印紙税は、各種の契約書や領収書などのような経済取引に際して作成される文書にかかる税金だが、一定の文書については非課税とされるものがある。なかには課税か非課税か判断に迷うものも少なくない。そのひとつに駐車場を借りるときの契約書がある。この場合は、賃貸借契約の形態によって取扱いが違ってくるので注意が必要だ。
考えられる契約形態としては、車庫を賃貸する場合があるが、これは車庫という施設の賃貸契約書だから印紙税はかからない。また、駐車場に駐車することの契約の場合も、駐車場という施設の賃貸借契約書だから非課税となる。そのほか、車の寄託(保管)契約もあるが、この場合も車という物品を預かる寄託契約書だから、印紙税はかからない。
一方、駐車する場所としての土地を賃貸借する場合の契約書は、印紙税額一覧表の第1号の2文書「土地の賃貸借の設定に関する契約書」に該当し、記載される契約金額が1万円以上の場合は印紙税がかかる。つまり、記載される契約金額が1万円未満であれば印紙税はかからないが、駐車場の賃貸借であれば1万円以下は考えられないから、ほとんどの場合、10万円以下にかかる200円が課税されることになろう。
印紙税は、通常、作成した文書に印紙を「貼り付ける」ことで納付するが、納付すべき印紙税を貼り忘れたときは、その納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額との合計額、つまり、当初納付すべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が徴収される。ただし、調査を受ける前に、自主的に不納付を申し出たときは1.1倍ですむが、いずれにしろ無駄な税金を払うことがないように注意したいものだ。