税 務 関 連 情 報 |
2002年06月28日-002
連結納税法が26日に参議院で成立、今後の焦点は付加税
連結納税制度の関連法案が6月26日の参議院本会議において賛成多数で可決、成立した。8月1日施行、4月1日にさかのぼって適用される。3月決算企業の場合、適用申請期限は9月末だが、適用を受けようとする企業は極めて少ないようだ。連結納税制度は、企業グループ内の親会社と子会社の損益を通算できることから、企業再編や新規投資などを柔軟に行うことができる。国際化の中で、個々の企業の競争力を強化できることから、経済界が強く要望していたものだ。利用企業が少ない最大の要因は、連結納税適用企業の法人税率に2%の税率を上乗せする連結付加税の存在である。
連結付加税に対しては、経済界はもとより与党内でも強い批判が出ており、「企業の連結納税の適用状況及び法人税収の動向等財政事情を的確に踏まえ、検討を行うこと」との附帯決議が衆議院財務金融委員会、参議院財政金融委員会の両委員会で付された。また、塩川財務相も6月18日の記者会見で、減税財源ばかり考えていても「制度として使ってくれなかったら何の意味もない」として、連結納税制度を槍玉に挙げる発言をしている。
このような状況から、財務省では、3月決算企業の適用申請状況を見た上で、10月にも上場企業を対象としたアンケートによって利用実態を調べ、税収への影響を再試算し直す方針だ。付加税の存在によって連結納税制度の適用企業が少なくなれば、当初約8,000億円と見込んでいた連結納税制度導入による税収減も大幅に少なくなることが予想され、付加税の早期廃止論が出てくる公算が強い。税収減への対応として2年間の時限措置で導入された連結付加税だが、今後の税制改正論議の中で早期廃止となる可能性が高まっている。
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