経 営 関 連 情 報

2003年02月10日-001
2003年春季賃上げ率は史上最低の見通し

 あさひ銀総合研究所が6日に公表した2003年春季賃上げ見通しによると、今春の賃上げ率は主要企業で1.6%、中小企業で1.0%と、過去最低だった昨年をさらに下回ると予想している。デフレ経済下、物価の下落や売上高の減少が続き、依然として企業の雇用調整圧力は強い。一方、企業収益は改善がみられるが、人件費削減などのリストラ効果によるもので、ベースアップへの寄与は小さいとみている。

 今春の賃上げ率は定昇分を下回り、またパートの増加などによる雇用者の質的変化から、雇用者一人あたりの賃金はマイナスが予想される。これは、パートなど臨時雇いの増加や大企業のリストラの影響などで相対的に賃金の低い業種や中小企業に雇用が異動していることなどによるためとみられる。

 さらに、雇用環境は依然として厳しく、雇用者数の減少が続くとみられる。このため、賃金の減少を上回って全体の雇用者所得が減少する傾向が続くとみられる。これまで、個人消費は、所得の減少にもかかわらず、比較的堅調に推移してきたが、賃上げ率が過去最低の水準になることにより、雇用不安や先行き不安とあいまって、所得の減少が個人消費を大きく下押しする懸念もあると指摘している。

 

 

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