ゼイタックス

経営関連情報 (2004/04/28)

健康・環境関連ニューサービスを創出する中小企業

 政府は27日、2004年度版の「中小企業白書」を閣議決定したが、そのなかで、近年の経済停滞にもかかわらず、健康・環境関連などを中心にニューサービスを次々に創出する多様な中小企業の姿を示している。ただ、ニューサービスを生み出すのはほとんどが中小企業だが、市場の成長に伴い、大企業が参入してくる実態も報告された。

 今年1月の日本アプライドリサーチ研究所の実態調査では、参入時期の競合先について、「競合なし」30.9%、「中小企業のみ」(54.4%)、「少し大企業が存在」10.1%、「かなり大企業が存在」3.4%、「ほとんどが大企業」1.3%という割合のニューサービス市場が、調査時点では、「競合なし」の6.1%は仕方がないとしても、「少し大企業が存在」が21.8%、「かなり大企業が存在」が15.0%など大企業の市場参入が激増している。

 ニューサービス市場の成立要因(複数回答)として、個人消費者向けでは、「高齢化」(40.2%)、「健康意識の高まり」(28.5%)、「趣味・レジャーなどに対する意識の高まり」(26.7%)など、事業所・企業向けでは、「ITの普及」(27.7%)、「規制の強化」(24.1%)、「規制の緩和」(21.6%)などが上位にあげられている(同上記実態調査)。白書は、中小企業がこれらの変化を素早くキャッチし、市場を形成していくと指摘する。

 また、これらのサービス業が増加する一方で、かつてのリーディングインダストリーが衰退するなどサービス産業化の方向で産業構造が転換している。開業率と廃業率の差で増加率が高い業種では、「電気通信に附帯するサービス業」(40.0%)、「老人福祉事業」(19.3%)、「ソフトウェア業」(13.5%)など、一方、減少率が高い業種では、「織物業」(▲7.9%)、「織物製外衣・シャツ製造業」(▲7.5%)、「その他の宿泊所」(▲7.1%)などをあげている。