三菱総研が実施した「企業の製品安全への取組みに関する消費者意識調査」結果(有効回答数1036人)によると、企業のブランドイメージを損なわせる要因として、「リコール情報」(45.6%)や「個人情報の流出」(45.8%)などよりも、「製品の事故」(74.7%)が大きな影響を持つことが分かった。製品事故の発生前に、製品の不備などが分かった段階で早期にリコールを実施することがブランドイメージを守ることにつながるようだ。
企業のブランドイメージを決定する項目としては、「製品の安全性が高い」ことが影響するという回答が61.8%と、「製品の機能や性能が高い」(63.1%)に次いで高い割合となった。一方で、「社会貢献活動に積極的である」、「地球環境の保護に取り組んでいる」ことがブランドイメージに影響するという回答はそれぞれ12.6%、17.0%、「文化・スポーツ・イベント活動に積極的である」にいたっては3.8%の回答となっている。
製品を市場に供給する企業において、安全な製品を供給するという本来の業務が、企業・製品の信頼性を高め、消費者の意識におけるブランドイメージ=信頼性の保証という図式につながることが、明確に現れている。他方で、企業イメージ向上のために、地域活動の取組みや地球環境保護への取組み・イベント活動への参画をCSR報告書やWEBサイトなどでアピールしている企業側の狙いとの間にギャップがあると考えられる。
企業が果たすべき説明責任としては、「販売時に分かりやすい取扱説明書等を添付する」が56.1%、「リコール情報をHPなどで迅速に情報提供する」が47.3%に対して、「事故発生時に購入者に対して情報を提供する」が72.7%ともっとも多く求められている。製品事故発生時にいち早く購入者・消費者に事故情報を提供することが製品を市場に供給した企業の責任であり、事故情報の適切な開示・提供が企業に求められているようだ。
同意識調査結果の概要は↓
http://www.mri.co.jp/PRESS/2008/pr080805_ssu02.pdf