経 営 関 連 情 報 |
2003年01月31日-004
政府・日銀の1月の景況感、景気は「踊り場」との判断
政府・日銀の景況感が示される政府月例報告と日銀金融経済月報の1月分は、3ヵ月連続で下方修正の政府と、2ヵ月連続で判断据置きの日銀と、異なる判断となった。三菱総合研究所が28日に公表した分析レポートでは、両者の個別材料の判断に濃淡はあるものの、全体としてみれば両者に大きな隔たりはなく、「一時的な踊り場的状況」とみている。
レポートによると、政府月例報告では、11月に景気判断を1年ぶりに下方修正した後、輸出環境の悪化などを材料に下方修正を続けている。各論部分をみると、1月は個人消費と生産の判断を下方修正、先行きについては、引き続き海外情勢や株価をリスク要因としている。
一方、日銀金融経済月報も11月に11ヵ月ぶりに景気判断を下方修正したが、その後は2ヵ月連続で判断を据え置いている。日銀が政府ほど急ピッチで下方修正を進めていない背景としては、1)もともと個人消費について厳しめにみていた、2)回復に向けた勢いは続くとの期待が強い、などが挙げられている。
このように、一見個別材料の判断が異なっているようだが、足許の生産の厳しさ、設備投資の回復力の乏しさ、先行きに関する海外情勢や株式市場をめぐるリスク、など総じてみればほぼ一致している。あえて言えば、通常国会で補正予算審議に入り、当面追加的なデフレ対策から免れている政府と、球を投げられた感のある日銀では、やや景気判断にゆとりの差があるとの見方を示している。
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