いわゆる「2009年問題」とは、最長3年とされていた物の製造に係る労働者派遣の派遣受入期間が2009年に期間満了となることから、2006年より労働者派遣を受け入れていた企業においては、派遣受入期間に応じて、順次、対応が必要となること。そこで、厚生労働省はこのほど、2009年問題への対応について、事業主から多くの照会がなされている状況を踏まえ、派遣可能期間に係る基本的な考え方や対応方法等を公表した。
それによると、労働者派遣は、臨時的・一時的な業務に対応するための仕組みだから、労働者派遣の役務については、派遣就業の場所ごとの同一業務について、派遣可能期間を超える期間継続して提供を受けることはできないとの基本的な考え方を改めて示した。このため、恒常的な業務については、指揮命令が必要な場合は直接雇用に、必要でない場合は請負によることを検討するように要請している。
派遣先で今まで受け入れていた派遣労働者を直接雇い入れる場合でも、期間満了後、3ヵ月のクーリング期間後にその労働者が再び旧派遣元事業主の派遣労働者として派遣先の業務に従事することが、派遣元・派遣先との間で合意されている場合等には、労働者供給事業を行っていることになり、旧派遣元事業主及び直接雇い入れた派遣先双方とも職業安定法違反となることを留意点として挙げている。
また、請負であるにもかかわらず、発注者が請負労働者に指揮命令をすれば「偽装請負」となり、発注者及び請負事業者双方とも労働者派遣法違反となるのはいうまでもない。ただし、発注者から新たな機械の操作方法の説明や、安全衛生法上緊急に対処する必要のある事項について指示を受けることなどについては、指揮命令に該当しない(「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」を参考のこと)。
厚労省は、こうした「2009年問題」への対応について、都道府県労働局長あてに通達し、適切な是正指導・助言を行うよう指示した。また、併せて、経営者団体と事業主団体等に要請文を発出し、適切な対応及び会員企業への周知を要請している。
この件についての詳細は↓
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20080926.pdf