2月企業倒産884件、2ヵ月ぶりの前年同月比減少
帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は884件で、前月比は9.4%、前年同月比も8.5%減少し、2ヵ月ぶりに前年同月を下回り、2010年5月(879件)以来9ヵ月ぶりに800件台にとどまった。前月1月は前年同月比2.8%増と微増ながら1年5ヵ月ぶりに増加に転じていたが、2月は再び減少するなど、倒産は一進一退の様相を呈している。
一方、負債総額は3919億8200万円となり、前月比は57.0%の増加となったものの、前年同月比は8.3%の減少で、4ヵ月連続で前年同月を下回った。負債トップは、国内有数のバイオ企業の(株)林原(岡山県)で1322億7100万円だったが、林原関連の3社を除く負債は1591億7900万円と過去10年間で最低となっており、大型倒産の沈静化が続いている。上場企業の倒産も2ヵ月ぶりに発生しなかった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。なかでも、製造業(118件、前年同月比▲20.8%)は、2008年6月(117件)以来2年8ヵ月ぶりに120件を下回る水準となった。不動産業(19件、同▲38.7%)も2002年9月(20件)を下回り、過去10年間で最少となった。一方、運輸・通信業(38件、同31.0%増)は唯一前年同月を上回り、燃料費の高騰や荷主からの値下げ圧力などもあり、厳しい経営環境が続いた。
負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は445件発生、構成比は50.3%を占め、前年同月を2.4ポイント上回り、4ヵ月ぶりに50%を超えた。一方、負債100億円以上の大型倒産は3件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が489件発生、構成比は55.3%を占めた。中小企業は883件で倒産全体の99.9%、小規模企業も754件で構成比85.3%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。
同倒産状況の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1102.html