税 務 関 連 情 報 |
2002年10月28日-002
長者番付は廃止も含め検討との方向で一致
政府税制調査会は、所得税額が1千万円を超える高額納税者を公示する、いわゆる“長者番付”を廃止する方向で検討することを明らかにした。脱税けん制効果という公示制度の役割は終わったことや、社会的に貢献した人がかえって迷惑を被る、プライバシー保護の観点から問題というのが廃止の理由だ。具体的な廃止の時期は未定だが、来年5月が最後の公示という可能性もある。
諸外国をみると、公示制度はないが、第三者通報制度はあるという国がある。例えば、アメリカでは、税金の過少支払いの摘発に役立つ情報や、内国歳入法の規定に違反するものの摘発及び裁判で有罪に導くために役立つ情報を提供した者に、その情報によって新たに徴収された追徴税額や罰金などのうち、15%を超えない範囲の報奨金が支払われる。
それでは、わが国も公示制度を廃止する代わりに第三者通報制度を復活させるのかというと、「日本の環境には合わない」(石弘光税調会長)という意見が大勢を占めたという。今後、公示制度の廃止に向けた議論が行われるが、一方で制度をなくして本来の目的が達成できる方法を探ることも重要課題となる。そこで想定されるのは、資料情報等の収集・蓄積の電子化を進め、調査の有効活用を図るなどの高度情報社会でのIT化がカギを握るが、最終的には納税者番号制度の導入が大きく浮上することは間違いない。
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