ゼイタックス

地銀の有価証券評価損益合計は3月比で▲1兆円超

経営関連情報 - 2008年12月17日

 建設・不動産業などの大型倒産ラッシュに伴う不良債権処理、金融危機によるリーマン債の損失や株価下落に伴う保有有価証券の損失計上により、金融機関の2008年9月中間決算は厳しいものとなった。帝国データバンクがこのほど発表した「地銀、第二地銀の有価証券関係、評価損益調査」によると、地方銀行99行の08年9月中間期の有価証券評価損益合計は08年3月に比べ1兆円を超えるマイナスとなった。

 2008年9月中間期における地方銀行109行(地銀64行、第二地銀45行)の有価証券関係損益合計はマイナス1665億3400万円と前年同期に比べマイナス2284億9700万円。一方、地方銀行99行(開示していない10行を除く)の有価証券評価損益合計は5378億9400万円と、08年3月と比べマイナス1兆1150億9700万円となった。また、自己資本比率の単純平均は9.74%(08年3月比▲0.28ポイント)となっている。

 地銀64行の有価証券関係損益合計は、マイナス1280億5900万円と前年9月と比べマイナス1672億5900万円。各行の有価証券関係損益をみると、上位は「伊予銀行」(40億1800万円)がトップで、「山口銀行」(31億3500万円)、「武蔵野銀行」15億3400万円と続く。一方、下位は、「千葉銀行」(▲141億5500万円)、「静岡銀行」(▲85億6700万円)、「西日本シティ銀行」(▲75億2300万円)と続いている。

 地銀60行(非開示の4行を除く)の有価証券評価損益合計は7533億6500万円と08年3月と比べマイナス9619億8700万円だった。各行でみると、上位は「京都銀行」(2872億9400万円)がトップで、「静岡銀行」(1339億5000万円)、「伊予銀行」(914億1000万円)と続く。下位は、「紀陽銀行」(▲381億5800万円)、「西日本シティ銀行」(▲288億6900万円)、「広島銀行」(▲233億4600万円)と続いている。

 なお、「有価証券関係損益」は、「国債等債権損益」と「株式等損益」の損益通算による。また、有価証券評価損益において、変動利付国債を理論値で算定している金融機関は、地銀17行、第二地銀12行の合計29行だった。