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就職氷河期世代がみた昨今の雇用情勢~産能大調査

経営関連情報 - 2009年04月10日

 産業能率大学では、29~33歳の正社員を対象に、最近の悪化する雇用情勢などに関する意識調査を実施し、「就職氷河期世代が物申す」と題してまとめた。調査結果(有効回答数1000人)によると、景気後退の影響を受けて“正社員採用ゼロ”を表明する会社が出てきていることに対しては、「やむを得ない」との回答が42.1%で最多だったが、「企業の将来にために、一人でも採用すべき」もほぼ同数の39.2%となった。

 就職活動中の学生のためではなく、「企業の将来のため」との回答は、厳しい就職戦線を切り抜け社会人となって約10年が経過し、これまでの経験から導き出された回答ともいえそうだ。就職氷河期に就職活動を行った経験から、現在、就職活動中の人へのアドバイスとして、就職活動に取り組むべき視点は、「業種を限定せず広い視野を持つ」との意見が62.2%と、「目標を定めて業種を絞る」(37.8%)を大きく上回った。

 就職氷河期に内定を獲得するためにとるべき行動(2つまで回答)は、「自分がやりたいことを明確にする」が54.4%でもっとも多く、次いで「多くの企業を受ける」(43.6%)、「早めに就職活動を始める」(42.8%)の順。また、就職氷河期に内定を獲得するために必要な“就活力”(2つまで回答)は、「面接力」が66.2%でダントツに多く、次いで「自己分析力」(44.6%)、「忍耐力」(23.2%)などが挙げられている。

 これまでの社会人生活を振り返って、就職氷河期に入社したことの良し悪しは、「就職氷河期は関係ない」が46.2%で最多だったが、「プラスだった」との回答も35.4%あり、「マイナスだった」(18.2%)の約2倍。プラスとした理由(2つまで回答)では、「逆境に強くなった」(57.6%)、「我慢強くなった」(53.7%)が、マイナスとした理由(同)では、「教育が不十分だった」(42.4%)、「同期が少ない」(32.1%)などが上位に挙げられた。