日本貿易振興機構(ジェトロ)が、7月に発表された財務省貿易統計(円ベース、輸出は確報値、輸入は速報値)をドル建て換算したところ、2009年上半期の日中貿易は総額1028億3996万ドル、前年同期比21.4%減となり、2001年下半期以来15半期ぶりに前年同期を下回ったことが分かった。うち、輸出は465億5888万ドル、同25.3%減、輸入は562億8108万ドル、同17.8%減と、輸出入ともに激しい落込みとなった。
日中貿易は、中国経済の減速や外需減少の影響を受け、2008年11月以降2009年6月まで8ヵ月連続で前年同月割れとなった。最終消費地である日米欧市場への中国からの完成品輸出が落ち込んだことから、それら完成品に使用される部品、原材料、機械などの日本からの輸出が減少し、さらに高所得者層の消費意欲の減退などもあり、中国国内で販売される製品の輸出も減少した。
日中貿易は輸出入ともに減少したものの、対世界貿易の減少幅ほどは落ち込まなかったことから、日本の対世界貿易に占める中国のシェアは20.4%と、前年同期に比べ3.4ポイント上昇し、半期ベースで初めて20%を上回り、過去最高を更新。特に、対中輸出シェアは18.5%と、半期ベースでは初めて米国(16.1%)を上回り、中国が日本の最大の輸出相手先となった。また、輸入シェアも22.3%と、輸出とともに過去最高を更新した。
2009年通年の見通しは、下半期にかけて中国経済の回復傾向は続くと見込まれるが、中国の内需拡大が日本からの高付加価値品の輸出をけん引する効果は限定的とみられること、他方では日本経済の急速な回復も難しい情勢のため、輸入の急速な回復は見込み薄であることなどを勘案すると、今年通年の貿易額が、アジア通貨危機の影響を受けた1998年以来11年ぶりの前年割れとなることはほぼ確実と予測される。
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http://www.jetro.go.jp/news/releases/20090819282-news