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「公金収納方法の多様化」が課題との自治体54.3%

税務関連情報 - 2009年07月27日

 税金などの公金の「収納率の向上」を目指し、「収納方法の多様化」を検討する自治体が増えている。みずほ情報総研が、47都道府県、東京23区、人口20万人以上の市の地方税徴収担当など5部署を対象に実施した「公金収納方法の多様化に関する実態調査」結果(有効回答数412自治体・部署)によると、「公金収納方法の多様化」については、54.3%の自治体・部署が課題であると考えていることが分かった。

 また、88.7%と約9割の自治体・部署が「公金収納方法の多様化は必要と感じている」と回答しているが、実際に採用されている割合は低く、現状では「コンビニでの納付」が50.0%となっているものの、「マルチペイメントネットワークでの納付」は8.1%、「クレジットカードでの納付」は4.2%にとどまった。現状では、他の自治体の動向を見極めている状況とみられている。

 これら新しい公金収納方法を採用している自治体・部署のうち72.0%は、その方法による取扱いが「年々上昇している」と回答しており、今後、さらに新しい収納方法が普及していくものと予想される。また、新しい公金収納方法を採用しての効果としては、36.2%が「収納率が向上した」、25.6%が「未納者に対する督促コストが削減された」と回答。「現在までのところ、特に効果はない」との消極的な評価は13.6%にすぎない。

 その一方で、新しい公金収納方法の問題点としては、全体の90.7%が「手数料負担の増加」を指摘しており、48.5%とほぼ半数が「システムなどの投資負担増」を挙げている。公金収納方法の多様化の「必要性を感じない」と回答した10.3%の自治体・部署においても、その理由として、投資負担や手数料の問題を指摘する意見が多く、導入及び運営のコストが多様化に向けての障壁の一つとなっていることがうかがえる。

 なお、公金収納に係る業務のうち、将来的に外部委託していきたい業務としては、「納税者の管理や滞納者に対する催告等の業務」(54.3%)を指摘する回答が多く、収納方法の多様化に加え、民間のノウハウを活用した回収業務を外部委託する自治体も増えていくようだ。また、現状で「外部委託を行っている」自治体・部署の割合は27.0%であるのに対し、将来的には54.3%の自治体・部署が「外部委託をしたい」と回答している。

 同実態調査結果の詳細は↓
 http://www.mizuho-ir.co.jp/case/user/pdf/public0903.pdf