税 務 関 連 情 報

2002年10月16日-003
日本総研、法定実効税率と個別企業の実効税率の差異是正が重要

 法定実効税率の引下げをめぐり財務省・政府税制調査会と経済界・経済財政諮問会議の対立が続いている。引下げを主張する諮問会議等の旗色が悪いようだが、わが国の法人実効税率の現状は実際のところどうなのか。日本総合研究所はこのほど、「企業課税改革のあり方」と題したレポートを公表し、実効税率の引下げを含めて企業活力を高める税制改革の具体策を提言した。

 提言によると、日経225採用銘柄206社の税負担の実態を分析した結果、法定実効税率(単純平均41.5%)よりも、企業の税負担の実感ともいえる税効果会計適用後の実効税率は平均46.2%と4.7ポイント高いことや、企業が実効税率の低い国に活動拠点を移し、現地で再投資することでグループ全体の税負担を能動的に引き下げていること、試験研究費に関する税額控除が十分に使われていないこと、繰越欠損金の控除や繰戻還付等の制度が十分でないことなどの事実が判明したとしている。

 そこで、法定実効税率と個別企業の実効税率との差異を是正することが企業活力向上のうえで重要と指摘。具体的な改革案として、1)外国税額控除の適用要件の緩和、2)試験研究促進税制の拡充、3)繰越欠損金控除期間の延長と繰戻還付の凍結解除、4)連結付加税の廃止の4点を掲げ、これらの改革により、企業の実効税率が法定実効税率に近づくことが期待されるとしている。

 

 

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