先に公表された2005年9月期の日銀短観によると、非製造業の業況判断DI(「よい」-「悪い」の割合)は、全規模で前期比横ばいのマイナス3ポイント、先行きは1ポイント改善の2ポイントと、緩やかな改善基調が確認された。改善の推移を製造業・非製造業で比べてみると、製造業では04年半ばから一時IT関連で業況感の悪化がみられたのに対し、非製造業は順調に改善してきている、と分析するのは内閣府のレポートだ。
レポートは、全規模全産業の売上高推移をみると、非製造業の国内向け売上が順調に増加してきており、内需主導での業況回復の可能性がうかがえる、とみている。次に、今年度の非製造業の経常利益計画(9月時点)をみると、飲食・宿泊、小売、対個人サービス、不動産など、内需関連の業種において、対前年度比で大幅な増益を見込むなど、全般的に堅調に改善が続いているとしている。
一方で、電気・ガス、運輸など、原油高の影響が懸念される業種では減益を見込んでいる。そこで、非製造業の直近期仕入価格DI(「上昇」-「下落」の割合)をみると、原油高の影響が予想される業種の仕入価格DIは高水準かつ大幅上昇となっており、さらに販売価格DI(〃)の上昇幅とも乖離が大きくなっている。また、原油投入量の多い業種の過去1年の売上原価率の上昇幅をみても、非製造業全体の売上原価率の上昇幅を上回っており、今後も利益を圧迫することを懸念している。
このように、レポートは、非製造業全体としては内需主導で改善してきている状況にあるが、原油高による一部業種への影響については留意が必要、と指摘している。