税 務 関 連 情 報

2003年08月18日-002
研究開発減税拡充で投資計画は過去最高を更新

 2003年度税制改正の目玉のひとつ、研究開発減税では、試験研究費総額の一定割合を税額控除する制度が創設された。経済産業省では、7月末に上場製造業など2000社を対象に、その利用実態を調査したが、企業収益が相当程度回復傾向にあることもあって、企業の研究開発投資は再び積極化しており、投資計画を拡大し、過去最高額を更新していることが明らかになった。

 調査に回答した主要425社の2003年度における研究開発投資の増加見込額は、前年度を約2400億円、5.5%上回る4兆6594億円で、統計が比較可能な96年度以降では過去最高額となった。特に投資額が1億円未満(2002年度)の中堅・中小企業では前年度比14.7%の大幅な伸びを示している。

 主要425社はわが国の研究開発投資総額の約32%を占めていることから、これを基に研究開発投資総額を推計すると、2003年度の増加額(2400億円÷32%)は約7500億円と見込まれ、これによる生産誘発効果は約1兆1900億円と想定される。

 総じて、研究開発費売上高の高い企業の研究開発投資の伸びが高くなっている。研究開発税制は研究開発費売上高比率の高い企業に、よりインセンティブのある制度設計としており、これによる一定の効果が現れているとみられている。

 ちなみに、研究開発減税は、試験研究費総額の売上金額に対する割合(試験研究費割合)が10%以上の場合は「10%」(3年間は12%)、10%未満の場合は「8%+試験研究費割合×0.2」(同「10%+試験研究費割合×0.2」)によるそれぞれ特別税額控除を認めている。ただし、当期の法人税額の20%相当額が限度となる。

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