日本経団連は20日、2006年度税制改正に関する提言を公表し、税財政の抜本改革に向けて2007年度を目途に、消費税率を10%まで引き上げ、その後も段階的に引き上げていくことを提言した。財政の健全化は、歳出削減の先行が不可欠だが、それだけでは困難であり、今後の歳入確保策として、経済活力への影響が相対的に軽微であり、幅広い世代が公平に負担できる消費税の拡充を中心とすべきだとの考えだ。
法人課税に関しては、来年3月末で適用期限が切れる研究開発・IT投資促進税制の延長などを中心に要望した。研究開発税制は、わが国法人課税の基幹的制度として位置づけられるものとして、2003年度改正で3年間の時限措置とされた税額控除率の上乗せなどの延長を求めた。IT投資促進税制についても、企業競争力を維持・確保するうえでIT投資の重要性が高まっており、適用期限の延長が不可欠としている。
また、減価償却制度については、そのあり方が設備投資に係る経営判断に重大な影響を与えるものであり、求められる最大のポイントは投下資金の完全かつ早期の回収であると指摘。現在取得価額の95%までとされている償却可能限度額を100%まで償却できるよう早急な見直しを、耐用年数表の分類の大括り化とともに、企業の競争力の向上、国際的イコール・フィッティングの確保などの観点から求めた。
そのほか、会社法制定に伴う法人課税の見直しのなかでは、役員賞与について、会社法では決算確定手続きとは無関係に「報酬等」として、役員報酬と一体として株主総会決議によって定めることとされたことや、これを踏まえ企業会計においても費用計上に一本化される方向にあると指摘。これまで損金不算入とされている役員賞与の損金算入を認めるべきだとの考えを示した。
日本経団連の2006年度税制改正に関する提言は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/061/honbun.html