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10年企業倒産は1万1658件、5年ぶり前年比減少

経営関連情報 - 2011年01月17日

 帝国データバンクがこのほど発表した2010年における法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2010年の倒産件数は1万1658件で、2009年に比べ12.4%の二ケタ減少、5年ぶりに前年を下回った。月別推移も2010年はすべての月で前年同月を下回り、2009年9月以降16ヵ月連続の前年割れとなった。倒産が減少に転じた要因は、金融円滑化法と緊急保証という二段構えの金融支援策にある。

 一方、2010年の負債総額は6兆9366億400万円となり、2009年と比べ1.9%増と、2年ぶりに前年をわずかに上回った。しかし、これは日本航空3社が負債2兆3221億8100万円で倒産した影響が大きく、3社を除く負債は4兆6144億2300万円と過去10年で最低となるなど、縮小傾向が続いた。負債100億円以上の大型倒産も39件と、2009年の91件から約6割の大幅減少となった。

 業種別にみると、全7業種で前年を下回り、不動産業(353件)が前年比27.7%の大幅減少となったほか、卸売業(1648件、前年比▲19.5%)でも減少が目立った。建設業(3136件、同▲8.9%)、小売業(1966件、同▲9.5%)の2業種は2年連続の前年比減少。不動産業は、大型倒産が沈静化し、マンション分譲が同▲89.6%の6件と急減、建設業は、上半期は前年同期比14.6%減も、下半期は公共工事の減少を受け、ほぼ横ばいとなっている。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業倒産は5739件で、前年の5661件を1.4%上回り、負債額別での唯一の増加となった。一方、負債100億円以上の大型倒産は39件にとどまり、前年比57.1%の大幅減少となった。資本金別でも、資本金1億円以上の倒産が243件と、前年を29.4%下回るなど、中堅・大企業の倒産減少が目立った。負債5000万円未満の倒産は、製造業(742件、前年比11.9%増)で目立つ。

 態様別では、破産は1万808件で前年比11.1%の減少だが、構成比は92.7%で2009年を上回り過去10年で最高。会社更生法(前年比▲58.3%)、民事再生法(同▲36.9%)が大幅減少となった一方、特別清算は339件で同3.4%の増加。また、業歴別では、業歴3年未満の倒産は446件発生し、同12.2%の減少。一方、業歴30年以上の倒産は3424件発生、構成比は29.4%(同30.3%)となり、2007年(29.8%)以来3年ぶりに30%を下回った。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/10nen.html