2003年07月28日-003
政府税調対話集会、消費税率引上げに反発
政府税制調査会は24日、今年初の「税についての対話集会」(地方公聴会)をさいたま市で開催した。対話集会は、政府税調が6月17日に公表した中期答申について、幅広く国民の意見を聞き、理解を深めてもらうことが目的。中期答申は、少子・高齢化社会における税制のあり方について、消費税率の引上げや所得税の諸控除の見直しを通して国民に負担増を求めている。
当日は、出席した一般市民約280人を前にして石弘光会長が、膨れ上がる社会保障費用の財源確保や厳しい国家財政を立て直すためには国民の負担増は避けられないとの中長期的な税制改革の基本方針を示し、消費税率を将来的に二ケタ台に引き上げることなどへの理解を求めた。
しかし、参加者からの意見発表では「現在のデフレが深刻な経済状況や国民の不安を考えれば、消費税の増税は絶対に行うべきではない」「歳出面の徹底的な見直しを優先すべき」など、負担増、消費税率の引上げへ反発する声が相次いだ。消費税率引上げに賛成の意見もあったが、「医療・食品への税率軽減など社会的弱者への配慮が必要」「子育て支援などの少子化対策の財源にすべき」などの条件付のものだった。
対話集会は今後、函館市(8月4日)、熊本市(8月22日)、神戸市(8月23日)の3会場で開催される予定。政府税調では、これらの対話集会を通して国民の声を聞き、年末の税制改正作業で議論すべき具体的項目を決めることになるが、負担増への反発が強いだけに、国民の理解を得るためには、社会保障制度や国家財政の現状、低所得者等弱者への配慮などの十分な説明が重要なポイントとなろう。
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