中盤に差しかかった今回の確定申告では、相続時精算課税制度を利用するための届出書の初めての受付が行われている。特別控除が2500万円、住宅取得の場合は3500万円までと暦年課税の非課税枠110万円に比べはるかに大きいことから、どれぐらいの人が同制度を利用するのか注目されるが、そもそも制度そのものを皆さんはご存知なのだろうか。
全国宅地建物取引業協会連合会が1日に発表した消費者アンケート調査結果によると、精算課税制度を「よく知っている」(7.1%)、「だいたい知っている」(32.4%)を合わせると39.5%、約4割の周知割合だった。調査は、昨年9~10月の2ヵ月間に行われ7362人から回答を得たもの。同制度が創設されてから半年近く経っているが、関心度はあまり高くないようだ。
もし住宅を購入する場合、父母から購入資金の援助(贈与)として精算課税制度を活用したいかとの問いには、「活用したい」は33.0%にとどまった。残りの67.0%、7割弱の人は「父母からの援助が見込めない」(43.7%)や「制度そのものの内容が分からない」(15.7%)「自己の頭金と住宅ローンでまかなう予定」(12.6%)などの理由で、同制度を使わない意向だ。
活用したいと回答した人が予定している父母からの贈与金額は、「100万円以上550万円未満」が40.8%で最も多く、次いで「550万円以上1000万円未満」(24.7%)、「1000万円以上1500万円未満」(13.7%)と続き、1500万円未満が全体の9割を占める。なお、住宅を購入する場合に用意する予定の頭金は、「300万円以上1000万円未満」が全体の47.4%と半数を占め、希望する贈与金額とほぼ整合する。