税 務 関 連 情 報

2003年11月19日-002
「調査理由の開示」が大幅増加~東京税理士会調査

 税務調査は任意調査であることから、税務署と納税者が合意の上でスムーズに調査ができるように、できる限り事前通知を行っているようである。東京税理士会が同会会員を対象に行った税務調査アンケート(有効回答数746人)によると、今年6月までの1年間に顧問先が調査を受けた2348件のうち、事前通知があったものは2209件で全体の94%を占めた。このうち87%の2016件は税理士への通知である。

 調査を受けたうちの6%にあたる139件は事前通知がなかったが、すべての調査に事前通知していたら調査の実効は上がらないのはいうまでもない。納税者のすべてが正しく申告しているわけではないから、申告内容が疑わしい場合は事実が隠されないように事前通知なしの調査も行われる。特に、現金商売や現金収入がある業種については、事前通知なしで現金有高を調べるいわゆる現況調査が実施される傾向にある。

 ところで、納税者(税理士)のなかには調査理由を知りたいものもいる。事前通知があったうちの38%(716件)、事前通知なしでは65%(80件)が調査理由の開示を求めたが、事前通知ありではその78%(559件)、事前通知なしではその76%(61件)が税務署からの回答があった。ともにその割合は増加しているが、特に事前通知なしでは前年度(24%)から倍増している。

 調査理由の開示を求めても事前通知のありなしにかかわらず2割強の納税者(税理士)は回答を得られなかったとしているが、まったく回答がなかったとは考えづらい。納得のいく回答がなかったのだろうか。しかし、税務署に「なぜ調査をするのか」と問い合わせても具体的な理由は教えてはくれまい。せいぜい「申告内容の問題点・疑問点の確認です」ぐらいの漠然とした回答しか返ってこないだろう。納税者によって受け取り方が違う難しい面があるようだ。

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