経 営 関 連 情 報 |
2003年06月27日-004
動き出したシックハウス対策
「シックハウス症候群」が社会問題するなか、シックハウスの原因物質のひとつとされるホルムアルデヒドの使用規制を柱とする建築基準法の改正が、来る7月1日以降の着工分から適用される。いよいよ動き出したシックハウス対策を分析するのは、富国生命のリポートである。「シックハウス症候群」は、壁紙や床材などの住宅建材から室内に発生する揮発性化学物質が原因で、特に新築や改築を終えたばかりの住宅に入居した際に、目・鼻・のどの痛み・吐き気・めまい・頭痛などの症状が現れるとされる。
症状を引き起こす要因としては、壁紙・床材などの建材や施行の際に使用される接着剤・塗料などにホルムアルデヒド・トルエン・キシレンといった化学物質が多用されるようになったことなどが挙げられる。特に問題視されているものがホルムアルデヒドで、これは建材や壁紙を貼る際ののりなどに含まれる無色で強い刺激臭を持つ化学物質だが、発ガン性の可能性など人体や健康への影響が懸念されている。
今回の建築基準法の適用から、このホルムアルデヒドの住宅用建材からの発散量規制がより強化され、ホルムアルデヒドを放散する製品の使用面積の制限や基準が厳しくされる。また、家具やカーテンなどからの発散があるため、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられる。
このような改正法による規制に対し予想される関連業界の動きは、まず大手建材メーカーは商品切り替えに向けて開発を急ぐが、材料費や製造ラインの手直しなどコストアップに直結する。その増加分は、製品価格に転嫁するものと考えられる。住宅メーカーは、改正法で使用制限の対象外とされた最高級商品以外は使用しない方針だが、建材価格の上昇分はメーカーが負担することになりそう。
また、建材価格の上昇は、システムキッチンや洗面化粧台といった住宅設備機器メーカーにもコストアップ要因となる。最高等級部材の仕入価格上昇や従来基準の流通在庫削減など解決すべき課題は多い。
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