内閣府は16日、増加する中小企業製造業の輸出を分析したレポートを発表した。それによると、日本銀行の「全国企業短期経済観測調査」(2005年12月調査)からみて、中小企業製造業の輸出額は、2002年以降増加が続いており、輸出額増加率を業種別の寄与に分けてみると、2005年度下期には輸送用機械や電気機械、一般機械で大きくなっており、これらの業種が中小企業の輸出を増加させていくと予想している。
また、中小企業庁の「規模別輸出額・輸入額」(経済産業省「工業統計表」、財務省「貿易統計」)からみてみると、わが国全体の輸出額は拡大しているが、中小企業性製品(主に中小事業所が出荷する製品)の輸出と大企業性製品(主に大企業が出荷する製品)の輸出とを比較すると、中小企業性製品が大企業性製品に比べ高い伸びを示しており、輸出に中小企業が積極的になっていることをうかがわせる。
IMF(国際通貨基金)によると、世界の貿易は2005年に続き2006年も順調に拡大を続け、そのなかで日本の実質輸出も好調さが続くことが予想される(ESPフォーキャスト、IMF“World Economic Outlook”による)。レポートは、世界貿易の見通しが好調ななか、日本の中小企業が引き続き競争力を発揮しマーケットシェアを確保し続ければ、輸出の好調さが続いていく可能性が高いと分析している。