銀行120行の2009年3月期単独決算の中小企業等貸出残高は、中小企業向け金融支援である「緊急保証制度」開始の追い風があったものの、全体としては2年連続で前年同期を下回ったことが、東京商工リサーチの調査で分かった。銀行120行の2009年3月期単独決算ベースの中小企業等貸出残高は、総貸出金残高が前年同期比4.0%増となる中で、同0.3%減の295兆7711億8600万円となり、2年連続で前年同期を下回った。
ただし、前年同期比増減額では、120行のうち63行で貸出残高を増やした。増加額が最も大きかったのは「中央三井信託銀行」の4661億6700万円増、次いで「福岡銀行」の2108億9800万円増で、増加額100億円以上は49行(前年同期41行)だった。これに対して貸出金残高減少行は57行となり、減少額が最も大きかったのは「みずほコーポレート銀行」の8715億円減で、減少額100億円以上は39行(同50行)だった。
総貸出金残高に占める中小企業等貸出金比率は、2009年3月期単独決算ベースで平均67.7%となり、前年同期より3.0ポイント低下した。個別では、「スルガ銀行」の94.2%がトップ、次に「関西アーバン銀行」の94.0%、「静岡中央銀行」の92.3%など。これに対して貸出金比率が低かったのは、「みずほコーポレート銀行」の35.2%、「みずほ信託銀行」の40.1%、「住友信託銀行」の47.6%などだった。
業態別では、地銀64行が前年同期比1.5%増の111兆3991億5900万円。第二地銀44行が同0.6%減の35兆5831億2600万円。大手他12行が同1.6%減の148兆7889億100万円。内訳をみると、地銀64行では、前年同期比増加行が44行となり、貸出金残高増加行が約7割を占めた。これに対して第二地銀44行は、減少が28行、増加が16行で減少が過半を占めた。また、大手他12行は減少が9行、増加が3行だった。
同調査結果の詳細は↓
http://www.tsr-net.co.jp/new/data/1189311_818.html