公共工事の発注状況を分析した内閣府のレポートによると、市町村財政は依然として厳しく、歳出総額が▲0.8%と前年度決算額を下回るなか、投資的経費(特に普通建設事業費)が前年比▲11.3%と、その減少が特に目立っている(「2003年度市町村普通会計決算の概要」総務省10月8日公表)。また、公共工事前払金保証統計(北海道・東日本・西日本保証株式会社)でも、公共工事の請負金額は国・地方いずれも減少傾向だと指摘している。
同統計で公共工事発注件数を発注者別にみて、1)国・公団などは、発注件数は減っているが、1件あたりの金額は微減にとどまっている、2)都道府県は、発注件数も1件あたりの金額も減っている、3)市町村は、発注件数はそれほど減っていないが、1件あたりの金額は大幅に減っている、との特徴を示している。
また、同統計から、この10年間で、市町村発注工事の1件あたりの工事額が4割(約200万円)ほど減少しているとみている。さらに、市区町村発注の公共事業を請負金額別にみると、市区町村では、1000万円未満の工事が増加している。つまり、市区町村は住民の生活に密着しており、きめ細かいニーズに応えるために、発注件数の確保は続いているものの、工事規模の「ミニ」化が進んでいると分析している。
発注者別の受注件数では、市区町村分が全体の45%(2003年度)を占めている。今年度も多くの市区町村で公共工事関連の予算をさらに削減しており、レポートは、今年度後半も市区町村発注工事の件数と請負金額の両面から、公共工事の動向を注目していきたいとしている。