税 務 関 連 情 報 |
2001年11月05日-001
東京都の「ホテル税」導入構想に業界困惑
東京都の石原新太郎知事が2日に「ホテル税」導入構想を表明したことで、ホテル・旅館などの関連業界に困惑が広がっている。新税は、都内のホテル・旅館に泊まる宿泊客から1泊1万円以上は100円、1万5千円以上は200円を徴収する法定外目的税。この条例案を12月の都議会に提出し、条例成立後は総務省との協議を経て来年6月のワールドカップ前後に導入しようというもの。
東京都によると、100円徴収の宿泊客は1日平均1万9千人、200円は1万1千人で、1日あたり計約3万人の宿泊客から年間約15億円の税収を見込む。税収の全ては観光振興に充てられ、例えば、宿泊施設のバリアフリー化や外国人観光客のための案内所設置などを想定しているという。
この新税構想に対しホテル・旅館業界は困惑を隠しきれない。都内のホテルは外国人宿泊客の減少から稼働率が伸び悩んでいたところへ米国同時多発テロが追い討ちをかけ、さらに稼働率が悪化しているところも多い。このような状況の中での突然の新税導入には、困惑とともに驚きを隠せないのも当然といえる。昨年4月に、1泊1万5千円以上の宿泊や7,500円以上の飲食に対し3%で課税する特別地方消費税が廃止された。それよりは安い「ホテル税」とはいえ、特別地方消費税の廃止には地方消費税の創設に伴い廃止されたという経緯がある。宿泊料金1万円以上に限定し「大衆課税にならないように配慮した」(石原知事)とはいうものの、宿泊者に新たな負担となるのは間違いない。ホテル・旅館業界にとっては、この後の都議会での審議が気にかかるところだ。
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