7月22日から人民元の対米ドルレートが2.1%切上げられた。これを受けて中国日本商会(在中国日本商工会議所)では、日系企業に対する影響を把握する目的で22日~25日にかけて緊急調査を実施し、27日に発表した。調査結果(有効回答数115社)によると、切上げ幅については、「予想範囲より低い」との回答が60.0%を占めたが、「予想範囲内」も38.3%と4割近くあり、「範囲より高い」とする企業はわずか1.7%だった。
貿易面での輸入に対する影響は、「軽微」(46.1%)と「吸収できる範囲」(27.0%)を合わせると7割以上で、ほとんど企業が影響を受けないとのこと。輸出に対する影響は、「軽微」が60.9%と過半を占めたが、「多少は減少する」との回答が14.8%あった。ただし、「かなり減少する」はわずか2.6%だった。
また、輸出入への影響をトータルした場合の経営に対する影響については、「相殺されるので軽微」との回答が40.9%でもっとも多く、「多少はある」との回答も27.0%と3割近くあったが、「大きい」との回答はわずか1.7%だった。
今後、人民元はドルに対してさらに切り上がると思うかとの問いに対しては、93.9%とほとんどの企業が「そう思う」と回答。中国国内の金融市場への影響については、「影響はない」との回答が44.3%でもっとも多かったが、「引締めが強化され、金利が上昇する」との見方も33.9%あった。
中国経済全体への影響(複数回答)では、「輸出が適度に抑えられ、経済成長が安定速度に乗る」(51.3%)、「米欧との貿易摩擦が緩和され、経済成長が安定する」(33.0%)などプラスの影響と評価する企業が比較的多い。一方、「輸出減少により経済成長が減速」(21.7%)、「国内金利が上昇し、経済成長が抑制される」(15.7%)、「外貨の流入が加速し、バブルを助長」(12.2%)、「原油高とあいまって物価上昇を招き景気を冷やす」(8.7%)といったマイナスの影響予想は相対的に少なかった。
同調査の詳細は↓
http://www.cjcci.biz/public_html/topics/050727_2.pdf