帝国データバンクがこのほど発表した全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、1月の企業倒産は1039件で、前年同月比では13.8%減少、25ヵ月連続で前年同月を下回った。年度ベースでみると、2004年10月と12月の1064件を下回り、2004年度の最低水準となった。沈静化傾向が続いているが、1000件を大幅に割り込む水準にまで一気に減少するまでには至っていない。
倒産減少の背景には、セーフティネットの制度融資や再生メニューの充実、さらには大手銀行によるビジネスローンなどの中小企業向け融資が倒産抑制への一定の効果を発揮していることがある、とみられる。しかし、帝国データバンクでは、倒産件数が1000件を若干上回る水準にとどまっている状況は、むしろ中小零細企業の厳しい実態を表しているとの見方を示している。
それを裏付けるのは不況型倒産の構成比だ。1月は72.7%と前月に続き72%台で、ひところに比べ低下しているが、依然として高水準であることに変わりはない。また、破産による倒産が402件発生し、4ヵ月ぶりに400件を超え、特別清算を加えた清算処理型の法的整理の比率が41.4%と過去最高を記録。ぎりぎりまで事業継続した挙句、ボロボロになって行き詰まっていく企業が長期的に増加傾向にあると懸念している。
一方、1月の負債総額は5984億6900万円で10ヵ月連続の1兆円割れとなり、前月比では33.3%減少したものの、前年同月比では32.0%増加した。負債1000億円以上の大型倒産は2ヵ月ぶりに発生しなかったものの、負債100億円以上は12件と2ヵ月連続して二ケタ台を記録した。依然として負債規模上位の大半はゴルフ場や不動産関連業が占めている。