社会経済生産性本部は26日、恒例の新入社員タイプの命名について、今年4月の新卒者の特徴を「デイトレーダー型」と名づけたと発表した。デイトレーダーとは、一日に何回もの株取引を行い、細かく利益を確保しようとする売買手法(デイトレード)を行う人のこと。場合により巨額の利益を得られるなど即時性・ゲーム性・依存性が非常に強い。同本部では、今年の新入社員は「転職」を目論む傾向があるとみている。
景気回復を背景に、今年は大量の新入社員が誕生した。平成不況以前のような華々しい入社式を挙行した企業も多いが、これを機に平成不況以前のような“企業型戦士”型の人材を育てようと虎視眈々と待ち構えていると、その期待は裏切られるという。就職氷河期後の新入社員は、就職した会社とともに育っていこうとは考えず、常に、よい待遇、よい仕事を求めて「銘柄の乗り換え」つまり「転職」を目論む傾向がある。
その意識は昨今のネット上の個人投資家に近い。同本部では、「ネットを通じた横のつながりで情報交換するのもいいが、一人前の働き手になるにはそれなりの時間がかかることも新入社員は忘れないでほしい。自分探しも大事だが、まずは目の前の仕事にじっくり取り組むことを期待したい」と今春の新入社員にエールを送っている。売り手市場だけに転職先に困らないが、情報に踊らされない慎重さが必要としている。
この新入社員タイプの命名は、1973年度から毎年行われている。その73年度は、おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変な「パンダ型」と命名。また、昨年06年度は、表面は従順だが、様々な思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張する「ブログ型」と名づけた。繊細な感受性とブログ的なネットワーク力に優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向もある、というが、果たして当たっていただろうか。