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経営関連情報 (2004/05/07)

強まる脱・年功、成果主義志向

 人事労務諸施策はその時々の経済・経営環境、雇用環境を反映したものとなっている。労務行政研究所では1981年以来、これらの諸制度の実施状況調査を実施しているが、このほど2004年度調査結果(有効回答数260社)を発表したなかで、実施の推移が注目されるテーマをピックアップして紹介している。賃金制度では年俸制の実施率が伸びるなど脱・年功、成果主義への動きが目立つ。

 「年俸制」の実施率がこの10年ほどで大きく伸びた。91年までは1割未満だったものが、93・95年は1割台、97年の2割台を経て、前回調査の2001年は34.4%、今回2004年は32.3%となった。もともとは嘱託社員や専門的能力を持った人の処遇策として適用されていたが、90年代以降は管理職の活性化策として導入するケースが相次いだ。年功賃金から脱却して、成果主義による賃金管理を目指して導入する企業が増えてきた制度だ。

 人事評価における「目標による管理制度」も、成果に基づいた処遇を行うためのツールとして実施企業が増えている。人事考課と連動させ処遇に反映させるケースが多くみられ、最近の成果主義人事の浸透でますますその重要性がうたわれている。初めて調査した87年には28.6%だったものが、調査ごとに実施率は高まり、2001年の64.2%から今回は77.3%と8割近くにまで増加している。

 終身雇用の崩壊とともに実施率の低下が目立つのは、勤続年数の長さに応じて社員を表彰する「永年勤続表彰」だ。97年までは8割台と大半で実施されていたものが、2001年には71.0%、2004年には66.5%にまで減少した。なお、その他の制度では、「職務給・役割給」が35.0%、「業績連動型賞与制度」が41.2%の企業で実施されており、いずれも、ここ数年で導入企業が増えている制度となっている。