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経営関連情報 (2004/04/12)

中小企業の経営課題で「設備の老朽・不足」が倍増

 東京商工会議所がこのほど発表した中堅・中小企業の経営課題に関するアンケート調査結果(有効回答数358社)によると、直面している経営上の問題点は、「需要の低迷」(47.2%)、「同業者との競争激化」(45.5%)、「販売価格の低下・上昇難」(38.3%)が例年どおり上位を占めた。

 一方で、「設備の老朽・不足」が前年の9.8%から18.2%にほぼ倍増したのが特徴的。デフレ不況下で控えてきた設備更新が限界に達しつつあることに加え、中小企業においてもようやく設備投資意欲が表れつつあると推察している。

 経済社会環境の構造的変化で経営上影響を受けているものは、「市場の変化(成熟化・ニーズ多様化)が前年の27.8%から49.7%に急増して最も多く、次いで「金融環境の変化(金融行政・金融機関の再編等)」と「取引・下請構造、流通システムの変化」がそれぞれ約30%となっている。

 重視したい企業イメージは、「特定分野や専門分野で評価の高い企業」が16.7%から53.6%と前年に比べほぼ3倍増になった。中小企業経営者における自社の得意分野への経営資源の集中や専門性を深めることへの意欲がうかがわれる。全体では、「従業員の働き甲斐のある企業」(69.8%)、「収益性の高い企業」(69.6%)に次いで3番目。

 今後強化すべき中小企業関連施策では、「資金調達の円滑化」(33.8%)や「経営革新への支援」(30.7%)などが例年どおり上位を占めたほか、企業の専門性追求を反映してか「人材育成への支援」(15.8%→28.2%)、同業者との競争激化などを反映してか「取引適正化」(18.0%→27.7%)が大きくポイントを伸ばしているのも今回の特徴だ。