ゼイタックス

09年広告関連業者の倒産、01年以降で最悪ペース

経営関連情報 - 2009年10月16日

 昨秋のリーマン・ショック以降の世界的な金融危機の影響で企業業績が急激に悪化した結果、広告関連業界は、企業の広告費抑制で厳しい経営環境が続いている。帝国データバンクが実施した「広告関連業者の倒産動向調査」結果によると、今年に入って9月までの倒産件数は201件で、前年同期に比べ40.6%の大幅増加となった。すでに2001年以降で最多だった2008年(206件)に迫る過去最悪のペースで推移している。

 通年でも2008年を抜いて過去最多となるのは確実な情勢で、引き続き広告関連業界は厳しい経営環境下にあることが分かる。一方、負債総額をみると、2009年(1月~9月)は313億400万円で、前年同期比136.1%増と倍以上の増加。2001年以降でもっとも多かった2002年(241億3200万円)をすでに超えており、件数の増加もさることながら、負債規模の大きな倒産が増加傾向にあることがうかがえる。

 2009年に倒産した201社を負債別にみると、「1億円未満」が142件と、小規模業者の倒産が圧倒的に多い。以下、「1億円以上5億円未満」が46件、「5億円以上10億円未満」が7件、「10億円以上」が6件だが、「1億円未満」の構成比が若干下がり(74.3%→70.6%)、「10億円以上」が上昇している(1.0%→3.0%)。つまり、比較的大型の倒産が徐々に増え始めており、売上高数十億円クラスの企業の経営にも影響が出始めているようだ。

 また、201社の内訳を業種別にみると、「広告代理店業」が93件(構成比46.3%)で最多、以下、「広告制作業」が63件(同31.3%)、「ディスプレイ業」が18件(同9.0%)。ビジネスモデルが転換点を迎えている“広告代理業”において、その流れに乗れない中小企業者の淘汰が件数を押し上げた可能性がある。なお、201件の倒産態様別では、96.5%の194件が「破産」を選択、今後の事業継続の目処が立たない状況がうかがい知れる。

 同倒産動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p091001.pdf