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物流サービス・製品の選定基準は「リスク分散」へ

経営関連情報 - 2011年11月09日

 日本能率協会と日本ロジスティクスシステム協会(国際物流総合展事務局)は、2012年9月に開催する「国際物流総合展2012」に向け、全国の物流関連企業の担当者を対象にアンケート調査を行った(有効回答1246人)。東日本大震災の前後で、物流サービス・製品を選ぶ際に「省エネルギー」、「企業の事業継続性」を重視する人が増えたことや、国内拠点の二極化、チャイナ・プラス1の海外戦略「リスク分散」姿勢がみえる。

 物流サービス・製品を選ぶ際の基準が変わった。震災「前」の意識は、1位「価格」(75.8%)、2位「品質・納期」(67.3%)、3位「性能」(60.7%)だったのに対し、震災「後」に意識していることは、1位「品質・納期」(60.8%)、2位「安心・安全」(50.9%)、3位「価格」(47.4%)。従来のコストやパフォーマンス重視の選定に変わり、リスクマネジメントやエネルギー効率が新たな基準として注目されていることがうかがえる。

 震災「前」、「後」の変化を比較すると、「省エネルギー」、「企業の事業継続性」が大きくポイントを上げており、効率化の追求による拠点集約化からリスク回避を考えた拠点分散化にシフトする傾向が現れている。背景には、東日本大震災発生時に流通経路が分断され、有事の際も輸送ルートを確保するために、コスト削減だけではなく事業継続を考慮し、バックアップ機能として拠点分散を検討している企業が出てきたと考えられる。

 生産・物流拠点の見直し先として関心のある国・地域は、「国内」77.3%、「海外」22.7%。「国内」では「近畿地方」(21.8%)が最も多く、多くの拠点が集まっている「東京」に加え、東西での拠点の二極化傾向がみられる。「海外」の回答では、アジアが8割以上を占めた。そのうち「中国」(41.5%)が最多だが、「ベトナム」、「タイ」(17.8%)、「インド」(11.9%)と、「ネクスト・チャイナ」と呼ばれる国が約5割を占めている。

 調査結果は↓
 http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20111101_f00158.pdf