中小企業金融公庫はこのほど、ベンチャー企業向け融資制度「新事業育成資金」の2003年度取扱い社数が前年度に比べ46%増の366件となって、年度実績としては過去最高になったことを明らかにした。2000年2月の制度創設以来、2004年3月末までの累計取扱い社数は915社となり、2004年度上半期には累計1000社の大台を突破する見込だ。
新事業育成資金は、高い成長性が見込まれる新規事業に取り組むベンチャー企業(VB)等を支援するために創設されたもの。中小公庫では、目利き能力を生かして新事業の成否を見極めるとともに、コンサルティング機能を発揮して新事業の本格的展開をサポートしており、創業間もないVBから、第二創業に取り組む中小企業者を幅広く支援している。
新規・追加投融資が東京に集中しているといわれるなかにあって、中小公庫では全国組織の強みを活かし、全国の幅広い地域のVB等に同資金を適用。また、累計取扱い社数915社のうち、70%にあたる631社を製造業が占める点が同資金の大きな特徴となっている。全中小企業に占める割合が減少し、直近では12%を切るなか、中小公庫はものづくり企業を積極的に支援している。
なお、中小公庫では、今年4月1日から、VB等の多様な資金調達ニーズに対応するとともに、創業や新規事業への取組みの拡大を図ることを目的に、所定の特約締結により、経営責任者の個人保証を免除する特例の取扱いを開始しており、4月13日にその第1号案件の貸付契約を行っている。