経 営 関 連 情 報

2003年05月19日-002
中国ビジネス成功のカギは「人」のマネジメント

 産業の空洞化が懸念される日本企業の海外進出、なかでも中国へ進出する企業は多いが、ビジネス成功のためには、現地中国人によるマネジメントを確立し、成果主義を進めるという、「人」のマネジメント重視の志向があるなどの実態が明らかになった。これは、日本能率協会が、中国に進出している日系・非日系企業3500社の社長を対象に昨年暮れから今年2月にかけて行った調査結果で分かったもの(回答424人)。

 調査結果によると、中国への進出理由(複数回答)は、日系・非日系ともに「コスト削減」が5割強でトップ。日系企業では、「中国市場の開拓・拡大」(40.2%)、「海外市場向け生産拠点の確保」(36.2%)などが続く。

 また、中国現地法人の現在の課題(3つまで回答)は、「競合企業との競争激化」「商品・サービスの品質管理」がいずれも4割以上と圧倒的に多い。3年後の課題(同)では、「商品・サービスの品質管理」(23.6%)が大きく減少する一方で、「人件費の高騰」が27.6%と10ポイント弱増加し第2位に上がっている。その傾向は日系企業に強く出ている。

 中国ビジネスで成功するために重要な経営戦略(3つまで回答)では、日系・非日系ともに「顧客第一主義」が5割を超えてトップだが、次は、日系企業では「現地中国人によるマネジメント体制の確立」(41.9%)であるのに対し、非日系企業では「研究開発の重視」(同)と大きな違いが出ている。

 さらに、現在重視している経営施策(3つまで回答)では、「厳密な原価管理の徹底」と「経営理念や経営目標の強調と共有化」がいずれも5割から6割の回答比率で、日系・非日系とも多くなっている。一方、「成果・業績評価による賃金・昇進」は日系企業が52.0%に対し非日系では36.1%、逆に「CS(顧客満足度)測定」では日系36.2%に対し非日系52.4%と、重視度に大きな差が出ている。

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