自動車税滞納の一掃に取り組んでいる東京都は、2月から滞納者の車をタイヤロックで差し押さえる新手法を導入する。従来の自動車本体を運び出す引揚げ方式に加え、金具でタイヤを固定して運行不能状態にするタイヤロック方式を併せて実施する。盗難防止用として市販されているタイヤロックを使った差押さえは、引揚げ方式に比べローコストで手軽にできることから、その効果が期待されている。
自動車税は、毎年4月1日現在での自動車所有者に対し、自治体から送付される納税通知書により5月末までに金融機関等で納めることになっている。また、新規登録や登録替えをしたときは、登録のときに申告して月割りで納める。ところが、東京都によると、昨年5月末の納付期限を過ぎて、再三の催告にも応じない人が所有する自動車が約8万9千台にのぼるという。
これまでも再三の催告に応じない滞納者に対しては差押さえを実施してきたが、自動車本体を運び出す引揚げ方式は、運搬や保管などに約20万円の経費がかかることから、公売にかけても元がとれる高級車に限られていた。そのほかは、登録名義を都に移すだけの書類上の差押さえだったから、滞納者はそのままでも車が使えるため、差押さえ通知を無視する人が多く、効果が上がらなかったという。
タイヤロック装着の新手法を導入しての差押さえは、第一弾が2月6日~10日まで港都税事務所ほか7所で、第二段が13日~17日まで千代田都税事務所ほか8所で、第三弾が20日~24日のうち1日、大田都税事務所ほか7所で、それぞれ実施される。「まさか差押さえまではしないだろう」と高をくくっている人も多いだろうが、都は本格的に差押さえに取り組む方針だ。
なお、2004年度から、自動車税は全国のコンビにでも納めることができるようになっている。納付可能なコンビには、サークルK、サンクス、セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンの各店舗だ。また、全国の郵便局でも自動車税の納付が可能となっている。身に覚えのある方は、車が動かなくなる前に、近くのコンビニや郵便局に飛んでいくことをお勧めしたい。