ゼイタックス

経営関連情報 (2004/02/16)

中小企業も決算書を公開する時代(25)

~キャッシュフロー計算書に代わるべきものはあるか?

 キャッシュフロー計算書の作成が会社にとって事務負担となる場合でも、何らかの簡易な方法で資金の動きを明確に把握することが望ましいだろう。そのひとつの方法が「資金繰り表」の活用である。資金繰り表の様式は、活用しやすいように自社独自のものを作成しても構わない。

 一例を紹介すれば(本来は表形式が分かりやすいが我慢していただきたい)、主要項目は、1)前月繰越(金)、2)収入(売上関係・その他の入金・収入合計)、3)支出(原価関係・人件費の支払・その他の経費の支払・その他の支払・支出合計)、4)差引過不足、5)財政支出(借入金・手形割引・設備投資・借入金返済)、6)次月繰越(金)となる。

 収入の売上関係は、売掛金の回収・受取手形の期日入金・現金売上・前受金の入金など、支出の原価関係は、買掛金の支払・支払手形の期日決済・未払金の支払・現金支出などの項目に分かれる。以上、これらの各項目の欄に、3ヵ月の実績値及び3ヵ月の予測値を記入する。

 資金の動きを明確に把握しない経営は、含み資産に頼った経営であり、お金の流れの見通しが悪く、資金が必要になって慌てて資金調達に奔走することが少なくない。一方、キャッシュフロー経営は、キャッシュの視点から経営計画を立て、日頃からキャッシュの重要性を認識することで、早い時点で危険が察知できることになる。

(続く)