税 務 関 連 情 報 |
2002年10月28日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(3)
前回は、実地調査を増やせば、申告漏れはもっと見つかることの実証を書いた。国税職員を増やすことはできるのか。衆参両院は、28年間にわたって税制改正のたびに「税負担の公平を確保するために、定員の確保等に特段の努力を払うこと」との付帯決議を行っているが、28年間も繰り返しているのであれば、これはもう単なるポーズに過ぎなくなる。
このような状況下、2000年度において2001年1月の中央省庁再編に合わせ「行政機関職員法」の改正による、公務員定員を10年間で25%削減することが盛り込まれたため、国税職員の定員も、計画削減分を新規採用が補えず大幅な純減が続いている。国税労組は「このままでは現在の税務執行水準の低下は避けられない状況」と訴える。
「おい、おい、現在の執行水準からも低下してしまうのかよ」と思った方も多いだろう。お先真っ暗ではないか。国税職員を増やしてくれといったって、危機的な国家財政のなかでは無理な話である。それに、一体職員を何人増やせば適正・公平な課税ができるの、との疑問も湧く。果たして人数だけの問題なのだろうか。
所得捕捉率の不均衡は実調率の低下がひとつの要因で、実調率を上げるためには税務職員数を増やすことが絶対的に必要。しかし、緊縮財政の中では無理な注文。では、「9・6・4」と称される課税の不公平を甘受しなければならないのか。諦めてしまえば不公平も常態となって「世の中というものはそのようなものなんだ」で過ぎてしまう。
(以下次回に続く)
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