情報処理推進機構(IPA)が5日に発表したコンピュータウイルス届出状況によると、7月の届出件数は4832件で、前月に比べ10.9%(590件)も減少し、3ヵ月ぶりに5千件を下回った。しかし、依然として高水準であるなかで、W32/Netskyの届出は1591件にのぼり、6月(1875件)よりは減少したものの、依然として多数の届出が寄せられている。以下、W32/Bagle532件、W32/Lovgate317件となっている。
また、7月26日、W32/Mydoomの亜種が出現した。このウイルスは、メールの添付ファイルで届く。使用される件名は、「test」、「error」に加え、「Returned mail : see transcript for details」、「Mail System Error-Returned Mail」といった配信エラーの通知メールを装う場合もある。IPAでは、このような英語の件名の怪しいメールが届いても、安易に添付ファイルを開かずに、そのまま削除するように注意を呼びかけている。
IPAではウイルス届出の集計にあたり、同じ届出者から寄せられた届出のうち、同一発見日で同一種類のウイルスが複数ある場合は、1日何通(個)でも届出1件としてカウントしている。7月の届出件数4832件は、寄せられたウイルス検出数約354万1千個を集計した結果だが、うち85.7%をW32/Netskyが占めた。他のウイルスに比べ、圧倒的に蔓延している状況が続いているので、引き続き注意が必要だ。
W32/NetskyやW32/Mydoomなど、感染を拡大するだけでなく、外部から感染したパソコンに侵入できるようにバックドア(裏口)を作成したり、WebサイトをDos(サービス妨害)攻撃するウイルスがある。感染を気づかずにいると、バックドアから侵入され、データを削除されたり、個人情報を盗まれたりする可能性がある。ウイルス対策を行うことは最低限のマナーだが、もう一度、ウイルス対策全般の見直しをお勧めしたい。