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経営関連情報 (2005/12/02)

今年に入り外国為替証拠金取引業者の倒産急増

 「外国為替証拠金取引」とは、為替(外国通貨)の売買を、一定の証拠金(保証金)を担保に、その証拠金の何十倍もの取引単位(金額)で行える金融商品である。非常に投機的な金融商品だが、これほど資金効率の高い外貨投資はないといわれている。しかし、その外国為替証拠金取引業者の倒産が2005年に入って急増していることが、帝国データバンクの調査で明らかになった。

 帝国データバンクが、外国為替証拠金取引業者や商品先物取引業者など個人投資家から資金を集めて運用していた企業の倒産動向を調査した結果、2000年以降では45社が倒産、負債総額は約2140億円に達することがわかった。特に今年に入ってからは24社と倒産が急増している。これは、今年7月に金融先物取引法が改正され、電話勧誘などの活動が大幅に規制された外国為替証拠金取引業者の倒産急増のためとみられている。

 企業別負債総額では、大阪を中心に活動していた大和都市管財が480億円でトップだが、同社は抵当証券という、最近では個人投資家向けの販売が少ない商品を扱っていた。また、倒産態様は破産が大半を占めた。企業活動の特性上、一度失われた信用の回復は困難であり、清算型の倒産が大半を占めている。このため、破綻後の投資家への配当はわずかとみられ、負債総額が投資家の損失額に近いものとみられている。

 帝国データバンクでは、有利な資産運用を期待する個人投資家から資金を集めた企業の倒産・破綻が急増している背景として、低金利時代が長く続き、カネ余り、資産バブルの兆しが見え始めていることを挙げている。いずれにしろ、「外国為替証拠金取引」は、商品のリスクを十分理解し、自己責任の元に、ゆとりのある資金の範囲内でおこなう取引であることを肝に銘じたい。