帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は1018件で、集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最多となった前月比では10.0%の減少となったが、前年同月比では3.4%の増加となり、3ヵ月連続で1000件を突破する高水準となった。景気後退局面を迎え、倒産件数はさらに増加基調を強めている。
倒産件数が高水準で推移する背景には、不動産市場の急速な環境悪化による建設・不動産業の大型倒産の続発や「不況型倒産」の急増などがある。「不況型倒産」は829件に急増し、その構成比81.4%は2005年4月以降で最高の水準となった。また、原料高関連の倒産が69件発生し、前月(60件)を上回り、過去最多を3ヵ月連続で更新したことも、倒産件数が増加する一因・背景となっている。
一方、8月の負債総額は8148億5800万円、前月比27.3%の増加。集計基準変更の2005年4月以降で最大を記録した前年同月比では2.4%の減少となったものの、前年同月に次ぐ2番目の高水準で、今年最大を記録した。これは、新興デベロッパーのアーバンコーポレイション(負債2558億円、広島県)が今年最大の負債を抱え倒産したことや、建設業で今年最大の倒産となったりんかい日産建設(同630億円、東京都)などが影響した。
負債額別にみると、倒産の中心は引き続き負債5000万円未満の零細企業で占められており、8月は436件、構成比42.8%となった。一方、負債100億円以上の超大型倒産が12件(前月11件、前年同月4件)発生し、前年同月比200.0%の大幅増加となり、2ヵ月連続で過去最多を記録した。資本金別でも小規模倒産が大部分を占める一方、資本金1億円以上の倒産が35件、前年同月比94.4%増と前年を大きく上回っている。