2003年10月06日-001
東京・豊島区、放置自転車対策税など2新税を公表
東京・豊島区の法定外税検討会議は、約1年4ヵ月をかけて議論を重ねてきた「放置自転車等対策推進税」と「ワンルームマンション税」の2つの新税について報告書をまとめ、去る9月30日に区長に提出した。報告書は、2つの新税はともに成立の可能性があるとし、今後、11月の区議会に条例案を提出・制定し、総務省との同意決議を経て、来年度中の施行を目指す。
法定外目的税である「放置自転車等対策推進税」は、鉄道事業者を納税義務者として乗客1000人あたり780円程度を課税する。年間2億3100万円程度を見込む税収は、放置自転車等の撤去・保管・返還・処分などに要する経費、区立自転車駐車場等の維持・整備経費、放置抑制啓発経費など、放置自転車等対策を推進するための経費に充てられる。課税期間は5年間。
豊島区は、池袋駅周辺の放置自転車台数がかつて日本一になったことがある(1999年)が、区の調査によると、放置者の7割以上が鉄道利用のため放置している。そこで区では、2002年度までに各鉄道駅周辺に28ヵ所の自転車駐車場を設置してきたり、放置自転車の撤去を強化してきたが、これらの経費は過去5年間で年平均10億円以上にのぼる。この一部の負担を鉄道事業者に求めることは合理性があるというのが課税の根拠である。
一方、法定外普通税である「ワンルームマンション税」は、国が定める二人用世帯の最低居住水準未満である床面積が29平方メートル未満の住戸を有する集合住宅を新築・増築する建築主を納税義務者として、1戸あたり50万円程度の税率で課税する。29平方メートル未満の住戸数が8戸以下の小規模な集合住宅は課税免除となる。税収は平年度ベースで3700万円程度と見込まれる。課税期間は5年間。
豊島区内には約12万5千戸の住宅がある(1998年住宅等統計調査)が、うち約5万1550戸、全体の40%は30平方メートル未満のものとなっている。これ以上狭小なものに偏った住宅供給が続くと、ゆとりのある居住水準の達成が困難となり、ファミリー層の定住率が低下するとともに、地域コミュニティの希薄化が懸念される。このような観点から、狭小住戸の増加を抑制する税の創設は許されるべきだというのが報告書の主張である。
【ホームへ戻る】
|