経 営 関 連 情 報 |
2003年05月21日-001
旅行業者の倒産、96年以降446件発生
5月の海外旅行者数はイラク戦争やSARSなどの発生の影響で大幅減となった。個人消費低迷の長期化と価格破壊に苦しんでいた旅行業界には大打撃である。今後は特にSARSの拡大が同業界へ与える影響が懸念されている。そこで、帝国データバンクはこのほど、96年から2003年4月末までに国内で発生した旅行業者の倒産動向についての調査・分析を行った。
調査結果によると、96年から2003年4月までに倒産した旅行関連企業は、446社で負債総額は975億6200万円となった。内訳は、「一般旅行業」が200社(負債総額642億700万円)、「国内旅行業」が58社(同56億9000万円)、「旅行業代理店業」が188社(同276億6500万円)である。3業種合計で倒産者数、負債総額がともに最も大きかったのは98年(78社、406億4100万円)で、以降は毎年50社台で推移している。
また、「米国同時多発テロ」や「バリ島爆弾テロ」、「イラク戦争」、「SARS」などの海外事件の発生が原因で倒産した旅行業者は、4月末までに18社判明している。デフレと消費低迷という状況下で、これらの事件発生が倒産を決定づけた。内訳は、「米国多発テロ」関連が16社、「バリ島」「イラク戦争」関連が各1社で、「SARS」関連は調査期間中はゼロだが、5月に入って1社発生している。
2003年における4月末までの倒産企業は17社と前年並みだが、「国内旅行業」の倒産件数が1件もない。国内旅行業は、96年以降の各年の「1~4月」においてゼロだった年がない。この背景としては、近時の海外事件の発生が海外旅行から国内旅行へシフトさせている結果とも考えられている。
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