ゼイタックス

低価格よりも半歩上質を求める消費者の本音

経営関連情報 - 2008年04月07日

 原油や穀物などの高騰によって中小企業の原材料・仕入価格も上昇しているが、その上昇分の価格転嫁には苦慮しているところが多い。しかし、安全性や品質が高まれば値上げも受け入れるという消費者の意見が、電通が2月末から3月にかけて実施した「値上げに関する消費マインド調査」で明らかになった。コストが上昇する厳しい経営環境を乗り切るために、企業には攻めの対応も望まれているようだ。

 調査結果(有効回答数1000人)によると、 商品等の値段が高くなることに対しては、「安全性について信用できる」(80.6%)、「値上げとともに品質も向上する」(57.2%)ということであれば、納得できるという人が多かった。食品や日用品で、多少(10~30%程度)価格が高いが、品質の良い商品を取り入れる意向を尋ねたところ、「週に1度以上取り入れたい」と回答した人が61.7%と、6割を超えた。

 また、今後の買い方として低価格志向か付加価値志向かを尋ねたところ、どの分野でも付加価値志向が高かった。特に、「安全性」(69.9%)、「健康」(67.3%)、「味・品質」(58.6%)への付加価値志向が高い。このように、今後の商品選択の意向としては、低価格により安全性や品質が損なわれるよりも、価格の上昇とともに安全や品質の向上を求める声が強く、低価格よりも半歩上質を求める消費者の本音がうかがわれる。

 なお、最近の商品等値上げの家計への影響については、「非常に圧迫」が14.0%、「やや圧迫」が40.5%と、家計に圧迫を感じている人は5割強にのぼった。また、値上げ対策では、「少しでも安い店を探す」(62.7%)、「特売などの日を選ぶ」(53.9%)が上位で、買い控えにあたる「購入する量や回数を減らす」(49.5%)が続く。「より安い国産ブランドを試す」(32.6%)など安い商品へのブランドスイッチはそれほど高くなかった。