厚生労働省が2日に公表した1月の毎月勤労統計調査結果速報によると、従業員5人以上の製造業における一人平均の残業などの所定外労働時間が9.0時間で前年同月比40.0%の大幅減少となり、現行方法で調査を開始した1990年以降で最大の落込みとなった。また、全体の所定外労働時間も10ヵ月連続で減少しており、企業の生産活動と連動しているとされる所定外労働時間は、急速な景気悪化を反映した結果となった。
一人平均総実労働時間は、従業員5人以上の事業所で前年同月比1.0%減の137.0時間と3ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が0.2%増の128.1時間と3ヵ月ぶりの増加だが、残業時間などの所定外労働時間は15.2%減の8.9時間と10ヵ月連続の減少。製造業の所定外労働時間は、40.0%減の9.0時間。総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は0.9%減の154.3時間、パート労働者は1.3%減の88.2時間となった。
また、一人平均現金給与総額は、従業員5人以上の事業所で前年同月比1.3%減の27万8476円で3ヵ月連続の減少となった。基本給にあたる所定内給与は0.1%減の24万8644円と15ヵ月ぶりの減少(前月12月は速報では減少だったが、確報値で横ばい)、残業代などの所定外給与は14.8%減の1万6518円と6ヵ月連続の減少、賞与など特別に支払われた給与も3.8%減の1万3294円と7ヵ月連続で減少した。
この結果、基本給にあたる所定内給与と残業代などの所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比1.2%減の26万5182円となり、3ヵ月連続で減少した。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は1.2%減の34万5540円、パート労働者は0.4%減の9万695円となった。なお、物価の高騰を計算に入れた実質賃金指数は1.2%減となり、これで10ヵ月連続の減少となる。
一方、1月の従業員5人以上の事業所で働く常用労働者数は、前年同月比1.0%増の4496万8千人で、61ヵ月連続して増加した。内訳は、パート労働者は1.5%増の1183万1千人で26ヵ月連続の増加、正社員などの一般労働者は0.7%増の3313万7千人で49ヵ月連続の増加と伸びが続いている。主な産業についてみると、製造業は0.5%減、卸売・小売業は横ばい、サービス業は0.2%増となった。