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税務関連情報 (2006/09/27)

同友会、エンジェル税制の拡充を要望

 経済同友会は21日、2007年度税制改正に向けて「イノベーションを促進するエンジェル税制の拡充を」と題した要望書を公表した。同税制は、個人投資家が一定要件を満たすベンチャー企業に投資した場合、投資額をその年の株式譲渡益から控除(繰延)。さらに、譲渡益が発生した場合は、譲渡益を2分の1に圧縮し、譲渡損が発生した場合は、損失を他の株式譲渡益から翌年以降3年間に限り繰越控除するもの。

 同友会は、エンジェル税制の利用実績がごくわずかにとどまっている要因は、ベンチャー企業に対する同税制適用要件にあるとして、現行適用要件のうち、1)新たな事業を実施するために売上高の一定割合の費用を支出(例えば3%以上を研究開発費に支出)、2)外部からの投資を投資時点で6分の1以上取り入れている会社であること、の2要件を撤廃することを求めている。

 また、株式譲渡損が発生した場合の損失控除の対象範囲を、現行の他の株式譲渡益から「金融所得」まで拡大し、繰越控除期間も現行の3年間から「5年間」に延長することを要望している。ちなみに、米・英・仏の譲渡損の扱いをみると、各国とも他の所得との損益通算が可能であり、繰越控除期間は米・英は無期限、仏は5年間となっている。せめてフランス並みに延長してほしいということだろう。

 これらの改革に加え、ベンチャー・キャピタル(VC)や投資組合の投資先企業への投資については、株式譲渡損が発生した場合は、損失控除の対象範囲を「金融所得、給与所得、事業所得」まで拡大し、繰越控除期間も5年間とするなど、さらに優遇措置を拡大することを要望。上場VCや国の認可を受けたVC団体に加盟するなどの一定要件を満たすVCによる投資先は、大きく成長・発展する可能性が高いとみている。

 同友会の要望の詳細は↓
 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2006/pdf/060921.pdf