日刊工業新聞社とNTTレゾナントがgooリサーチを利用して共同で実施した「安全に関する意識調査」結果(有効回答数1064人)によると、85年8月12日の日航機墜落事故から21年が経過したことを受けて「20年前に比べた製品とサービスの安全性」について尋ねたところ、「高まっている(「どちらかといえば」を含む)」との回答が71.6%に達した。「低下している(同)」との回答は20.3%にとどまった。
最近は、JR西日本の福知山線での脱線事故や六本木ヒルズ回転ドア事故、シンドラー製エレベーター事故などが続発しているが、アンケートでは、社会全体で安全性が高まっているという意見が多数を占めた。事故の頻発という現実がある中で、製品・サービスの安全について意識し始めた時期は、「ここ1・2年」は5.5%にとどまり、もっとも多いのは「5~9年前から」の28.6%、次いで「3~4年前から」が19.5%だった。
製品やサービスを購入・選ぶ(利用する)際の基準については、「安全」(11.8%)は4位と「デザイン」(4.3%)や「環境対策」(0.8%)と比べ重みを持って意識されていた。安全より上位の回答は、「品質」(33.4%)、「機能」(25.0%)、「価格」(24.0%)。重視の基準で「品質」や「機能」が「価格」を上回っており、“モノを見る目”が冷静な消費者が今後も増えていけば、安全がさらに重視される傾向になりそうだ。
安全性を高めるために企業に何が必要かについては、直接の注文ではなく「第三者的なチェック機関の権限強化」という回答が36.8%ともっとも多かった。企業にとって厳しい結果と受け止める必要がありそうだ。次いで「経営者のコスト意識改革」(22.3%)が続き、「技術向上・革新」(19.4%)より注文が多かった。モノづくりやサービの提供に際して安全対策にもっとコストをかけるべきだという思いが消費者にある。
同意識調査結果の概要は↓
http://research.goo.ne.jp/Result/000338/