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経営関連情報 (2008/01/07)

事業用借地権の設定期間が10年以上50年未満に

 今年1月1日から、改正借地借家法が施行され、10年以上50年未満の期間で事業用借地権を設定することができるようになった。事業用借地権とは、1991年に新しく成立した借地借家法に基づく定期借地権の一つで、居住ではなく事業のために一定期間土地を借りて使用する権利のことをいう。契約の更新は認められず、契約満了時には、借主は建物を解体し、更地にして地主に返還する必要がある。

 昨年秋の第168回国会において議員立法で成立した改正法は、社会情勢の変化に伴う土地の利用形態の多様化に対応するため、事業用借地権の存続期間を改正前の10年以上20年以下から10年以上50年未満に引き上げた。設定期間の長期化に伴い、税法上の償却期間とのミスマッチが解消されるため、鉄筋コンクリート造りなどの堅固な建物や中層の建物を造ることができるようになる。

 つまり、例えば倉庫業や事務所目的など比較的長期の事業であっても採算性が確保されることになる。また、定期借地権に係る20年以上50年未満の「空白期間」が埋まったことで、より所有者・ユーザー双方のニーズに応じた期間の設定が可能になるため、土地所有者からすれば、土地を貸しやすくなり、結果として土地の有効活用につながるものと考えられている。

 こうした税法上の償却期間と建物存続期間とのミスマッチが解消される効果については、それ以外にも、土地の有効活用を通じた地域活性化にも資することになる。長期間にわたる建物の存続を前提とした資金計画や経営方針を練ることができ、ひいては行政主体と協働でのまちづくりのあり方の方向性を決定することが可能となり、一時的なものにとどまらない地域活性化につながることが期待されている。