~計算書類の開示について知ろう!
計算書類は、定時株主総会の承認後、遅滞なく、商法の定めるところにより公告しなければならないとされている。さらに最近では、計算書類の利用者のニーズなどを勘案し、資金調達の多様化や取引先の拡大を図るため、商法上の公告として義務付けられている範囲以上の情報を積極的に開示することが求められている。
商法上で定められている「計算書類の開示制度」には、以下の3つがある。
1)定時株主総会に先立って、株主に直接送付する書類により、会社情報を提供する「直接開示」制度。
2)株主及び債権者の請求に応じて、営業時間内にいつでも書類を閲覧に供する「間接開示」制度。
3)官報・日刊新聞・インターネットにより、「特定の計算書類またはその要旨」(インターネットの場合は要旨は不可)を掲載して情報を提供する「公告」制度。商法では、すべての株式会社に計算書類の「公告」を義務付け、これについての罰則も設けられている。
インターネットによる公開の具体的な手続は、1)取締役会で、貸借対照表をインターネットで公開することを決議する、2)貸借対照表を「PDF形式」などに画像処理し、インターネット上でのホームページに掲載する、3)ホームページのアドレスを登記する、4)一度掲載した貸借対照表は、5年継続して掲載する(新たに公開を行う会社は、初年度は直近の分だけでよいこととされている)、となっている。
ホームページのアドレスについては、管轄の商業登記所(法務局)に登記する。登記の際の登録免許税は、申請件数1件につき、本店所在地の場合は3万円、支店所在地の場合は9千円となっている。また、貸借対照表の公開を行うホームページは、会社自身が作成したものである必要はなく、インターネットによる公開の代行会社に依頼することもできる。
(続く)