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2002年01月30日-002
企業会計審が監査基準を全面的に見直し15年3月期から適用へ
企業会計審議会(首相の諮問機関)は1月25日、監査基準を全面的に見直した「監査基準の改訂に関する意見書」を公表した。これは、企業の経営破綻に伴う会計士監査への有効性に対する批判や、会計士監査の質的向上に対する国際的な要求を踏まえ、「ゴーイング・コンサーン(企業の存続可能性)」への対処を柱に、10年ぶりに改訂したもの。適用は、平成15年3月期の財務諸表の決算監査から。
改訂基準のポイントは、1)ゴーイング・コンサーンへの対処、2)リスク・アプローチの徹底、3)監査報告書の充実。それぞれの概要は次のとおりである。
1)ゴーイング・コンサーンへの対処-債務超過、重要な債務の不履行、継続的な営業損の発生など、企業の存続可能性に、重要な疑義を抱かせる事象が存在する場合には、経営者がその内容や経営計画等を財務諸表に開示することとし、その開示が適切か否かを会計士に検討させることを義務付ける。開示が適切に行われている場合においても、会計士は監査報告書においてその情報を追記し、投資家に情報提供を行う。なお、企業に存続可能性がない場合には、不適正意見が表明されることになる。
2)リスク・アプローチの徹底-一定の決められた監査手続を実行していればよいという従来の考え方を転換し、企業の事業環境や内部統制などに関するリスク評価を通じて、重点的に効果的かつ効率的な監査を行うという、リスク・アプローチによる監査の実施を徹底。
3)監査報告書の充実-適正意見や不適正意見などの監査意見を表明する際の判断規準を示すとともに、監査報告書において、財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかについて監査を行ったことを明確にするなど、国際的な基準で求められている記述内容と同水準の内容の記述を求める。
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