2003年07月28日-002
初任給は昨年に引き続き据置き事業所が大半
国家公務員に対する人事院勧告は8月上旬に予定されているが、初めてマイナス勧告(平均2.03%の引下げ)となった昨年に続いて、今年も2%前後の引き下げ勧告となる公算が強い。人事院勧告は国家公務員給与と民間給与の格差を是正するために行われるものだが、その元となる民間給与実態調査結果の一部が人事院から公表された。調査は、事業所規模50人以上の8054事業所を対象に実施し、うち93.5%にあたる7528事業所の協力を得た。
調査結果によると、新入社員の採用を行った事業所は、大卒が47.8%で昨年に比べ2.4ポイント増、高卒が20.0%で同1.7ポイント増とともにやや増加した。しかし初任給は、昨年に引き続き据え置いた事業所が、大卒84.4%(昨年84.8%)、高卒84.8%(同86.3%)と大半を占めている。
ベア慣行のある事業所における今年の給与改定状況をみると、ベースアップを中止した事業所は、一般職で59.8%(昨年59.5%)、管理職で62.4%(同62.0%)、ベースダウンをした事業所は、一般職で3.6%(同2.5%)、管理職で4.6%(同3.3%)と昨年よりやや増加している。
定期昇給制度のある事業所における今年の実施状況は、定期昇給を止めた事業所が一般職で11.2%(昨年14.6%)、管理職で14.8%(同16.8%)と昨年より減少した。また、所定内給与または基本給で賃金カットを行った事業所は、一般職で4.1%(同4.2%)、管理職で6.3%(同8.4%)、平均カット率は一般職が6.8%(同6.3%)、管理職が7.8%(同6.9%)となった。賃金カットの事業所割合は減少したものの、カット率は大きくなっている。
また、雇用調整を行った事業所は51.7%で昨年より9.3ポイント減少した。今年1月以降の雇用調整の内容(複数回答)は、「採用の停止・抑制」が28.8%(昨年39.1%)で最も多く、次いで「部門の整理・部門間の配転」20.1%(同24.2%)、「業務の外部委託・一部職種の派遣社員等への転換」18.2%(同19.5%)、「残業の規制」15.1%(24.1%)などとなっており、各項目とも減少している。
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