情報処理推進機構(IPA)が4日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、7月の届出件数は4536件となり、6月に比べ8.0%(392件)減となった。種別では、W32/Netskyが1125件となり、17ヵ月連続でトップの届出が寄せられた。続いてW32/Mytobが638件、W32/Bagleが284件、W32/Lovgateが249件となっている。また、7月には新種ウイルスW32/Reatle(リアトル)が出現した(35件)。
この新種ウイルスは、メールの添付ファイルを介して感染を拡大する経路に加えて、Windowsのセキュリティホールを悪用することで、ネットワーク経由でも感染する。感染すると、1)バッグドア(裏口)を設定する、2)特定サイトへDos(サービス妨害)攻撃を仕掛ける、3)スパイウェアなど他の不正プログラムを勝手にダウンロードする、などの活動を行う。ウイルス対策ソフトの活用やセキュリティホールの解消を日ごろから継続することが重要だ。
また、ウイルスばかりでなく、パソコン内の情報を収集して外部に送信するスパイウェアが出回っており、金銭的被害も発生している。誤ってメールの添付ファイルを開いたり、ホームページ上から取り込んでしまわないように注意を呼びかけている。IPAに発見・被害報告が寄せられている主なスパイウェアには、Trojan/Lineage(リネージュ)やTrojan/Myftu(マイフツ)などがある。
リネージュは、オンラインゲームのログインID、パスワードを収集し、外部に送信する。マイフツは、アダルトサイトなどで画像をクリックすることでパソコンにダウンロードされ、メールアドレスが収集される。収集されたアドレスが振り込め詐欺に利用されるケースが確認されている。IPAでは、「スパイウェアの脅威!」との呼びかけで「気づかぬうちに侵入されていませんか?」と注意喚起している。