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税務関連情報 (2005/08/24)

自動車税グリーン税制は4年間で937億円の減収

 2001年度改正で創設された自動車税のグリーン税制は税収中立を前提に制度設計されていたが、現実には4年間で937億円もの大幅な減収が生じている実態が総務省の調査で明らかになった。グリーン税制は、都道府県が課する税である自動車税において、環境負荷の小さい一定の自動車の税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くするもの。

 具体的には、窒素酸化物や粒子状物質などの排出ガスが少なく環境負荷の小さい自動車には13~50%自動車税を軽減し、環境負荷の大きい自動車について10%重課する。2003・2004年度の改正を経て、現在は排ガス量と燃費性能において一定要件を満たした自動車を購入した場合、翌年度1年間の税率を25~50%軽減。一方、新車新規登録から11年超のディーゼル車や13年超のガソリン車は10%重課する。

 全国都道府県の協力を得た今回の調査では、税収中立を前提に制度設計されていたものが、2002・2003年度の2年間に▲686億円、2004年度に▲166億円、2005年度に▲85億円と合計937億円の減収と試算された。この見込み違いの背景には、グリーン税制の創設によって、自動車メーカー側が相次いで低公害車を開発したことから環境負荷の小さい自動車が急速に普及したことがある。

 2004年度以降は新規登録車のうち約半数が軽減対象とみられており、2006年度もこの傾向はつづくと考えられることから、減収額はさらに拡大する見込みだ。来年3月末に期限切れを迎える現行制度だが、2006年度税制改正での適用期限延長に際しては、適用対象者を絞りこむなどなんらかの見直しが行われる可能性が高くなっている。