経 営 関 連 情 報

2003年08月22日-002
旅館・ホテルの倒産、過去最悪のペース

 外資系ホテルの開業ラッシュや不況の長期化による法人・団体客の減少、客単価の下落などでホテル間の競争は激化している。明確な特色を打ち出せない地方のホテル・旅館はいまだにバブル期前後の過剰投資が重くのしかかり、淘汰の波にさらされている。帝国データバンクがこのほど公表した実態調査結果によると、2003年の旅館・ホテル業者の倒産件数は7月末現在で71件を記録した。

 これは集計を開始した87年以降で最悪を記録した2001年(1~7月で62件)を上回り、過去最悪のペースで推移している。負債規模別でみると、「負債額1億円以上10億円未満」が39件、構成比54.9%で最も多く、「負債額10億円以上50億円未満」が14件、同19.7%で続く。1件あたりの平均負債額は34億円で、2001年以降3年続けて30億円以上で推移しており、大型の旅館・ホテル倒産が高水準で推移している。

 業歴別でみると、「業歴30年以上」が32件、構成比45.1%で最も多く、「業歴10~20年未満」15件、同21.1%、「業歴20~30年未満」13件、同18.3%と続く。特に「業歴30年以上」の倒産は、2002年も構成比47.3%を記録し、今年に入っても高水準で推移している。旅館・ホテル倒産のうち、実に4~5割が老舗業者の倒産で占められている。

 主因別でみると、全体の63.4%にあたる45件が売上不振などの「不況型(外部要因)」、「経営失敗型(内部要因)」が9件、構成比12.7%、「放漫経営」が7件、同9.9%だった。バブル期には「経営失敗型(内部要因)」や「放漫経営」による倒産の比率が、「不況型(外部要因)」を上回っていた。しかし、景気低迷による業界環境の悪化が続き、ここ数年は「不況型(外部要因)」を主因とする倒産が6割以上を占めている。

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