ゼイタックス

経営関連情報 (2007/10/26)

旅行業者倒産、円安・原油高等から再び増加基調に

 帝国データバンクが発表した「旅行業者の倒産動向調査」結果によると、近年は減少傾向が続いていた旅行業者の倒産が、2007年に入って再び増加基調にあることが分かった。旅行業者の倒産は、2001年から2007年9月までに264件発生。2006年まではSARS(重症急性呼吸器症候群)問題が発生した2003年の50件をピークに減少傾向が続いていたが、2007年は9月までに32件発生し、すでに2006年の年間合計28件を超えた。

 2007年は、海外旅行者数減の影響で倒産が頻発した2004年(41件)に迫るペースで推移し、増加基調に転じている。この背景には、円安の進行や原油高による航空運賃の上昇で海外旅行に割高感が高まり、海外旅行者数が伸び悩んでいることがあるとみられている。一方、2007年に入ってからは負債10億円を超える倒産は発生しておらず、総じて小規模倒産が多いことから、負債総額は低水準で推移している。

 2007年の旅行業者の倒産32件を業種別にみると、「旅行代理店業」が19件(構成比59.4%)でトップ、次いで「一般旅行業」が12件、「国内旅行業」が1件だった。自社主催の旅行を行わない旅行代理店業は、小規模の企業が多く、旅行者数増減の影響を受けやすいとみられる。一方、国内旅行業者の倒産は、2001年(7件)から減少傾向にあるが、国内旅行者数は堅調に推移していることが背景にあるようだ。

 倒産主因別にみると、2007年は「販売不振」による倒産が23件発生し、全体の約7割を占めた。設備投資をあまり必要としない旅行業者においては、「販売不振」が主な倒産要因となっている。また、負債額別にみると、2007年は「1億円未満」が27件(構成比84.4%)でトップ、次いで「1億円以上5億円未満」が3件となった。負債「1億円未満」の倒産の構成比は、2001年以降多少の増減はあるものの増加基調にある。