一口に少子高齢化社会といっても、企業経営に与える影響の度合と中身は少子化のほうがはるかに深刻なようだ。日本ニュービジネス協議会連合会が実施した「少子高齢化社会と企業経営に関するアンケート」結果(有効回答数381社)によると、少子化により自社の商品・サービスの市場が「縮小する」との回答は43%に達した。高齢化のそれは15%に過ぎない。逆に、市場は「拡大する」は、少子化は9%、高齢化は27%となった。
少子化は、若手人材の不足といった形でも企業経営に大きな影を投げかけている。55%の企業が若手人材の確保の困難化が「障害になる」と回答している。これらの企業の対策(複数回答)は、「中高年齢者の積極的活用」との回答が59%でもっとも多く、次いで「女性の積極的活用」(55%)、「若手の重要職務・ポストへの積極的登用」(38%)、「機械化・合理化の推進」(35%)などが挙げられた。
高齢者活用対策として現在実施している施策(複数回答)としては、「継続雇用制度の導入」(46%)に続いて「大企業OB人材等高年齢者の活用」(17%)が挙げられた。若手人材不足の時代にあっては、真に有能な大企業OBなどを発掘して有効活用することが、自社の中高年齢者の活用と併せて急務となっている。高齢者に対しては、技術指導を含めた若手指導の役割に大きな期待が寄せられているようだ。
事業承継の必要性については、50%の企業が「必要は生じていない」と回答したが、28%の企業は、現経営者の高齢化や経営環境の変化に伴い「必要が生じている」と回答している。これらの企業の問題(障害)は、「後継者が育っていない」(37%)がもっとも多く、次いで「借入金の返済もしくは借金の個人保証」(18%)、「事業承継に係る事前取組みの不足」(16%)などが挙げられた。
事業承継問題は当面、差し迫った経営課題とはなっていないが、事前取組みの不足は、現経営者の責任と自覚の問題であり、後継者育成の事前取組みへの早期着手の必要性が浮き彫りとなっている。
同アンケート結果の詳細は↓
http://www.nbc-japan.net/news/nbi/documents/h18syoshikourei_000.pdf