税 務 関 連 情 報

2003年06月27日-001
668兆円まで膨れ上がった国の「借金」

 借金があまりにも沢山あると正確な額を確認したくないものだが、今後、消費税率引上げや個人所得課税強化を通して国民の負担が増える原因のひとつ、危機に瀕したわが国の財政事情である。ここは改めて直視しようではないか。財務省が25日に公表した2003年3月末時点での国債や借入金などを合計した国の「借金」は668兆7605億円にのぼった。

 3ヵ月前の昨年12月時点よりも4.0%(25兆5660億円)、1年前の2002年3月末時点からは10.1%(61兆4483億円)も増えている。もちろん過去最悪の数字である。特に増えたのは、普通債や財投債などを合計した国債残高で、1年前より56兆911億円多い504兆2536億円と初めて500兆円を超えた。これに、借入金107兆205億円と政府短期証券57兆4864億円を加えたものが国の「借金」総額である。

 数字が現実離れしていてピンとこないだろうが、3月に成立した2003年度予算案の一般会計総額81兆7891億円の8倍強となる。年収500万円のサラリーマンならば、4000万円強の借金を抱えていることになる。また、わが国の5月1日時点での総人口1億2761万人(総務省統計、概算値)で割ると、一人あたり約524万円の借金となる。ご老人や赤ちゃん、子供を含めての数字である。

 では、一般世帯数4678万世帯(総務省国勢調査、2001年10月末現在)で割ると約1430万円となる。少しは実感が湧いてきただろうか。ところが借金はこれだけではない。2002年版地方財政白書によると、地方には、2001年度末で地方債残高128兆円など合計181兆4072億円もの借入金残高がある。国・地方を合わせた借金は850兆円ということになる。もうほとんど現実味のない数字である。「それがどうした」と言いたくなるだろうが、危機的なわが国の財政事情の現実はしっかりと認識してほしい。

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