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固定資産税の不服、納税者の主張の11.7%が通る

税務関連情報 - 2011年09月16日

 固定資産税の価格に関する不服については、固定資産の評価の客観的合理性を担保する必要があるとともに、評価が専門的知識を必要とし、技術的な面も多いことから、市町村長から独立した中立的・専門的な機関として固定資産評価審査委員会が設置され、審査決定している。納税者は、価格に不服のある場合に同審査会に審査の申出を行い、その決定になお不服がある場合にその決定の取消の訴えを裁判所に提起することができる。

 総務省がまとめた2009年度の固定資産税に係る処分件数等によると、処分等件数は土地が約1億8000万筆、家屋が約6000万筆のうち、審査申出件数は4379件、認容率(認容件数/処理件数)は11.7%と10件に1件以上について納税者の主張が認められていることになる。また、審査の申出がなされた案件の出訴率は0.7%だった。なお、審査の申出件数は、3年に一度の固定資産税評価額の評価換えがあるため、増減する。

 土地に関する審査申出事由をみると、「地価が下落しているのに評価額が下がらない」、「画地計算法の適用が不適正(所要の補正含む)」、「売買実例との比較に関するもの」、「地目認定に関するもの」、「標準宅地からの比準割合が不適正(路線価の比準割合含む)」、「標準宅地の鑑定評価が不適正」、「資産価値に見合っていない」、「非課税・特例規定の有無に関するもの」、「限定宅地の評価に関するもの」などがある。

 なお、固定資産税評価審査委員会の委員の選定で地方団体が重視した経歴は、元当該市町村職員(13.9%)、農林漁業(13.5%)、税理士(9.3%)、自営業(9.0%)、元公務員(7.0%)、会社員(5.8%)、無職(4.6%)、司法書士(4.5%)、建築士(4.1%)、土地家屋調査士(4.0%)、農協役・職員(3.6%)、金融機関職員(2.9%)、弁護士(2.7%)、不動産鑑定士(2.6%)、不動産業(1.9%)、元地方議会議員(1.1%)、公認会計士(1.0%)など。

 関連資料は↓
 http://www.cao.go.jp/sasshin/shokuin/gyosei-kyusai/pdf/wg05/wg05-docu-today.pdf