ゼイタックス

税務関連情報 (2004/12/06)

税源移譲は「消費税から地方消費税への移譲」が最適

 国・地方を通した三位一体改革は、国庫補助負担金の削減、国から地方への税源移譲、地方交付税の見直しの三本柱からなる。これまでは、国庫補助負担金の削減内容が注目を浴びていたが、いよいよ税源移譲をめぐる議論が最大のヤマ場を迎える。そこで、地方分権が進展している欧米諸国での地方税体系を概観したうえで、三位一体改革で目指すべき地方税のあり方を提示するのは、みずほ総研のレポートだ。

 レポートでは、欧米諸国の地方税の傾向を分析し、1)資産課税を中心に据える英・仏などの「単一国家型」、2)個人所得課税中心の「スウェーデン型」、3)資産課税、所得課税だけでなく消費課税が導入されている独・米・加などの「連邦国家型」、の3タイプを示している。これらの共通点として、地方税における法人所得課税が制限的なこと、地方に税率決定権を与えていることを挙げている。

 なかでも連邦国家型は、消費課税を地方税に加えることで地方の歳入基盤を安定的なものとさせており、分権が進んだ制度となっている。一方、わが国の地方税体系は、課税のバランスが取れているが、法人所得課税の割合が多く、原則として全国均一課税を行っていることから、自治体間の税収格差の大きな原因となっており、税収の安定性と課税の自主性にやや欠ける制度となっていると分析する。

 ところで、税源移譲は、1)国から地方への確実に安定的な税収入を移すことができる、2)地方分権が進んだ制度になる、との2点を満たす方法で行われる必要がある。このような観点から税源移譲の具体策を検討した結果、レポートは、もっとも相応しい方法として「消費税から地方消費税への移譲」であると結論づけている。加えて、税率決定権の付与や税収が不安定な法人事業税の割合を低下させる必要性なども指摘している。

レポートの詳細は↓
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/policy-insight/MSI041126.pdf