2003年11月10日-001
中小企業も決算書を公開する時代(3)
~「貸借対照表」って何?
貸借対照表は、会社の期末における財政状態(資産・負債・資本の状態)を示す決算書である。別名「Balance Sheet」(略してB/S)とも呼ぶ。貸借対照表における財政状態とは、会社の資金の調達状況及び運用状況のことだ。
会社の資金調達は、その源泉によって「負債(他人資本)」と「資本(自己資本)」とに分かれる。「負債(他人資本)」は、主に債権者によるもので、借入金・支払手形・買掛金などがある。一方、「資本(自己資本)」は、株主の払込資本とその資本を使って稼いだ利益を源泉とする内部留保からなる。
貸借対照表は、資産・負債・資本から構成される。貸借対照表の左側の資産合計の数値と右側の負債・資本の合計の数値は必ず一致する。 「資産=負債+資本」である。
資産は、1)流動資産(現金・預金、有価証券、商品、前払費用など)、2)固定資産(建物や機械装置・土地などの有形固定資産、営業権や特許権などの無形固定資産、投資有価証券や長期貸付金などの投資その他の資産)、3)繰延資産(試験研究費や開発費など)を合計したものである。
負債は、1)流動負債(支払手形・買掛金・短期借入金・未払金など)、2)固定負債(社債・長期借入金など)。資本は、1)資本金、2)資本剰余金(資本準備金・その他の資本剰余金)、3)利益剰余金(利益準備金・別途積立金・当期未処分利益)、4)自己株式を合計したものである。
会社の財政状態の良し悪しは、貸借対照表の「自己資本」(資本の部)の大きさを見ればいい。自己資本は、上記のように株主の払込資本とその資本を使って稼いだ利益の内部留保だから、返済する必要がない。自己資本が充実していれば、銀行などからわざわざ借入をする必要がないことになる。
(続く)
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