経 営 関 連 情 報

2002年10月11日-001
銀行の貸出金利の引上げで健全企業が体力弱まる懸念

 都市銀行が一斉に貸出金利の引上げに動いている。不良債権の償却原資を捻出するためには、公的資金を使わない前提であれば、自前で利益を増やすしかない。このような銀行の動きに対して、健全な中小・中堅企業までも体力を弱められてしまうとの懸念を示したのは第一生命経済研究所のレポートである。

 日銀の利率別貸出統計によると、6月時点では、貸出金利1.25%~1.75%の利率帯の貸出額が減って、代わりに1.75%~4.0%を適用する貸出が増加した。これは、銀行が1.375%の短期プライムレート(最優遇金利)適用先に0.5%~2.5%の金利上乗せを進めていることを暗示していると分析。これらの金利上乗せの対象企業を探っている。

 資金繰りに余裕のある優良な大企業は、金利引上げを要求されれば、すぐさま他行の融資に乗り換えるので、金利引上げを要望するのは無理。一方、経営内容が良好でなく、信用懸念がある取引先は、元々、プライムレートよりも遥かに高い金利を適用している。それ以上に金利を引き上げれば、その企業は破綻して、不良債権を増やす結果となるから、これらの企業にも金利引上げは要望できない。

 

 

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