2003年07月02日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(61)
『納税者番号制度』(2)
★納税者番号制度の仕組み
納税者番号制度(以下「納番制度」)は、納税者ごとに番号を付け、税務当局が名寄せすることで、自営業者の所得の把握や利子・配当所得・株式等の譲渡益の総合課税などを行う上で、色々な側面から指摘される適正な課税を行うための問題点を解決する有効な手段であることは誰もが認めるところだ。
制度の仕組みを政府税制調査会の資料からみてみると、付番機関は、個人・法人に番号を付与し、税務当局に番号・氏名などのデータを提供する。個人・法人は、各種の取引、例えば金融機関での口座開設や債権の購入などを行う際、付与された番号を取引の相手先に告知する。
取引の相手先は、例えば金融機関などであれば、利子等の支払調書や株式等の譲渡の対価の支払調書などの情報申告書に、納税者の氏名などと合わせ番号を記載し、税務当局に提出する。納税者は、納税申告書などの提出書類に自分の番号を記載し、税務当局に提出する。
付番機関から番号データの提供を受けている税務当局は、情報申告書を納税者ごとに名寄せし、情報申告書と納税申告書の内容を突合せ(マッチング)する。この突合せによって、納税申告書の内容が正しいかどうかを確認するわけだ。正しくない場合には税務調査が行われることになる。
納税者番号の番号付与の方法は、個人と法人に分けて考える必要がある。個人の付番方式の類型としては、公的年金番号を利用する「年金番号方式」(アメリカ方式類似の方式)と、住民基本台帳を利用する「住民基本台帳方式」(北欧方式類似の方式)が主な検討対象となり得る。
法人に対する付番は、「税務データ方式」(税務当局の管理データに基づく方法)と「登記名簿方式」(法人登記簿のデータに基づく方法)が考えられるが、税務データ方式については公益法人のデータがないなどの問題、登記簿方式については休眠会社の整理などの問題が指摘されている。
(続く)
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