環境省は25日、2006年度税制改正に盛り込むべく環境税の最終案をまとめ公表した。基本的には昨年11月に打ち出した案と変わらず、化石燃料に含まれる炭素1トンあたり2400円を課税する。ただし、今回の案では、ガソリンや軽油、ジェット燃料については、原油価格の高騰や既存税負担の状況などを考慮し、当分の間適用を停止するとしており、税収見込みは、昨年案の約4900億円から約3700億円に後退している。
課税対象の具体的な税率は、石炭1キログラムあたり1.58円、灯油1リットルあたり0.82円、都市ガス1立方メートルあたり1.38円、電気1kwhあたり0.25円などとしている。一世帯あたりの負担額は、ガソリンなどの課税停止で昨年案の年間約3000円(月額約250円)から約900円負担減となって約2100円(月額約180円)となる。
環境税の導入によって、二酸化炭素の排出量に応じ、工場や企業、家庭などから幅広く負担を求めることで、排出量の削減を進め、また、京都議定書目標達成計画(化石燃料などから発生する温暖化ガスを、1990年比で6%削減)の実施に必要な安定財源の確保が環境省の狙いだ。税収は、昨年案では一部を社会保険料の軽減にも充てるとしていたが、森林の整備・保全や家庭・企業の省エネ対策など地球温暖化対策に限定する。
環境省は、今回の最終案を来年度税制改正に盛り込み2007年1月から実施したい考えだが、産業界の反対は根強い。例えば、経済同友会の北城代表幹事は、今回の環境税の具体案に対して、1)地球温暖化対策に必要という理由のみで、単純増税となっていること、2)税収の使途と費用対効果の根拠が依然として不明確であることなど、昨年案と何ら変わりないとして反対を表明している。実現は前途多難との見方が多い。
環境税の具体案は↓
http://www.env.go.jp/policy/tax/041105/01.pdf