夏祭りの季節である。この夏の一番人気は京都の「祇園祭」、次に「青森ねぶた祭り」(青森)、「隅田川花火大会」(東京)だそうである(gooリサーチと読売新聞の共同調査)。全国各地で盆踊りや花火大会、七夕祭りなどが催されるが、これらの祭り運営に欠かせないのが企業からの協賛金である。企業にとって、こうした協賛金支出は、地域住民との関係を深める少ない機会でもあるが、税務上の処理はどうなるのだろう。
例えば、支出した協賛金は、夏祭りを主催する神社の境内や町内会の神酒所などに、提供社名とともに張り出されるので宣伝的な効果がある。しかし、協賛金という支出は寄附金そのものであるから、税務上は寄附金として処理せざるをえない。一般寄附金として限度額計算を超える部分は損金算入できないことになる。これは、現金で寄附する場合だけでなく、ビールやお酒、ジュースなど品物で差し入れる場合も同様である。
ただ、夏祭りや盆踊りの際に、商店街などの道筋の両側に社名や店名を入れた提灯を吊るして祭りの雰囲気を一層盛り上げているケースがあるが、この場合の社名入りの提灯の費用は、看板などと同じ効果をもつと考えられることから、広告宣伝費として一括での損金算入が認められる。また、花火大会などで花火代を負担することでパンフレットに社名が印刷される場合も広告宣伝費として処理できる。
そのほか、仙台をはじめ全国各地の七夕祭りでは、毎年、地元の企業や商店が、様々な趣向を凝らし、いろいろな飾り付けをして見物客の目を楽しませてくれるが、これらの費用も、毎年毎年新しい飾り付けを作り直す形であれば、たとえ1回の費用が何十万円、何百万円になろうと、一括での損金処理が認められる。