ゼイタックス

経営関連情報 (2005/11/25)

サービス残業は1年前より増加、4割超える

 残業をしてもその賃金の全部または一部が支払われないサービス残業の割合が1年前より4.0ポイント増の43.2%と4割を超えたことが、連合総研が10月に実施した第10回「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」結果(有効回答数920人)でわかった。男女別でみると、男性は50.4%と女性(33.7%)を大きく上回る。ただ、1年前との比較では、男性3.1ポイント増に対し女性は5.4ポイント増とより増えている。

 サービス残業の内訳について、実際に残業手当が支給された割合は、「7~8割」が18.9%、「5割くらい」7.6%、「3~4割くらい」6.9%、「2割以下」9.8%となっている。また、サービス残業割合は、週実労働時間が「40時間未満」では24.6%だが、「60時間以上」では65.7%と実労働時間が長くなるほど高まっている。サービス残業の削減には、まず業務効率化や人員補充による長時間労働の削減が不可欠のようだ。

 残業手当の支給時間の決定方法では、「定額の手当てによる」でのサービス残業割合が78.6%ともっとも高く、前年に比べ28.6ポイント増加。次に「定められた上限時間による」が63.5%で続くが、前年からは11.4ポイント減少した。大幅に増えているのは「タイムカードや電子機器等の記録どおり」で21.6ポイント増の34.0%だが、回答数の4分の1を占めており、サービス残業割合を高めている要因のひとつとなっている。

 サービス残業がある理由(複数回答)は、「残業時間の限度が定められている」(35.6%)、「残業手当の支払いに上限がある」(33.7%)、「上司の対応等の雰囲気により残業手当を申請しにくい」(31.0%)が上位を占め、1年前の調査とほぼ同様の結果となっている。ほかでは、「自分が納得する成果を出したいので残業手当を申請しない」(19.9%)や「マイペースで仕事をしたいので残業手当を申請しない」(14.7%)など自主返上もあった。

 同アンケート結果の概要は↓
 http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/kinroukurashi/enquete/No10/10digest.pdf