ゼイタックス

税務関連情報 (2007/11/05)

大企業の黒字申告割合は0.8ポイント増の53.7%

 国税庁が発表した今年6月までの1年間(2006事務年度)における法人税の課税事績によると、黒字申告割合が前年度に比べ0.5ポイント増の32.4%と4年連続で上昇したが、そのうち資本金1億円以上の大企業(調査課所管法人)の集計でも同0.8ポイント増の53.7%となった。持続する景気拡大が大企業を中心としたものであることが、税務申告面からも裏付けられた結果となっている。

 今年6月末現在の調査課所管法人数は、約8千社を税務署所管に移したため前年度に比べ11.7%減の3万3940法人だった。2006事務年度中に申告期限がきたもののうち、申告があったのは同6.8%減の3万3427件で、黒字申告割合は53.7%と上昇した。申告所得金額は同13.7%増の40兆3797億円にのぼる。法人全体では57兆828億円だから、約7割を大企業が占める。黒字申告1件あたりでは同19.8%増の22億3364万円となる。

 申告税額総額も同15.2%増の9兆9475億円と、黒字法人の申告内容は大幅に伸びており、赤字法人の申告欠損金額も前年度に比べ5兆2872億円(46.4%)減の6兆997億円と大幅に減った。赤字申告1件あたりでは同41.7%減の3億8758万円となる。つい4年前の2002事務年度は統計を開始した76年以降過去最大の19兆8190億円の申告欠損金額だったことを考えると、大企業の業績回復が順調に進んでいることがうかがえる。

 申告欠損金額を法人全体でみると、2006事務年度は前年度から6兆2205億円(27.4%)減の16兆4949億円と、過去最高だった2002事務年度の33兆116億円以降4年連続で減少している。ところが、前年度からの減少分の実に85%は大法人にかかるものなのだ。民間シンクタンクの景況分析では、中小企業の景況感の足踏み・停滞を伝える声が多いが、そうした分析を税務申告面から裏付ける結果となっている。