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経営関連情報 (2005/03/28)

労働保険の年度更新手続きは4月1日から5月20日

 労働保険の保険料は、毎年4月から翌年3月までの1年間を単位として計算することとなっており、年度当初に保険料を概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定申告のうえ保険料を精算する。これを労働保険の「年度更新」という。その具体的な手続きは、「労働保険概算・確定保険料申告書」を作成し、その申告書に保険料を添えて、金融機関や所轄労働基準監督署などに4月1日から5月20日までの間に提出する。

 申告・納付する労働保険料の額は、その事業で使用されるすべての労働者に支払った賃金総額に、その事業に定められた保険料率を乗じて算定する。したがって、適正な労働保険料を算定し申告するためには、この「賃金総額」を正確に把握する必要がある。

 この場合の賃金とは、賃金、給与、手当、賞与など名称の如何を問わず労働の対価として事業主が労働者に支払うすべてのものをいう。一般的には就業規則や労働契約などにより、その支給が事業主に義務付けられているものだが、退職金や結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金など、労働契約などによってその支給が事業主に義務付けられていても、賃金に算入されないものもあるので注意が必要だ。

 ところで、労働保険料のうち雇用保険に係る保険料を計算する際には、1)パート労働者のうち、1週間の所定労働時間が20時間未満か、1年以上引き続き雇用の見込まれない者、2)昼間学生、3)4ヵ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者など雇用保険の被保険者とならない労働者、4)その保険年度の初日において満64歳以上の者で雇用保険料を免除される労働者、に係る賃金は賃金総額に含まれない。

 また、法人の取締役などの地位にある者は、原則として労働者とならないが、1)労災保険については、業務執行権のない者で業務執行権のある取締役等の指揮監督を受けて労働に従事し賃金を得ている者、2)雇用保険については、取締役であっても同時に部長、支店長など、従業員としての身分を有している者で、報酬等の面から労働者的性格の強い者は、一般的に労働者として取り扱われる。