税 務 関 連 情 報 |
2003年01月06日-002
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(25)
★本能的・直感的に聖域化していたプライバシー
ここまでの連載を要約すれば、所得捕捉率の格差、課税の不公平の是正は、税務行政には限界があり、また、納税は国民の義務であるという納税者意識の醸成を待っていてはいつまでも実現できないことから、「納税者番号制度」の導入が不可欠であるとの結論を述べた。さらに今は、導入の最大の障壁となる「プライバシー問題」について考えているところだ。
ここまでプライバシーについては、私たちは社会生活を営んでいく上でいかに多くのプライバシーといわれる個人情報を無意識に撒き散らしてきたかを確認してきた。さらに、プライバシーというと、本能的・直感的に聖域視してしまうが、それは「個人的・卑近的な“ひみつ”がばれると恥ずかしい」といった感覚ではないのかという問題提起をした。
住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)がスタートした2002年8月が近付くにつれ、導入反対運動が盛んに展開された。その反対理由として「プライバシーの危機」と叫ぶとき、プライバシーそのものがどのようなものであるのかは誰も説明していない。まるで、プライバシーは絶対に守るべき“暗黙の了解”事項であるかのようであった。
(以下次回に続く)
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