内閣府が発表した「地域別にみた最近の倒産動向」と題した分析レポートによると、今回の景気回復局面において、倒産件数、負債総額は着実に減少を続けてきたが、2005年末以降、倒産件数が前年同期を上回って推移している。この一つの要因として、これまで大きくマイナスに寄与してきた建設業の倒産が、2005年末以降、増加に転じていることが挙げられている。
規模別では、建設業の大型倒産(負債総額100億円以上)は、2006年1月以降で2件しか発生しておらず、建設業の倒産は、中・小規模のものが多くなっているとみている。景気ウォッチャー調査のコメントにおいても「ここにきて同業他社で再び身売りや廃業の話が増えてきている。公共工事は目に見えて減少しており、民間工事も採算が合わないものが多い」(北陸・建設業)など、厳しいコメントが数多く寄せられている。
地域別では、直近の倒産件数の動きをみると、近畿、中国、四国で増加しており、特に中国、四国では4割を超える伸びとなっている。規模別にみると、中国、四国で中・小規模の倒産が増えている。また、1件あたりの負債総額でみると、全国的には年々減少しているが、北海道や中国、四国では増加している。
これは、まず、地方圏では倒産件数が少ないため、ゴルフ場経営会社などの大型倒産が発生すると、1件あたりの負債総額が一時的に大きく上昇することが挙げられる。さらに、四国ではこのところ建設業や不動産業のほか、各業種で30~50億円程度の中規模の倒産が相次いでおり、1件あたりの負債総額の増加の一因となっているとみている。
以上のように、地域の倒産は、中規模の倒産が増加するなど、これまでの傾向からやや変化がみられる地域もあり、レポートは、今後も注意が必要としている。