2003年08月20日-002
モノ・財の販売状況を把握する「商業販売統計」
家計の最終消費支出に占めるサービス消費の割合は上昇し、今や過半を占めている。しかし、景気動向をとらえる上では、モノ・財の販売状況を把握する必要は依然大きい。そこで、消費動向をあらわす統計として金融マーケットからも注目されている「商業販売統計」を気になる指標として取り上げたのは農林中金総合研究所のレポートである。
小売の統計は毎月、各業界団体から発表されているが、これらの業界団体に加盟していない企業が意外に多く、カテゴリーキラーと呼ばれる家電や衣料関係の量販店チェーン・ディスカウントストアーなどは、これらの業界統計に含まれない。また、個人が営む中小小売業の売上動向は、これらの統計では把握できない。
そこで注目されるのが経済産業省から毎月末に公表される「商業販売統計」である。同統計は小売全体の動向をより広範・網羅的に把握できる。公表される調査は、標本調査によって実施されている部分も多いが、百貨店とスーパーの販売額を合計した「大型小売店販売」は基本的に全数調査によっており、卸売業についても毎月公表されている。
小売販売額は、2003年5月に3ヵ月ぶりに、また、大型小売店の販売額も4ヵ月ぶりにそれぞれ前月比増加となった。このように、季節調整された指数の動きをみることで、どの程度売れ行きが伸びているのか。小売販売の現状を把握することができる。また、調査結果は、商品別・地域別にも公表されており、どの地域で何が売れているのかを大まかに知ることもできる。
長年の経営に裏打ちされた勘や経験に頼る商売も結構だが、数字という実績・データが教えてくれる統計というものを日々の商売に活用することが、売上アップのひとつの手段といえないだろうか。
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