少子高齢化の進展のなかで企業の人材確保にはパートや派遣社員など非正社員の活用がますます重要になってくる。そのためには、非正社員の処遇にも配慮する必要がある。労働政策研究・研修機構が実施した「正社員とパート等の均衡処遇に関する意識調査」(有効回答数:正社員2215人、パート等2158人)によると、8割の正社員が「均衡処遇」の考え方に賛成していることが分かった。
正社員とパート等が同じ仕事をしている場合には、パート等についても意欲・能力・経験・成果などに応じて処遇し、正社員とのバランスに配慮すべきという「均衡処遇」の考え方に対する賛否は、正社員の79.3%が「賛成」と回答。賛成の理由(複数回答)は、「優秀な人材を確保するため」(65.3%)、「パート等のやる気を向上させるため」(61.0%)、「同じ仕事をしている以上、処遇を合わせるのは当然」(56.1%)などが多かった。
一方、「均等処遇」に「反対」は9.8%、「分からない」は10.3%とそれぞれ約1割だった。反対の理由(複数回答)では、「正社員とパート等では会社への貢献度や期待度に違いがあるから」(55.7%)、「正社員とパート等は違う仕事をすべきだから」(28.1%)、「正社員の雇用がパート等に置き換わるおそれがあるから」(27.1%)、「会社にとってコスト高になるから」(25.5%)などとなっている。
そのほか、自分がパート等と同じ仕事をするのであれば、約半数の正社員が現在のパート等の時給を上回る額を希望している。賃金に格差がある理由として、正社員は「契約形態の違い」、パート等は「人件費抑制」を挙げるなど、賃金格差は必ずしも仕事や能力の実質的な違いによるものではないという見方が多い。また、正社員の3割がパート等の人数比率の増大に反対しているが、さらなる活用には約半数が賛成している。
同意識調査結果の詳細は↓
http://www.jil.go.jp/press/documents/20060623.pdf