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未払い年金の遅延加算金は非課税

税務関連情報 - 2009年06月10日

 社会保険庁の記録漏れによって未払いとなっていた場合には、年金を受け取る際、物価上昇分を上乗せして支給することになった。これは、「本来の支給日より大幅に遅れて支払われる年金については物価上昇率を加味した現在価値で支払うべき」(長妻昭衆議院議員)として、去る4月24日、議員立法により成立した年金遅延加算金法に基づく措置。加算金は過去5年を超える未払い期間が対象で、5年以内の人には支払われない。

 また、国民年金や厚生年金など「2階建て」までの部分が対象で、厚生年金基金などの「3階建て」部分は対象外。支払対象となる年金受給者は初年度で260万人程度と見込まれており、60歳から75歳まで年額5万8000円が未払いになっていた平均的なケースでは、70歳までの10年間の物価上昇分として約1万6千円が遅延加算金として支給される見込み。加算金法に基づいて支払われる遅延加算金はすべて非課税扱いとされる。

 これから未払い年金を受給する人は、遅延加算金は自動計算され未払い年金に上乗せされて支払われることになるため受給者側での手続きは要らない。すでに未払い年金を受け取った人については、社会保険事務所に請求すれば遅延加算金が受け取れる。ただし、同法の公布日から法施行日までの間に未払い年金を受け取った人については、請求があったものとして取り扱われるため自分で請求する必要はない。

 法律の施行は公布から1年以内とされ、社会保険庁のシステム開発が必要なことから、来春になる見通しだ。なお、加算金法が成立した4月24日の同日、企業が厚生年金などの社会保険料を遅延した際の利息を軽減する利息軽減法も成立。遅延利息を現行の年14.6%から国税の遅延利息(今年は年4.5%)並に引き下げる。景気悪化で資金繰りに苦しむ中小企業に配慮したもので、来年1月1日に施行される。