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税務関連情報 (2007/01/29)

2007年度の国民負担率は39.7%で過去最高

 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保障費(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は25日、2007年度の国民負担率は2006年度実績見込みに比べ0.5ポイント増の39.7%と、4年連続で上昇し、過去最高となるとの見通しを発表した。国税は0.4ポイント減の14.4%だが、地方税が1.0ポイント増の10.7%で、租税負担率は前年度より0.6ポイント増の25.1%、社会保障負担は横ばいの14.6%。

 諸外国(2004年実績)と比べた場合、アメリカ(31.9%)よりは高いが、スウェーデン(71.1%)、フランス(61.0%)、ドイツ(51.3%)、イギリス(47.6%)などほとんどの国より低い。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち比較可能な27ヵ国中では23番目と、日本より低い国は4ヵ国しかない。わが国の国民負担率が諸外国に比べ低いことが、税制改正の議論のたびに増税の理由とされるが、確かに低い。

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2007年度の国民所得に対する財政赤字の割合は前年度より1.8ポイント低下の3.5%となる見通しだ。2007年度予算案では、新規国債発行額を過去最高の4.5兆円減額したことなどが要因だ。この結果、国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は前年度比1.3ポイント低下の43.2%と改善する。

 なお、租税負担率は、戦前の1934~36年度は13%程度だったが、戦後は45年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移してきた。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.6%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移している。累次の法人税率の引下げや所得税減税、低成長による税収減などの影響だ。しかし、今後は定率減税が廃止されたほか消費税率の引上げなどが予定されており、再度上昇する見通しだ。