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経営関連情報 (2004/10/04)

サービス残業是正で支払われた割増賃金約239億円

 今年3月までの1年間に、いわゆる“サービス残業”として割増賃金が正しく支払われていないために、全国の労働基準監督署が労働基準法違反として是正した結果、支払われた割増賃金の合計が約239億円にのぼることが、厚生労働省のまとめで分かった。これは、サービス残業に係る不払いになっていた割増賃金が支払われたもののうち、1企業あたり合計100万円以上の支払額となったものを集計したもの。

 是正結果によると、是正企業数は1184社、対象労働者数は19万4653人、支払われた割増賃金の合計は238億7466万円だった。企業平均では2016万円、労働者平均では12万円となる。このうち、1社あたり1000万円以上の割増賃金が支払われた事案をみると、是正企業数は全体の19.9%にあたる236社だが、対象労働者数では75.9%を占める14万7660人、支払われた割増賃金の合計額は88.1%を占める210億2737万円だった。

 対象労働者数と支払われた割増賃金額では「製造業」が、企業数では「商業」がもっとも多くなっている。1社での最高支払額は「64億2927万円」(製造業)、次いで「8億6102万円」(その他の事業)、「7億8300万円」(製造業)の順。

 厚生労働省では、今後とも重点的な監督指導の実施や今年11月を不払残業キャンペーン月間とすることなどによる指針(2003年5月に策定した「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」)の周知などに努め、サービス残業の解消を図ることとしている。