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「名ばかり管理職」問題で改めて留意点を公表

経営関連情報 - 2008年10月10日

 いわゆる「名ばかり管理職」問題の解消に向けて、既報(9月12日付)のように、厚生労働省は、9月9日付の通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化」を公表したところだが、一部に、管理監督者の範囲について誤解を生じさせかねないとの意見があったことを踏まえ、このほど、その周知、監督指導に当たって留意すべき事項を都道府県労働局に改めて通知した。

 同通達は店舗の店長等が労働基準法の「管理監督者」に該当するか否かの判断要素を示したものだが、今回示した留意点の第1は、「通達は、店舗の店長等について、十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず管理監督者として取り扱われるなど不適切な事案もみられることから、その範囲の適正化を図ることを目的として発出したものであること」として通達を発出した背景を説明している。

 次に、(1)通達は、基本通達で示された管理監督者についての基本的な判断基準を変更したり、緩めたりしたものではないこと、(2)通達で示した判断要素は、監督指導において把握した管理監督者の範囲を逸脱した事例を基に管理監督者性を否定する要素を整理したものであり、これらに一つでも該当する場合には、管理監督者に該当しない可能性が大きいと考えられるものである、との考えを示している。

 4番目に、「通達においては、これらに該当すれば管理監督者性が否定される要素を具体的に示したものであり、これらに該当しない場合には管理監督者性が認められるというものではなく、これらに該当しない場合には、基本通達において示された「職務内容、責任と権限」、「勤務態様」及び「賃金等の待遇」の実態を踏まえ、労務管理について経営者と一体的な立場にあるか否かを慎重に判断すべきであること」としている。

 厚労省は、以上の4点に留意の上十分な説明を行い、通達の趣旨・内容が正確に理解されるよう配意することを各都道府県労働局長に求めている。