労働政策研究・研修機構が実施した「従業員関係の枠組みと採用・退職に関する実態調査」結果(2004年)によると、ここ5年間において、正規従業員を解雇(懲戒解雇を除く)したことがある企業は20.2%だった。解雇理由(複数回答)については、「経営上の理由」(49.2%)がもっとも多く、次いで「仕事に必要な能力の欠如」(28.2%)、「本人の非行」(24.4%)、「職場規律の紊乱」(24.3%)などとなっている。
ここ5年間に「経営上の理由」以外の普通解雇をした企業のうち、普通解雇に先立って、「警告」をした企業が51.3%、「是正機会の付与」をした企業が46.3%となっている。また、解雇にあたっての手続き(複数回答)としては、「解雇理由を明示」するとした企業が83.9%、「解雇日の明示」が73.5%、「従業員からの意見聴取」が49.5%、「退職金の額及び支払い時期の明示」が44.4%などとなっている。
解雇の予告についてみると、1~2ヵ月程度前に本人に対して解雇する旨を通告する企業が全体の68.1%、整理解雇(「経営上の理由」)の場合は84.4%である。解雇にあたっての手続きとして、「予告手当の支払い」をした企業は全体の30.4%となっている。なお、解雇にあたり、特に労働者側と協議をしなかった企業は69.2%である一方、労働組合のある企業においては、68.2%の企業が労働組合と協議を行っていた。
ここ5年間のうち正規従業員を解雇したことがある企業のうち、解雇をめぐって解雇した従業員と紛争が起こったことがある企業は11.9%だった。これらの企業のうち、解決のためにとった特別の措置(複数回答)は、「解決金の支払い」(38.0%)がもっとも多く、次いで「退職理由の変更」(13.4%)、「解雇の取りやめ」(1.6%)。解決方法(複数回答)は、「本人との話合い」が69.8%と圧倒的に多く、「裁判」は16.6%だった。