景気は踊り場を脱したとの政府・日銀の見解が表明されたが、中小企業の景況も上向きにあるようだ。国民生活金融公庫が26日に発表した「全国小企業月次動向調査」結果(有効回答数1269社)によると、7月の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」企業割合、季節調整値)は、6月に比べ0.2ポイント上昇し▲17.7となった。DIは小幅ながら2ヵ月ぶりの上昇となった。8月は5.4ポイント上昇の▲12.3となる見通し。
7月のDIを業種別にみると、7業種のうち「製造業」(▲17.0)、「建設業」(▲18.5)、「運輸業」(▲4.5)の3業種で上昇、「卸売業」(▲21.9)、「小売業」(▲17.2)、「飲食店」(▲11.3)、「サービス業」(▲22.0)の4業種で低下した。8月はすべての業種でDIが上昇する見通しとなっている。
7月の採算DI(「黒字」-「赤字」企業割合、季節調整値)は、6月に比べ2.4ポイント上昇し▲5.0となった。DIの上昇は3ヵ月ぶり。8月は▲3.3と、1.7ポイント上昇する見通し。7月に設備投資を実施した企業の割合(季節調整値)は1.9%となり、6月に比べ1.0ポイント低下した。今後3ヵ月間(8月~10月)に設備投資を計画している企業の割合は4.9%で、7月調査と比べ0.7ポイント低下している。
国民公庫では、以上の結果から、「小企業の景況は、改善傾向にある」と判断している。