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緊急人材育成支援事業の是正要求~会計検査院

経営関連情報 - 2011年09月16日

 会計検査院は7日付けで、厚生労働省所管の「緊急人材育成支援事業における訓練・生活支援給付及び訓練・生活支援資金融資」について、会計検査院法第34条の規定に基づき、是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。同支援基金は、製造業を中心とした雇用調整により離職を余儀なくされた労働者等に対し、公共職業安定所を中心に職業訓練、再就職支援及び生活への支援・貸付などを幅広く行う制度。

 検査院では、合規性等の観点から、支援給付金の支給及び支援資金の貸付けが適正に行われているかなどに着眼して、厚労省、中央職業能力開発協会及び日本労働者信用基金協会において2009、2010両年度に協会が支給した支援給付金738億4332万円及び日本労信協へ交付した補助金5億634万余円を対象として、支援給付金の支給台帳、支給終了者一覧等の関係書類を確認するなどの方法により会計実地検査を行った。

 支援給付金の支給対象者は世帯の主たる生計者で、受給できるのは原則として各世帯につき1人のみとされている。そこで、2010年12月までに協会が受給資格認定を行った16万9726件のうち、同一住所かつ同一姓である者について受給資格認定を行っていた605件を抽出して検査したところ、主たる生計者要件を満たしていない者に対して支援給付金を支給していたものが129件(2010年度末までの支給金額計4950万円)あった。

 また、支援給付金の支給が終了しているのに支援資金の貸付けが停止されておらず、これに係る返済免除または回収不能に伴う補助金が交付されていたものが1171件(停止されなかった貸付額計1億274万円)発見された。支援給付金の受給資格認定の審査に当たり、主たる生計者要件について、同一住所における申請者以外の受給資格者の有無の確認が十分でないことなどが原因とし、指導監督の強化など再発防止措置を求めている。

 この件の詳細は↓
 http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/23/pdf/h230907_zenbun_1.pdf