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税務関連情報 (2007/07/09)

包括的な事業承継税制の確立を要望~日商

 中小企業の事業承継の円滑化を税制面から支援する動きが強まっている。自民党の事業承継問題検討小委員会や中小企業庁の事業承継協議会が事業承継税制の拡充を検討しているが、民間団体からは日本商工会議所が、2008年度中小企業関係施策に関する要望の中で、中小企業の活力増進のための税制改革として、中小法人税制等の拡充や増税なき財政再建の実現とともに、包括的な事業承継税制の確立を求めた。

 同要望によると、事業用資産は、企業が継続的に活動していくための必要最低限の基盤であり、そこに課税することは経営の承継による円滑な事業の継続を阻害し、長年培われてきた経営ノウハウや技術、さらには雇用機会の喪失を招くなど経済にとって大きなマイナスとなる。また、わが国中小企業が事業承継に際して負担する欧州やアジア諸国に比べ高い相続税を是正しなければ、国際競争力の維持・強化は困難と指摘している。

 このため、現行の相続税の課税理念を見直し、事業用資産の承継については一定期間の事業の継続等を前提に非課税とすべきであり、事業を承継する者の相続税負担の減免を図る包括的な事業承継税制の確立を求めている。併せて、取引相場のない株式の評価方法の見直し、納税円滑化への対応などを図ることも要望。総じて、自民党や中小企業庁の方針と軌を一にした要望内容となっている。

 また、中小法人税制等の拡充では、抜本的に見直された減価償却制度について、2007年度税制改正大綱の趣旨を踏まえて、法定耐用年数や資産区分の見直し、法定耐用年数の短縮特例制度の手続き簡素化などの確実な実現を求めたほか、償却資産への課税の撤廃、交際費の損金算入規制の撤廃、金融所得一元化の推進、環境税の導入反対と温暖化防止対策支援措置の拡大なども盛り込んでいる。

 日商の「2008年度中小企業関係施策に関する要望」の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/nissyo/iken/0706-20chushoyobo.pdf