経 営 関 連 情 報 |
2002年05月29日-001
特別保証利用後倒産が1月から急増
特別保証(中小企業金融安定化特別保証制度)利用後の企業倒産が急増している。特別保証は、1998年10月に金融機関の貸し渋りに苦しむ中小企業の資金繰り対策として導入されたものだ。帝国データバンクのまとめでは、2001年度の特別保証利用後の倒産は5,084件発生し、前年度を1,143件(29.0%)上回り、負債総額は1兆5,538億円と前年度比33.3%の増加となった。同年度の倒産件数2万52件の25.4%、4社に1社が特別保証利用後の倒産だ。特に、今年に入り急増しており、1月から連続して500件超えの高水準となっている。
特別保証利用後倒産を倒産要因別にみると、「販売不振」が3,398件(構成比66.8%)と圧倒的に多く、「放漫経営」の445件(同8.8%)、「業界不振」の345件(同6.8%)が続く。販売不振や売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振などの不況型倒産が全体の80.9%と、8割を超える高水準だ。また、資本金規模別にみると、「1千万円以上5千万円未満」が2,912件(構成比57.3%)と最も多く、「1千万円未満(個人経営を含む)」の1,961件(同38.6%)が続き、中小零細企業が大多数を占めていることが判明している。
制度創設当初から、「業績悪化企業の延命措置に利用されている」との効果を疑問視する声があったが、このように、特別保証利用後も業績が回復することなく、返済に苦慮する中小企業の姿が浮き彫りとなっている。帝国データバンクでは、「現状は氷山の一角。多くの倒産予備軍を内在しているといわざるを得ない」として、今後の特別保証利用後倒産の増加を懸念している。
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