税 務 関 連 情 報 |
2002年11月29日-002
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(15)
★最終兵器は「納税者番号制度」
前号までの14回にわたる連載で、所得捕捉率の不均衡の是正、課税の不公平はそう簡単には直らないのだ、ということをお分かりいただけたことと思う。それでは、どうすればいいのか。というところで、いよいよ最終兵器を登場させよう。多くの読者の方々がすでに推測していただろうが、私たちは、今や「納税者番号制度(納番制度)」の導入を真剣に検討する必要性に迫られているのだ。
国税労組も、今年9月に公表した「税制に関する提言」において、課税の公平の実現のための方策のひとつとして、「経済取引の複雑・多様化及び電子化等が進展している中、課税の公平の見地から適正な課税及び税の徴収を担保するため、納番制度の早期導入が必要」と明記した。現場の税務職員の考えも同じなのだ。
納番制度は、1988年に政府税制調査会が導入を打ち出して以来、何度も浮かんでは消えてきたが、今年の小泉首相主導の税制改革の中では、政府税調が「具体的な成案を得るべく早急に検討を開始する」(「あるべき税制の構築に向けた基本方針」6月14日)との方針を示し、重要課題として再び急浮上した。
もっともその後は、財政再建、デフレ対策や経済活性化など当面の緊急課題が優先され、それ以上の議論があったわけではない。11月19日に公表された答申では「納税者番号制度」という文字は見つけられない。来年度税制改正の答申であるから、仕方がないか…。納番制度は中長期的な課題である。いずれにせよ、導入の是非を越えて、制度の具体的な枠組み作りまで含めた本格的な検討が始まる公算は強い。
(以下次回に続く)
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