日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の4団体は3日、「中小企業の会計に関する指針」を公表した。同指針の目的は、中小企業が計算書類を作成するにあたり拠ることが望ましい会計処理、とりわけ新会社法において導入された会計参与が計算書類を作成するにあたり拠ることが適当な会計処理を示すことにある。適用対象は、公開会社を除く株式会社である。
中小企業の会計処理については、従来、1)中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会報告書」(2002年6月)、2)日本税理士会連合会の「中小会社会計基準」(2002年12月)、3)日本公認会計士協会の「中小企業の会計のあり方に関する研究会報告」(2003年6月)の3つの報告等が存在することから、利用者に少なからず混乱が生じ、これらを統合すべきとの指摘が高まっていた。
一方、6月29日に成立した会社法において、取締役・執行役と共同して計算書類を作成することを義務とする「会計参与」制度の導入が提案されたことから、同制度の適正な運用を図るため、会計参与が拠るべき統一的な会計処理の指針を作成することが期待されていた。こうした点を踏まえ、関係団体を主体に中小企業庁などがオブザーバーとなって検討委員会を設置し、上記3報告等の統合作業を行っていたもの。
同指針は、基本的に取引の経済実態が同じであれば、同じ会計処理となるように一つの会計基準を適用すべきという考え方を基本としている。一方で、コスト・ベネフィットの観点から中小企業の規範として活用されやすいよう、簡便な会計処理や、一定の場合には法人税に定める計算方法を会計処理に活用することも認めている。また、望ましい会計処理を網羅的に示すことは不可能であるため、必要と考えられる会計処理について重点的に言及している。
同指針の概要は↓
http://www.jcci.or.jp/nissyo/050803chusyo-kaikei/gaiyou.pdf
同指針の全文は↓
http://www.jcci.or.jp/nissyo/050803chusyo-kaikei/honbun.pdf