矢野経済研究所がこのほど発表した「アフィリエイト市場に関する調査2009」によると、2008年度のアフィリエイト総市場の規模は813億1000万円となり、前年度に比べ120.2%増と急拡大した。この背景には、不況を背景として費用対効果を重視する新規広告主の増加や既存広告主の予算額の増大、広告掲載媒体の増加があり、一方で生活防衛や副業を目的としてアフィリエイトを開始するパートナー(ユーザー)が増加していることがある。
アフィリエイト市場の注目すべき動向として、広告主の費用対効果に対する意識の高まりにより、アフィリエイトの質(効果)の向上が強く求められている傾向がある。このため、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)やアフィリエイト関連事業者により、(1)費用対効果向上のためのコンサルティング、(2)広告主の広告内容と媒体のコンテンツ内容の適切なマッチング、(3)効果の高い媒体のランキング化、などが実施されている。
同研究所は、アフィリエイト総市場規模は2010年度に1000億円を超え、2012年度に1235億円まで拡大すると予測。引き続き広告主の費用対効果に対する意識の高まりが予測されることから、広告主のアフィリエイト予算額の増大や広告主数の増加が今後も続くものとみている。これに加え、大手広告主の増加やEC(電子商取引)のさらなる伸張などが拡大要因となって、引き続きPCアフィリエイト市場は伸張すると予測している。
ただ、アフィリエイト業界全体では、なりすましで不正に報酬を獲得するなどの問題があり、モバイルアフィリエイト市場においては広告掲載サイトが不足していることなどの問題点も示している。このため、今後、業界全体では不正の排除が求められており、モバイルアフィリエイトアフィリエイトにおいては、モバイル広告掲載媒体の増加が、市場拡大の重要な課題となると指摘している。