ゼイタックス

検査院、国税庁に還付金の支払事務の効率化を要求

税務関連情報 - 2009年07月17日

 会計検査院は14日、全国524の税務署が2008年に支払った高額還付金に係る還付加算金は計118億5千万円にのぼるが、支払事務を効率化すれば27億9千万円が節減できたと指摘し、国税庁に対して還付金の支払事務を効率化することを要求した。具体的には、還付金額が高額な申告は他の還付申告と区分して、早期に支払事務に要する日数を短縮するなどして還付加算金の節減を図ることを求めている。

 還付加算金は、還付することとなった国税の申告期限の日など所定の日の翌日から還付金の支払決定日までの日数に応じて、還付金の額に一定割合(2008年分は年4.7%、2009年分は年4.5%)を乗じて計算した額を還付加算金として、その還付金に合算して支払うこととされている。当然、還付金額が高額であるほど、また、支払事務に要する日数が長くなるほど、還付加算金は膨らむ。

 会計検査院が法人1件300万円を超える還付金を対象に調査した結果、全国の税務署が2008年に支払った還付金は計4兆1811億8千万円、還付加算金は計338億3千万円だった。このうち、高額還付金(税務署規模により1億~10億円以上)は、還付金が計2兆1198億6千万円、還付加算金は計118億5千万円にのぼる。また、その処理日数は「11日以上」のものが88.4%を占め、平均では「23日」かかっていた。

 一方、還付金の支払事務手順をみると、一部の税務署を除き、多くの税務署が、高額還付金があっても他の還付申告と区分することなく、申告書の受付順に手続きを行っていた。会計検査院は、これを、還付金額の高額案件から順に処理するにより、平均では「23日」かかっていた高額還付金の支払日数を「10日」に短縮していれば、還付加算金が27億9千万円節減できたと指摘した。

 会計検査院は、国税庁に対し、還付申告が高額な申告、特に上場法人等の還付申告や輸出業者の消費税に係る還付申告で金額が高額なものについて、他の還付申告と区分して、支払事務に要する日数の目標値を設定するなどして早期に支払事務が完了するよう、国税局・税務署に対して指導及び監督を行い、適正な審査を確保しつつ、支払事務日数を短縮することなどの改善の処置を要求している。