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経営関連情報 (2007/12/17)

11月企業倒産、14ヵ月連続の前年同月比増加

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、11月の倒産件数は906件で、集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最多の前月と比べ16.3%の減少となったものの、前年同月比は20.2%の増加となり、14ヵ月連続での前年同月比増加となった。2007年1~11月の累計は1万68件を数え、すでに昨年の年間合計9351件を上回っており、倒産は増加基調が持続している。

 一方、負債総額は4576億400万円で、前月比は3.6%増、前年同月比も19.7%の増加で、2ヵ月ぶりで前年同月比増加となった。負債トップは、会員制電子マネー市場「円天市場」運営のエル・アンド・ジー(東京都)の879億9200万円。負債10億円以上50億円未満の倒産は43件(前月55件、前年同月44件)と減少したが、負債100億円以上の倒産は6件(同5件、同4件)とやや増加している。

 倒産件数を業種別にみると、増加率では、「小売業」(前年同月比30.7%増)がトップ、以下、「不動産業」(同29.2%増)、「卸売業」(同23.1%増)、「建設業」(22.8%増)が続く。「建設業」は253件発生し、構成比は27.9%を占めてもっとも多い。今年最多だった前月を56件下回ったものの、前年同月を47件上回った。“脱談合”の加速に加え“改正建築基準法”による住宅着工減少も影響し、高水準で推移している。

 負債額別にみると、負債「5000万円未満」の倒産は389件発生し、前月比13.4%の減少だが、前年同月比は14.1%の増加となった。負債「1億円未満」の中小・零細企業の倒産は前年同月比23.5%増の568件、構成比62.7%と、全体の倒産件数を押し上げる要因となっている。資本金別では、「1000万円未満」(278件、前年同月比28.1%増)及び「個人経営」(143件、同7.5%増)など小規模倒産が引き続き高水準で推移している。