国民生活金融公庫が22日発表した全国小企業月次調査結果(有効回答数1282社)によると、5月の売上DI(「増加」-「減少」企業割合、季節調整値)は、天候不順といった特殊要因もあり、4月に比べ4.5ポイント低下し▲19.4となった。DIの低下は4ヵ月ぶり。6月は揺り戻し、6.0ポイント上昇して▲13.4となる見通しだ。国民公庫では「小企業の景況は、基調としては改善の動きが続いている」とみている。
5月のDIを業種別にみると、「飲食店」(▲16.7)はわずかに上昇したが、「製造業」(▲10.1)、「卸売業」(▲15.3)、「小売業」(▲24.0)、「サービス業」(▲18.3)、「建設業(受注額)」(▲28.5)、「運輸業」(▲13.0)の6業種で低下した。特に「個人向けサービス業」は天候不順の影響が大きかった。6月は、「卸売業」、「小売業」、「飲食店」、「サービス業」、「建設業」の5業種でDIが上昇する見通し。
また、昨年5月実績から今年5月実績までの業種別売上DIの上昇幅は、「運輸業」のマイナス0.5ポイントを除き6業種でプラスとなっている。最も大きいのは「卸売業」の28.8ポイント増、以下、「製造業」(20.0ポイント増)、「サービス業」(9.7ポイント増)、「建設業」(8.4ポイント増)、「飲食店」(7.5ポイント増)、「小売業」(4.4ポイント増)。改善の歩みが遅い業種もあるが、おおむね順調に推移していることがうかがえる。
5月の採算DI(「黒字」-「赤字」企業割合、季節調整値)も4ヵ月ぶりに低下し▲4.8となったが、4月からの低下幅は0.4ポイントとわずかだった。6月は1.0ポイント上昇して▲3.8となる見通し。5月に設備投資を実施した企業の割合(季節調整値)は2.0%となり、4月に比べ0.5ポイント低下した。今後3ヵ月(6~8月)に設備投資を計画している企業の割合は3.5%で、5月調査に比べ0.2ポイント低下している。