ゼイタックス

経営関連情報 (2004/01/19)
中小企業も決算書を公開する時代(17)

~リース取引は、どのように取り扱うか?

リース取引とは、特定物件の所有者から、リース期間の間それを使用する権利を受ける代わりに、リース料として対価を支払う取引のことをいう。

 リース取引については、通常中小企業が行っている一般的なリース取引、ファイナンス・リース取引のうち、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借り手に移転すると認められるもの以外の取引については、賃貸借取引として処理する。リース取引が事実上物件の売買取引と同様の状態にあるとみなされる場合は、原則として売買取引として処理する。

 設備投資を行う場合に、リースによるか購入によるかで決算書への影響が異なる。まず、貸借対照表における表示は、リース(賃貸借取引とされる場合、以下同)では、貸借対照表には計上されない(ただし、重要なリース取引は、貸借対照表に注記を行う)が、銀行借入による購入では、固定資産に計上される。

 次に、損益計算書における表示は、リースでは支払ったリース料が費用として計上されるが、銀行借入による購入では、固定資産の減価償却計算を通じて、減価償却費が費用として計上される。また、キャッシュフローについては、リースでは、リース期間内において、原則として均等の支出が行われ、購入では、銀行借入金の返済期間内で支出が行われる。

 以上のことを比較検討して、自社に有利な選択をすることが重要だ。

(続く)