税 務 関 連 情 報

2003年06月23日-002
銀行126行、税効果会計で10兆円強の資本増強

 自己資本に算入する繰延税金資産を厳格化した結果、りそな銀行は自己資本比率が国内で業務を営む銀行の最低基準である4%を下回ってしまい、約1兆9600億円の公的資金が注入されることになった。将来税金が戻ることを想定した繰延税金資産が、資本の部の合計に占める割合である「資本依存度」は、銀行経営の健全性を計るひとつの尺度でもある。

 帝国データバンクがこのほど公表した税効果会計実態調査結果によると、大手11行、地銀64行、第二地銀51行の計126行における2002年度の繰延税金資産合計額は10兆7397億円で、資本依存度は47.0%となった。同調査は、126行の2003年3月期決算短信における貸借対照表の繰延税金資産、資本の部合計によって、資本依存度を算出・比較・分析したものだ。

 業態別にみると、まず大手11行の繰延税金資産合計額は7兆8996億円で、資本依存度は70.5%となった。各行別では、最も繰延税金資産が大きかったのが「三井住友」の1兆8853億円で、次に「UFJ」の1兆3000億円。資本依存度は、「りそな」が470.5%で最も高く、次に「中央三井信託」(117.0%)、「UFJ信託」(96.8%)の順となっている。最も低いのは「東京三菱」で43.6%である。

 次に、地銀64行の繰延税金資産合計額は2兆1531億円で、資本依存度は23.3%となった。各行別では、最も繰延税金資産が大きいのは「横浜」の1395億円、次いで「足利」(1378億円)、「千葉」(1202億円)など。資本依存度は、「足利」が184.6%で最も高く、次いで「近畿大阪」(101.7%)、「紀陽」(74.6%)の順。低いほうは、0%の「岩手」を筆頭に「百五」(0.6%)、「鹿児島」(1.0%)、「山形」(1.2%)など一ケタ台が14行ある。

 最後に、第二地銀51行の繰延税金資産合計額は6870億円で、資本依存度は28.7%となった。各行別では、最も繰延税金資産が大きいのは「福岡シティ」の544億円、次いで「京葉」(520億円)、「北洋」(449億円)などの順。資本依存度が最も高かったのは「びわこ」の90.0%、以下、「広島総合」(72.5%)、「福岡シティ」(69.1%)などが続く。最も低かったのは、唯一一ケタ台3.3%の「愛知」だった。

ホームへ戻る

 

Copyright(C) 2001-2003 TAXCOM Co.,Ltd. All rights reserved.