帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、7月の倒産件数は1131件で、前月比6.2%増、前年同月比23.6%増となり、集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降では2008年3月(1127件)を上回り、最多となった。マンション分譲業者の倒産が相次ぐなど建設・不動産業界で起きた連鎖倒産の影響が広がり、倒産件数は増加基調を強めている。
建設業は、構造不況、原料高に加え、不動産業者への焦げ付き散発が資金繰りを直撃し、前年同月比20.1%増の324件の倒産が発生、2007年10月の309件を上回り過去最多。不動産業も、販売不振による在庫過多、業界全体の信用収縮で大型倒産が続発し、前年同月比79.2%増の43件の倒産が発生し、前月の46件に次ぐ今年2番目の高水準となった。そのほか、原料高関連の倒産が60件発生し、2ヵ月連続で過去最多を更新した。
一方、7月の負債総額は6402億3200万円となり、前月比35.7%増、前年同月比では109.0%増と約2倍に膨らみ、4ヵ月連続で前年同月を上回った。このうち、負債10億円以上の倒産は73件(前月74件、前年同月56件)と高水準が続いている。これは、マンション販売の低迷や銀行の融資引締めを契機に、建設・不動産業界で大型倒産が続発したことや、上場企業倒産が5件(前月1件、前年同月0件)に急増したことが要因。
負債額別にみると、倒産の中心は負債5000万円未満の零細企業で占められており、7月は481件、構成比42.5%となった。一方で、負債100億円以上の倒産が11件(前月4件、前年同月3件)発生し、2006年1月・12月(11件)に並んで過去最多となった。資本金別でも同様の傾向がみられ、小規模倒産が大部分を占める一方で、資本金1億円以上の倒産が39件発生し、前年同月比77.3%増と前年を大きく上回っている。