新入社員が最終的に目標とする役職・地位は、「部長」がトップで17.1%、次いで「役員」が16.9%となっており、「社長」は12.0%で昨年より3.6ポイントダウンし、過去最低となったことが、産業能率大学が実施した「2007年度新入社員の会社生活調査」結果(有効回答数668人)で明らかになった。将来の進路は、「管理職志向」が34.8%で昨年から5.5ポイント増、「専門職志向」が昨年とほぼ同じ51.7%で、「独立志向」は減少している。
また、終身雇用制度を望む新入社員は67.8%で過去最高だった。年功序列と成果主義のどちらを望むかを二者択一で尋ねたところ、64.0%が「成果主義」、36.0%が「年功序列」と回答。成果主義の導入が企業の高い関心を呼んでいる中にあって、新入社員も成果主義を望んでいるものの、安定した雇用の下支えが前提であるという考え方がうかがえる。安定志向が高まっているといえそうだ。
自分の就職活動を振り返った感想としては、「かなり大変だった」(21.6%)と「思ったより大変だった」(43.6%)を合わせた65.2%が「大変だった」と感じており、昨年より2.4ポイント増えた。特に「思ったより大変だった」は1998年度以降で一番多くなっており、印象として、少しは楽になったものと臨んだ就職活動が、実はまだ厳しさを残していたと実感している様子がうかがえる。
就職先を選ぶ際に重視した項目(複数回答)は、「仕事内容」(72.3%)と「業種」(64.8%)が他の項目を大きく引き離し、仕事以外の要素である「所在地」(39.2%)や「企業風土」(37.6%)が続く。また、転職に対するイメージは「キャリアアップ」が69.6%と約7割を占めるが、これは03年度をピークに年々下降、今年は過去最低となった。反対に「挫折」とのイメージが初めて3割を超え、転職へのネガティブなイメージが高まっている。