団塊世代の大量退職が本格的に始まり、企業にとって技能・技術の継承が大きな課題となっているが、労働政策研究・研修機構が実施した「団塊世代の就業・生活ビジョン調査」結果(有効回答数2722人)によると、仕事を始めて数年の人と比べた現在の職業能力の自己評価は、「上回っている」が38.8%、「かなり上回っている」が26.2%と、合わせ65.0%を占め、まだまだいけると思っている人が多いことが分かった。
一方、「若い人にはかなわない」との回答は8.5%に過ぎなかった。また、仕事の内容別にみると、若い人を上回っているとする割合が相対的に高いものには、「管理的な仕事」(80.5%)、「専門・技術的な仕事」(78.9%)などがあり、一方、相対的に低いものは、「事務の仕事」(54.7%)、「サービスの仕事」(55.5%)、「技能工・生産工程の仕事」(59.4%)などとなっている。
自己の技能や技術を後継者に伝達する必要性については、64.4%が「伝えるべき」と回答し、多くの団塊世代が技能・技術の伝達の必要性を感じている。仕事の内容別にみると、「専門・技術的な仕事」(77.5%)や「管理的な仕事」(77.4%)では4分の3を超えており、また、「販売の仕事」(63.2%)や「技能工・生産工程の仕事」(63.0%)でも3分の2近くの人が技能等の伝達が必要としている。
技能等の伝達の必要性は高いが、実際には「うまく伝わっている」との回答は4.9%に過ぎず、「ある程度伝わっている」が65.5%と3分の2が「ある程度」の段階にとどまっている。一方、「あまり伝わっていない」(23.5%)と「まったく伝わっていない」(4.9%)を合わせて3割近くが技能等の伝達に問題点を感じている。伝達できない理由は、「伝える相手がそもそもいない」、「会社のサポートが足りない」などが多い。
同調査結果の詳細は↓
http://www.jil.go.jp/press/documents/20070220.pdf