ゼイタックス

経営関連情報 (2004/12/17)

アセアン進出企業の経営状況は総じて良好

 中小公庫が今年8月に実施した「アセアン(マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・ベトナムの域内5ヵ国)進出企業の実態調査」結果(有効回答数207社)によると、前期に比べ増収企業が71%(前回調査62%)、増益企業が63%(同39%)となり、先行きについても63%の企業が増収を、51%が増益を見込むなど、進出企業は総じて良好な経営状況にあることがわかった。

 ただし、実績・先行きとも、国別・業種別にバラツキがあり、実績では、自動車関連に牽引されたタイが好調で、増収企業が82%、増益企業が76%となった。一方、タイ以外の国をみると、増収企業はいずれも60%を超えているが、増益企業については、フィリピン46%、マレーシア39%、インドネシア26%となっており、タイとの格差は大きい。

 先行きについても、内需・輸出ともに好調なタイでは、増収見込企業が72%、増益見込企業が61%となる一方で、マレーシアでは増益を見込む企業が34%にとどまっている。マレーシアの企業に先行き慎重な見方が多い背景には、価格競争の激しい電機・電子関連が多いだけに、最近の素材価格の上昇への懸念などがあるものとみられている。

 今後の経営課題については、「仕入原価の上昇」とする企業が59%(前回調査31%)と大幅に増加し、初めてトップとなった。また、「販売価格の下落」を課題とする企業も49%となっており、今後、進出企業の収益への影響が懸念されるとしている。