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税務関連情報 (2006/09/06)

金融庁、現行証券税制の10%優遇税率の継続を要望

 現行の証券税制は、上場株式等の譲渡益に対する課税を本則20%のところ半分の10%に軽減しているが、この優遇措置は2007年12月末に適用期限を迎える。そこで金融庁は、2007年度税制改正に向けて、優遇税率の継続や、法人税・所得課税の二重課税を排し、長期投資を促進する観点から、配当所得について、現行の10%優遇税率適用分など一層の軽減措置を講ずることを要望している。

 現行の証券税制は、個人投資家の市場への参加促進をはかるため、「貯蓄から投資へ」を旗印に2001年から2003年にかけて様々な改正がなされてきた。特に2003年度の株式譲渡益・配当課税の軽減や特定口座の創設等の制度改正以降、個人の株式売買高が増大し、個人投資家の割合が高まるなど一定の効果が現れている。しかし、金融庁は、こうした「貯蓄から投資へ」の流れを加速・定着させたい考えだ。

 日本銀行の「資金循環統計/金融資産・負債残高表」(2006年6月公表)によると、わが国の個人金融資産に占める株式・投資信託の構成比は、近年高まっているものの、まだ11.5%(株式7.9%、投信3.6%)にとどまっており、ドイツの18.7%(株式6.6%、投信12.1%)やアメリカの28.1%(株式14.3%、投信13.8%)など諸外国と比較した場合は依然として低い水準である。

 また、金融庁は、こうした現行証券税制の拡充・継続を最優先としつつ、「金融商品課税の一体化」に向けた取組みをさらに進め、投資家がリスク資産に投資しやすい環境を整備するために必要な税制上の措置を講ずることを要望。具体的には、1)上場株式等の譲渡損失と配当所得との損益通算を可能にする、2)株式先物・オプション取引等各種金融商品課税を株式・株式投資信託と同一のものとすることを要望している。

 金融庁の2007年度税制改正要望項目の詳細は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/18/sonota/20060830-4.pdf