我慢できる室温、今年は「29度」~ダイキン調査
空調大手のダイキン工業が、全国の20代~70代の男女を対象に実施した「今夏の節電と空気に対する意識調査」結果(有効回答数624人)によると、夏場に暑さ対策なしで我慢できる室温は、例年の平均が27.6度に対し、今年は約2度アップの平均29.3度となったことが分かった。震災後の今夏は、極力電力に頼らないライフスタイルへと変化させ、例年よりも暑さを我慢する覚悟があることがうかがえる。
この夏の自宅で行う予定の暑さ対策は、「扇風機や冷風機を使う」が66.8%で1位だった。それに比べ、「エアコンを使って室温を下げる」(26.4%)は低く、暑くてもエアコンの利用は控えようという傾向がみてとれる。2位「衣服での調整」(48.6%)、3位「すだれをつける」(35.6%)など、電力を使わない暑さ対策にも多くの回答があり、夏の空気を取り巻くライフスタイルや生活空間の様相が大きく変化することになりそうだ。
自宅でのエアコンの設定温度については、例年は25度台が最多の18.6%で平均25.3度だったが、今年は28度台が33.3%で平均は27.3度となった。これまで政府は、夏場のエアコン設定温度「28度」を推奨してきたが、実態は28度より低い設定温度にしていた人が多かったようだ。今年は、節電という大きな社会的課題に対する認識の強さが、“最低でも28度は守りたい”という意識になり、28度に収斂したものと推察している。
節電意識については、「震災後に節電意識が高まった」との回答は62.3%、東京・東北電力管内の回答者に限ると72.4%に達する。政府が掲げる使用電力の削減目標の認知度について、「数値(%)まで詳しく知っている」人は、東京・東北電力管内では43.3%、その他のエリアでは18.6%。東京・東北管内の人は震災後の計画停電を経験して、夏場のピーク時の計画停電実施を避けるため、節電をより切実な問題として捉えているようだ。
同意識調査結果(1)の詳細は↓
http://www.daikin.co.jp/press/2011/110519_1/press_20110519_1.pdf
同意識調査結果(2)の詳細は↓
http://www.daikin.co.jp/press/2011/110519_2/press_20110519_2.pdf