農林水産省が今年1月に実施した「農村女性による起業活動実態調査」結果によると、女性起業数は全国で9444件、うちグループ経営が61.9%と大半を占めた。前年度調査時より、個人経営は8.9%(294件)増、グループ経営は1.7%(100件)増とそれぞれ増加している。法人は全体の4.2%(401件)。同調査は、農村女性による農林漁業関連起業活動の実態を把握するため、全国の普及指導センターの協力を得て実施したもの。
活動内容(複数回答)をみると、「食品加工」が75.0%、朝市などの「流通・販売」が43.9%となっており、地域の農産物を利用して起業に取り組む事例が多い。「食品加工」は、ジャム、漬物、和菓子、パンなど農・林・畜・水産物を利用したもの。売上金額でみると、年間売上「300万円未満」が59.3%(5600件)を占め、規模は零細が多い。また、「1000万円以上」も13.5%(1272件)あり、前年より72件増加した。
経営開始年でみると、「2000年以降」に活動を開始した女性起業が41.9%を占めもっとも多く、次いで「1995~1999年」が26.0%、「1990~1994年」が14.2%などとなっている。女性起業のグループ平均年齢及び個人経営者の年齢は、「60~69歳」が43.0%でもっとも多く、次いで「50~59歳」が33.3%と、この2つの年齢層で全体の約8割にのぼる。「70歳以上」も10.8%と1割を占める。
グループ経営の構成員数は、「10人以下」のグループが3095件と、全体の53.0%と過半を占め、次いで「10~19人」のグループが24.3%。なお、女性起業数の上位都道府県は、「秋田県」(441件)が5年連続のトップ、以下、「熊本県」(420件)、「宮城県」(409件)、「福島県」(374件)、「岩手県」(368件)、「新潟県」(356件)、「山形県」(330件)、「千葉県」(330件)、「北海道」(325件)、「大分県」(316件)までが上位10道県。
同実態調査結果の概要は↓
http://www.maff.go.jp/j/press/keiei/kourei/pdf/071102-01.pdf