税 務 関 連 情 報 |
2002年07月03日-003
日本経団連、福島県の核燃料増税案に再考求める
福島県の核燃料税は、1977年から法定外普通税として導入され、5年ごとの4回の更新を経て現在に至っている。5回目の更新に当たり福島県は、従来の核燃料価額(税率10%)への課税に加え、核燃料重量(1キロにつき1万1,000円)を併用する、現行の2.4倍(当面1.9倍)に相当する大幅な増税案をこのほど議会に提出した。この条例案が可決されれば、2002年11月10日から2007年11月9日までの5年間が課税期間となる。
この増税案に対し、日本経団連は7月1日、「今回の提案は、わが国エネルギー政策の方向性や公平・活力・簡素という税制の基本原則からも容認しがたい内容だ」として、慎重な検討を求めることを表明した。日本経団連は、1)電力コストの引下げは、わが国産業の活性化、国際競争力強化のために必須の課題、2)地球温暖化対策等の観点から、エネルギー自給率の向上や化石燃料以外のエネルギーへの転換の必要性がエネルギー政策基本法に盛り込まれたところ、3)原子力発電の推進は、わが国のエネルギー政策の機軸であることなどを挙げ、今回の核燃料税の大幅増税案はこれらの趣旨に逆行すると指摘している。
核燃料税の税収は2001年度までの23年間で約920億円に達しているが、原料となるウラン鉱石価格の低下等に伴い税収は年々変動している。一方、近年の原子力施設での事故・トラブル等により、従来にも増した防災体制整備の充実強化が必要であり、そのための安定的な財源確保が重要な課題となっている。福島県では、「現行税収のみでは諸施策を展開するための財政需要を賄いきれない」として、核燃料の価額に加えて重量を併用する課税の新たな枠組みを提示して核燃料税を更新する条例案を議会へ提出したわけだ。
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