労務行政研究所が東証第一部企業を対象に実施した「2007年度新入社員の初任給調査」結果(有効回答数217社)の集計速報によると、今年4月入社者の初任給を据え置いた企業は、70.5%となった。内訳は「全学歴据置き」がほとんど。前年度に比べると、据置き企業は9.3ポイント減少している。この結果、初任給据置き率は2004年度の98.2%をピークに3年連続で減少している。
初任給の据置き率は、2002年度以降4年連続で9割を超えたが、昨2006年度は79.8%とほぼ8割に減少、今年度は昨年度をさらに約9ポイント下回った。こうした背景には、バブル期以来の“売り手市場”がある。企業業績の回復や間近に迫る団塊世代の大量退職などから、企業の採用意欲が高まっている。こうした新卒採用の活発化が、据置きが続いてきた初任給水準に影響を及ぼしているものといえる。
初任給の水準は、「大学院卒(修士)」が22万841円(前年度比977円・0.4%の上昇)、「大学卒(事務・技術)一律」が20万2410円(同995円・0.5%の上昇)、「短大卒(事務)」が17万1383円(同625円・0.4%の上昇)、「高専卒(技術)」が18万212円(同855円・0.5%の上昇)、「高校卒(事務・技術)一律」が16万1139円(同667円・0.4%の上昇)となっている。
また、学歴別決定初任給の上昇額分布をみると、いずれの学歴も「据置き」が、「大学院卒(修士)」62.7%、「大学卒(事務・技術)一律」62.9%、「短大卒(事務)」64.6%、「高校卒(事務・技術)一律」60.8%と6割を超えた。据置き企業を除く上昇額(初任給を引き上げた企業における純粋な平均上昇額)は、「大学院卒」が2622円、「大学卒」が2680円、「短大卒」が1762円、「高校卒」が1703円となっている。