税 務 業 界 関 連 情 報 |
2001年12月03日-001
準備を急ぐ税理士報酬規定廃止に伴う対応
本年5月の税理士法改正に伴い、来年4月1日から現行の最高限度を定めた税理士報酬規定が廃止されることから、税理士会ではその対応への準備を急いでいる。この報酬規定廃止は、規制改革委員会が指摘し、公正取引委員会もその存在を公正な競争を阻害するものと指摘していたことが背景にある。
公取委は、10月24日に公表した「資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方」の中で、報酬について、会則に報酬基準の記載が法定されている場合、1)報酬基準額を確定額として運用すること、2)対象外の事務の報酬についての基準の設定は独禁法上問題があると指摘。また、法定基準記載が法定されていない場合においても、標準額、目標額等、共通の目安となるような基準を設定することは問題となるとしている。一方、独禁法上問題とならない場合として、1)過去の報酬に関する概括的かつ客観的な統計の公表、2)報酬に関する原価計算や積算の方法に関する一般的な指導を挙げている。
このようなことから、報酬規定廃止に向けて、税理士会側の選択肢はそんなに多くはない。税理士会としては、報酬規定についての考え方や算定方法の基準を指針として示すにとどまる。各会員は、この指針等に従って“独自の”報酬表を作成して依頼者に提示することになる。現在、日税連では、報酬に関する原価計算や積算方法の一般的な指針を定めるべく作業を進めており、少なくとも年内には結論を出し、各単位会は地域の実情に合わせた要素を加味して各会員への周知を図る。また、税理士会が最も懸念するのは、会員独自の報酬額に起因する税理士と納税者間のトラブルである。税理士会では、来年4月以降における事務所内での報酬額表の掲示・提示はもちろん、口頭ではなく契約書を取り交わしての顧問契約等を積極的に指導・周知していくという。
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