国税庁では確定申告の基本方針として納税者自身による「自書申告」を推進しており、そのための環境整備に力を入れているが、今やすっかりお馴染みとなったのは同庁ホームページ上で提供している「所得税の確定申告書作成コーナー」である。今年の確定申告期からは、新たに株式等の譲渡所得や退職所得にも対応し、入力データの一時保存機能を追加するなどのサービスアップをした。
その結果、国税庁のまとめでは、3月末現在で、同作成コーナーへのアクセス件数は518万件にのぼり、昨年に比べ55.4%の大幅増加となった。2003年分の確定申告書提出者は過去最高の2139万人だったから、そのうちの約24%、4人に1人がアクセスした勘定になる。アクセス者のうち約34%にあたる180万8千人が実際に申告書を作成しており、昨年より約69%増えている。
同作成コーナーで募集したアンケート結果(回答数2万7276件)によると、利用した感想は、「十分」(32.5%)と「まあ十分」(50.0%)を合わせ全体の8割強の人が満足しており、来年も「ぜひ利用したい」との回答が81.2%にのぼった。利用者の職業は、「会社員」が55.0%と過半を占め、「無職(年金など)」が23.7%、「事業者」が10.1%だった。
日中は時間的に制約があるサラリーマンにとって、パソコンさえあれば、自宅や職場で申告書が作成できる利便性は大きい。おまけに、そのままカラープリンタで出力した申告書を税務署に郵送すれば確定申告が終了するのである。インターネット時代を象徴する自書申告のサポートツールである。いよいよ電子申告も全国拡大するが、当分は同コーナーの利用者が増加することは間違いないようだ。