厚生労働省がこのほど発表した「2007年企業における採用管理等に関する実態調査」結果(有効回答数4280社)によると、企業の中核となる人材について、「現在不足感がある」とする企業が44.2%、「将来的に不足する懸念がある」がとする企業が39.2%と、多くの企業が中核となる人材に不足感があることが分かった。「現在不足感がなく、将来的にも不足する懸念がない」とする企業は16.4%と2割に満たない。
中核となる人材に不足感または将来的に不足する懸念がある要因(複数回答)を職種別にみると、『管理職』では、「人員の構成の歪み」(49.0%)、「既存事業の拡充」(22.9%)、「採用者の定着率低下による計画的な育成の困難」(22.2%)が、『専門・技術職』では、「人員構成の歪み」(36.0%)、「採用者の定着率低下による計画的な育成の困難」(30.0%)が、『現業職のうち熟練技能者』では「人員構成の歪み」(34.1%)が、それぞれ多い。
現在の不足感または将来的に不足する懸念を解消するための対策(複数回答)については、『管理職』では「業務の効率化、正社員の育成強化等により、正社員がさらに中心的な業務を担うようにする」(48.8%)が、『専門・技術職』では「即戦力として中途採用者枠での採用を増やす」(43.7%)が、『現業職のうち熟練技能者』では「再雇用等により定年退職者を継続して雇用する」が、それぞれトップに挙げられている。
なお、企業の中核となる人材に期待する事項(3つまでの複数回答)について職種別にみると、『管理職』では、「決断力・実行力」(61.4%)、「指導力」(54.3%)、「統率力」(46.2%)、『専門・技術職』では、「専門的知識・技能」(76.5%)、「責任感」(53.1%)、「熱意・意欲」(48.8%)、『現業職のうち熟練技能者』では、「専門的知識・技能」(57.6%)、「責任感」(52.4%)、「熱意・意欲」(51.6%)が、それぞれ挙げられている。
同実態調査結果の概要は↓
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/saiyo-kanri/2007/index.html