2008年分の法定資料の提出期限である1月31日(一部資料を除く)が過ぎてやっと企業の経理担当者等も昨年の年末調整からの慌しかった時期も終わった。しかし、国税当局ではこれから提出された法定資料の誤りや提出漏れなどをチェックする法定監査を行うための資料整理が行われる。法定資料としては現在、所得税法関係の41種類を始め52種類の資料の提出が義務付けられている。
2007事務年度の法定資料提出状況によると、昨年6月末までの1年間における提出枚数は、所得税法定資料が1億1748万枚、相続税法定資料が93万枚、租税特別措置法による法定資料が1318万枚、国外送金等調書提出法による法定資料が391万枚の合計1億3550万枚で、前年に比べ1029万枚(8.2%)増加している。これは、投資信託、株式取引及び先物取引に関する法定資料の提出枚数の増加が要因となっている。
一方、同年度中に実施した主な法定資料の法定監査事績をみると、提出漏れ等の非違が多く把握されているのは不動産関連資料。なかでも「不動産等の譲受けの対価の支払調書」に関しては、6388件の監査を行い4673件から非違が把握されており、実に提出された7割以上に何らかの誤りがあったことになる。ただし、それでも非違割合は減少傾向を示している。
また、「不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書」も3706件の監査で1200件の誤り等が把握され、非違割合は32.4%となっている。そのほかでは、提出枚数の多い「給与所得の源泉徴収票」が1万679件の監査で3352件(非違割合31.4%)、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」が1万533件の監査で4036件(同38.3%)の非違が見つかった。
非違に対してのペナルティーはないものの、記載されている取引企業や事業主へ国税当局からの問い合わせが行われるなどの迷惑がかかることや、自社も国税当局から目を付けられかねないこともあるので、万が一、法定資料に誤りが見つかったときには、早めに修正した法定資料の再提出をする必要があろう。