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経営関連情報 (2004/12/20)

他人名義の預金口座の売買は50万円以下の罰金に

 オレオレ詐欺や架空請求などの犯罪が社会問題化しているなかで、早急な対応が求められているのは犯罪の前提となる他人名義の預金口座をなくすことだ。ところが、自分の預金口座を転売する者などが後を絶たないことから、不正な預金口座の売買を処罰することなどを内容とする「預金口座等の不正利用防止法」が第161回国会で成立し、この12月30日から施行される。

 同法では、他人になりすまして預貯金サービスを受ける目的で預貯金通帳を譲り受けた者や、相手にその目的があることを知りながら、預金通帳を譲り渡した者、また、通常の商取引や金融取引その他正当な理由がないのに、有償で、預金通帳を譲り受けまたは譲り渡した者は、50万円以下の罰金とする規定を定めた。つまり、他人名義の預金口座を売買したり、そのあっ旋をした者は罰金が科されることになる。

 また、事業として他人名義の預金口座の売買などを行った者は、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科される規定も盛り込まれた。これらの売買などを行うように人を勧誘したり、広告などで人を誘った者も、50万円以下の罰金が科される。

 2003年に施行された金融機関等による本人確認法では、口座を開設するときに本人かどうかの確認を金融機関に義務づけたが、その後、取得した口座を他人に転売する行為への規制や罰則規定がなかったため、同法を改正して「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改めたものだ。罰則の前に、安易な口座の転売が犯罪の温床となることを自覚する必要があろう。