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8月企業倒産1042件、今年最低の件数を記録

経営関連情報 - 2009年09月11日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は1042件で、前年同月比では2.4%の増加となり、15ヵ月連続で前年同月を上回った。しかし、前月比では13.5%の減少となり、依然として1000件を超える高い水準であるものの、今年最低の件数となった。前月(1204件)、前々月(1294件)の反動減もあり、急速な増加基調には一服感がみられた。

 この背景には、(1)食料品や衣料品などの販売不振が影響し、小売業が194件と前年同月比14.8%の増加、(2)負債5000万円未満の小規模倒産が457件発生し、全体の43.9%を占めたこと、 (3)借入金の返済負担など、中小・零細企業の資金繰りは依然厳しい状況が続く、などがある。小売業は、スーパー7件を含め飲食料品小売の倒産が30件(前年同月比66.7%増)発生するなど、全体では今年3番目の高水準となった。

 一方、8月の負債総額は2753億4400万円で、前月比は19.1%、前年同月比も66.2%の大幅減少となり、3ヵ月連続で今年最低を更新し、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最低を記録。倒産1件あたりの平均負債額も2億6400万円と、前月の2億8300万円を下回り、最低を更新するなど、負債総額は縮小傾向が続いた。上場企業の倒産は、1年6ヵ月ぶりに発生しなかった前月に引き続きゼロ件となった。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は457件、構成比は43.9%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は3件にとどまり、2007年7月の3件以来2年1ヵ月ぶりの低水準となった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が506件、構成比は48.6%を占めた。従業員数別でみても、10人未満が840件、構成比80.6%を占めるなど小規模倒産が目立った。