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3割にとどまるIFRS任意適用を検討する企業

経営関連情報 - 2011年08月26日

 国際会計基準(IFRS)の導入時期を巡っては、金融庁は「2015年を目処に強制適用に向けて2012年に判断する方針」としてきたが、東日本大震災などの影響もあって、新たにスケジュールの見直しも検討している。一方、2010年3月期から任意適用が認められているIFRSだが、2011年3月期(2010年度)の段階で日本電波工業、HOYA、住友商事の3社が実施。2012年3月期は日本板硝子が適用をスタートした。

 東京商工リサーチがこのほど発表した「IFRS適用アンケート調査」結果(有効回答数407社)によると、適用の検討を開始している企業は回答企業の85.3%(347社)だったが、このうち、強制適用前の任意適用については69.7%(242社)が「強制適用まで行わない」と回答し、任意適用には消極的姿勢が大勢を占めた。一方、「任意適用を前向きに検討」としたのは6.6%(23社)だった。

 また、「状況次第で任意適用を検討」とした企業が23.6%(82社)あり、これらを合計した任意適用を検討する企業は3割にとどまった。これらの企業(105社)の適用時期については、「2012年度」が6社、「2013年度」が9社、「2014年度」が6社だった。他方、「2015年度」が6社、「未定」が76社あり、計82社(78.1%)と8割近くの企業がしばらく先のことと考えていることがうかがえる。

 なお、IFRS適用の検討を始めている345社のうち、287社(83.2%)が「適用対象となるため検討を開始」と回答、「適用対象外だが、検討を開始」が23社(6.7%)で、合計310社(89.9%)と上場企業の9割が検討を始めている。一方で、非上場企業60社のうち35社が「検討を始めている」と回答し、上場と非上場企業ではIFRS適用に向けて温度差はあるものの、非上場企業からも興味を得ていることが分かった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2011/1212732_1903.html