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経営関連情報 (2007/08/20)

過去最多ペースで推移する資源高関連倒産

 NY原油先物相場が7月末に一時1バレル78ドルを突破するなど史上最高値に並ぶ水準まで上昇した。また、ガソリンの店頭価格も再び上昇を続けるなか、ここにきて原油高の影響による関連倒産が増加している。帝国データバンクがこのほど発表した「資源高関連の倒産動向調査」によると、2007年1~7月の資源高関連倒産は114件発生し、前年同期を39.0%(32件)と大幅に上回った。

 現在のペースで推移すると、年間合計で2006年(140件)を上回るのは確実で、過去最多の件数となる見通しだ。素材・原料別にみると、最近の原油高の進行を背景として「原油関連」が78件と全体の約7割を占めた。特に、NY原油先物相場が市場最高値に並ぶ水準まで一時上昇した7月は、原油高の影響による倒産が15件発生し、集計開始の2005年1月以降、月ベースで最多の件数となった。

 資源高関連倒産114件を業種別にみると、原油関連を中心に「製造業」が全体の27.2%(31件)を占めトップ、次いで「運輸業」が25.4%(29件)となった。このほか、木材・建築資材などの価格上昇の影響を受けた「建設業」が15.8%(18件)、また、仕入業者と販売先との板ばさみとなり、販売価格への転嫁が進まずに採算が悪化した「卸売業」も14.0%(16件)を占めるなど、幅広い業種で資源高の影響がみられた。

 負債規模別にみると、「1億円以上10億円未満」が53.5%(61件)、「10億円以上50億円未満」が23.7%(27件)と、負債数十億円台の中堅クラスの倒産が散発した。企業側は、昨年からの仕入価格上昇分をコスト削減による自助努力でしのいできたが、取引先との力関係で販売価格への転嫁が進まず、体力の限界に達している企業も多い。これら“倒産予備軍”の動向次第では今後、資源高関連倒産がさらに増加するおそれがある。