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経営関連情報 (2004/08/30)

経営者の「べからず」集、「すべし」集

 日本公認会計士協会の経営研究調査会では、窮境状況にある経営者が今後の出処進退・身の降り方を考える際、後で後悔しないように経営者のリスク許容度に応じた「撤退か継続か」を選択するための研究報告(「ベンチャー企業等の再生と撤退について」)をまとめた。97ページに及ぶ大作だが、そのなかから「経営者の『べからず』集、『すべし』集」を紹介したい。

 これは、中小企業・ベンチャーの経営者が事業を進めていくうえで事前に知っていれば、窮境状況を回避できるような格言的なものである。破綻回避のためまたは成功するための直接的なもの以外にも、経営全般に係るものやそもそも社会人として当然なものも含まれている。

 まずは「べからず」集から。1)約束を破るな(誠実性を疑われる)、2)冗費を使うな(調達資金がうまくいったからといって、浮かれてはいけない)、3)高級な社宅・社長車は避けろ(自分の報酬はバランス感覚で決めているか。利益が計上できないうちにやると、業績に比して高額の報酬を取っていると誤解される)、4)過度の多角化は避けろ(経営資源を集中して強みをさらに強めろ)。

 5)公私混同はするな(会社と個人生活は金銭・部下への指示など明確に区別して)、6)成功体験を過信するな(過去事例との比較上、前提条件、外部環境の変化を見逃すと結果は逆になる)、7)高利貸しからの借入れは行うな(一度、二度は返せても、習慣性になり、経営努力に手抜きが生じて危機に陥る可能性が高い)、8)お世話になった人の恩を忘れるな(厳しかった頃の頑張りを教訓にせよ)など。

 次に「すべき」集から。1)誠実な経営を心がけよ(一番重要な経営者の資質、嘘をつかない)、2)志は高く持て(社会的な使命感を掲げ貢献することが内外の広い支持を集める)、3)顧客を思え(マーケット-インの発想を常に堅持)、4)従業員を思え(ともに成長しよう)、4)健康に気をつけろ(心身が健康でエネルギッシュであれ)、5)自分の弱点を知れ(補完する機能を持つ人材を登用せよ)など。

 まだまだ、「べからず」「すべし」の格言はたくさんあるが、それらは↓(62~64ページ)
 http://www.jicpa.or.jp/technical_topics_reports/101/101-20040720-02-02.pdf