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経営関連情報 (2005/09/02)

店頭・窓口における顧客サービスの満足度

 業態によって顧客が重視するサービスの品質は異なり、この点を把握して顧客の期待に応えている業態はトータルに顧客満足度が上がり顧客ロイヤリティも高まる。これは、野村総研が今年3月に実施した「店頭・窓口における顧客サービスの品質調査」から明らかになったもの。同調査では、サービス品質を「親和性」、「安全性」、「利便性」、「信頼性」の4項目で表し、顧客の重視度を分析している。

 調査結果によると、例えば金融機関では信頼性(約40%)と利便性(約40%強)の比率が高く、総合スーパーでは親和性(約30%)と利便性(約45%)が多くを占めるといった違いが出ている。また、不動産販売業者や自動車販売業者、地方公共団体などでは信頼性が70%前後を占めるのに対し、ブックストアやレンタルショップ、総合スーパーなどでは20%前後と、業態によって大きな差がみられる。

 23の業態について、顧客の満足度(平均)とそのばらつき(標準偏差)の関係をみると、ばらつきが少なく満足度が比較的高い業態として、コーヒーショップ、ブックストア、総合スーパー、ドラッグストア、ハンバーガーチェーンなどが挙げられている、これらの業態は、マニュアルなどによってサービスの標準化が進んでおり、顧客が抱くイメージどおりのサービスが提供されているからと考えられる。

 また、ばらつきは多いが、満足度が比較的高い業態として、航空会社やレンタカー会社、コンビニ、自動車販売業者などが挙げられている。これらの業態は、サービスを提供する人の資質によって品質が左右され、それが満足度に影響しているためとみている。顧客は、例えば、コーヒーショップには雰囲気・居心地のよさといった親和性に、自動車販売業者には担当者の説明のわかりやすさといった信頼性に期待の重点を置いている。

 こうした事前の期待の違いが、サービスの品質と評価のばらつきの関係となって現れている。サービスレベルを標準化することは有効だが、業態によって標準化できる範囲が異なる。野村総研では、「顧客ニーズを適切に見極めて、サービスレベルの標準化と人の提供する付加的なサービスを織り交ぜながら、魅力的なサービスを提供していくことが重要」と指摘している。