~税効果会計は、どのように取り扱うか?
税効果会計は、会社の状況に応じて、金融機関や取引先との関係も踏まえたうえで、必要な場合には採用することが基本となる。
中小企業においては、大企業と比べ一時差異の生じるケースが多くない。また、それが生じた場合でも、一時差異が少額であることが多いと考えられる。そこで、一時差異が小さい場合など重要性が低い場合には、税効果会計を採用する必要性はないと考えられる。
他方、中小企業においては、経営の変動の幅が相対的に大きいことから、繰越欠損金などに関する繰延税金資産勘定の回収の確実性が疑問視されることが多いと考えられる。そのような場合には積極的に採用すべきではないかと考えられる。
税効果会計を取り入れたほうがいいのは、一時差異が多額であって、重要性が高い場合、例えば、1)有税による不良債権の処理、2)賞与引当金ほかの繰入限度超過額、3)減価償却の限度超過額、4)たな卸資産及び有価証券の評価損の自己否認額などがある場合だ。
(続く)