新卒採用広報メディアなどのサービスを提供するディスコが、2011年3月卒業予定の大学生(現大学3年生、修士1年生)を対象に実施した「日経就職ナビ2011就職活動モニター調査」結果(有効回答数1254人)によると、2010年の就職戦線は前年より「厳しい」との回答が93%を占めた。景気回復が進まず、企業の採用数は上昇しないだろうとみている学生が多く、大多数が自身の就職活動への危機感を募らされているようだ。
2009年と比較した2010年就職戦線の見通しについて、現大学3年生(修士1年生)は、「非常に厳しい」との回答が39.8%、「やや厳しい」が53.6%と、合わせて93.4%が“厳しい”と回答した。一方、「やや楽」は、前年同期調査の1.0%から6.4%へとわずかながら増えていた。「やや楽」との回答は、2006年は69.8%、2007年は46.7%だったのだから、ここ2年の就職戦線の厳しさは際立っている。
11月中旬時点で企業に「エントリーした」学生は全体の95.0%と9割を超えており、エントリーした学生一人あたりの平均社数は44.3社にのぼった。11月時点のエントリー数はここ数年25社~30社台前半で推移しており、前年同期(33.5社)と比べ3割以上多い結果となった。これは、学生の危機感の表れと同時に、早くから志望先を絞りすぎず、広く企業研究をするようにとの大学側の指導などが背景にあるとみている。
今回の調査では初めて、学生は就職活動についてどの程度家族(親など)と関わり合っているかを聞いたが、その結果、就職活動や進路について家族と話すことが「よくある」が28.0%、「たまにある」が46.5%となり、計74.5%と4人に3人が家族と就職活動について何らかの会話をしていることが分かった。家族の関与については、76.3%が「適切である」と回答。「(やや)少なすぎる」との回答が14.4%あった。
同調査結果の概要は↓
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/doukou/20091202.pdf