ゼイタックス

経営関連情報 (2004/05/19)

国内事業所の課題は減価償却の見直し~日商

 日本商工会議所はこのほど、一昨年8月に設置した地域産業空洞化に関する定量分析研究会における「生産技術の空洞化問題」などに関する調査分析結果の概要を発表した。日系企業の海外進出の実態と日本経済に与える影響などを検証したものだが、そのなかで国内事業所の課題として、特に減価償却制度の見直しの必要性を強調している。

 分析結果によると、地域別目的別の事業所数割合について、日本国内、海外(中国を除く)にある事業所の約45%が販売目的であるのに対し、在中国日系企業の事業所の86%が生産目的で、販売目的は12%となっている。このことから、「中国市場を対象とした販売拠点の構築が今後の課題」と指摘。海外事業所のなかでも、電気機械・金属など中国への出荷比率が高い業種を例示し、今後の出荷増の可能性も示している。

 生産技術面の現状分析では、資本装備率(機械設備再取得価額総額/従業員数)、平均作業習得年数などの指標で海外事業所と国内事業所を比較し、「高度な生産設備、熟練労働者の面では、日本が優位性を持っていることが推測できる」との見方を示している。

 国内事業所の問題点については、海外事業所に比べて、機械産業部門の平均設備更新年数が長くなっていることに触れ、資本設備の法定耐用年数の短縮化や償却可能限度額の改正など、減価償却制度の見直しの必要性を強調した。また、研究開発減税、IT投資促進税制なども含め、資本設備の導入・更新促進策を今後の課題として挙げている。