経 営 関 連 情 報

2003年07月09日-003
依然として下落が続く地価

 2003年3月末の市街地価格指数(日本不動産研究所)によると、全国の地価は半年で3.7%下落し、11年半連続のマイナスで、1982年3月末時点の水準を下回ることになった。しかし、ここ数年、全国的に地価の下落傾向が続くなかで、最近は全地点が一様に下落している状況ではなくなってきている。このような最近の地価動向を分析したのは住友生命総合研究所のマンスリーレポートである。

 レポートによると、3月末の市街地価格指数による最近の主なポイントとして、1)総平均では下落幅は横ばいかやや拡大、2)商業地(▲5.1%)のほうが住宅地(▲2.5%)よりも下落幅が大きい、3)東京都区部の下落幅は全国平均よりも小さい(商業地が▲2.5%、住宅地が▲1.3%)、4)三大都市圏や政令指定都市では周辺部に比べて中心部の下落幅が小さいのに対して、その他の地方都市では中心部の下落幅が大きい、の4点を挙げている。

 また、2003年1月1日時点の地価公示(国土交通省)によると、東京圏では、地価が上昇または横ばいになっている地点が増えている。その背景には、近年、土地の評価方法が変化し、利用価値が重視されるようになってきていることがある。商業地では、収益力の高い地点で、地価の下げ止まり・上昇傾向がみられる。例えば、出店した場合に高い売上が期待できる、事務所を設置した場合、業務効率が高いといった理由で高い賃料が得られる地点だ。

 住宅地についても、住環境の際立っていい地点では同様の傾向がみられる。一方、魅力の乏しい地点については、その利用価値に応じた価格への修正過程にある。まだ利用価値以上の地価が付いている地点は多く、レポートは、「全体としての下落傾向は今後も続く可能性は高い」と予測している。

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