ゼイタックス

08年度新入社員のタイプは「カーリング型」

経営関連情報 - 2008年03月31日

 社会経済生産性本部は26日、恒例の新入社員タイプの命名について、今年4月の新卒者の特徴を「カーリング型」と名づけたと発表した。冬季オリンピックでおなじみになったカーリング。新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境づくりに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速や停止しかねない、というのが命名の理由という。

 2006年トリノ冬季オリンピックの日本女子代表チームの活躍ですっかりおなじみになった「氷上のチェス」カーリング。今年の新入社員は、大学、高校に入学時点では就職氷河期まっただなかだったが、幸運にも、バブル期を上回る売り手市場に遭遇し、氷(河期)の上を滑走する石のごとくスムーズに就職できた。しかし、「氷」があったからこそ、の大量採用だったことを忘れてはいけないと注意している。

 入社後は、育成の方向を定め、そっと背中を押してやり、ブラシでこすりつつ育成することが必要だが、少しでもブラシで氷をこすることをやめると、減速・停止しかねない。また、売り手市場入社組だけに会社への帰属意識は低めで、磨きすぎると目標地点を越えてしまったり、はみだしてしまったりという危惧がある。上司・先輩に求められるのは、微妙な“ブラシさばき”ということになろう。

 この新入社員タイプの命名は、1973年度から毎年行われている。その73年度は、おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変ということで「パンダ型」と命名。また、昨年07年度は、「デイトレーダー型」と名づけた。景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくく、売り手市場だっただけに、早期転職が予想されていた。果たして合っていたか…。