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税務関連情報 (2006/07/28)

一時所得で課税される大相撲の優勝賞金

 大相撲名古屋場所は横綱朝青龍が17度目の優勝を飾り、無敵の強さを見せつけた。今場所、横綱昇進がかかっていた白鵬は13勝を上げたものの、前半戦での2敗がネックとなって残念ながら昇進は見送られた。ところで、優勝した力士には賞金が贈られる。幕内が1千万円、十両が200万円、幕下が50万円、三段目が30万円、序二段が20万円、序の口が10万円のほか、三賞は殊勲・敢闘・技能とも200万円だ。

 税務上、これらの賞金に対しては一時所得として課税する。ご存知のように、一時所得の金額は「収入金額-収入を得るために支出した費用-特別控除額」で計算し、総所得金額を計算する場合は、その2分の1に相当する金額が他の所得と総合される。特別控除額は50万円だから、幕下以下の力士は課税されない。幕下以下の力士は給料がなく、生活の面倒は部屋の親方が見ているので、それぐらいの優遇は仕方がないところだ。

 十両以上の力士は日本相撲協会から月給をもらっている。横綱は282万円、大関は234万7千円、三役は169万3千円、幕内は130万9千円、十両は103万6千円と、その地位に応じて5段階の金額である。もちろんこれらの所得は給与所得。「十両」の呼称は、江戸時代の幕下二段目の上位10枚目までの力士の給料が「十両」だったことに由来するそうだ。幕下二段目とは、現在の十両から幕下に相当する地位を指す。

 力士は当たり前ながら強くなければお金は稼げない。人気力士の取組みにはスポンサーから1本6万円の懸賞金がかけられるが、この懸賞金も勝者の総取りだ。横綱朝青龍ともなれば、一場所で300本近く、金額にして1500万円前後の懸賞金を手にするという。懸賞金6万円のうち、5千円が協会の手数料、2万5千円を税金支払のため協会が積み立て、残りの3万円を土俵上で受け取る。この懸賞金は事業所得として課税される。