ゼイタックス

経営関連情報 (2006/05/24)

軽油価格上昇分の価格転嫁「できていない」が7割

 今年3月の軽油価格は1リットルあたり94.0円(スタンド)、88.6円(ローリー:貨物自動車)、92.4円(カード)で、対前年同月比でみるとローリーで15.7円上昇している。全日本トラック協会が4月に実施した「軽油価格の影響と運賃転嫁に関する調査」結果(有効回答数543事業所)によると、軽油価格上昇分の荷主への価格転嫁が「まったくできていない」とのトラック運送事業者が7割強を占めた。

 軽油価格の高騰によるコスト増分についての主な荷主に対する運賃値上げ交渉状況は、「交渉した」が17.7%、「交渉している」が38.3%となった。一方、「交渉していない」との事業者は34.6%みられた。その運賃値上げ交渉による運賃転嫁状況は、「まったくできていない」との事業者が72.0%を占め、「ほぼできている」は0.9%、「一部できている」は23.9%となって、合計24.8%と4社に1社がなんらかの転嫁ができている。

 運賃値上げ率については、従来の運賃と比べ「3~4%未満」(21.0%)がもっとも多く、これに「5~6%未満」(19.4%)、「1%未満」(17.7%)が続き、平均では3.2%の値上げとなっている。運賃値上げ交渉がうまくいった要因(複数回答)は、「軽油値上がりが社会的に認知されてきた」(57.7%)、「荷主がトラック業界の苦境を理解してくれた」(56.2%)、「何回も交渉して理解を得た」(47.7%)などが多かった。