東京商工リサーチがまとめた2006年の全国企業倒産(負債総額1千万円以上)状況によると、昨年1年間の倒産件数は1万3245件、負債総額は5兆5005億8300万円となった。倒産件数は前年比1.9%増となり、5年ぶりに前年を上回ったが、負債総額は同17.9%減の大幅減少となり、12年ぶりに年間6兆円を割り込んだ。この倒産集計は、法的倒産のほかに銀行取引停止処分等の私的倒産を含んでいる。
倒産件数が増加しながら負債総額が減少したのは、負債1億円未満の倒産件数が前年比6.2%増で、年間倒産に占める構成比が1991年以降ではもっとも高い65.4%を占めるなど小規模企業倒産の増加が影響したもの。これに伴い2006年の企業倒産全国平均負債額は、前年比19.4%減の4億1500万円にとどまり、6年連続で減少した。また、最近10年間で最少金額となり、1994年(4億円)以来12年ぶりに5億円を下回った。
2006年の負債10億円以上の大型倒産は前年から56件減の713件で、5年連続で前年を下回り、その構成比も前年比0.6ポイント低下の5.3%で、最近10年間では最低水準にとどまった。三大都市圏をみると、東京は2002年以降低下を続け、2006年は最近10年間で最低の6.0%、また、大阪(3.5%)と愛知(3.6%)も最近10年間でもっとも低い3%台に低下するなど、大都市圏における大型倒産の減少傾向を反映した。
これに対して、負債5千万円未満の小規模倒産の年間倒産件数に占める構成比をみると、2006年は前年比2.5ポイント増の45.2%(5997件)となった。これで5年連続の上昇となり、バブル景気崩壊後の1991年以降でもっとも高い比率を占め、倒産件数の小規模化を裏付けている。1997年の小規模企業の構成比は31.2%(5144件)に過ぎなかったのだから、10年間で14ポイントも上昇したことになる。
2006年(1~12月)全国企業倒産状況は↓
http://www.tsr-net.co.jp/new/zenkoku/year/1176641_809.html
2006年企業倒産平均負債額調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/new/data/1176693_818.html