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厚労省、職場での熱中症予防の徹底を呼びかけ

経営関連情報 - 2011年06月10日

 厚生労働省では、昨年の熱中症による死亡者数の増加や今夏の節電せざるを得ない状況などを受けて、職場での熱中症予防の徹底を呼びかけている。同省のまとめによると、昨年2010年の職場での熱中症による死亡者数は、猛暑の影響もあって、2009年の8人から47人へと急増した。熱中症と分類して統計を取り始めた1997年以降、最多の人数だ。2010年までの過去10年間の熱中症による死亡者の合計は210人となっている。

 これまで、おおむね20人前後で推移してきた死亡者数からみて、2010年の死亡者数は2倍以上の人数となっている。業種別にみると、「建設業」が2009年の5人から2010年は17人、「製造業」が同1人から9人、「農業」が同0人から6人、「その他の業種」が同0人から10人へとそれぞれ大きく増加した。また、災害件数の94%が7、8月の両月に発生し、43%が作業開始から7日以内に発生している。

 厚労省では、職場での熱中症の予防について、従来から、職場での暑熱の状況を把握し、作業環境や作業、健康の管理を行う、自覚症状の有無にかかわらず、水分・塩分を摂取するなどの具体的な対策を定めている。しかし、今夏は、昨年の猛暑によって死亡者数が増加したことに加えて、東日本大震災により夏季電力受給対策に基づき、職場での節電を求められていることから、熱中症に対する予防対策を重点的に実施することにしている。

 例えば、建設業や建設現場に付随して行う警備業においては、(1)管理・監督者が頻繁に巡視を行う、朝礼等の際に注意喚起を行うなどにより、作業者に、自覚症状の有無にかかわらず水分・塩分を定期的に摂取させる、(2)WBGT値(湿球黒球温度)について計測等を行い、必要に応じ作業計画の見直し等を行う、(3)高温多湿作業場所で初めて作業する場合には、順化期間を設けるなど配慮すること、の3項目を重点事項としている。

 この件は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001dwae.html