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2011年度の賃金動向、2年連続で改善の見込み

経営関連情報 - 2011年02月07日

 帝国データバンクが1月後半に実施した「2011年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1017社)によると、2011年度に正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は37.5%となり、前年調査の10年度見込み(31.8%)を5.7ポイント上回った。一方、「ない(見込み)」は35.8%となり、賃金動向は厳しいながらも2年連続で改善することが見込まれている。

 11年度の賃金改善の具体的内容は、「ベースアップ」が前年比4.0ポイント増の31.2%、「賞与(一時金)」は同4.4ポイント増の21.0%。世界同時不況での景気後退のなか、09年度見込みはベア、賞与ともに大幅に下落した。11年度はベア、賞与とも2年連続で前年度見込みより増加する見込みだが、08年度見込みと比べると、ベアが依然として大きく下回っている。成果主義の導入などにより賃金は賞与が先行して改善する状況にある。

 賃金改善を実施する理由(複数回答)は、「労働力の定着・確保」が56.2%と、前年調査から3.5ポイント上昇。次いで「自社の業績拡大」が50.5%)と、同9.6ポイント上昇し、同設問を開始した07年度以来初めて半数を超えた。一方、賃金改善がない理由(複数回答)では、「自社の業績低迷」が73.8%と7割を超えたものの、同4.3ポイント減少した。次いで「同業他社の賃金動向」が19.6%と、約2割の企業が様子見の状況にある。

 11年度の労働条件に関する方針決定における最大の焦点は、33.6%の企業が「賃金及び雇用」と回答し、賃金と雇用の両方を考慮した方針になるとする企業が最多となった。また、「賃金」とする企業は24.1%となり、10年度より12.3ポイント増加。一方、10年度に最多だった「雇用」は21.4%で同16.0ポイント減少しており、雇用維持が最大の課題となっていた1年前と比べて、賃金も含めて方針決定を行う企業が拡大している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w1101.pdf