東京都はこのほど、固定資産税などの都税滞納者から差し押さえた絵画や掛け軸、小判などの動産をインターネット・オークションで7月中旬に公売することを明らかにした。全国の自治体では初めて試みとなる。ポータルサイト最大手のヤフーの公売用オークションシステムを利用する。都では、インターネット公売によって入札者が大幅に増加し、より高価な売却ができると期待している。
これまで、差し押さえた動産の公売は、都主税局のホームページなど限られた広報だけで、入札も決まった日時に公売会場へ足を運んで公売物件ごとに一度だけしかできないために、入札への参加者は極めて少ない状況だ。例えば、2002年度に絵画を公売したときは、入札への参加者が2回はゼロで3回目にやっと1人が落札したという。
これに対してインターネット公売では、世界中多くの人へ公売情報を知らせることができ、誰でもがいつでも何度でも競り売りに参加できることから、入札者の大幅な増加、ひいてはより高価な売却が見込まれる。現在のヤフーオークションでは、例えば、絵画1点あたり19人の平均入札者が参加している。
インターネットでの公売用オークションシステムは、出品された差押さえ動産の入札希望者はID番号などを登録して入札に参加し、公売期間中は何度でも入札でき、最後に最高価格をつけた人が落札する仕組み。システム利用料金は滞納処分費として滞納者から徴収するが、落札額が滞納者の未納額や滞納処分費などの合計を上回った分は滞納者に還付する。