リクルートの人と組織に関する研究機関・ワークス研究所が従業員規模5人以上の全国の民間企業を対象に実施した「2010年卒大卒者の新卒採用見通し調査」結果(有効回答数3118社)によると、2010年卒対象の大学生・大学院生の新卒採用見通しは、「減る」が2009年卒者の新卒採用見通しから8.9ポイント増加して15.7%、「増える」が同9.7ポイント減少して8.3%となり、「減る」が「増える」を7.4ポイント上回った。
「変わらない」は2009年卒者の新卒採用見通しから4.3ポイント減少して50.6%、また、下降傾向がみられる景況感が多少なりとも影響していると推測されるが、「わからない」が同5.2ポイント増加して25.1%と、4社に1社の割合となった。2009年卒者の新卒採用見通しの「増える」(18.0%)が「減る」(6.8%)を上回っていた傾向と比較すると、「増える」と「減る」の関係が反転した結果となっている。
従業員規模別にみると、従業員1000人未満企業、1000人以上企業ともに、「増える」が「減る」を下回っている。1000人以上企業では、2009年卒者の採用と「変わらない」が47.0%と半数近く、「わからない」が27.6%と3割近くになっている。従業員規模別をもう少し細かくみると、従業員5~99人企業では、「減る」(7.8%)が「増える」(4.5%)を3.2ポイント上回っているが、その差は、他の従業員規模よりも少ない。
業種別を「製造業」、「流通業」、「金融業」、「サービス・情報業」の4つの大分類でみると、すべての業種で「増える」が「減る」を下回った。金融業以外の業種では、2009年卒者の採用と「変わらない」企業が半数以上となっているが、「金融業」は34.6%となっている。また、「わからない」と回答した企業は、金融業以外で2割強となっているが、「金融業」は48.6%と半数近くとなっている。