2003年03月07日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(38)
★情報開示の重要さ
当連載は前回2回分まで少々横道にそれてしまったが、大きく前進できる休憩であったように思う。それは、ひとつの政策を進めるときの政府・官僚の広報の責任・義務がどれだけ重要かということである。法律を成立させるために目先の利点ばかりを強調しないで、その政策が将来どのようなメリットをもたらしてくれるのかを大きな観点から説明すべきなのだ。情報開示の重要さである。
目先の利害は調整しやすいが、それだけに足元もすくわれやすい。例えば、住基ネットにおいて、住民票添付省略のために何百億円もかけるのは税金の無駄だというように…。このような反対論を展開するマスコミにもあきれるが、元はといえば、目先のPRしかしない政府の責任でもあるのだ。住基ネットのもっと将来的なメリットを積極的にPRすれば、導入をめぐっての議論ももっと建設的なものになったに違いない。
今からでも遅くない。住基ネット導入に関する議論はすっかり沈静化した感があるが、今年8月から始まる住基カードの交付が住基ネットの本格的な始動と言われている。そろそろ、議論が再燃するはずだ。それでもまだ、政府・総務省は、住基カードの便利さなどしかPRしないのだろうか。4月の統一選挙を控えた政治家は分が悪いテーマは黙して語らないだろう。住基ネット賛成派としては、何とも歯がゆい状況が続きそうだ。
(続く)
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