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製造業現場の派遣求人が増加、請負は減少

経営関連情報 - 2008年11月17日

 求人情報サービスのアイデム「人と仕事研究所」が発表した2008年上半期「業務請負業スタッフ・派遣社員の求人動向レポート」によると、今年6月時点の業務請負業スタッフの求人件数指数(06年7月=100)は、東京23区が62、大阪市が33、名古屋市が26と大きく減少した。これは、偽装請負の発覚後、派遣へのシフトが加速したことに加え、今年4月以降は法人需要の減退という要因が重なったものとみられている。

 しかし、派遣社員の求人指数(06年7月=100)も、東京23区が73、大阪市が88、名古屋市が64と減少傾向にある。ただし、製造作業者募集に占める労働者派遣業の割合は、首都圏エリアが前期(07年上半期)より9.3ポイント増の34.6%、東海エリアが同9.2ポイント増の34.4%、近畿エリアが同14.9ポイント増の48.2と、むしろ増加しており、「2009年問題」に対応する動きは鈍いと指摘している。

 製造業務で働く派遣労働者の多くが2009年に最長3年の派遣可能期間満了を迎えるとされる「2009年問題」だが、2008年9月に厚生労働省から基本的には派遣可能期間満了後「労働者への指揮命令が必要な場合は直接雇用」、「指揮命令が必要でない場合は請負」へ移行するようにとの通達が発せられている。こうしたことから、企業がこの問題をどう乗り切るかが目下注目されているところだ。

 今年3月には大手メーカーが派遣契約を打ち切り、年内に半数を期間社員に転換する方針を発表するなど、コンプライアンスに敏感な大手企業が相次いで「2009年問題」への対応策を打ち出した。しかし、その他のほとんどの企業は、対策が不透明なこの問題への対応より、眼前の業務の処理をするために直接指揮命令できる派遣社員を増員することを選んだ、というのが多くの企業の実態であるとみられている。

 業務請負業スタッフの求人動向レポートは↓
 http://apj.aidem.co.jp/pay/contract.html

 派遣社員の求人動向レポートは↓
 http://apj.aidem.co.jp/pay/dispatch.html