お酒に強い地域というと、青森・秋田などの東北や九州、高知県などが通説として浮かび上がるが、これを数字面から眺めてみると意外な事実が判明して興味深い。基礎資料は、国税庁がまとめた都道府県別の2004年度成人1人あたりの酒類消費数量表。年間の消費数量の全国平均は、ビール35.4リットル、発泡酒21.7リットル、清酒7.3リットル、焼酎9.6リットルなど合計88.5リットルである。
都道府県別にみると、「東京」が120.4リットルでもっとも多く、以下、「高知」(109.2リットル)、「大阪」(107.3リットル)、「新潟」(104.2リットル)、「秋田」(100.3リットル)と続き、ここまでが年間100リットル以上のお酒を飲んでいる。ただし、「東京」や「大阪」は大都市圏という経済構造から業務用のニーズが大きいと推測され、真の“飲兵衛”の県といえば高知をはじめ新潟や秋田ということになりそうだ。
酒類別にみると、ビールは全国的に飲まれている。「東京」(55.4リットル)、「高知」(46.4リットル)、「大阪」(45.6リットル)、「新潟」(41.0リットル)、「石川」(40.8リットル)などが上位に並ぶが、最近は発泡酒などに移行する傾向がある。発泡酒は、「高知」(31.8リットル)、「大阪」(28.4リットル)、「宮崎」(26.7リットル)「青森」(26.2リットル)、「鳥取」(25.5リットル)などで多く飲まれている。
清酒は、「新潟」(18.1リットル)、「秋田」(13.6リットル)、「島根」(12.0リットル)、「石川」(11.9リットル)、「福島」(11.4リットル)などと酒処が続くが、年々消費量は漸減傾向にある。「大阪」は6.5リットルで平均以下、「東京」は8.0リットルと全国平均の7.3リットルは上回るものの、日本酒の長期低迷は、大きな業務用市場で消費が伸びていないことに裏付けられよう。
ここまで九州勢が出てこないが、彼ら―特に南九州勢は、焼酎一辺倒なのである。焼酎の全国平均が9.6リットルのところ、「鹿児島」は27.9リットル、以下、「宮崎」(24.7リットル)、「大分」(15.4リットル)、「熊本」(14.4リットル)と上位4県を南九州勢が独占する。それも、原料がイモなどの乙類がほとんど。ちなみに、「鹿児島」では清酒は1.1リットルなど、発泡酒以外のほかの酒は全国平均を大きく下回る。
自分の出身地の飲兵衛度を知りたかったら↓
http://www.nta.go.jp/category/sake/10/siori/h18/pdf/06.pdf#page=3