税 務 関 連 情 報 |
2002年05月10日-002
拍車が駆かる経済団体の外形課税導入反対の署名運動
税制抜本改革へ向けて、政府税調、経済財政諮問会議双方とも6月に基本方針をまとめる予定だが、財政再建を主眼とする政府税調では、税負担の空洞化への対応から、7割を占める赤字法人にも税負担を求める法人事業税への外形標準課税の導入を盛り込む公算が強い。これに危機感を抱く経済界では、経団連、日商、全国中央会など74の経済団体で構成する外形標準課税導入反対協議会において、かねてより導入反対署名運動を展開してきたが、実施期限の5月末が目前に迫ってきたことから、反対署名運動に拍車を駆けている。
同協議会では、外形課税導入の問題点として、1)法人のみを対象として、取り易いところから取る安易な不公平税制、2)赤字法人や黒字法人も含め、大多数の中小法人にとって負担能力を超えた課税となる、3)最大の課税ベースが賃金であり、現下の厳しい雇用情勢の中で労働集約的な中小企業には壊滅的な打撃になる、4)納税・徴税コストが新たに増大する、5)諸外国でも、賃金に着目した外形課税は「雇用に悪影響」として、相次いで廃止の方向にあることなどを掲げている。
平成14年度税制改正では賃金・資本等を課税標準とする外形課税の総務省案は見送られたが、昨年末の与党大綱では「今後、各方面の意見を聞きながら検討を深め、具体案を得たうえで、景気の状況等も勘案しつつ、平成15年度改正を目途にその導入を図る」と明記された。しかし、政府は長引く不況対策のための経済活性化を優先する方針から、外形課税の早期導入は考えづらいが、経済界は根気よく導入反対運動を展開していく意向だ。なお、協議会では、5月末までに取りまとめられた導入反対の署名簿を持って大陳情団を結成し、経済界を挙げての全国的な陳情活動を実施する予定という。
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