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顧客との中・長期的な関係を重視する関西老舗企業

経営関連情報 - 2011年03月07日

 京都大学経営管理大学院、(特)アントレプレナーシップ開発センター、大阪商工会議所は共同で、大阪府と京都府に立地する老舗企業の経営実態を把握・分析し、老舗ならではの経営モデルの抽出、他地域へのモデル展開を試みるため、「関西の老舗企業調査(経営者の意識と環境)」を実施した。両府に本社を置く創業100年以上の2540社が対象(回答323社。有効回答率12.7%)。

 まず、経営者の意識について、大阪・京都の企業とも、もっともポイントの高かったのは、「短期的な取引や収益よりも、中・長期的な顧客との関係を重視する」で、5件法平均値で大阪が4.36ポイント、京都が4.53ポイント。続いて「現在の事業(経営)に対して、経営者は自身の判断を信じて業務を遂行している」が多く、大阪が4.27ポイント、京都が4.31ポイントだった。

 「事業運営に何らかの形で創業家が関与している」は、大阪・今日といずれも9割前後(大阪:87.8%、京都:90.7%%)の企業が「はい」と回答。「地域(大阪・京都など)のブランド力が商売に影響している」については、京都企業の7割強(73.5%)が「大いにそう思う」、「そう思う」と回答。一方大阪では合わせて3割台半ば(34.9%)と、京都では、立地地域のブランド力を強く意識していることが浮き彫りとなった。

 また、「今の地域で創業していなければ、商売は成功しなかった」についても、京都企業の5割台半ば(55.6%)が「(大いに)そう思う」と回答。一方大阪では合わせて3割台半ば(34.3%)と、京都の老舗企業の地域への愛着、地縁を重視する経営姿勢がうかがえる。「長年付き合いのある取引先を変えることは滅多にない」は、大阪66.9%、京都64.2%が「(大いに)そう思う」と回答し、取引先との関係を重視する経営姿勢がみられる。

 人材育成・関係構築では、「従業員は親族を優先的に採用」に、大阪・京都の企業とも、最多だったのは「全くそう思わない」で、大阪が47.1%、京都が40.4%。「理念または家訓の浸透に力を入れている」には、両府とも5割前後(大阪50.6%、京都49.0%)の企業が「はい」と回答。「顧客との付き合いを重視」については、「大いにそう思う」が大阪の企業45.9%であるのに対し、京都は55.0%と、10ポイント近い差が出ている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/230228ksk.pdf