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税務関連情報 (2007/01/17)

課税関係は生じない離婚時の厚生年金の分割

 今年4月からいよいよ「離婚時の厚生年金の分割制度」が施行される。また、2008年4月からは「離婚時の第3号被保険者期間の厚生年金の分割制度」が導入される。これに伴い国税庁は、これらの制度の適用を受けて離婚時に離婚当事者間で婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を分割した場合、原則、贈与税の課税関係は生じないことを、「相続税及び贈与税に関する質疑応答事例」のなかで明らかにした。

 厚生年金分割制度により、婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録(夫婦の合計)を、離婚した場合に当事者間で分割することが認められる。保険料納付記録の按分割合(最大2分の1)を離婚当事者間の協議や裁判手続きで決めることとされている。例えば、離婚した夫婦のうち保険料納付記録の少ない配偶者は、協議等により保険料納付記録の分割を受けることができることとなる。

 この場合、保険料納付記録の分割を受けた者は、離婚に伴い保険料納付記録の分与(年金受給を受ける権利)を受けたと認められるが、離婚に伴い財産を取得したときは、原則、贈与により取得した財産とはならないことから、その保険料納付記録の分割については、原則、贈与税の課税対象とはならないことになる。

 また、第3号被保険者の分割制度においては、被扶養配偶者を有する被保険者が2008年4月以降に支払った保険料納付記録の2分の1を、離婚した3号被保険者(被扶養配偶者)からの分割請求により、自動的に分割を受けることができることから、その保険料納付記録は、離婚した3号被保険者の固有の権利に基づくものといえる。したがって、その保険料納付記録の分割については、贈与税の課税関係は生じないことになる。

 「相続税及び贈与税に関する質疑応答事例」は↓
 http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/souzoku/h18/5381/question.htm