ゼイタックス

税務関連情報 (2004/11/22)

インターネット取引にも税務当局のメス!

 インターネット取引が激増している。ホームページを開設すれば、ネットショップ運営のソフトを利用して専門的知識をさほど必要とせず、手軽にネット取引ができる。それで相当な収入を稼いでいる個人事業者も少なくない。ところが問題なのは、インターネット上での取引なので営業実態がわからないだろうと、申告しなかったり申告額を少なくしがちな点だ。だが、それは都合のいい思い込みに過ぎない。

 国税当局は、今年6月までの1年間(2003事務年度)にネット取引業者1221件を実地調査したところ、1件あたり955万円の申告漏れを見つけた。同年度の所得税全体の実地調査では1件あたり723万円というここ10年間では最高の申告漏れを把握したが、ネット取引ではその数字を約3割上回った。国税当局は、電子商取引専門チーム(各国税局)や情報技術専門官(税務署)を配置して日々実態把握に努めているのだ。

 インターネット取引の1件あたりの申告漏れを業態別にみると、事業主が商品を販売するためのホームページを開設し、消費者から直接受注・販売するオンラインショッピングを行っている「ネット通販」が787万円、インターネット上で電子画像や電子データを販売する「シェアウェア」が789万円となっている。また、それ以外の出会い系サイトやネット広告など「その他のネット取引」が1127万円と高額な申告漏れだ。

 今回の実地調査では、1)チケットを大量購入し、インターネットオークションで不特定多数の者に転売していた事例、2)果樹栽培農業を営むかたわらインターネットで農作物を遠隔地に販売していた事例、3)持ち帰り弁当の販売業を経営しながら、インターネットで衣料品を販売していた事例など、いずれもインターネット取引で多額の収入を得ていながら申告していなかった事例が報告されている。