情報処理推進機構(IPA)が4日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、10月の届出件数は4654件と9月の5404件から14%減少し、3ヵ月ぶりに5千件を下回った。また、ウイルスの検出数は312万66個で9月から12%の減少となったが、依然として高水準で推移しているので油断は禁物といえる。
特にW32/Netskyは1243件の届出が寄せられ、8ヵ月連続でワースト1位となった。続いて、W32/Bagle485件、W32/Mydoom385件となっている。W32/Netskyの検出数は約270万個で9月から1割の減少となったが、依然として検出数全体の87%を占めており、圧倒的に蔓延している状況が継続している。感染被害に遭わないように、メールの取扱いには気をつけたい。
10月に新たに出現したW32/BagzやW32/Darbyは、メールの添付ファイルを介して感染を拡大するウイルスだ。添付ファイルを開くことで感染し、パソコン内から収集したアドレス宛にウイルスを添付したメールを送信したり、ウイルス対策などのセキュリティ対策製品を停止したりする。W32/Bagzは、添付ファイルをワード文書に見せかけており、うっかり騙されて開かないよう注意したい。
また、IPAに寄せられた相談のなかには、1)デスクトップに見知らぬアイコンができていた、2)スタートページがいつもと違うページになっていた、3)気づかないうちに不正なプログラムがダウンロードされていた、といった事例が多数あるという。このような被害のうち、見た目にわかる症状であれば異変に気づくが、知らないうちに被害が拡大してしまうケースが多い。
例えば、バックドア(裏口)を仕掛けられていると、外部からパソコンを操作されてしまい、知らぬ間にパソコンのデータを盗まれたり、迷惑メールの発信元として利用されたりしてしまう可能性がある。最近のウイルスは、感染するとバックドアを仕掛けるタイプが増えているので、ウイルス対策ソフトの導入やセキュリティホールの解消などで被害を未然に防ぐようにIPAでは注意を呼びかけている。