産労総合研究所が実施した「2009年中高年層の処遇と出向・転籍等の実態に関する調査」結果(有効回答数284社)によると、中高年層の賃金減額について、「一定年齢で何らかの減額を行う」とする企業は34.5%となった。賃金減額を行う企業は一貫して減少しており、1993年の第1回調査では72.8%だったものが、1997年65.0%、2000年68.3%、2003年38.1%、2006年32.0%と減少を続け、今回は、前回とほぼ同水準となった。
賃金減額を行う企業の内容をみると、74.5%が「全社員」を対象にしており、減額の開始年齢は、旧定年の「55歳」が38.6%、次いで「56歳」が21.4%。減額の対象となる賃金項目は、「基本的賃金(本給や基本給など)」が79.6%でもっとも多い。基本的賃金の平均的な減額率は13.6%で、前回調査の13.9%とほぼ同じ割合だが、賞与・一時金の平均的な減額率は22.8%で、前回の35.3%より低くなっている。
役職定年制度を導入している企業は36.3%で、うち72.8%が「すべての役職について、同一年齢で一律に設定」している。役職は「主任以上」が40.0%、役職定年(離脱)の年齢は平均56.3歳だが、後任者がいないなどの場合、50.5%の企業は制度を柔軟に運用している。役職離脱後の職務は、「人によって異なる」が44.7%を占め、個別対応で新たに決定する企業が多い。「専任職」(29.1%)や「専門職」(21.4%)になる割合も比較的高い。
早期退職優遇制度を導入している企業は18.7%で、2006年調査の28.5%から大きく減少している。そのうち56.7%が「一定年齢以上を一律に対象」としており、対象年齢は35歳から56歳までばらついているが、対象年齢の平均は49.0歳。退職金優遇の内容は、「定年扱いの係数+特別加算金」がもっとも多く60.0%で、同年齢の自己都合退職と比べて、退職金が「3割増」以上になる企業が35.5%となっている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/sanro_p091015.pdf