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個人住民税の寄附金税制、「ふるさと納税」の創設

税務関連情報 - 2008年06月06日

 2008年度税制改正において、納税者が応援したいふるさとへ寄附をした場合に、一定の税額控除が受けられるいわゆる「ふるさと納税制度」が創設された。地方公共団体が条例により控除対象寄附金を指定する仕組みが導入され、寄附金の控除方式が所得控除から税額控除に改められた。また、寄附金控除の上限額が総所得金額の30%(改正前25%)に引き上げられ、適用下限額が5000円(同10万円)に引き下げられた。

 都道府県や市区町村に対する寄附金のうち、適用下限の5000円を超える部分については、(1)「[地方公共団体に対する寄附金-5000円]×10%」と(2)「[地方公共団体に対する寄附金-5000円]×[90%-0~40%(所得税の限界税率)]」の合計額を、5分の2を道府県民税から、5分の3を市町村民税からそれぞれ税額控除する。(2)の額については、個人住民税所得割の額の10%が限度となる。

 対象寄附金は地方公共団体に対する寄附金以外の寄附金と合わせて総所得金額の30%を上限とする。納税者は、5000円を超える寄附をした地方公共団体に寄附金の領収書を発行してもらい、その領収書を添付して住所地の税務署に確定申告すれば、寄附をした年分の所得税の還付と、翌年度分の個人住民税の税額控除が受けられる仕組みだ。この寄附金税制の改正は、2008年1月1日以後に支出する寄付金について適用される。

 この「ふるさと納税」の創設が盛り込まれた地方税法改正法が4月30日に公布・施行されたのを受けて、各地方公共団体は、寄附を獲得するために、それぞれのホームページで、ふるさとのPRや「ふるさと納税」の紹介を一斉に始めている。総務省は、地方税格差に向けた効果に期待する一方で、ふるさと寄附金をかたった寄附の強要や詐欺行為も予想されることから、注意を呼びかけている。