税 務 関 連 情 報

2003年09月17日-002
日本経団連、企業の公的負担抑制へ税制改正要望

 日本経団連は12日、2004年度税制改正に関する提言を公表し、租税と社会保険料を合わせた企業の公的負担の抑制に向けて、消費税を拡充し、わが国税制の根幹に位置付けることが不可避との主張を示した。具体的には、個人・企業の所得に対する課税は現状程度の水準にとどめ、消費税率を遅くとも2007年度までに、地方消費税と合わせて10%まで引き上げることを求めている。

 わが国企業の実質税負担率は、法人実効税率が95年度の49.98%が2002年度の40.87%まで低下したことなどから軽減されてきた。しかし、固定資産税など土地課税負担の高止まりや、社会保険料負担の増加によって公的負担率は依然高水準にある。特に社会保障費については、2002年度は95年度に比べ総額で5.4%の伸びだが、この間、従業員数はマイナス16%と大幅に減少しており、従業員一人あたりの社会保障費は95年度の約76万円から2002年度は約95万円へと急増している。

 今後、社会保険料の引上げが続けば、雇用リストラの動きがますます進み、経済全体に深刻な影響が出ることが予想される。一方、2004年度の公的年金制度改正に向けた厚生労働省案は、現行13.58%の保険料を最終的に20%とする保険料先行引上げを最優先課題としている。しかし、厚生年金保険料の1%引上げは、法人税率4%の引上げに相当し、労働コストの急上昇、国内雇用の減少、保険料率の再引上げという悪循環を引き起こし、絶対に容認できない。

 経済活力を維持し、財政・社会保障制度の持続可能性を確保するには、潜在的国民負担率を50%以下に抑制する必要があるため、税制改革、社会保障制度改革、国・地方の行財政改革の一体的推進が不可欠だ。そこで、経済成長に対する影響が相対的に少なく、高齢者も含めて国民が広く負担を分かち合うことができる消費税を拡充すべきだ。基礎年金国庫負担の引上げ、高齢者医療・介護財源などのため、消費税率を遅くとも2007年度までに10%まで引き上げることが必要との主張である。

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