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経営関連情報 (2007/10/05)

3年後の経営課題は「人材強化」~能率協会調査

 日本能率協会が実施した2007年度「当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数848社)によると、日本企業の重要な経営課題(3つまで回答)は、2007年度は「収益性向上」(53.7%)が昨年に続いてトップだったが、次に昨年は3位だった「人材強化(採用・育成・多様化)」(40.0%)が続いた。また、将来(2010年ごろ)の課題認識では、「人材強化」(41.5%)が「収益性向上」(41.2%)を上回り最重要課題となった。

 さらに、具体的な「人材強化」の動向について9月に追加調査を実施した結果(有効回答数332社)、教育予算については約5割(51.8%)の企業が対前年比で増加させていることが分かった。能力開発の重点として昨年よりも強化している分野は、「新入社員研修」(39.5%)、「中堅社員研修」(36.1%)、「中級管理者(部課長)研修」(35.2%)、「初級管理者(主任・係長)研修」(28.6%)などが上位に挙げられた。

 また、約5割の企業が組織風土診断を「実施」(27.1%)もしくは「今後の実施を検討」(23.5%)としており、その目的として「従業員満足度の把握」(78.6%)が最上位に、続いて「経営方針・人事施策の浸透度の把握」(65.5%)が挙げられた。診断の活用方法として8割以上の企業が「経営者へのフィードバック」(86.7%)を挙げており、経営者が従業員満足度を重視していることがうかがえる。

 本調査に戻ると、持続的成長企業(長寿好調かつ成果項目の合計点数が高い企業)は、「変化への迅速な対応」、「経営理念の浸透」、「組織と個人の両立」、「顧客との取引の継続性向上」、「独自技術の開発力強化」、「技術者のマーケットイン志向強化」といった課題項目を重視、実践していることを確認。これらの結果から、持続的成長の鍵は、「経営の一体感」、「顧客重視」、「独自技術の開発力」にあるとしている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jma.or.jp/news/pdf/20070927.pdf