ロボットは、医療・福祉・家事など応用が見込める分野が広く、豊かな社会実現のための一助として社会的に大きく期待されている。すでに、研究用の二足歩行ロボットや携帯電話で操作できる家庭向けのロボットが開発されているが、このほど、富士通研究所は、富士通フロンテックと共同で、オフィスや商業施設など人がいるところで作業支援ができるサービスロボットを開発したことを明らかにした。
同ロボットは、エレベータを使ったお客様の案内や物品の運送、夜間の巡回などのサービスを実行する機能を搭載している。それは、上下左右に旋回可能な頭部、人間の間接の動きに相当する4自由度の腕部、左右独立に回転可能な車輪、全体を制御するCPU、DSP(音声や画像の処理などの処理に適したマイクロプロセッサ)と専用ハードウェアから成る三次元視覚処理システムから構成されている。
同ロボットの特長は、1)指定した目標の場所まで、地図に従って自律的に移動し、障害物を避けながら安全に移動する、2)物を認識して、掴んだり手渡したりできる、3)呼びかけに応じて顔を向け、声の指示に従って作業する、4)自動的に充電する、5)狭い空間・坂道・小さな段差にも柔軟に対応して移動・作業できる、6)聞き取りやすい声で情報を伝達する、などが挙げられる。
同ロボットは、富士通フロンテックが製品化し、2005年6月に販売する予定だが、今年10月5日から幕張メッセにおいて開催される「CEATEC JAPAN 2004」に参考出品し、デモンストレーションを行うという。