中小企業が決算書など計算書類を作成するにあたり拠り所となる会計処理や注記などを示す「中小企業の会計に関する指針」について、公開草案をバブリックコメントに付した上で、その確定版が4月28日、「中小企業の会計に関する指針作成委員会」から公表された。同委員会は、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の4団体が主体となって設置されたもの。
この指針は、5月1日から施行された会社法において、取締役と共同して計算書類の作成を行う「会計参与制度」が導入されたが、その計算書類を作成するにあたり拠ることが適当な会計のあり方を示すものである。適用対象は、1)証券取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社、2)会計監査人を設置する会社及びその子会社、を除く株式会社である。
同指針の作成にあたっての方針は、企業規模に関係なく、取引の経済実態が同じなら会計処理も同じになるべきだが、もっぱら中小企業のための規範として活用するため、コスト・ベネフィットの観点から、会計処理の簡便化や法人税法で規定する処理の適用が、一定の場合は認められる。また、会計情報に期待される役割として経営管理に資する意義も大きいことから、会計情報を適時・正確に作成することが重要だとしている。
同指針の記載範囲については、同指針はすべての項目について網羅するのではなく、主に中小企業において必要と考えられるものについて言及している。したがって、同指針に記載のない項目の会計処理を行うにあたっては、「同指針の作成にあたっての方針」に示された考え方に基づくことが求められるとの留意事項を示している。
「中小企業の会計に関する指針」の確定版は↓
http://www.nichizeiren.or.jp/taxpayer/pdf/kaikeishishin060425.pdf