経 営 関 連 情 報 |
2003年06月09日-003
来年の新規学卒者採用計画は大卒理科系のみ好転
正社員を減らした分をパートなどの非正社員で賄うなど人件費削減策の一環として、新規学卒者の採用を手控える企業は多いが、来年の新規学卒者の採用計画では、大卒理科系の採用予定者数を今年の実績より増やす企業が多くなっている。厚生労働省が6日に公表した労働経済動向調査(5月1日現在)で明らかになったもの。
調査結果によると、来春の新規学卒者の採用計画について、大卒理科系の採用予定者数を今春の実績より「増やす」と回答した企業割合が「減らす」との回答企業割合を2年ぶりに上回った。しかし、大卒文科系が「増やす」と「減らす」が同じ割合のほかは、高卒や高専・短大卒などのすべての学歴で「増やす」が「減らす」を下回っている。
採用予定者数を「増やす」とする理由をみると、大卒理科系で「技術革新への対応・研究開発体制の充実」が、また、高卒、高専・短大卒、大卒文科系で「年齢等人員構成の適正化」の割合が最も高くなっている。一方、「減らす」とする理由は、すべての学歴で「人件費比率の抑制・定員管理の見直し」の割合が最も高くなっている。
なお、5月現在の常用労働者過不足判断DI(「不足」-「過剰」企業割合)をみると、マイナス6ポイントで11月調査(▲5ポイント)、2月調査(▲6ポイント)と比べると過剰感はほぼ横ばい。一方、パート労働者過不足判断DIもプラス8ポイントで11月(8ポイント)、2月(7ポイント)に比べ、不足感はほぼ横ばいとなっている。
結局のところ、正社員は過剰でパートは足りないとの雇用感は、割合こそ低いものの続いており、新規採用計画もいまひとつ意欲に欠ける。売上が思うようにいかない経営環境のなかで、利益確保のためにコスト削減する企業努力が雇用環境を悪化させている動きになかなか歯止めがかからないようだ。
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