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税務関連情報 (2004/06/02)

大商、中小対策で事業承継税制抜本改革などを要望

 大阪商工会議所はこのほど、2005年度中小企業対策に関する要望を取りまとめ公表したなかで、中小企業の活力増進に向けた施策の一環として、中小企業関係税制の改正を求めた。主な改正要望として、1)事業承継税制の抜本的改革、2)同族法人の留保金課税の全廃、3)法人税率の引下げ、4)法定耐用年数の見直し、5)中小企業投資促進税制の見直しなどを掲げている。

 事業承継税制については、財産相続ではなく企業存続のための税制との観点に立ち、事業用資産・株式の評価、税制のあり方を一体的・抜本的に見直すべきこと。特に事業用資産については、農地に準じた納税猶予制度の導入や、欧米各国で採用されている包括的な軽減措置を導入するとともに、取引相場のない株式の評価方法についても、抜本的改善を図ることを要望している。

 留保金課税については、一定要件を満たす企業には課税停止措置がとられているが、同族法人に対して二重の負担を強い、内部留保による資本充実を阻害していることから、これを全廃する。法人税率については、国際競争力強化の観点から、アジア諸国並に引き下げる。また、加速する技術革新に伴い設備の陳腐化が速まっていることから、減価償却資産の法定耐用年数の短縮と制度の簡素化を図ることを求めている。

 ほかでは、地域の中小企業への資金供給円滑化に向けた新手法として、中小企業へ投資するファンド組成に際し、企業・個人の出資を促進するため、出資額を損金算入できる制度の創設を要望。また、知的財産創造・活用の促進のための要望のなかで、知的財産を譲渡する際の所得課税を軽減するとともに、買取費用の一定割合を税額控除または特別償却する制度の創設を求めている。