2007年度から導入された国税のインターネット公売は、同年度中に動産等を対象に3回、不動産等を対象に1回、計4回実施されたが、その落札された物件の総額が4億2600万円にのぼることが、国税庁の資料で明らかになった。ネット公売に出品された1027物件のうち、77.2%にあたる793物件が落札され、見積価額3億4000万円に対する落札価額の割合(上昇率)は25.3%となった。
種類別にみると、動産や有価証券など動産等を対象とした公売では、出品された880物件のうち84.4%にあたる743物件が落札され、見積価額1億1800万円に対し落札価額は1億9300万円と、上昇率は64.1%だった。また、不動産及び登録された自動車など不動産等を対象とした公売では、出品された147物件の34.0%の50物件が落札され、見積価額2億2200万円に対し落札額は2億3300万円と、上昇率は4.7%だった。
公売は、滞納者の財産を差し押さえた上で、その財産を強制的に売却する制度だが、公売への参加者が多いほど売却率の向上や落札価格の上昇が見込める。その点、ネット公売は民間業者のネットオークションを利用して行うものなので、公売会場に出向くことなく、24時間ネット上で買受申込みができるなど、利便性が高く、広く全国から参加者を募れる。2007年度は1万6166人が参加申込し、4907人が公売に参加している。
なお、国税庁はこのほど、差押財産を公売等で売却し、強制的に金銭に換える「換価」に関する法令解釈である換価事務提要を廃止し、徴収法基本通達に一本化することを明らかにした。同通達への移行に際し、(1)公売財産の見積価額や最高価申込価額、売却価額について消費税相当額を含んだ総額表示とする、(2)公売財産の状況を示すために税務署長が必要と認める写真等の情報を追加する、などの改正を行う。