税 務 関 連 情 報

2001年12月14日-001
発泡酒・たばこ増税は結局見送り

 いよいよ本日14日に来年度税制改正大綱が決定されるが、12日の与党税制協議会でその骨格が固められ、連結納税制度導入に伴う税収減の穴埋めとして、制度を利用する企業グループの法人税に2%の税率上乗せを2年間に限って求める付加税の創設や、発泡酒の税率引上げやたばこ税の増税は見送られることなどが明らかになった。

 来年度税制改正の大きな焦点は、連結納税制度導入に伴う約8,000億円の税収減の穴埋め策だったが、退職給与引当金の廃止や企業関連の租税特別措置の見直しとともに、発泡酒やたばこの増税をはじめ高齢者マル優の廃止・縮小などが俎上に上っていた。発泡酒の税率引上げについては、二転三転し、小泉首相が「ちまちました増税はやるべきではない」と慎重な姿勢を示したにもかかわらず、最後まで財務省が固執したのも歳入不足という財政事情があるからだ。たばこ税についても同様だ。1本2円引き上げれば初年度で約4,000億円の増収となる上、年々肩身が狭くなっている喫煙に係る増税策であることから表立って反対しづらい項目でもある。結局、これらの増収策は「厳しい景気情勢の中で大衆課税はよくない」という政治判断で見送られたことになる。

 連結導入に伴う減収の穴埋め策としては、退職給与引当金の廃止など課税ベースの拡大4,000億円、子会社の連結前の繰越欠損金の算入制限2,500億円、付加税の創設1,000億円などでほぼ手当はつくというのが財務省の胸算用だ。しかし、付加税は2年間の時限措置であり、その後の財政事情を考えれば、発泡酒やたばこは、今後とも増収策のターゲットであることは間違いない。関係業界にとっては、当分落ち着かない情勢が続きそうだ。

 その他の改正項目では、1)申告分離課税一本化となる平成15年1月から、株式譲渡益について証券会社が納税を代行する「申告不要制度」を創設、2)外形標準化税制度の来年度導入を見送り、3)高齢者マル優の段階的な縮小・廃止、4)資本金1,000万円超5,000万円以下の法人の交際費非課税枠を400万円に引上げなどがある。

 

 

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