2009年に上場基準を突破した全国の未上場企業は1888社で、2008年を34社下回り6年ぶりに前年比減となったことが、帝国データバンクが1月時点で実施した上場基準突破企業動向調査結果で分かった。同調査は、全国の未上場企業のなかで東京証券取引所第二部への上場基準を満たすと想定される企業を抽出・分析したもの。上場基準突破企業は、2004年以降、5年連続で過去最高を更新し、2008年には1922社に達していた。
2009年の上場基準突破企業を業種別にみると、「製造業」(14業種)が623社で、前年比8社減となった。14業種中8業種で前年比減となり、「ガラス・土石」の14社減や「電気機械」の16社増の動きが目立った。一方、「非製造業」(8業種)は1265社で、前年比26社減となった。8業種中3業種で前年比増、4業種で前年比減となった。この結果、全体では、22業種中、8業種で前年比増、12業種で前年比減となる。
売上高別にみると、「100億円以上300億円未満」の企業が36.1%を占めて最多、次いで「300億円以上500億円未満」が17.1%、「500億円以上1000億円未満」が15.1%と続き、“100億円以上500億円”未満に全体の53.1%が集中している。また、資本金別では、「3億円以上5億円未満」が33.9%、次いで「10億円以上30億円未満」が18.8%、「2億円以上3億円未満」が15.3%、「5億円以上10億円未満」が14.7%と続いている。
上場基準突破企業数の6年ぶりの減少は、急速な経済環境悪化が国内大手企業に大打撃を与え、その下に位置する準大手企業、中小企業に影響が出てきたことが要因。その後さらに、国内大手企業が相次いで2008年度の通期業績の大幅な下方修正を行っている現状を踏まえると、今後、複数年にわたり収益確保が困難になる企業が業種を問わず数多く発生し、上場基準突破企業は今後数年間のうちに大幅に減少する可能性がある。