情報基盤強化税制・中小企業投資促進税制は、ともに2008年度税制改正において2010年3月31日まで2年延長された。情報基盤強化税制は、企業が高度な情報セキュリティが確保された情報システムを導入した場合に、対象設備の基準取得価額に対する特別償却35%または税額控除7%を選択適用できる制度。対象設備は、コンピュータのOS(基本システム)やデータベース管理ソフト、ファイアウォールなどだ。
今回の主な改正点は、(1)資本金1億円以下の法人の場合、取得価額の最低限度を改正前の300万円以上から70万円以上に大幅引下げ、(2)部門間・企業間で分断されている情報システムを連携するソフトウェアを支援対象に追加、(3)SaaS・ASP(インターネット経由で情報処理を行うサービス)業者が適用対象となることを明確化の3点だ。資本金10億円以上の企業は、対象投資額の最高上限(200億円)が新たに定められた。
これまでは中小企業にとって、情報セキュリティ強化のために300万円以上投資するというのは少々高いハードルだったが、それが70万円以上ということであれば、活用する企業が増えそうだ。なお、所有権移転外ファイナンス・リース契約により取得した情報基盤強化設備等は、同制度の適用はなく、また、その取得価額は適用対象投資額に含まれないので注意が必要だ。また、リース税額控除は2008年3月末で廃止されている。
一方、中小企業投資促進税制は、中小企業がIT・ソフトウェアなどの設備投資を行った場合に、投資に対する特別償却30%または税額控除7%を選択適用できる制度だが、その適用期限が2年延長された。対象投資は、すべての機械・装置、器具・備品(コンピュータ、デジタル複合機)、一定のソフトウェアなど。最低限度は、機械・装置の取得の場合で160万円以上、一定のソフトウェアの取得の場合で70万円以上などとなっている。