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税務関連情報 (2006/12/18)

減価償却制度の見直しなど与党税制改正大綱を決定

 与党は14日、2007年度税制改正大綱を決定した。経済活性化に向けて、設備投資の全額を損金算入できるように減価償却制度を40年ぶりに抜本的に見直すなど、企業減税が中心となっている。焦点となっていた証券税制における株式譲渡益と配当に対する10%軽減税率は、適用期限を1年延長した上で本則税率(20%)に戻す。消費税引上げについては、来年秋以降の税制抜本改革のなかで本格的な議論が始まる。

 減価償却制度については、来年4月1日以後取得する減価償却資産について、償却可能限度額(95%)を撤廃し、耐用年数経過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとする。また、残存価額(10%)を廃止し、この場合の定率法の償却率は定額法の2.5倍の率とする。既存設備については、償却可能限度額(取得価額の95%)に到達後、5年間で均等償却できることとする。

 今回は中小企業向けの減税も小粒ながら注目される。特定同族会社の留保金課税の対象から資本金1億円以下の中小企業を除外する。2006年度改正で創設された特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、適用除外基準である基準所得金額を1600万円(現行800万円)に引き上げる。中小企業の事業承継において活用が期待できる取引相場のない種類株式の相続等の評価方法が明確化される。

 また、中小企業の円滑な事業承継のため、取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度を創設する。受贈者が、2007年1月1日から2008年12月31日までの間に取引相場のない株式等の贈与を受けた場合は、60歳以上の親からの贈与についても、一定要件の下で、相続時精算課税制度の適用を認め、2500万円の非課税枠を500万円上乗せし3000万円とするなどの特例を設ける。

 一方、円滑・適正な納税のための納税環境の整備のなかでは、電子申告普及のためのインセンティブとして電子申告特別控除が創設される。電子証明書を取得した個人が、2007年度分または2008年度分の確定申告を電子申告で行った場合は、所得税額から5000円を控除する。また、電子申告における第三者作成書類の添付省略や、税理士が納税者の代わりに電子申告した場合などの電子署名の省略なども盛り込まれた。

 与党税制大綱の詳細は↓
 http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/pdf/seisaku-030a.pdf