熱中症による全死亡者数の約8割が65歳以上
今夏は電力不足による節電が一般家庭にも求められているが、一方で「熱中症」の発生増加が懸念されている。厚生労働省が24日に発表したところによると、2010年の熱中症による死亡者数は1718人で、同統計を取り始めた1964年以降で最大だった。うち男性が53.6%にあたる920人、女性が798人。発生場所では、「家(庭)」が全死亡者数の45.6%(783人)を占めてもっとも多く、次いで「詳細不明の場所」が45.1%となっている。
また、年齢(5歳階級)別では、全死亡者数の79.3%と約8割が65歳以上となっており、年齢階級が上昇すると死亡率が上昇する傾向にある。もっとも多いのは「80~84歳」で18.5%(318人)を占め、次いで「85~89歳」が15.9%(274人)、「75~79歳」が15.4%(265人)となっており、「75~89歳」の年齢階級で全死亡者数の49.8%と、ほぼ半数を占める結果となっている。
都道府県別にみると、「東京都」が全死亡者数の15.8%にあたる272人でもっとも多く、次いで「大阪府」139人、「埼玉県」124人、「兵庫県」92人、「愛知県」73人、「神奈川県」64人、「千葉県」60人と続くなど、熱中症による死亡者は大都市のある都府県が多いようだ。一方、もっとも少ないのは「沖縄県」の4人、以下、「大分県」と「長崎県」がともに7人、「島根県」、「山口県」、「佐賀県」が各8人となっている。
厚労省では、「節電を意識するあまり健康を害さないように、適度にエアコンなどを利用して熱中症を予防して欲しい」と呼びかけている。同省では、熱中症の予防方法として、(1)こまめな水分・塩分補給(高齢者は喉の渇きを感じなくても補給を)、(2)室温を確認し、扇風機やエアコンで温度調節(換気やすだれ、打ち水などの活用も)、(3)通気性のよい、吸湿・速乾の衣服着用、(4)日傘や帽子の着用などを挙げている。
この件の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001g7ag.html