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09年上半期の自動車関連業者の倒産は50%の大幅増

経営関連情報 - 2009年07月31日

 世界的金融危機の影響による販売不振等がトヨタ、日産などの大手自動車各社を直撃し、自動車業界を取り巻く環境の厳しさが続いている。帝国データバンクが27日に発表した「自動車関連業者の倒産動向調査」結果によると、今年上半期の自動車関連業者の倒産は273件発生し、前年同期に比べ50.8%の大幅増加となった。昨年後半から増加基調を強め、減産の影響が拡大した今年3月には月間最多件数となる62件まで急増した。

 負債総額は1061億5700万円と、上半期だけで2008年の年間合計(1197億9800万円)に迫る急増ぶり。需要急減による業績悪化の影響が、中小・零細企業中心から徐々に中規模クラスの企業にも拡大し、負債の増加につながっている。業種別では、中古車販売が半数を占める「卸売・小売業」が131件で最多、二次下請け以下の部品メーカーが大半を占める「製造業」が93件で続き、前年同期(27件)の3倍増と急増した。

 地域別にみると、「関東」が87件でトップとなり、「近畿」(70件)、「中部」(52件)が続いた。人口の多い地域に販売業者などが集中しているため、同業者の競合激化により倒産は都市圏において高水準で推移している。9地域中8地域で前年同期を上回り、特に大手下請け業者が多い「中部」は前年同期比147.6%の大幅増加となった。一方、「東北」(8件)は唯一、前年同期(16件)を下回った。

 負債額別にみると、「1000~5000万円未満」が93件でもっとも多く、「5000万~1億円未満」(33件)と合わせ、全体の46.2%を1億円に満たない小規模倒産が占めている。また、資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が133件と、全体の48.7%を占めた。一方、「1000~5000万円未満」(116件)、「5000万~1億円未満」(18件)は、ともに前年同期比100%以上の大幅増加となった。

 今年4月以降、大手自動車各社は低燃費車を対象としたエコカー減税や補助金制度の効果による販売下げ止まりを受け、減産緩和の動きを見せている。しかし、減産の影響は下請けメーカーを中心に当面続く見通しであり、本格的な需要回復が見込めないなか、卸・小売業者も一層の薄利多売を余儀なくされることが予想され、自動車関連業者の倒産は、しばらく増加基調で推移する可能性が高いとみられている。

 同倒産動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090704.pdf