約8割の中小企業に残る震災被害の影響~日本公庫
日本公庫が行った中小企業景況調査(2011年5月調査)結果(有効回答数535社)によると、三大都市圏における東日本大震災の影響については、被害を受けた企業の割合は首都圏がもっとも高いが、売上に対する影響は中京圏がもっとも高かった。東日本大震災による被害の有無は、三大都市圏合計で77.8%。そのうち57.3%が間接被害で、直接被害間接被害がともにあったのが20.0%だった。震災の影は、まだ色濃く残っている。
震災後から現在までの売上水準(震災がなければ期待できたであろう売上との比較)をみると、71.7%が「7割~10割」、13.7%が「5割未満」、9.7%が「5~7割未満」、4.9%が「増加」。三大都市圏別にみると、中京圏で「5~7割未満」が13.2%、「5割未満」が21.1%とともにもっとも高く、中京圏に打撃となっていたことが分かった。間接被害の内容では、「原材料、部品などの調達困難」が中京圏で35%を超えた。
一方、石油製品の価格高騰による影響調査も行われ、原油・石油製品の価格高騰に伴う収益への影響が、5月は「やや圧迫」が48.8%、「圧迫」が5.6%と、それぞれ4月を3.0ポイント、2.0ポイント下回り、4ヵ月ぶりに低下した。収益への影響が比較的大きい業種をみると、「木材・木製品製造業」が5月で77.8%、「食料品製造業」が同77.8%、「化学工業」が同78.6%と、影響が続いている。
なお、5月の中小企業の売上D.I(「増加」-「減少」)は▲17.9と、4月の▲10.9からマイナス幅が拡大しており、3ヵ月連続の低下となった。売上見通しD.I(同)は▲12.0と、4月の▲20.4からマイナス幅が縮小した。利益額D.I(「上昇」-「低下」)は▲15.8と、4月の▲11.7からマイナス幅が拡大。しかし、販売価格D.I(同)は4月の▲2.6から0へと、2008年10月以来のプラスに転じている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.jfc.go.jp/common/pdf/keikyoyouyaku_1105.pdf