2003年03月05日-001
パンク寸前だった国税庁HPの申告書作成コーナー
平成14年分所得税等の確定申告は今が真っ盛りだが、今回の目玉はなんといっても国税庁のホームページ上で提供されている「所得税の確定申告書作成コーナー」である。自宅のパソコンから同庁のHPにアクセスし、画面に基づいて収入金額などの必要項目を入力すれば申告書が作れ、カラープリンタで出力した申告書をそのまま郵送すれば、税務署に足を運ばず確定申告が終了する。
その便利さから国税庁の予想を超えた利用があって、一時は画面の表示速度が遅くなったりアクセスがうまくいかなかったりで、納税者からの苦情も寄せられたようだ。同庁では、パンク寸前となったシステム容量を必死で増設し、現在はスムーズなアクセス環境を保っている。同コーナーへのアクセス数は、3月2日現在で約242万9千件にのぼる。
ところで、実際にアクセスして申告書を作成した人はというと、申告所得が給与所得や雑所得、配当所得、一時所得だけの人が使うA様式が約52万7千件、所得の種類に関係なく誰でも使えるB様式が約12万9千件という。アクセスした人の27%、4人に1人が実際に申告書を作成したことになる。この割合を高いとみるか低いとみるかは難しいところが、アクセスはしたものの、手に負えなかった人が沢山いたのは事実。
実際に作成した人の中には「タッチパネルのほうがはるかに簡単」との声もある。タッチパネル方式による自動申告書作成機は、銀行のATM機のように音声ガイドで指示してくれる上、源泉徴収票に基づいて作成でき、困ったときは税務署の職員がそばにいる。所得区分などから自分で判断しなければならないHPの作成コーナーはある程度基礎知識が求められるようだ。
ちなみに、タッチパネルでの申告書作成件数は平成13年分で約269万8千件。確定申告はこれからが本番とはいえ、HPでの作成件数がタッチパネルでの作成件数を超えることは難しそうだ。来年からはいよいよ電子申告も始まる予定。パソコンでの基本的な申告書作成は同じであろうから、一般の納税者が作りやすい工夫を加えなければ、電子申告は税理士がいる納税者が大部分となってしまうが…。
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