ゼイタックス

06年度都市の租税関係訴訟、納税者側勝訴が増加

税務関連情報 - 2008年05月07日

 全国市長会がこのほど発表した「都市における訴訟の継続状況に関する調査」結果によると、2006年度中に判決等(和解、取下げを含む)があった租税関係の行政事件は、前年度より9件少ない81件だった。このうち、市側が勝訴した訴訟は同18件少ない52件、市側が敗訴した訴訟は同3件多い13件だった。この結果、納税者側の勝訴率は前年度の11.1%から16.1%へと5ポイント上昇した。

 2006年度中に判決等があった行政事件は593件で、うち租税関係は13.7%を占めた。この調査は、東京23特別区を含む全国805都市(2007年3月31日現在)を対象とし、市や市の機関が当事者となっている事件、個人である市長や職員が当事者となっている職務に関する訴訟事件をまとめたもの。租税関係の訴訟の内容をみると、市側が勝訴した訴訟では、固定資産評価に係る審査決定の取消しを求める訴訟が9割近くにのぼった。

 一方、市側が敗訴した訴訟でも固定資産税の課税をめぐる訴訟がもっとも多かったが、土地にかかる固定資産税を過大に課税されたものの、過誤納金の一部が時効を理由に返還されないとして未返還金と慰謝料の支払いを求めたものや、首長が法人に対して特別土地保有税の徴収を怠っているとして、その違法を確認すること及び元首長に対して損害賠償を求めたものなどがあった。

 また、2006年度中に新たに提起された行政事件は491件で、うち租税関係は12.3%を占める62件だった。前年度と比べると25件増と大幅に増加している。なお、全行政事件において、訴訟が提起され、判決が確定(取下げ、和解を含む)するまで訴訟継続期間は、「地方裁判所」が16.2ヵ月、「高等裁判所」が29.2ヵ月、「最高裁判所」が44.0ヵ月となっており、全体の平均では24.1ヵ月だった。