ゼイタックス

経営関連情報 (2004/06/07)

5月のウイルス届出5439件は過去最悪!

 情報処理推進機構(IPA)が3日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、5月の届出件数は5439件で、4月の4028件から1411件、35.0%もの増加となり、1990年の同調査開始以来過去最悪となった。この要因は、「W32/Netsky」が1984件もの届出が寄せられ、3月1795件、4月1767件に引き続き高水準で推移、猛威をふるったことにある。続いて、「W32/Bagle」464件、「W32/Klez」383件となっている。

 W32/Netskyは、2日現在で29種もの亜種が出現しており、IPAに寄せられたウイルス検出数約336万4千個のうち、実に93%を占めている。ほかのウイルスに比べ、蔓延度が高い状況であることがうかがえる。亜種のなかには、添付ファイルを開かなくても、メールをプレビューしただけで感染するものもあり、自分が感染していることに気づかずに他へウイルスメールを送信しているケースが多数見受けられるという。

 また、5月のゴールデンウィーク以降、インターネットに接続しているだけで感染する新種ワーム「W32/Sasser」が出現し、29件の届出があった。このワームは、メールの受信やホームページの閲覧をしていなくても、パソコンがインターネットに接続されていれば侵入してくる。侵入されると、突然エラーメッセージが表示され、カウントダウンが始まり、パソコンがシャットダウンしてしまう。

 IPAでは、W32/Sasserのように、インターネットに接続しているだけで感染してしまうウイルスの攻撃を防ぐためには「ファイアウォール」による対策が非常に有効だと指摘。その効用として、1)不正な外部からのアクセスを遮断、2)不必要な情報発信を阻止、3)不正アクセスなどの履歴情報(ログ)が保持できる、などを挙げている。常時接続環境(ADSL、CATVなど)であれば、ぜひ導入することを勧めている。