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土地税制、1000万円特別控除と先行取得特例を創設

税務関連情報 - 2009年01月09日

 景気回復を最優先した2009年度税制改正では、土地取引を活性化するため、個人・法人双方に向け、土地税制においても優遇策が盛り込まれた。まず、個人や法人が、2009年1月から2010年12月までの2年間に取得した土地を5年超保有した後に譲渡した場合、譲渡益のうち1000万円(1000万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額)を控除する1000万円特別控除制度が創設される。

 次に、法人や個人事業者が、2009年1月から2010年12月までの期間内に国内の土地等を取得し、その取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに特例の適用を受ける旨の届出書を提出している場合で、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に、その事業者所有の他の土地等を譲渡した場合は、その先行取得した土地等について、他の土地等の譲渡益の80%相当額を限度に圧縮記帳できる特例が創設される。

 その先行して取得した土地等が2010年中に取得されたものの場合には60%相当額が圧縮記帳できる限度となるが、2009年・2010年中に取得した土地等の簿価が引き下げられる結果、これらの土地等を将来譲渡する際に売却益が増えることになり、課税が繰り延べられる効果がある。なお、土地等が棚卸資産である場合には、他の課税の特例と同様に、この先行取得した場合の課税の特例の対象とはならない。

 そのほか、長期保有土地等の事業用資産の買換えに対する課税の特例が延長された。法人や個人事業者が、取得後10年を超える事業用の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えを行った場合、その譲渡資産の譲渡益または買換え資産の取得価額の80%相当分については、課税の繰延べができる制度が3年間延長される。含み益の8割が課税されず、課税繰延べ分について再投資資金に充てることができるわけだ。