ゼイタックス

経営関連情報 (2006/10/30)

公庫融資が民間金融機関からの借入の“呼び水”に

 国民生活金融公庫が25日に発表した「新規開業企業を対象とするパネル調査」では、民間金融機関から借入がある企業割合が、開業時(2001年)の13.8%から2005年末には45.6%に高まったことが分かった。同調査は、公庫融資先のうち、2001年に開業した不動産賃貸業を除く2181社を継続調査先として、今回は1175社から回答を得たもの。毎年12月末時点での調査を行っている。

 調査結果によると、民間金融機関からの借入残高は、開業時の184万円から2005年末の975万円へと大幅に増加する一方、国民公庫からの借入残高は同824万円から558万円へと減少している。公庫融資が“呼び水”となって、民間金融機関が融資を始めた様子がうかがえる。2005年における民間金融機関への借入申込状況をみると、「必要がないので申し込まなかった」が67.6%、「借りられた」が21.9%だった。

 借入金融機関(複数回答)をみると、「地方銀行」が56.9%「信用金庫」が47.5%と多く、次いで「都市銀行」(15.2%)などが続く。借入に対する担保や保証人などの提供状況(複数回答)をみると、「信用保証協会の保証」(44.5%)と「経営者本人や常勤役員など身内の保証人」(41.9%)が高い。赤字企業は「信用保証協会の保証」の利用割合が52.3%と、黒字企業の41.4%に比べ10ポイント以上高くなっている。

 なお、2001年に開業した企業のうち、2005年末時点で存続している企業の割合は82.7%、廃業した企業の割合は15.4%だった。年別の廃業割合は、2003年の4.4%をピークに、2004年が4.0%、2005年が3.0%と低下傾向にある。業種別に廃業割合をみると、もっとも高いのが「飲食店」の24.1%、次いで「小売業」の22.3%となっている一方、低いのは「個人向けサービス業」の9.1%や「建設業」の10.4%だった。

 同パネル調査結果の詳細は↓
 http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/s_kaigyo181025.pdf