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経営関連情報 (2004/03/17)

目立つ従業員数5人未満の小規模企業の破産増加

 2003年の倒産件数は年間を通して前年同月を下回ったが、一方で小規模企業を中心とした破産の増加が目立った。東京商工リサーチがこのほど発表した2003年破産動向調査結果によると、2003年の破産は、前年比0.3%(18件)増の5436件で年間過去最多となった。年間倒産1万6255件に占める破産の割合は33.4%で倒産企業の3分の1を占めた。

 最近の年間破産件数は、99年2221件、2000年2924件、2001年4027件、2002年5418件と推移し、2003年まで4年連続で増加している。この背景には、2000年12月に東京地裁が企業の破産手続きを大幅に簡素化した「法人少額管財手続き」を新設するなどの影響がある。2001年以降は倒産増加に拍車がかかっている。

 破産件数を従業員規模別にみると、「5人以上10人未満」が前年比8.0%減、「10人以上20人未満」が同21.0%減、「20人以上50人未満」が同13.9%減、「50人以上300人未満」が同30.8%減という状況のなかで、「5人未満」は前年の2865件から13.7%増の3260件と大幅に増えたのが目立つ。破産全体の6割が「5人未満」の小規模企業である。

 また、負債別にみると、「10億円以上」が前年比19.9%減、「1億円以上5億円未満」が同13.1%減であるのに対し、「1千万円以上5千万円未満」は同23.2%増、「5千万円以上1億円未満」が同3.0%増となった。この結果、「1億円未満」は同15.6%増の3217件で、負債が小規模な破産が全体のほぼ6割を占めた。

 このように、小規模企業を中心とした破産の増加が目立ったことについて、東京商工リサーチでは、「解体・消滅する企業の増加は、2003年の倒産減少が景況改善によるものではないことを物語る」とみている。