人事院がこのほど発表した2009年度国家公務員採用3種試験(高卒程度)と国家公務員中途採用者選考試験(再チャレンジ試験)の申込状況によると、不況下の就職難を反映し、ともに税務職の申込者数が増加したことが分かった。国家公務員採用3種試験全体の申込者数は1万6417人で、昨年度に比べ298人(1.8%)増加、うち税務職の申込者数は7690人で665人(9.5%)増と、全体の増加を押し上げる要因となった。
税務職の申込者数は、最近では前年度に比べ2005年度が343人増、2006年度が59人増、2007年度が585人増と7年連続で増加した後、2008年度は一転して1186人減の大幅減少となっていたが、2009年度は再び増加に転じた。採用予定数は610人で倍率は12.6倍。2008年度は715人の採用予定数に対して7025人が申し込んでおり9.8倍の倍率だった。採用されると、1年間の普通科研修を経て全国の税務署に配属される。
一方、2007年度からスタートした29歳以上40歳未満までを対象とする再チャレンジ試験の申込者数は、全体では1万1337人で昨年度に比べ1089人(10.6%)増加しており、そのうち税務職の申込みは行政事務職の4623人に次ぐ4043人で、前年度に比べ501人(14.1%)増加した。2009年度の税務職の採用予定数は69人で倍率は58.6倍の狭き門。2008年度は71人の採用予定数で、倍率は49.9倍だった。
なお、今年度の3種試験は、第1次試験が札幌ほか61都市で9月6日に実施、第2次試験(10月15日~22日の間の指定する日)を経て、最終合格者発表が11月11日となっている。また、再チャレンジ試験は、1次選考が全国26試験地で9月6日に実施、2次選考(10月15~22日のうち指定された1日)後、各府省において採用面接等を実施する最終選考を経て、12月4日に合格者が発表される。