税 務 関 連 情 報

2001年12月05日-001
外形標準課税は14年度で制度化か

 法人事業税の外形標準課税導入は総務省の永年の悲願だが、経済界の強い反対と景気の動向が芳しくないことなどから導入のタイミングが定まらない。総務省は11月29日、昨年の旧自治省案に修正を加えた改革案を自民党税調に提出した。改革案では、課税対象のうち人件費への課税割合を大幅に引き下げてより雇用情勢に配慮するとともに、導入時期を遅らせて景気にも配慮することによって関係者の理解を求め、導入を実現したい考えだ。

 現行の法人事業税は税率9.6%で所得に課税するが、旧自治省案は、所得基準と外形基準を1:1に分割して、所得にかかる税率を4.8%に半減し、事業規模への外形基準部分を大法人は1.6%、中小法人は1.0%とした。しかし、景気や雇用情勢に配慮して導入が見送られている。修正案では、所得基準と外形基準は同額のままだが、外形基準部分を付加価値割と資本割に2:1の割合でさらに分割して、それぞれの税率を0.66%、0.48%としている。人件費の割合を大幅に圧縮したことで、法人事業税全体に占める給与分割合は、旧自治省案の35%程度から22%程度になるものと試算している。また、導入時期についても、当初の平成13年度から1年遅らせて14年度で制度化し、大法人は15年度から、中小法人は17年度から実施する方針だ。

 しかし、「失業率が史上最悪を記録するなど雇用環境が厳しさを増す中での提案はきわめて不見識」(経団連など5団体の意見書)とする経済界の強硬な反対や、自民党税調内でも赤字法人課税となることへの抵抗感が依然強いことなどから、先行きは不透明といわざるを得ない。

 

 

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