税 務 関 連 情 報

2003年11月12日-002
裁判で納税者の主張が認められたのは約1割

 納税者が国税当局の処分に不満があるときは、税務署等に対する異議申立てや国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と、さらには訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度がある。国税庁・国税不服審判所がこのほど発表した不服申立及び訴訟の概要によると、今年6月までの1年間(2002年度)に終結した訴訟のうち9.6%と約1割は納税者の主張が何らかの形で認められたことが分かった。

 税務署等に対する異議申立ては、ここ5年間減少傾向にあった発生件数が、源泉所得税(156件)や消費税(1550件)の事案が増えたことから、前年度より5.3%増の5119件となって再び5千件台となった。処理件数は、「取下げ等」817件、「却下」360件、「棄却」2858件、「一部取消」596件、「全部取消」178件の合計4809件だった。納税者の救済割合(一部取消と全部取消の合計)は16.1%で前年度より1.2ポイント増加した。

 国税不服審判所に対する審査請求の発生件数は、申告所得税(892件)が推計課税事案の減少から前年度に比べ21.8%減と大幅に減少したことから、前年度より3.0%減少の2823件だった。処理件数は、「取下げ等」338件、「却下」299件、「棄却」2266件、「一部取消」399件、「全部取消」101件の合計3403件だった。納税者の救済割合は14.7%で前年度より0.8ポイント上昇した。

 審査請求でも納得せず訴訟となったのは前年度を5.0ポイント下回る380件だった。税目別では、所得税が全体の36.8%を占め140件で最も多い。法人税は16.8%の64件、徴収関係は25.9%を占める98件。前年度からの継続事案を含めた終結件数は346件で、「取下げ等」62件、「却下」15件、「棄却」236件、「国の一部敗訴」13件、「同全部敗訴」20件となっている。納税者の救済割合は9.6%で前年度より1.4ポイント上昇している。

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