ペットフード、ペット用品、生体、その他関連産業などペット関連総市場は、順調に成長を続けている。矢野経済研究所がこのほど発表した「ペットビジネス2005」によると、2003年度は前年度比3.3%増の9987億円(末端ベース)と推計し、2004年度は同2.9%増の1兆278億円と1兆円台を見込んでいる。ペットの小型品種人気が継続する以外に、室内飼育の増加など環境変化に合致した商品や産業が伸びる傾向にある。
2003年度のペットフード全体市場規模(メーカー出荷ベース)は、前年度比2.0%増の2643億円と推定。ここ数年の小型犬などの人気により大型犬と比べ消費量が低下することから市場成長が懸念されたが、ペットの対する健康志向やグルメ志向の高い“こだわり派”の飼育者が増え、グルメタイプや機能性タイプなど高級商品の浸透が功を奏したものとみられている。2004年度見込みは同3.1%増の2724億円。
また、ドックフードのスナック類は、室内飼育の増加により今後の成長が期待されている市場のひとつだ。室内でのペットとのコミュニケーションやしつけなどで利用する機会が増加したスナック類は、従来のおやつというイメージから、現在はコミュニケーションフードとしての位置を確立させている。2003年度市場規模は305億円。スナック類の構成比は、スナックが62.3%、ガムが21.3%、ビスケットが8.2%などとなっている。
2003年度のペット用品の市場規模(メーカー出荷ベース)は1372億円で、前年度から横ばいで推移していると推計。室内飼育の増加に伴い消臭剤・脱臭剤市場は成長しているが、商品の低価格販売が顕著となっている猫砂や市場全体の成長が鈍化しているフィッシング用品など縮小傾向にある市場の影響があり、全体としては成長が鈍化したとみられている。2004年度は、0.2%減の1369億円を見込んでいる。