4月からの消費税総額表示義務化が目前となったが、百貨店・スーパーなどの大手小売業者が納入業者に対し不当な仕入価格の引下げや値札付替えのために従業員の派遣などを強制していないかどうかをアンケート調査していた公正取引委員会は19日、その結果を公表した。調査票に回答したのは、納入業者1239社及び小売業者249社(3月8日現在)。
調査結果によると、総額表示義務化に伴い小売価格は、「従来の税抜き価格に税額を乗せた価格にする」との小売業者が70.1%(169社)、「商品によって使い分ける」が21.6%(52社)、「従来の税抜き価格と税込価格の間で値頃感のある価格とする」が5.0%(12社)だった。「従来の税抜き価格を税込価格とする」との実質的に値下げする小売業者は1社、「未定」が7社あった。
また、総額表示義務化に対応するために納入業者に対して「仕入価格の値下げを要請した」と回答した小売業者はいなかった。しかし、納入業者に対するアンケート調査では、「納入価格の引下げ(規格・数量等を利用した実質的な引下げも含む)を求めてきた小売業者はいない」との回答が82.5%(1022社)を占めたが、「引下げ要請があった」との納入業者も17.5%(217社)あった。
そのほか、納入単価の端数処理を一方的に切り捨てられたり、納入伝票の内税化に伴う費用や商品の値札を内税化するための費用を一方的に負担させられたなどと納入業者から指摘された小売業者のうち、問題が大きいと考えられる48社に対しては個別にヒアリング調査が行われた。公取委では、事実関係の社内調査を行い、各社の責任者から社内調査結果や改善内容について報告するよう求めているところだ。