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経営関連情報 (2006/07/28)

05年度の語学ビジネス市場全体は6383億円

 矢野経済研究所がこのほど発表した「語学ビジネス徹底調査レポート2006」によると、2005年度の語学ビジネス市場は、対前年比0.9%増の6383億4000万円となった。語学ビジネス市場は、語学スクール、語学学習教材、周辺ビジネスの合計。教育訓練給付金制度変更のショックから立ち直った語学スクールが、わずかながら拡大に転じたことが拡大の大きな要因とみている。

 また、04年から05年にかけて、大学入試センター試験でのヒアリング試験の導入、小学校での英語必修化論の高まり、受験者が増加しつづけるTOEIC試験の改革などのほか、幼児英会話スクール、学習参考書、資格対策本などが好調に推移し市場全体の拡大に寄与した。一方で、幼児英語教材では大手企業が先発企業よりも安い教材で参入する動きがあり、金額ベースでの市場が縮小するなど、分野別では消長の差が激しくなっている。

 分野別の状況をみると、「成人向け外国語教室市場」は、教育訓練給付金制度の変更により市場が縮小した04年度から反転して拡大した。ただし、拡大幅は小さく、03年度レベルには届かず、05年度市場規模は2705億円。「幼児・子ども英会話教室市場」は、小学校での英語学習導入が盛んになり、早期英語教育に対する熱が高まっている。少子化にもかかわらず市場は拡大しており、05年度市場規模は945億円である。

 「書籍教材市場」は、資格対策書や学習参考書が増加となったものの、教科書や辞書の落込みなどが響き、全体としては微減で落ち着いた。05年度市場規模は424億円。「電子辞書市場」は、数量ベースでは飽和状態で縮小傾向だが、高級機種への買い替え需要が主な市場となり、単価上昇により若干の拡大となった。05年度市場規模は735億円となっている。

 「幼児向け英会話教材市場」は、大きな市場を形成しているが、ベネッセや旺文社などが低価格商品で参入し、金額ベースの市場は縮小となって、05年度市場規模は450億円だった。「通訳・翻訳ビジネス市場」は、景気の回復とグローバル化の進展とともに、通訳・翻訳ビジネスの需要も増え、通訳・翻訳学習者も増加傾向にあり、05年度市場規模は295億円となっている。