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中小企業の業況・売上・採算ともに大きく悪化

経営関連情報 - 2008年02月06日

 日本商工会議所が1日に発表した早期景気観測調査結果によると、1月の全産業合計の業況判断DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、前月水準よりマイナス幅が7.1ポイントと大幅に拡大して▲47.9となり、5ヵ月連続で悪化、2003年6月以来の水準となった。向こう3ヵ月(2~4月)の先行き見通しも、全産業合計の業況DI(今月比ベース)が▲44.3と、昨年同時期の先行き見通し(▲23.9)に比べて大きく悪化している。

 1月の産業別の業況DIを前月と比べてみると、「建設」(▲58.1)が0.8ポイント悪化、「製造」(▲40.4)が5.5ポイント悪化、「卸売」(▲55.6)が10.7ポイント悪化、「小売」(▲49.2)が10.2ポイント悪化、「サービス」(▲44.5)が7.4ポイント悪化と、すべての業種でマイナス幅が拡大した。昨年同時期の先行き見通しと比べた場合も、すべての業種でマイナス幅が大きく拡大している。

 1月の全産業合計の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」)は、前月よりもマイナス幅が9.9ポイントと大きく拡大して▲39.8となり、2ヵ月連続で悪化した。産業別にみると、DI値のマイナス幅はすべての業種で拡大した。向こう3ヵ月の先行き見通しについても、全産業合計の売上DI(今月比ベース)が▲35.2と、昨年同時期の先行き見通し(▲16.6)に比べ悪化している。

 採算面でも、1月の全産業合計の採算DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、前月からマイナス幅が8.6ポイント拡大して▲47.1となり、5ヵ月連続で悪化した。産業別にみると、DI値のマイナス幅はすべての業種で拡大した。向こう3ヵ月の先行き見通しについては、全産業合計の採算DI(今月比ベース)が▲42.8と、昨年同時期の先行き見通し(▲20.5)に比べて大きく悪化している。

 このように、1月の業況・売上・採算の状況はともに大きく悪化し、景気の下向きの傾向を表す回答の割合が多いことを示した。また、景気に関する声、当面する問題としては、各業種から業況好調、受注・売上の増加、先行き期待という声が寄せられている一方、業況低迷、仕入コストの上昇による採算悪化、消費の低迷による売上減少などを訴える声も多く聞かれるという。