税 務 関 連 情 報

2003年10月24日-001
所得税の申告漏れは過去最低の8565億円

 国税庁が21日に公表した今年6月までの1年間(2002事務年度)における所得税・消費税の調査状況によると、所得税の申告漏れは前年度を10.0%(949億円)下回る8565億円だった。この金額は、現行の集計方法となった91年度以降、過去最低の数字。長引く不況に申告所得そのものが減少していることもあるが、一方で実地調査での1件あたり平均684万円はここ10年間では最高の数字となっている。

 2002年度の所得税の調査は前年度に比べ11.4%(9万9千件)少ない76万8千件に対し実施され、うち74.1%にあたる56万9千件から8565億円の申告漏れを見つけた。調査件数の大幅な減少は、実地調査までは至らない電話や来署依頼で済ます「簡易な接触」が前年度から約10万件減少の69万5千件となったことが要因。前年度は申告書が新様式となったことから、納税者の記載誤りなどが多かったようだ。

 加算税を含めた追徴税額も7.5%(103億円)減少して1269億円だった。1件あたりの平均では、0.9%(1万円)増と微増の111万円の申告漏れに対し14万円追徴されたことになる。しかし、実地調査は1.9%(1万4千件)増の73万5千件に対し行われ、うち87.1%にあたる64万件から2.3%(111億円)増の申告漏れ5033億円を見つけた。その結果、実地調査での1件あたりの平均申告漏れ684億円は、ここ10年間では最高の数字となった。

 業種別の1件あたりの申告漏れ所得金額ワースト業種は、「貸金業」が3093万円で2年連続のトップ、以下、「風俗業」(2261万円)、「病院」(1653万円)、「バー」(1256万円)、「焼肉」(1159万円)と続き、ここまでがワースト5。「貸金業」はここ10年間、トップ4回、2位4回、3位2回とワースト3をはずれたことがない申告漏れの常連業種となっている。

 なお、消費税の調査は、3万9千件に対して行われ、うち69.2%にあたる2万7千件から非違を見つけて171億円を追徴している。

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