大卒求人倍率とは、民間企業への就職を希望する学生1人に対する、企業の求人状況を算出したもの。リクルートのワークス研究所が実施した「大卒求人倍率調査」結果(有効回答数4333社)によると、来春3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする求人倍率は1.62倍となった。厳しい経済環境だが、今年は、1996年3月(1.08倍)や2000年3月(0.99倍)の就職難とされていた時期ほどには落ち込まない見通しとなった。
従業員規模別の求人総数と民間企業就職希望者数をみると、「従業員1000人未満企業」の求人総数は56.6万人と昨年より23.5%減少する一方、民間企業就職希望者数は15.6万人と10.2%減少。求人倍率は0.63ポイント低下の3.63倍となった。また、「従業員1000人以上企業」の求人総数は16.0万人と23.5%減少する一方、民間企業就職希望者数は29.1万人と8.1%増加。求人倍率は0.22ポイント低下の0.55倍となった。
従業員規模間でみると、求人総数は、従業員1000人以上企業、1000人未満企業でともに昨年より同程度の割合で減少。一方、民間企業就職希望者は、従業員1000人以上企業で昨年より増加しており、就職希望が大手企業に移行していることがうかがえる。また、業種別にみると、「製造業」は、求人総数31.9万人(前年比27.2%減)に対し就職希望者数16.2万人(同2.4%減)で、求人倍率は0.67ポイント低下の1.97倍となった。
「流通業」は、求人総数28.5万人(前年比21.0%減)、就職希望者数6.1万人(同21.4%増)で、求人倍率は2.49ポイント低下の4.66倍だが、他の業種と比べて高い倍率。「金融業」は、求人総数1.3万人(同27.6%減)、就職希望者数6.3万人(同20.7%増)で、求人倍率は0.14ポイント低下の0.21倍。「サービス・情報業」は、求人総数10.8万人(同17.7%減)、就職希望者数16.1万人(同7.9%減)で、求人倍率は0.08ポイント低下の0.67倍。