税 務 関 連 情 報 |
2002年03月27日-001
「国の借金」は582兆円で過去最悪
危機に瀕したわが国の財政を立て直すことは政府の最優先課題であることはいうまでもないが、わが国の借金はどれぐらいあるのだろうか。財務省が3月25日に発表した昨年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、582兆4,556億円で過去最悪の数字だという。昨年9月末時点よりも2.9%(16兆9,003億円)増加した。1年前の平成12年12月末からは11.6%(60兆3,565億円)増。さらに遡って、5年前の平成8年12月末と比較すると、なんと69.5%(238兆7,739億円)の増加である。
582兆円などというとあまりに金額が大きすぎてピンとこないだろうが、平成13年度の一般会計予算82兆6524億円の約7倍となる。つまり、サラリーマンでいえば、例えば年収500万円の人が3,500万円の借金を抱えていることになる。また、わが国の3月1日時点での総人口1億2,729万人(総務省統計、概算値)で割ると、一人当たり約458万円の借金を抱えていることになるのだ。これは、ご老人や赤ちゃん、専業主婦なども含めての数字だ。
582兆円という借金がどのようなものかお分かりいただけたろうか。国家財政は本当に“火の車”なのである。我々個人の借金は相続人が遺産放棄すればチャラになるが、国の借金は子供や孫、ひ孫の世代へと延々と引きつながれていくのだ。我々の世代でこの借金を解消することはもはや不可能な状況だが、少なくとも借金が減らせるような筋道だけは作ってあげることが最低限の責任ではあるまいか。
現在議論されている税制抜本改革は、どうやら経済活性化のための減税を優先して、財政健全化は中長期的なものとなりそうだ。長引く景気低迷やデフレ対応などから仕方のない方向なのかも知れないが、減税財源が本当に歳出削減や国有財産の売却で賄えることを、これ以上借金が増えないように監視することが必要だ。国の借金は他人事ではなく、我々一人一人のものと自覚して、政治を注目していくことが我々の責任といえよう。
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