全国中小企業団体中央会が9月上旬から中旬にかけて実施した「中小企業の金融環境に関する調査」結果(有効回答数2312人)によると、金融機関からの借入難易度は、最近3ヵ月の間に「悪化」しているとの回答した割合が約3割(30.5%)となった。業種別にみると、製造業で26.7%、非製造業で33.6%が「悪化」していると回答。特に、「印刷」(44.8%)と「建設」(41.2%)では4割を超えている。
運転資金の借入金は、最近3ヵ月の間に「増加」しているとの回答が28.4%、「減少」しているとの回答が11.9%だった。業種別にみると、製造業で26.9%、非製造業で29.7%が「増加」していると回答。「印刷」(36.2%)、「建設業」(35.9%)、「運輸業」(34.2%)、「化学ゴム」(32.3%)、「小売業」(31.6%)、「鉄鋼・金属」(30.3%)、「電気機器」(30.3%)では3割を超えている。地域別では「北海道・東北地方」(33.6%)が多い。
設備資金の借入金は、最近3ヵ月の間に「減少」しているとの回答が26.2%と約4分の1を占め、「増加」しているとの回答(5.6%)を大きく上回った。原材料の高騰により、運転資金の借入が増える一方、景気の先行き不透明もあり、設備投資には慎重な様子がみられる。業種別にみると、製造業で25.2%、非製造業で27.0%が「減少」していると回答。「商店街」(34.0%)、「電気機器」(30.3%)では3割を超えている。
借入の際の担保価値は、最近3ヵ月の間に「減少」しているとの回答が約3割(30.6%)だった。「不変」との回答が68.7%と7割近くを占め、「増加」しているとの回答はわずか0.7%だった。業種別にみると、製造業で26.7%、非製造業で33.7%が「減少」していると回答。「商店街」(45.8%)、「印刷」(40.4%)では4割を超えている。地域別にみると、「中国地方」(34.3%)で「減少」しているとの回答が多い。