2003年10月20日-002
9月倒産1238件、9ヵ月連続の前年同月比減少
帝国データバンクがこのほど公表した全国企業倒産(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数1238件は、99年6月(1287件)以来4年3ヵ月ぶりの1300件割れで、前年同月を18.2%(276件)下回り、9ヵ月連続の前年同月比減少となった。これは、「特別保障制度」影響下の98年11月~99年10月の12ヵ月連続以来で、バブル崩壊後では2度目、連続記録としては戦後6番目となる。
企業収益は大手企業を中心に改善がみられるが、中小企業は依然として過小需要による減収と供給過剰による価格下落に悩まされている。多くの中小企業は、リストラなどにより減収基調にも耐えうる収益構造を模索し、手形や売掛金などの信用取引を縮小し、先行投資やリスクテイクの回避などでデフォルトの危機を逃れているため、倒産は減少する結果となった。
また、「借換え保証」や制度融資などの拡充された公的支援が、中小企業に資金繰りを援助しており、倒産を一時的に抑制している。しかし、公的支援は企業の財務体質を改善させたわけではなく、不良債務企業を増加させただけであり、倒産の危機は先送りされただけとみられている。
9月の負債総額1兆1292億円は、2ヵ月連続の1兆円超えで、9月としては戦後4番目の高水準。朝日住建(負債3600億円、大阪府)などの大型倒産多発で負債が膨らんだ。なお、「モノが売れない」「焦げ付きが発生した」などの要因で倒産した不況型倒産は全体の76.7%を占める950件発生し、経営環境は改善されていない。また、業歴30年以上の「老舗倒産」は362件で、その構成比29.2%は過去最高の記録となった。
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