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役職が高い者ほど「仕事」に生きがい~就業実態調査

経営関連情報 - 2011年11月21日

 (独)労働政策研究・研修機構はこのほど、「日本人の就業実態に関する総合調査」をまとめた。同調査は、日本人の働き方の実情を体系的、継続的に把握することを目的とした定点観測調査として、2010年2月~3月に実施されたもの。調査対象は全国の満20歳以上65歳以下の男女8000人(層化二段系統抽出法により抽出)で、5092人から回答を得た(有効回答率63.7%)。

 調査結果の概要をみると、就業者が生きがいと考えているものは、第1位が「余暇、趣味」、第2位が「家庭」であり、「仕事」は第3位となっている。就業者のうち、「仕事」を生きがいと考える傾向にあるのは、会社の経営者、自営業主などである。また、年収が高い者ほどその傾向が強い。雇用者のなかでは、役職が高い者ほど「仕事」を生きがいと考える傾向がある。

 就業者に働いている理由をたずねると、正規雇用者、派遣社員、契約社員では「生計を維持するため」、パート、アルバイトでは「生計費の足しにするため」との回答が多い。また、ふだんの仕事で「身体の疲れ」、「仕事上の不安や悩み、ストレス」、「けがをする危険」、「病気になる危険」をどの程度感じるかをたずねたところ、実労働時間が長いほど、それらを強く感じる傾向がみられた。

 労働組合に入っていない雇用者のうち19.9%が、労働組合に加入したいと希望している。その理由をたずねると、正規雇用者では「賃金が維持・改善されるから」、非正規雇用者では「雇用が安定するから」との回答が多い。家事・育児と仕事の優先度に関しては、「男性は仕事優先」、「女性は家事・育児優先」という考え方が強く、そのような考え方は、有配偶女性において特に強い。

 リーマン・ショックの影響は、製造業の職場で特に大きかった。また、リーマン・ショック以後に「正規の職員・従業員の減少」などの職場の変化を経験した者ほど、「今の仕事全体について」の満足度が低く、「労働組合に入りたい」と考える傾向にある。ライフ・ステージ別に生活及び仕事の満足度をみると、男女とも「夫婦時代」及び「育児・子育て期」で高く、「独身時代」、「父子・母子世帯」で低い傾向が確認できた。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jil.go.jp/institute/research/2011/089.htm