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07年度に納税者の主張が認められた割合は1割強

税務関連情報 - 2008年06月25日

 納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する異議申立てや国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と、さらには訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度がある。国税庁・国税不服審判所が18日に公表した不服の申立て及び訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(2007年度)に納税者の主張が何らかの形で認められた割合は全体を通して1割強となった。

 異議申立ての発生件数は、源泉所得税事案が36.8%減と大幅に減少したものの、消費税が8.3%増など全体的に増加し、全体では前年度から9.0%増の4690件だった。処理件数は、「取下げ」891件、「却下」539件、「棄却」2971件、「一部取消」476件、「全部取消」79件の合計4956件だった。納税者の主張が一部でも認められたのは555件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を1.0ポイント上回る11.2%だった。

 税務署の処分を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、徴収関係、相続税・贈与税以外の課税関係事案がすべて増加したことから、前年度から10.0%増の2755件だった。処理件数は、「取下げ」224件、「却下」284件、「棄却」1592件、「一部取消」212件、「全部取消」92件の合計2404件だった。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は12.7%で、前年度より0.4ポイントの微増となった。

 一方、訴訟となったのは、前年度を14.0%下回る345件だった。終結した387件の内訳は、「取下げ」28件、「却下」23件、「棄却」281件、「国の一部敗訴」25件、「同全部敗訴」30件。国側の敗訴割合は14.2%と、前年度に比べ3.7ポイント減少した。これは、昨年度が、ストックオプションの加算税賦課関係事件の敗訴判決が多く含まれたことから17.9%と過去2番目の高水準だったもので、2007年度は例年並みになったともいえる。

 これらの結果、2007年度中に異議申立て・審査請求・訴訟を通して納税者の主張が一部でも認められたのは、処理・訴訟の終結件数の合計7747件のうち914件で、その割合は11.8%と、前年度に比べ0.3ポイント増加している。