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2000年以降、社宅保有企業の6割が統合・廃止

経営関連情報 - 2008年04月23日

 2000年以降、保有していた企業のうち、社有独身寮で49.5%、社有社宅で58.5%とかなりの割合で統合・廃止されたことが、労務行政研究所が上場企業等を対象に実施した「社宅・独身寮の最新動向調査」で明らかになった。さらに、現在、社有社宅を保有している企業のうちの3割が今後減少・廃止する意向を示しており、社有社宅はますます減少の一途をたどるものとみられている。

 調査結果(有効回答数326社)によると、現在、社有社宅を保有している企業は全体の36.3%となった。過去の調査をみると、バブル好況や超求人難で各社が福利厚生施設の充実を図っていた1990年ごろには、社有社宅の保有率は7割に達し、社有社宅を有する企業が一般的な状況にあった。それが、バブル崩壊から景気低迷を経て統合・廃止の傾向が強まって減少の一途をたどり、この20年近くで半減したことになる。

 また、社宅・独身寮を保有している企業の今後の方向性は、「現状を維持する」が独身寮で80.2%、社宅で67.2%と主流となった。ただし、社宅については、「減少させる」(21.6%)もしくは「廃止する」(9.5%)が計31.0%にのぼった。これらの企業のうち66.7%は2000年以降に社有社宅の統合・廃止を実施した企業で、今後もさらに統合・廃止を進める意向を持つものだった。

 一方、「増加させる」との回答は、社宅では1.8%に過ぎなかったのに対し、独身寮では8.4%と1割近くにのぼる。ここ数年の新卒採用競争の過熱化から、より魅力ある採用条件の一つとして、独身寮の増加を検討する企業もあるといえる。ちなみに、社有・借上げを問わず独身寮を「充実させた(検討中も含む)」とする企業は26.6%と4社に1社、1000人以上規模に企業では37.3%となった。

 なお、社有社宅の使用料をみると、平均は、3部屋(2DK、3K)で1万5169円、4部屋(2LDK、3DK、4K)で2万715円、5部屋(3LDK、4DK)で2万8335円となった。東京圏の賃貸マンション家賃相場(2007年9月時点、住宅新報社調査)は3部屋で平均約10万8000円と、社有社宅使用料の7倍を超える。社有社宅の使用料がいかに安く、入居する従業員の受ける恩恵が大きいかがうかがえる。

 同調査結果の概要は↓
 https://www.rosei.or.jp/contents/detail/5785