国民生活金融公庫は14日、担保・保証人の要件を緩和した「新創業融資制度」(無担保・無保証人)と「第三者保証人等を不要とする融資」の2005年度融資実績を公表し、これらの融資が利用者のニーズを捉え、順調に伸びていることを明らかにした。「新創業融資制度」の2005年度の融資実績は7535件で前年に比べ18.8%増、金額も19.0%増の246億円と順調に伸びた。
同制度は、的確なビジネスプランを持ちながら、担保を提供することや保証人をたてることが困難なために、創業時に必要な資金調達に支障をきたしている人の支援を目的に、2001年7月に創設された。導入当初150万円の融資限度額は、2002年1月から550万円、2004年4月から750万円に引き上げられた。制度発足以来4年連続で増加しており、これまでの累計は2万3466件、753億円となった。
一方、「第三者保証人等を不要とする融資」は5万2080件で前年に比べ53.1%増、金額も59.2%増の2962億円と大幅に伸びた。同融資は、家族や社内の役員などの保証のみでの融資を希望する事業者を対象に2003年1月に創設された。導入当初1000万円だった融資限度額は、2004年4月から1500万円、2005年4月から第二創業(経営多角化・事業転換)や雇用の増加を図るための一部の貸付制度が2000万円に引き上げられた。
制度発足以来3年間の融資実績の累計は11万643件、6026億円にのぼる。国民公庫では、第三者の保証人や担保に依存しない融資に対する小企業のニーズがますます高まっていることを踏まえ、2006年度から融資の対象要件を緩和して利用推進を図る。具体的には、融資の対象要件のひとつである「所得税等を期限内に完納していること」から「期限内に」を削除し、期限後の納税でも完納していれば認める。