日本経団連が5月から6月にかけて実施した「2009年3月卒新規学卒者決定初任給調査」結果(有効回答数485社)によると、今年3月に卒業した新卒者の初任給の上昇率は、全学歴で昨年よりも減少した。「大学卒事務系」の上昇率は前年比0.09%増の20万8306円となり、2003年(0.1%)とほぼ同率となった。「短大卒」、「高専卒」の上昇率はともに0.1%台となり、「中学卒現業系」では0.00%で据置きとなっている。
大学卒事務系の産業別初任給をみると、上位は「石油・石炭製品」(24万4833円)、「新聞・出版・印刷」(23万2535円)の順であり、下位は「金融・保険業」(19万703円)、「電気・ガス業」(20万1287円)となっている。この上位2産業と下位2産業は2006年から変わっていない。全産業平均を100とした場合、「石油・石炭製品」は117.5であるのに対し、「金融・保険業」は91.5と大きな開きがある。
初任給を規模別にみると、大学院(修士)卒事務系(平均22万6554円)では「3000人以上」規模(22万8685円)がもっとも高くなっているが、大学卒事務系及び短大卒事務系(平均17万3601円)では「100人未満」規模(各21万2544円、18万4190円)が、高校卒では事務系(平均16万3038円)と現業系(同16万3786円)ともに「300~499人」規模(各17万733円、16万5091円)規模がもっとも高い。
初任給の決定状況をみると、前年の初任給を「据え置いた(凍結)」企業の割合は、前年から35.0ポイント増の87.0%と9割弱にのぼり、2004年以降5年間続いてきた減少傾向から増加に転じた。初任給凍結企業の割合が8割を超えるのは2005年(86.0%)以来4年ぶりとなる。ちなみに、過去最高は2003年の91.4%、最低は91年の1.1%。初任給を「引き下げた」企業の割合は1.8%だった。
同初任給調査結果の詳細は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/077.pdf