経 営 関 連 情 報

2002年05月22日-002
旅館・ホテルの倒産は5年連続で年度最悪を更新

 総務省が発表したサラリーマン世帯の家計調査によると、一世帯あたりの消費支出が5年連続で実質前年度比減少となるなど消費者心理が冷え込んだ状態が続いている。こうしたなか、旅館・ホテルなどを始めとするレジャー業界も苦しい状況にある。帝国データバンクがこのほど公表した「旅館・ホテル業の倒産実態調査」によると、2001年度の旅館・ホテル業者の倒産件数は前年度に比べ21.4%増の119件にのぼり、87年度の集計開始以来最悪を記録、5年連続での記録更新となった。

 主なところでは、全国規模でチェーン展開していた日本ビューホテル(負債800億円、東京都)を始め、老舗で九州最大規模のリゾート温泉ホテルの杉乃井ホテル(負債137億2,900万円、大分県)など、老舗の有名旅館・ホテルの倒産が相次いだ。業歴別で倒産動向をみると、「3年~5年未満」6件、前年度比500.0%増、「10年~15年未満」15件、同15.4%増、「20年~30年未満」22件、同15.8%増、「30年以上」52件、36.8%増においてそれぞれ増加している。「30年以上」の老舗業者の構成比は43.7%に達し、実に4割以上が老舗旅館の倒産となっている。

 地域別では、「中部」が31件で最も多く、前年度に比べ158.3%増と大幅増加を記録。次いで「関東」の20件(前年度比11.1%増)、「東北」の19件(同35.7%増)と続いた。「中部」の要因は、静岡県における旅館・ホテル業者の倒産が前年度の3件から13件に急増したことが挙げられる。同県内の熱海、伊東地区の倒産が目立ち、同県の13件は都道府県別でも東京都(13件)と並んで全国で最悪を記録した。

 

 

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