農林漁業金融公庫が全国の20~60代の男女2000人を対象に5月に実施した「2008年度第1回消費者動向調査」結果によると、食品を購入する際の判断基準(複数回答)は、「米」、「牛肉」、「花」以外の品目はすべて第1位に「鮮度」が支持されており、消費者が生鮮食品を選別するポイントとして「鮮度」の重要性が浮き彫りにされた。また、「安全性への信頼」がもっとも高かったのは「米」(58.4%)、「牛肉」(65.0%)だった。
「安全性への信頼」は、「花」を除くすべての品目において上位3位までに入っていることから、昨今の食をめぐる様々な問題から、消費者の食に対する「安全」への関心は高まっているとみられている。「価格」もほとんどの品目が第3位にランクされており重要な判断基準となっている。一方、判断基準として「広告・PRやキャンペーン」、「ネーミング・ラベル」、「周囲の評判」の項目は下位にランクされ、支持されなかった。
各種認証について知っている割合は、「有機JAS認証」が30.3%、「地域ブランド制度」が25.3%、「都道府県が独自に基準を設けて認定する食品」が11.5%、「特別栽培農産物」が6.9%の順。もっとも認知度が高かった「有機JAS認証」は、2002年6月調査と比べ23.5ポイント減となったが、これは「有機」表示をするための認定が義務化された2001年ごろに比較して、現状において話題性が少なくなったことが原因とみられている。
各種認証を取得したそれぞれの食品について、通常の国産品と比較した場合「同じ価格なら選ぶ」との回答がもっとも多かった。消費者は、「国産品かどうか」ということに対して関心が高い(価格許容度が高い)反面、国産品同士の比較では、「各種認証の有無」に関心が高いとはいえない。各種認証の取得・維持には販売価格にもある程度コスト分の反映が不可欠。認証制度について消費者の理解を得る取組みが必要なようだ。
消費者動向調査の詳細は↓
http://www.afc.go.jp/information/investigate/consumer/pdf/shohi-h20-07-01.pdf