税 務 関 連 情 報

2002年03月18日-002
期中での特定資産の圧縮記帳は従来どおり

 平成13年度税制改正において、減価償却資産の減価償却費の損金算入規定(法人税法第31条第1項)について、法文中の文言が「減価償却資産につき」から「各事業年度終了のときにおいて有する減価償却資産につき」と改正されたことで、期中での特定資産の圧縮記帳の計算に疑問を抱いた納税者からの照会に対する国税庁の回答が3月15日に公表された。国税庁は、今までどおりの取扱いで差し支えない旨回答している。

 改正前の圧縮記帳制度の取扱いとして、期中に減価償却資産を譲渡して買換資産を取得し、特定資産の買換えの特例を適用する場合、その譲渡資産の差益割合の計算における「譲渡直前の帳簿価額」については、期首の帳簿価額から期首から譲渡時までの期間に係る減価償却費を控除した後の金額とすることが認められていた。

 ところが、改正後の法文では、「期末に有する」減価償却資産について償却費の計算を行うとされたことから、期中に譲渡した資産については、期首から譲渡時までの期間に係る減価償却費を控除した後の金額を帳簿価額とすることが認められないのではないか、との疑問が生じたわけだ。期中での圧縮記帳の計算において、譲渡直前の帳簿価額を求める場合、減価部分が認められないと差益割合が大きくなり、ひいては圧縮限度額が少なくなることから、納税者にとっては不利な取扱いになる。

 国税庁の回答によると、平成13年度の改正は、企業組織再編税制における適格分社型分割等により期中に移転する減価償却資産の償却費を計上する期中損金経理額と、一般的に期末に行われる減価償却費の計上を区分するために行われたものとした上で、期中譲渡資産の譲渡時までの資産の減価部分の計上を否定する趣旨の改正ではないことを明らかにしている。

 また、月次計算を行っている法人では、一般的に各月ごとに減価償却費を計上しており、会計上も譲渡資産については譲渡時までの減価償却を行うことの方が理論的でもあることから、圧縮記帳計算においては従前どおり取り扱っても差し支えないこととしている。

 

 

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