2003年11月21日-002
中小企業も決算書を公開する時代(5)
~信用力のある決算書は、どうして大事なのか?
信用力のない決算書は、1)自社の経営の現状や課題を明らかにできず、今後の経営判断を見誤る、2)金融機関や取引先の審査に時間がかかり、信用力に結び付かないなどのデメリットがある。反対に信用力のある決算書では、これらのデメリットが解消でき、今後の適切な経営判断が可能になり、金融機関や取引先などの信用力の強化につながる。
そのためにも中小企業の計算書類は、会社債務者や取引先をはじめとする計算書類の利用者にとって必要十分な程度に、会社の財政状態や経営成績について真実の概観を示すものでなければならない。金融機関は提出された決算書が真実なものであると考えて融資判断をしようとするのだから、決算書が真実なものでないと、結果的に信用を失う危険性がある。
金融機関は、決算書と、それを土台とした事業計画をチェックする。適切な事業計画の作成のためには、現在の会社の状況を適切に把握しなければならないが、その土台として会社の実態を適切に反映した決算書が必要になる。そのためには、適切な会計のルールに基づく必要がある。つまり、適切な会計に基づく信用力のある決算書と、その決算書を土台とした事業計画書が、金融機関のスピーディな審査や信用力の強化に結び付くわけだ。
(続く)
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