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経営関連情報 (2004/11/24)

売上減少に歯止めがかからない主要ホテル経営30社

 法人需要の縮小などで、ホテル経営を取り巻く環境は厳しさを増している。東京商工リサーチがこのほど発表した主要ホテル経営会社30社・業績動向調査によると、2003年度連結決算では、総売上高が前年度より4.4%(224億800万円)減少し4862億9700万円となった。また、経常赤字会社が10社と3割を占め、前年度より売上高を減らした会社は21社と7割を占めた。

 最近の年度別総売上高の推移をみると、2000年度が5514億6100万円、2001年度が5316億5100万円(前年度比3.5%減)、2002年度が5087億500万円(同4.3%)減となっている。このように、主要ホテル経営会社では、売上高減少に歯止めがかかっていない。

 こうした業績低迷に伴い経費節減の一環として従業員の削減が続いている。2003年度連結決算時点の主要30社の従業員数は前年度比3.5%(733人)減の1万9830人となって、2000年度と比べると12.6%(2883人)と1割強減少している。「販管費及び一般管理費」は前年度比5.0%(144億円)減の2684億1900万円となった。ホテルの「販管費及び一般管理費」の中心は人件費であり、従業員数の減少が費用削減の中核にある。

 また、資本構成から企業の健全性をみる自己資本比率(自己資本÷総資本×100)では、主要30社の平均が22.3%となった。前年度に比べ1.4ポイント上昇したが、長短借入金等の減少が影響した。前年度より長短借入金を減らした会社は19社。このように、経営環境の厳しいなか、経営スリム化による財務体質強化の動きが続いている。

 最近は、景気回復のすそ野が広がりをみせているが、ホテル業界の需要変化は一般的な景気指標より半年ほど遅れるとされ、当分厳しい経営環境に変わりがない。さらに、2007年にかけては外資系高級ホテルの東京進出が続くことから、商工リサーチでは「大競争時代を迎えて、ハード・ソフトの両面において真価が問われている」との見方を示している。