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税務関連情報 (2004/07/23)

全銀協が金融所得課税一体化の推進を要望

 2005年度税制改正の焦点となる金融所得課税の一体化では、異なる金融所得間の納税方法を統一したり、適正な申告を担保するために選択制で何らかの番号制度の導入が必要なため、銀行業界にとって多額なシステム投資を伴うことから反対の声もあった。しかし、全国銀行協会は20日、2005年度税制改正要望の骨子を明らかにし、金融所得課税一体化の推進を求める考えを示した。

 全銀協が金融所得課税の一体化を要望した背景には、同税制の導入によって、これまで一般投資家には複雑な面があった金融税制がわかりやすくなることや、リスク商品に投資しやすい環境が整うことで、銀行の利用者に対し投資信託や債権など多くの金融商品の販売を期待できることなどがある。

 金融所得課税の一体化にあたっては、金融資産に対する課税の簡素化・中立化を図る観点から、実務面における十分な検討を踏まえ、課税方式の均等化とともに、損益通算を幅広く認めることを求めている。また、納税の仕組みについては、実務面から十分な検討を行い、納税者・金融機関が受入可能な実効性のある制度とするとともに、その導入への十分な準備期間を設けることを要望している。

 銀行協会にとって、金融所得課税の一体化そのものはプラス面が大きいが、制度導入に伴うシステム投資や準備期間が問題となる。特に番号制度がどのような仕組みになるのかが未定のため、今後、政府税調や財務省などと本格的に意見交換していく考えだ。なお、全銀協では、正式な2005年度税制改正要望については、この骨子をもとにさらに検討を行い、今年9月にとりまとめ公表する予定としている。