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新入社員が選ぶ“ビジネス流行語”は「内定取消し」

経営関連情報 - 2009年05月15日

 学校法人産業能率大学は、今年度の新入社員を対象に、近年流行したと感じるビジネス分野の言葉が何かを聞き、「2009年度新入社員が選ぶ“ビジネス流行語”」としてまとめ、このほど発表した。調査は、3月25日から4月10日までに同大学が開催した新入社員研修の参加企業145社614人を対象に実施、583人から有効回答を得たもの。対象は、主として首都圏に本社を置く企業に今年入社した大学・大学院卒の新入社員である。

 調査では、同大学選定の20語のなかから3つ選択してもらった結果、新入社員が選んだ“ビジネス流行語”の1位は「内定取消し」が70.5%となり、約7割の新入社員がこの言葉を選択した。今年度の新入社員にとって、この言葉がいかに他人事ではなく“自分事”であったかを表している。続いて2位は「派遣切り」(61.6%)。内定取消しと同様に多くの新入社員が選択しており、雇用をめぐる言葉が1位と2位を占めた。

 以下、3位が「リーマンショック」(29.7%)、4位が「100年に一度の金融危機」(23.7%)、5位が「サブプライム」(21.8%)となった。米国のサブプライム問題に端を発した世界的金融危機の影響がわが国の経済にも大きな影響を及ぼし、収益環境の悪化から自動車、電機などの製造業を中心に「派遣切り」や「内定取消し」が行われ社会問題化した。こうした社会・経済情勢の大きな変動がストレートに反映した結果となっている。

 なお、同大学が昨年12月に企業経営者を対象に実施した同趣旨の調査「社長が選ぶ今年のビジネスキーワード2008」では、「サブプライム」が1位、これに「原油価格高騰/下落」、「リーマンショック」が続いていた。同大学は、「調査・集計方法や選択肢が異なるため一概に比較はできないが、この企業経営者の回答と、今回の新入社員の回答には違いが明確に出ており、立場によって感じ方が大きく異なることが分かる」とコメントしている。