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経営関連情報 (2003/12/15)
生活関連業種が多い勤務経験のない業種での開業

 開業者の多くは開業した業種での勤務経験を積んでから開業しているが、一方で開業した業種以外での経験(趣味など)を活かして開業している企業もある。国民生活金融公庫がこのほど発表した「勤務経験のない業種での開業者に関する調査」結果(8月調査、有効回答数6674社)によると、経験なしの企業では生活関連業種での開業が全体の3分の2を占めた。

 今年の調査での勤務経験のない業種での開業割合は16.3%となったが、ここ10年をみると、01年の10.7%や99年と2000年の13%台の低い開業割合を除けば総じて16%前後で推移している。開業時の年齢は、経験なしの企業では「29歳以下」の割合が12.3%、「50~59歳」が28.6%、「60歳以上」が7.1%となっており、いずれも経験ありの企業より多くなっている。

 また、経験なしの企業では女性の割合が21.5%と、経験ありの企業の2倍程度を占めている。経験なしの企業は、中高年者と女性の開業者が目立つ。開業直前の職業をみると、経験なしの経営者は正社員だった割合が70.7%で、経験ありの経営者に比べ17.8ポイント低く、特に「専業主婦」「家族従業者・家事手伝い」の割合が高い。

 業種をみると、経験なしの企業では、「小売業」(24.1%)、「個人向けサービス」(24.0%)、「飲食店」(17.2%)が、経験ありの企業と比べて多く、これらの生活に関連のある業種が全体の3分の2を占めている。

 現在の事業内容を決めた理由をみると、経験なしで「成長が見込めるから」を選択した人は、前職が正社員で33.5%、正社員以外で26.1%と多く、経験ありの7.1%を大きく上回った。また、「趣味・特技・資格を活かせるから」や「地域や社会に役立つから」を選択した人も経験ありを大きく上回り、「市場の成長」や「生きがい」といった観点から事業を選択している人が多いことが分かった。