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税務関連情報 (2007/05/14)

3月31日以前に取得した減価償却資産の取扱い

 減価償却制度の大改正によって4月1日以後に取得した減価償却資産は残存簿価1円まで償却できるようになったが、ここで改めて3月31日以前に取得した減価償却資産の取扱いを整理しておこう。新定率法等の償却方法の適用があるものは、4月1日以後に取得した減価償却資産や、4月1日以後に既存の減価償却資産について支出する資本的支出に限られている。

 そこで、4月1日以後に開始する事業年度において、3月31日以前に取得した資産のうち、前事業年度までの各事業年度においてした償却費の累積額が取得価額の95%相当額(従前の償却可能限度額)に到達しているものについては、その到達した翌事業年度以後の各事業年度において、次の算式により計算した金額を償却限度額として償却を行い、最終的に残存簿価1円まで償却できることになった。

 償却限度額=[取得価額-(取得価額の95%相当額)-1円]×償却を行う事業年度の月数/60

 ただし、4月1日以後に開始する事業年度の償却限度額の計算を行うと、取得価額の95%相当額を超えることになる場合には、その取得価額の95%相当額に達するまでの金額が償却限度額となるため、その事業年度においては、残存簿価(取得価額の5%相当額)の償却を開始することはできないこととされている。

 また、期末に取得価額の95%相当額を超えるということは、理論上、事業年度の中途において、その金額に到達したことにもなり得るが、その事業年度において、この取得価額の95%相当額(従前の償却可能限度額)に達することとなった日から事業年度末までの日数分の按分割合を残存簿価(取得価額の5%相当額)に乗じて計算し、その事業年度に償却するような処理も認められないので、注意が必要だ。