全国商工会連合会が12日に発表した2月の小規模企業景気動向調査によると、景気動向指数(DI:前年同月比、「増加(好転)」-「減少(悪化)」企業割合)は、売上額が2.3ポイント減の▲30.5、採算が2.1ポイント減の▲32.5、資金繰りが1.0ポイント減の▲30.8、業況が0.3ポイント増の▲33.9となった。同調査は、全国約300商工会の経営指導員を対象に2月末時点で行ったもの。
景気回復基調が叫ばれるなか、商工会地域では「都市部との温度差を感じる」との回答が多く、依然として、小規模企業を取り巻く経営環境は厳しいようだ。産業全体の業況は小幅ながら改善の動きを示しているが、全商連では「回復基調は継続しているものの、本格回復への足取りは重く、足踏み状態といえる」との見方を示している。
業種別にみると、「製造業」は、自動車部品・機械部品・デジタル家電の一部地域で好調との回答もあるが、繊維は中国製との競争で経営環境が厳しく、さらに、食料品がBSEや鳥インフルエンザの影響を受けており、売上額・採算・業況が悪化した。
「建設業」は、引き続き、公共事業の縮小や受注の小型化といった回答が目立つが、一部地域での地震復旧工事・除雪作業といった自然・天候的要因、さらに、マンションや個人住宅の建設増加や、年度末に向けた公共工事の期待からか、低水準ながらも業況を中心にすべての項目で改善した。
「小売業」は、食品において、BSEや鳥インフルエンザによる売上減少・仕入原価高騰という回答が目立つ。大型店やCVSとの競争が引き続き激化しているとの回答に加え、中旬以降、暖冬となったことで、冬物商品の販売が低迷、売上額・採算・資金繰りは悪化した。
「サービス業」は、理容業や洗濯業において、引き続き、利用サイクルの長期化や大型店・ディスカウントチェーンの進出により競争激化との回答が目立つ。旅館業は、工事関係者の利用が減って売上が減少しているとの回答があり、ここにも公共工事縮小の影響が現れている。売上額が前年を下回るとの回答も目立ち、全体的に明るい材料が見受けられない。