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税務関連情報 (2007/08/24)

社員旅行の会社負担は10万円程度までOK

 企業業績の向上とともに社員旅行を復活しているところも多いと思われるが、社員旅行や研修旅行を行って社員を参加させる場合、会社が負担した費用が参加した社員の給与として課税されるかどうかは、その旅行の条件を総合的に勘案して判定される。その際、もっとも迷うのは会社の負担金額だが、法令や通達に明記されてはいないものの、10万円程度であれば認められるようだ。

 社員旅行の場合には、その旅行によって社員が受ける経済的利益の額が少額で、その額が少額の現物給与は強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、かつ、その旅行が、1)旅行期間が4泊5日以内、2)旅行の参加人数が社員全体の50%以上であることの2要件を満たすものであるときは、原則として、その旅行費用を旅行参加者の給与としなくてもよいことになっている。

 具体的には、例えば、旅行期間が3泊4日、旅行費用15万円(うち会社負担7万円)、参加割合100%の社員旅行や、同4泊5日、25万円(うち会社負担10万円)、参加割合100%の社員旅行などは、原則非課税となる。この例示は国税当局の資料によるものだから、後者の会社負担10万円程度まであれば、少額不追求の趣旨を満たすということになる。旅行期間については、海外旅行の場合には外国での滞在日数が4泊5日以内となる。

 なお、上記のいずれの要件を満たしている旅行であっても、1)役員だけで行う旅行、2)取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行、3)実質的に私的旅行と認められる旅行、4)金銭との選択が可能な旅行などは、社員旅行に該当しない。したがって、旅行不参加者に現金支給するような場合は、4)に抵触し、旅行参加者も含めて、会社負担額を給与支給したことになり、会社には源泉聴取義務が生じるので注意したい。