経 営 関 連 情 報 |
2002年10月11日-002
カード犯罪の増加対応に期待されるICカード
クレジットカードの利用が急速に普及している。カード発行枚数は、2001年3月末で約2.3億枚まで増加しており、一人あたり平均で2枚のクレジットカードを所有している計算だ。一方で、クレジットカードの不正使用や偽造による被害額が急増している。「安全性に優れたICカードへの移行による不正防止が急務」との指摘は第一生命経済研究所のレポートである。
レポートによると、2001年のカード不正による被害総額は275億円で、うちカード偽造による被害額が146億円と半数以上を占める。主な被害手口は、カード面の磁気ストライプ部分を読み取り(スキミング)、偽造カードを作成するもの。現在広く利用されているクレジットカードは、プラスチックカードにテープ状(ストライプ)の磁気記録媒体を貼り付けており、その磁気ストライプにカード情報が入っているだけのため、スキミングが簡単でカード情報が盗まれやすかった。
一方、ICカードではICチップが埋め込まれており、情報の保持部分が直接見えないので、情報の不正な呼び出しや偽造・改ざんが難しい構造だ。大手銀行系カード各社はすでに2001年度からICカード化を進め、他の大手カード会社も新規発行・更新時のICカードへの切り替えを進めており、全てのカードがICカード化するのは2006年ごろとみられている。しかし、現在使用されている全国の信用照会端末機をICカード対応型にするには多くの時間と投資が必要となる模様だ。
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