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不況下で伸びた“日常型レジャー”~レジャー白書

経営関連情報 - 2009年08月05日

 日本生産性本部がこのほど発表したレジャー白書2009によると、2008年は後半から景気が低迷するなか、余暇活動への参加は“日常型レジャー”へシフトした。ただし、余暇支出面では大きく減少する種目も目立った。種目別にみると、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉)」の参加人口は増えたが、支出や宿泊数は低調。「動物園、植物園、水族館、博物館」、「遊園地」などの近場の行楽も、前年の水準には及ばなかった。

 映画の参加人口は、「崖の上のポニョ」、「おくりびと」など邦画の話題作もあり、堅調。また、“巣篭もり消費”が話題になるなか、単価が安く、家庭や近場で繰り返し参加して楽しめるような“日常型レジャー”の伸びが顕著だった。「パソコン」の420万人増を始め、「ビデオ鑑賞」、「音楽鑑賞」、「テレビゲーム(家庭での)」、「園芸、庭いじり」などが大幅に増加したほか、「ジョギング、マラソン」が好調だった。

 2008年の余暇市場は、前年比で2.4%減の72兆8760億円だった。娯楽部門、観光・行楽部門の落ち込みが目立ったが、ランニング用品や携帯ゲームなど堅調な市場もみられた。「スポーツ部門」(前年比1.9%減)は、近年のランニングブームの高まりを受け、ファッション性の高いランニング用品が好調だったが、成長を続けてきたフィットネスクラブ市場は、2007年から2年連続の減少となった。

 「趣味創作部門」(前年比0.5%減)は、一眼レフカメラや大型液晶テレビが販売台数増、ブルーレイディスクが注目を集めた。「ハリー・ポッター」の新作も出たが、書籍・雑誌はともに減少した。「娯楽部門」(同2.9%減)では、パチンコの下げ幅は縮小した。携帯型ゲーム機は堅調だが、ゲームセンターは落ち込んでいる。スポーツ振興totoは、BIGが過去最高販売額を記録している。

 「観光・行楽部門」(前年比2.1%減)は、「東京ディズニーリゾート」が不況下でも過去最高入場数者を更新。旅行業は海外旅行の落込みが響く。外資系高級ホテルの進出が続いたが、外国人旅行者数は激減しており苦戦している。また、普通乗用車保有台数が初めてマイナスとなり、自動二輪車も落ち込んだ。