2003年10月06日-002
冷夏が「夏場食品」を直撃
暑さに弱い方々は今年の冷夏は大歓迎だったろうが、海の家などは大きなダメージを受けた。お米も悪影響が予想されている。冷夏の影響ということで我々がすぐに思い浮かべるのは、なんといってもビールである。ビールはやっぱり狂おしい暑さのなかで、きりりと引き締まった冷たい喉越しを楽しみたいものであろう。
日経産業消費研究所がまとめた8月の消費者購買動向調査(都内105世帯の家計簿調査)によると、酒・飲料関連は冷夏の影響が顕著に表れ、過去3ヵ月の全体の落込み幅は前年同月比で6月▲16.8%、7月▲11.7%、8月▲7.7%と苦戦を強いられた。
なかでも8月は、寒い時期に強い日本酒が24.9%増えたのに対し、ビールは▲25.7%も減少し、明暗を分けた。この傾向は「もらい物」にもはっきりと表れている。全世帯の「もらい物」金額のうち、日本酒は前年8月の4500円が今年は9580円と倍増したが、ビールは1万3780円から8770円へと急減している。
冷夏の影響は、ビールだけでなく、乾めんといった夏場に強い食品も直撃している。主食は全体で▲7.4%減だったが、なかでもソーメンなどの乾めんが▲34.2%減、インスタントめんが▲25.9%、ゆで・生メンが▲18.3%減と軒並み落ち込んだ。「涼しくて、めんを食べる気分にはなれなかった」ということであろう。
「泣く子と天気には勝てぬ」というが、冷夏に泣いたビール・乾めん業界である。一方で節約できたのは電気代。エアコンの使用時間が少なかったことから、8月に支払った1世帯あたりの平均の電気代は前年を3086円も下回ったという。でも残っていない?節約した分は何か他のものに使っている、それが一般的な個人消費の姿であるらしい。
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