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09年度の国民負担率は38.9%で2年連続の減少

税務関連情報 - 2009年02月02日

 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は1月30日、2008年度の当初予算ベースでは40.1%だった国民負担率が、補正予算後の実績見込みでは39.4%、2009年度予算では38.9%となるとの見通しを発表した。これで2年連続前年を下回る。2009年度見通しの内訳は、国税が13.0%、地方税が10.0%、租税負担率が23.0%、社会保障負担が15.9%。

 2008年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.7ポイント減(国税は横ばい、地方税は0.7ポイント減)、社会保障負担は0.2ポイント増加。少子高齢化に伴い社会保障負担は増えたが、景気悪化に伴う法人事業税など地方税の落ち込みが国民負担率全体を押し下げた。諸外国(2006年実績)と比べた場合、アメリカ(34.7%)よりは高いが、スウェーデン(66.2%)、フランス(62.4%)、ドイツ(52.0%)、イギリス(49.2%)などより低い。

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2009年度の国民所得(前年度に比べ1万3千円減の367万7千円)に対する財政赤字の割合は前年度から1.5ポイント増の8.8%となる見通し。この結果、2009年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、財政赤字の拡大により、前年度から1.0ポイント増の47.7%となる見通しだ。

 なお、租税負担率は、戦前の1934~36年度は13%程度だったが、戦後は45年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移してきた。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.6%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移している。2009年度も法人税収の落込みなどで同水準の見込だが、今後は消費税率の引上げなどが予定されており、再度上昇するおそれがある。