ゼイタックス

税務関連情報 (2005/11/09)

大企業の黒字申告割合は2.3ポイント増の52.3%

 国税庁が発表した今年6月までの1年間(2004事務年度)における法人税の課税事績によると、黒字申告割合が前年度に比べ0.7ポイント増の31.5%と2年連続で上昇したが、そのうち資本金1億円以上の大企業(調査課所管法人)の集計でも同2.3ポイント増の52.3%となった。景気回復が大企業を中心としたものであることが、申告面からも裏付けられた結果となっている。

 今年6月末現在の調査課所管法人数は前年度に比べ3.5%増の3万7916法人だった。2004事務年度中に申告期限がきたもののうち、申告があったのは同0.5%増の3万7234件で、黒字申告割合は52.3%と上昇した。申告所得金額は同14.0%増の29兆5608億円にのぼり、黒字申告1件あたりでは同8.8%増の15億1354万円となる。申告税額は同15.3%増の7兆4287億円だった。

 このように、黒字法人の申告内容は大幅に伸びているが、赤字法人の申告欠損金額も前年度に比べ32.8%減の11兆3785億円と大幅に減少した。赤字申告1件あたりでは同29.9%減の6億3249万円となる。つい2年前の2002事務年度は統計をとりはじめた76年以降過去最大の19兆8190億円の申告欠損金額だったことを考えると、企業業績の回復が急ピッチで進んでいることがうかがえる。

 一方、同事務年度中の大企業に対する調査は4413件(前年度比0.4%減)に対して行われ、うち3555件(同2.8%減)から7864億円(同29.1%増)の申告漏れを見つけ、加算税220億円を含む1841億円(同41.3%増)を追徴した。調査したうちで故意に仮装・隠ぺいなどによって不正計算した件数は、全体の15.4%(同1.5ポイント減)の678件(同9.4%減)で、その不正脱漏所得金額は545億円(同5.8%減)だった。

 このように、調査件数や不正のあった件数自体は減少しているが、申告漏れ金額は29.1%増加しており、1件あたりの申告漏れ所得金額は29.6%増の1億7820万円となった。また、不正1件あたりの不正脱漏所得金額も3.9%増の8046万円にのぼり、不正の大口化は相変わらず続いているようだ。