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税務関連情報 (2004/05/31)

三位一体改革、財政規模縮小を容認の自治体が68%

 国と地方の税財政改革(三位一体改革)について、68.8%の自治体が、「税源が移譲されれば財政規模がある程度縮小してもやむをえない」と容認していることが三菱総合研究所の調査で明らかになった。同調査は、47都道府県、699市区を対象に今年3~4月にかけて実施し、32都道府県、400市区の計432自治体から回答を得たもの。

 三位一体改革では、自由裁量の税源を国から地方に移すことにより、地方の財政規模がある程度縮小しても、裁量幅の拡大により効率的な行財政運営を可能にする狙いがある。調査結果では、都道府県、市区いずれも、基本的には税源が移譲されれば財政規模の縮小を容認している。ただし、その前提として、「今以上の規制緩和や権限委譲を望む」声が強く、全体の60.2%を占めた。特に市区は、43.8%の都道府県を大きく上回る61.5%が条件付の容認だった。

 都道府県のなかには、国と地方の役割の明確化、事業量と財源の関係の明確化などを求め、地域間格差の拡大を懸念する声もある。また、市区の一部では、「税源が移譲されなくても、財政規模は維持したい」(10.4%)とする自治体が地方圏を中心にみられた。地方圏を中心に、三位一体改革が地域間格差の拡大につながるとの強い懸念があるためとみられる。

 そのほか、税源に見合うだけの事業も移譲されるため財政規模の縮小は難しい、また、そもそも義務的な経費はすべて移譲されるべきであるとの意見や、自主財源の規模により税源移譲と財政規模の関係を変えるべきとする意見などもみられたとしている。三位一体改革全般に関しては、税源移譲より補助金や交付税の削減が先行しているとの不満が強く、また、2006年度までの改革の全体像、特に基幹税による税源移譲の工程の明確化を求める声が多い。