ゼイタックス

日税連、e-Taxのさらなる普及へ要望事項公表

税務関連情報 - 2008年06月09日

 2007年度のe-Tax(国税電子申告・納税システム)利用率は約17%を達成し、国が掲げている目標率である3%を大きく上回り、2008年度の目標利用率8%をも上回る結果となった。しかし、国が掲げる2010年度の目標利用率は50%であり、さらなる利用率向上に向けて、電子申告が行いやすい環境整備が必要である。このような観点から、日本税理士会連合会はこのほど、「電子申告に関する要望事項」を公表した。

 要望事項は、電子申告のシステムや機能に関するものから、税制、地方税の電子申告システム(eLTAX:エルタックス)など、24項目にのぼる。税理士は納税者の代理で電子申告を行うことが多いことから、実務面での要望が多い。なかでも、電子申告利用者に翌年度の「紙ベースの情報」が来ないことを問題視している。現在、紙で申告を行った場合は翌年も申告書が郵送されてくるが、電子申告した場合には何も郵送されてこない。

 電子申告した場合には何も申告書が送付されないため、所得税の予定納税額の有無や振替納税の有無が把握できない。そこで、電子申告を行った納税者に対して、翌年度の紙ベースの申告書の事前送付をやめるとしても、最低限、メッセージボックスの利用案内や申告期限の案内、税理士関与の場合は担当税理士の指導を受ける旨を記載したハガキ等を送るなど、何らかの方法で情報提供を行うことを要望している。

 また、税理士に依頼している納税者は、自身でメッセージボックスにアクセスして内容確認をすることはほとんど行わないことから、納税者を代理する税理士が、納税者のメッセージボックスに通知される全情報を参照できる方策を確立することも求めた。特に、所得税・法人税・消費税の各予定納税額の確認は税理士業務を行う上で当然の作業であり、電子申告において税理士が直接確認できるシステムとすることが必須であるとしている。

 そのほか、2007年分・2008年分所得税の確定申告に限って適用される電子証明書等特別控除は、電子申告の利用率向上や電子証明書の取得率増加に一定の効果があると思われるが、利用率50%達成のためには恒久的な電子申告控除の創設が必要との考えを示した。電子申告控除を創設した際には、税理士の代理送信により、電子署名を省略している納税者も紙の申告書を提出していない以上、当然に控除対象とすべきことを求めている。

 同要望事項の全文は↓
 http://www.nichizeiren.or.jp/pdf/080605youbou.pdf