わが国の景気は回復基調にあるが、その主因は、輸出の急回復と企業の自助努力による体質改善にある。この景気回復を持続性のあるものにするために、内需主導の経済構造への転換が求められる。そこで、経済同友会はこのほど、GDPの6割を占める個人部門を活性化させるけん引役のひとつとして住宅に焦点を当て、住宅に関する税の軽減などを求める提言を公表した。
そこでは、やみくもに住宅投資を増加させるのではなく、長期的な視点から「住宅価値」を増大させる政策を提言。住宅の耐震性強化、床面積拡充、高耐久化、省エネ化など優良な住宅の新規供給を促進するとともに、個々の「住宅価値」の最大化を促し、全体として良質な住宅ストックとして整備する政策を求めている。その政策のひとつとして、個人を支援する金融・税制面のサポートがある。
具体的には、1)恒久的な住宅ローン利子の所得控除制度の導入(当面は、住宅ローンに係る税額控除制度との選択適用を可能とする)、2)居住用不動産の譲渡損失に係る繰越控除期間の延長、繰戻還付制度の創設、3)不動産取得税は全廃を視野に整理、登録免許税は手数料相当額に見直し、4)土地を除く住宅取得に課される消費税をはじめ、住宅に関する諸税のあり方の見直し、などを掲げている。