社会人基礎力とは、経済産業省が定義する職場や地域社会で働く上で必要な力のこと。毎日コミュニケーションズが24~29歳の社会人を対象に実施した「社会人基礎力に関する調査」結果(有効回答数454人)によると、社会人基礎力という言葉を「知っていた」との回答は3.5%、「なんとなく聞いたことがある」(38.8%)を含めても、全体の半数以下となった。経産省が推し進める「社会人基礎力」自体の理解度・認知度はまだ低い。
あなたは社会人基礎力があるかと尋ねたところ、「どちらかというあると思う+あると思う」との回答が50.6%、「あまりないと思う+まったくないと思う」が49.4%と、ほぼ半数に分かれる結果になった。また、社会人として働く上で強みとしている能力(複数回答)は、「規律性」が44.5%ともっとも多く、次いで「傾聴力」(36.3%)、「状況把握力」(31.3%)、「実行力」(27.5%)という回答が上位を占めた。
一方、足りないと感じている能力(複数回答)では、「創造力」が42.1%ともっとも多く、次いで「発信力」(35.0%)、「ストレスコントロール」(33.3%)、「働きかける力」(30.2%)という結果になった。これらの結果から、若手社会人は、既存の規則や周囲に調和する能力には自信があるものの、自ら主体的に行動する能力に不安を持っているという傾向があることをうかがわせている。
社会人として働くうえで最重要視している社会人基礎力については、「主体性」(22.9%)、「規律性」(12.8%)、「実行力」(12.1%)、「状況把握力」(10.1%)、「ストレスコントロール力」(10.1%)の順となった。また、社会人基礎力を身につけるために効果的なこと(複数回答)は、「年長者との交流を持つ」(68.5%)や「友人を作る」(46.3%)など、人間関係を重視している傾向が明らかになった。