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苦境に立つパチンコ関連機器市場~矢野経済研

経営関連情報 - 2008年08月22日

 矢野経済研究所が18日に発表した「パチンコ関連機器市場に関する調査」結果によると、2007年度のパチンコ関連機器市場は、出荷金額ベースで1兆5022億円、前年度比では4.0%減と、昨年度に引き続き微減で推移した。世でいう“パチンコ不況”とは一見して乖離する結果だったが、あくまでも遊技機の市場規模がかろうじて堅持されたことに起因しており、遊技場関連機器(周辺機器)市場の冷え込みは厳しい。

 パチンコ機市場は、今年度8364億円、前年度比4.4%減の微減だった。パチスロ5号機(風俗営業適正化法の遊技機規則改正(2004年7月施行)後、同規則基準に対応したパチスロ機)問題に端を発する形でパチンコ機の設置台数は伸び、また、1台あたりの販売価格が高騰し続けていることなどが市場規模を微減にとどまらせた要因とみている。パチンコ機市場のシェアは関連機器市場全体の55.7%となっている。

 一方、パチスロ機市場では4952億円、昨年度比1.6%増の微増だった。これは、ひとえに5号機入替特需が貢献したものといえ、本質的な市場拡大とは意を異にする。事実、2007年末のパチスロ設置台数は前年比で2割減少していることから、来年度以降のパチスロ市場に好材料が多いわけでは決してないと分析している。パチスロ機市場のシェアは33.0%であり、パチンコ機と合わせた遊技機合計のシェアは88.6%となる。

 残りの11.4%が周辺機器市場となるが、2007年度の同市場は昨年度比15.5%減の1705億円となった。一昨年度比では21.1%減とこの2年間で同市場規模は20%以上も縮小した。ホール企業の新規出店、大改装にけん引される周辺設備部門は“パチンコ不況”の影響を直接的に受けるわけだが、言い換えれば、同部門が回復基調に転じたときこそ、パチンコ産業全体が再浮上する兆しであるとみている。