国会議員の国民年金未加入が次々に露呈するなか、年金法改正案は11日に衆議院を通過し、来月初旬での成立が見込まれている。法案の中心は保険料の負担・給付をめぐる改正だが、そのほかに公的年金を補完する制度として期待される確定拠出年金の見直しがある。限度額が小さいため制度普及の障害といわれていた掛け金の非課税上限額が引き上げられる。法案が成立すると、こちらは10月1日からの施行が予定されている。
拠出限度額の引上げは、1)企業型・企業年金なしは月額4.6万円(現行3.6万円)、2)企業型・企業年金ありは月額2.3万円(同1.8万円)、3)個人型・会社員などは月額1.8万円(同1.5万円)、4)個人型・自営業者などは月額6.8万円(同6.8万円)となっている。つまり、自営業者は現行のまま引き上げられず、ほかの場合でも引上げ額はわずかで、加入者を増やすインセンティブとはなり得ないとの声が強い。
確定拠出年金の税制上の取扱いは、掛け金を支払ったときは企業型の企業拠出分は全額損金算入、個人型の加入者拠出分は所得控除され非課税となる。また、運用時は原則非課税であり、給付時は課税されるが、受取形態に応じて特典がある。例えば、年金払いの老齢給付金として受け取る場合は雑所得として公的年金等控除の対象に、一時払いの老齢給付金として受け取る場合は退職所得控除の対象などとなる。