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銀行121行の約6割が中小企業等貸出金残高を減少

経営関連情報 - 2009年03月27日

 東京商工リサーチがこのほど発表した「中小企業等貸出金残高調査」結果によると、銀行121行の2008年9月中間期単独決算ベースの中小企業等貸出金残高は、前年同期比0.8%減の293兆8396億5000万円となった。121行の単独決算ベースの総貸出金残高が同1.8%増となるなかで、中小企業等貸出金残高は前年同期を下回った。さらに、半期前の2008年3月期と比べても1.1%減となり、貸出金残高の減少幅が広がっている。

 前年同期比増減額では、121行のうち約6割(57.0%)の69行で貸出金残高を減らした。減少額がもっとも大きかったのは「みずほ銀行」(1兆2494億円減)、次いで「みずほコーポレート銀行」(8018億円減)、「三井住友銀行」(6900億9900万円減、「りそな銀行」(4137億2700万円減)、「みずほ信託銀行」(2434億8000万円減)の順となっている。減少額100億円以上は47行だった。

 これに対して貸出金残高増加行は52行となった。増加額順では、「中央三井信託銀行」(5626億4200万円増)、「あおぞら銀行」(3551億4300万円増)、「関西アーバン銀行」(2648億8200万円増)と続く。また、前年同期比増減率では、減少率が「親和銀行」12.5%減、「みずほ信託銀行」9.2%減、「みずほコーポレート銀行」8.9%減の順。対して増加率は、「あおぞら銀行」20.3%増、「関西アーバン銀行」11.0%増の順だった。

 121行の2008年9月中間期単独決算ベースの総貸出金残高に占める中小企業等貸出金比率は、平均69.8%となり、前年同期より1.9ポイント低下した。個別では、「関西アーバン銀行」(94.6%)、「スルガ銀行」(93.5%)、「東京都民銀行」(93.1%)などが貸出金比率が高い一方、低かったのは、「みずほコーポレート銀行」(39.5%)、「みずほ信託銀行」(41.5%)、「住友信託銀行」(49.4%)、「三菱UFJ信託銀行」(50.9%)などの順だった。