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税務関連情報 (2007/08/01)

償却資産の評価特例は2009年度から廃止

 総務省は7月25日、2007年度税制改正による減価償却制度の見直しに伴い、固定資産の評価基準を見直し、その一部改正案について、同日、地方財政審議会固定資産評価分科会へ付議したことを明らかにした。改正されるのは、固定資産税の償却資産に関する評価方法の特例である「期末帳簿価格を基礎として価額を求める償却資産に係る評価の特例」。同省は、一部改正案について8月25日まで意見を募集する。

 期末簿価方式による評価の特例は、税務会計上の資産の減価償却方法として、定率法を採用している法人の期末帳簿価額を基礎として、これに固定資産税の賦課期日である1月1日までに生じた資産の増減や時間経過に伴う減価等について、各種の調整を行った上で、償却資産の評価額を求めるもの。しかし、これらの調整措置が多岐にわたっているため、現行制度に対して「申告手続きの簡素化」の趣旨に沿っていないとの意見もあった。

 一方で、減価償却制度の見直しが行われ、固定資産税の償却資産については現行の評価制度を維持することとされた。これによって、2007年4月1日以後に取得した資産についてはいわゆる250%定率法等が導入された結果、期末帳簿簿価に新定率法適用資産と旧定率法適用資産が混在することとなったが、新定率法適用資産は、期末帳簿価額から切り離して別に一般の評価方法に準じて評価を行うといった調整が必要となる。

 これでは算定方法が一層複雑化することになり、「申告手続きの簡素化」という趣旨にそぐわないものとなる一方、旧定率法適用資産は250%定率法が適用される資産に次第に置き換わっていくため、期末簿価方式による評価の特例を維持する理由が乏しくなる。これらが特例を廃止する背景だが、一般の評価方法への移行期間を考慮し、経過措置として2008年度までに限り特例を適用できるものとされる。