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2002年02月08日-002
オンデマンド出版を著者のホームページで販売、1ヵ月で350冊の売上
出版・流通の新チャンネルといわれるオンデマンドだが、販売実績が見えてこない。そんななか、2002年1月1日オンデマンド出版。本の名前は「インターネット“夢”物語」(著者/勝吉章)。借金抱えて51歳のおっさんが破れかぶれでパソコンに挑戦し、ウェブショップを開店・運営する失敗談の連続で、読後の感想は「面白い!」のひとこと。
成功例が少なく不毛といわれるウェブショップで、たまに月商1千万円とそこそこに成功している著者が、こうすれば売れる!と偉そうに体験に基づく自説を述べている、ともいえる。それだけに、著者がこの本をウェブ上で売ることができなかったら、よくできたジョークになってしまう。それで、自分で販売ページを作ってみたという。
その結果は、1ヵ月で350冊。前例を探すことができないため、成功なのか失敗なのか判断できない。「ホームページを一軒の本屋さんだと考えれば、超ベストセラーだろう!」と、思い込むしかない。読者の読書感想文掲示板を見ると、してやったり!という気になる。狙いどおりの反応がうれしいとは著者の言。
『インターネット“夢”物語』 A5版 107頁
著者:勝吉 章
発行:株式会社バーチャルクラスター
発行者:深水英一郎
価格:1,480円(税別)
朝日新聞の「声」欄に著者の投書が掲載された(2002/1/27/全国版)
借金数千万円、無収入。50歳過ぎた元社長では、就職もままならない。しかも、気だけは若く、再婚した24歳年下の妻は妊娠中。
破れかぶれでパソコンを独学し、インターネット上に店舗(ウェブショップ)を開設してみた。ネットの世界を構築している多くは若い技術者で、物を売る専門家は少ない。また、ハンドルネーム(愛称)でやりあうなど、学生の部活のノリの世界だった。
これを変だと思う、おじさんの常識的な考えや手法が受け入れられた。成功例が少なく、不毛といわれるウェブショップだが、5年たった今では、月に1千万円売れることもあり、そのいきさつをまとめて本を出版するまでになった。
リストラなどで行き場のない中高年の新天地は、意外とインターネットの世界かもしれない。それまで培った経験を生かす気概を失わず、若年寄にならなければ、の話ではあるが。 (朝日新聞東京本社版より無断転載)
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