「デジタル放送接続料金請求書」と書かれた封書が送られてきた。そのなかには、地上アナログ放送から地上デジタル放送へ移行されることにより、UHFアンテナ受信端末切替工事がはじまり、その工事費用として2万9800円を指定口座に振り込むように指示がある。封書には赤字で「重要」との表示もあった。不正な請求ではないか。これは、60歳代の無職の男性から国民生活センターに寄せられた相談内容だ。
同センターでは、このような地上デジタル放送への移行に便乗した架空請求が増えているとして、注意を呼びかけている。地上アナログ放送は、2011年7月24日に放送終了予定で、現在、地上デジタル放送への移行作業がはじまっているのは事実だ。しかし、全国民に工事費用を負担させるということは、決してない。上記のケースは、地上デジタル放送移行に便乗した新手の“架空請求”のようだ。
地上デジタル放送への移行については、地域ごとに段階的に行われていく。完全に地上デジタル放送に移行するのは2011年だ。そのため、今後も地上デジタル放送への移行に便乗し、国や自治体の関係機関をかたって請求書を送りつけてきたり、訪問販売などで勧誘が行われるなど、悪質商法による被害の発生が考えられる。国民生活センターでは、不審な点があれば、すぐに消費者センターへ相談するようにアドバイスしている。