2009年度税制改正では、住宅ローン減税の適用期限が5年間延長されるとともに、制度が大幅に拡充される一方で、ローンを組まずに、既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除が創設される。それは、一定の省エネ改修工事(太陽光発電設備の設置を含む)または一定のバリアフリー改修工事を行った場合に、その工事費の10%相当額をその年分の所得税額から控除する投資型減税だ。
工事費用は、省エネ・バリアフリー改修工事費用とその改修工事に係る標準的な工事費用相当額とのいずれか少ない金額で、200万円(ただし、太陽光発電装置を設置する場合は300万円)が限度となる。「標準的な費用相当額」とは、省エネ改修工事の改修部位、バリアフリー改修工事の種類ごとに標準的な工事費用額として定められた金額にその改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいう。
「一定の省エネ改修工事」とは、(1)すべての居室の窓全部の改修工事、または(1)の工事と併せて行う(2)床・天井・壁の断熱工事及び(3)太陽光発電装置設置工事、また、「一定のバリアフリー改修工事」とは、廊下の拡幅、階段の勾配の緩和、浴室改良、便所改良、手すりの設置、屋内の段差の解消、引き戸への取替え、床表面の滑り止め化を行う工事であって、ともにその工事費用が30万円を超えることなど一定の要件を満たすものをいう。
適用期限は、省エネ・バリアフリー改修ともに2009年4月1日から2010年12月31日までで、その年分の合計所得金額が3000万円を超える場合には適用しない。なお、バリアフリー改修工事の適用者は、(1)50歳以上の者、(2)介護保険法の要介護または要支援の認定を受けている者、(3)障害者である者、(4)居住者の親族のうち(2)、(3)に該当する者または65歳以上の者のいずれかと同居している者、のいずれかに該当する者とされる。