帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、昨年12月の倒産件数は891件で、前月比は1.7%の減少、前年同月比でも0.6%の減少となり、2006年9月以来15ヵ月ぶりに前年同月を下回った。しかし、倒産件数の推移は一進一退を繰り返しながら、確実にベースラインが上昇してきており、増加基調が持続している。
一方、負債総額は4125億5400万円で、前月比は9.8%減、前年同月比も10.9%の減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。負債トップは、整理回収機構に会社更生法を申し立てられ、手続き開始決定を受けたゴルフ場経営会業者、ビイ・エフ・アール(大分県)の556億2700万円。負債10億円以上50億円未満の倒産は58件(前月43件、前年同月35件)、負債100億円以上の倒産は7件(同6件、同11件)発生した。
主因別の内訳をみると、「不況型倒産」の合計は705件で、前月比は1.9%減、前年同月比は2.8%の増加。うち「販売不振」は647件で、前月比は0.8%減、前年同月比も0.6%減となったが、構成比は70%を超えており、依然高水準が続いている。「不況型倒産」の構成比は79.1%で、集計対象を法的整理のみに変更した2005年以降で最高だった前月を0.3ポイント下回ったが、前年同月は2.5ポイント上回り、過去2番目の高水準となった。
負債額別にみると、負債「5000万円以上1億円未満」の倒産は164件発生し、前月比は8.4%の減少だが、前年同月比は13.1%の増加。負債「1億円未満」の中小・零細企業の倒産は540件で、構成比60.6%と引き続き高水準で推移している。資本金別では、「1000万円未満」(282件、前月比1.4%増、前年同月比11.0%増)及び「個人経営」(136件、同4.9%減、19.5%減)などの小規模倒産が引き続き高水準で推移している。