帝国データバンクが15日に発表した全国企業の法的倒産(負債1千万円以上)状況によると、2月の倒産件数は777件で、5ヵ月連続で700件を上回った。前月比では6.4%増となり、2ヵ月ぶりに前月を上回った。ここ数ヵ月は前月比で増加と減少を繰り返しているが、倒産件数のベースラインは少しずつ上昇していることから、倒産は底打ちの段階にあり、緩やかな増加基調をみせていることがわかる。
2月の負債総額は3252億8300万円で、前月比▲37.0%の大幅減少となった。昨年8月(3280億5300万円)を下回り、2005年度では最低となった。規模別では、負債100億円以上の倒産は4件にとどまり、2005年度ではもっとも少なかった。一方、同10億円以上の倒産は65件で、2005年度では3番目の高水準。同1億円以上5億円未満(244件)、同50億円以上100億円未満(11件)は、それぞれ2005年度で最高を記録した。
倒産要因で分析すると、都市部では「不況型倒産」の減少が目立つ一方で、“設備投資の失敗”などの「好況型倒産」が高水準で推移している。倒産企業のボリュームゾーンは、依然として業況不振の中小・零細企業だが、最近では景気回復を背景に、設備投資などで積極的な事業展開を図ったにもかかわらず資金難から倒産する新たな倒産パターンが増えており、現在の倒産増加を演出している。
このようなことから、今後についても、業況不振の中小・零細企業の倒産がベースとなる一方で、都市部の中小企業を中心として、新たな資金調達や設備投資の失敗による「好況型」の倒産が上乗せされ、倒産は一進一退を繰り返しながらも増加していくものと、帝国データバンクでは予想している。