贈与税の申告はすでに2月1日から始まっているが、今回は2003年度税制改正で創設された相続時精算課税制度の届出書が初めて受け付けられる。2003年分の贈与について相続時精算課税の適用を受ける人は、3月15日までに税務署に届出書を提出しなければならない。その際、戸籍謄本や住民票の写しなどの添付が必要だが、これは適用要件の年齢を証明するためのものだ。
相続時精算課税制度の適用要件のひとつに、その年の1月1日において20歳以上の子が同日において65歳以上の親から贈与を受けた場合という年齢要件がある。ところが、法律では1月2日に生まれた者も含まれることになるという。つまり、今回の適用対象者は、「受贈者は1983年1月2日以前に生まれた者で、かつ、贈与者が1938年1月2日以前に生まれた者」とされているのだ。
これはどういうことなのかというと、年齢計算に関する法律(明治35年法律第50号)では、なんと誕生日の前日に1歳歳をとることになるのである。年齢に関する法律第1項では「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と規定し、第2項において「民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス」と規定している。
そして、民法第143条第2項は、「週、月又ハ年ノ始ヨリ期間ヲ起算セサルトキハ其期間ハ最後ノ週、月又ハ年に於テ其期間ニ応当スル日ノ前日ヲ以テ満了ス」としているが、「前日ヲ以テ満了ス」とは、前日の午後12時をもって満了することを意味するものと一般に解されている。このように、年齢に関する法律は、ある者の誕生日の前日の午後12時に加算されるものとしている。
したがって、年齢計算については、誕生日の前日に加齢することになるから、2003年1月1日において、1)20歳以上となる者は、1983年1月2日以前に生まれた者、2)65歳以上となる者は、1938年1月2日以前に生まれた者となるわけである。