矢野経済研究所が12日に発表した「2005年版ゴルフ産業白書」によると、2004年ゴルフ用品総出荷市場(輸出を含む)は7年連続のマイナス成長となる2706億5000万円、前年対比96.5%となった。輸出においては、数量ベースでは「ゴルフボール」や「その他ゴルフ用品」が前年実績を上回ったものの、金額ベースでは全商品が前年を下回っており、2004年輸出額は2年連続の減少となる317億9800万円、前年対比95.6%だった。
2004年国内出荷市場は、前年対比96.6%の2388億5200万円で推移し、8年連続のマイナス成長となった。2004年は、ウッド市場におけるコンポジットクラブ、パター市場における新形状マレット、シューズ市場におけるスパイクレス(ソール型スパイク)、また国内女子ツアー人気による業界全体の盛り上がりなど、市場活性化につながる諸要因も散見されたものの、底打ちするまでには至らなかった。
その主要因として、まず気候などの外的要因を挙げている。2004年夏は記録的な猛暑が続き、プレー環境が厳しかったことから、用品市場にもマイナスの影響を与えた。また、アテネ五輪観戦によるプレー機会の減少・用品需要減退のみならず、薄型テレビやDVDプレーヤーなどに消費が回り、ゴルフ用品需要に影響したことや、夏から秋にかけての週末台風の接近・上陸が秋商戦低調の要因となったことなどを挙げている。
そのほかの主要因として、ウッド市場における「ドライバー高反発規制」情報の錯綜による買い控えや、アイアン市場において、単品ウェッジの市場性の高まりは見受けられるものの、10本セットの崩壊による実売本数の影響、スチールシャフト比率の上昇などを主因とした単価の下落により依然底を打たない状況が続いていること、などを挙げている。
なお、2005年のゴルフ用品総出荷市場は、国内出荷市場・輸出出荷高ともに縮小基調で推移することが予測されることから、2004年比99.5%の2692億2500万円となる見込み。また、国内出荷市場は、市況はボール・グローブなどの消耗品などに回復傾向がみられるものの、全体としては依然として微減傾向が予想され、2004年対比99.7%の2382億2500万円で推移するとの見込だ。