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金融庁、金融商品間の損益通算の範囲拡大など要望

税務関連情報 - 2009年09月09日

 金融庁はこのほど、2010年度税制改正に向けて要望を公表し、少子高齢化が進む中で、わが国経済の持続的な成長に資する観点から、わが国金融・資本市場の競争力の一層の強化を図るため、(1)個人投資家の積極的な市場参加を促す環境整備(「貯蓄から投資へ」の流れの促進)、(2)海外投資家によるわが国金融・資本市場への投資の促進、を柱として掲げ、必要な税制上の措置を要望した。

 まず、金融所得課税の一体化の取組みのなかで「貯蓄から投資へ」の流れを促進する観点から、金融商品間(上場株式、公募投資信託、預金、債券、先物取引など)の損益通算の範囲の拡大や、債券の利子所得と譲渡損の損益通算を認めるなど、現行の債券税制の見直しを求めた。金融商品間の損益通算においては、上場株式等の譲渡損失と配当との間に限られており、リスク資産の損失が十分に配慮を受けていないとしている。

 また、海外投資家によるわが国金融・資本市場への投資の促進では、非居住者等による債券投資に係る利子の非課税措置の充実を求めた。わが国公社債市場における海外投資家の保有比率は社債を中心に極めて低いが、その要因として、国債や地方債においても、非課税措置を受けるための投資手続きが煩雑なこと、海外投資家の社債投資における受取利子が課税(国債、地方債は非課税)されていることを挙げている。

 このため、非居住者等が受け取る国債・地方債に係る非課税措置について、その適用手続きを発行体ごと(多数)ではなく振替機関ごと(日銀・ほふりのみ)に変更するなど簡素化し、非居住者等の範囲を海外の年金基金が対象となるよう明確化するなど拡充を図ること、また、非居住者等が受け取る社債等に係る利子についても非課税措置を導入すること、などを求めている。

 金融庁の2010年度税制改正要望項目は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20090831-2/01.pdf