地方自治法改正案への意見(骨子)のたたき台公表
地方制度調査会(西尾勝会長)の第4回専門小委員会が18日に開かれ、「地方自治法改正案に関する意見(骨子)」(たたき台)が示された。同調査会は、「住民の意向を地方公共団体の運営に反映できるよう議会はじめ住民自治のあり方、我が国の社会経済、地域社会等の変容に応じた大都市制度及び東日本大震災を踏まえた基礎自治体の担うべき役割や行政体制のあり方につき調査審議を求める」との首相の諮問を審議している。
骨子では、地方議会の会期を、「現行の定例会と臨時会による議会運営の方式に加え、通年の会期とすることも選択できるようにする。この方式を選択し、定例日を条例で定めることで予見可能性のある形で毎月定期的に会議を開くことが可能」とし、「会期開始時期を1月に限定しているが、議会の議員選挙後から会期を開始する場合も想定され、会期の始期は、議会の自由度をより高める観点から、条例に委ねるべき」と柔軟性を強調。
また、昨今話題となった「専決処分」は、やむを得ない場合に議会の権限に属する事項を長が代わって行う制度で、現行制度は、長の行った専決処分に対し議会がこれを不承認とした場合については、長は政治的責任のみを負うこととなっている。しかし、「条例と予算については議会の最も基本的な権限であり、これらの専決処分が不承認となった場合に、何らの法的効果も生じないという現行制度は不十分」と見直しを求めている。
直接請求制度では、議会の解散、議員または長の解職及び主要公務員の解職の請求については、特に人口が多い地方公共団体において、必要な署名の収集が事実上困難であることから、2002年改正により、有権者数40万以上について署名数要件が3分の1から6分の1に緩和されたが、改正後についても、依然として人口が多い団体は機能しにくい状況となっており、見直しを図るべきとしている。
一方、税をはじめとする地方公共団体の収入に住民の意思が適確に反映されることは、住民自治の観点から極めて重要。直接請求制度は本来あるべき姿に立ち戻り、住民自治の充実・強化の観点から、地方税等に関する事項を、条例制定・改廃請求の直接請求の対象とし、また、住民に身近な手数料や使用料まで直接請求の対象から除外しているのは、受益と負担を住民自らが真剣に議論する契機を失わしめ、見直しが必要としている
地方自治法改正案に関する意見(骨子)の全文は↓
http://www.soumu.go.jp/main_content/000135857.pdf