公益法人制度を改革する「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が本年12月1日から施行されることに伴い、2008年度税制改正において、一般社団法人・一般財団法人は、法人税法上、(1)公益法人等に該当する公益社団法人・公益財団法人、(2)公益法人等に該当する非営利法人、(3)普通法人の3つに区分され、非営利型法人になるための要件、法人区分の異動に伴う事業年度や所得計算などに関する整備が行われている。
これを受けて国税庁は、法人税法基本通達を改正し、(1)非営利型法人における特別の利益の意義、(2)主たる事業の判定、(3)理事の親族等の割合に係る要件の判定、(4)公益法人等が普通法人または協同組合等に該当することとなった日等、(5)特例民法法人が公益社団法人等に移行した場合の事業年度(経過的取扱い)など、公益法人関係税制の整備のため、多くの取扱いを新設している。
非営利型法人となるための要件の一つとして「特定の個人または団体に特別の利益を与えることを決定し、または与えたことがないこと」が掲げられているが、改正通達では、この「特別の利益を与えること」とは、例えば、法人が特定の個人または団体に対しその所有資産を無償または通常よりも低い賃貸料で貸し付けているなどの経済的利益の供与または金銭その他の資産の交付で、社会通念上不相当なものをいう旨を明示した。
また、公益法人に該当する非営利型法人となる「会費収入により会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であって、事業を運営するための組織が適正であるもの」については、政令で定められた7つの要件のすべてを満たしている必要があるが、この法人となるための要件の一つとして「主たる事業として収益事業を行っていないこと」が掲げられている。
改正通達では、これに該当するかどうかは、原則として、その法人が主たる事業として収益事業を行うことが常態となっていないかどうかにより判定し、この場合の「主たる事業」は、法人の事業の態様によって合理的と認められる指標を総合的に勘案し、その合理的指標による収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えるかどうかにより判定することを明らかにしている。
法人税基本通達の主な改正点は↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/kaisei/080702/pdf/00.pdf