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選抜した正社員の能力を高める教育訓練を重視

経営関連情報 - 2009年06月15日

 厚生労働省が昨年10月から11月にかけて実施した「2008年度能力開発基本調査」結果(有効回答数2875社、4561事業所)によると、正社員に対する教育方針は、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」を重視する企業が59.5%、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業が40.4%となった。2年前の2006年度調査と比べると、前者は12.3ポイント増加しており、後者を上回った。

 一方、非正社員に対する教育方針については、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」を重視が54.1%、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視が46.0%。2年前と比べ、前者は14.4ポイント増加した。また、教育訓練の方法について、「外部・アウトソーシングの活用」と「社内での実施」のどちらを重視しているのかをみると、正社員はほぼ半々になっているのに対し、非正社員は「社内での実施」を重視しているものが多い。

 教育訓練の実施状況をみると、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)であるOFF-JTの正社員に対する実施率は76.7%で前年度(77.2%)とほぼ横ばいだった。業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」(93.5%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(88.8%)、「金融業、保険業」(88.1%)などで高く、「不動産業、物品賃貸業」(67.5%)や「宿泊業、飲食サービス業」(67.8%)などで低い。

 日常的な業務に就きながら計画的に行う教育訓練であるOJTの正社員に対する実施率は59.4%で前年度から13.6ポイント増加。業種別では、「金融保険業」(92.2%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(86.2%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(72.5%)などで高く、「不動産業、物品賃貸業」(43.0%)などで低い。企業規模別にみると、規模が大きくなるほど実施率は高くなる傾向にあり、OFF-JTと比べて規模による差が大きい。

 一方、非正社員に対するOFF-JT実施率は35.0%と、正社員と比べると低い水準にとどまっている。業種別にみると、「医療、福祉」(71.3%)、「金融業、保険業」(58.9%)で高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」(24.0%)、「不動産業、物品賃貸業」(24.0%)などで低く、正社員に比べ業種間での違いが大きい。また、非正社員に対するOJT実施率も23.8%と、正社員と比べると低い水準にとどまっている。

 同基本調査結果の概要は↓
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/dl/h0610-1a.pdf