国税電子申告・納税システム(e-Tax)の確定申告での利用は、昨年は名古屋国税局管内で試行的に行われたが、今年は初めて全国での利用が可能となっている。国税庁がこのほどまとめたe-Tax利用に必要な開始届出書の提出件数は、2月9日時点で7万7113件となった。3ヵ月前の昨年11月9日時点に比べ64%(約3万件)増となった。その内訳は、個人が4万3721件、法人が3万3392件だ。
3ヵ月前に比べ、法人は29%増だが、個人はほぼ倍増している。これは、今年の確定申告をにらんでの急増と推察できる。e-Taxは、申告書に添付が必要な書類の一部を別途郵送などで提出しなければならないことや、当初、システムに不具合が生じたことなどから、開始届出書の提出件数や利用件数は伸び悩んでいた。様子見をする納税者が多く、開始届出書は提出したが、利用していないケースも多いとみられる。
一方、利用件数の集計は、今年1月末現在のもので総計4万523件、3ヵ月前に比べ72%増えているが、これらは法人税関連の申告や申請・届出での利用増だ。利用件数の内訳は、「所得税申告」が2749件(3ヵ月前比9%増)、「法人税申告」1万4885件(同44%増)、「消費税(個人)申告」566件(同4%増)、「消費税(法人)申告」1万698件(同49%増)、「申請・届出等」8442件(同370%増)、「納税」3183件(同165%増)。
利用件数のうちの「所得税申告」の2749件は、ほとんどが昨年の名古屋国税局管内のものだ。今回は、確定申告を前に個人の開始届出書の提出件数が大幅に増えており、実際の利用件数がどれぐらい伸びるのかが注目される。なお、今年4月11日からは、新たに酒税納税申告と印紙税納税申告へのe-Tax利用拡大が予定されており、e-Taxのさらなる普及が期待されているところだ。