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税務関連情報 (2003/12/05)
スピードリミッターの装着費用は修繕費

 事業に使っている固定資産の修繕費は必要経費または損金となる。しかし、固定資産に手を加えたときは注意が必要だ。というのも、手を加えたことによって、資産の価額が増加したり、その耐用年数が延長した場合は、資本的支出に該当することになり、そのために支出した費用は、その資産の取得価額に加算して減価償却の対象としなければならないからだ。

 ところで、この9月1日から道路運送車両の保安基準の改正によって、車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上の貨物自動車の原動機は、速度制限装置(スピードリミッター)を備え付けなければならないこととされた。この規定は、現在使用されている貨物自動車(使用過程車)についても、一部を除き3年以内に装着しなければならない。

 この改正を受けて、全日本トラック協会は、東京国税局に対し、その装着費用の税務上の取扱いについて「修繕費」として処理していいかどうかを照会していたが、このほど、同局は、修繕費に該当するとの協会の見解で差し支えないことを明らかにした。

 協会では、修繕費に該当する根拠として、1)速度抑制装置は、使用過程車の使用可能期間の延長または価値の増加をもたらすものではないこと、2)法令の規定に従って同装置を装着することは通常の維持管理の範囲内の行為であることなどを挙げている。なお、新車を取得する場合は、取得価額を車両本体と速度抑制装置に区分せず、その全額を車両及び運搬具の取得価額とするとの協会の見解も認めている。