経 営 関 連 情 報

2003年07月14日-004
企業の求める今現在の人材ニーズは約280万人

 わが国経済の活性化を図り、起業・創業を促す環境整備による新たな市場環境を創り出すためには、高度の能力・スキル(熟練)を持つ人材を効果的に育成することが急務である。一方で、企業の人材に関するニーズは変化しており、個人の働き方も多様化していることから、企業が求める職種・雇用形態、能力・スキルを的確に把握することが、職のミスマッチの解決策や効果的な能力開発につながる。

 経済産業省が10日に公表した企業の人材ニーズに関するアンケート調査結果によると、企業が現在新卒以外で採用を考えている顕在的な人材ニーズは約280万人であることが明らかになった。これは、公共職業安定所に登録されている求人数約160万人の約1.75倍にあたる。同調査では約1万6千社の有効回答を得たが、うち、従業員規模「0~4人」が4333社、「5~99人」が9196社であり、いわば中小企業の人材ニーズともいえる。

 今、企業が求めている人材ニーズに対し、ハローワークに登録していない求人が約120万人いるのである。また、向こう1年間で景気・経営環境などが改善した場合には採用したいと考えている潜在的な人材ニーズは約447万人にのぼった。顕在的・潜在的を合計した人材ニーズは約727万人で、この9割強が従業員規模100人未満の中小企業のニーズなのだ。官民が連携して積極的な求人開拓を実施する必要性は大きい。

 また、企業の求める雇用形態も大きく変化していることも分かった。正社員に対するニーズは44.3%で4年前よりも11.9ポイントも低下した。特に、現在採用を考えている顕在ニーズは40.0%である。パート・アルバイトや契約社員・派遣など非正社員に対するニーズが上昇しているわけだ。これまでのような正社員中心のマッチング機能だけでは、企業のニーズに十分応えられない。人材派遣など民間を活用し、多様なニーズに対応した積極的な取組みが求められることになる。

 

ホームへ戻る