4月1日から商標登録制度に「地域団体商標制度」が導入され、同日からその商標登録出願の受付が開始されたが、特許庁はこのほど、6月29日までの3ヵ月間で受け付けた出願件数が累計で485件にのぼることを明らかにした。地域別にみると、「近畿」が175件でもっとも多く、「東海」(52件)、「九州」(39件)、「関東」(32件)、「沖縄」(29件)、「甲信越」(〃)、「東北」(27件)などが続く。
都道府県別にみると、「京都」の120件が突出しており、以下、「沖縄」(29件)、「石川」(〃)、「兵庫」(27件)、「岐阜」(22件)、「新潟」(18件)などが多い。また、産品別の出願内訳をみると、「農水産一次産品」が228件でもっとも多く、次いで「工業製品」(121件)、「加工食品」(63件)、「菓子」(26件)、「麺類」(18件)、「温泉」(14件)、「酒類」(11件)、「その他」(4件)となっている。
地域団体商標制度は、地域ブランドを適切に保護することにより、地域経済の活性化に向けた取組みを応援するもの。これまで商標登録が難しかった地域名と商品名(サービス名)からなる商標について、一定の範囲内で知られている程度の知名度でも、文字のみの登録可能になった。これまでは、全国的な知名度がないと文字のみの登録が難しく、「夕張メロン」や「宇都宮餃子」など、全国でわずか11の登録にとどまっていた。
地域ブランドの出願については、出願された商標が一定の範囲で周知となっているか、出願団体が適格かどうかなどについて、慎重に審査を行い、今秋以降、順次審査結果を出す予定という。このため、特許庁は、導入初年度の出願を適正に処理するため、出願された案件全体を組織的に管理し、効率的な調査を実施する体制を整備するため、7月1日付けで地域団体商標推進室を商標課に設置している。