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12月企業倒産949件、16ヵ月連続の前年同月比減少

経営関連情報 - 2011年01月19日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、昨年12月の倒産件数は949件にとどまり、前月比は1.5%の増加となったものの、前年同月比は7.1%の減少となった。16ヵ月連続で前年同月を下回り、6ヵ月連続の900件台。中小企業金融円滑化法による返済猶予や緊急保証制度が件数減少に寄与する一方、負債5000万円未満の零細企業の倒産は5ヵ月連続の前年同月比増加となった。

 また、負債総額は2168億5500万円となり、前月比は20.8%、前年同月比も27.7%の減少となった。8月(1692億3300万円)に次いで2010年2番目の低水準となるとともに、2ヵ月連続の前年同月比減少となっている。これは、負債100億円以上の大型倒産が、不動産コンサルティングの(株)シーシーエム(負債142億円、東京都)の1件のみにとどまったことなどが要因にある。

 業種別にみると、運輸・通信業を除く6業種で前年同月を下回った。なかでも、不動産業(21件)は前年同月比53.3%の大幅減少で2010年最低を記録。製造業(150件、前年同月比▲10.7%)も12ヵ月連続で前年同月を下回り、前年同月比減少率は二ケタとなった。建設業(262件、同▲3.0%)は2ヵ月ぶりに前年割れとなり、北陸(8件、同▲55.6%)、四国(2件、同▲71.4%)で減少が目立った。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業倒産は468件発生し、5ヵ月連続の前年同月比増加となり、構成比は49.3%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は1件で、8月の0件を含め20ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。中小企業は948件で倒産全体の99.9%、小規模企業も810件で構成比85.4%を占め、6月の改正貸金業法の完全施行の影響などもあり、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1012.html