税 務 関 連 情 報 |
2001年11月02日-001
公益法人の申告漏れは7.6%増の159億円
本年6月までの1年間に寺社や学校などの公益法人1,074法人に対して実地調査を行ったところ、763法人から総額159億600万円の申告漏れ所得を見つけ30億2,400万円を追徴したことを10月30日に国税庁が公表した。前年度に比べると、調査件数は48件(4.3%)減っているものの、申告漏れは11億2,400万円(7.6%)増加している。
このうち、仮装・隠ぺいなど悪質な不正計算があったのは調査全体の7.6%に当たる82法人で、不正脱漏所得金額13億2,300万円は前年度に比べ5億7,000万円(30.1%)減少した。不正は減少したものの、調査1件当たりの申告漏れは1,481万円と全法人の1,017万円に比べかなり高い。22%の適用税率や寄附金の損金算入限度額、みなし寄附金の特例など税制面で優遇されている公益法人だけに、税務当局の厳しい監視は今後とも続きそうだ。特に、不正発見割合が13.5%、1件当たり申告漏れが2,880万円の学校法人は重点的な調査対象になりそうだ。
不正計算事例では、翌期に損金算入すべき売上原価に係る証拠書類の日付を改ざんし、当期に繰り入れて利益調整していた、土木工事等の調査業務受託等の収益事業を営んでいる財団法人のケースが報告されている。
同社は、予想を上回る利益が発生したため、利益調整しようと、期末までに納品等を受けていない売上原価について証拠書類の書き換えを行い、当期に納品等がなされたように装って、当期の損金に算入していた。同社は、地方公共団体の外郭団体であり、過度の利益をだすことが問題視されていることから、利益調整を行ったもの。不正脱漏所得4,900万円に対し、重加算税を含む1,500万円が追徴されている。
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