税 務 関 連 情 報 |
2003年01月10日-001
会社再建のための債務免除は経営継続でも非課税に
保証債務を履行し求償権を放棄した場合、これまで税理士など実務家の間では、事実上、会社が解散していないと、所得税の非課税措置は認められないといわれてきた。非課税措置は、所得税法第64条の「資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例」である。
ところが、長引く不況の中では、経営の苦しくなった会社に対して中小企業の経営者などが自らの私財を投げ打って保証債務を履行し、再建を目指す場合も少なくない。このようなケースで、会社が解散するまでは特例を認めないとなると、経営の傾いた中小企業の再生がはかどらないし、仮に倒産してしまった場合は身ぐるみをはがされることになってしまう。
このため、保証債務を履行し求償権を放棄した場合に、1)会社を再建するために求償権を放棄する場合、2)廃業していくが、いまだ会社が解散していない場合でも非課税措置が認められるように通達を改正する方向だ。2003年度税制改正の一環で経済産業省が要望したもので、現在、国税庁が通達改正に向けて作業を進めている。
運用基準が明確化されるわけだが、法人がその求償権を放棄後も存続し、経営を継続している場合でも、次のすべての状況に該当すると認められるときは、その求償権は行使不能と判定される。
1)その代表者等の求償権は、代表者等と金融機関など他の債権者との関係からみて、他の債権者が持つ債権と同列に扱うことが困難であるなどの事情により、放棄せざるを得ない状況にあったと認められること
2)その法人は、求償権を放棄(債務免除)することによっても、なお債務超過の状況にあること
【ホームへ戻る】