嫌煙権の高まりから年々愛煙家の居場所が狭まっていく。外では飲食店の禁煙コーナーや禁煙車両の増加、禁煙タクシーも珍しくなくなり、ポイ捨て禁止条例などでタバコをくゆらしながらのんびり街を散策することもできない。我が家に帰れば、ベランダで一人寂しく夜空を仰ぎながらの“ホタル族”。こんな状況下、成人の喫煙率は年々減少の一途をたどっているようだ。
日本たばこ産業(JT)が18日に発表した2005年「全国タバコ喫煙者率調査」結果(有効回答数1万391人)によると、今年6月現在の成人の喫煙率は前年を0.2%下回る29.2%となり、10年連続で過去最低を更新した。男性の喫煙率は前年より1.1%減少の45.8%だったが、女性の喫煙率は前年より0.6%増加して13.8%となっている。男性は14年連続の減少、女性は4年ぶりに増加に転じた。
喫煙率から推計した喫煙人口は、前年より12万人少ない3032万人。男性は47万人減って2328万人、女性は35万人増えて704万人が喫煙者という計算になる。喫煙率を年代別みると、男性の「30歳代」が54.6%でもっとも高く、女性では「20歳代」、「30歳代」がともに20.9%と高くなっている。また、「毎日吸う」と回答した人の1日あたりの平均喫煙本数は、男性が22.3本、女性が16.0本だった。