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経営関連情報 (2006/02/17)

首都圏、近畿圏における中古住宅市場の動き

 中古住宅の流通促進や高齢者のバリアフリーマンションなどへの住み替え促進に向けた取組みが進められているなか、子育て世代1100人のうち高齢者の持ち家賃借に関心があるのは8割にのぼるというアンケートもあるが、実際の中古住宅市場の動向はどのような状況にあるのか。市場規模の大きい首都圏、近畿圏をとりあげ、考察するのは内閣府のレポートである。

 レポートによると、2002年からの中古住宅市場は、首都圏、近畿圏ともに中古戸建住宅や中古マンションの成約率に伸びがみられず、成約しない登録物件の累積数が増えつづけている(土地総合研究所の「今月の不動産経済」)。特に首都圏では、中古戸建住宅の成約率が低下傾向であり、中古マンションの成約率も2割強と、8割程度である首都圏新築マンションの発売月契約率とはかなり差がある。

 南関東や近畿の住宅調査(総務省「住宅・土地統計調査」)をみても、賃貸や空き家の数は、この20年、世帯数や住宅総数の伸びを上回って推移しており、市場で滞留する住宅数が多いことがわかる。

 また、南関東、近畿ともに高齢者世帯の割合は伸びているが、一方で、車いすで道路から玄関まで通行できる住宅の割合などはあまり変わらないことなどから、今後新築のバリアフリーマンションなどの供給が増えれば、住み替え需要が高まる可能性もある。レポートは、高齢者と子育て世代の住宅ニーズのマッチングなどのためにも、中古住宅市場のさらなる活性化が望まれると結んでいる。