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税務関連情報 (2005/12/05)

個人住民税均等割のフラット化や均等割の引上げ

 国と地方の税財政を見直す三位一体改革に関しては、難航していた2006年度の補助金削減総額が6540億円で合意され、それに見合う地方自治体への税源移譲額は6100億円程度で、2004~2006年度の税源移譲総額は3兆90億円となった。政府税制調査会の答申では、税源移譲の実施にあたっては「個々の納税者における税負担の変動を極力小さくすべきだ」として、所得税と個人住民税の役割分担の明確化を提言した。

 具体的には、個人住民税については、応益性や偏在度縮小の観点から、所得割の税率のフラット化を求めている。答申には税率の明記はないが、現行で5%・10%・13%と3段階の税率を一律10%とすることが規定路線となっている。また、均等割の税率(現行年額:都道府県民税1000円、市長村民税部分3000円)は、国民所得等の伸びを勘案すると低い水準にとどまっており、引き上げる必要があると指摘している。

 一方、所得税については、所得再分配機能を適切に発揮させるように、より累進的な税率構造を構築すべきだとしているが、個人住民税所得割のフラット化に伴い、所得税・個人住民税のトータルでの税負担の変動を極力抑えるために、現行では10~37%の4段階の税率に新たに5%の税率を設けて住民税で負担増となる層に配慮し、負担が軽減される層には最高税率を37%から40%に引き上げて対応する案が有力視されている。

 なお、6月に政府税調が論点整理で提起した諸控除の見直しについては、今回の答申では所得税においても住民税においても触れられていない。しかし、「長い目でみたら避けて通れない問題」(石会長)であり、2007年度以降の消費税を含めた抜本的税制改革のなかで議論されることになる。来年度税制改正では定率減税の全廃を断行するため、一気に諸控除まで手をつけて納税者の反発を増幅したくなかったというのが本音だろうか。