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震災で休業を余儀なくされた場合でも失業手当支給

経営関連情報 - 2011年04月27日

 枝野幸男官房長官は4月20日午後の記者会見で、東日本大震災に伴う雇用対策に関し「事業所が休業して収入がない場合であっても、休業を失業として雇用保険(の失業手当)を給付するという特例措置を講じている。ハローワークにぜひ問い合わせてほしい」と述べ、行方不明者が多数にのぼり、義援金の分配も遅延しているなか、同制度の積極的な利用を呼び掛けた。

 事業所が震災による直接的な被害を受けたことにより、休業を余儀なくされた場合、離職していなくとも、雇用保険の失業手当を受給できる。事業所が直接的な震災被害を受けたことにより休業した場合や、一時的に離職を余儀なくされたことにより、賃金が支払われない労働者は、特例的に雇用保険の失業給付が受給できる。なお、交通の断絶等により住所を管轄するハローワークに来所できない場合、最寄りのハローワークに相談を。

 また、震災に伴う経済上の理由により休業を余儀なくされた事業所の事業主が労働者に休業についての手当を支払えば、雇用調整助成金が利用できる。例えば、交通手段の途絶により従業員が出勤できないなどのため事業活動が縮小した、事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した、計画停電の実施を受けて事業活動が縮小した場合、などにも適用される。

 一方、福島第1原発事故の避難・屋内退避区域の事業者が雇用調整助成金を申請しても、ハローワークが「原発事故は対象外」として却下するケースがみられる。これについて枝野長官は、「窓口での説明が適切ではなかった」として、対応に非があったことを認めた上で、厚生労働省に対し、雇用保険の特例措置の活用を徹底するよう指示したことを明らかにしている。