経 営 関 連 情 報 |
2003年04月25日-003
需要が見込める高齢者向けのインターネット教育
インターネットを使った情報収集やコミュニケーションは、日常生活にすっかり定着したようだが、60代以上の高齢者には今ひとつ普及が遅れている。総務省の情報通信白書によると、2001年12月の60代のインターネット利用率はわずか15.9%。20代の68.5%や30代の68.4%に比べると、利用率は4分の1以下だ。
しかし、日経産業消費研究所の調査では、パソコンを持っている世帯は、2000年58.2%、2001年65.1%、2002年73.4%と、過去3年間で大きく上昇した。年齢別でみると、20代から60代までどの年代も所有率が上昇しており、60代以上も他の年代に比べて水準は低いながらも着実に所有率を上げている。
パソコンでインターネットを「現在利用している」と答えた世帯は、2000年73.2%、2001年78.7%、2002年82.6%と、3年連続で増えている。インターネット利用世帯を回答者の年齢別でみると、2002年に前年と比べて最も上昇したのは60代以上。40代の4.3ポイント、50代の4.2ポイントアップを上回り、6.5ポイントだった。
このようにみてくると、高齢者のインターネット利用率は現在は低いものの、高齢者も利用意向は十分にあり、少なくともインターネットを始める上での環境は整っていることは確か。しかし、いくら自宅でインターネットができても、自分ひとりではどうしたらいいのか分からない高齢者が多いのも事実である。
情報通信白書によると、60代以上がインターネットの開始条件として重視しているのは、第3位が「パソコン端末の価格がもっと安くなること」、第2位が「インターネットの利用料金がもっと安くなること」、そして第1位は「近くに教えてくれる人がいること」だった。
今後ますます進展する高齢化社会の中で、インターネットが在宅医療や地域活動に役立つことを考えれば、高齢者がインターネットを使いこなせるようになることは望ましいこと。まだパソコンに触れたことのない高齢者のニーズをうまくつかんでいけば、初心者向けのインターネットマニュアルやパソコン教室などは、まだまだ多くの需要が見込めるといえそうだ。
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