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7月企業倒産965件、2ヵ月ぶりの前年同月比増加

経営関連情報 - 2011年08月12日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、7月の倒産件数は965件で、前月比は5.9%の減少だったが、前年同月比では5.1%の増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。倒産増加の主な要因は、(1)金融円滑化法などで延命していた企業の息切れ、(2)震災後の公共事業減少による被災地以外の建設業の悪化、(3)被災地支援のあおりを受けた西日本地区での倒産増などがあるとみられる。

 一方、負債総額は2028億8500万円にとどまった。前月比は5.2%の増加となったものの、前年同月比は18.6%の減少で、3ヵ月連続して前年同月を下回り、7月としては過去10年間で最少を記録した。これは、負債トップが第3セクターの(株)釧路振興公社(北海道、特別清算)で、109億円だったことなど、負債100億円以上の大型倒産が1件で、2009年5月以降27ヵ月連続の一ケタ台にとどまったことが要因とみられる。

 業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも、建設業(282件、前年同月比15.1%増)、運輸・通信業(39件、同11.4%増)で増加が目立った。一方、サービス業(159件、同3.0%減)、不動産業(26件、同7.1%減)など3業種で前年同月を下回った。建設業は、近畿(76件、同33.3%増)と九州(34件、同25.9%増)で大幅増加、運輸・通信業は、燃料費高騰などが影響し、道路貨物運送(28件)などが増加した。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は491件発生、構成比は50.9%を占め、2ヵ月連続で50%超の高水準となった。一方、負債100億円以上の大型倒産は3ヵ月連続で1件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が523件発生、構成比は54.2%を占めた。中小企業は964件、構成比99.9%、小規模企業も840件で同87.0%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1107.html