税 務 関 連 情 報

2003年04月04日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(42)

『所得税における水平的公平性について』(3)

 所得税制における公平性は、負担能力が大きい人にはそれなりの負担をしてもらうという垂直的公平性と、等しい負担能力がある人には同じ負担を求めるという水平的公平性がある。前者は所得格差や経済環境など時代の要請に従い変化しうるが、後者はどのような状況においても変わることがない基本的な要請である。

 2002年に行われた「税ついての対話集会」でのアンケート集計結果によると、「税負担が不公平なので、不公平をなくして欲しい」との意見が38%を占め、多くの人々が現在の税制は公平なものだとは考えていないことが分かる。また、85年に行われた総理府の「税金に関する世論調査」では、実に8割強の回答者が「税金に不公平がある」と回答した。

 この不公平感はどこからきているのか。総理府の調査では、52%の回答者が「サラリーマンと商工業・農業などの自営業者の間の納税方法に違いがある」ことを挙げ、次に「脱税が摘発されていない」が37%で続いた。つまり、業種間での負担の制度上の差異と、制度上の問題を越えた部分、すなわちクロヨンと称される業種間の所得捕捉の差や脱税の問題を考える必要がある。

(続く)

 

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