帝国データバンクがこのほど発表した「2010年の景気見通しに対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万521社)によると、2010年の景気見通しについて「悪化」局面を見込む企業が35.4%となり、2009年の景気動向から15.7ポイント減少している。また、2010年の景気を「踊り場」局面と予想する企業は2009年とほぼ同水準の34.7%、「回復」局面は2009年より6.6ポイント高い8.6%となった。
2010年の景気見通しを規模別でみると、「回復」の割合は、「大企業」が9.3%、「中小企業」が8.4%と大きな差はみられない一方、「悪化」の割合は、「大企業」(30.7%)よりも「中小企業」(36.9%)が6.2ポイント高かった。特に「小規模企業」は44.2%と4割を超えており、規模の小さい企業ほど2010年も厳しい経済状態が続くとみている。また、業界別にみると、「悪化」は「建設」(51.8%)が半数を超えて高くなっている。
2010年に悪影響を及ぼす懸念材料(3つまで回答)は、「物価下落(デフレ)」が42.5%を占めて最多、次いで「為替(円高)」(40.0%)、「雇用(悪化)」(39.6%)、「所得(減少)」(36.6%)などが続いた。また、2008年調査で2009年景気の懸念材料として54.2%の企業が挙げていた「アメリカ経済」は19.6%へと34.6ポイント減少、「中国経済」も16.2%から10.3%に減少しており、外需に対する懸念は1年前の時点より弱まっている。
今後の景気回復のために必要な政策(複数回答)については、「雇用対策」が47.7%で最多、次いで「物価(デフレ)対策」(34.7%)、「所得の増加」(33.8%)、「(エコポイント制度やエコカー減税などの)個人消費拡大策の継続」(33.1%)、「公共事業費の増額」(32.5%)が続く。また、「個人向け減税」(31.3%)、「法人向け減税」(31.2%)は6位と7位と、暮らし向きなどに直接的な効果をもたらしうる政策支援への期待が大きい。
同意識調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w0911.pdf