経 営 関 連 情 報

2003年05月16日-003
「2003年問題」は経済活性化の起爆剤となる!?

 長期不況下での大量オフィス供給が不動産業界に恐怖を与えている。「2003年問題」である。不動産業界にとっては大問題だが、テナントは大量の優良オフィス供給、低賃料という条件に恵まれ、東京の魅力は大いに高まる。日本の産業・社会の活性化には、海外からの産業誘致や移民の受入などが必要で、2003年問題はそのための起爆剤となり得る、というのは三菱総合研究所の尾原重男常務の分析だ。

 昨年暮れの新生「丸ビル」に続き、4月28日には六本木ヒルズがオープンするなど、東京都心部に大型ビルが一挙に開業する。バブル期の年間供給量のピークを超える200万平方メートル以上の床面積が2003年中に供給される。2003年問題の本質は、需給要因による賃料相場の下落であり、都心部の3.3平方メートル当たりのオフィス賃料が20年前の水準の2万円台まで下がりつつあるといわれる。

 15~16年前の東京は、世界の3大金融センターとして期待され、企業本社の東京集中、外資系金融機関の進出などが続き、地価とオフィス賃料の高騰が起こった。世界のトップクラスとなった東京立地のコストに、バブル崩壊後の景気低迷が重なり、一転して外資の撤退や規模縮小が起こっている。

 このような状況下での2003年問題は、日本経済の活性化のための起爆剤となり得る。低コストでの良質オフィスに加えて、交通・通信・住宅などの良質なインフラや海外に比べて魅力のある税制を整備し、東京と日本の活性化の起爆剤とすることが必要だ、というのが尾原常務の2003年問題のもうひとつの見方である。

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