セクハラに係る精神障害の労災認定で分科会
セクシュアルハラスメントは、その性質から、被害を受け精神障害を発病した労働者の労災請求や労働基準監督署における事実関係の調査の困難性など、特有の事情があることから、より深く実態を把握した上で労災認定の基準の検討を行う必要がある。このため厚生労働省は、精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会の下、セクハラを始め女性問題に詳しい法学、医学の専門家による分科会を開催して詳細な検討を行うこととなった。
そこで検討事項として、(1)特に心理的負荷が強度のセクハラの位置づけ、(2)「発病前おおむね6ヵ月」とする対象期間、(3)繰り返されるセクハラが評価しやすい方法 、(4)その他運用上で留意すべき事項、について、「セクハラ事案における特有の事情や認定実務上の課題(論点)の整理」及び「参集者による議論及び関係者からのヒアリングを通じて論点を整理」、「整理した特有の事情や課題への対応策の検討」を行う。
想定されるセクハラ事案特有の事情と課題としては、「ある出来事がセクハラに当たるか否かは、被害者の意思によって決まる」→加害者がセクハラであることを否定するおそれがある。「セクハラ事案は、その事実関係を当事者のみが知る場合が少なくない」→客観的証拠がなく、加害者がセクハラの事実を否定するおそれがある。また、労働監督署における事実認定が困難となるなど様々な事情、課題が挙げられる。
このため、「セクハラを受けた」という出来事の平均的な強度についてどのように考えるか。強姦、強制わいせつ等の特に心理的負荷が強いセクハラの取扱いについての明確化。繰り返されるセクハラを適切に評価するために、どのような方策をとることが適当か。6ヵ月より前に発生したセクハラが原因で業務上と認められる精神障害はあると考えられるか、など、セクハラによる精神障害の認定基準の策定を急ぐ。
この件の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011ncr.html