2007年5月から三角合併が解禁される。三角合併は、会社を合併する際、消滅会社の株主に対し、対価として、存続会社の株式でなく親会社の株式を交付して行う合併をいう。三角合併の解禁は、外国資本の攻勢による対日投資の拡大や国内外におけるM&A市場の活発化が予想される一方で、大企業の寡占化や中小企業の淘汰、技術流出や雇用などに対しても懸念の声が挙がっている。
そこで、帝国データバンクが実施した「三角合併の解禁に対する企業の意識調査」結果(有効回答数9736社)によると、三角合併の解禁は「期待のほうが大きい」と回答した企業割合が46.4%と半数近くを占めた。一方、「期待のほうが大きい」との回答企業は7.6%に過ぎず、三角合併の解禁に対する懸念の大きさがうかがえる結果となった。なお「期待」と「懸念」は同程度と回答した企業は45.7%だった。
三角合併の解禁に対する具体的な懸念(複数回答)としては、「大企業の寡占化」が52.4%ともっとも多く、「外国資本による買収攻勢」(45.9%)も高水準だった。そのほか、「技術流出」(23.2%)や「雇用の合理化」(19.8%)への懸念も少なくなかった。一方、具体的な期待(複数回答)としては、「国際競争力の向上」(35.8%)、「企業価値の向上」(27.1%)、「対日投資の拡大」(23.3%)などが挙げられた。
次に、三角合併の解禁が今後自社の属する業界の再編を加速するか否かについて尋ねたところ、「加速すると思う」と回答した企業が34.7%と3社に1社を占め、「思わない」(29.2%)を上回った。また、三角合併の解禁の日本経済活性化への寄与については、「寄与すると思う」と回答した企業は35.4%にとどまった一方、「寄与すると思わない」との否定的な回答が64.6%にのぼった。
同意識調査の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w0703.pdf