税 務 関 連 情 報 |
2002年04月26日-001
市町村合併で増える税負担?
地方分権推進などのために全国の市町村で合併の検討が進められている。昨年も合併によって西東京市やさいたま市など5市が誕生しているが、合併後の財政支援や財源保障等をする市町村合併特例法が2005年3月末で期限切れとなることから、市町村合併はさらに加速することが予想される。昨年12月末現在で、合併協議会94(388市町村)、研究会等その他346(1,638市町村)が設置されている。合併を検討中の2,026市町村は全市町村数3,223の62.9%に上る。
合併によるメリットとして福祉サービスの安定的供給や行政サービスの向上などが掲げられている。しかし、なかには合併によって地方税負担に影響が出るケースがあることから、合併の協議が混乱する例もある。例えば、来年4月に静岡市と合併することが正式決定した清水市のケース。清水市は現在人口24万人だが、合併することによって、清水市の事業者は、新たに人口30万人以上の都市で課税される事業所税の課税対象になってしまう。
事業所税は、事業所などにおいて事業を行う法人・個人や新増設した事業所用家屋の建築主に対して課税される。税率は、事業分として事業所床面積に対する資産割が1平方メートル当たり600円(1,000平方メートル以下は非課税)、従業者割が給与総額の0.25%(従業者100人以下は非課税)、新増設分は床面積1平方メートル当たり6,000円。
清水市と静岡市の合併の協議過程では、事業所税の負担が新たに生じることで清水市の経済界が反発し、延期論まで出てくるなど混乱したが、特例で6年間は課税しないことを条件にやっと合併が正式決定している。その他にも、合併によって、1)都市化の影響で固定資産税評価額が上昇する、2)都市計画税の課税団体となる、3)市町村民税均等割の税率が変更となるなど色々なケースが想定できる。合併特例法では、議員の定数・任期の特例などを盛り込む前に、このような合併後に新たに税負担が増えるケースを想定して手当てすべきではなかったのか…。
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