経 営 関 連 情 報

2003年01月20日-003
期待されるシルバービジネス

 信金中央金庫の調査レポートによると、2000年の介護保険導入以来、介護ビジネス市場が急拡大したことで、高齢者向けシルバービジネスが改めて注目を集めている。しかし、シルバービジネスは、介護にとどまらず、配食など生活支援や元気な高齢者向けの健康・生きがいづくりなども含めると、全体ではかなり大きな市場を形成する。

 シルバービジネス市場は一貫して拡大傾向をたどってきたが、2000年以降その市場規模をさらに押し上げ、2001年には36兆6000億円に達したと推計される。政府が2001年5月に発表した「530万人雇用創出計画」がシルバービジネスを後押ししている。この計画を策定した島田慶大教授は、元気な高齢者の潜在需要である「ウォンツ」を実際の「ニーズ」に結びつけるサービスの必要性を、強く主張している。

 高齢者は貯蓄も多く経済的に豊かである。最大の不安材料は「健康」だが、団塊世代などこれからの高齢者は活動的な高齢者になっていくことが予想される。飲食サービスでは、単に食事を満たすばかりでなく、孤独な生活を改善し、生活に張りを持たせるような高齢者向けの洒落たレストランも出現している。健康サービスでは、高齢者の「本物志向」を追求したシルバー向け旅行などが人気だという。

 介護保険の導入により介護サービスの手軽さが高齢者に支持され、介護ビジネス市場は急成長したが、その背景にはシルバー市場の潜在力の高さもあるといえる。例えば、「ケアハウス」新設構想が実現すると、建設費総額で3兆~4兆円の資金需要が見込めることから、信金中金では「ケアハウスは信用金庫の有望な貸出先として期待できる」とみている。

 

 

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