ゼイタックス

経営関連情報 (2005/10/31)

企業立地(誘致)条件、企業と自治体にギャップ

 経済産業省が今年3月に発表した「工場立地動向調査」結果(速報)によると、2004年の工場立地は件数、面積ともに2年連続の増加となった。これは、企業の設備投資意欲の回復に加え、自治体の積極的な企業立地(誘致)活動の展開が奏功している結果とみられる。しかし、帝国データバンクが実施した企業立地(誘致)に関する意向調査では、立地(誘致)条件について企業と自治体にギャップがあることがわかった。

 調査結果(分析対象数:47都道府県及び東京都八王子市、1286社)によると、48自治体における企業立地(誘致)における強みと考えている項目(3つまで回答)は、もっとも多かったのが「交通アクセスの容易さ」で60.4%にあたる22自治体を数えた。以下、「助成制度」(58.3%)、「労働力確保の容易さ」(45.8%)だった。「周辺の居住環境」については20.8%(10自治体)が強みとするにとどまった。

 一方、企業側が立地先選定の決め手と考える条件(3つまで選択)については、自治体の強みと同様に「交通アクセスの容易さ」を挙げる企業が過半の55.2%でトップだったが、次には自治体では2割にすぎない「周辺の居住環境」(28.5%)が挙げられた。また、自治体の強みでは6割近くだった補助金や税制優遇などの「助成制度」(9.5%)は1割弱にとどまり、自治体では45%が挙げた「労働力の確保」(21.8%)も2割だった。

 このように、企業の立地先選定の条件と自治体の立地(誘致)地域の強みと考えている条件においては、トップは「交通アクセスの容易さ」で一致したものの、「助成制度」や「周辺の居住環境」、「労働力の確保」では重視度合いのギャップが浮き彫りとなった。帝国データバンクでは「今後、自治体が企業立地(誘致)を効率的に進めていくためには、これらの相違点の解消に努めることが重要」と指摘している。

 同調査の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/watching/press/p051003.pdf