ゼイタックス

税務関連情報 (2005/09/26)

6月末の「国の借金」は最悪の795兆円

 久しぶりの「国の借金」の確認である。小泉内閣が圧倒的に支持されたことで財政再建が加速することを期待したいが、その前に危機に瀕したわが国の財政事情の現状認識である。財務省が22日に公表した2005年6月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は795兆8338億円となった。3月末から約14兆円、1年前の昨年6月末からは約66兆円増え、過去最悪の数字を更新した。

 1年前に比べ、普通国債は約42兆円増の510兆円で全体の64%を占めている。普通国債の内訳は、個人向け国債や20年債の発行拡大で長期国債が約25兆円増の324兆円となったほか、5年債などの中期国債が約11兆円増の138兆円、1年以下の短期国債が約5兆円増の47兆円となっている。そのほか、借入金は約4000億円増の58兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約2.7兆円減の97兆円などとなっている。

 この「国の借金」795兆円は、2005年度一般会計予算案の歳出総額82兆1829億円の9.7倍、2005年度税収見込み額44兆70億円の18倍である。年収500万円のサラリーマンが9000万円の借金を抱えていることになる。わが国の5月1日時点での総人口1億2753万人(総務省統計、確定値)で割ると、国民1人あたり約624万円の借金となる勘定だ。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 ところが、これは国の借金だけであって、地方の借入金残高が2004年度末で約203兆円あるのだ。つまり、国と地方を合わせた借金は、重複分(約33兆円)を除いても900兆円台半ばを超え1000兆円に近づいている。2005年度の国債発行額は4年ぶりの縮減(2兆2000億円減)となるが、それでも34兆3900億円を新規発行する予定だ。このような、わが国の“火の車”の台所事情を十分に認識していただけたろうか。