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経営関連情報 (2004/08/27)

購買行動、安さ納得消費から「こだわり」消費へ

 我々が商品を購入するとき、何を判断基準としているのか。企業にとって、その傾向を正しくつかめれば、今後のマーケティング戦略に大いに役立つ。これまで、日本人の購買スタイルは、高級志向と低価格志向の二極化といわれてきたが、それだけでは説明しきれない新たな判断基準が見えてきた、というのは三菱総研がこのほど発表した分析レポート「日本人の購買行動」だ。

 同社が過去3回(97年、2000年、2003年)実施した「生活者1万人アンケート」を分析した結果、日本人の購買スタイルを、1)プレミアム消費、2)利便性消費、3)徹底探索消費、4)安さ納得消費の4つに分類している。

 「プレミアム消費」は、自分のお気に入りに徹底してこだわる。商品自体のよさはもちろん、商品選びの際の情報提供やアフターサービスといった付加価値(プレミアム)にもウエイトがおかれる。「利便性消費」は、「便利さ」にお金を払う購買スタイル。日本でコンビニがもっとも定着しているように、日本の特徴的なスタイルといえる。

 1990年代になって新しくはっきり表れてきたのが「徹底探索消費」だ。インターネットの普及を背景に、商品にこだわりながらも、商品情報を集めて比較検討しながら、気に入ったなかで一番安いものを選ぶ。「安さ納得消費」は、「プレミアム消費」の対極にある。商品にこだわりはなく、価格の安さだけを重視する従来型のスタイルである。

 2000年と03年の「1万人アンケート」結果を比べると、「プレミアム消費」が13%から18%、「徹底探索消費」が10%から13%へと、こだわりの強いスタイルが増加傾向にある。一方で、こだわりの弱い「利便性消費」は37%から35%、「安さ納得消費」も40%から34%へと減少した。三菱総研では「自分の可能な範囲でのこだわりを重視する人が増えた」と分析している。

 ビジネス面からいえば、「プレミアム消費」と「徹底探索消費」の購買層が今後の可能性のあるターゲットとなりそうだ。また、三菱総研では、「自社の商品が、上記の4つの分類のなかで、どの購買行動層を狙っているのかを明確にして、徹底的に差別化する戦略に出るべきだ」と提案している。

 「日本人の購買行動」の詳細は↓
 http://www.nri.co.jp/publicity/souhatsu/pdf/vol15_01.pdf