東北の建設業が復興需要で業況改善~中小機構調査
中小機構が13日に発表した2011年10-12月期の「中小企業景況調査結果」(有効回答数1万8293社)によると、全産業の業況判断DI(前期比、「好転」-「悪化」、季節調整値)は、▲24.3となり、前期の▲26.6から2.3ポイント増)と、マイナス幅が縮小した。中小企業の業況は、引き続き持ち直しの動きがみられるものの、円高などの影響が懸念される。
製造業の業況判断DIは、▲20.0(前期差0.5ポイント増)とマイナス幅が若干縮小した。製造業の14業種のうち、「輸送用機械器具」▲13.3(同▲6.1ポイント減)、「その他の製造業」▲18.7(同▲4.3ポイント減)、「繊維工業」▲22.4(同▲3.4ポイント減)など5業種でマイナス幅が拡大し、「家具・装備品」▲20.0(同13.9ポイント増)、「金属製品」▲14.2(同5.9ポイント増)など9業種でマイナス幅が縮小した。
非製造業の業況判断DIは、▲26.0(前期差2.8ポイント増)となり、マイナス幅が縮小。産業別にみると、「卸売業」▲20.1(同8.6ポイント増)、「建設業」▲20.1(同3.7ポイント増)、「サービス業」▲23.0(同1.8ポイント増)、「小売業」▲34.8(同1.7ポイント増)とすべての産業でマイナス幅が縮小。サービス業は、「対個人サービス業(自動車整備その他)」▲20.4(同6.0ポイント増)など5業種でマイナス幅が縮小した。
全産業の売上額DI(前期比、「増加」-「減少」)は、▲21.4(前期差0.7ポイント増)とマイナス幅が縮小。産業別では、製造業で▲15.9(同0.3ポイント増)、非製造業で▲23.3(同0.6ポイント増)とマイナス幅が縮小。経常利益DI(同、「好転」-「悪化」)は、▲35.2(同2.1ポイント増)とマイナス幅が縮小。産業別では、製造業で▲29.1(同1.9ポイント増)、非製造業で▲37.1(同2.3ポイント増)とマイナス幅が縮小した。
東北地域の業況判断DI(前期比)をみると、復興需要で建設業が▲3.3(前期差11.0ポイント増)と2期連続でマイナス幅が大幅に縮小。地域別でも、建設業の業況判断DIの改善幅は他地域に比べ大きい。東北各県の建設業の業況判断DI(前期比)は、6県すべてでマイナス幅が縮小、宮城県(18.3)、福島県(7.0)、山形県(5.2)の3県ではプラスとなり、岩手県(▲2.1)、秋田県(▲16.8)も全国平均(▲20.1)を上回っている。