ゼイタックス

大商が「社会保障制度改革に関する意見」を公表

経営関連情報 - 2011年05月13日

 大阪商工会議所はこのほど、「社会保障改革に関する意見」を公表した。急速な少子高齢化の進展に伴い年金・医療・介護を中心に社会保障費の一層の増大が予想される中、給付と負担のバランスを欠いたまま将来世代に負担を先送りすべきではないとし、税と社会保険料を含めた国民負担全体を見直し、消費税を含む税制の抜本改革に向けた議論を開始することが不可避であり、次の諸点につき特段の配慮を払うよう強く要望している。

 まず、少子高齢化社会の下で、社会保障制度を維持しつつ経済成長を実現するため、貯蓄や民間保険を活用してリスクに備える自立・自助と、社会全体で相互補完する社会保険方式による基本的な枠組みを引き続き維持し、その上で、自助や共助で対応できない部分に公費を重点投入。他方、公平・簡素・透明・持続可能性の観点から社会保障制度を見直し、年金・医療・介護の一体的な制度設計を求めている。

 公的年金制度のあり方では、税と社会保障の共通番号制度の導入や国・地方の関係機関の連携強化など所得把握を強化しつつ、低所得者に対する保険料免除制度の自動適用や受給資格期間の短縮(現行25年)などにより、未加入による無年金・低年金問題の解消・改善を図るべきとしている。他方、マクロ経済スライドの名目年金下限方式の廃止や受給開始年齢の引上げなど、とりわけ所得比例部分の給付の見直しの検討を求めた。

 「医療・介護制度のあり方」では、診療科や地域による医師の偏在や絶対数不足、介護人材の確保困難などが顕在化、厳しい財政下でも、高齢者制度への公的負担割合の引上げ等、公費を優先的に投入すると同時に、制度の効率化・適正化についても引き続き取り組み、特に、入院・介護施設入所・在宅医療・在宅介護等、症状に合わせて適切な対応と円滑な移行が図られるよう制度を一体的に見直すべきとしている。

 同意見の全文は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/230502i.pdf