ゼイタックス

国内銀行109行の平均給与は603万円で3年連続減

経営関連情報 - 2010年08月20日

 東京商工リサーチが有価証券報告書などをもとに実施した「銀行109行『国内金融機関の平均年間給与』調査」結果によると、銀行109行の2010年3月末の平均年間給与は、前年同期比3.8%減の603万9000円となった。全体平均は2007年3月末の645万7000円をピークに減額の一途を辿っており、3年連続で前年を下回った。前年実績を上回ったのは地方銀行4行、第二地銀7行の計11行だけで、大手8行はすべて前年を下回った。

 業態別の2010年3月末の平均年間給与額は、大手行が739万5000円(前年同期比55万8000円減、7.0%減)、地方銀行が628万2000円(同25万3000円減、3.8%減)、第二地銀が539万7000円(同17万6000円減、3.1%減)。大手行と第二地銀の格差は199万8000円で、2009年3月末には238万円に開いたが、2010年3月末は2006年3月末(169万3000円)以来、4年ぶりに200万円を切った。

 銀行別にみると、トップは「新生銀行」の849万円、次いで「みずほコーポレート銀行」(831万円)、「あおぞら銀行」(801万円)、「静岡銀行」(792万円)、「三菱東京UFJ銀行」(787万円)と、上位5行のうち大手行が4行を占め、うち3行は800万円を超えた。外資が大株主の新生銀行、あおぞら銀行は、そろって公的資金の注入を受けているが、両行の業績低迷は、行員の厚遇が一因であることが浮き彫りとなった。

 なお、国内銀行の2010年3月末の従業員数は25万8313人で、2006年3月末に比べ2万4531人(10.4%)増えた。2007年3月末以降では、毎年、前年同期に比べ1.0%増~4.1%増で推移している。業態別の従業員数(2010年3月末)は、大手行が9万9456人(前年同期比3553人増、3.7%増)、地方銀行が11万8212人(同3267人増、2.8%増)、第二地銀が4万645人(同470人増、1.1%増)となっている。

 バブル崩壊後の不良債権処理が長引いた銀行業界は、正社員からパート社員へのシフト、新卒採用の抑制など、収益改善のため人員削減に取り組んできた。しかし、2010年3月期決算のようにリスク管理コストの減少から収益が大幅に改善し、最近は新卒者やグローバル戦略への対応に注力するため従業員の積極採用に転じている。この結果、2010年3月末の平均年齢は38.3歳と2006年3月末より0.5歳若返っている。