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景気DI、内需の下支えにより2ヵ月連続で改善

経営関連情報 - 2009年05月15日

 帝国データバンクがこのほど発表した「TDB景気動向調査(全国)」結果によると、4月の景気動向指数は、前月比1.0ポイント増の20.4となり、企業の低価格戦略や年度末需要により13ヵ月ぶりに回復した3月に引き続き、2ヵ月連続の改善となった。0~100で採点する景気DIは、50を境にそれより上であれば「良い」超過、下であれば「悪い」超かを意味し、50が判断の分かれ目となる。

 4月の景気動向を業界別にみると、企業の低価格戦略が広がり、高速道路料金の割引や定額給付金などの政策的な後押しも消費を刺激したことで、「小売」(23.7)や「サービス」(24.0)など内需関連業界の改善が目立った。中国の内需刺激や米経済の底打ち観測への期待、国内の在庫調整の進展などにより、「製造」(18.7)も底上げされるなど全10業種で改善したが、昨秋以前の水準には遠く及ばず、各業界とも厳しい状況が続いた。

 地域別では、前月と同水準だった「中国」(22.4)を除く9地域で改善した。地方圏を中心に底堅い内需関連業界が地域経済を下支えしたが、外需の低迷が製造を始め小売や物流など地域経済を幅広く下押ししている「東海」(17.6)などでは、低価格戦略や消費刺激策も限定的で、改善は小幅にとどまった。景気DIの改善は昨秋以降の急速な悪化を調整している段階にあり、国内景気は後退期における踊り場の局面が続いている。

 また、規模別では、「大企業」(22.4)は前月比1.3ポイント増、「中小企業」(19.8)は同0.9ポイント増、「小規模企業」(19.3)は同0.8ポイント増と、すべてが2ヵ月連続で改善した。なお、先行き見通しDIは、「3ヵ月後」が24.7、「6ヵ月後」が29.1、「1年後」が36.3となっており、2ヵ月連続で3指標すべてが改善したが、外需は弱く内需も先行き不透明であることから、国内景気は踊り場の局面が続くとみられている。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/pdf/200904_jp.pdf