企業の談合や闇カルテルなどの取締りを強化した改正独占禁止法が2006年1月から施行されて以降、建設業を中心に談合関連の倒産が増加している。東京商工リサーチのまとめによると、談合事件に関わって行政処分を受け、その影響により倒産に至った企業の談合関連倒産(関連会社倒産、連鎖倒産も含む)は、2006年1月から2007年5月までの最近約1年半で24件にのぼった。
談合関連倒産を都道府県別にみると、「沖縄」が8件、「岩手」が4件と続くが、両県とも県発注の公共工事で大がかりな入札談合が摘発された。年商別では、「5億円未満」が9件、「5億円以上10億円未満」が8件など。また、従業員数別では、「20人以上30人未満」と「10人以上20人未満」がともに6件、「10人未満」が5件。倒産形態別では、「銀行取引停止処分」が10件、「民事再生法」と「破産」がともに7件となっている。
違反事業者の行政処分としての課徴金納付は重く、財務基盤の脆弱な事業者は大きな痛手となる。また、公共工事依存度が高い地方の建設業者にとって、官公庁からの入札参加有資格指名停止処分や営業停止処分は、死活問題となる。このほか、入札談合では、公共工事の発注者である官公庁から損害賠償を請求される可能性が高い。
実際に沖縄県の談合事件では、県は工事を受注した建設会社125社に対して、談合による高値受注で損害を受けたとして、約84億円の損害賠償を請求する方針が決めた。損害金の支払は一括納付を原則とするが、5年を限度とした分割納付を認めた。もっとも、県内における建設業者の経営や失業等への影響が懸念されるため、今のところ請求手続きは開始されていないが、今後の動向が注目される。