税 務 関 連 情 報

2003年08月01日-002
中小企業にも求められる減損会計

 減損会計という言葉をよく目にするようになったが、中小企業には関係がないと考えている経営者が多いようだ。減損会計とは、企業内外の状況の変化によって、事業用の土地・建物などの固定資産に生じた帳簿価格と現在の評価額の差を損失として計上する会計をいう。例えば、バブルのころに取得した土地の評価が帳簿価格のままでは、その企業の保有資産を正しい価値で表していないことになる。

 減損会計の対象となるのは土地ばかりではない。収益性が著しく低下した工場や赤字の続く店舗・支店・営業所なども対象となる。また、本社ビルや福利厚生施設・研究所などの収益を産み出さない資産、営業権や借地権などの無形固定資産でも、価値が低下すれば減損会計の対象となる。これらの事業用資産の帳簿上の価格と現在の資産価値との差である含み損を損失として処理することが減損会計なのである。

 減損会計の導入は、貸借対照表の固定資産の評価を正確に表すことによって透明性を高めることが目的である。導入を義務付けられるのは、上場企業や資本金5億円以上または負債総額200億円以上の大会社だが、中小企業にもメリットは大きい。透明性の高い貸借対照表を公表することによって金融機関から有利な条件での融資を受けられる可能性などを考えれば、これからは中小企業にも減損会計の導入が求められているといえる。

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