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経営関連情報 (2006/04/07)

不足感が強い「モノ作り中小企業」の人材確保

 近畿経済産業局が近畿2府5県の中小製造業を対象に昨年10月に実施した「モノ作り中小企業の人材確保に関する調査」結果(有効回答数203社)によると、9割以上の企業が採用活動を実施し、うち新卒採用は約7割、中途採用は約8割が行っており、モノ作り中小企業の人材確保は積極的に行われている。しかし、必要な人材は「十分に確保できた」企業は10.8%と1割程度だった。

 「まあ確保できた」企業が47.3%で、計6割近くが人員を確保できたものの、このうち人材の「質が確保できた」企業は2割強(「質は確保」が11.9%、「質も量も確保」が12.7%)に過ぎず、68.6%の企業は「量が確保できた」と回答した。人材が確保できていない企業は、42.9%が「質が伴わない」、27.0%が「量も確保できず、質も伴わない」と回答しており、人材の「質」への不足感が強い結果となった。

 モノ作り中小企業が正社員の新卒採用で求める人材は、「大卒理系」(70.3%)、「高卒工業科」(63.5%)が圧倒的に多いが、実際には「大卒理系」が48.6%、「高卒工業科」が50.7%と予定通りは確保できておらず、一方で「大卒文系」(予定14.2%→実際26.4%)、「高卒商業科」(同8.8%→14.9%)、「高卒普通科」(同14.2%→38.5%)の人材を予定より多く採用していた。

 また、中途採用で求める人材は、「専門的な特殊技術・技能を有する人材」(67.1%)がもっとも多く、次いで「類似の業務を経験したことのある人材」(37.8%)、「まったく経験がなくてもやる気のある人材」(〃)が続いた。トップの人材は企業規模に関係なくすべての規模で求められているが、後者の2つの人材は比較的小規模な企業になるほど求める企業が多い。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.kansai.meti.go.jp/7kikaku/jinzai/report/summary.pdf