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2012年の残業時間、07年以降で最多の月28.6時間

経営関連情報 - 2012年07月06日

 インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が25~34歳のビジネスパーソン5000人を対象に実施した「残業時間に関する調査」結果によると、2012年の平均残業時間は月28.6時間で、調査を開始した07年以降で最も多いことが分かった。この背景には、景気や需要が回復し始めた一方、リーマンショックでリストラの実施や採用活動を手控えていた企業で人手不足が発生し、既存社員の残業時間が増えたとみられる。

 2007年~12年の平均残業時間の推移をみると、09年に残業が大きく減少し21.7時間まで落ち込んでいる。これは、08年9月のリーマンショック以降、人件費(残業代)削減のため各社が残業規制を進めた影響が考えられる。特に、残業代支給対象である役職に就いていない20代の残業は大幅に減少。一方、30代の残業は微増しており、リストラや一般社員の残業削減による人手不足のしわ寄せが、30代の中間管理職に向いたと推測される。

 2010年になると、残業時間はリーマンショック以前よりも多くなり、それ以降12年まで右肩上がりに増加。これは、景気回復と企業の人手不足により、既存社員の業務量(=残業)が増えたためとみられる。このように、残業時間は、景気や雇用情勢の影響を大きく受けていることがうかがえる。なお、年代別に月平均残業時間をみると、20代男性が29.7時間、同女性が21.4時間、30代男性が31.8時間、同女性が19.7時間となっている。

 58職種別の平均残業時間をみると、最多は「映像クリエイター」の67.0時間、次いで「プロパティマネジメント」(62.5時間)、「セールスエンジニア」(57.6時間)が続く。残業時間が多い上位10職種をみると、クリエイティブ系(映像クリエイター、ゲームクリエイター)、建築・不動産系(プロパティマネジメント、建築/不動産営業)、金融系(ファンドマネージャー/アナリスト、投資銀行業務)の職種が比較的多いことが見受けられる。

 一方、最も残業時間が少ない職種は「薬剤師」の13.0時間、次いで「一般事務/営業事務」(13.4時間)、「貿易・通関業務」(14.2時間)、「翻訳/通訳」(14.7時間)、「秘書/受付」(15.1時間)が続く。残業時間が少ない上位10職種をみると、医療・医薬系(薬剤師、臨床開発/モニター、介護福祉関連)と、事務系(一般事務/営業事務、翻訳/通訳、秘書/受付)が多いようだ。

 同調査結果の詳細は↓
 http://doda.jp/guide/ranking/057.html