税 務 関 連 情 報 |
2003年02月24日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(36)
★「物事の本質」
前回(2月17日)の当連載は特別版で東京税理士会のシンポジウムを報告させていただいた。住基ネットに反対する櫻井よしこ氏の反論を書きながら改めて感じたことだが、ひとつの国家的な事業を行うときは、そのメリット・デメリットを正直に国民に知らせるべきだということである。それも、可能な限り大きな視点から見た目的を、である。
例えば、住基ネットのメリットを説明するとき、住民票の添付省略や引っ越し手続きの簡略化など目先の現実的なことばかりをPRしていては、誰もが何百億円もかけて無駄だと反対するだろう。住基ネットを導入することでの国民の利便性と行政の効率化というためには、「国家百年の計」に基づいた大きな絵図を示すべきなのだ。
そうでないと、目先の事柄・利害だけを判断材料にした低次元の議論になってしまい、「物事の本質」が見えてこない論争になってしまう。「住基ネット」と「プライバシー」をハカリにかけて選択しようとするとき、本質が分からなければ選びようがないではないか。錘の片側の「プライバシー」だって誤解だらけのテーマなんだから、薄っぺらな反対論にさえ抵抗できないことになろう。
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