ゼイタックス

税務関連情報 (2007/03/30)

昨年12月末の「国の借金」832兆円で過去最大

 財務省が23日に公表した2006年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は832兆2631億円となり、前回発表の昨年9月末時点から4兆3465億円増加して過去最悪の数字を更新した。1年前の2005年12月末時点からは19兆801億円も増えている。一方、地方が抱える債務残高は昨年3月末時点で約201兆円あり、国と地方を合わせた借金は重複分34兆円を差し引くとかろうじて1兆円を下回る状況だ。

 昨年12月末時点の国の借金は、1年前に比べ、国債は約13兆円増の676兆円で全体の約81%を占めた。うち普通国債が約7兆円増の534兆円とほとんどを占め過去最高となった。財政融資資金特別会計国債は約1兆円減の14兆円だった。国債以外では、借入金は対前年比約1500億円増の59兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は同約6兆円増の96兆円となっている。

 この「国の借金」832兆2631億円は、2007年度一般会計予算案の歳出総額82兆9088億円の10倍、同年度税収見込み額53兆4670億円の15.6倍である。年収500万円のサラリーマンが7800万円の借金を抱えていることになる。わが国の3月1日時点での総人口1億2772万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約652万円の借金となる勘定。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 財務省によると3月末時点の国の借金は843兆円に上昇する見通し。一方、地方の債務残高は、前年度末に比べ約2兆円減の約199兆円と4年ぶりに200兆円を下回る見込み。これらを合わせると1042兆円だが、重複分の34兆円を差し引くと1008兆円と初の1千兆円台となる。2007年度の国債発行額は、3年連続減額で過去最大の4.5兆円減となるが、それでも25兆4320億円を新規発行する予定だ。財政再建の道のりはまだ遠い。