総務省はこのほど、総務相の諮問機関である地方財政審議会固定資産評価分科会(神野直彦会長)に、2010・11年度における土地価格に関する修正基準(案)を示して意見を聴いた。今後、同省は修正基準を定めて告示する。2009年度は3年に1度の固定資産税評価替えの年だが、2009年度税制改正においては、土地に係る現行の負担調整措置が継続されることが決まった。
固定資産税の土地は基準年度の価格を3年間据え置くことが原則だが、バブル後の大幅な地価下落によって、固定資産税評価額と地価公示価格に大きな乖離が生じて社会問題になったことから、1997年度以降、地価が下落している場合には、市町村は据置年度においても評価額を下落修正できるようになった。2009年度税制改正でも同様の措置が講じられたことから、同省は地方財政審議会の意見を聴く手続きを行ったもの。
その意見聴取後、総務相が修正基準として定め、告示することとされている。具体的な修正基準は、2008年1月1日から2009年7月1日までの地価下落率を反映させた修正率を価格調査基準日(2008年1月1日)の価格に乗じることとされている。ただし、例えば2009年度において、2009年7月1日時点の地価水準が2008年7月1日時点の水準を上回る場合には修正は行わない。
2009年度においては、東京都で40市町村のうち29(72.5%)、大阪府で43市町村のうち37(86.0%)、愛知県で61市町村のうち45(73.8%)が、全国では1778市町村のうち1416市町村、全体の79.6%とほぼ8割の市町村が下落修正を実施している。なお、この特例措置によって価格を修正した場合には、不動産取得税及び登録免許税の課税標準も連動して下がることになる。