信金中央金庫総合研究所が6月始めに実施した「正規社員の採用状況等に関する特別調査」結果(有効回答数1万4072社)によると、ここ3年程度の間の新卒採用実績については、28.9%と約3割の企業が「新卒採用あり」と回答した。新卒採用の内訳は、「学歴関係なし」が15.2%、「主に短大・大学(院)卒」が5.4%、「主に中学・高校卒」が4.6%、「主に専門学校・高専卒」が3.7%となっている。
約3割の企業に新卒採用実績があったわけだが、元々「採用しない方針」の企業は57.5%だった。「採用できていない」企業が全体の11.1%あり、15.6%は「希望した人材以外の人員確保の採用」、「希望した人材の採用」は15.8%の企業だった。一方、ここ3年程度の中途採用実績については、50.7%と半数の企業が採用している。内訳は、「主に経験者」が24.4%、「経験関係なし」が23.8%、「主に未経験者」が2.5%だった。
ここ3年程度の人手の過不足感については、「適性」とする企業が61.5%、「不足」が32.9%、「過剰」は5.7%に過ぎない。不足とする企業の内訳(回答企業全体の割合)は、「現場作業関係」が16.5%、「営業販売関係」が11.4%、「経理・財務・管理関係」が2.8%となっている。「過剰」から「不足」を差し引いた人手の過不足感DIは、全体では▲27.2%だが、従業員規模が大きい企業ほど不足超幅が大きい。
採用についての課題(3つまで回答)は、「人材育成」が34.1%でトップ、次いで「業務の魅力向上」(25.5%)、「職場環境の改善」(22.9%)、「給与面の待遇改善」(20.1%)が上位に挙げられた。「特にない」とする企業も33.1%あった。人材面における今後の対応方針は、46.9%の企業が「特に考えていない」としたほか、「省力化・機械化を進める」が16.0%、「非正規社員を増やす」が15.7%、「中途採用を増やす」が15.6%だった。
同特別調査結果の詳細は↓
http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/release/release132.pdf