ゼイタックス

経営関連情報 (2005/08/05)

今年の夏休みは名目GDPを2193億円押上げ

 電通リサーチの調査によると、東京近郊の有職者が予定している今年の夏休みの平均日数は7.1日と昨年より0.7日増える予定だという。休日が増えれば、娯楽・レジャー・外食などへの出費増を通じて日本経済に好影響を及ぼす可能性がある。第一生命経済研究所が1日に発表したレポートでは、夏休みの0.7日増加は、今年7~9月期の名目GDPを2193億円押し上げる効果があると期待している。

 同レポートが過去の有職者の余暇時間との関係から導き出した結果、夏休みの0.7日増加は名目家計消費支出を2253億円押し上げるが、海外旅行の増加によるサービス輸入増を通じたGDPの押下げ要因が約▲60億円あることから、差し引き2193億円の押上げ効果となった。足元の有職者を約6332万人(2004年度平均就業者数)とすれば、有職者1人あたりでは約3558円ほど名目GDPを押し上げることになる。

 名目家計消費支出への影響を品目別にみると、外出に関連した娯楽・レジャー・文化や外食・宿泊、保健・医療、自宅にいる頻度の高まりを受けた住居・電気・ガス・水道や通信費などへの支出が増加することになる。また、産業別にみると、外出に関連したサービス業や卸売・小売業などにはプラスの影響が及ぶ一方で、労働投入の減少や設備の操業時間短縮を伴う農林水産業や鉱業などではマイナスの影響が及ぶ。

 このほか、昨年に比べ夏のボーナスをはじめとした雇用・所得環境が改善していることや、愛知万博などのイベント効果、テロのより海外旅行が一部抑制される(サービス輸入が押し下げられる)可能性があることなどを勘案して、レポートは「想定以上の特需が発生する可能性もある」と予測している。もっとも、夏休みの期間が天候不順などに見舞われれば、想定ほど特需が発生しないおそれもあると付記している。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/news/pdf/nr2005_15.pdf