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経営関連情報 (2005/07/11)

身内を後継者にしたい経営者が7割

 中小企業や個人事業主にとって後継者問題は重要である。できるだけ子どもなど身内に譲りたいが、事業の将来性に不安もある。東京都信用金庫協会が実施した後継者問題についての聞き取り調査結果(有効回答数1万2178事業所)によると、全体の7割が身内を後継者にしたいと考えていることがわかった。回答者は、約8割が法人(その8割近くが従業員9人以下の小規模企業)、小売業・サービス業では4割弱が個人事業主。

 経営者の年齢は、「60歳代」が40.4%でもっとも多く、次いで「50歳代」(31.4%)、「70歳代」(13.0%)など、60歳代以上が全体の半数を占める。また、「創業者」が約6割(58.1%)を占め、次いで「二代目」(35.4%)となっている。法人のうち55.5%、個人事業主の69.4%が創業者となっている。業種別にみると、創業者の割合が高いのは、「サービス業」(67.9%)や「不動産業」(67.6%)が目立つ。

 後継者の有無については、「すでに決まっている」(31.2%)は全体の約3割。これをやや上回ったのは「まだ考えていない」で34.5%、「候補者はいるが、まだ決まっていない」(15.7%)も少なくなく、「候補者が見当たらない」は8.7%、廃業予定などから「後継者は不要」(9.8%)との回答が1割あった。業種別では、「小売業」(13.8%)と「サービス業」(11.6%)に「後継者は不要」との経営者が多い。

 後継者にしたい人材は、「子ども(娘婿を含む)、配偶者」が60.8%で圧倒的に多く、次の「他の同族者(兄弟、親戚など)」(9.5%)と合わせると、身内を後継者にしたい経営者が約7割を占めた。以下、「非同族の役員、従業員」(8.2%)、「非同族の社外の人材」(3.9%)と続く。

 後継者に事業承継する際の問題点(3つ以内複数回答)は、「事業の将来性」(73.4%)との回答がトップ、以下、「取引先との信頼関係の維持」(45.2%)、「後継者の力量」(44.7%)までがほかの回答を大きく引き離している。身内を後継者にしたいが、後継者の力量に不安がある経営者が多いことがうかがえる。また、法人においては、「取引先との信頼関係の維持」が49.2%で個人事業主(29.2%)を大きく上回った。