被保険者である保険契約者を委託者、信託銀行を受託者、実際に財産を残したい者(実質的な保険金受取人)を受益者、死亡保険金請求権を信託財産とする新たな生命保険信託(金融庁が認可)の保険料が、生命保険料控除の対象としてよいか、とのプルデンシャル生命保険(株)の事前照会に対し、東京国税局はこのほど、生命保険料控除の対象となる旨回答したことを明らかにした。
同信託は、財産管理が困難な事情にある親族等の受取保険金を保全しながら、必要な財産の交付を行うことを目的として利用される信託で、その仕組みは、保険契約者と同社で生命保険契約を締結し、実際に財産を残したい者(受益者として指定することを予定している者)を保険金受取人とする。保険契約者は、形式上、保険金受取人を自己に変更する旨の意思表示を同社に行った上で、信託銀行との間で信託契約を締結する。
この意思表示は、信託における信託財産は委託者(保険契約者)が処分できる財産であるという信託財産としての適格性を満たすために行うもの。契約締結後、委託者は直ちに保険金受取人を信託銀行に変更する旨の意思表示を行うシステム。被保険者の死亡による保険金支払事由が発生した場合、同社から死亡保険金請求権を有する信託銀行に対し死亡保険金が支払われ、以後、その保険金が信託財産になる。
所得税基本通達76-1では、生命保険契約等に係る保険料等が生命保険料控除の対象となるかどうかは、保険料等を支払った時の現況により判定するとされているが、同生保信託の保険料を支払う時、実質的な死亡保険金の受取人とされる受益者が委託者の配偶者その他の親族であるため、生命保険料控除の対象となるとした同社の見解に対し、東京国税局もこれを認める旨、回答した。
同文書回答は↓
http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/shotoku/101213/02.htm#b2