2007年分の確定申告は来年2月から始まるが、電子申告特別控除が始めての適用となるので、ここで改めて2007年度税制改正において導入された同制度の留意点を紹介したい。この制度は、個人事業者などが確定申告を電子申告(e-TAX)で行う場合、所得税額から最大5000円を控除するものだが、年末調整で課税関係が終了する給与所得者についても、電子証明書を添付して電子申告をすれば、還付が受けられる。
給与所得者が確定申告する場合は医療費控除や住宅ローン減税などの還付申告が多いと思われる。通常の還付申告は、その年の1月1日から5年間提出することができるが、この特別控除では申告書の提出期限が定められているので要注意だ。具体的には、2007年分であれば、2008年1月4日から3月17日までの間、2008年分であれば2009年1月5日から3月16日までの間に電子申告した場合に限られる。
この特別控除は、2007年分または2008年分の確定申告において、上記の申告期限までに自己の電子署名を添付して電子申告した納税者が対象となる。5000円(その年の所得税額を限度)を控除できるのは、2007年分か2008年分かどちらか1回に係る電子申告での適用となる。例えば、2007年分の所得税額が3000円であれば、2007年分の特別控除額は3000円だが、残りの2000円を2008年分で控除してもらうことはできない。
また、今年の1月から税理士が代理で税務書類を作成し、納税者に代わって電子申告する場合は、納税者本人の電子署名は省略可能となったが、この場合には特別控除の適用はない。適用を受けるためには、税理士に依頼する場合も納税者本人の電子証明書が必要になる。控除適用のためには、地方自治体から電子署名に係る電子証明書(住民基本台帳カードに格納)を取得する必要等があるので、少なくとも今年中に準備したい。