昨年は順調な改善を示した中小企業景況だが、新年当初は幾分減速するとの見通しとなっている。さて、中小企業経営者は、2005年全体を通してどのような経営姿勢で臨もうとしているのか。昨年12月にアンケート調査を実施したのは大阪市信用金庫である。その結果(有効回答数1327社)、3社に2社が新年は「攻めの経営」を目指していることがわかった。
まず、新年の景気予測については、「ほぼ横ばい」とする経営者が65.4%でもっとも多いものの、「よくなる」が17.9%で「悪くなる」の16.7%をわずかながら上回り、全体として底堅さが感じられる内容となっている。業種別にみると、小売業では「悪くなる」(25.6%)が「よくなる」(15.4%)を10.2ポイント上回っているのをはじめ、製造業でも同様に2.2ポイント上回っており、業種間で景気見通しに差異がみられる。
新年の経営姿勢については、「(徹底した)(どちらかといえば)攻めの経営を目指す」とする経営者が65.2%と3社に2社の割合に及ぶ。これに対し、「(どちらかといえば)(徹底した)守りの経営を目指す」とする経営者が34.8%だった。中小企業経営者間では景気の見通しが底堅いことから、経営面における積極的姿勢が強まるようだ。業種別でみると、「攻めの経営」はサービス業(73.4%)が7割を超えもっとも多い。
「攻めの経営を目指す」経営者が実際に予定している具体的な施策(複数回答)は、「業容拡大に向けた営業力の強化」(74.0%)が4社に3社の割合で圧倒的に多い。既存の事業形態や製(商)品・サービスなどに専念し営業力強化を図ることで、規模やシェアの拡大を目指そうとする経営者が主流のようだ。次いで、「新しい製(商)品・サービス等の開発・取扱い」(39.4%)、「新設・増設・更新等、設備投資の実施」(17.8%)などが続く。