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10月の中小企業の景況は10年ぶりの低水準~日商

経営関連情報 - 2008年11月10日

 日本商工会議所が発表した早期景気観測10月調査結果によると、10月の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、前月よりマイナス幅が3.4ポイント拡大して▲64.6となり、98年10月以来10年ぶりの低水準となった。産業別にみると、DI値のマイナス幅は、「製造」(▲59.8)では横ばいだったが、他の4業種は拡大。特に、「小売」(▲64.4)は98年10月以来の低水準、「サービス」(▲65.9)は調査開始以来最悪の水準となった。

 全産業合計の売上(受注・出荷)DI(前年同月比、「増加」-「減少」)は、マイナス幅が6.4ポイント拡大して▲52.9となり、7ヵ月連続で悪化、02年2月以来の低水準となった。産業別にみると、DI値のマイナス幅は「卸売」(▲42.3)で縮小したものの、他の4業種では拡大。なかでも、「建設」(▲65.3)は98年7月、「小売」(▲55.0)は98年10月、「サービス」(▲52.0)は98年12月以来の低水準となっている。

 そのほか、採算DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、マイナス幅が1.4ポイント拡大して▲59.1となり、7ヵ月連続で悪化、98年10月以来の低水準。仕入単価DI(前年同月比、「下落」-「上昇」)は、マイナス幅が2.9ポイント縮小して▲55.1。また、中小・小規模企業の倒産・廃業の増加によって、従業員DI(前年同月比、「不足」-「過剰」)は、過剰感が3.5ポイント強まり▲11.1と、03年8月以来の低水準となった。

 このように、仕入価格の高止まりに加え、受注や売上の減少に伴う採算・収益の悪化が加速している。景気に関する声、当面する問題としては、米国経済の減速に伴い、10月に入り受注が減少してという声が出ている。さらに、米国金融危機の影響に伴い、先行きに対する不安感や、消費マインドの冷え込み懸念、金融機関の貸出姿勢の一層の厳格化などを訴える声がかなり多いという。

 早期景気観測10月調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200810.pdf