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税務関連情報 (2004/10/08)

振込手数料も経費処理いかんで消費税節税に

 商品の販売代金が銀行などに振り込まれる場合、販売した企業が特に手数料負担について取決めをしていなければ、振込手数料を差し引いた金額が振り込まれることもある。また、企業によっては振込手数料を自社で負担するところもある。それは、銀行振込などは、販売代金を集金する手間や時間が省けるのだから、振込手数料は販売した側が負担すべきだという考えだろう。

 このように販売代金から振込手数料を差し引かれた場合の会計処理には、1)振込手数料の分だけ値引きしたという処理、2)振込手数料は支払手数料として経費とする処理の2つがある。1)は振込手数料分だけ売上が減るが、2)では売上は変わらない。いずれにせよ、振込手数料分だけ売上が減るか、経費が増えるかの違いだから、どちらの会計処理を選ぼうと最終の利益金額は変わらないことになる。

 ではどちらでもいいのか、というと大きな違いがある。それは、最終的な売上高の増減に関係してくるからだ。例えば、消費税の簡易課税では、売上高にみなし仕入れ率を掛けて消費税額を算出するわけだから、当然ながら売上高が小さいほうが消費税も少なくて済むことになる。そんな細かいことをと言うが、何百円という単位の振込手数料でも、件数が多ければそれなりの節税が可能だ。

 もっとも、売上高を減らすことが一概に得とはいえない。赤字になってしまうことで経営に大きな影響が及ぶこともあり得る。経営上の諸要素を見据えた大局からの経理処理が必要なことは言うまでもない。