経 営 関 連 情 報

2002年09月30日-001
目立つ信用リスクに応じた金利引上げの動き

 中小企業庁が26日に公表した「地域中小企業金融ヒアリング調査」結果によると、都銀や上位地銀において、信用リスクに応じた金利引上げの動きが目立ち、業況の良い中小企業には貸出競争が行われ、むしろ金利の引下げ競争が起きていることも明らかになった。この調査は、中小企業庁幹部が24道府県に出張し、地域の中小企業金融情勢について、中小企業団体、地銀や信金等の地域金融機関から、8月末から9月上旬にかけて聞き取り調査を実施したもの。

 それによると、金融機関の貸出動向は、業況の比較的良好な企業は借入金の返済など財務リストラに努めており、資金需要が減少している一方で、業況の悪い厳しい企業の資金需要には、そのリスクの大きさから応えられない状況にあることが分かった。また、金利の引上げの動きが目立つが、業況の非常に厳しい貸出先に対しては、倒産のリスクがあることから、金利の引上げに躊躇する傾向にある。このため、業況は決して良くないが、倒産懸念とまではいかないような中小企業で金利が引き上げられているようだ。

 このような金利引上げの動きは、上位地銀までで、第二地銀や信金・信組といった地域性の強い金融機関では、地域とのつながりも強く、いかに信用リスクに応じたといっても、一方的な金利引上げには踏み切れていないとの報告があった。また、取引金融機関が破綻し、整理回収機構(RCC)に債権が売却された中小企業で、なお再建の見込みがあるところに対しても、他の金融機関からの融資が得られず、資金繰り対策が必要との指摘もあったという。

 

 

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