税 務 関 連 情 報 |
2002年05月29日-001
PHP総研が19兆円の税源移譲や地方交付税の廃止を提言
税制抜本改革の流れの中で、国から地方への税源移譲、地方分権が大きな焦点のひとつとなっているが、PHP総合研究所はこのほど、政府税調の前会長・加藤寛千葉商科大学学長などの学識者によってまとめられた「『地域主権』の確立に向けた7つの挑戦」と題した提言を公表。日本経済再生のためには、国に依存した中方集権型システムを一掃し、民間企業や地方政府主体とした抜本的な構造改革が必要との認識を示し、19兆円の税源移譲と地方の「課税自主権」の確立、地方交付税制度の抜本的な見直しなどを提言した。
構造改革の焦点は、1)国からの財政移転システムである地方交付税・国庫支出金を廃止し、税源を配分しなおす、2)国からの信用補完である地方債許可制度や財政再建制度の廃止、3)税目、税率、課税ベースを決定できる課税自主権の確保、4)権限・計画・法規の階層構造の打破―の4つである。この4つの焦点を考慮しつつ「地域主権」を実現するための提言を行っている。
それは、19兆円の税源移譲と地方の「課税自主権」の確立、現行の地方交付税の廃止と時限的な水平的財政調整制度の設置などである。特に、現行の地方交付税制度は、地方の努力により税収増となっても、その8割は交付税額の減少につながり、残りの2割しか歳入増にならないことから、税収拡大の努力を阻害するシステムとなっている。また、基準財政需要額が増加すれば交付税額も増える仕組みであることから、地方の自主的な歳出削減や増収策を講じる自助努力を阻害し、歳出の放漫化を促していると指摘。現行制度を廃止して、新たに人口や面積などの客観的指標に基づく新たな財政調整制度を導入することを求めている。この結果、歳出抑制効果が働き、税収拡大の努力や合併促進効果が期待できるとしている。
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