ゼイタックス

10月は「労働保険適用促進月間」~厚労省

経営関連情報 - 2008年10月10日

 労働保険とは、労災保険と雇用保険を総称した言葉で、政府が管掌する強制保険制度である。厚生労働省では、10月を「労働保険適用促進月間」と定め、全国規模で集中的、効果的な加入促進に取り組んでいる。労働保険は、農林水産業の一部を除き、労働者を一人でも雇っていれば適用事業所となり、その事業主は成立手続きを行い、労働保険料を納付しなければならないことになっている。

 労働保険の適用事業となったときは、まず労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署または公共職業安定所に提出する。そして、その年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに支払う賃金の見込額に保険料率を乗じて計算した額)を概算保険料として申告・納付することになる。保険関係成立届は、保険関係が成立した日から10日以内、概算保険料申告書は同50日以内に提出しなければならない。

 自主的に成立手続きを行わない事業主に対しては、行政庁の職権による成立手続き及び労働保険料の認定決定を行うことになる。その際は、遡って労働保険料を徴収するほか、併せて追徴金を徴収することになる。また、事業主が故意または重大な過失により労災保険の加入手続きをしていない期間中に労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合は、労災保険給付に要した費用の全部または一部を徴収することになる。

 現在、労災保険の適用事業であるにもかかわらず、加入手続きを行わない未手続き事業の数は約54万件にのぼると推定されている。このため、こうした労災保険未手続き事業主に対する費用徴収制度の運用強化がいよいよ11月から開始される。例えば、現行の取扱いでは、加入手続きを故意に行わない期間中に労災事故が発生した場合は、保険給付額の40%を徴収しているが、これを改め保険給付額の100%を徴収する。

 こうしたことから、まだ、労働保険の成立手続きを行っていない事業主は、今すぐ成立手続きを行う必要があろう。成立手続きの方法や労働保険の申告・納付手続等については、労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)へお尋ねを!