ゼイタックス

経営関連情報 (2004/05/21)

若年者雇用を考える会、問題解決に向け最終報告

 若年層の失業率が10%にも及ぶ高水準に達しており、若者の雇用問題の解決が社会的な緊急課題となっている。社会経済生産性本部が設置した「若年者の雇用の将来を考える会」はこのほど、「若者に希望と誇りをもてる職業を」と題する最終報告をとりまとめ公表した。報告では、「仕事とくらし」「若年キャリア支援センター」「キャリア・カード」「レインボートラスト」の4つの構想を提案した。

 具体的には、まず義務的教育段階からキャリア教育を本格的に導入するため、学校教育に正課として「仕事とくらし」について学ぶ総合学科を設置する。次に、フリーター・学卒無業者・「ひきこもり」へのきめ細かな支援のため、全国約500ヵ所の勤労青少年ホームを核に、地域における関係者の連携推進体制の拠点として「若年キャリア支援センター」を整備する。

 3番目は、次世代人材への橋渡しを行う地域プロジェクトとして、地域関係者の若者への支援を協同化させる仕組み「レインボートラスト」構想。最後に、若者が主体的に取り組めるような支援の仕組みとして、政府の各種援助メリットを受けられる利用証を兼ねるなど、記録された若者個人のキャリアの確認とあわせて多くの支援策メニューを利用できる「キャリア・カード」構想を提案している。

 また、これら4つの構想について、当事者のニーズを探る目的でパートやアルバイトなど18~35歳の若者に実施したアンケート調査を発表。調査結果(有効回答数1024人)によると、若者自身が重要と感じたのは、「若年キャリア支援センター」(53.1%)と「学校(小中・高校)での『仕事とくらし』を教える授業」(27.4%)だった。

 「若年キャリア支援センター」の就職支援策として期待することでは、「やりたい仕事に就くために必要なことの情報」(65.0%)、「仕事に役立つ教室」(61.8%)を多くの若者が挙げた。「『仕事とくらし』を教える授業」のなかで教えてほしいことでは、「働く上でどんな能力や知識が必要なのか」(64.0%)、「世の中にはどんな仕事があるのか」(61.5%)などが上位に挙げられている。