日本経団連がこのほど発表した2009年の夏季賞与・一時金の妥結状況の第1回集計によると、調査対象主要21業種・大手253社のうち、37.5%にあたる95社が妥結しているが、平均額不明などの28社を除く67社の妥結額(加重平均)は75万4009円で、前年夏季に比べ19.39%減となった。7年ぶりに前年を下回り、下落幅は過去最悪。この集計は、7月中旬に最終結果をとりまとめる予定。
これまでもっとも悪かった下落幅は1999年の6.8%減だが、それを大きく上回り初の二ケタ台の落込みとなった。製造業・非製造業別にみると、製造業は53社平均で妥結額74万5899円、前年夏季比▲24.10%、非製造業は14社平均で77万8570円、同▲2.07%。昨年後半からの世界的金融危機による影響から外需が急落し、輸出を中心とする自動車や電機といった製造業が大きく落ち込み、全体の平均を引き下げた。
業種別では、妥結額では82万1563円の「自動車」(7社)が最高だが、その伸び率は▲29.55%と最低だった。次いで「化学(硫安含む)」(6社)が80万2798円。また、前年夏季比での増加率は、「食品」(3社、妥結額70万2353円)が0.15%と小幅なプラスながら唯一の増加で、「自動車」を始め「非鉄・金属」(8社、同62万8234円)が▲20.44%、「電機」(7社、同66万7252円)が▲20.33%と大幅に下落している。
一方、中小企業の春季労使交渉状況の第2回集計では、調査対象中小企業(従業員数500人未満)17業種・764社のうち、31.2%にあたる238社に回答(了承・妥結を含む)が出ているが、このうち平均額不明などの6社を除く232社の回答額平均は3651円で、賃上げ率は1.42%となった。同一企業の昨年実績と比べると、金額で685円減少、率で0.26ポイント減少と、ともにダウンしている。
これを製造業・非製造業別にみると、製造業は173社平均で3918円、賃上げ率1.49%。昨年実績と比べると、金額で911円減、率で0.34ポイント減とともにダウンとなった。一方、非製造業は59社平均で2939円、1.20%。昨年実績と比べると、金額で244円増、率で0.08ポイント増と、ともにアップしている。中小企業の夏季賞与も、製造業のほうが企業業績の悪化の影響がより大きいことがうかがえる。