ゼイタックス

経営関連情報 (2005/04/15)

期待される「ネット家電」の普及のカギは何か?

 薄型テレビやデジカメなどに代表されるデジタル家電のブームが続くなか、ネットワークに接続できるデジタル家電である「ネット家電」への期待が高まっているが、ネット家電の市場は期待ほどに拡大していない。そこで、ネット家電の普及を阻害する要因や普及のカギを探ったのは富士通総研の主任研究員・前川徹氏の分析レポートである。

 レポートでは、生活者に対する既存の調査を分析し、ネット家電に対する生活者の当面のニーズは「好きなときに好きな場所で好きな映画や音楽などのデジタルコンテンツを楽しむこと」と「自分の健康や親の健康、治安の悪化や犯罪の増加という心配事を軽減してくれる、安全安心の提供」にある。これらのニーズを満たす製品やサービスはすでに商品化されているのだが、利用は広まっていないと指摘する。

 普及を阻害している要因をいくつかの調査から探り、生活者のネット家電に対する不安として、1)セキュリティやプライバシー侵害に対する不安、2)ネット家電の相互互換性に対する不安、の2つを挙げている。また、ネット家電がどのようなもので、どのように利用できるのかが、生活者に十分に伝わっていないという課題もあることを明らかにしている。

 したがって、ネット家電普及のカギは、このような生活者が抱いているネット家電に関する2つの不安を解消することが必要不可欠だ。同時に、生活者の当面のニーズが安全・安心サービスとデジタルコンテンツ系の娯楽にあるとしても、それによって生活がどう変わるのかをうまく伝えないと生活者の持つニーズは実需に転換することはないだろう、というのが本レポートの結論となる。

 レポートの詳細は↓
 http://www.fri.fujitsu.com/open_knlg/reports/report223.pdf