ゼイタックス

08年ベンチャー企業倒産、前年比85.4%の大幅増加

経営関連情報 - 2009年02月20日

 2008年は金融環境が悪化し、資産背景や確固たる営業基盤を持たず、ベンチャーキャピタルなどから資金調達しているベンチャー企業に大きな影響を与えた。帝国データバンクが発表した「ベンチャー企業の倒産動向調査」結果によると、2008年は9月のリーマン・ショック以降金融危機が深刻化し、資金調達環境が悪化したことで、ベンチャー企業の倒産は、前年比85.4%の大幅増加の178件発生し、2001年以降で最多となった。

 ベンチャー企業の倒産は、ITバブルが崩壊し、ネット関連ベンチャーの倒産が相次いだ2002年に71件(前年比73.2%増)に急増して以降、70件前後の水準が続いていた。しかし、2007年8月のサブプライム問題発生以降、リスクマネーの出し手であるベンチャー投資機関の投資意欲が急速に冷え込んだことも影響して倒産件数は増加し、2007年には96件(同54.8%増)に急増。2008年はそれをも大幅に上回った。

 業歴別にみると、2008年は「5~10年未満」が54件(構成比30.3%)でもっとも多く、業歴10年未満の企業は計95件、構成比53.4%と半数を超え、全倒産における業歴10年未満の構成比(22.8%)に比べ、高い割合を占めた。また業種別では、「サービス業」が74件(構成比41.6%)、「製造業」が47件(同26.4%)で続き、両業種とも全倒産における構成比を大きく上回り、2業種合計で68.0%と、7割近くを占めた。

 一方、負債総額は、2008年は2618億4900万円にのぼり、2005年の2071億800万円を上回り、過去最大となった。負債額別にみると、「1億円以上5億円未満」が75件(構成比42.1%)、次いで「10億円以上50億円未満」が42件(同23.6%)、「5億円以上10億円未満」が25件(同14.0%)。負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は24件(同13.5%)にとどまり、全倒産における構成比59.0%を大きく下回った。