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派遣労働者の生活と支援対応策を分析~経産研

経営関連情報 - 2011年07月08日

 経済産業研究所は、「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査」を、日雇い派遣労働者、その他派遣労働者(製造業派遣労働者とそれ以外)、その他の不安定雇用に就く労働者(パート・アルバイト・契約社員等の直接雇用者、自由業、失業者)の抽出をウエッブ調査により実施した。その結果、不安定雇用に就く非正規労働者の多様な就業形態のそれぞれの実状を考慮したきめ細かな政策対応が必要と分析している。

 日雇い派遣労働者の特徴は、親との同居が多く、未婚率が高い。小さな企業に勤め、公的保険にあまり加入していない。通勤時間が長く、労働日数は少ないほう。月収は低め、日払いや半月払いが比較的多い。娯楽費や学費のため自分の都合に合わせて働いている場合が多い。仕事を通した技能の蓄積が困難で、ハローワークやジョブ・カフェでの就業・キャリア開発の支援や指導等により、就業選択や仕事内容の質を高めていくことが重要。

 製造業派遣は男性比率が高く、未婚・単身世帯が多い。大企業に勤め、労働時間が長い。2006年以降に働き始めた人が多い。自分が家計の主たる稼ぎ手である場合が多く、正社員として働けないため製造業派遣を選んでいる。正社員になることを強く希望しているが、求職活動の時間がない。雇用の不安定、賃金、昇進機会、福利厚生などへの不満が多く、失業不安も高い。労働意欲と能力をより引き出すには、正社員化、待遇格差の是正が必要。

 パート、アルバイト等の直接雇用者は家族形態が多く、家計の足しに働いている場合が多い。自分の都合に合わせた働き方としてこの就業形態を自発的に選んでおり、主観的な幸福度・生活水準ともに高い。契約期間に定めのない者、雇用契約期間が1ヵ月以上の雇用契約期間の者が失業不安や仕事のストレスは小さい。労使双方の希望を前提に、契約期間の長期化を図り、雇用を少しでも安定させて、雇用者の満足度を高めることが重要。

 調査結果は↓
 http://www.rieti.go.jp/jp/projects/research_activity/temporary-worker/result.pdf