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経営関連情報 (2007/05/14)

中小企業の業況はほぼ横ばいで推移~中小公庫

 中小企業金融公庫が3月に実施した「中小企業動向調査」結果(有効回答数5529社)によると、中小企業の景況感を表す業況判断DI(前年同期比、「好転」-「悪化」、季節調整値)は、1~3月期実績で0.2と前期実績を0.3ポイント上回り、5期ぶりにプラスとなったものの、ほぼ横ばいでの推移となった。先行きは、1期先(4~6月期)の見通しが15期ぶりに実績値を下回っており、慎重な見方となっている。

 地域別にみると、関東、近畿、東海などの大都市圏ではプラスを維持。また、北陸でプラス幅の拡大がみられ、中国では水運業の好調さなどが全体の押し上げに寄与し、マイナスからプラスとなった。北陸では、繊維・繊維製品や飲食宿泊業などの回復が全体のプラス幅拡大に寄与した。一方で、北海道、東北ではマイナスが続いており、四国ではプラスからマイナスとなった。地域別には、地域間の明暗が色濃いものとなっている。

 また、1~3月期実績の売上DI(前年同期比、「増加」-「減少」、季節調整値)は7.5と引き続きプラスを維持したが、前期実績を2.8ポイント下回った。売上DIが対前期比で悪化するのは、2005年7~9月期以来8期ぶり。製造業では、非鉄金属、鉄鋼などが高水準のプラスを維持しているものの、精密機械、化学工業、金属製品などでプラス幅が縮小。非製造業では、小売業、倉庫業、建設業でプラスからマイナスに転じた。

 そのほか、販売価格DI(前年同期比、「上昇」-「低下」、原数値)は▲0.1となり、7期連続でマイナス幅が縮小。仕入れ価格DI(同)は53.3と高い水準が続いているものの、2期連続でプラス幅が縮小した。また、従業員DI(前年同期比、「増加」-「減少」、季節調整値)は、前期比1.5ポイント減の5.0とプラス幅が縮小したものの、10期連続でプラスとなり、中小企業の雇用マインドの高さを反映している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jasme.go.jp/jpn/result/report/c3_0684.pdf