国税庁では、確定申告期に、納税者が自ら申告書を書き提出する「自書申告」を推進するための環境整備に力を入れているが、そのひとつとしてすっかりお馴染みになったのは同庁ホームページで提供している「確定申告書等作成コーナー」である。毎年、作成機能を拡充しており、今年は、青色決算書・収支内訳書の作成、消費税等申告書の作成機能が追加されるなどのサービスアップがなされた。
国税庁のまとめでは、その結果、3月末現在で、同作成コーナーへのアクセス件数が1023万5千件と1千万件を突破し、前年に比べ98%増とほぼ倍増した。2004年分の確定申告書提出者は過去最高の2167万人だったから、約2人に1人がアクセスしたことになる。アクセス件数のうち、約44%にあたる444万8千件が実際に申告書をプリントアウトし、そのまま税務署に提出した件数も69万件に達した。
平日は時間的な制約があるサラリーマンにとって、パソコンさえあれば、職場や自宅で申告書が簡単に作成でき、そのままカラープリンタで出力した申告書を税務署に郵送すれば確定申告が終了するというその利便性は大きい。インターネットの普及を背景に、自書申告のサポートツールとして、今後とも同作成コーナーの利用者がますます増えることが予想される。
同作成コーナーで実施したアンケート調査結果(有効回答数4万1942件)によると、利用者の職業は、「会社員」が52.4%と半数を占め、「無職(年金など)」が23.7%、「事業者」が12.4%、「職業会計人」が1.2%といった内容だった。利用者の感想は、「十分」(35.8%)と「まあ十分」(48.5%)を合わせ全体の8割強が満足しており、来年も「ぜひ利用したい」との回答が82.5%を占めている。