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経営関連情報 (2005/10/07)

サービス残業、2004年度は約226億円を是正支払

 厚生労働省は、残業させながらその賃金の一部または全部を支払わずに労働させる賃金不払残業、いわゆるサービス残業の解消に取り組んでいるが、今年3月までの1年間(2004年度)に、労働基準監督署の監督指導によって支払われた割増賃金の合計は約226億円にのぼることが明らかになった。このサービス残業の是正結果は、1企業あたり100万円以上の割増賃金が支払われたものをまとめたもの。

 是正結果によると、是正企業数は1437企業、対象労働者数は16万9111人、支払われた割増賃金の合計は226億1314万円だった。企業平均では1574万円、労働者平均では13万円。そのうち、1企業あたり1000万円以上の割増賃金の支払が行なわれた事案をみると、是正企業数は298企業(全体の20.7%)、対象労働者数は10万8752人(同64.3%)、支払われた割増賃金の合計額は188億6060万円(同83.4%)だった。

 1企業あたり1000万円以上の割増賃金支払の事案では、企業平均で6329万円、労働者平均では17万円となる。サービス残業は、労働者数の多い大企業が行っているケースも珍しくない。全国の支社・工場などの労働者がサービス残業を強いられていた場合は割増賃金の支払も多額になる。1企業での最高支払額は、14億4128万円(製造業)、ついで10億4439億円(商業)、8億8833万円(教育・研究業)の順。

 厚生労働省は、サービス残業の解消を図るため、2003年5月に「賃金不払残業総合対策要綱」及び「賃金不払残業の解消を図るために構ずべき措置等に関する指針」を策定し、主体的な取組みを強く促している。今後とも、重点的な監督指導の実施や今年11月を賃金不払残業解消キャンペーン月間とすることなどで、上記指針の周知などに努め、サービス残業の解消を図ることとしている。