日本経団連が16日に発表した「2005年全国社内報実態調査」結果(有効回答数706社)によると、社内報を発行している企業は全体の85.1%と8割を超えた。そのほか、グループ報を発行している企業が19.1%にのぼるが、これは、近年の企業ガバナンスの流れが企業グループを束ねて捉える視点へと経営の舵取りを変化させていることを受けて、社内報もグループ全体での情報共有ツールへと変化しつつあるとみられている。
発行サイクルは「月刊」(32.9%)がもっとも多く、次いで「季刊」(21.5%)、「隔月刊」(15.3%)の順。月刊は前回2000年調査に比べ4.5ポイント減少する一方、季刊は同0.7ポイント増加し、発行間隔が広がりつつある。そこで、紙媒体(活字)のスピードを補完するツールとして、「イントラネット」(76.2%)や「電子メール」(53.6%)など、紙媒体以外のツールを利用する「メディアミックス化」が進展していることがうかがえる。
社内報で重視する記事としては、「経営理念・経営方針・事業計画・事業内容」(86.5%)、「職場の相互理解」(71.7%)、「製品(サービス)・技術・品質管理」(47.1%)がトップ3。上位5位までの経年変化をみると、「経営理念等」と「職場の相互理解」の順位は変わらないが、96年調査まで3位だった「家庭・趣味・娯楽」が大きくポイントを下げているほか、「企業文化」を重視する企業が13.0ポイント増加した。
なお、2005年4月から個人情報保護法が全面施行されたことから、社内報にもその影響が表れている。個人情報と思われる事項を掲載する場合に「個人情報掲載の事前承諾」をとるようにした企業が3割弱(29.0%)、個人情報と考えられる事項の「掲載内容の変更」を行った企業がほぼ2割(19.8%)。このほか、個人情報掲載を社内報に明記など「取扱注意を喚起」(12.5%)や「個人情報の解説記事を掲載」(12.3%)などがある。