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経営関連情報 (2006/07/21)

倒産件数は一進一退も増加基調を維持

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、6月の倒産件数は744件で、前月に比べ1.8%増と3ヵ月ぶりの前月比増加となったが、前年同月比では▲6.3%減となった。ここ数ヵ月、倒産は増減を繰り返しているが、依然として倒産推移の上ぶくれを招く種々のリスク要因の存在もあり、当面は一進一退を繰り返しながらも現在の緩やかな増加基調が続くものと推測している。

 また、6月の負債総額は3832億700万円で、今年2番目の低水準となった。前月が臨海三セク三社の倒産により今年最高を記録したこともあり、前月比はその反動で44.0%の大幅減少、前年同月比も12.8%の減少となった。負債10億円以上の倒産は50件(前年同月54件)、同50億円以上の倒産が11件(同14件)にとどまるなど、引き続き大型倒産は低水準で推移している。

 しかし、企業倒産の内訳をみると、依然として業況不振の中小・零細企業が大部分を占めており、昨今の景気回復によって中小企業の経営環境が大幅に改善されているわけではない実態が反映されている。一方で、企業活動の活発化に伴って、資金調達ができずに倒産する “好況型倒産”も増えており、かつての不況一色から様相が変化していることも上期の特徴となっている。

 今後の倒産動向については、現在の緩やかな増加基調が維持されると予想。原油・素材価格の高騰や今後の金利動向が倒産推移を上ぶれさせる懸念があるほか、公正取引委員会による規制強化、金融庁による相次ぐ処分、来春の「金融商品取引法」施行を前にした資金調達環境の変化が新たな倒産を招くおそれがあり、帝国データバンクでは、相応の注意が必要とみている。