の課題に関して、成果主義人事制度への対応状況は、38.8%の企業が「導入済みだが、見直しを行った(行っている)」と回答。一方、「導入済みであり、特に見直しはしていない」企業も36.8%あった。「今後も導入する予定はない」が15.9%。特に見直したポイントとしては、「評価における成果部分の割合」(28.8%)、「評価の基準・尺度」(28.8%)、「評価の内容・項目」(25.2%)が上位に挙げられている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20091013_f00067.pdf