経済広報センターが実施した「生活者の“企業観”に関する調査」結果(有効回答数2078人)によると、企業の果たす役割や責任についての重要度は、「本業に徹する(優れた商品・サービス・技術などをより安く提供、安全・安心の確保)」が「非常に重要」との回答が83%と最重要視された。次いで「不測の事態が発生した際の的確な情報発信などの対応」(62%)、「社会倫理に則した企業倫理の確立・順守」(60%)が続いている。
また、企業が果たしていると思う役割や責任(3つまで回答)については、「本業に徹する」が68%、次いで「利益の確保と国・地方自治体への納税」(43%)、「技術と研究開発」(31%)と続く。上記で最重要視された「本業に徹する」がトップという結果になったが、「不測の事態が発生した際の的確な情報発信などの対応」や「社会倫理に則した企業倫理の確立・順守」は「果たしている」が各5%、10%と低い割合だった。
生活者の企業に対する信頼度(感)は、「信頼できる」(3%)と「ある程度信頼できる」(36%)を合わせると約4割が肯定的な評価となった。昨年度の肯定的な評価(26%)からは13ポイント高くなっている。一方、「あまり信頼できない」(21%)と「信頼できない」(3%)を合わせた否定的な評価は24%と肯定的な評価を15ポイント下回った。昨年度の否定的な評価(34%)からは10ポイント下がっている。
生活者が考える企業不祥事の原因としては、「経営者の姿勢(倫理観)や経営方針に問題がある」が76%でもっとも多い。2006年度(64%)、2007年度(69%)の調査でもトップだが、この2年間で12ポイント増加している。次いで、「企業の管理(社員の教育不足やコンプライアンスの不徹底など)に問題がある」が64%であり、生活者は企業不祥事の原因として経営者の責任を重く求めている。
企業不祥事を防止するために取り組むべき策は、「経営者が自ら先頭に立って倫理観を醸成し、法令を順守する」が69%でもっとも高い。2006年度から防止策の第1位に挙がっているが、今回の調査ではさらに回答割合が増えている。次いで「従業員の倫理観や考え方を変えるように社内教育を実施する」(40%)、「商習慣や古い制度などを見直す」(30%)など、不祥事防止のために経営者が果たすべき役割や責任は大きいようだ。
同調査結果の詳細は↓
http://www.kkc.or.jp/society/survey/enq_090526.pdf