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賃金が上昇しない理由は「非正規比率の上昇」

経営関連情報 - 2008年03月12日

 厚生労働省が2月に公表した毎月勤労統計調査では、2007年の現金給与総額は前年比0.7%減と3年ぶりに減少した。経済同友会が同会会員や代表幹事を対象に2月下旬に実施した景気定点観測アンケート調査結果(有効回答数208人)によると、賃金が上昇しない理由について、5つの理由を影響度の高い順に並べてもらった結果、「非正規比率の上昇」を1位に挙げた割合が32.5%でトップとなった。

 次いで「賃金水準のグローバル化(新興国の労働者との競争)」(1位の割合26.6%)、「年齢構成の変化(団塊世代の退職等)」(同17.7%)、「投資や債務削減が優先するため」(同13.8%)と続き、「企業業績が良くない」(同7.9%)との理由は最下位だった。こうしたことから、経営者は、パートやアルバイトなどの非正規雇用者が増加していることが、労働者の賃金全体を引き下げていると考えていることが分かった。

 2007年度と比べた2008年度における自社の平均賃金(定期昇給分を含む年収ベース)の変化については、「ほぼ横ばい(±1%以内)」との見通しが39.5%でもっとも多く、次いで「1~2%の上昇」が39.0%で続き、横ばいか2%までの上昇と見通している経営者が8割近くを占めた。そのほか、「2~3%の上昇」は10.5%、「3%以上上昇」は3.0%、「1~2%の低下」が3.0%、「2%以上低下」が3.5%となっている。

 また、賃金を上げる場合、定期給与(所定内+所定外)、特別給与(賞与、一時金)にどのような割合で配分するかについて、全体に占める特別給与のウエイトは、「75~99%」との回答が30.3%でもっとも多く、次いで「50~74%」(19.5%)、「25~49%」(16.4%)の順に多く、「100%」との回答は15.9%だった。やはり、特別給与で利益配分する近年の企業の傾向がうかがえる結果となった。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.doyukai.or.jp/bizactivity/articles/2007/pdf/080304.pdf