国税庁はこのほど、6月5日から6月9日にかけて実施した2008年度第1回インターネット公売のせり売りの落札結果を公表した。同インターネット公売は、国税滞納者からの差押財産をネット検索大手「ヤフー」が運営している官公庁オークションサイトを利用して売却するもの。今回は、東京国税局をはじめ8国税局(所)と15税務署から、絵画等の動産、自動車などを含めた169物件が出品された。
今回の公売では、3677人から参加申込みがあったが、うち758人が競り売りに参加し、129物件が落札(落札率76.3%)され、その落札額は見込価額2178万円を51.2%上回る3293万円に達した。
主な物品の落札価額をみると、ドイツの高級自動車・メルセデスベンツの平成9年式「AMG G36」(見積価額274万円)は290万1千円と見積価額の5.9%増、スイスの高級時計メーカーのオーデマピゲ社の腕時計は220万2千円(同43万円)と同412.1%増とそれぞれ見積額を上回り、東郷青児作の絵画「白い手袋」(同150万円)も23.4%高い185.1万円で落札された。
一方、見積価額からの落札価額上昇率が高かったのは、主に1800年代後半から1900年代にリトグラフ(石版印刷)で作られた当時の宣伝広告である“ヴィンテージポスター”の「BONNARD」は見積価額2700円が41万1千円と実に152倍に上昇、また買受申込者が31人及び参加申込受付者が495人と最多だった一眼レフデジカメのキャノン「EOS Kiss」(見積価額1万8千円)は、約4.8倍の8万7千円の高値で落札された。
なお、次回のネット公売は、9月から10月にかけて動産を対象として実施される予定だ。