税 務 関 連 情 報 |
2002年11月27日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(14)
所得捕捉率の不公平さの原因を納税者側からみた場合は、納税は国民の義務であるという「納税道義」の希薄さがあって、それは日本国民であることの帰属意識の欠如が根底にあることを書いてきた。また、国への帰属意識や納税道義を育むための方法を考えることは、本稿の手に負えるテーマではないことも正直に認めた。
国への帰属意識や納税道義を育むためには社会全体の長い年月をかけた絶え間ない努力が求められる。と書きながら、本当にそんな日がくるのだろうかという疑念も湧く。特に、日本国民であることの帰属意識は、国際化といういつでも自由に海外へ行ける時代のなかではますます薄くなるのではないか。現実に、老後は海外で過ごすという人たちも珍しくない。日本がいやなら外国があるさ、というわけである。
ちょっと待て、そのような海外移住ができる余裕のある人はいいが、それができない大多数の人たちはどうするのだ。いつ実現できるかおぼつかない国への帰属意識、納税道義を夢見て、課税の不公平を甘受しなければいけないということなのか。そんなことはない。だからこそ、本連載を続ける必要があるのだ。ここまでみてきたように、税務当局による捕捉率の向上、国への帰属意識や納税道義の高揚は早急に期待できない。
ここまでは納得していただけたろうか。ではどうするの、というところで、今回も紙面が尽きたようだ。
(以下次回に続く)
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