経 営 関 連 情 報

2003年02月17日-003
生活者本位のお葬式へと変わるお葬式観

 お葬式のあり方はその国の文化や社会の精神的基盤を反映している。博報堂生活総合研究所が10日に公表した男女365人を対象としたお葬式に関する生活者意識調査によると、従来のお葬式の形式にこだわらない生活者本位のお葬式の欲求や、「地縁」「血縁」「会社縁」から「趣味縁」へとコミュニティ意識が大きく変わりつつあることが明らかになった。

 調査結果によると、一昔前までなら厳粛・伝統的な送り方が当たり前だったが、音楽葬や地味葬などの新しいお葬式の形を全体の76%が支持している。このような個性的なお葬式に眉をひそめる人はごく少数で30~40代の女性では反対者は全くいない。30~40代男性と50~70代女性がやや保守的だが、割合は5%に過ぎない。

 葬儀に来て欲しい人は(複数回答)、「仕事・会社関係の人たち」(28%)や「地域の人たち」(21%)を大きく引き離して、「親族・親しい友人」(99%)と「趣味や活動を通じて交流のある人たち」(53%)が多い結果となった。会社や地域よりも趣味コミュニティを重視している生活者の姿がうかがわれる。働き盛りの30~40代男性でも、「趣味や活動…」(50%)が「仕事・会社関係」(43%)を上回った。

 男女で大きな差が出たのは、先祖代々のお墓に入りたいかどうかの質問。男性の78%が「入りたい」とする一方、女性の37%が「入りたくない」と回答している。入りたくない理由としては、「夫婦単位の墓を作りたい」と男性の60%が答えているのに対し、女性は42%にとどまっており、15%は「嫁ぐ前の実家のお墓に入りたい」と回答した。また、入りたくないと答えた男女ともに約4割が「お墓はいらない」と考えていることが分かった。

 

 

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