信用保証制度とは、中小企業の資金調達の円滑化を目的として、信用保証協会が中小企業の債務(銀行借入れなど)を保証するものである。景気拡大が続くなか、わが国の中小企業向け信用保証制度は、1990年代後半の「危機モード」から脱して、持続可能な制度構築に向けた見直しが進められている。制度改正の内容や見直しが必要とされる背景を解説するのは、みずほ総研のレポートである。
レポートによると、信用保証制度の改正点は多岐にわたるが、第一は、信用保証協会と金融機関の責任分担割合の見直しである。これまでわが国では、原則として信用保証協会が融資額を100%保証してきた。欧米では公的保証期間の保証割合が5~7割程度の国が多く、わが国でも全額保証を見直すべきだとの指摘があった。現在議論されている制度改正案では、金融機関の負担割合を2割にするとされている。
第二は、保証料率の見直しである。これまでの1.35%(無担保の場合)という固定的な保証料率は、経営状況が良好な企業にとっては保証料が相対的に割高になる。そこで、今年4月から、借り手である中小企業のリスクを考慮した可変的な保証料率が導入された。制度改正後の保証料率は、無担保の場合で0.5~2.2%の範囲で9段階に設定され、リスクが高い企業ほど保証料率が高くなっている。
第三は、経営支援・再生支援に係る体制の整備である。これまでは、保証協会だけが制度上の理由から再生支援に応じることができず、事業再生の妨げとなることがあった。そこで、適切な再建計画が策定されている場合には、信用保証協会が求償権を放棄したり、再生ファンドに債権を譲渡したりできるように、制度の見直しが逐次進められている。ほかにも、担保や個人保証に過度に依存しない信用保証の推進などが検討されている。
同レポートの全文は↓
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/research/r060601management.pdf