2008年分の所得税の確定申告は2月16日から始まるが、今回の確定申告から適用開始となるのが、2008年度税制改正により導入された「ふるさと納税」制度だ。同制度は、都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、5000円を超える部分について、個人住民税所得割の概ね1割を上限として、所得税と合わせて全額が控除される。ただし、寄附金控除を受けるためには確定申告が必要となる。
寄附を行った人が、都道府県・市区町村が発行する領収書等を添付して申告する必要があるのだ。今回の所得税の確定申告書には、個人住民税の控除の対象となる寄附を書く欄が新たに設けられているので、そこに寄附を「特記」することになる。この「寄附金税額控除」の欄に記入しないと寄附金控除が受けられなくなることもあるので注意したい。所得税の確定申告を行えば、住民税の申告は不要となる。
一方、所得税の確定申告を行わない場合は、住所地の市区町村に個人住民税の申告を行う必要がある。住民税の申告だけを行う場合は、通常の住民税の申告書に代えて「2009年度分市町村民税・道府県民税寄附金税額控除申告書」に寄附をした都道府県・市区町村が発行する領収書等を添付して、申告期間内に住所地の自治体に提出すれば、住民税の控除を受けることができる。
ふるさと納税における寄附金控除は、所得税は寄附を行った年分の所得税から控除され、住民税は寄附を行った年の翌年度分の住民税から控除される。総務省の試算では、夫婦子2人(うち1人特定扶養)の年収700万円のサラリーマンが、1万円寄附したときは税額が5000円(住民税分4500円、所得税分500円)が、5万円寄附したときは税額が3万8400円(住民税分3万3900円、所得税分4500円)が、それぞれ軽減されるという。