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中小企業の業況DIは6年ぶりのマイナス60台へ

経営関連情報 - 2008年08月08日

 日本商工会議所がこのほど発表した早期景気観測7月調査結果によると、7月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は▲60.5と、前月6月水準よりマイナス幅が4.5ポイント拡大し、02年2月以来6年ぶりにマイナス60台を記録した。産業別では、「建設業」が▲73.2と、98年7月以来の水準となり、仕入単価の増加や受注の減少などの影響により、特に厳しい状況になっている。

 また、全産業合計の仕入単価DI(前年同月比、「下落」-「上昇」)は▲59.4となり、91年5月の同DI調査開始以来、最悪の水準を更新した前月(▲59.8)からほぼ横ばいとなった。産業別にみると、仕入単価の上昇感は「卸売」(▲51.0)、「小売」(▲52.8)、「サービス」(▲57.0)で拡大し、他の「建設」(▲70.4)、「製造」(▲65.4)の2業種も引き続き低水準で推移している。

 全産業合計の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」)は、マイナス幅が0.5ポイント拡大して▲44.6となり、4ヵ月連続で悪化。産業別にみると、マイナス幅は「小売」で縮小も、他の4業種で拡大した。採算DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)もマイナス幅が1.9ポイント拡大して▲55.9となり、4ヵ月連続で悪化。産業別にみると、マイナス幅は「建設」でほぼ横ばい、「小売」で縮小も、他の3業種で拡大した。

 向こう3ヵ月(8月~10月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比ベース)は▲58.4と、昨年同時期(▲24.0)に比べ34ポイント以上も悪化している。会員からは、引き続き、原油・原材料価格の高騰や、食料品を始めとする諸物価上昇の影響による、消費者の購買意欲の低迷を訴える声がかなり多く、こうした悪影響から、倒産や廃業などの厳しい状況を訴える声が前月以上に寄せられているという。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200807.pdf