10年総広告費は1.3%減、「テレビ」は6年ぶり増加
電通は、2010年の日本の総広告費が前年比1.3%減の5兆8427億円となり、3年連続で前年実績を下回ったと発表した。2010年の総広告費は、ゆるやかな景気回復と企業業績の改善、バンクーバー冬季五輪、サッカーワールドカップ南アフリカ大会、上海万博等の大型イベントの開催や、エコカー補助金やエコポイントカードなどの景気刺激策のプラス要因があり、1.3%減とほぼ前年並みの水準にとどまった。
媒体別にみると、総広告費の約半数を占める「マスコミ四媒体広告費」(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)は、「テレビ広告費」が前年比1.1%増と6年ぶりに前年実績を上回ったものの、テレビ以外は引き続き減少となり、同1.9%減の2兆7749億円と、6年連続して前年実績を下回った。また、約4割を占める「プロモーションメディア広告費」(屋外・交通・折込・DMなど)も同4.4%減の2兆2147億円と、3年連続で減少した。
一方、総広告費の1割強(13.3%、09年11.9%、08年は10.4%、06年は6.9%)を占めるまでになった「インターネット広告費」(媒体費+広告費)は、インターネット連動型キャンペーンが増え、前年比9.6%増の7747億円と大幅に増加した。媒体費は同11.5%増の6077億円(うちモバイル広告費1201億円、検索連動広告費<PC領域のみ>2035億円)。インターネット広告制作費は同3.0%増の1670億円だった。
業種別(マスコミ四媒体のみ)にみると、インターネットサイト関連が大幅に増加した「情報・通信」(前年比8.6%増)、婦人服、ジーンズ、紳士服などが増加した「ファッション・アクセサリー」(同8.8%増)、ヘアケア、メイクアップ化粧品などが増加した「化粧品・トイレタリー」(同4.4%増)など、21業種中8業種が前年を上回った。13業種が減少となったが、2009年は20業種が減少、増加は1業種のみだった。
2010年日本の広告費の詳細は↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2011/pdf/2011019-0223.pdf