沖縄県観光商工部がまとめた統計によると、沖縄を訪れる観光客数は2001年以降順調に増加しており、年々、入域観光客数の最高値を更新している。月別にみても、2005年3月から15ヵ月連続で前年を上回っている。こうした好調さが続く沖縄観光の背景を探った内閣府のレポートは、この沖縄観光の好調さは他地域が観光をテーマに地域活性化を目指す際の一つのモデルになるとの考えを示した。
レポートによると、観光客1人あたりの県内消費額は、2005年の総額で7万2421円(前年比2.7%増)となり下げ止まりの傾向をみせている。そのなかで、土産・買物費は前年比17.2%増と大きく伸びており、飲食費も6.0%の増加となっている。沖縄県の資料によると、沖縄へ10回以上来訪している、いわゆるコアリピーターの消費額は平均を上回っており、リピーターによって支えられているともいえる。
また、県外においても、人々の関心をひく試みが続けられている。その最たるものが「わたしショップ」(県産品販売店)であり、全国各地への出店が続き、店舗数は増加基調にある。一方、デパートやスーパーなどでは物産展やフェアが開催されるなど、沖縄への人々の関心は高い。さらに、将来リピーターになりうる存在の修学旅行生も増加基調にある。修学旅行生は、2004年には全入域者の7.6%(約40万人)を占めるに至っている。
沖縄のブランドの高さを生んでいるものに、沖縄ならではの商品がある。泡盛、かりゆし、ちゃんぷる-などいくつも挙げられる。民間の調査機関によると、沖縄のブランド力は、北海道、京都に次いで第3位となっており、高いブランド力を活かした取組みが観光客数の増加に結びついている、とレポートは分析。観光をテーマにした地域活性化の一つのモデルになりうるとみている。