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4月企業倒産956件、3ヵ月連続の前年同月比減少

経営関連情報 - 2011年05月16日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は956件で、前月比は8.2%、前年同月比も0.6%の減少となった。3ヵ月連続で前年同月を下回ったものの、ほぼ横ばいとなり、減少幅は2月(前年同月比8.5%減)、3月(同9.3%減)に比べて大幅に縮小しており、政策効果の一巡に震災の影響も加わり、ここにきて増加に転じる兆しがみられるとしている。

 一方、負債総額は2636億2900万円となり、前月比は9.4%の減少となったものの、前年同月比は3.6%の増加で、6ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、負債100億円以上の大型倒産が、消費者金融の丸和商事(負債336億円、静岡県)など3件のみで、24ヵ月連続の一ケタ台にとどまったことなどが要因。上場企業倒産も4月は3ヵ月連続で発生しておらず、大型倒産の沈静化が続いている。

 業種別にみると、製造、卸売、運輸・通信の3業種で前年同月を下回り、卸売業(113件)、運輸・通信業(30件)の2業種は前年同月比20%超の大幅減少となった。一方、建設業(247件、前年同月比5.6%増)、小売業(175件、同10.1%増)など4業種は前年同月を上回った。卸売業は、織物卸(1件)や野菜・果実卸(1件)などで減少が目立ち、運輸・通信業では、道路貨物運送(18件)が前年同月比30.8%の大幅減少となった。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は464件発生、構成比は48.5%を占め、前年同月を3.5ポイント上回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は3件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が521件発生、構成比は54.5%を占めた。中小企業は954件で倒産全体の99.8%、小規模企業も829件で同86.7%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 なお、ここにきて、今回の震災による直接、間接の影響を受けて倒産した「東日本大震災関連倒産」も急増している。北は北海道から南は宮崎まで全国各地で発生しており、自粛のあおりや取引先の被災を受けての「間接被害型」の倒産が目立つ。他方、現時点であまり判明していない岩手、宮城、福島などの地域で直接被害を受けた企業の実態把握が今後進めば、関連倒産の件数はさらに増加するとみられている。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1104.html