税 務 関 連 情 報

2003年06月30日-001
大阪府下中小企業、IT減税の利用計画は4割

 経済活性化に大きな期待を込めて4月からスタートしたIT投資促進税制だが、企業の反応はどうなのだろう。りそな総合研究所が大阪府下の中小企業・個人事業者5491件を対象に5月に調査した結果(有効回答800件)では、同制度の「詳細」(4.1%)、「概要」(55.0%)と59.1%が知っていたものの、利用計画では、「現在検討中」(8.9%)と「今後利用を検討」(32.2%)を合わせても41.1%にとどまった。

 利用計画があるとする企業の投資目的は、58.2%が「社内業務の効率化」を挙げているが、「取引先との業務の効率化」(31.2%)や「社内外の情報の共有化」(19.9%)というネットワーク型の情報化も51.1%と半数以上が挙げている。その他の目的では、「情報発信による営業力の強化」(28.3%)、「経営戦略上の情報収集」(20.3%)などが目立つが、「電子商取引の活用による事業分野の拡大」は8.4%と低い。

 IT投資の金額をみると、「100~300万円未満」が32.3%で最も多く、次いで「100万円未満」が31.4%となっている。この点、IT投資減税では、年間の取得要件の金額を以前より引き下げ、ハードウエアが140万円以上、ソフトウエアが70万円以上としており、金額的にも使い勝手がよくなっていることが分かる。

 なお、利用予定のない理由については、「IT投資のほかに優先順位の高い経営課題がある」との割合が48.2%で最も高く、次いで「IT投資は必要だが、専門の人材が不足」(23.5%)、「当面のIT化のレベルに達している」(22.4%)、「IT投資は必要だが、資金調達が困難」(12.3%)などが続く。

 IT化による業務の効率化があまり期待できない事業形態も一部にあるが、景気の低迷でIT投資に手が回らない実態がうかがえる。収益環境が厳しい状況のもとでは、税額控除等の税制はIT投資の直接投資の誘引にはなり得ない面が否めない。りそな総研では、「IT投資促進税制の普及・活用は、今後の景気動向、企業の収益動向がカギを握っている」とみている。

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