労災保険では、一定の要件を満たす事業であれば、労働災害の発生状況により労災保険率が増減するメリット制が適用になる。これは、事業ごとの災害率に差があるため、その事業の多寡に応じ、労災保険率を上げ下げするものだ。特例メリット制は、中小事業主が、所定の安全衛生措置を講じ、申告をすると、メリット制が適用される際のメリット増減率が、通常であれば最大40%のところ、最大45%となる。
特例メリット制は、1)メリット制の適用がある継続事業であること(建設の事業または立木の伐採の事業を除く)、2)中小事業主であること、3)厚生労働省令で定められた「労働者の安全または衛生を確保するための措置」を講じたこと、4)3)の措置を講じた年度の次の年度の4月1日から9月30日までの間に、特例メリット制の適用を申告していること、の4要件をすべて満たしている事業が対象となる。
中小事業主の判定は、安全衛生措置を講じた年度における企業全体の常時使用する労働者数が、「金融業、保険業、不動産業、小売業、飲食店」は50人以下、「卸売業、サービス業」は100人以下、「上記以外の事業」は300人以下。安全衛生措置については、「快適職場推進計画に基づく措置」か「労働安全衛生マネジメントシステムの実施」のいずれかの措置を講じたことについて、都道府県労働局長の確認を受けることが必要となる。
特例メリット制は、安全衛生措置を講じた年度の翌々年度から3年間、メリット制が適用される場合に適用される。例えば、2006年度に安全衛生措置を講じ、2007年度の4月1日から9月30日までの間に特例メリット制の適用を申告した場合は、2008年度から3年間が適用となる。なお、特例メリット制の適用申告の手続きは、安全衛生措置の種類によって、準備する書類に違いがあるので確認する必要がある。
特例メリット制の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/dl/060401-1.pdf