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経営関連情報 (2005/11/02)

中小企業の資金繰りは緩やかに改善傾向~中企庁

 中小企業庁が10月28日に発表した「地域中小企業金融ヒアリング調査」結果によると、中小企業の資金繰りは、全体としては緩やかに改善傾向にある。しかし、小規模企業等を中心に一部では引き続き厳しい状況にある。地域では東北地方が、業種では全国的に建設・土木が、厳しいとの声が多い。同調査は、中小企業庁の職員を道府県に派遣して、地銀や信金などの地域金融機関や中小企業者等から聞き取り調査したもの。

 金融機関は総じて中小企業向け貸出を強化する意向を示しているが、債務者区分に基づく選別志向を強めており、同地域・同業種内でも貸付条件格差は拡大傾向にある。業績が順調な業種では、無担保や低利な融資を受けることが可能だが、そうでないところは、借入がより困難になっているとの声が聞かれる。一方、中小企業側には、景気の先行き不透明感もあり、なるべく借入に頼らずに対応する姿勢がみられる。

 金融機関の中小企業向け融資の方針については、大半が中小企業向け融資を拡大することが重要な課題と考えている。ただし、収益性の観点から、審査の効率化、低コスト化を指向している。また、今後取り組むべき分野として、創業支援や経営相談機能の強化などを挙げている。

 無担保・無保証融資については、優良顧客を対象に取組みを強化している金融機関が増えている。信用格付けや財務情報等の定量的指標を用いたスコアリングモデルを利用した相対的に優良な顧客向けの商品が中心となっている。経営者の資質や技術力など定性的な評価も重要であり、目利き能力強化のため、行員研修や経営者との面談を強化する姿勢も強まっているが、目利き能力向上や融資実績増は容易でないとする声が多い。