今さまざまな方面で格差社会についての是非が論じられているが、果たして世間に“格差”の実感はあるのか。ライフメディア社が運用するiMiリサーチバンクが、もっとも家計に敏感な30~40代既婚女性を対象に実施した「格差社会に関する調査」結果(有効回答数1713人)によると、身近で格差社会を実感しているかとの質問に、「実感している」との回答が60%を占めた。
しかし一方で、自分の暮らしについては、4人に3人が「中流」(75%)と回答している。格差はありそうだと感じているものの、自分の暮らしについてはまだまだ中流意識が強い人が多い。そこで、今後さらに上流・下流の二極化が進むとしたら、あなたの暮らしぶりはどうなるかを聞いた結果、74%が「下降していくと思う」と回答。うち54%が「努力しても上昇しない」と回答しており、世の流れに、すでにあきらめの境地の人も多い。
こうした気分を反映してか、景気の持続的な回復基調から雇用者所得も上向きつつあるのに、夫の小遣いは依然として5万円未満が大半を占めている。もっとも多いのは「1万円以上3万円未満」(37%)、次いで「3万円以上5万円未満」(26%)だが、「20万円以上」(0.4%)という回答も少数ながらある。また、「(夫が管理していて)わからない」との回答も14%あった。
格差社会についての個別の意見では、「お金がすべてではないが、努力した人が報われる社会なら格差があってもよいと思う」といった格差に肯定的な意見がある一方で、「高額所得者を対象にした課税をもっと増やしてほしい。今のような取れるところから増税といった方法では、一般サラリーマン世帯はまともに暮らしていけなくなる」といった格差社会の拡大を懸念する声もみられた。