政府税制調査会は13日、本年度第1回の総会を開き、東日本大震災に伴う現行税制の緊急対応措置(第一弾)をまとめた。国税関係では、所得税、法人税、資産税、その他で20項目に及んでいる。また、1995年の阪神・淡路大震災時にはなかった措置も新たに講じている。今回の緊急対応に加え、全体の復興支援策の中で対応すべき施策については、後日とりまとめるとしている。主な国税関係の措置は次の通り。
所得税は、(1)2010年分所得の計算上、被災事業用資産の損失の必要経費への算入を可能とし、青色申告者は、被災事業用資産以外の損失を含め10年分所得で純損失が生じた場合、更に2011年分所得への繰戻還付が可能、(2)被災事業用資産の損失による純損失の繰越可能期間を5年(現行3年)に延長し、保有資産に占める被災事業用資産割合が1割以上の場合、被災事業用資産以外の損失を含め繰越可能な純損失の繰越期間を5年とする。
法人税は、(1)2011年3月11日から2012年3月10日までの間に終了する事業年度で、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失金額の全額について2年間まで遡って繰戻還付を可能とする、(2)2011年3月11日から2012年3月10日までの間に中間期間が終了する場合、仮決算の中間申告により、震災損失金額の範囲内で、法人税額から控除しきれない利子・配当等に係る源泉所得税額の還付を可能とする。
資産税は、(1)住宅取得資金の贈与税の特例の適用を受けようとしていた住宅が、大震災により滅失して居住できなくなった場合には、その住宅への居住要件を免除する、(2)法律の施行の日の翌日から2021年3月31日までの間に、大震災により滅失・損壊した建物に代えて新築または取得する建物及びその敷地の用に供する土地に係る所有権の保存登記等に係る登録免許税を免税とする。
消費課税は、大震災により滅失・損壊した建物の代替建物を新築または取得する場合、大震災により滅失・損壊した建物の代替資産の敷地の用に供する土地を取得する場合または大震災により損壊した建物を修繕する場合等において、2011年3月11日から2021年3月31日までの間に被災者が作成する建設工事の請負契約書・不動産の売買契約書に係る印紙税を非課税とする。
国税関係措置の詳細は↓
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/04/13/23zen1kai3.pdf