IP電話とは、音声をパケットという小さなデータに分割してインターネット回線などで送受信する仕組みの電話、いわゆる「インターネット電話」と呼ばれているもの。「小規模事業経営者とIP電話」というテーマでアンケートを行ったのは(株)フォーバルである。その結果(有効回答数476人)、IP電話に対する小規模事業経営者の認知度は、多少なりとも「知っている」人が6割以上を占めた。
内訳は、「実際に使用中」(24.4%)をはじめ、「多少知っている」(24.6%)、「導入検討のため調べた」(15.1%)など。「耳にするがよく知らない」は29.0%。IP電話によるコスト削減や業務効率化が注目されるものの、認知度・利用度ともに爆発的に増えるのはこれからのようだ。
実際にIP電話を導入した場合に懸念されるデメリット(複数回答)としては、「電話番号が変わってしまう」(40.6%)と「音声品質が悪い」(〃)がトップ。現状のIP電話の多くは、050から始まる新しい電話番号に変えるか、着信用に既存の電話を残す必要がある。今後は一般番号ポータビリティ(従来の電話番号をそのまま移行)が可能なIP電話のニーズがいっそう高まってくると思われる。
逆にIP電話を導入した場合に期待するメリット(複数回答)は、やはり「国内通話料を削減できる」が最も多く63.9%。次が「NTT基本料金が削減できる」(46.6%)だが、これは無条件に削減できるわけではなく、現実には着信用や緊急通報用に既存の電話回線を併用しながら運用するケースが多い。とまれ、小規模事業経営者の間でもIP電話の存在は深く浸透しつつあるが、実際の利用までにはもう少し時間がかかりそうだ。