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中小企業の業況DIは7ヵ月ぶりにマイナス幅拡大

経営関連情報 - 2009年10月05日

 日本商工会議所が発表した「早期景気観測9月調査」結果によると、9月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は▲61.4となり、前月比▲1.8ポイントと、7ヵ月ぶりにマイナス幅が拡大した。業況は底離れの兆しが出ているものの足取りは鈍く、経済対策の効果などから、売上は持ち直しの動きがみられるが、競争激化による低価格受注や販売単価の低下から、企業収益は厳しい状態が続いているとみている。

 業種別では、「卸売業」を除くすべての業種でマイナス幅が拡大。「建設業」、「製造業」は、公共工事や環境対応車の購入助成、エコポイント制度などの経済対策の効果が表れているものの、住宅建設や設備投資などの民間需要は低迷が続いている。一方、「小売業」、「サービス業」は、旅館業を中心に秋の大型連休による売上増加がみられたものの、天候不順や新型インフルエンザの影響などから、総じて個人消費は弱含みとなっている。

 雇用情勢の悪化を反映して、従業員DI(前年同月比、「不足」-「過剰」)については、▲20.5と前月よりマイナス幅が1.1ポイント拡大した。給与や賞与などの減額や労働時間の調整、雇用調整助成金制度などの利用により、「なんとか雇用を維持している」のが実態となっている。また、売上DI(▲58.4)、採算DI(▲57.1)、資金繰りDI(▲40.1)についてもマイナス幅が拡大した。

 先行きについては、雇用・所得情勢の悪化や設備投資の減退など需要低迷、売上の長期停滞などにより、継続的な資金繰りが限界に達しつつあるという声が多い。また、建設業を中心に政権交代による公共工事など補正予算の凍結や、燃料や一部の原材料(銅や砂糖など)の価格上昇、円高を懸念する声が出ているという。また、秋以降の新型インフルエンザの感染拡大による景気の下ぶれを懸念する声も強いとしている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200909.pdf