金融市場の混乱等の影響等により、2009年3月期の銀行決算は厳しいものとなった。金融庁が発表した地域金融機関の決算は4000億円を超える最終赤字となり、多くの地域金融機関で有価証券の減損処理を余儀なくされた。帝国データバンクが発表した「地銀、第二地銀の決算動向調査」結果によると、09年3月期における地方銀行108行の有価証券関係損益合計は▲1兆768億5300万円、08年3月比で▲1兆87億600万円となった。
有価証券関係損益がプラスとなったのは、地銀64行中4行、第二地銀44行中でも6行にとどまった。連結ベースのみ公表の18行を除く地方銀行90行の有価証券評価損益合計は▲1459億9900万円、08年3月比で▲1兆8014億700万円となった。また、中小企業等貸出比率(公表107行)が増加したのは13行にとどまり、単純平均は76.41%で08年3月比では1.65ポイントの減少となった。
2009年3月期の有価証券評価損益合計をみると、地銀56行(連結開示のみの8行を除く)は38億7400万円、08年3月比▲1兆6916億5200万円となった。各行別にみると、「京都銀行」(1449億5300万円)がトップ、以下、「静岡銀行」(642億5600万円)、「八十二銀行」(438億700万円)と続く。一方、下位ランキングは、「千葉銀行」(▲566億円)、「広島銀行」(▲472億9300万円)、「紀陽銀行」(▲431億8400万円)と続く。
一方、第二地銀34行(連結開示のみの10行を除く)は、▲1498億7300万円、08年3月比▲1097億5500万円となった。各行別にみると、「愛知銀行」(35億7200万円)がトップ、以下、「愛媛銀行」(15億6000万円)、「名古屋銀行」(9億9300万円)と続く。一方、下位ランキングは、「もみじ銀行」(▲282億8800万円)、「富山第一銀行」(▲121億1800万円)、「関西アーバン銀行」(▲117億4500万円)と続く。
同決算動向調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090604.pdf