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土地取得の譲渡所得特例は適用上の留意点に注意!

税務関連情報 - 2009年05月08日

 2009年度税制改正においては、2009年及び2010年に土地等を取得した場合、(1)特定の土地等の長期譲渡所得の1000万円特別控除、(2)土地等を先行取得した場合の譲渡所得の課税の特例、の2つの譲渡所得の特例が創設されている。両特例ともに、居住用資産の譲渡益に係る3000万円特別控除や事業用資産の買換え特例など、他の特例に比べてメリットの多い制度だが、適用上の留意点も少なくないので注意したい。

 まず、両特例ともに、棚卸資産は対象とはならず、「取得」の範囲にも制限がある。具体的には、土地等の「取得」の範囲から、(1)配偶者その他の特別な関係がある者からの取得、(2)相続、遺贈、贈与及び交換による取得、(3)代物弁済としての取得及び所有権移転外リース取引による取得、が除かれる。土地等の取得後の用途は問われないが、先行取得土地等の特例では、譲渡をする土地等は「事業の用」に供されている必要がある。

 先行取得土地等の特例においては、そのほか、土地等を先行取得した時点において、不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う個人である必要がある、という取得時における事業者要件がある。なお、対象先行取得土地等からは、事業用土地等の譲渡をした日の属する年の前年以前において、この特例の適用を受けて取得価額が圧縮された先行取得土地等のうち、取得価額がゼロであるものは除かれる。

 これらの特例を適用して申告する際には、登記事項証明書や取得時の売買契約書の写しなど、その土地等の取得の日が2009年1月1日から2010年12月31日までの間であることを確認できる書類を提出しなければならない。また、特例の適用にあたっては、譲渡所得の計算上、土地等の取得価額などの計算が必要となる。こうしたことから、土地等の取得の日や取得価額などを確認できる資料を保管しておくことも留意点となる。