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消費税の社会保障目的税化提言~諮問会議民間委員

税務関連情報 - 2008年12月15日

 政府の経済財政諮問会議の民間議員は、9日に開かれた会議において、社会保障費の安定財源を確保するため、消費税を社会保障目的税化することを提言した。負担増について国民の理解を深めるため、一般会計とは独立した特別の会計・勘定を儲け、そこで使途を管理するなどの区分経理の考え方も提示した。これらの提言は、政府与党が税制抜本改革の方向性を示す「中期プログラム」策定のたたき台となる。

 提言によると、現在、消費税は予算総則において社会保障のうちの老人医療、介護、基礎年金に充てることとされているが、国民の認知は必ずしも十分ではないと指摘。消費税を軸とした安定財源を年金、医療、介護の社会保障給付及び少子化対策に充てることを、「国民に見える」形で制度化するよう求めた。また、その他の予算と厳密な区分経理を図り、安定財源と社会保障給付の対応関係を明示することを提案した。

 安定財源(歳入)と、その使途である社会保障(歳出)の対応関係を確保する具体的な仕組みとして、(1)予算総則により規定、(2)政府部内のルール、慣行により事実上使途を特定、(3)法律により規定、といった他の予算科目も含まれる会計のなかで使途を管理する方法のほか、(4)特別会計、といった独立した会計・勘定において他の予算から完全に区分して使途を管理する方法を提示した。

 具体的な制度の設計にあたっては、予算総則や法律の制定、特別会計は国会決議が必要なこと、政府部内のルールでの管理は、弾力的である反面、拘束力が弱いこと、特別会計については、安定財源の規模とそれを充てるべき社会保障の支出規模が見合わない場合には不足分をどのように補うのか検討を要することなど、各区分経理の方法のメリット、デメリットを踏まえ、検討を深めていくべきだとしている。