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税務関連情報 (2006/02/06)

第二次納税義務者も不服申立て可能と判断~最高裁

 第二次納税義務を納付告知された納税者Aが、本来の納税義務者に対する課税処分について不服申立てをすることができないとした国税不服審判所の処分取消しを求めた事件で、最高裁が納税者Aの主張を認める判断を下した。また、不服申立て期間の起算日は、本来の納税義務者に課税処分が送達された日の翌日からでなく、第二次納税義務者に対する納付告知が送達された日の翌日からであるとの判断も示された。

 この事件は、法人税の更正処分をされたB社から株式の譲渡を受けたAが、B社の滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知を受けたことが発端となったもの。Aは、納付告知後2ヵ月以内に、B社に対する課税処分に対する異議申立て、審査請求をしたものの、国税当局は、不服申立て期間は、課税処分がB社に送達された翌日から2ヵ月後までで期間が過ぎていることから申立てをすべて却下した。

 そこで、Aが裁判に訴えたわけだが、一審ではAの主張が認められたため国側が控訴、控訴審では国側が逆転勝訴したため、裁判は最高裁まで持ち込まれた。最高裁は、「第二次納税義務者は、主たる課税処分によって自己の権利や法律上保護された権利を侵害されまたは必然的に侵害されるおそれがあり、その取消しによってこれを回復すべき法律上の権利がある」との解釈を示し、これを争う方法を否定することはできないと判示した。

 その結果、第二次納税義務者が主たる課税処分に対する不服申立てをする場合、「処分があったことを知った日」とは、その第二次納税義務者に対する納付告知がされた日をいい、起算日はその翌日になると指摘。最高裁は、審査請求を却下した国税不服審判所の処分は取り消されるべきであると判断し、Aの主張を認める判決を下し、再逆転判決となった。第二次納税義務者をめぐるケースでは初の最高裁の判断である。