ゼイタックス

経営関連情報 (2005/11/16)

来春の金融緩和解除、4割超が「時期尚早」と回答

 日銀は、最近の景気回復基調と物価動向に注視しながら、2006年春に量的金融緩和政策の解除条件が整う可能性をたびたび示唆するようになった。日銀は解除条件として、消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上になることなどを挙げている。そこで、帝国データバンクでは、10月下旬に「量的金融緩和政策に対する企業の意識調査」を実施したところ、4割以上の企業が「時期尚早」と回答している。

 調査結果(有効回答数1万77社)によると、2006年春に量的金融緩和政策の解除条件が整うか否かについて尋ねたところ、「時期総称」と回答した企業割合は42.9%だった。このうち、「2006年内には整う」とした企業は16.0%、「2007年以降にずれ込む」とした企業が26.9%だった。「わからない/不回答」を選択した企業が49.7%と約半数にのぼっており、量的金融緩和政策解除への判断が難しい状況にあることをうかがわせる。

 帝国データバンクでは、「量的金融緩和の継続によるリスクを懸念する声や正常な金融政策への振り戻しを望む声はあるものの、地方や中小企業、個人消費の動向に、依然として根強い不透明感が残っており、多数の企業が金融政策の転換に前向きな姿勢を示せない重しになっている」との見方を示した。

 また、2006年春にかけて、「デフレ脱却が見込める状況になる」と回答した企業割合は19.4%と2割に満たず、「デフレ脱却を見込める状況にはならない」と回答した企業が36.0%だった。その最大の要因として、71.8%の企業が「高騰が続く原油・素材価格」を挙げている。景気回復のすそ野は徐々に拡大しつつあるが、地方や中小企業の多くは、依然として景気回復の実感に乏しく、また、原料の値上り分を販売価格に転嫁できない厳しい経営環境が続いており、デフレ脱却へ期待をもてない状況に置かれているものとみている。

 同意識調査の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/watching/press/keiki_w0510.pdf