ゼイタックス

経営関連情報 (2007/03/05)

パートの7割が厚生年金適用拡大に反対

 政府・与党では、「再チャレンジ推進」の方針の下、パート労働者など短時間労働者への厚生年金等の適用拡大を強力に推し進めようとの動きがある。厚生年金適用拡大が実現すると負担が増す企業側の反発も強いが、実際に現場で働くパートの意向を調査(有効回答数2万6610人)したのは日本フードサービス協会だ。外食産業では、従業者に占めるパート・アルバイトの比率が高く、パート化率は約9割にものぼる。

 調査結果によると、パート・アルバイトの年金加入状況は、「第3号被保険者として加入」が43.1%ともっとも多く、次いで「パートの勤務先の厚生年金に加入」(20.5%)、「国民年金、厚生年金ともに未加入」(12.6%)が続き、「年間収入が130万円以上のため、国民年金に加入」(12.3%)は1割強だった。第3号被保険者の割合が高いのは、外食産業におけるパートの担い手に主婦層がかなりの部分を占めているためとみられる。

 週20時間以上働くパート等を対象とする厚生年金適用拡大の認知度については、「知らない」が58.0%と「知っている」(41.8%)を上回っており、全般的に年金を身近な問題として捉えていない人が多く、理解度も低いことが分かった。週20時間以上での厚生年金加入については、「賛成」は28.5%と3割弱に過ぎず、「反対」が71.2%を占め、7割強のパート・アルバイトが反対している結果となった。

 反対の理由は、「保険料の負担で手取金額が減少する」(60.0%)や「将来の年金支給はあてにならない」(48.1%)が多く、次いで「家計を支えるため少しでも収入がほしい」(36.9%)、「自分の都合のよい時間に働きたいから」(27.7%)が続く。一方、賛成の理由では、「将来、年金を受け取れるから」が79.9%ともっとも多く、次いで「女性が自立できる制度と思うから」(32.5%)が挙げられた。