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内部統制報告、1割超が「重要な欠陥残る」と回答

経営関連情報 - 2008年04月16日

 4月から上場企業等を対象にした「内部統制報告制度」がスタートした。同制度は、カネボウ事件や米エンロン事件など会計をめぐる不祥事が内外で相次いだことを背景に、2006年に成立した金融商品取引法において導入されたもの。上場企業に対し、経営リスクの洗い出しを目的とする内部統制報告書を内閣総理大臣に提出するとともに、同報告書について会計士・監査法人(監査人)の監査証明を受けることを義務づけている。

 日本監査役協会が、施行前の2月から3月にかけて実施した「財務報告に係る内部統制報告制度に関するインターネット・アンケート調査」結果(有効回答数1456社)によると、適用初年度の見通しは、77.0%の企業が「制度開始前までに十分対応可能」と回答したものの、12.4%と1割超が「制度開始までには十分な対応ができず、初年度は『重要な欠陥』が残る可能性が高い」と回答したことことが分かった。

 特にジャスダックなどの新興市場の企業では、22.7%が「『重要な欠陥』が残る可能性が高い」と回答した。また制度対応の進捗状況については、「プロジェクト基本計画の作成」(77.1%)や「評価のための文書化」(74.5%)については7割超の企業が行っているが、「整備状況の有効性のテスト評価」(42.8%)や「把握された整備の不備の改善」(39.5%)について対応している企業は5割を下回っている。

 準備段階で浮かび上がった解決すべき点としては、「文書化(範囲の過不足、内容の過不足、有効性評価のための証跡の残し方等)」が37.8%でトップ、次いで、「人的資源の育成・確保」(35.4%)、「業務プロセスにおける主要な統制上の手続きの設定」(31.3%)などが挙げられた。また、29.9%の企業が「有効性のテストや評価を行っていない」と回答、テストや評価を行う以前の段階にある企業が相当数にのぼることも明らかになっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.kansa.or.jp/PDF/ns_080404_02_3.pdf