厚生労働省が公表した2004年における死亡災害・重大災害発生状況によると、2004年の労働災害による死亡者数は1620人で、これまで最少だった2003年(1628人)と比べ、さらに8人(0.5%)減少した。最近10年間の全業種における死亡災害の減少は建設業における死亡者数の減少によるところが大きかったが、2004年は建設業の死亡者数が増加しており、その他の業種における死亡者数の減少が要因となった。
2004年の労働災害による死亡者数を業種別にみると、「建設業」が594人ともっとも多く、次いで「製造業」が293人、「陸上貨物運送事業」が243人などとなっている。近年減少傾向にあった「建設業」は前年と比べ46人(8.4%)増加した。増加の内訳は、「墜落・転落」(260人)による死亡者が13人、「激突されて」(37人)が14人、「感電」(18人)が14人とそれぞれ増加。「交通事故」は4人増の74人となっている。
一時に3人以上の労働者が業務上死傷などした重大災害は、1985年以降増大傾向にあり、2004年の発生件数は、前年と比べ25件(10.0%)増の273件となった。特に、「製造業」においては、同26件(68.4%)と大幅増の64件だった。その内訳は、「交通事故」が同10件増の19件となったほか、「爆発」が同4件増の11件、「火災・高熱物等」が同6件増の10件、「中毒・薬傷」が同5件増の17件となっている。
厚労省では、一昨年から引き続き重大災害が多発したことを踏まえ、死亡災害・重大災害の一層の減少を図るため、大規模製造業の経営トップ等に対する安全管理の徹底指導などを引き続き実施。それとともに、中規模製造業を対象とした安全管理に係る自主点検の実施、労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進など労働災害防止対策の一層の推進を図ることとしている。
2004年の死亡災害・重大災害発生状況の概要は↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/05/h0502-1a.html