特許庁が6月30日に公表した「2004年度模倣被害調査報告書」(有効回答数2341社)によると、2003年度に商標や意匠などの模倣被害にあった企業は全体の27%だった。何らかの模倣被害を受けた企業のうち、59%とほぼ6割の企業が「特許・実用新案」を、57%が「商標」を、51%が「意匠」を挙げている。また、インターネットを利用した模倣被害では、「商標」(19%)がもっとも多く、「意匠」(10%)、「著作物」(8%)が続く。
模倣品の製造地域は、「アジア(日本を含む)」が93%を占めて圧倒的に多く、販売・消費地域も「アジア」(90%)が多い。アジア諸国における製造地域は、「中国」(52%)、「台湾」(23%)、「韓国」(20%)の順。販売・消費国でも、「中国」(41%)、「台湾」(23%)、「韓国」(20%)と同様の順。中国のなかでも、「上海市」、「広東省」、「北京市」が製造地、販売・消費地としての機能を兼ね備えている地域として認知度が高い。
模倣品の品質については、被害を受けた企業の約6割が「真正品よりやや劣る」(33%)、「かなり劣る」(27%)としている。また、約2割が「真正品と遜色ない」(19%)としており、品質面で真正品と並ぶ模倣品が存在している。模倣品の価格では、「真正品価格の50%以上75%未満」が27%でもっとも多い。「真正品価格とほぼ同じ」(9%)、「真正品価格より高い」(1%)をあわせ1割程度の価格面でも真正品と並ぶ模倣品がある。
被害総額は、「推定不能」としている42%の企業を除くと、「5千万円未満」の被害を受けた企業が32%でもっとも多く、「1億円未満」としている企業が4割を占め、「10億円以上」としている企業は2%となっている。なお、模倣品対策を実施している企業は全体の4割強(43%)と、半数の企業は実施していない。ただし、模倣被害がある企業では、7割強(71%)が対策を実施している。
同調査報告書(要約版)は↓
http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/jittai/pdf/2004_houkoku/higai_gaiyou.pdf