ゼイタックス

税務関連情報 (2004/01/05)
長期譲渡は20%など土地譲渡益課税の引下げ

 土地譲渡益課税が5年ぶりに見直される。2003年度税制改正では、所有期間5年を超える土地・建物等の長期譲渡所得課税の特例について、税率軽減の特例を廃止し、現行の税率26%(所得税20%、住民税6%)を20%(同15%、5%)に引き下げる。5年以下の短期保有の場合の短期譲渡所得課税の特例についても、現行税率52%(同40%、12%)を39%(同30%、9%)に引き下げる。

 また、都市再開発や大規模分譲宅地の造成といった優良住宅地の造成などのために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、軽減税率を引き下げたうえ、適用期限が5年延長される。現行では、譲渡益が4千万以下の部分が20%(所得税15%、住民税5%)、4千万円を超える部分は26%(同20%、6%)に軽減されているが、改正後は2千万円以下の部分が14%(同10%、4%)、2千万円超の部分が20%(同15%、5%)にさらに引き下げられる。

 これらの改正は、2004年1月1日以後に行う土地・建物などの譲渡について適用される。資産デフレ脱却に向けた改正で土地取引の活性化が期待される。しかし、バブル崩壊以降の地価の下落が続くなか、ほとんどの土地が評価損を抱え、譲渡しても売却益が出ないとなれば減税効果も限られたものになるとの指摘もある。

 なお、2003年12月末が適用期限の法人に対するいわゆる「土地重課制度」は適用停止措置の期限が5年延長された。これは、通常の法人税のほかに、土地等の譲渡益に対して特別税率による法人税額が課される制度。税率は、所有期間5年超の一般の土地については5%、2年超5年以下の短期所有土地は10%となっている。2年以下の超短期所有土地に対する重課は1997年12月末で廃止されている。