2003年10月29日-001
法人1件あたりの不正脱漏所得1591万円は過去最高
国税庁が27日に公表した今年6月までの1年間である2002事務年度における法人税調査事績では、調査件数は減少しながら、悪質事案の1件あたりの不正脱漏所得が過去最高の数字となった。実地調査件数12万2千件は前年度より3.5%減少したが、これは経済取引の国際化・高度情報化・広域化などで複雑・困難事案が増えて調査日数が伸びていることや税務職員の減少が影響したものとみられている。
実地調査した結果、うち73.0%にあたる8万9千件から、前年度より98億円(0.6%)多い1兆5555億円の申告漏れを見つけ、加算税額647億円を含む4173億円(対前年度比7.3%増)を追徴した。また、調査したうちの20.7%にあたる2万5千件が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っていたが、件数は前年度に比べ1千件(4.0%)減少している。
しかし、その不正脱漏所得は162億円(4.2%)増えて4003億円にのぼった。不正していた件数は減って不正脱漏所得が増えたということは、1件あたりでの不正が大口化していることになる。1件あたりの不正脱漏所得は、前年度に比べ125万円(8.6%)増の1591万円で過去最高となった。
また、不正発見割合の高い業種では、「バー・クラブ」が54.6%で前年度ワースト1位の「パチンコ」(47.5%)から首位の座を奪い返した。「バー・クラブ」は2000年度まで14年連続ワースト1位という不名誉な記録を続けていた。3位は「書籍・雑誌販売」で32.6%。一方、不正脱漏所得金額が多い業種では、「木造建築工事」が6496万円でランク外から一躍トップに踊り出た。2位は「自動車・同付属品製造」の6343万円で、前年度1位の「パチンコ」は5611万円で3位。
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