中小企業基盤整備機構は10月30日、年末金融対策の一環として高度化融資の返済期限延長の要件を緩和し、また今年4月から実施している単年度の返済猶予の特例措置の適用期限(2010年3月末まで)を延長するなど、都道府県からの求めに応じ高度化融資の返済猶予に弾力的に対応することとしたと発表した。これらの措置の実施期間は、2009年12月1日から2011年3月末までとなっている。
現在の高度化融資における返済期限延長の要件は、(1)返済期間の最終年度に返済期限の延長を行う場合は、「当該貸付に対する累積返済総額が当初借入金額の1/2に達していること」、(2)返済期間の最終年度以前に返済期限の延長を行う場合は、「当該貸付に対する累積返済総額が当初返済計画における期間延長申請時点での返済予定額の1/2以上に達していること」とされている。
この条件をそれぞれ緩和し、ア.事業の継続が見込まれる、イ.返済期間の半分を経過している、エ.他の金融機関も返済期限の延長措置を講じている、などの要件を満たせば、(1)、(2)ともに「1/2以上に達して」いなくても、返済期限の延長に弾力的に対応する。また、単年度猶予の特例措置は、景気の急激な悪化に対応するために適用期間を延長するもので、繰り返しの利用に積極的に対応する。
これらの措置の適用を受ける際は、都道府県等による事前の診断等が、また、高度化融資の返済が、債務者の他の金融機関への返済と比較して不利益に扱われていないと認められる必要がある。なお、高度化事業とは、中小企業者が、個々の中小企業が単独で行えないような大規模な設備投資(例えば、商店街アーケードや工場団地、物流効率化のための共同施設等)を行う場合、これに対して都道府県が長期・低利の融資を行うもの。