民事再生法が2000年4月に施行されて約5年が経過する。同法は、中小企業の再建型倒産手続きの基本法として広く浸透、すでに申請企業は4200社を超えた。帝国データバンクがこのほど発表した「民事再生法の申請日の傾向調査」結果によると、調査対象2746件の申請日の半分近く1307件、47.6%が、毎月21日以降の「下旬」に集中していることが判明した。「上旬」は765件(構成比27.9%)、「下旬」は674件(同24.5%)。
これを日別にみると、多い順に「28日」190件、「29日」161件、27日151件、26日147件、30日143件、25日140件と、25~30日の6日間に集中傾向がみられ、6日間の合計は932件、構成比33.9%で、全体の3分の1を占めている。通常、企業の決済日は月末が多いが、月末数日間に申請日が集中する現象は、資金難に陥った企業が、決済日やその直前のタイミングで駆け込み的に申請するケースが多いことを示している。
企業再生においては、経営破たんに陥る前の傷口の浅いうちならば、債務者は早期の債権が可能で、同時に債権者への配当もより高率なものが期待できる。しかし実際には、民事再生法を申請する企業の多くが、資金ショート寸前のギリギリのタイミングで法的申請をしていることがうかがえ、そのため、同法を申請したものの、当座の資金繰りさえままならず、再生が不調に終わる企業が後を絶たない。
帝国データバンクでは、「現状、民事再生法の“早期申請、早期再生”との考え方が浸透しているとは言い難く、同法の運用面のみならず、申請代理人などの法律家にとっても課題となるのではないか」と指摘している。