失業給付の保険料率引下げへ素案~雇用保険部会
厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は14日、雇用保険制度の見直しを検討、「雇用保険部会報告」の素案をまとめた。それによると、2012年度の失業等給付にかかる雇用保険料率について、現行の1000分の14(労使折半)から1000分の10(同)に引き下げるべきだとしている。また、非正規労働者に対するセーフティネット強化のため2009年度から実施している暫定措置の2年間の延長を求めた。
雇用保険制度の現状としては、足元の完全失業率が4%台、有効求人倍率は0.6倍台で推移するなど、一部に持ち直しの動きがみられるものの、依然として厳しい状況にある。このような状況の下、雇用保険の財政収支については、失業等給付に関しては比較的安定的に運営されているものの、雇用保険二事業に関しては雇用調整助成金の大幅な支出増により極めて厳しい状況にある、としている。
見直しの方向性として、2009年度から実施している非正規労働者へのセーフティネット機能のための暫定措置である個別延長給付、雇止めにより離職した有期契約労働者等の給付日数の充実、常用就職支度手当の支給対象の「40歳未満の者の追加」、受講手当の額の引上げ(日額500円→700円)の措置を、当初予定の2012年3月31日から2014年3月31日まで2年間延長すべきとしている。
また、2012年度の失業等給付に係る雇用保険料率については、2011年の法律改正により2012年度以降1000分の14に引き下げられることとさているが、2012年度の雇用保険料率については、現下の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあるものの、失業等給付の収支の見通しや積立金の状況を勘案し、弾力条項に基づく下限の1000分の10に引き下げるべきであるとしている。
報告(素案)は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xf76-att/2r9852000001xfat.pdf