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経営関連情報 (2004/06/18)

5月の倒産1182件は17ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど公表した全国企業倒産(負債1千万円以上)によると、5月の倒産は1182件で、前月(1189件)に続いて2ヵ月連続で1200件を下回った。前月比では0.6%減と微減ながら、前年同月比では20.2%減少と、17ヵ月連続で前年同月比減少を記録した。不況型倒産は、構成比74.5%と2ヵ月連続で75%を下回るなど、2003年7月の79.3%をピークに最近は75%前後の水準で推移している。

 一方、負債総額は5372億1500万円で、前月比12.2%減、前年同月比でも32.9%減少し、2ヵ月連続で1兆円の大台割れとなった。負債100億円以上の大型倒産は9件と4ヵ月ぶりの一ケタ台にとどまり、上場企業の倒産も東北エンタープライズ(負債79億9000万円)の1社のみとなった。

 5月は通常3月期決算の発表時期にあたり、決算数値をめぐる思惑から法的申請を選択する企業が少なくないが、今回はこうした要因による倒産は目立つほど起きていない。企業倒産が低水準で推移しているのは、引き続き手形流通の減少による不渡りの激減、政府系金融機関や信用保証協会を中心とした中小企業向けの資金繰り支援の拡大などが主な要因とみている。

 こうしたことから、5月の民事再生法による倒産も38件にとどまり、2000年4月の法律施行以来、単月ベースでは過去最低の水準となるなど再建型法的手続きの出番も少なくなった。しかし、鋼材など素材価格の高騰による“コストプッシュ・インフレ型”の倒産も発生し始めており、原価高等に伴うコストアップ分を販売に転嫁できない業界を中心に、引き続き要注意の企業は多く、帝国データバンクでは「現在の水準を“底”として、今後は徐々に増加に転じる可能性も否定できない」としている。