中小企業の人手の過不足感には地域差~信金中金
信金中央金庫の地域・中小研究所がこのほど発表した全国中小企業景気動向調査(2012年4~6月期実績)において実施された「中小企業の人手過不足感と人材戦略に関する特別調査」結果(有効回答数1万3944社)によると、最近(東日本大震災以降)の人手過不足状況については、20.4%の企業が「不足」と回答し、「過剰」(5.9%)を大きく上回った。職域別には、「現場作業」や「営業・販売」で「不足」の回答割合が高い。
ただ、前回調査(2008年4~6月期)と比べ、総じて「不足」は低下し、なかでも「営業・販売」の不足感が後退している。地域別には、東北における「不足」が31.3%で最も多く、特に「現場作業」が21.4%と突出している。一方、関東では「過剰」が10.7%と相対的に多い。業種別には、建設業の「不足」が最も多く、卸売業や不動産業では「営業・販売」の不足感が相対的に大きい。全体的に、人手の過不足感には地域差がある。
団塊世代の引退への対応については、48.4%とほぼ半数の企業が何らかの対応を検討。対応の内訳をみると、「中途・経験者を採用」が19.9%と最も多い。次いで「定年延長・再雇用」が13.4%、「新卒の採用」が7.8%などで続く。従業員規模別にみると、規模が大きくなるにつれて対応を取るとする企業の割合が上昇し、とりわけ、「新卒の採用」が規模に比例して上昇し、200~300人の階層では回答割合が38.8%と約4割となった。
採用に際して求める職能・技能については、「営業・販売」が44.8%で最多となり、半数の企業では即戦力として「営業・販売」経験のある人材を求めていることが分かった。そのほか、「業界独自の技能・資格」(33.7%)、「職能・技能は問わない」(24.5%)が上位となった。このうち、「業界独自の技能・資格」を業種別にみると、「建設業」(61.6%)が最も多く、「サービス業」(42.4%)、「製造業」(36.8%)も相対的に多い。
同調査結果は↓
http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/release/release148.pdf