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経営関連情報 (2004/04/05)

消費者に顔を向けた企業経営とは

 消費者ニーズを広く素早く把握し、それを企業経営に的確に反映させるなど、消費者に顔を向けた経営の重要性はいうまでもないことだが、具体的にはどのような企業を消費者志向企業というのか。経済産業省は、2003年度消費者志向優良企業として「?資生堂」「プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク」「?ふくや」の3社を大臣表彰した。その理由をみてみよう。

 「資生堂」は1998年度に続く2度目の受賞。前回受賞以降、オフィス内ペーパレス化や販売員制服の再生繊維の再利用、営業車の低公害車への切換えを推進し、新たな取組みとして、原料や製造、表示に対する世界各国の法規制や安全基準を上回る独自の補償基準を設定している。

 消費者基点の新たな取組みとして、生産体制を従来の大量生産、大量流通から手作り型「匠工房」を発足するなど無駄を省く努力を行っている。また、消費者志向の社内浸透の旗振り役である「コードリーダー」600名を現場に配置し、社員教育に力を注ぐとともに、コンプライアンス実現度調査を行い、罰則規定を制定するなど、消費者志向の理念を現場の社員まで徹底させていることなどが評価された。

 「プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク」は、消費者関連部門を社長直轄とし、担当者には採用の段階から専門知識を持ち、製品の品質・サービス向上に意欲を持つ人材を充てている。また、過去9年分のデータを保管・管理しており、苦情を寄せた消費者に改良品を体験してもらうなど、蓄積データを商品改良や新製品開発に積極的に活かしていることなどが評価された。

 「ふくや」は、製品の品質確保、消費者の声のフィードバックに熱心で、消費者志向を社員からパート、アルバイトまで徹底させている。また、女性社員の登用に積極的で、育児休暇の100%取得の推進を図るなど、顧客満足の前提となる従業員満足への対応が行き届いている。99年にISO14001認証を取得、省資源・省エネ・リサイクル推進などに取り組み、地域社会への汚染防止、環境方針の一般公開を行っていることが評価された。