連合総研が今年4月に実施した「勤労者の暮らしについてのアンケート」結果(有効回答数932人)によると、5年前と比べた個人間の収入格差は、「拡大した」との回答が6割強(63.6%)を占めた。世帯間の金融資産や不動産の保有額の差の変化についても、「拡大した」がそれぞれ51.1%、36.4%を占めて最多だったが、資産の差よりも収入格差のほうが「拡大した」との回答割合が多い。
個人間の収入格差を拡大させた主な要因(複数回答)については、「パート・派遣労働など非正規雇用が増えた」(51.1%)や「失業や就職難などで収入のない人が増えた」(43.7%)といった雇用形態の変化や雇用情勢の悪化に関する回答が上位を占めた。次いで、「企業間の業績格差の拡大など」(42.5%)や「成果主義的な賃金制度の導入」(35.4%)により賃金の差が広がったとの企業間・企業内における原因を挙げる回答が多い。
職場における社員間の格差については、正社員と非正社員間の賃金・処遇の差は「変化していない」(43.4%)が4割強だったが、「拡大した」(21.8%)が「縮小した」(5.3%)を大幅に上回った。また、正社員のなかでの男女間の賃金格差や教育訓練を受ける機会の差については、「変化していない」が6割前後いるが、それぞれ「拡大した」が「縮小した」を下回っている。
正社員と非正社員間の賃金・殊遇の差について今後は、正社員では「現状のままでいい」が41.2%、「縮小すべき」が22.3%だった一方で、非正社員は「縮小すべき」が39.6%と「現状のままでいい」(18.7%)を大きく上回り、当事者双方の意識に大きな隔たりがあった。男女別にみると、男性は「現状のままでいい」が39.5%でもっとも多く、女性は「わからない」(29.7%)が最多だが、ほぼ同水準で「縮小すべき」(29.0%)が続いた。
同アンケートの概要は↓
http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/kinroukurashi/enquete/No11/gaiyou.pdf