ゼイタックス

経営関連情報 (2006/09/01)

2006年上半期のサイバー犯罪検挙件数は11.8%増

 警察庁はこのほど、2006年上半期の情報技術を利用したサイバー犯罪の検挙件数1802件で前年同期と比べ190件、11.8%増だったと発表した。内訳は、不正アクセス禁止法違反が265件で同33.8%増加。ネットワーク利用犯罪では、詐欺が733件で全体の約4割を占め、同9.1%増加。このうち、86.6%がインターネット・オークションに関するものだった。また、児童売春事案が169件で、同18.2%増加している。

 検挙事例をみると、無職の男(34歳)らは、インターネットサービス会社のニセのログイン画面を設置し、そこへ誘導する電子メールを同社会社員に送信し、これを本物のログイン画面と誤信した会員が入力した識別符号を不正に入手した事例がある。男らは、その識別符号を使って同社のコンピュータに不正アクセスして会社員になりすまし、同社オークションにおいて商品を売ると偽り多数の落札者から代金をだまし取った。

 また、ネットワーク利用犯罪では、通信販売業の男(32歳)ほか7名が共謀して、インターネット・オークションに虚偽の事実を掲示した上で、被害者に電子メールを送信してこれを閲覧させ、所定の金額を振り込み入金すれば、落札した商品が送られてくるものと誤信させ、商品の代金として男が管理する普通預金口座に現金を振り込ませる方法で、合計約9200万円をだまし取った事例が報告されている。

 なお、2006年上半期に都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等で担当者が受理した相談件数は3万565件で、前年同期と比べ1万9914件、39.5%減少した。内訳は、「詐欺・悪質商法」に関する相談が1万583件で同63.6%減と大幅に減少したものの、全体の34.6%を占めてもっとも多い。次いで「インターネット・オークション」が7310件、同16.2%減、「名誉毀損・誹謗中傷等」が3629件、同39.1%増などとなっている。