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昨年12月末の「国の借金」838兆円で過去最大

税務関連情報 - 2008年02月29日

 財務省が25日に公表した2007年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は838兆50億円となり、前回発表の昨年9月末時点から4兆3068億円増加して過去最悪の数字を更新した。1年前の2006年12月末時点からは3兆6264億円増えた。一方、地方が抱える債務残高は2007年度末で約199兆円と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、重複分34兆円を差し引いても1000兆円台を突破する。

 昨年12月末時点の国の借金は、1年前に比べ、国債は約4.5兆円増の678.6兆円で全体の約81%を占めた。うち普通国債が約2.8兆円増の534.5兆円とほとんどを占め過去最高となった。財政融資資金特別会計国債は約2.1兆円増の141兆円だった。国債以外では、借入金は対前年比約2.3兆円減の57兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は同約1.4兆円増の102.3兆円となっている。

 この「国の借金」838兆50億円は、2008年度一般会計予算案の歳出総額83兆613億円の約10倍、同年度税収見込み額53兆5540億円の15.7倍である。年収500万円のサラリーマンが7850万円の借金を抱えていることになる。わが国の1月1日時点での総人口1億2777万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約654万円の借金となる勘定。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 財務省によると、2007年度の国債発行額は前年度に比べ過去最大の減少となる4.5兆円減の25兆4320億円(実績見込み)、2008年度も0.1兆円減とわずかながら減少し、4年連続減額で25兆3480億円を新規発行する見込みだ。国債発行額の実績ベースの過去最高値、1999年度の37兆5136億円と比べると約12兆円も少なくなっているが、それでも25兆円を超える新規発行が必要な状況にある。財政再建の道のりはまだ遠い。