税 務 関 連 情 報

2002年01月25日-001
目立つゴルフ会員権譲渡での申告漏れ

 国税庁がまとめた平成12事務年度の譲渡所得調査事績のなかでは、ゴルフ会員権の譲渡年月日を偽り、不正に所得税の還付を受けていた事例が報告されている。会社役員Bは、2年間にわたり同一の会員権を売却し、譲渡損失が生じたとして申告していたため、その内容確認のための調査が行われた。調査したところ、Bは平成10年に売却したゴルフ会員権については譲渡損失が生じたが、同年中の居住用不動産の売却益と損益通算した結果、所得税の還付が受けられなかった。そこでBは、平成10年にゴルフ会員権を売却した会員権売買業者に「買上証書」を翌年の平成11年分として発行させ、平成11年にもゴルフ会員権の譲渡損失があったように装い、所得税の還付金を不正に受給していたことが判明している。

 国税庁のまとめでは、平成12事務年度においては総合課税の譲渡所得に係る調査は462件行われ、うち69.5%に当たる321件から申告漏れ所得金額25億円を把握している。また、この申告漏れのあった21件のうち、申告漏れ所得金額が1,000万円以上の52件について、譲渡した資産の種類でみてみると、ゴルフ会員権が25件と過半数を占めたことが明らかになった。続いて、営業権が5件、借家権と書画・骨とうが各4件だから、いかにゴルフ会員権の譲渡に係る申告漏れが多いか分かる。ゴルフ会員権の譲渡所得は、給与所得や事業所得などと総合して損益通算できることから、預託金の返還を譲渡損失として還付申告しているものや架空の譲渡を行い譲渡損失があったとして還付申告しているケースが多いようだ。

 

 

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