2003年10月01日-002
今年上期の工場立地件数は前年同期比12.5%増
経済産業省が9月29日に公表した工場立地動向調査速報によると、2003年上期の立地件数は432件、立地面積は552ヘクタールで、件数・面積ともに、半期別の集計を開始した1980年以降最低の水準だった2002年上期を上回った。前年同期比で立地件数が48件(12.5%)増、立地面積も159ヘクタール(40.6%)の大幅増となった。
経産省では、この増加の原因について、景気低迷の長期化による新規投資のマインドの下げ止まり感、中国等海外立地に対する国内立地の優位性の見直しが進みつつあるとみている。加えて、今期立地動向における上位業種や地域が前年同期に比べ変動していることなどから、近年に増して国内生産拠点の集約再編の動きに拍車がかかっていることなどを挙げている。
また、各自治体による企業誘致策の創意工夫が大いに奏効しているケースも多く報告されている。例えば、事業用定期借地制度やリース制度などによる賃貸型の用地取得の増加が特筆される。岩手県では6件のうち3件が土地・建物の賃借による立地、秋田県でも9件中4件が、近畿圏では3割以上が、四国においては6割以上が借地による立地だった。
特に香川県では、高松東ファクトリーパーク及び東かがわ市西山工業団地への借地制度導入により、立地の全てが借地によるものだった。ほかにも、産業立地促進税制(不動産取得税の軽減)や土地分譲代金の長期分納制度などを活用した立地が全体の半数を占めた愛知県などの例もある。
こうした立地産業の初期投資を抑制する傾向を的確に捉えた施策が奏効した結果、立地件数・面積の増加、借地型立地・跡地立地等の増加に顕著に現れたことが今期の工場立地の特徴といえる。また、廃止事業所の跡地を取得する立地や、立地条件がよく立地の多かった都市圏近隣等においては、工業団地や産業拠点などへの立地が増えていることも今期の特徴だ。
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