2006年度税制改正において、1人あたり5000円以下の一定の飲食費が所定の書類の保存要件が付された上で、交際費等の範囲から除かれている。この場合の飲食費とは、税法上、「飲食その他これに類する行為のために要する費用」と定義されている。具体的には、改正法人税基本通達において、接待などの飲食のほか、得意先等に差し入れる弁当代などの費用も含まれることが留意点として示されている。
改正通達は、さらに、単なる飲食物の詰合せなどを贈答する行為は、いわゆる中元・歳暮としての贈答と変わらないことから、「飲食その他これに類する行為」には含まれず、原則として、交際費となることを注書きしている。ただし、得意先などの接待における飲食等に付随して支出した費用については、その飲食等に要する費用に含めて差し支えないことを明らかにしている。
例えば、飲食店での飲食後、その店で提供されている飲食物などの持ち帰りに要する「お土産代」などの費用は、その飲食費用に含めても差し支えないとされている。また、飲食等のために要する費用としては、通常、飲食等という行為をするために必要である費用と考えられることから、例えば、飲食等のためにテーブルチャージ料やサービス料などとして飲食店に直接支払うものが対象となる。
一方、得意先などを接待する飲食店へ送迎するために送迎費を負担した場合は、本来、接待のための飲食を目的とした送迎という行為のために支出したものであり、通常、飲食のために飲食店へ直接支払うものではないことから、その送迎費自体は交際費に該当することになる。この場合、1人あたり5000円以下の飲食費の額を算定する際も、飲食等のために要する費用に加算する必要はなく、飲食費の本体部分で判定することになる。