経 営 関 連 情 報

2003年05月19日-003
倒産件数は一進一退の推移も予断を許さない状況

 帝国データバンクが16日に公表した4月の全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、同月の倒産件数1514件は前月比3.4%減、前年同月比7.7%減となったが、4月としては戦後9番目を記録、依然高水準にある。今年に入り倒産は1500件前後で推移し、凪の状態が続いている。当面は一進一退の推移とみるのが妥当かもしれないが、実態としては多くの波乱要因が増幅しつつあり、状況は予断を許さないとみられている。

 負債額は9030億5500万円で、前月比23.6%減、前年同月比29.3%減となったが、4月としては戦後6番目の水準にある。倒産件数は4年連続で前年同月比減少、負債額は4ヵ月ぶりの1兆円割れだが、不況型倒産の構成比が77.2%と12ヵ月連続75%を上回り、売上急減から事業継続断念に追い込まれる中小零細企業が多いことに変わりはない。

 4月中には、レジャー施設「レオマワールド」を運営していた「レオマ」(負債1394億円、大阪府)が最も負債規模の大きな倒産となったが、負債100億円以上の倒産16件のうち、ゴルフ場運営を含めたレジャー関連・不動産関連が過半を占めるなど、バブル期に多額の借入金を抱え、利害調整が遅れて事後的に処理されていく企業が目立つ。

 しかし、過剰債務を抱えながらもなりふり構わず相手を探し出して統合の意思表示をする大手企業、極端な業績不振に陥っている中堅・中小企業についても、株価の下落や円高、米国景気のさらなる悪化、SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響拡大など、大量淘汰の火種がくすぶり続けている。倒産は実相を映しているとはいえない踊り場状態にあり、状況は予断を許さない。

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