10年偽ブランド品等の輸入差止、4年連続2万件超
財務省が7日に発表した2010年の知的財産侵害物品の差止状況によると、昨年1年間の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は2万3233件となり、前年と比較して6.1%増加し、4年連続で2万件を超えたことが分かった。差止件数の増加は、人気ブランドのバッグ類や靴類(サンダル)、電気製品などの模倣品の件数増加が大きな要因とみられる。差止件数は過去最高だった2008年(2万6415件)に次ぐ件数となった。
ただし、税関が差し止めた知的財産侵害物品の数(「差止点数」)は、「煙草及び喫煙用具」(商標権侵害)や「海賊版DVD(美容・健康志向に便乗したエクササイズ用DVD等)」(著作権侵害)などが減少したため、前年に比べ39.6%減の63万688点と大幅に減少した。輸入差止点数は、例年同様、商標権侵害物品が全体の82.3%、51万9274点と太宗を占め、次いで著作権侵害物品が同9.2%の5万7865点となった。
輸入差止件数は、中国から輸出されたものが前年比11.1%増の2万996件と、過去最高だった2008年(2万1529件)に次ぐ高水準となり、全体の構成比では初めて9割超(90.4%)を占め、5年前の2006年(9440件)に比べ2倍以上に増加。次いで韓国からの輸出が同61.2%減の574件と前年から半減し、近年の減少傾向が一段と鮮明となった。もっとも差止件数が多かった2006年(8720件)と比較すると15分の1に減少している。
品目別にみると、前年以降、ヒット商品に便乗した商品の差止が相次いでいるが、2010年には、前年に多かった「海賊版DVD(エクササイズ用DVD)」が減少する一方、前年に引き続き「電気製品(掃除機、痩身用機器等)」(商標権侵害)の差止は増加した。新たな傾向として「靴類(サンダル)」が大量に差し止められたほか、「コンピュータ製品(ゲーム機器関連機器)」の差止も増加している。
また、商標権侵害にとどまらず、デザインを模倣した「家庭用雑貨(美容関連機器等)」(意匠権侵害)の差止が増加している。なお、輸送形態別輸入差止実績をみると、郵便物が占める比率は、件数ベースでは95.9%で前年とほぼ同水準だったが、点数ベースでは41.4%(前年63.4%)、一般貨物が58.6%(同36.6%)となり、一般貨物の割合が大きくなっている。
同差止状況の詳細は↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/chizai/ka230307b.htm