今年4月から導入された人材投資促進税制は、従業員などの教育訓練に取り組む企業・個人授業主を税制面から支援するもので、中小企業には基本制度(増加額の25%の税額控除)に代えて、教育訓練費の総額の一定割合(最大20%)を税額控除する制度を選択できる特例措置がある。同制度を利用する事業者も多いと思われるが、今から準備が必要なのは確定申告の際に添付する書類である。
同制度の適用を受けようとする場合は、確定申告書等に控除を受ける金額を記載し、かつ、その金額の計算に関する明細書の添付が必要になる。また、「適用年度の教育訓練費の額」と「比較教育訓練費の額(前2事業年度の教育訓練費の額)」について、一定の必要事項を記載した書類を添付する。特に、過去の教育訓練費分については、今のうちに該当分を拾い出して見直し準備することが必要だろう。
記載すべき必要事項は、1)該当費用に係る教育訓練を行った年月日(2日以上継続して場合はその期間)、2)教育訓練等の内容、3)教育訓練等に参加した使用人の氏名、4)該当費用の支出年月日、支出した内容及び金額、相手先の氏名・名称、住所、本店・主たる事務所の所在地、5)その他参考となるべき事項。添付書類は、これらの内容が記載されていれば様式は自由だ。研修の際に作成した書類を添付することもできる。
注意すべき点としては、1)決算時に未払いだったとしても、実際にその事業年度に行われており、損金経理されていれば適用対象となること、2)対象となる教育訓練費の範囲(外部研修での法人負担の交通費は対象外など)、3)対象者の範囲(役員や使用人兼務役員などのほか、内定者等の入社予定者も対象外など)などが挙げられるが、改めて制度の内容を確認しておくことは不可欠である。