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法人税調査で1兆6259億円の申告漏れ把握

税務関連情報 - 2008年11月05日

 国税庁が10月30日に公表した今年6月までの1年間(2007事務年度)における法人税調査事績によると、不正計算が想定されるなど調査必要度の高い14万7千法人(前年度比0.1%増)を実地調査した結果、うち74.1%にあたる10万9千件(同0.3%増)から前年度に比べ5.7%減の総額1兆6259億円の申告漏れを見つけた。加算税額587億円を含む3916億円(同11.0%減)を追徴。1件あたりの申告漏れは1107万円となる。

 また、調査した21.7%にあたる3万2千件(前年度比0.5%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は4268億円(同1.8%減)だった。1件あたりの不正脱漏所得は1337万円(同2.3%減)と減少した。過去最高だった2002年度の1591万円から5年連続で減少しているが、不正申告1件あたりの不正脱漏所得は依然として高額で推移している。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が58.1%で6年連続のワースト1位となった。「バー・クラブ」は2000年度まで14年連続1位という不名誉な記録を続けていたワースト業種の常連(唯一2001年度がワースト2位)。次いでこれも常連の「パチンコ」(50.1%)が続き、この2業種は5年連続でワースト1、2位となっている。3位は「再生資源卸売」(37.5%)。

 一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい10業種では、ともに前年ランク外の「建売、土地売買」(5292万円)、「民生用電気機械器具電球製造」(5013万円)が1、2位、以下、「自動車・同付属品製造」(3888万円)、「パチンコ」(2808万円)、「非鉄金属卸売」(2623万円)までがワースト上位5。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は高額10業種に入っておらず、1件あたりの不正脱漏所得金額は1749万円と相対的に少ない。