情報処理推進機構(IPA)が10日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、4月の届出件数は4440件で3月からは8.4%の減少となったが、相変わらず高水準が続いている。また、ウイルスの検出数は約338万個と3月から29.0%の増加となった。種別にみると、W32/Netskyは1009件となり、14ヵ月連続でトップの届出が寄せられた。続いて、W32/Mydoom377件、W32/Bagle330件、W32/Mytob302件となった。
3月に初めて届出されたW32/Mydobウイルスは、多数の亜種が短期間に出現し、10日までに70種類以上となっている。1日平均1種類が出現している計算になるが、実際は4月にその多くが出現し、1ヵ月で約50種類となっている。亜種が短期間に出現すると、ウイルス定義ファイル(パターンファイル)が対応する前に、新しいウイルスの亜種を受信する可能性が高くなる。継続的な予防対策が必要だ。
W32/Mydobは、メールの添付ファイルを介して感染を拡大する機能に加え、Windowsのセキュリティホールを悪用し、コンピュータをネットワークにつないだだけで感染する機能を持つウイルスだ。感染すると、1)大量のウイルスメールを送信する、2)バックドアを仕掛け、外部からパソコンを操作できるようにする、3)ワクチンベンダー等のホームページの閲覧を妨害する、などの活動を行う。
特にバックドアから侵入された場合は、ファイルの削除や不正プログラムの埋め込みなど、様々な被害が発生する危険性がある。IPAでは、W32/Mydobに感染しないために、1)不審な添付ファイルは開かない、2)ウイルス対策ソフトを最新の状態で使用する、3)セキュリティホールを解消する(Windows Updateを実施する)、などの予防策を実施することを勧めている。