税 務 関 連 情 報

2003年10月15日-001
人身傷害補償保険金を受け取った場合は原則非課税

 自動車事故に遭った場合、被害者自身は全く落ち度がないと思われるケースでも、何らかの過失があったと判定されて、相手方から100%保険金が補償されることは少ない。そこで治療費などの一部を自己負担でカバーすることが多かったが、最近、その自己負担部分も補償する「人身傷害補償保険」が登場して人気を呼んでいる。

 この保険は主に国内損保会社が取り扱っている商品である。従来の保険では自分がケガをしても自分の過失分に関しては保険は支払われなかったが、この保険では、自分の過失割合にかかわらず、実際の損害額の全額についての補償を契約金額の範囲内で受けられる。損害保険会社は、保険金として支払った金額のうち相手側の過失分については相手の保険会社から回収(相手に代位求償)する。

 そこで問題となるのは、損害保険会社から受け取った保険金の課税関係である。保険金のうち、相手の過失分の金額は、実質的には相手から被害者に対する損害賠償金といえる。所得税法では、損害保険金を受け取った場合、保険をかけていた人が建物の焼失や身体の障害・疾病を原因として受け取る損害賠償金は原則として非課税とされている。

 だから、保険金のうち相手の過失分として代位求償される部分は非課税ということになる。また、残りの被害者の過失分は、「身体の障害等を原因として」支払を受ける保険金以外のもの、例えば被害者が死亡したときに支払われるものは贈与税の課税対象となる。つまりは、人身傷害補償保険金を受け取った場合は死亡しない限り全額が原則非課税ということになる。

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