情報処理推進機構(IPA)が8日に発表した4月のコンピュータウイルス届出状況によると、ウイルスの届出件数は3537件となり、3月に比べ17.2%減少し、5ヵ月ぶりに3千件となった。種別では、W32/Netskyが826件で、26ヵ月連続のトップ。つづいてW32/Mytobが347件、W32Mydoomが258件、W32/Mywifeが221件、W32/Bagleが216件、W32/Klezが169件などとなっている。
また、4月は、セキュリティ対策ソフトの押し売りのような行為に関する相談が40件と、3月の4件から急増した。「あなたのパソコンは『ブラックウォーム』に感染される恐れがあります」といったような表示が突然出現し、「セキュリティ対策ソフトウェア」と称するもののダウンロードを勧める手口などについての相談だ。この脅しのようなメッセージは英文による表示も少なくない。
表示にしたがって「セキュリティ対策ソフトウェア」をダウンロードしてインストールすると、クレジット決済によって購入するまで、しつこく購入を促すメッセージを表示しつづける。こうした表示が、ユーザーの業務などの妨げとなり、根負けして購入することになってしまったという事例もあった。このメッセージにしたがい、ソフトウェアをインストールして、パソコンに不具合が生じる例も報告されているという。
IPAでは、このようなメッセージが表示されても、実際には、ほとんどの場合、ウイルスには感染しておらず、ユーザーを脅して押し売りするようなものだと警告している。正規のセキュリティ対策製品の製造・販売者からは、事例にある脅しのようなメッセージを一方的に送りつけることはないので、慌ててダウンロードしないようにと注意を呼びかけている。