ゼイタックス

税務関連情報 (2006/06/16)

中古資産の減価償却費は経過年数がポイント

 有形固定資産は、使用することによって時間の経過とともに劣化したり旧式になったりして、年々資産価値が減少する。そこで、「取得価額-残存価額」の金額を耐用年数で割った金額を、その年の減価とみなして費用に計上する。これが減価償却である。耐用年数は、資産を取得して使用を開始したときから使えなくなるときまでの、使用可能であろう期間で、実務では税法によって種類・用途ごとに決められているものを使う。

 ところで、中古資産を取得した場合の耐用年数は、使用可能期間の見積もりが可能な場合と困難な場合で異なる。可能な場合は、取得する中古資産の使用可能期間の見積年数をもって、その資産の耐用年数とすることができる。困難な場合は、1)法定耐用年数の全部を経過した場合は「法定耐用年数×20%」、2)一部を経過した場合は「法定耐用年数-(経過年数×80%)」を12ヵ月で割った年数をその資産の耐用年数とする。

 この計算した年数が2年未満の場合は2年とし、1年未満の端数は切り捨てる。その計算値に端数が生じた場合は切り捨てることになるので、経過年数が1ヵ月違いで耐用年数が1年違う場合が生じる。例えば、経過年数が2年6ヵ月の中古車は「72ヵ月(新車の法定耐用年数)-(30ヵ月×80%)=48ヵ月」を12で割った4年が耐用年数となるが、2年7ヵ月の場合は計算値が「3.933…」となり、端数は切り捨てて3年となる。

 耐用年数が1年違うと償却率も違い、減価償却費に大きな差が出る。あまり経過年数が違わない中古車で同程度のものが売り出されている場合は、耐用年数を試算してから購入すると思いがけない節税になることもある。なお、購入した中古資産を改良等したケースで、その改良費用がその資産の再取得価額50%相当額を超える場合は上記の計算方法は使えない。実際の使用可能期間を見積もるなどの方法をとる必要がある。