税 務 関 連 情 報 |
2002年05月08日-003
税金が増えるとの誤解を与える「有税償却」?!
中小企業の会計基準は現行の会計基準の枠内の適正な簡便法の利用で対応できるとする公認会計士協会は、現行の会計基準への批判のひとつともなっている「有税償却、有税引当」があたかも無駄な税金を支払うがごとき印象を与えているのは誤解だと強調している。
4月に行われた中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」で行われた会計士協会・柳澤義一理事のプレゼンテーションの資料中で示されたものだ。
資料によると、会計上は費用で税法上は損金に認められない場合、それについては別表加算留保となるが、これを一般的には「有税償却、有税引当」などと呼んでいて、税金が増えるがごとき誤解があると指摘する。この有税という文言が適切ではないという。会計上費用、税務上別表加算留保としても、実質的に税金が増えるわけではない。会計上の利益と法人税額の相対的割合が変わるだけで、期間損益に与える歪みを是正する役目が税効果会計であり、中小企業にとっても有効なはずであると主張する。
例えば、優れた技術革新と収益性を持つため、税法基準では4年の耐用年数の機械を2年で償却していたとするならば、税法上は償却超過が生じ、別表加算留保となる。その会社の別表加算はむしろ優良会社の証であり評価されるべきはずだが、それを有税償却と呼ぶことで、税金が増えるがごとくの誤解が生じているという。
会計士協会では、「正しい会計基準を促進していく面で、そのような誤解を解くためにも、もっと経営者側や利用者側に理解を促してほしい」と会計専門家に呼びかけている。どなたか、“有税償却”に代わる適切な言葉を作ってあげてはいかがなものか…。
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