2008年度税制改正関連法案は4月30日、衆院本会議において賛成多数で再可決・成立し、同日公布・施行された。同法案は、2月29日に衆院で可決したが、参院で採決に到らず、憲法59条の規定によって、参院送付後60日以内に採決しない場合は否決とみなして衆院での再議決が可能となっていた。この「みなし否決」の再議決は、1952年の「国立病院特別会計所属の資産譲渡に関する特別措置法」以来、56年ぶりの適用となる。
税制改正法案が成立したことにより、4月1日から期限切れとなっていた租税特別措置法のほとんどが4月1日に遡って適用される。しかし、ガソリン税などの暫定税率をはじめ、使途秘匿金がある場合の課税の特例制度と欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度などの適用日は、“不利益不遡及”の原則によって4月1日に遡れず、ガソリン1リットルあたり約25円の暫定税率は、5月1日から再び引き上げられることになる。
財務省は改正法案成立後、租税特別措置の適用関係を示したなかで、使途秘匿金の課税の特例は適用期限が2010年3月31日まで2年延長されたが、改正後の規定は、法人が公布日(2008年4月30日)以後に支出する使途秘匿金の支出について適用されることを明らかにした。つまり、2008年4月1日以後公布日前にした使途秘匿金の支出については、追加課税されないことになる。
また、欠損金の繰戻しによる還付の不適用についても2010年3月31日まで2年延長されたが、改正後の規定は、法人の公布日以後に終了する事業年度分の法人税について適用されることを明らかにしている。改正前の規定は、2008年3月31日までの間に終了した各事業年度について適用されるものであり、4月1日以後公布日前に終了した事業年度については、欠損金の繰戻し還付制度の適用があることを明示している。
租税特別措置法等の課税関係については↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy200430.htm