信用保証協会の保証付き融資において、金融機関が保証割合の20%相当を負担する「責任共有制度」が2007年10月1日から導入されたが、東京商工会議所が都23区内の中小企業を対象に実施した「責任共有制度実施後の動向調査」結果によると、「責任共有制度」について「知っている」とする企業は55.3%と、前年調査時(07年8~9月)に比べ19.9ポイント増と認知度は高まっているが、一方でまだ半数近くが知らない状況にある。
責任共有制度の導入によって、リスク負担を義務づけられた金融機関の貸出審査の厳格化や選別融資、貸し渋りなどが懸念されていたが、責任共有制度導入後に、保証付き融資の新規借入(借り替えを含む)を「申し込んだ」とする企業は全体の26.7%で、そのうち「融資を受けられなかった」企業は2.6%だった。融資を申し込んだ企業のうち、約1割が融資を受けられなかったことになる。
また、保証付き融資を受けた企業における昨年10月以前に借りた保証付き融資と比べた借入条件の変化については、43.0%が「借入金利が上昇した」、17.8%が「申し込み金額を減額された」と回答した。以前と比べた申込から融資実行、あるいは融資見送りの決定までの期間については、「以前と変わらない」とする企業が75.5%で、審査期間が長期化していると感じている企業は約4分の1程度だった。
責任共有制度の導入による金融機関の対応については、現時点で金融機関の貸出姿勢が「厳しくなったと思う」と回答した企業は32.0%にとどまったが、「今は厳しいと思わないが、将来的には厳しくなると思う」と回答した企業が50.2%とほぼ半数を占めた。業種別にみると、「小売業」が62.9%にのぼり、他業種に比べ将来的な厳しさをより感じている結果となった。
同動向調査結果の詳細は↓
http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/tosho-keikyo/h20/201009-2.pdf