経 営 関 連 情 報

2002年09月09日-002
景気は緩やかな回復傾向持続も景気失速リスクに要注意

 日本総合研究所がこのほど公表した日本経済展望(9月4日時点の情報を元に作成)によると、景気は、緩やかな回復傾向が持続するものの、景気失速リスクには要注意とのシナリオを示している。

 2002年度のシナリオについて、上期(7~9月期)は、1)アジア経済をけん引役とした海外経済の立ち上がりによる輸出の増勢持続、2)製造業を中心とした設備投資の減少ペース鈍化、などを背景に緩やかな回復傾向が持続。下期は、公共投資の大幅減少などにより成長ペースは鈍化するものの、アジア向け輸出が資本財を中心に引き続き増勢を維持するほか、1)設備投資が徐々に持ち直し始めること、2)企業収益の改善が所得環境にも波及していくことから、基本的には回復傾向が継続するとの見方だ。

 2003年度のシナリオについては、景気回復のけん引役だった輸出が、海外経済の減速、円高による輸出数量押し下げ効果から増勢が鈍化するほか、企業業績の改善もペースダウンし、設備投資が鈍化するなか、景気に足踏み感が出てくる可能性があるとみる。この結果、2003年度の成長率はプラス0.3%にとどまるとの見通しだ。

 また、ここにきて、先行き不安要因が一段と強まってきており、景気が早期に調整局面入りするリスクには要注意との見方を示している。過去の景気回復局面では、通常、株価が半年から1年程度先行して上昇する傾向があったが、足元の株価は依然として低迷から抜け出しておらず、将来の景気腰折れを示唆している状況とみている。先行きの景気失速要因としては、1)消費者マインドの改善ペースが鈍化し、弱含みに転じている可能性、2)これまで生産回復をけん引してきた電気機械産業の生産に偏重の兆しの2点を指摘している。

 

 

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