メリハリ消費の傾向強まる~電通「消費気分調査」
電通総研が実施した「消費気分調査」レポート(有効回答数1200人)によると、現在の消費気分は、メリハリ消費の傾向が強まっていることが分かった。同調査は、節約・贅沢等の支出意識を定点観測するもので四半期ごとに発表している。今回は、全国の20~69歳の男女を対象に12月3・4日の両日に実施し、「冬のボーナスの使い道」や「冬の節電」、「お正月の過ごし方」なども調査している。
消費気分指数は、2011年9月調査から0.2ポイント減とほぼ横ばいの85.5ポイントとなった。震災での一時的な落ち込みからは脱却して回復傾向にあったが、長引く円高・株安などの経済的影響もあり、横ばい状態が続いている。消費気分指数の構成要素である「支出意識」の推移をみると、「メリハリをつけている」が前回調査よりも4.3ポイント増加して31.6%となり、2009年3月以降、メリハリ消費の意識は過去最高となっている。
冬のボーナスの支給予定金額の世帯平均は84.9万円で、「(まあ)満足」は30.1%、「(やや)不満」は44.8%となった。冬のボーナスの使い道は、「貯蓄」(49.1%)、「ローンや借金の返済」(27.6%)、「日頃の生活費補てん」(23.9%)、「国内旅行」(15.3%)、「保険料・税金の支払い」(14.4%)などの順。欧州の債務危機を背景とする海外経済の減速や、円高の継続といった不安要因が、慎重なボーナスの使い道に表れている。
冬の節電に関しては、「厚着をするなど、暖房機器の使用を控える」(68.0%)や「機能性下着を着る」(51.7%)といった衣類で暖を取る対策や、「エアコンの設定温度を下げる」(45.8%)、「照明機器のスイッチはこまめに切る」(56.5%)といった電力使用をなるべく控えるという対策が上位に並んだ。女性は男性よりも節電意識が高く、「体温上昇効果のある食品を食べる」といった“食”に関する工夫で節電対策をする傾向がある。
お正月の過ごし方では、「おせち、お雑煮などの“食”を楽しむ」(45.7%)や「初詣に行く」(43.8%)など、お正月ならではの項目が上位に挙げられたが、20代は、お正月のイメージが他の年代より薄く、通常の休日化している模様だ。また、生活者の55%以上が持つ意識に、「メリハリ志向」(77.5%)、「癒され志向」(72.5%)、「無駄排除志向」(71.1%)、「ハレ志向」(70.3%)、「絆志向」(69.1%)など15の意識がみられた。
同調査結果の詳細は↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2011/pdf/2011144-1221.pdf