日本医療労働組合連合会がこのほど発表した「介護・福祉労働者の労働実態調査」(中間報告)では、低賃金や人手不足、忙しさなどで、過半数が仕事を辞めたいと思ったことがあるなど、職員の過酷な労働実態が浮き彫りとなった。同調査は、昨年12月から今年3月にかけて実施、6818人から有効回答を得た。内訳は、女性が約8割、男性が約2割で、職場は約8割強が施設系、約2割が訪問系の施設となっている。
調査結果によると、正職員の1ヵ月の所定内賃金は平均21万7300円で、職種別では、「看護職」(27万3300円)や「ケアマネージャー」(25万5300円)が比較的高い半面、「介護福祉士」(19万4600円)や「ヘルパー」(17万5200円)は平均値以下となっており、全体の4割強が20万円未満だった。また、パート労働者の時給は、「800~900円未満」が29.4%でもっとも多く、全体の36.2%が時給900万円未満で働いている。
昨年10月時点での時間外労働は、「なし」が36.1%、「10時間未満」が38.8%、「10時間以上」が25.1%で、時間外労働を行った人のうち3人に2人はサービス残業をしており、残業手当を「自分から請求していない」人が7割もいた。休暇についても、公休が「きちんとその日に取れる」人は6割弱、年次有給休暇の平均取得日数は7.4日で、取得率も「3割以下」が過半数を占めるなど、休むこともままならない実態がうかがえる。
一方で、利用者に「十分なサービスが提供されている」との回答は4.8%に過ぎず、「ほぼできている」(40.1%)を合わせても44.9%と過半数に達しない。その理由(2つまで回答)は、「人員不足による過密労働」が73.0%と突出して多い。こうした状況下、「仕事を辞めたい」と思ったことがある人は55.3%にのぼる。その理由(複数回答)は、「賃金が安い」(50.3%)と「忙しすぎる」(45.0%)が飛びぬけて多かった。
同労働実態調査結果の詳細は↓
http://www.irouren.or.jp/jp/html/menu16/2008/pdf/kaigo-chousa-tyukan-houkoku080414.pdf