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経営関連情報 (2006/03/10)

意匠権の権利期間を20年に延長など法律改正案

 経済産業省と特許庁は7日、独創的なデザインの権利保護強化や模倣品対策の強化のため、意匠法、商標法、特許法、実用新案法の産業財産権四法及び不正競争防止法の一部を改正する法律案を明らかにした。法案には、デザインを保護する意匠法の権利期間を登録から20年(現行15年)に延長することや、権利侵害行為に模倣品の輸出を追加することなどが盛り込まれている。同日閣議決定され、今国会での成立をめざす。

 意匠法では、権利期間の延長のほか、DVDレコーダーなどの情報家電の操作画面のデザインなども意匠権の保護対象に加え、意匠の類似判断は需要者(消費者、取引業者)の視覚による美感に基づいて行うことなどを明確化する。また、ブランドの保護の強化から、小売業者等が使用する商標について、役務商標として保護する制度を導入する。商品としてのブランドだけでなく、顧客サービスに利用されるものなども保護対象となる。

 模倣品対策の強化からは、模倣品の国際的な流通を防ぐため、侵害行為に輸出を追加し、また、模倣品を効果的に取り締まるため、輸出や販売目的で保管する行為を処罰対象に加える。これまでの処罰対象は、模倣品の製造と販売だけだった。なお、別途、税関での取締りの対象に模倣品の輸出を加えることなどを内容とする関税法等の改正法案が提出済みであり、輸出段階での模倣品の取締りが強化される。

 こうした権利保護の強化や模倣品対策の強化から、権利侵害行為に対する罰則も強化される。特許権や意匠権、商標権等を侵害した場合、懲役刑の上限が10年(現行5年)、罰金刑が同1000万円(同500万円)に引き上げられる。また、実用新案権侵害罪及び商品形態模倣行為罪についても刑事罰が強化され、懲役刑の上限が5年(同3年)、罰金刑が同500万円(同300万円)に引き上げられる。