(株)ディスコが全国の主要企業を対象に7月初旬に実施した「採用活動に関する調査」結果(有効回答数1519社)によると、来春卒業予定者の採用結果の満足度について「(採用学生の)質・量ともに満足」と回答した企業が42.3%と、前年より13.7ポイント上昇した。この数値は、今年と学生の内々定状況が近い5年前(29.0%)と比べても高く、満足度は非常に高かったといえる。
採用結果の満足度は、そのほか、「量的には満足だが、質的に不満」が29.2%、前年に比べ8.8ポイント増、「質的には満足だが、量的に不満」が13.4%、同8.7ポイント減、「質・量ともに不満」は15.1%、同13.8ポイント減となっている。こうした結果からは、景気後退後、学生の“売り手市場”から企業の“買い手市場”に一転したことが、企業の満足度にも反映されているといえそうだ。
来春卒業予定者の7月以降の採用活動予定については、前年より10.9ポイント増の59.4%の企業が「今年の採用活動は基本的に終了」と回答した。逆に「秋採用・通年採用等として新たに募集する」企業は、前年(15.3%)の約半分の7.8%にとどまった。7月1日現在の内々定率が7割を切るなか(日経就職ナビ2010 就職活動モニター調査)、就職活動中の学生は一層苦戦を強いられることになりそうだ。
来年度(2011年3月卒予定者)の採用人数見込みは、42.9%の企業が「今年度並み」と回答。今年度と比較して「増える」は6.9%、「減る」は11.1%にとどまる一方、「未定」が39.1%にのぼり、来年度の先行きは依然不透明なままだといえる。来年度の採用予算は、「未定」との回答が32.8%ともっとも多く、まだ決めかねている企業は多いが、「今年度並み」との回答は前年を22ポイントも下回る31.7%だった。
一方、「減る」と回答した企業は前年を13.4ポイント上回る32.1%を占めており、経営事情などを鑑みた予算の削減で、採用者はさらなる効率化を求められそうだ。