A社は、福利厚生のアウトソーシングサービス会社と契約して、ポイント制のカフェテリアプランを導入する予定だ。このケースでは、全従業員に年間5万ポイント(5万円相当)が付与され、従業員は、付与されたポイントの範囲内で、一定の利用要件に従いあらかじめ定められた各種健康診断の費用の補助や映画・観劇のチケットの購入代金の補助など約50のメニューの中から選択してサービスを受けることができる。
ただし、残ポイントを次年度に繰り越したり、現金で精算することができない。このようなカフェテリアプランの下で従業員にポイントが付与された場合、そのポイントの付与時に経済的利益を受けたものとして課税関係が生じるが、その経済的利益については、原則として従業員がそのポイントを利用してサービスを受けたときに、そのサービスの内容によって課税・非課税を判断することになる。
カフェテリアプランのメニューの中には、課税扱いと非課税扱いが混在しているが、メニューの各項目は、一定の要件に該当しなければサービスが受けられないものであり、また、そのサービスを受けられないことによって金銭が支給されるものではないので、従業員に付与されるポイントについては、現に従業員がポイントを利用してサービスを受けたときに、その内容に応じて課税関係を判断すべきものとされている。
ただし、企業の福利厚生費として課税されない経済的利益とするためには、役員・従業員の職務上の地位や報酬額に比例せずに均等にポイントが付与されるものでなければならない。また、課税されない経済的利益は、企業から現物給付の形で支給されるものに限られるので、ポイントを現金に換えられるなど換金性のあるカフェテリアプランは、そのすべてについて課税されることとなるので注意する必要がある。