ゼイタックス

経営関連情報 (2004/07/30)

貸し渋り・貸し剥がしは減少傾向?

 一時期、マスコミを賑わせた金融機関による貸し渋り・貸し剥がしは、最近あまり話題にのぼらないが、実態はどうなのか。金融庁では、中小企業など借り手の声を幅広く聞くために、電子メールやファックスによる「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」を設け、その受付・活用状況を四半期ごとに公表しているが、このほど、4月から6月の間に107件の情報を受け付けたことを明らかにした。

 これまでの四半期ごとの受付件数の推移をみてみると、第1回目の公表はホットラインが開設された2002年10月25日から2003年3月末までの累計で628件だった。以降は四半期ごとに、2003年4月から6月が257件、7月から9月が222件、10月から12月が157件、今年に入って1月から3月が116件、そして今回が107件だった。こうしてみると受付件数は漸減傾向にある。

 開設以降に受け付けた情報の累積件数1487件を情報提供者の主張に基づき分類すると、金融機関の業態別内訳は、「主要行」が469件でもっとも多く、次いで「地銀・第二地銀」429件、「信金・信組」196件、「政府系金融機関」167件、「その他」328件となっている。情報の内容を分類すると、もっとも多いのが「新規融資拒否」で434件、以下、「返済要求」322件、「担保売却」120件、「更改拒絶」99件、「金利引上げ」93件などが続く。

 資金力の弱い中小企業にとって、貸し渋り・貸し剥がしは死活問題となる。本当に減少傾向であれば中小経営者にとって朗報だが、水面下では何十倍の貸し渋り・貸し剥がしがあることは想像に難くない。同ホットラインはあくまでも借りて側の一方的な主張といった面があるが、金融庁の厳格な事実確認・検査などの実施が求められる。

 「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」は↓
 http://www.fsa.go.jp/notice/noticej/hotline.html