東京都はこのほど、旧耐震基準に基づいて建てられた23区内の住宅の建替えと耐震改修を税制面から支援し、災害に強い東京を実現するため、独自の「耐震化促進税制」を創設することを決めた。住宅の耐震化率の目標である90%を達成し、「10年後の東京」が目指す災害に強い東京を実現する。国も住宅耐震化促進へ向けて税制の整備を進めているが、都の新制度は独自の仕組みを導入したり、国の減額基準に上乗せするもの。
具体的には、1982年(昭和57年)1月1日以前から23区内に所在する住宅を建て替えた場合、建替え前後の家屋の所有者が同一で取り壊しと新築が1年以内という条件を満たし、2009年1月2日から1015年12月31日までの間に建替えが完了すれば、建替え後の家屋に対して、新たに固定資産税が課されることになった年度から3年度分、床面積にかかわらず住宅部分について固定資産税・都市計画税の全額を減免する。
また耐震改修は、現行の耐震基準に適合する改修でそれに要した費用が30万円以上の場合、1戸あたり120平方メートルの床面積相当分まで、固定資産税・都市計画税の全額を減免する。耐震改修は国の制度がベースになっており、減免期間は、2008年1月2日から2015年12月31日までの間の耐震改修の完了期間に応じて3年度分~1年度分となる。例えば、2009年12月31日までに耐震改修が完了すれば3年度分減免される。
固定資産税・都市計画税の全額減免については、建替えの場合は国の新築住宅減額制度の適用があるものは同制度の適用後、耐震改修の場合は国の耐震減額制度の適用後と、国の減額基準に上乗せされる。これら耐震化促進税制の創設による減収は、平年度で60~70億円程度と見込まれている。同制度創設は、議会の承認を必要としないため、適用期限が到来している耐震改修については条件を満たせば現時点でも適用できる。