国民生活金融公庫がまとめた中小企業経営状況調査結果(有効回答数:2004年1~3月に決算を行った1872社)によると、2004年1~3月期決算における1企業あたりの売上高は前年度に比べ1.0%増加して3億1460万円となった。売上高の増加は3年ぶり。業種別にみると、「製造」、「卸売」、「建設」、「運輸」の4業種で増収。「小売」、「サービス」で減収となったが、減少率は1%未満にとどまった。
経常利益は同21.5%増の502万円となり、2年連続で増益となった。経常利益額は全業種で増益となっており、なかでも「卸売」は前年度の273万円から195万円増加(増加率72%)の468万円で、もっとも大きな増加幅となった。「製造業」は、前年度の599万円から109万円増加(同18%)の708万円となり、堅調に回復している。
本業の収益力を示す売上高営業利益率(営業利益/売上高)は、0.4ポイント上昇して1.7%となった。売上高経常利益率(経常利益/売上高)も0.2ポイント上昇して1.6%となり、ともに2年連続で改善した。収益性が改善している要因として、変動費の伸びの鈍化と固定費の減少が挙げられる。固定費は前年度比0.2%の減少となり、なかでも5割強を占める人件費は2.9%減少しており、ともに7年連続の減少となった。
借入金残高(短期借入金+長期借入金)は、長期借入金が前年度に比べ313万円増加(増加率3.6%)したことで、3年ぶりの増加となった。借入金は売上高に比べ依然として高い水準。借入金は増加したものの、収益性の改善により債務負担倍率(長期借入金残高/{税引前当期利益+減価償却費})は前年度の9.8倍から8.6倍に低下した。しかし、バブル崩壊前と比べると高水準で推移しており、依然として債務負担は重い。