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税務関連情報 (2006/09/11)

課税仕入れとならない一時所得となる社内報奨金

 社内提案制度を設け、業務上有益な発明や考案、創作をした社員に対し報奨金などを支給する企業は多い。こうした発明等に係る報奨金は発明等の内容や支給形態によって所得区分も異なり、その区分に応じて消費税の課税仕入れの可否も異なる。例えば、報奨金の区分で一時所得とされるものは、その支給について、法人からの贈与として対価が認められないことから、資産の譲渡等の対価には該当せず、課税仕入れとはならない。

 社員の発明にかかる報奨金の所得区分については、社員が職務上有益な発明等をして、その発明等に係る特許や実用新案登録などを受ける権利を会社に譲り渡すことで一時に支払われるものは譲渡所得、その後特許権から生じる利益に応じて継続して支払いを受けるものは雑所得と規定している。

 また、特許を受けるまでには至らない事務や作業の合理化、経費の節約などに役立つ工夫・考案などをした社員に支払われる報奨金は、その工夫などが通常の職務の範囲内でのものであれば給与所得、通常の職務としていない社員がたまたま工夫して受ける場合は、一時に支払われるときは一時所得、継続的に支払われるものは雑所得とされている。

 税法では、「一時所得とは、雑所得を除く他の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務または資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう」とされ、法人からの贈与により取得する金品は一時所得に該当するとされている。消費税法では、贈与は資産の譲渡等の対価としての性質を有しないことから課税の対象外としている。

 したがって、一時所得とされる報奨金については、資産の譲渡等の対価に該当しないため、消費税の課税の対象とならず、課税仕入れともならないことになる。