不動産証券化市場は順調に成長している。国土交通省によると、2004年度の不動産証券化の実績は資産額ベースで7兆5000億円となり、前年から87%増の飛躍的な伸びをみせ、2004年度末の累計額は20兆円に達した。不動産証券化協会は7日、J-REITやSPCに係る登録免許税の軽減措置の延長などを盛り込んだ2006年度の不動産証券化に関する税制改正要望をまとめ、翌8日に国土交通省と金融庁に提出した。
要望書は、日本経済を資産デフレから完全に脱却させ安定的成長軌道に乗せるためには、都市再生の促進と地方経済の活性化を推進することが重要だと指摘。その実現に向けて、不動産証券化市場をより一層発展させるためには、登録免許税や不動産取得税の軽減措置の延長などの諸施策を引き続き実現させていくことが不可欠だとの、税制改正を要望するにあたっての考えを明らかにしている。
具体的な要望項目では、1)投資法人及び資産流動化法上のSPC等に対する登録免許税の軽減措置の延長・拡充、2)不動産の登記に係る登録免許税の軽減措置の延長、3)不動産取得税における土地の課税標準額(1/2)の軽減延長及び税率(3%)の軽減延長、4)商業地等に係る固定資産税の負担水準を60%(現行70%)に引下げ、5)宥恕規定の導入、6)出資の戻しに関する投資家課税の改善などがある。
5)は、投資法人及び資産流動化法上のSPCなどは、支払配当損金算入要件の判定が会計上の利益と税法上の所得の比較で行われるが、この会計上の利益と税法上の所得が一致しないことによって、「税務調査等による更正」のために過年度の支払配当要件が事後的に満たされなくなる可能性があることから、満たされなくなる場合には事後の分配を認めるという宥恕規定の導入を求めるもの。
同要望書の詳細は↓
http://www.ares.or.jp/works/pdf/zeisei_seido_youbou18.pdf