国民生活センターによると、最近、未公開株に関する苦情相談が急増しているという。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、「上場間近で必ず儲かるからと勧誘されたが、信用できるか」、「未公開株を購入したが、上場予定時期を過ぎても上場しない」、「未公開株の解約を申し出たが、返金を引き伸ばされたうえ、8割の返金でどうかと言われた」といった苦情相談が寄せられている。
また、その件数も大幅に増加しており、2005年度(2006年1月31日までの登録分)はすでに1296件に達し、前年同期(222件)の約6倍にもなっている。そこで、国民生活センターでは、未公開株に関する勧誘について、1)“営業としての”販売なのか、個人の相対取引なのか不明、2)詐欺的な事例も見受けられる、3)連絡が取れなくなるなど、一般に業者の信用度が不明などの問題点を挙げ、注意を呼びかけている。
苦情相談のなかには「近々上場し、値上りすると勧誘されて未公開株を購入したが、その未公開株の発行会社に問い合わせたところ、上場の予定はないと言われた」などのように、虚偽の説明による勧誘などの詐欺的な事例も見受けられる。最近では詐欺容疑で逮捕された事件もある。また、いったん代金を支払った後、解約しようと思っても、そもそも連絡がつかなくなってしまう業者も少なくない。
こうした問題点を踏まえ、国民生活センターでは、株取引などと日ごろ無関係な一般業者がトラブルを未然に防ぐために、1)「値上り確実」などといったセールストークに惑わされず、勧誘には応じずにきっぱり断ること、また、2)不審を感じたら最寄りの消費者センターなどに相談すること、3)警察の摘発事例もあるので、詐欺的な要素が強いと思われるケースでは警察に届け出ること、などを勧めている。