大企業に比べ経営資源が限られた中小企業にとって、自社単独で新製品の開発やサービスの提供等を行っていくことは、技術的な問題や資金負担の大きさなどから、対応したくてもできないケースが見受けられる。そこで、複数の中小企業者がお互いの“強み”となっている技術・サービス等を持ち寄り、企業が「連携」することで新たな事業分野の開拓を図る新連携事業に注目が集まっている。
こうした新連携事業への取組みのポイントについて、事業の立上げに成功した事例をもとに解説するのは中小企業金融公庫の経営情報である。取組みのポイントの第1は、「連携企業との関係作り」である。連携相手と実際に事業に取り組むにあたり、まずは連携する企業の経営者同士が信頼関係を構築することで、連携企業同士において、どれだけ緊密な関係が構築できるかが、事業立上げの第1のポイントとなる。
次のポイントは、「コア企業のリーダーシップの発揮」である。新連携計画の認定取得にあたっては、詳細な事業計画の策定や経済産業局等への説明が必要になるほか、連携事業での新製品を取引先にプレゼンテーションする機会も増える。このような機会には、コア企業が率先して事業に取り組むとともに、他機関への説明・交渉もリーダーシップをとって他の連携企業をリードしていくことが、円滑な事業立上げのポイントとなる。
最後は、「外部の機関・専門家を活用する」ことである。新たな事業を行うにあたっては、自社及び連携企業のみならず、金融機関、顧問税理士や大学などの研究機関といった外部の機関・専門家から、中立的な立場で新事業の計画が妥当なものであるかなどといったアドバイスを受けることが、第3のポイントとなる。そのほか、新連携の申請にあたっては、金融機関やプロジェクトマネージャーとの関係作りも重要となる。
中小公庫は、「新連携事業の立上げにあたっては、特別なノウハウがあるわけではなく、連携企業や外部機関との信頼関係を構築し、コア企業が「本気」で事業に取り組み、連携体をリードしていくことで、連携体という組織を活性化していくことが、事業成功のカギを握っているといえる」とまとめている。
同経営情報の詳細は↓
http://www.jasme.go.jp/jpn/publish/info/no342.html