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税務関連情報 (2006/01/06)

企業の交際費支出額は8年連続減少

 国税庁がこのほど公表した「2004年分法人企業の実態調査」結果によると、2005年1月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などで使った交際費が、4年連続で4兆円台を割り込む前年比▲0.7%(252億円)減の3兆4393億円だった。これで8年連続の減少。また、営業収入1000円を得るための交際費は2円37銭で、1951年分の調査開始以来過去最低の数字となった。

 2004年分の法人数は257万2088社で、前年より1万8953社(0.7%)増加した。このうち、連結親法人は294社、連結子法人は3435社。連結子法人を除いた256万8653社のうち、赤字法人は172万2023社で全体の67.0%を占めた。この赤字法人割合は前年に比べ1.1ポイント低下し、98年分以降もっとも低い数字。なお、連結法人の赤字法人割合は前年より7.1ポイント低下したが、なお74.5%と高く、連結効果を裏付けた。

 過去を振り返れば、91年分では50.3%と黒字法人のほうが上回っていたのだから、現在の7割弱が赤字法人という状況は異常である。しかし、2004年分の営業収入金額は、前年に比べ3.4%増の1449兆4869億円と増加に転じ、景気回復傾向を反映した。所得金額は18.8%増の38兆9498億円。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は4.1%となる。黒字法人の営業収入金額は951兆4047億円で前年に比べ9.9%増となった。

 また、黒字法人の益金処分総額は19.3%増の42兆7831億円だった。内訳をみると、役員賞与5777億円(構成比1.4%)、支払配当5兆7468億円(同13.4%)、法人税額10兆1878億円(同23.8%)、その他の社外流出5兆5496億円(同13.0%)で、これらを差し引いた社内留保20兆7212億円は過去最高となる48.4%を占めた。役員賞与が占める割合1.4%は昨年に引き続き過去最低、また支払配当は昨年に比べ30.1%増となった。

 交際費の支出額3兆4393億円のうち、税法上損金に算入されなかった金額は前年に比べ▲13.3%減の1兆6854億円と4年連続で減少し、損金不算入割合は前年より7.1ポイント減の49.0%と5割を切った。周知のように資本金1億円以上の企業の支出交際費は全額損金不算入だ。2003年度改正で損金不算入割合が10%引き下げられたが、中堅・大企業は交際費の支出抑制に引き続き努めたことが数字に表れている。