全国47都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会は、経営不振に陥った中小企業の経営再建を支援している。中小企業庁が12月26日に発表した同協議会の活動状況によると、2003年2月以降、2005年11月末現在で、7866社の企業からの相談に応じ、うち711社の再生計画策定が完了し、435社は計画策定支援中となっている。その結果、5万124名の雇用が確保されたとしている。
再生計画策定が完了した711社の特徴をみると、業種では「製造業」がもっとも多く全体の41%を占める292社、次いで「卸売・小売業」(152社:構成比21%)、「飲食店・宿泊業」(91社:同13%)と続き、この3業種で全体の75%を占めるが、業種は多様だ。従業員数をみると、小規模企業から比較的大きな中小企業まで幅広く対応しているが、全体の約25%は従業員20名以下の小規模な企業となっている。
また、金融機関からの持込案件が533社と全体の75%を占め、増加傾向にある。協議会による複数金融機関や経営者との調整機能、事業再生における具体策の提案機能が高い評価を受けていることがうかがえる。債務者区分では、「要管理先」(260社)、「破綻懸念先」(228社)、「実質破綻先」(20社)といういわゆる不良債権として位置付けられている企業が約7割を占めており、これらの企業の再生が主体となっている。
協議会への相談があった7866社の半分近く(3502社)の企業が、経営改善や資金繰り改善についてのアドバイス、適切な関係機関への紹介を受け、さらに金融機関との調整によって新規運転資金が確保されるなど、相談段階で課題が解決している。約14%(1065社)の企業は現在相談を継続中のほか、約8%(609社)の企業は、企業再生の可能性がきわめて低く、協議会の対応が困難なため、地元弁護士会への紹介などを行っている。