大阪市信用金庫が府下一円の製造業者を対象に2月上旬に実施した「中小製造業における経営課題と産学連携の発展性に関する調査」結果(有効回答数555社)によると、景気の悪化で経営環境が厳しさを増すなか、自社の喫緊の課題だと明確に認識している事項が「ある」と答えた企業が96.6%にのぼった。自社の喫緊の課題(複数回答)としては、「売上の増強」との回答が72.1%でもっとも多い。
需要が低迷する現状を受け、売上の維持・伸張をいかに図るかが喫緊の課題と考える企業がやはり突出した。これに次いで「コストダウン」が48.5%と多く、「品質の向上」が47.4%、「新製品・新技術の開発」が35.1%で続いているが、これらも「売上増強」のための方策といえよう。このほか、「資金調達」が34.2%、「人材の確保」が25.6%となっている。一方、「特になし」との回答企業は3.4%だった。
喫緊の経営課題があると答えた企業がその経営課題克服への障害となると考えていること(複数回答)は、「資金に限りがあること」との回答が58.5%でもっとも多く、次いで「目先の仕事に追われ、じっくり取り組む時間的余裕がない」が40.0%、「類似技術等(特許含む)の情報や基礎データ等がないこと」が32.5%、「十分な実験・試作ができる設備等がないこと」が32.0%、「有能な人材の不足」が25.0%などとなっている。
経営課題の克服に関する相談相手(複数回答)については、「取引金融機関」と答えた企業が56.3%ともっとも多く、次いで「同業者など仲間内」が54.7%、「出入りの税理士や会計士」が41.6%、「親企業など取引企業」が29.1%、「公共団体や商工会等の設置する相談窓口」が13.8%と続いている。これに対し、「大学」に相談事を持ちかける企業はわずか2.8%という結果になった。