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事業者が任意に採用できる消費税等の会計処理方法

税務関連情報 - 2009年06月01日

 消費税及び地方消費税の会計処理方法には、(1)消費税等を売上高及び仕入高等に含めて経理する「税込経理方式」と(2) 消費税等を売上高及び仕入高等に含めないで区分して経理する「税抜経理方式」(取引のつど区分する方法と期末に一括区分する方法)の二通りの方法がある。どちらを採用するかは事業者の任意であり、納付する消費税等の合計額は同額となる。ただし、免税事業者は税込経理方式が求められる。

 税込経理方式は、売上や仕入等に係る消費税額等は売上金額や資産の取得価額、経費等の金額に含まれるため、企業の損益は消費税等によって影響されるが、税抜計算の手数が省ける。売上に係る消費税額等は売上に含めて収益として、仕入等に係る消費税額等は仕入金額や資産の取得価額、経費等の金額に含めて計上する。納付税額は、租税公課として損金(必要経費)に、還付税額は雑収入として益金(収入金額)に算入する。

 一方、税抜経理方式は、売上や仕入等に係る消費税額等は仮受消費税等または仮払消費税等とされ、企業を通り過ぎるだけの税金に過ぎないため、企業の損益は消費税等によって影響を受けないが、税抜計算の手数がかかる。納付税額は、仮受消費税等から仮払消費税等を控除した金額を支出とし、また、還付税額は仮払消費税等から仮受消費税等を控除した金額を入金とし、ともに損益には関係させない。

 なお、税抜経理方式を採用する事業者で課税売上割合が95%未満の場合は、控除対象外消費税額等については、繰延消費税額等として5年間以上で損金の額(必要経費の額)に算入しなければならない(個々の資産の取得価額に含めて計上することができる場合もある)。ただし、下記のものについては、法人は一時の損金とすることができ、また、個人事業者は一時の必要経費とすることになる。

 (1) 課税期間の課税売上割合が80%以上である場合の控除対象外消費税額等
 (2) 20万円未満の控除対象外消費税額等(個々の資産ごとに判定)
 (3) 棚卸資産及び経費に係る控除対象外消費税額等