税 務 業 界 関 連 情 報

2002年09月09日-001
日税連、中小会社会計基準草案を公表

 日本税理士会連合会の中小会社会計基準研究会は、本年4月以降6ヵ月にわたって中小会社の会計基準のあり方を検討してきたが、このほどその報告書「中小会社会計基準草案」を公表した。同研究会は、今年3月に開始された中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」の審議に呼応し、その研究をスタートしたが、6月28日に公表された中小企業庁研究会報告書を踏まえ、より一層実務上の指針となる会計基準のあり方を示したもの。

 草案によると、中小会社が商法に準拠した会計処理を具体的に行うに当たっては、中小会社に対するニーズの特殊性、下請取引構造の変化、計算書類のインターネットによる公開、電子商取引の進展などへの対応が必要と指摘。そのためには、中小会社の経営実態を明らかにし、適時・適切な情報開示を行いつつ、資金調達の多様化や取引先の拡大に対応していくための具体的な会計基準を設定することが必要だとしている。また、できるだけ負担のかからないものが望ましいことから、法人税法における計算規定も、それに合理性があれば、公正なる会計慣行に該当することを留意事項として明らかにしている。

 日税連では、中小会社の計算書類の作成を指導している税理士に草案の理解に努めてもらい、中小会社に対し草案に基づいた計算書類の作成指導をしてもらうことで、草案が「公正なる会計慣行」または「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」の構築(醸成)の支柱となることを期待している。また、実際に草案を中小企業が適用しようとするインセンティブとして、中小企業庁と協議の上、草案に準拠した計算書類を作成している中小会社に対しては、同庁の融資枠を優先するなどの優遇措置を認める方向で検討している。

 

 

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