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10月の国内企業物価は前月比で過去最大の下落率

経営関連情報 - 2008年11月21日

 第一生命経済研究所がこのほど発表した2008年10月の企業物価指数に関するレポートによると、10月の国内企業物価は前月比▲1.6%、前年比+4.8%と予想値(同+5.5%、レンジ:+4.4%~6.2%)を大きく下回り、前月比でみると過去最大の下落率となった。11月についても、現時点で入手可能なデータに基づく予測では前月比で1%を超えるマイナスとなる可能性が高く、国内企業物価は低下基調が鮮明になっている。

 前月比の内訳をみると、「石油・石炭製品」(前月比▲12.4%、寄与度▲1.05%ポイント)、「非鉄金属」(同▲10.5%、▲0.31%ポイント)、「スクラップ類」(同▲29.0%、▲0.24%ポイント)、「化学製品」(同▲1.9%、0.17%ポイント)、「電力・都市ガス・水道」(同▲2.8%、▲0.14%ポイント)などがマイナスに寄与し、「輸送用機器」(同+1.6%、+0.17%ポイント)などがプラスに寄与した。

 国内品を需要段階別にみると、「素原材料」は前年比▲4.5%(9月:同+3.6%)とマイナスに転じ、「中間財」は同+7.3%(同+9.9%)、「最終財」は同+1.7%(同+2.6%)、また、消費者物価の財価格と関連の深い「消費財」も国内品で同+2.0%と9月(同+3.5%)から伸びが大きく鈍化した。このことから、9月は同+2.3%となった全国消費者物価(生鮮食品除く総合)だが、10月は同+1.9%程度に伸びが鈍化する可能性が高いとみている。

 先行きについては、原材料価格の下落を背景に石油・石炭製品、非鉄金属、化学製品などで前月マイナス、また、鉄鋼についても伸び率が鈍化してくると予測。それは、原材料である鉄スクラップ価格がピーク時の6分の1以下、鉄鉱石の需要が中国の減産に伴い軟化などがその理由。国内企業物価は、11月には前年比で3%程度、12月には2%割れと、今後急速に鈍化し、来春にはマイナス転化の可能性が高いと予想している。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et08_175.pdf