ゼイタックス

税務関連情報 (2005/11/16)

源泉所得税額は8.1%増で4年ぶりの増加

 国税庁がまとめた源泉所得税の課税事績によると、今年6月までの1年間(2004事務年度)における源泉所得税の税額は14兆104億円で、前年度に比べ8.1%(1兆552億円)増加し、4年ぶりの増加となったことがわかった。これは、源泉所得税全体のほぼ7割を占める給与所得が、配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止で前年度に比べ5.7%(5372億円)増加し9兆9833億円となったことが要因となっている。

 また、景気回復の影響により、配当所得が前年度に比べ23.5%(2452億円)増の1兆2889億円だったことや利子所得等が同32.7%(2148億円)増の8725億円となったほか、「特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等」も同191.1%(701億円)増の1068億円、「報酬料金等所得」も11.2%(1173億円)増の1兆1625億円と伸びた。なお、今年6月末現在の給与所得の源泉徴収義務者数は前年度に比べ0.4%減の386万7千件だった。

 一方、源泉所得税の調査は、原則として法人税・消費税や所得税・消費税との同時調査として行われるが、2004年度中において源泉所得税に関して行った調査・指導件数は前年度より2.2%少ない16万9千件だった。このうち4万7千件(前年度比4.8%増)から何らかの非違を見つけ、加算税を含め662億円(同3.2%減)の税額を追徴した。追徴税額(本税のみ)の57%は認定賞与や現物給与といった「給与所得」(284億円)が占める。

 調査事例では、繁華街でナイトクラブを営む法人に対し実地調査を実施したところ、裏帳簿を作って売上を除外するとともに、除外した売上金額からホステスに対してヤミ報酬を支払うことで、ホステス報酬に対する源泉所得税を免れていた事案が報告されている。