2003年08月13日-001
同族株主以外の株主等が取得した株式の判定基準の改正
平成13、14年の商法改正において、単元株制度の創設や株式の多様化が図られている。単元株制度は、会社が一定の数の株式をもって一単元の株式とする旨を定めることによって、一単元の株式につき1個の議決権を与えることとする制度。単元未満株式については議決権がない。また、株式の多様化については、従来の種類株式(権利内容の異なる株式)に加え、議決権制限株式や種類株主総会での取締役・監査役の選解任ができる株式の発行ができるようになった。
これを受けて国税庁はこのほど、財産評価基本通達を改正し、同族株主以外の株主等が取得した株式であるか否かについては、株主が有する「株式数」は「議決権の数」に、評価会社の「発行済株式数」は「議決権総数」に変更して判定することとした。
事業経営への影響が少ない同族株主の一部や従業員株主のような少数株主が所有する株式の価額は、単に配当を期待するにとどまるという実質のほか、評価手続きの簡便性をも考慮して、特例的評価方式である配当還元方式によって評価することとしているが、それが適用される株式の範囲については、評価会社における株主の構成及びその持株割合で判定することとしていた。
ところが、上記の商法改正により、株主が有する株式の数と議決権の数が必ずしも一致しなくなったため、従来の株主が有する「株式数」や評価会社の「発行済株式総数」を基にした持株割合では、本来の会社支配力が十分に測れない場合も出てくる。
そこで、より適正に会社支配力を測ることができる基準、つまり、株主が持つ「議決権の数」や評価会社の「議決権総数」を基にした議決権割合による判定に変更し、「同族会社以外の株主等が取得した株式」に該当するか否かを判定することとしたわけである。
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