倒産の沈静化が目立つなかで、2004年の年間倒産(1万3679件)に占める破産の構成比は、過去最高の39.1%と約4割を占めたことが、東京商工リサーチの破産動向調査でわかった。2004年の破産は前年比1.6%減の5349件ながら、構成比では前年を5.7ポイントも上回った。破産件数は、東京地裁が2000年12月に新設した破産手続きを大幅に簡素化した「法人少額管財手続き」が全国的に広まって以降、増加に拍車がかかっている。
調査結果によると、2004年の破産件数を従業員規模別にみると、「5人未満」が前年比8.3%増の3531件となり、従業員数が小規模な企業の破産が増勢をみせた。このほか、「5人以上10人未満」が同12.2%減の878件、「10人以上20人未満」が同11.9%減の547件、「20人以上50人未満」が同30.2%減の302件、「50人以上300人未満」が同26.0%減の88件だった。結局、「5人未満」の小規模企業の倒産のみが目立った。
破産の負債総額は、前年比55.5%減の1兆5056億円となった。負債額別では、「10億円以上」が同27.9%減の263件、「5億円以上10億円未満」が同15.2%減の283件、「1億円以上5億円未満」が同12.0%減の1337件、「5千万円以上1億円未満」が同8.1%減の989件と、負債5千万円以上ではすべての層で減少した。これに対して、「1千万円以上5千万円未満」では同15.7%増の2477件と、負債が小規模な破産が約5割を占めた。
なお、破産による従業員被害者数は、小規模企業の破産多発の影響で前年比17.9%減の3万6442人にとどまった。このように、2004年の破産は小規模企業の増勢が目立ったが、「これは、大企業を中心とした景気回復を横目に、収益の改善が見込めず、再建または事業継続を断念する小規模企業の現状を浮き彫りにした」と東京商工リサーチはコメントしている。