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09年度業績見通し、企業の5割近くが「減収減益」

経営関連情報 - 2009年04月10日

 世界的な経済危機が深刻化し、企業の収益環境悪化により設備投資の凍結・延期など生産調整が拡大しており、企業の業績動向が注目される。帝国データバンクが3月下旬に実施した「2009年度の業績見通しに関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万983社)によると、2009年度の業績見通し(売上及び経常利益ベース)は、「減収減益(見込み含む)」と回答した企業割合が全体の45.8%と5割近くに達した。

 2009年度は、2008年度の48.8%に続き、2年連続で約半数の企業が「減収減益」としている。一方、「増収増益(見込み含む)」は12.6%と1割強にとどまっており、2009年度は一段と厳しい経営環境に陥る可能性が示された。「減収減益」と回答した企業を業界別にみると、自動車等を中心に「製造」(49.7%)が5割に迫り、2009年度も世界同時不況の影響を払拭できないと考えている企業が多い。

 また、「建設」(48.2%)や「卸売」(46.6%)が多い一方、「農林・水産」(31.3%)や「小売」(31.5%)は3割程度と、内需型の産業間でも業績のバラつきが顕著となった。他方、「増収増益」は、「金融」(21.4%)や「サービス」(17.9%)で多かった。地域別では、「減収減益」は、「東海」(52.8%)と「北陸」(50.9%)が5割を超え、「北関東」(48.5%)、「中国」(47.6%)など、製造業が中心産業となっている地域で軒並み多くなっている。

 2009年度の業績を上振れさせる好材料(複数回答)としては、「欧米の金融危機の早期払拭」が45.1%でもっとも多く、世界的に拡大している金融危機の早期の収束が業績改善に好影響をもたらす要素として挙げられている。次いで「外需(米国経済の回復)」(44.6%)が4割を超えたほか、「株式市況の好転」(36.7%)、「為替動向」(26.8%)など、海外経済や金融市場の改善が上位に挙げられている。

 一方、2009年度の業績を下振れさせる悪材料(複数回答)では、「個人消費の一段の悪化」が57.2%と6割近くに達し、国内需要の最大項目である消費が低迷することが業績を悪化させる最大の懸念材料として挙げられた。次いで「欧米金融危機の長期化」(54.0%)、「外需の悪化」(50.6%)が続いたほか、「雇用の悪化」(40.6%)や「所得の減少」(39.8%)を4割の企業が挙げており、内需、特に消費関連の悪化を懸念する企業が多い。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w0903.html