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住宅ローン控除、家屋を賃貸の用に供していた場合

税務関連情報 - 2008年09月29日

 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)制度における再適用は、再び居住の用に供した日の属する都市(再居住年)以後の適用年について認められるが、再居住した年に家屋を賃貸の用に供していた場合には、再居住した年は再適用がなく、再居住年の翌年から再適用が認められることとされている。そこで、「家屋を賃貸の用に供していた場合」とはどのような場合をいうのかが問題となる。

 例えば、(1) 家屋を親族に無償で貸し付けた場合、(2)自家用車の駐車スペースを貸し付けた場合、(3)庭の一部を整地し、駐車場として貸し付けた場合、(4)家屋の一部を物置として貸し付けた場合、(5)当初居住の用に供したときから貸店舗併用住宅である場合、の5つのケースではどうなるのか。結論からいうと、賃貸の用に供していた場合には(4)のみが該当し、(1)~(3)及び(5)は該当しない。

 (1)の家屋を親族に無償で貸し付けた場合では、租税特別措置法に規定する「賃貸」とは民法に規定する「賃貸借」をいい、いわゆる使用貸借は含まれないと解されるので、「家屋を賃貸の用に供していた場合」には該当しない。また、自動車の駐車スペースを貸し付けた場合も、このケースは土地の賃貸であることから「家屋を賃貸の用に供していた場合」には該当しない。

 庭の一部を整地し、駐車場として貸し付けた場合も同様だが、駐車場として貸し付けた土地は居住用とは認められないので住宅ローン控除の再適用額の計算に際しては、その貸し付けた土地に係る住宅借入金等の年末残高を除外することになる。また、家屋の一部に貸店舗があった場合も、その部分は住宅ローン控除の適用を受けていないことから、再居住年に貸店舗として賃貸していても、住宅ローン控除の再適用が認められる。

 このように、例示の(1)~(3)及び(5)は「家屋を賃貸の用に供していた場合」には該当しないが、(4)の家屋の一部を物置として貸し付けた場合では、家屋の一部を物置として貸し付けたとしても、賃貸に変わりないことから、「家屋を賃貸の用に供していた場合」に該当することになる。