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税務関連情報 (2006/02/17)

特定上場株式等売却の非課税特例は住民税に注意

 所得税の確定申告が始まったが、2005年分から新たに適用される制度として上場株式等を売却した場合の購入価額1000万円までの非課税の特例がある。この特例は、源泉徴収ありの特定口座における譲渡は対象とはならないことはご存知の方も多いと思われるが、留意してほしいのは、個人住民税についても非課税扱いになるが、一定の場合は別途個人住民税についても申告が必要なことだ。

 この非課税特例は、個人が、2001年11月末から2002年12月末までの間に購入または払込みにより取得した「特定上場株式等」を、2005年1月1日から2007年12月末までの間に売却し、かつ、譲渡した年の翌年1月1日から3月15日までの間に、「特定上場株式等非課税適用選択申告書」を、所轄税務署長に提出した場合に限り、その取得価額の合計が1000万円に達するまでのものの売却益は非課税となるものだ。

 ところで、サラリーマンは、給与所得や退職所得以外の所得が20万円以内の場合は確定申告が不要とされている。だから、源泉徴収ありの特定口座ではなく一般口座で売却した場合は源泉徴収されず、その上場株式等の売却益が20万円以内であれば申告も不要となる。だが、これは所得税のみで、個人住民税については、金額の多寡に関わらず別途申告する必要があるのだ。

 これは、2003年度税制改正で年間10万円以下の少額配当申告不要制度が廃止されて、それまで非課税だった個人住民税の申告が必要になったことによるもの。源泉徴収ありの特定口座内での売却益は住民税も源泉徴収されて課税関係は終了するが、一般口座での売却益を非課税とするためには申告が必要になる。もっとも、申告しなくても市町村が把握することは困難という見方がある不評の制度ではある。