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11月企業倒産1000件、3ヵ月連続前年同月比減少

経営関連情報 - 2009年12月14日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は1000件にとどまり、前月比は6.5%の減少、前年同月比でも1.3%の減少となった。3ヵ月連続で前年同月を下回り、9月(946件)に次いで今年2番目に少ない件数となった。一方、負債総額は6908億5500万円で、前月比は174.8%、前年同月比も27.7%の増加となり、5ヵ月ぶりの前年同月比増加となった。

 倒産件数が減少した背景には、(1)建設業の倒産が地方圏を中心に減少が続き、5ヵ月連続の前年割れとなった、(2)中部(146件)が集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月後で最多となったものの、関東(357件)、近畿(243件)が今年最低だったこと、などがある。ただし、負債5000万円未満の小規模倒産は453件発生し、前年同月比で11.0%増加するなど、小規模企業の資金繰りは依然として厳しい状況にある。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月比減少となった。特に「運輸・通信業」(35件、前年同月比7.9%減)と「サービス業」(168件、同11.1%減)は今年最低を記録。「建設業」(239件、同8.4%減)でも減少が目立ち、5ヵ月連続の前年割れとなった。一方、設備投資の減少を受け機械器具製造(52件)が前年同月比160.0%増となるなど「製造業」(177件)は前年同月比36.2%の大幅増加で、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は453件発生し、構成比は45.3%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は4件にとどまり、7ヵ月連続の一ケタとなった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が503件、構成比は50.3%を占めた。また、小規模企業は856件と構成比85.6%を占め、集計基準変更後最高の前月(87.2%)は下回ったが、小規模企業倒産が依然として高水準で推移している。