社会経済生産性本部が上場企業を対象に実施した「企業の生産性に関するアンケート調査」結果(有効回答数203社)によると、今年度日本全体の労働生産性は「昨年度より低下する」とした企業が34.7%で、昨年6月の前回調査から28.0ポイント増と大幅に増加した。反対に「高くなる」とした企業は18.9%にとどまり、前回調査から34.3ポイント減少。慎重あるいは悲観的な見方が急増している。
昨年度の自社の労働生産性の状況については、一昨年度より「伸びた」とする企業は43.2%で、前回調査より10.7ポイント低下、「変化なし」が34.7%で同7.9ポイント増加、「低下した」が22.1%で同2.8ポイント増加という結果となった。また、今年度自社の労働生産性の見通しは「昨年度より伸びる」とした企業が37.8%で同21.6ポイント低下、「変わらない」が48.0%で同18.1ポイント増加となった。
昨年度生産性が向上した企業のその主な要因は、「売上増」が59.3%、「高付加価値化」が37.2%、「設備投資」が36.0%。また、生産性が低下した企業は、「売上伸び悩み」が60.5%、「労働投入量の増加」が51.2%、「原材料費の値上げ」が46.5%となっている。自社の労働生産性を左右する外的要因は、「原材料費の動向」が製造業(56.7%)で昨年度より9.3ポイント、非製造業(33.3%)で同6.6ポイント上昇している。
経営課題として、最近3年間重視してきたものと今後重視していくものは、いずれも「製品・サービスの高付加価値化」、「マーケティングや販売体制の強化」が1、2位を占めた。今後重視する経営課題をみると、「従業員のモチベーション向上」が40.3%、「研究開発の強化」が33.8%と、最近3年間より、それぞれ11.9ポイント、7.4ポイント多く、人的資本・知的資本などのいわゆる無形資産に関する経営課題を重視している。
同アンケート調査結果の概要は↓
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000877/attached.pdf