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07年度労災認定、過労死等・精神疾患が過去最悪

経営関連情報 - 2008年05月23日

 2007年度に脳梗塞などの脳・心臓疾患で労災認定された人が前年度を10.4%上回る392人、また、職場のストレス等が原因でうつ病などの精神疾患にかかり労災認定された人も、同30.7%上回る268人といずれも過去最悪となったことが、厚生労働省のまとめで分かった。近年、長時間労働による働き過ぎだけでなく、仕事の重圧・ストレスが原因で精神疾患となるケースも増えており、労働環境の改善が求められる。

 脳・心臓疾患での労災申請は前年度に比べ0.7%減の931人だったが、精神疾患の労災申請は同16.2%増の952件となり、調査開始以来初めて精神疾患の申請が脳・心臓疾患を上回った。労災認定された人のうち、脳・親族疾患では142人が過労死と認定されており、また、精神疾患では、自殺(未遂を含む)した人が前年度を15人上回る81人にのぼり、2年連続で過去最悪を更新している。

 業種別にみると、脳・心臓疾患では「運輸業」が請求件数(193人)、認定件数(101人)ともに多く、精神疾患では「製造業」が請求件数(175人)、認定件数(59人)ともに多い。職種別にみると、脳・親族疾患では「運輸・通信従事者」が申請件数(182人)、認定件数(93人)ともに多く、精神疾患では医師やエンジニアなどの「専門的・技術的職業従事者」が申請件数(243人)、認定件数(75人)ともに多い。

 労災認定者を年齢別にみると、脳・心臓疾患では「50代」が163人、「40代」が115人である一方、精神疾患では「30代」が100人、「20代」が66人と、若年層が多い。また、労災認定者の残業時間(1ヵ月平均)をみると、脳・心臓疾患では「80時間以上100時間未満」(135人)が最多だが、精神疾患では「80時間以上」が111人いる一方、「20時間未満」も72人おり、精神疾患の原因が長時間労働だけでないことがうかがえる。

 2007年度の「脳・心臓疾患及び精神疾患の労災補償状況」の詳細は↓
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0523-2.html