東京都がこのほど発表した都内の民間労働組合の2008年春季賃上げ要求・妥結状況(中間集計)によると、調査対象1000組合のうち、集計可能な284組合の平均妥結額は6004円で、これは平均賃金(31万7401円・38.3歳)の1.89%に相当する。妥結額が6000円を上回ったのは2001年(6662円)以来7年ぶり。同一労組の前年妥結額(5883円)との比較では、金額で121円、率で2.06%上回っている。
平均要求額は、集計可能な525組合の平均で7921円となり、同一組合の前年要求額(8050円)と比較すると、金額で129円、率で1.60%下回っている。また、妥結額を規模別にみると、「299人以下」の中小企業が6059円で、「300~999人」(5459円)や「1000人以上」(6046円)を上回った。人材不足感が強い中小企業が、社員をつなぎとめるために賃金を改善したとみられている。
妥結額を産業・業種別(労働組合5件以上)にみると、「情報制作(出版等)」(8238円)、「サービス業(その他)」(7499円)が高く、一方、「教育、学習支援(その他)」(3300円)、「道路貨物運送」(4099円)が低い。また、賃上げ率では、「サービス業(その他)」(15.76%)、「パルプ、紙、紙製品」(13.33%)が高く、「教育、学習支援(その他)」(▲16.90%)、「電機・電子部品」(▲12.60%)が低くなっている。
過去10年間の妥結結果(1998年~2008年)をみると、1998年が金額(8245円)、賃上げ率(2.65%)ともにもっとも高く、一方、金額がもっとも低いのは2003年(5509円)、賃上げ率は2003年と2004年がともに1.73%でもっとも低かった。対前年比(同一労組との前年実績との比較)では、2006年の3.95%がもっとも高く、もっとも低いのは1999年の▲15.81%だった。なお2008年の最終の集計結果は7月公表予定。
同要求・妥結状況の詳細は↓
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2008/04/60i4l102.htm