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経営関連情報 (2005/07/29)

LLP制度の施行は8月1日

 経済産業省は26日、LLP(有限責任事業組合)制度の導入に関する法律の施行期日を定める政令を公表し、施行期日は8月1日となることを明らかにした。LLPは、民法上の組合に有限責任を取り入れた新しい事業体の設立が可能になる制度。出資者が出資額の範囲内でしか責任を負わない「有限責任」と、自由に組織運営できる「内部自治原則」の両方を兼ね備えた組織が設立できる。

 LLPの特徴は、民法上の組合の長所をそのままに株式会社の有限責任制を合体させたものといえる。従来の民法組合は、事業体に法人課税をしないパススルーが認められる一方で、無限責任であることから出資者にとってはハイリスクな制度となっていた。LLPの出資者は、出資額の範囲までしか責任を負う必要がないので、ベンチャーなどリスクの高い事業に挑戦できる。

 また、LLPは、株式会社や有限会社と異なり、最低資本金や取締役・監査役設置が義務付けられない。利益が出た場合の税務上の取扱いは、LLPには課税されず、組合員に直接課税する構成員課税となる。損失が出た場合は、出資額を基に一定額の範囲まで他の所得と損益通算できるなど、税務上のメリットもある。LLP制度の導入によって、企業同士のジョイント・ベンチャーや専門人材の共同事業などへの活用が期待される。

 なお、同日、組合の業務として行うことができない業務などを定めた施行令も公表されている。性質上組合員の責任の限度を出資の価額とすることができない業務として、1)公認会計士、2)弁護士、3)司法書士、4)土地家屋調査士、5)行政書士、6)海事代理士、7)税理士、8)社会保険労務士、9)弁理士の9業務が、また、組合の債権者に不当な損害を与えるおそれがある業務として、宝くじの購入など6業務が定められた。