ゼイタックス

経営関連情報 (2004/02/09)

うるう年の経済効果は過去の話!?

 今年は4年に一度のうるう年だが、日数が平年よりも1日多いことから経済活動の水準がかさ上げされるという、うるう年特有の事象があるそうだ。ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト・斎藤太郎氏が、「うるう年の経済効果」と題したコラムで、その辺の事情を書いている。

 それによると、うるう年による1日の増加分を単純に計算してみると、年間では1/365で0.3%、四半期(1~3月期)では1/90で1.1%、月間(2月)では1/28で3.6%。四半期や月間では無視できない大きさといえる。

 経済活動への影響では、設備投資など年間単位で計画する項目は影響がないだろう。逆に、個人消費については、例えば、飲食などは1日増えた分支出が増えることになる。ただし、家賃や定期代などのように月極めで毎月の支払額が決まっているものは、日数は関係ないはず。

 そこで、総務省の家計調査をもとに、消費支出全体から月極め払い以外の項目だけが日数の影響を受けるとして試算すると、個人消費は、2月は2.6%、1~3月期は0.8%、年間では0.2%押し上げられる結果となった。年間の効果はそれほどでもないが、四半期や月次で考えるとその影響は確実だ。

 これまでのうるう年の1~3月期といえば、いつも極端な高成長となり波紋を呼んだ。前回のうるう年(2000年1~3月期)の実質GDP成長率は前期比2.4%(年率10.0%)だった。今年の1~3月期も高成長が期待できるのだろうか。残念ながら答はNOである。

 それは、その後内閣府が季節調整の方法を改め、現在ではうるう年を考慮したものを用いているからだ。日数が多いことによって個人消費が増えたとしても、季節調整するとその影響が除去されるようになっている。うるう年のお蔭で1~3月期が高成長になるというのは、もはや過去の話なんだというわけである。