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金融・証券税制、軽減税率の特例を3年間延長

税務関連情報 - 2009年01月09日

 上場株式等の配当及び譲渡益に対する10%の軽減税率は、12月末に廃止され今年1月からは本則の20%税率に戻る予定だったが、2009年度税制改正では、現下の経済金融環境を考慮して、2009年1月から2011年12月までの3年間は現行税制を延長する。一方で、10%軽減税率が廃止されて20%本則税率に戻る2012年を見据え、年100万円までの少額投資非課税制度を導入する準備を進めることを決めた。

 少額投資非課税制度は、金融所得課税の一体化の取組みのなかで、「日本版ISA」と呼ばれる少額投資のための簡素な優遇措置。具体的には、5年間毎年100万円までの上場株式等への投資に係る配当・譲渡益を非課税とする措置を導入するため、今後、不正防止のための番号制度等を利用した適正な口座管理方法など、制度設計についてさらに検討を進め、2010年度改正において法制上の措置を講じる予定だ。

 また、確定拠出年金制度を拡充し、企業型確定拠出年金制度に導入される個人拠出(いわゆるマッチング拠出)の掛け金は、その全額を所得控除の対象とする。拠出限度額についても、企業型で他の企業年金がない場合は月額5.1万円(現行4.6万円)、他の企業年金がある場合は同2.55万円(同2.3万円)、個人型で企業年金がない場合は同2.3万円(同1.8万円)にそれぞれ引き上げられる。

 そのほか、生命保険料控除制度が改組され、一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の限度額を4万円(現行5万円)とするとともに、現行の一般生命保険料控除と別枠で、新たに同額(4万円)の所得控除(介護医療保険料控除)を創設する。新制度は、2012年分以後の所得税について適用することとし、制度移行に伴う諸課題の検討・準備を進め、2010年度改正により法制上の措置を行うこととしている。