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08年上場企業倒産34件は戦後最悪、黒字倒産多発

経営関連情報 - 2009年01月23日

 帝国データバンクの発表によると、2008年の上場企業倒産は、上場廃止の1件を含め34件となり、これまで最多だった2002年の29件を上回り、6年ぶりに戦後最悪を更新した。上場企業倒産は7月以降に急増し、米リーマン・ブラザーズが経営破たんした9月7件、米国発の金融危機が深刻化した10月8件など、34件のうち28件が年後半に集中的に発生した。負債総額は1兆3548億9500万円で、戦後5番目の高水準となった。

 業種別にみると、「不動産業」が14件でトップ。このうち、マンション分譲が12件と大半を占め、販売不振による在庫過多、サブプライム問題後の資金調達環境の急速な悪化から、年後半に集中して発生した。建設・不動産関連が25件と全体の73.5%を占めた。倒産主因別では、「販売不振」が14件でトップ、次いで「業界不振」が9件、「放漫経営」が4件。倒産前に「不適切な会計処理」(粉飾決算)が発覚した企業が6件あった。

 倒産前の直近本決算をみると、年売上高では前期比増収が19件、当期純損益では黒字の「黒字倒産」が同じく19件と過半を占めた。増収率ではランドコムが前期比113.7%増、当期純利益額ではアーバンコーポレーションの310億9200万円(08年3月期)がともにトップ。また、営業キャッシュフローが赤字の企業が24件と多発した。外部環境の急激な悪化で好業績から一転、倒産に追い込まれる企業が目立った。

 上場から倒産までの期間をみると、「5年未満」が13件トップ、このうち9件が不動産バブルを追い風に上場して間もない不動産業者だった。最短はモリモトの約9ヵ月。「継続企業の前提に関する注記」に関する開示状況をみると、34件のうち14件が同注記を倒産前に開示していた。上場市場別では、ジャスダック(12件)を筆頭に大証ヘラクレス(2件)など「新興市場」が16件と全体の47.1%を占めた。