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6月企業倒産1025件、2ヵ月ぶりの前年同月比減少

経営関連情報 - 2011年07月11日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は1025件で、前月比は6.3%の増加となったが、前年同月比では5.5%の減少となった。2ヵ月ぶりに前年同月を下回ったが、2011年3月の1041件以来、3ヵ月ぶりに1000件を超えた。震災被災地の東北は41件、前月(54件)、前年同月(50件)を下回るが、今後、被災地企業の倒産状況が明らかになれば、大幅増加は必死だ。

 一方、負債総額は1928億2600万円にとどまった。前月比は18.2%の減少、前年同月比も32.0%の大幅減少で、10ヵ月ぶりに2000億円を下回り、今年最少を記録した。これは、負債50億円以上の倒産が3件と、2010年8月(1件)に次いで過去2番目の低水準だったことなどが要因とみられる。負債100億円以上の大型倒産も1件で、2009年5月以降26ヵ月連続の一ケタ台にとどまっている。

 業種別にみると、卸売業を除く6業種で前年同月比減少となった。なかでも、サービス業(182件、前年同月比12.1%減)、不動産業(30件、同20.1%減)は前年同月比二ケタの減少となった。一方、卸売業(148件、同9.6%増)は唯一前年同月を上回った。サービス業は、土木建築サービス(13件、同31.6%減)の減少が目立つ。建設業では、近畿(67件、同20.2%減)で大幅減少し、なかでも大阪府(29件、同32.6%減)が顕著だ。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は544件発生、構成比は53.1%を占め、前年同月を4.9ポイント上回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は1件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が589件発生、構成比は57.5%を占めた。6月倒産1025件はすべて中小企業が該当し、小規模企業も911件で同88.9%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 なお、帝国データバンクによると、岩手、宮城、福島の東北3県に本社を構える企業数は約6万社で、うち太平洋沿岸部の市区町村には約2万社が存在する。なかでも、津波の被害がとくに大きかった地域や原発による立入禁止区域・計画的避難区域などの「被害甚大地域」には少なくとも5000社前後存在する。しかし現状では、これら3県の震災倒産の判明は少数であり、今後、これらの倒産状況が明らかになれば、大幅増加は必至である。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1106.html