情報処理推進機構(IPA)が6日に発表したコンピュータウイルスの届出状況によると、6月の届出件数は4928件となり、5月に比べ1.9%(93件)減と若干の減少となったが、相変わらず高水準での届出が続いている。種別では、W32/Netskyが1122件となり、16ヵ月連続でトップの届出が寄せられた。続いてW32/Mytobが699件、W32/Mydoomが352件、W32Bagleが316件で続いている。
6月は、3月に出現して以降、次々に亜種が発生しているW32/Mytobウイルスに、新たなタイプが現れた。このウイルスは、システム管理者であるかのような送信者名を詐称し、パスワード更新などシステム管理に関する情報提供であるかのように見せかけるなど、あたかも組織の管理者から送信されたように装っている。このようなメールを受信した場合は、安易に添付ファイルを開かないなどの注意が必要だ。
また、IPAでは、「ファイル交換ソフトに潜むワナ!」との注意喚起で「情報の管理は万全ですか?」と呼びかけている。Winnyに代表されるようなファイル交換ソフトによる、情報漏えいがたびたび発生している。漏えいの原因のほとんどは、Winnyを悪用するW32/Antinnyというウイルスに感染してしまったことにある。W32/Antinnyは、ファイル交換ソフトを通じて、感染を拡大する。
このウイルスに感染すると、パソコン内のワードやエクセルなどのファイルが公開されてしまう。これによって、ファイル交換ソフトのユーザーであれば、誰もが入手可能となり、情報が漏えいしてしまう。IPAでは、使用しているパソコン内の情報が不特定多数のユーザーに閲覧可能な状態になる危険性を認識し、ファイル交換ソフトの使用について、問題点がないか確認することを勧めている。