住宅取得は一生に何度もない高価な買い物だけに品質や価格をはじめいろいろな面で不安が湧き起こる。三菱総研とNTTレゾナントが共同で実施した「家づくりの不安に関するアンケート調査」結果(有効回答数1379人)によると、住宅購入希望者の不安(複数回答)としては、「手抜き工事されないか」(77.0%)、「予算内でおさまるか」(65.9%)、「価格(見積り)が適正か」(60.1%)が上位にあげられた。
このように、家づくりの場における消費者の工事品質と価格に対する不安・不信感の高さが改めて浮き彫りになる結果となっている。また、住宅購入経験者が困ったこと(複数回答)としても「価格の目安や基準がわからない」(53.9%)がもっとも多く、価格の不透明性への不満が高いことがわかった。ほかでは、「予算内におさまらない」(41.0%)、「プラン・間取りに満足いかない」(29.8%)などがあげられた。
一方、ここ数年、第三者の視点で住宅購入を支援するサービスが出てきているが、利用意向が高いのは、「見積りチェック」「契約チェック」「工事マネジメント」「概算見積り算定サービス」など家づくりの節目を確認するサービスだった。特に購入希望者の利用意向が高いのは、不安度の高さが指摘された工事の品質と価格に関連する「概算見積り算定サービス」(27.2%)と「工事マネジメント」(25.5%)だった。
サービスに対する許容価格は、「工事マネジメント」が4~5万円でもっとも高く、ほかでは、「概算見積り算定サービス」が2万円前後、「見積りチェック」と「契約チェック」は1万円前後となった。ところが、実際の提供価格は「工事マネジメント」が40~60万円程度など乖離が大きい。しかし、これまでの家づくりのプロセスにはなかった第三者によるチェックを、有償でも受けようとする消費者の存在が浮き彫りになったといえる。