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景気後退を要因に4社に1社が雇用調整を実施

経営関連情報 - 2009年01月14日

 景気後退が深刻化するなか、派遣社員の削減など雇用環境の悪化が問題となっている。帝国データバンクが12月から1月にかけて実施した「雇用調整に関する企業の動向調査」結果(有効回答数1万731社)によると、今回の景気後退を要因として2008年末までに「正社員」、「非正社員」のどちらか、または両方を削減した企業は全体の15.4%だった。また、2009年以降に削減を検討している企業は22.4%とさらに増加する。

 その結果、今回の景気後退を要因として従業員を削減した(検討している)企業は26.9%となった。4社に1社が雇用調整を実施する見込みで、雇用環境の悪化が深刻さを増していくのは避けられない。業界別にみると、雇用調整の実施(検討)は、特に「製造」(35.7%)で3社に1社を超えている。とりわけ、雇用形態による違いは大きく、「非正社員」(30.7%)が「正社員」(19.8%)を大幅に上回っている。

 2008年末までに従業員の削減を実施した企業では、「正社員」を削減した企業が回答企業全体の8.4%、「非正社員」は同11.2%となった。また、2009年以降で削減を検討している企業では、「正社員」が同14.7%、「非正社員」が16.9%となった。社数としては、2008年末までと2009年以降とも非正社員のほうが正社員より削減を実施する企業が多いが、その差は2~3%に過ぎない。

 今後、雇用環境改善のために必要と思われる政策(複数回答)については、「景気対策の拡充」が79.1%ともっとも多く、8割近くの企業が景気をよくすることが最大の雇用対策と考えている。さらに、「雇用維持策の拡充」(29.7%)、「労働者派遣制度の見直し」(28.9%)のほか、「企業努力」(28.5%)が4位になるなど、雇用環境の改善には政府と企業が一体となった取組みが必要と考えている様子がうかがえる。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w0812.pdf