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オーナー企業の約7割が後継者未定~帝国データ

経営関連情報 - 2011年03月14日

 帝国データバンクが10日に発表した「全国オーナー企業分析調査」では、オーナー企業は全国で約41万社あり、うち後継者未定企業が全体の約7割を占めることが分かった。同調査では、代表社名と筆頭株主名が同一の企業を「オーナー企業」と定義して分析。調査結果によると、オーナー企業は全国で40万9192社と約41万社あり、同社の企業データベース「COSMOS2」収録企業約135万社のうち29.9%を占める。

 オーナー企業を業種別にみると、「建設業」が9万6641社(構成比23.6%)で最多、次いで「卸売業」が8万2700社(同20.2%)、「サービス業」が6万7864社(同16.6%)の順となっている。各業種の全企業に占めるオーナー企業の割合(オーナー企業率)は、全国平均29.9%に対して、「卸売業」が44.0%と突出しており、同業種の4割強がオーナー企業であることが分かった。また、「運輸・通信業」も39.0%と高い割合だ。

 全国のオーナー企業について後継者の有無をみると、全体の68.2%と約7割にあたる27万9160社が、現在、後継者未定(未詳も含む)となっている。後継者の有無を年商規模別にみると、年商区分が低いほど後継者の未決定率は高くなっており、「年商1億円未満」のオーナー企業では75.0%、4社に3社が後継者未定となっている。このことから、規模の小さなオーナー企業では、事業の承継が今後の大きな課題となる可能性がある。

 オーナー企業の代表者を属性別にみると、「現代表=創業者」が24万1999社(構成比59.1%)となり、オーナー社長のうち約6割が創業者であることが明らかになった。また、代表が「同族継承」でオーナー社長となった企業は11万5246社(同28.2%)で、外部招聘や内部昇格などの「その他」は5万1947社(同12.7%)にとどまり、オーナー社長の約9割は創業者か同族継承となっている。

 また、代表者属性から後継者の有無をみると、同族継承のオーナー企業では後継者未定の企業が6万8577社(後継者未決定率59.5%)となり、同族継承の二代目や三代目を迎えた企業といえども、約6割は事業承継が万全でないことが判明している。なお、オーナー企業のうち、潤沢なキャッシュを保有しているとみられる「キャッシュリッチ・オーナー企業」は決算数値が判明した7万1333社のうち、1万224社だった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110302.pdf