2003年11月21日-002
日商、企業年金に関し特別法人税の撤廃など要望
公的年金の抜本改革が急務となっているが、少子高齢化などを考えると将来的な「公的年金のスリム化=給付水準の低下」は避けられない。このため、公的年金を補完するものとして、企業が従業員の退職後の所得確保のために実施する企業年金の役割が今後ますます高まる。このような観点から日本商工会議所はこのほど、特別法人税の撤廃や確定拠出年金の拠出限度額の引下げなどを求める要望書をとりまとめ公表した。
要望は、退職給付の積立不足を抱え、「適格年金」廃止や「総合型」基金問題への対応が遅れている中小企業の現状を踏まえたもの。「公的年金のスリム化のなかで、中小企業の企業年金を充実させることが、国民の老後生活の充実と安定を図ることにつながる」として、中小企業が利用しやすい制度改革と企業年金対応への政策支援の拡充を求めている。
要望では、1)特別法人税の撤廃、2)確定拠出年金制度の見直し、3)中小企業の「適格年金」問題への対応の支援充実、4)地域の中小企業主体の「総合型」厚生年金基金への支援、の4点を主張。企業年金の積立残高に対して1%(地方税も含め1.173%)で課税する特別法人税は、2005年3月末まで凍結中だが、企業年金の発展・普及に大きな支障となることから、凍結の期限を待つことなく直ちに廃止すべきだとしている。
確定拠出年金制度の具体的な見直し策としては、1)「企業型」の拠出限度額(現行43.2万円)を少なくとも年額76.5万円か給与の13.3%のいずれか低いほうへの引上げ、2)「企業型」でも従業員からの拠出ができるようにいわゆる「マッチング拠出」の容認と年金確保の自助努力の支援、3)60歳未満でも資金の中途引出しを認めること、の3点を主張し、上記のように、他の先進諸国には例がない法人特別税の撤廃を求めている。
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