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日中韓企業の経営課題は「売上・シェア拡大」

経営関連情報 - 2011年10月17日

 日本能率協会が今年7月~8月にかけて実施した「当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数510社)によると、現在最も重視する経営課題としては、日本・中国・韓国の企業が共通して「売上・シェア拡大」を挙げた。同調査は、1979年から毎年、国内主要企業の経営者を対象に実施しているが、今回は、中国・復旦大学日本研究センター、韓国能率協会と合同で調査した設問もあり、初の日中韓比較を行っている。

 日本企業が現在最も重視する経営課題は「売上・シェア拡大」(56.3%)で、初めて第1位となった。前年に比べ最もポイントが上昇したのは6位の「グローバル化」(17.1%)で、昨年10位(10.6%)より6.5ポイント増えている。中国・韓国企業にも同様の質問をしたところ、現在の課題認識は中国・韓国ともに「売上・シェア拡大」が1位となり、最重要経営課題は日中韓で共通していることが分かった。

 一方、2位以下の順位は、日本が2位「収益性向上」(51.2%)、3位「人材強化」(39.8%)、4位「新製品・新サービス・新事業開発」(24.7%)であるのに対し、中国は2位「新製品・新サービス・新事業開発」(34.9%)、3位「コーポレート・ガバナンス強化」(24.5%)、4位「収益性向上」(21.7%)、韓国は2位「収益性向上」(39.8%)、3位「グローバル化」と「品質向上」(22.2%)が挙げられた。

 東日本大震災の影響として、BCP(事業継続計画)を震災後に見直しまたは新たに作成した企業が42.3%ある一方で、作成していない企業も30.0%あった。また、経営方針や計画について、震災後に見直しを行った、あるいは見直しの予定があるかを尋ねたところ、「変更、見直しの予定はない」が56.3%でトップ、「今年度の経営戦略・方針」の見直しが25.9%、「中期経営計画や3ヵ年計画」の見直しが22.9%となった。

 10~20年後の日本にある工場数は、現在より「かなり減ると思う」が52.2%、「多少減ると思う」が38.5%で計90.7%にのぼった。その理由(記述式)は、「海外シフト」、「コスト競争力」、「消費人口・国内市場の縮小」が多かった。今後、日本で企業活動を継続するうえで一層重視されると思われるものは、1位が「安定した雇用を保つ」(46.3%)、続いて「自社の財・サービスで社会・生活の発展に寄与する」(40.8%)の順だった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20111012_f00155.pdf