ゼイタックス

経営関連情報 (2005/05/30)

実際には営業職希望でなかった新卒営業マンが8割

 「人生は思い通りにはいかないもの」との慣用句にはいろいろな場面で遭遇する。営業専門のコンサル等を行う(株)カーナープロダクトが25日に発表した「新卒営業マンへの意識調査」結果(有効回答数250人)によると、新卒営業マンの42.8%が、実際には営業職希望ではなかったことがわかった。「どちらでもない」の36.8%を加えると8割の営業マンが、就職前には営業職を希望していない現実が浮き彫りになった。

 就職活動の段階から営業職に就きたいと思っていた営業マンは20.4%だった。また、希望企業への入社率も18.8%と圧倒的に少なく、「希望企業でない」が56.8%、「どちらでもない」が24.4%となっている。このように、ほとんどの新卒営業マンが、望まない企業の、望まない職種で働いていることになる。この事実は考え方や仕事の仕方に大きな影響を与えているにちがいない、とみられている。

 会社が実施する新人教育に対する満足度は、45.6%の営業マンが「YES」と回答していることから、教育体制が整った企業が多いことが推察される。しかし、「NO」と答えた30.4%の営業マンの半数は、すでに“実践”に出ている営業マンだった。知識や能力に不安を感じながら営業を行っていることになる。“実践営業”というと響きはいいが、教育する時間的・金銭的な余裕がない会社が少なくないことがうかがえる。

 入社してから今日までに「辞めたいと思ったことはあるか」との問いには、前年調査より8%少ない16.8%の営業マンが「YES」と答えた。「NO」は74.8%、「どちらでもない」は8.4%だった。入社3ヵ月以内での退職者の数も減少傾向にある。この背景には、多少本意でない仕事でも、数年は続けキャリアアップとしての転職を希望する傾向がみられるため、離職率自体は下がっていることがある。