ゼイタックス

経営関連情報 (2004/02/01)

中小企業も決算書を公開する時代(21)

~「税効果会計」って、何ですか?

 企業会計上の収益・費用の認識の時期と、税務上の益金・損金の認識の時期とでは、一部ズレが生じる。税効果会計とは、その税務上の認識との間で生じたズレを、企業会計に取り入れ、その認識のズレが及ぼす効果を企業会計に表したものだ。税効果会計においては、会社が負担する税金に関して企業会計と税法の考え方が違う部分を、企業会計の利益をもとに調整計算して求める。

 会社の税金は、課税所得を算定する目的で、税法の規定により計算された納付すべき税額と、企業利益を算定する目的で、企業会計の考え方により計算された当期純利益に基づき負担すべき税金の理論値とには差額が生じる。税効果会計とは、この差額を正確に計算し、貸借対照表・損益計算書に反映させるものなのだ。

 税効果会計を適用した場合の損益計算書(抜粋)を例示すると下記のようになる。

損益計算書(抜粋)
税引前当期純利益
×××(企業会計の考え方をもとに計算)
法人税、住民税
及び事業税
×××(税法の考え方をもとに計算)
法人税等調整額
(企業会計の考え方に合わせて税金を修正) ×××(企業会計の考え方をもとに計算した税金)
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当期純利益
×××(企業会計の考え方をもとに計算した当期純利益

(続く)