15歳から34歳のフリーター人口は417万人(2003年版国民生活白書)。2003年の大学新卒者の無業率は22.5%(文部科学省データ)と過去最高を記録し、大卒新入社員の約3割が入社後3年以内に退社するという。日本雇用創出機構はこのほど、4月から5月中旬にかけて同機構ホームページ上でアンケート調査を行い、フリーターの就業意識や実情を探った。
調査結果(有効回答数408人)によると、フリーターになった理由としては、「ほかにやりたいことがある」(30%)、「時間が自由になる」(8%)などの積極的動機が38%で、「適当な職場が見つからなかった」(21%)、「会社が倒産・解雇された」(8%)などの受動的動機の29%を上回った。このことは、今後景気や経済環境が好転しても、フリーターへの流入が続くことをうかがわせる。
実際のフリーターの生活については、「収入が少なく不安定」(47%)、「社会的地位が低く、人間関係も限られる」(15%)などのデメリットを実感。そこで、今後の働き方については、「定職に就きたい」が64%でもっとも多く、「独立してフリーランスや自営で働きたい」(18%)、「改めて教育や研修を受けて考えたい」(10%)と続き、一般的に就業意識が低いと思われているフリーターだが、実際には非常に就業意識が高いといえる。
身に付けたい知識(複数回答)としては、「専門的知識や技術」(31%)、「円滑なコミュニケーション能力」(26%)、「責任のある仕事をした経験」(25%)と続き、社会人には知識・経験・対人能力が総合的に求められていることをきちんと認識していることが分かる。同機構では「自分に合った職を得ようとする前向きな姿勢が浮かび上がった。職業訓練や就労・独立の機会を得るための支援を行うことが急務」としている。