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10月倒産1231件、集計基準変更05年4月以降最多

経営関連情報 - 2008年11月14日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は1231件で、前月比は9.7%の増加、前年同月比でも13.7%の増加となり、5ヵ月連続で1000件を突破した。集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降では、2008年7月(1131件)を上回り最多となった。2008年1~10月の累計も1万524件となり、1万件を突破した。

 こうした背景には、(1)建設、不動産業での大型倒産続発を受け、焦付き発生による連鎖倒産が増加、(2)景気後退により、資金繰りに苦しむ中小・零細企業の倒産が全業種で増加、(3)原料高関連の倒産が73件発生、前月の78件に次ぐ過去2番目の高水準などがある。業種別では、「製造業」(176件、前年同月比30.4%増)、「小売業」(231件、同6.0%増)、「サービス業」(203件、同18.0%増)の3業種が05年4月以降最多となった。

 一方、10月の負債総額は9790億1500万円で、前月比では81.6%減となったものの、前年同月比では21.7%の大幅増加となった。前月比での大幅減は、前月が5兆円を超える戦後2番目の高水準となった反動によるもので、10月も、集計基準変更後の05年4月以降では、前月に次いで2番目の高水準だった。これは、金融危機を背景に、中堅生保の大和生命保険(東京都、負債2695億円)の倒産などが影響したもの。

 負債100億円以上の超大型倒産は、建設・不動産関連を中心に12件発生(前月13件、前年同月5件)し、4ヵ月連続で10件を上回る高水準となった。一方で、倒産の中心は引き続き負債5000万円未満の零細企業で占められており、10月は524件、構成比46.2%となった。資本金別でも小規模倒産が大部分を占める一方、資本金1億円以上の倒産が38件、前年同月比52.0%増と前年を大きく上回った。