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自民PT、金融市場への追加対策を公表

税務関連情報 - 2009年04月10日

 今回の世界同時不況に対し、政府・与党はこれまで「緊急経済対策」、「生活対策」、「生活防衛対策」の3回にわたって金融証券対策を実施してきたが、2009年度予算及び関連法案成立時点における経済・金融情勢の推移を検討した結果、新たな追加経済対策が必要との考えから、自民党の国際金融危機対応プロジェクトチーム(PT)はこのほど、会計基準・税務処理の対策などを盛り込んだ「金融証券市場への追加対策」を公表した。

 具体的には、会計基準・税務処理の項目として、(1)いわゆる「時価会計」の適用については、国際的動向を仔細に注視しつつ、変更がある場合には、会計関係者において、国際的な整合性に配意しつつ、迅速かつ適切に対応すべきこと、(2)会計上減損処理を行った納税者が、税務上損金算入する場合には、その否認を原則として避けられるよう、判断基準を明確化すべきこと、などの対策をとるべきことを示した。

 (2)については、国税庁がこれを踏まえ、4月3日、「上場有価証券の評価損に関するQ&A」を公表し、企業が所有する上場有価証券の時価が帳簿価額に比べて50%以上下落し、会計上減損処理が行われた場合に税務上、その評価損を損金算入するに当たっての取扱いの明確化を図った。Q&Aでは、必ずしも株価が過去2年間にわたり帳簿価額の50%程度以上下落した状態でなければ損金算入が認められないというものではないとしている。

 一方、中小企業金融の円滑化では、緊急保証制度について、財務基盤を強化するとともに、保証要件(売上推移、保証料+金利負担、無担保枠、据置期間)や保証対象(対象業種、借換え、複数債務の一本化、リスケ先企業)を利用しやすいものとすることを要望。そのほか、住宅・土地金融の円滑化として、住宅金融支援機構の長期固定金利の住宅ローンの融資比率の10割引上げなど、利用条件の緩和を盛り込んでいる。