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経営関連情報 (2005/08/08)

基幹的技術等の伝承「思うように進まない」が7割

 ベテラン従業員が身に付けた技術や技能を伝承することは、企業の存続・発展にとって必要不可欠である。特に団塊世代の退職が始まる2007年が迫るにつれ、切実な問題となってきた。大阪市信用金庫が7月に実施した「中小企業における2007年問題の影響等に関するアンケート調査」では、基幹的技術等の伝承が「思うように進まない」と回答した企業が7割強を占めた。

 調査結果(有効回答数1234社)によると、自社に団塊世代(55~58歳)の従業員が「いる」企業は約6割(58.1%)だった。業種別にみると、団塊世代がいる企業は「運輸業」が82.0%でもっとも多く、これに「製造業」が65.0%で続いている。もっとも少ないのは「サービス業」の36.9%。定年制については、「ある」企業が全体の52.8%で、定年年齢は「60歳」が93.4%で圧倒的に多い。

 団塊世代がいると答えた約6割の企業に対し、自社の基幹的な技術や技能などが、団塊世代の従業員に偏在する状況がみられるかどうかを聞いた結果、「かなり偏在している」(36.5%)と「やや偏在している」(45.2%)と回答した企業が合計で81.7%と8割を超えた。「かなり偏在している」企業は、業種別にみると「製造業」(41.6%)と「建設業」(38.0%)で多く、規模別では規模が小さくなるほど多くなっている。

 「偏在している」企業(586社)における基幹的技術等の伝承については、「順調に進んでいる」企業は27.0%で3割に満たず、「思うようにいかない」とする企業が73.0%で、圧倒的に多い。また、この「進まない」とする企業のうち、「そもそも若手企業がいない」企業が38.7%と4割近くに及んでいる。規模別にみると、「順調に進んでいる」企業は、「50人以上」の46.9%に対し、「10人未満」では19.8%にとどまった。