ゼイタックス

起業に大きな役割~7割がインフォーマル支援受ける

経営関連情報 - 2011年01月28日

 雇用の拡大、地域活性化など、新規開業が果たす社会的役割は大きく、新規開業支援が中小企業政策の柱の一つとして位置付けられており、さまざまな公的支援策が準備されているが、新規開業者が開業時に必要な知識や経営資源などを入手するには、これらのフォーマルな支援を利用するだけでは限界がある。日本政策金融公庫は、新規開業においてインフォーマルな支援が果たす役割を探る「2010年度新規開業実態調査」を実施した。

 調査結果(有効回答数2907社)によると、支援者別の支援状況で、フォーマル、インフォーマルのいずれの支援も受けていない開業者は21.7%にすぎず、8割近くの開業者がなんらかの支援を受けている。このうち、「公的組織」、「民間組織」といったフォーマルな支援は41.6%が受けていたが、「元勤務先等」、「友人等」、「親・親戚等」といったインフォーマルな支援は68.8%の開業者が受けていることが分かった。

 調査結果を総括すると、「インフォーマルな支援を受けることで、開業者は円滑に開業できるようになる。とりわけ、主たる支援内容が経営資源(その多くは資金関係)の提供である親・親戚等からの支援はその傾向が強い」、「開業者にとってインフォーマルな支援は円滑な開業への寄与や開業後の経営への寄与など、重要な役割を果たしている。将来の開業を意識している人にとって、支援者となりうる人たちとの関係づくりが重要」。

 また、元勤務先等から支援を受けた場合は開業直後の業績が相対的に良好であり、より短い期間で事業を軌道に乗せている開業者が多い。その背景として、(1)支援者は新規開業者と同じ業界(あるいは関連業界)であることが多く、取引関係の構築など、開業後の経営に有効な支援を提供できること、(2)支援者にも経営上のメリットが得られることから、より積極的な支援を提供しようとするインセンティブが働くこと、などが分かった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/shinkikaigyou_230124.pdf