経 営 関 連 情 報

2003年10月15日-002
中小企業は2年ぶりの増益も固定費削減が寄与

 国民生活金融公庫がこのほど公表した中小企業経営状況調査結果(調査対象1848社)によると、2003年1~3月期決算での1企業あたりの売上高は3億1068万円となり、前年度に比べ1.1%減と2年連続の減少となった。しかし、経常利益は445万円で同9.4%増となり2年ぶりの増益となった。本業の収益力を示す売上高営業利益率は0.1ポイント上昇の1.3%、売上高経常利益率も0.1ポイント上昇の1.4%となり、ともに2年ぶりに改善した。

 収益性が改善した要因としては、削減が続いている固定費が挙げられる。固定費の推移をみると、2002年度は前年度比4.0%の減少となった。特に、固定費の5割強を占める人件費が4.4%減少、減少率も拡大しており、97年度以降6年連続の減少となった。中小企業のコスト削減が依然続いていることがうかがえる。

 一方、借入金残高(短期借入金+長期借入金)は前年度に引き続きわずかながら減少した。80年度を100とした指数で比較すると、2002年度は352で前年度を4ポイント下回った。収益性の改善と借入金の減少によって、債務負担倍率(税引前当期利益と減価償却費で長期借入金を返済するのに何年かかるかを示す)は前年度の10.1倍から9.8倍に低下した。しかし、バブル崩壊前と比べ水準は高く、依然として債務負担は重い。

 なお、設備投資額は1企業あたり529万円で、前年度比18.1%(118万円)の減少となった。2年連続の減少であり、90年度(1177万円)の半分以下までに低下して、バブル崩壊後最低の水準となった。業種別にみると、サービス業(前年度比51%減)と製造業(同33%減)の減少が目立った。運輸業は前年度の20万円が1020万円へと大きく増加している。

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