経 営 関 連 情 報 |
2002年08月21日-001
病院などの倒産が過去最悪に迫る水準で推移
病院などの倒産が過去最悪に迫る水準で推移しているようだ。厚生労働省によれば、国民医療費は1999年度に初めて30兆円を突破したが、高齢化社会の進展に伴い、2025年度には約70兆円にまで増大すると推計されている。このため、医療保険財政悪化に歯止めをかける目的で、患者窓口負担の引上げや老人の医療費負担増、診療報酬の引下げなどの諸施策が決められてきた。このような制度改革に伴い、病院等を取り巻く環境は厳しさを増しており、今後の倒産増加が懸念されている。
帝国データバンクがこのほど公表した医療機関の倒産動向調査(対象:病床数20以上の病院、同20未満の診療所、歯科医院)結果によると、90年~2002年7月の期間中に医療機関の倒産は428件発生し、年別では92年の44件を最多に、2000年43件、94年42件と続く。今年は1月から7月までで25件の倒産が発生し、年間ベースで換算すると43件と過去最悪に迫る水準で推移している。
施設別にみると、99年以降、「診療所」の倒産が増加、2001年には17件(構成比50%)と過去最悪を記録し、今年もすでに14件(同56%)の倒産が発生していることから、小規模な医療機関の生き残りが激しさを増している姿が鮮明となった。また、主因別にみると、93年までは1割の割合に過ぎなかった「販売不振」が94年から増加し、99~2001年の3年間では2割に、2002年においては3割弱を占めるまでに増加している。制度改革などによる医療機関を取り巻く環境の変化に伴い、本業の不振から経営難に陥っている姿が浮き彫りとなっている。
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