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10月企業倒産、負債総額は過去10年で最小

経営関連情報 - 2011年11月11日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は906件で、前月比は7.0%の増加となったものの、前年同月比は5.6%の減少となり、2年連続で前年同月を下回った。前年同月比10.2%の減少となった前月に比べて減少率は縮小したが、減少が続いた。各種金融支援策効果などにより、大型倒産が減少する一方、小規模倒産は高止まりとなっている。

 一方、負債総額は1329億1700万円で、前月比は31.1%、前年同月比も73.5%の大幅減少となった。2010年8月の1692億3300万円を下回り、過去10年で最小を記録した。これは、過去10年で初めて負債50億円以上の大型倒産が発生しなかったことなどが要因とみられる。負債トップは三洋電気の連結子会社である三洋ジーエスソフトエナジー(京都府、特別清算)で49億5800万円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでもサービス業(164件、前年同月比13.2%減)、小売業(152件、同11.6%減)、不動産業(24件、同25.0%減)の3業種は前年同月比二ケタの減少となった。一方、建設業(261件、同6.5%増)は3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。建設業は、大阪府(36件、同71.4%増)や福岡県(10件、同66.7%増)を中心に西日本で増加している。

 負債額別では、負債5000万円未満の倒産は493件発生、構成比は54.4%と5ヵ月連続で50%を超え、過去10年で最高となった。一方、負債100億円以上の大型倒産は1年2ヵ月ぶりに発生しなかった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が520件発生、構成比は57.4%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、905件が中小企業に該当し、小規模企業も809件で同89.3%を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1110.html