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経営関連情報 (2006/09/27)

地銀・第二地銀の中小企業等貸出残高は1.8%増

 東京商工リサーチが発表した「地銀・第二地銀の中小企業等貸出金残高調査」によると、地銀・第二地銀111行の2006年3月期決算単体ベースの中小企業等貸出金残高は、前年同期比1.8%増の141兆7358億3400万円となった。ただし、地銀・第二地銀111行の単体ベースの総貸出金残高が同2.3%増となるなかで、中小企業等貸出金残高の伸び率は総貸出金残高の伸び率を下回っている。

 また、総貸出金残高に占める中小企業等貸出金比率は、2006年3月期単体ベースで平均78.0%となり、前年同期に比べ0.4ポイント低下した。個別では、「神奈川銀行」の95.8%がトップ。次に「スルガ銀行」(94.3%)、「熊本ファミリー銀行」(93.5%)、「びわこ銀行」(93.2%)などが続く。これに対して貸出金比率が低いのは、「岩手銀行」(59.3%)、「三重銀行」(63.1%)、「鹿児島銀行」(63.2%)などだった。

 前年同期比増減額では、111行全体の58.5%にあたる65行で貸出金残高を増やした。増加額トップは「千葉銀行」の2978億5900万円増、次に「静岡銀行」の2902億3000万円増で、増加額100億円以上は51行だった。これに対して、貸出金残高減少行は46行となり、減少額がもっとも大きかったのは「親和銀行」の2169億7000万円減で、減少額100億円以上は22行となった。

 業態別では、地銀64行が前年同期比1.9%増の106兆3936億2400万円、第二地銀47行が同1.6%増の35兆3422億1000万円となった。内訳をみてみると、地銀64行では、前年同期比増加が41行、減少が23行と貸出金残高増加行が目立ったのに対して、第二地銀47行では、前年同期比増加が24行、減少が23行とほぼ同数だった。

 景気回復が続くなか、銀行貸出も全体としては増勢傾向にある。しかし、景気回復は一律ではなく、地域により“まだら模様”となっている。東京商工リサーチでは、「地域経済の資金供給を支える地銀・第二地銀では、営業地域に業績不振企業を抱える銀行も多く、住宅ローンを中心とした消費者ローン残高が増加しているものの、地元企業向けの貸出は、いまだ回復途上にある」と分析している。

 同貸出金残高調査の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/new/data/1176230_818.html