日本経団連が実施した「2009年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」結果(有効回答数497社)によると、金融危機以降、「何らかの雇用の安定に向けた施策を実施した」とする企業は81.7%にのぼった。具体的な措置(複数回答)は、「時間外労働の削減・抑制」が61.0%でもっとも多く、次いで「役員報酬の減額」(54.1%)、「管理職の賃金・賞与の減額」(48.3%)、「一般社員の賃金・賞与の減額」(39.0%)などが続いた。
いずれの措置も製造業が多く、「時間外労働の削減・抑制」では73.9%(非製造業47.5%)、「役員報酬の減額」では69.6%(同38.1%)、「管理職の賃金・賞与の減額」では62.5%(同33.6)、「一般社員の賃金・賞与の減額」では48.2%(同29.5%)のほか、「雇用調整助成金の申請」では53.4%(全体30.6%、非製造業7.0%)、「一時休業の実施」では50.6%(同28.0%、4.5%)など、いずれも非製造業を大きく上回った。
一方、賃金制度の現状は、「結果として多くの従業員が毎年昇給する制度を導入しているが、仕事・役割・貢献度や評価結果によっては、降給する場合がある」が40.6%、「仕事・役割・貢献度や評価結果に応じて、結果として多くの従業員が、毎年一定額昇給する制度を導入」が38.1%と二分している。「年齢給のように、仕事・役割・貢献度や評価結果にかかわらず、結果として毎年一定額昇給する制度を導入」は10.6%にとどまる。
今後の望ましい定期昇給のあり方では、「年功的要素よりも仕事・役割・貢献度に基軸をおく」が52.8%と過半を占めるが、「現在導入している制度を今後も維持する」も41.6%を占める。今後の賞与・一時金支給のあり方については、「基本的には需給の短期的変動などによる一時的な業績変動を反映させるが、前年の業績、次年度の業績見込みなども踏まえ、総合的に勘案して決める」が54.1%を占めてもっとも多い。
同調査結果の詳細は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/076.pdf