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税務関連情報 (2006/11/27)

外部の業者に委託したHP製作費用の会計処理は?

 商品販売や広告宣伝の一環としてホームページを開設する企業は多い。税務上、そのHPの製作費用は、1)データベースにアクセスできる機能やプログラム機能を有するものは無形固定資産、2)これらの機能がないものは、通常は頻繁に更新され、製作費用の支出の効果が1年以上に及ばないものと考えられ、支出時の損金、3)同機能がなく、使用期間が1年を超えるものは前払費用、として処理することとされている。

 1)の場合は、製作費用のなかにデータベースやネットワークとアクセスするためのコンピュータプログラムの作成費用が含まれており、その部分の費用は無形固定資産(ソフトウェア)として資産計上し、耐用年数5年で定額法により減価償却することになる。ただし、その費用に相当する金額が10万円未満の場合は全額を一時の損金に算入し、20万円未満の場合は一括償却資産として、3年で3分の1ずつ損金算入することもできる。

 問題は3)のHPにソフトウェアが組み込まれておらず使用期間が1年を超えるケースだ。その製作費用は使用期間に応じて均等償却することになるため、前払費用等の計上が必要となり支出時の全額損金算入はできないとされている。しかし、そもそも商品販売や広告宣伝を目的とする企業のHPに、使用期間が1年未満のサイトといったものがあるのだろうか。そうすると、2)との兼ね合いはどうなるのかという疑問が湧く。

 したがって、プログラム機能のない広告宣伝目的の企業サイトは、製作費用の支出の効果が1年以上及ばないとして、支出時に全額損金算入処理してもあまり問題はないと解釈する実務家もいる。なお、2000年3月31日以前に取得したソフトウェアについては、税務上、繰延資産として5年で均等償却することとされていた。したがって、繰延資産として計上しているソフトウェアは、以後も従来通り繰延資産として償却計算することになる。