いよいよ団塊世代の退職、いわゆる「2007年問題」が迫りつつある。商工中金が実施した「団塊世代を中心とした中小企業の雇用動向調査」結果(有効回答数2130社)によると、団塊世代の退職が経営に与える影響について、「プラス」(13.2%)とする見方と「マイナス」(12.7%)とする見方がほぼ拮抗した。「どちらともいえない」が74.2%と大部分を占めている。製造業では「マイナス」(13.7%)が「プラス」(11.8%)を上回る。
団塊世代の退職によるマイナスの影響(3つまで回答)では、「ノウハウの喪失」が47.4%ともっとも高く、以下、「退職一時金等の負担」(34.2%)、「技術水準低下」(33.3%)、「労働力不足」(27.5%)の順で続く。製造業では、「ノウハウの喪失」(48.7%)に次いで「技術水準低下」が44.8%と、技術力の低下に多くの企業がマイナスの影響を見込んでいる。非製造業では「人脈喪失」(30.2%)への懸念の強さが目立つ。
プラスの影響(3つまで回答)では、「人件費削減」と回答した企業の比率が80.8%ともっとも高く、以下、「社内活性化」(37.2%)、「昇進遅滞解消」(13.7%)、「過剰労働力解消」(13.6%)の順となった。全体では、賃金の相対的に高い団塊世代の退職は人件費の削減に貢献すると考える企業が多い一方、「過剰労働力解消」と考えている企業はごく一部にとどまっている。
団塊世代の退職に対して、これまでに「対策をとった」企業の比率は29.2%となった。マイナスの影響を強くみる製造業(32.0%)が非製造業(27.1%)を上回る。また、「今後3年程度で対策をとる」ことを予定している企業は42.2%だった。これまでにとった具体的な対策(複数回答)をみると、「継続雇用制度の導入」が72.0%でもっとも多く、以下の「中途採用拡大」(25.4%)や「人材育成の推進」(21.3%)を大きく上回る。
http://www.shokochukin.go.jp/pdf/cb05other11.pdf