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税務関連情報 (2003/12/19)
住宅ローン減税の現行1年継続など税制改正大綱決定

 与党は17日、2004年度税制改正大綱を決定した。焦点となっていた住宅ローン減税は、今年12月末で期限切れとなる現行規模で1年延長し、その後2005年から4年かけて規模を段階的に縮小することになった。また、年金課税については、65歳以上の公的年金等控除の最低控除額を120万円まで引き下げ、年間所得が1000万円以下であれば一律50万円を所得控除する老年者控除を廃止するなど高齢・高所得者の年金課税が強化される。

 住宅ローン減税については、現行制度は最大で年50万円ずつ10年間の所得税額控除が認められるが、来年からは年25万円を上限に6年間で最大150万円と大幅に縮小され、2005年からは制度そのものがなくなることになっていた。しかし、制度縮小で経済への波及効果が大きい住宅投資が冷え込むおそれから国土交通省や経済団体など官民挙げての現行制度継続への要望が高まっていたことから、今回の改正となったもの。

 具体的には、来年1年間は現行制度を継続し、2005年には最大控除額を360万円に、2006年には255万円、2007年には200万円、2008年には160万円まで縮小する。適用される借入残高の上限も現行の5000万円から4000万円、3000万円、2500万円、2000万円と段階的に引き下げていく。また、控除期間は10年間で変わらないが、借入残高に対する控除割合は、現行の1.0%から、1.0%と0.5%の二本立てとなり、1%の適用期間も短くなっていく。

 ほかでは、1)長期保有地の譲渡税率を現行の26%から20%に、短期保有地を同52%から39%にそれぞれ引き下げるなど土地譲渡益課税の軽減、2)固定資産税の商業地にかかる負担の引下げ(下げ幅は自治体の判断に委ねる)、3)ベンチャー企業への投資を税制上優遇するエンジェル税制の対象を拡大、4)確定拠出年金(日本版401K)の掛け金(拠出額)の非課税上限の引上げ、5)株式投資信託に関する税負担を軽減などがある。