ゼイタックス

税務関連情報 (2004/03/26)

消費税の総額表示が税法で規定された不思議!!

 消費税の総額表示の義務づけは2003年度税制改正で決められたものだが、その規定は、法律上、新消費税法第63条の2《価格の表示》として定められている。ところが、この税法に規定されていることに疑問を持つ実務家も少なくない。「価格の表示方法という税金とはまったく関係がないものを、なぜ税法で規定するのだ」ということだ。

 ヨーロッパ諸国などの消費税(付加価値税)における総額表示は、消費者保護法などの法律に基づいて行われる価格表示に関する規制によって義務付けられている。わが国でも、景品表示法などで義務づけるべきではないのか、という疑問だ。「税金にまったく関係のないことを税法で規定した例は過去に見当たらない」と、指摘した実務家は不思議がる。

 言われてみれば、確かにその指摘に説得力はある。あまりおおごとにしたくなかったので、消費税法の隙間にドサクサ紛れでそっと入れ込んだ感がある。ちなみに、消費税法第63条は「官公署等への(調査等の)協力要請」を定めた条文である。それが「価格の表示」とどんな関係があるというのか…。演歌ショーのなかにジャズシンガーが紛れ込んだような異質さである。