ゼイタックス

経営関連情報 (2005/12/09)

仕事に対し「無気力を感じる」若手社員が75%

 野村総研が今年10月にインターネット上で実施した「仕事に対するモチベーションに関する調査」(上場企業の20~30代の正社員を対象、1000サンプル)の分析結果によると、現在の仕事に対して「無気力を感じる」人が75.0%にも達し、若者のモチベーション低下が顕著であることがわかった。また、3年前と比べ「あまり成長した実感がない」が42.5%に達し、「成長した実感がある」の38.7%を上回った。

 さらに、現在の仕事に「社会的使命感を感じない」は31.7%で、「感じる」の29.5%を超えた。今後の就業意向については、「定年まで勤めたい」は17.9%にすぎず、「あと10年は勤めたい」(9.9%)と合わせても長期定着意向は3割にも達しない。逆に、「機会があればすぐにでも転職・独立したい」(18.7%)や「3年以内に転職・独立したい」(13.0%)、「あと5年ぐらい勤めたい」(12.3%)など潜在的な転職志願者が44.0%となっている。

 一方、若手がやりがいがある仕事(3つまで回答)については、「報酬の高い仕事」が29.0%でトップ、以下、「自分だけにしかできない仕事」(22.0%)、「新しいスキルやノウハウが身につく仕事」(21.8%)、「自分の実績として誇れる仕事」(21.5%)が上位に挙げられた。報酬以外では、“自分らしさ”の表現や対外的に通用するスキルや実績を形成してキャリアアップすることが仕事のやりがいにつながっているようだ。

 野村総研では、凋落傾向にある若者の働くモチベーションを再生することが企業の競争力につながるとして、1)仕事の動機付けにつながるミッションの樹立、2)挑戦機会の増設、3)周囲のモチベーションを生み出す人材の抜擢、の3つを提案している。1)は、企業が利益極大化、株主価値至上主義に大きく振れた今こそ、社員全員の求心力となり組織文化を培養するユニークなミッションを樹立するべきだとしている。

 また、2)では、若手社員が自分を試せる機会を豊かに準備するためには、異なるワークスタイルやキャリア・オプションを許容し、必要であれば労務政策を大胆に見直したり、多元化したりすることも視野に入れるべきだと提案。3)では、“組織モチベーションの発電力、再生力”という角度から、次世代リーダーを選抜する必要があると指摘している。

 同調査の詳細は↓
 http://www.nri.co.jp/news/2005/051205.html