ゼイタックス

税務関連情報 (2006/10/30)

法人税調査で1兆6654億円の申告漏れ把握

 国税庁が27日に公表した今年6月までの1年間(2005事務年度)における法人税調査事績によると、不正計算が想定されるなど調査必要度の高い14万3千法人(前年度比15.4%増)を実地調査した結果、うち72.7%にあたる10万4千件(同15.1%増)から前年度に比べ11.7%増の総額1兆6654億円の申告漏れを見つけた。加算税額597億円を含む3953億円(同9.8%増)を追徴。1件あたりの申告漏れは1164万円となる。

 また、調査した20.1%にあたる2万9千件(前年度比17.6%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は4142億円(同15.2%増)だった。1件あたりの不正脱漏所得は1442万円(同2.0%減)と減少したが、過去最高だった2002年度の1591万円に比べれば100万円程度の減少にすぎず、不正事案の大口化は依然として続いているとみていい。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が56.2%で4年連続のワースト1位となった。「バー・クラブ」は2000年度まで14年連続1位という不名誉な記録を続けていたワースト業種の常連(唯一2001年度がワースト2位)。次いでこれも常連の「パチンコ」(51.0%)が続き、「廃棄物処理」(33.4%)までのワースト3の順位は3年連続で変わりない。

 一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい10業種では、前年2位の「パチンコ」が4357万円でトップになった。以下、「水運」(3191万円)、「自動車・同附属品製造」(2636万円)、「その他の娯楽」(2603万円)、「電子機器製造」(2367万円)までがワースト上位5業種。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は1688万円で第10位と、1件あたりの不正脱漏所得は少ない。