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税務関連情報 (2006/05/01)

徒歩通勤者は通勤手当非課税扱いの対象外

 税務上、企業が従業員に支給する通勤手当のうち一定額以下は非課税とされていることはよく知られているが、徒歩通勤者に支払ったものは非課税扱いの対象外となるので注意したい。徒歩通勤者に支払った通勤手当は、交通費との名目で支給していたとしても、全額が給与所得として課税対象となる。昨年、300近くの市町村が徒歩通勤者にも通勤手当を支給していることが判明し、地方公務員への厚遇が批判されている。

 所得税法では、通勤交通費の非課税限度額の範囲を電車やバスなどの交通機関利用者か自動車や自転車などの交通用具を使用する通勤者に限っているのだ。交通機関利用者であれば、その負担した運賃などが1ヵ月10万円を限度に非課税となる。自転車でも一定の要件を満たしていれば、一定額が非課税となるわけだ。非課税となる要件は、片道通勤距離によって違ってくる。

 自動車や自転車など交通用具を使って通勤する場合は、片道の通勤距離に応じて非課税限度額が定められているが、片道2キロ未満は除かれている。つまり、もっとも短い通勤距離でも片道「2キロ以上10キロ未満」で4100円が非課税となる。最高は「45キロ以上」で2万4500円が非課税限度額。ただし、交通機関を利用したならば、これらの金額を超える場合は、10万円を限度に定期代相当額が非課税とされている。

 また、マイカーでの通勤者に高速道路利用料を支払った場合は、上記の非課税限度額に収まれば問題はない。ただし、ガソリン代や維持・管理費などの諸経費を負担した場合は、通勤手当の非課税対象とはならない。これらの経費はあくまで個人が負担すべき費用だと考えられるからだ。なお、従業員が会社の駐車場を無料で使うことで受ける経済的利益は、当然ながら非課税となる。