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日系企業に影響大きい中国の外資優遇税制の見直し

税務関連情報 - 2008年02月25日

 中国は、外資企業を呼び込むための一番の目玉だった企業所得税(法人税)の2年免税・3年減税措置を見直し、内外企業の税率を今年1月から5年かけて原則25%に統一する。外資系企業の場合、08年18%、09年20%、10年22%、11年24%、12年25%と順次引き上げられる予定だ。反対に地場企業の法人税率は、現行の33%から5年間で8ポイント下げ、最終的に内外企業の法人税率が25%に統一される。

 2免3減制度は、生産性外国投資企業のうち、会社登記時に経営期間を10年以上に設定している企業について、企業所得税を利益獲得開始年度(直近5年以内の繰越損失控除後初めて税務上の利益が生じた年度)から、本来33%の法人税率を2年間免除、その後、3年間は半減(16.5%)する。実際には、3%の地方税分を最初から免除する地方自治体が多いことから、外資系企業が納める法人税は15%だった。

 一方、地場企業については、このような優遇措置が一切適用されず、一律33%の法人税が課税されることから、厳しい経営環境を強いられており、不公平との不満の声が高まっていた。そこで、中国政府は、企業所得税を見直し、内外企業の税率統一を図るわけだ。5年間は移行措置が設けられるが、2013年1月以降は原則2免3減制度は撤廃され、外資系企業の企業業績に相当な影響を与えることが懸念されている。

 ジェトロ(日本貿易振興機構)が昨年後半に実施した「在アジア日系企業の経営実態調査」結果によると、企業所得税の統一が営業利益に与える影響(有効回答数319社)については、「大きなマイナス」とする企業が34.5%、「若干のマイナス」が40.8%と、7割を超える企業が懸念を持っている。業種別にみると、現在優遇度合いが高いと考えられる「電気・電子部品」では45.0%が「大きなマイナス」と回答している。

 同経営実態調査の詳細は↓
 http://www.jetro.go.jp/news/releases/20080221147-news/tenpu1.pdf