近年、医療保障に重点を置いた医療保険に対する消費者の関心が高まっている。一方、消費者から全国の消費生活センター等に寄せられる医療保険に関する相談が急増しており、その内容は、「保険金が支払われない」という苦情が多い。そこで、国民生活センターでは、医療保険の保障内容に関するトラブルにみられる保険会社の問題点を指摘するとともに、トラブル防止のために消費者が注意すべき点について情報提供している。
医療保険に関する相談は、2001年4月から2006年10月までの間に6225件寄せられており、年々増加傾向にある。2006年度は、前年度に比べ約7割増の1755件と急増した2005年度をさらに上回る水準で推移し、10月末までで、前年同期を4割近く上回る900件の相談が寄せられている。契約当事者は、男性が52.3%と女性をやや上回る。年齢をみると、50歳代(22.4%)や60歳代(24.7%)の相談が目立つ。
相談内容をみると、「契約・解除」(86.1%)がもっとも多く、「販売方法」(26.0%)や「接客対応」(22.5%)に関する相談もみられた。また、相談事例をみると、告知義務違反による契約の解除を広く適用するなど、保険会社が本来支払うべき保険金を支払っていなかったことによるトラブルのほか、消費者が期待や理解をしている保障の内容と、実際に保険会社が保障する内容に大きなズレが生じていることによるものも目立つという。
相談事例では、1)営業職員から「告知書に通院歴を書く必要はない」と言われ契約したのに、告知義務違反を問われ、保険金が支払われない、2)テレビCMを見て「誰にでも支払われる」と理解していたのに、支払を断られた、3)消費者に事前に知らされていない社内規定が存在した、4)保険の加入時期によっては、新しい手術や治療方法が保険の支払対象とならない、などのケースについて問題点を指摘している。
相談事例等の詳細は↓
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20061207_1.pdf