消費税率引上げ法案衆院可決で経済界賛否
消費税増税法案をはじめとする社会保障と税の一体改革関連法案が6月26日の衆院本会議で可決されたことを受け、経済界から賛否様々なメッセージが寄せられている。日本経団連の米倉昌弘会長は、「野田総理のリーダーシップと党派を超えた取組みにより、社会保障・税一体改革関連法案が衆議院で可決されたことを高く評価する」とし、参院での早期可決を期待。また、社会保障制度改革国民会議の速やかな設置を求めた。
経済同友会の長谷川閑史代表幹事も、「民主党・自由民主党・公明党の3党が修正合意に基づいて提出した社会保障・税の一体改革関連法案について、衆院本会議での採決が行われ、賛成多数で可決されたが、今後、参院本会議でも速やかに審議を進め、早期成立を図ることを望む。本法案の成立は、ひっ迫する社会保障財源の確保のみならず、国家としての財政再建への具体的意思表示としても極めて重要」と衆院可決を歓迎した。
日本商工会議所の岡村正会頭は、「社会保障と税の一体改革は、将来世代に負担を先送りしないためにも不可避の改革である。今後、政争に時間を浪費することなく、同法案が早期に参院にて可決され、成立することを期待する」としたが、「消費税の引上げは、景気や経済、中小企業経営に大きな影響を与えるため、景気に配慮し、価格転嫁対策をしっかりと講じていただきたい」と、中小企業への配慮を強く求めた。
これに対し、日本チェーンストア協会の清水信次会長は、「民意を反映しないままに可決されたことは、誠に遺憾で、仮に推し進めるのであれば、現在の状況を前向き、上向き、外向きのプラス発想に変え、財政出動を行ってでも、閉塞感を払拭するような施策の実行が不可欠」とした。「長きにわたり続いているデフレ経済下において、緊縮財政を進めている中での税率引上げは、無謀であるといわざるを得ない」とコメントした。