日本不動産研究所がこのほど発表した「2008年オフィスビル調査結果」によると、2007年12月末現在のオフィスビルのストック状況は、全都市は8512万平方メートル(5425棟)で、東京区部が4842万平方メートル(2463棟)と全都市の57%が東京に集中している。同調査は、三大都市の延床面積5000平方メートル以上、主要都市の同3000平方メートル以上のオフィスビルを対象に実施したもの。
最近3年間のオフィス新築では、全都市の床面積合計が560万平方メートル(184棟)に対し、東京区部は426万平方メートル(104棟)と全都市の76%を占めて圧倒的に多く、次に名古屋が52万平方メートル(17棟)と続く。東京一極集中が加速しており、これは、企業の業績回復に伴う景気回復傾向に加え、J-REITや不動産ファンドが東京区部で活発化したことによるものとみられている。
一方、最近3年間のオフィス取壊しでは、全都市の床面積合計が169万平方メートル(143棟)に対し、東京区部は118万平方メートル(94棟)と全都市の70%を占め、新築に近似している。東京区部の新築ビルと取壊しビルの棟数差が少ないのは、ビルの建替えや再開発が進んでいることを示している。一方、主要都市では、取壊しビルが新築ビルの半分以下であり、ビルの立替えがあまり進んでいないことがうかがえる。
また、取壊しビルの平均築後年数はおおむね築35~39年であることから、築40年以上のビルが取壊しの対象と仮定すると、全都市で873万平方メートル(東京区部442万平方メートル、大阪160万平方メートル、名古屋98万平方メートル、主要都市173万平方メートル)が存在し、今後10年間で1365万平方メートルが建替えの候補に加わるなど、今後のオフィスビル供給を判断する“重要なカギ”である。
同調査結果の詳細は↓
http://www.reinet.or.jp/up_pdf/1223256586-20081006office.pdf