日本政策金融公庫が3月中旬に実施した「保証先中小企業金融動向調査」結果(有効回答数3539社)によると、同公庫の保証先中小企業の景況感は、さらに悪化していることが明らかになった。1~3月期実績の生産・売上DI(前期比、「増加」-「減少」、季節調整値)は、前期比11.2ポイント悪化の▲60.7となり、8期連続で低下、大幅なマイナスとなった。従業員規模別は、「0~20人」が▲62.7、「21人以上」が▲48.3。
また、採算DI(前期比、「好転」-「悪化」、季節調整値)は前期比4.9ポイント悪化の▲60.8、資金繰りDI(同)は同6.0ポイント悪化の▲54.2となり、ともに8期連続で低下した。従業員規模別にみると、採算DIは、「0~20人」が▲63.6、「21人以上」が▲49.3、資金繰りDIは、「0~20人」が▲55.8、「21人以上」が▲43.8となっており、全体的に「0~20人」規模企業の景況感の悪化度合いが高い。
一方、1~3月期実績の保証利用企業の割合は、緊急保証の影響により、前期から9.7ポイント増の84.2%と2期連続で上昇した。保証利用割合別にみると、「全額利用」の割合が同13.4ポイント増の65.8%と上昇。借入企業の割合は、同5.3ポイント増の53.3%と2期連続で上昇した。1社あたりの平均借入金額は2627万円でやや低下。借入金額別にみると、「1千万円超~5千万円」の金額層の割合が53.1%で2期連続上昇している。
金融機関業態別に借入件数の割合をみると、「都市銀行」は13.8%で上昇したが、「地方銀行」の割合は29.8%で低下した。また、資金使途をみると、「売上減少・赤字補てん資金」が前期比6.8ポイント増の41.8%と引き続き上昇したほか、「既往借入の借換資金」が同0.8ポイント減の34.4%、「季節運転資金」が同0.3ポイント増の21.0%などとなっている。なお、1年超の借入にかかる長期金利は同0.24ポイント減の2.11%と低下している。
同動向調査結果の詳細は↓
http://www.c.jfc.go.jp/jpn/result/hosyouyouyaku090430.pdf