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内部統制報告書を提出した3月期決算会社は2670社

経営関連情報 - 2009年07月10日

 2008年4月1日以降開始する事業年度から、上場会社は、事業年度ごと(年1回)に、財務報告に係る内部統制(会社における財務報告が法令等にしたがって適正に作成されるための体制)を会社自らが評価し、評価結果を内部統制報告書として開示しなければならないことになっている。金融庁は7日、同制度の最初に適用になった3月決算の会社に係る内部統制報告書の提出状況(2009年6月1日~30日提出分)を公表した。

 それによると、内部統制報告書提出義務のある2656社のうち2653社が提出し、これに任意で提出した17社を加え、計2670社が内部統制報告書を提出した。内部統制報告書には公認会計士等の監査証明を受けなければならないが、その「評価結果」の記載状況をみると、「内部統制は有効」が全体の97.6%の2605社、「重大な欠陥があり、内部統制は有効でない」が56社、「内部統制の評価結果を表明できない」が9社となった。

 「重要な欠陥」とは、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高い内部統制の不備をいうこととされており、内部統制に重要な欠陥が存在する場合に、直ちにその企業の有価証券報告書に記載された財務報告が適正でないことを意味するわけではない。有価証券報告書に記載された財務報告の内容を利用する際に留意すべき事項として、財務報告に係る内部統制に「今後改善を要する重要な課題」があることを開示することに意義がある。

 なお、内部統制報告書には、重要な欠陥の是正に向けての方針、その方針を実行するための計画等がある場合には、その内容を記載できることになっている。また、内部統制に重要な欠陥が存在する場合に、直ちにその企業の有価証券報告書に記載された財務報告が適正でないことを意味するわけではないことから、内部統制に「重要な欠陥」があると開示しても、上場廃止や金融商品取引法違反(罰則)の対象にはならない。