商工中金は、環境配慮に取り組む中小企業に対し、環境問題に係る情報提供及び環境配慮に資する設備資金等の融資を積極的に実施しているが、「環境配慮に取り組む企業への融資」実績が、2000年度に取組みを開始して以来2008年5月までの累計で1万7346件、4072億円と、4000億円を突破したことを明らかにした。商工中金は、2005年2月から、新たに総合支援策を創設し、サポート体制を一層強化している。
支援対象者は、(1)3R(リデュース・リユース・リサイクル)、(2)廃棄物の適正処理、(3)大気・水質汚染物質の排出抑制、(4)「RoHS指令」や「PRTR制度」に対応し、特定化学物質の排除や管理体制の整備、(5)土壌汚染防止、(6)省エネルギー、新エネルギーの利用などに、それぞれ取り組む事業者等のほか、(7)環境配慮型経営に係る第三者認証制度を取得した事業者等と、環境配慮型投資等に取り組む中小企業を幅広く支援している。
また、商工中金独自の支援制度である「環境配慮型経営支援貸付」の貸付対象先は、 (1)国際規格である「ISO14000S」、(2)「エコアクション21」、(3)「グリーン経営認証制度」(4)地方公共団体の認証制度など、第三者認証を取得した企業。10年固定貸出は、貸付期間が10年以内(据置3年以内)、貸付利率10年固定、変動貸出は、貸付期間20年以内(据置3年以内)、貸付利率は10年固定、11年目以降、5年ごとに見直す。
最近の主な取組み事例は、商工中金が横浜はしけ運送事業協同組合に対し、シンジケートローンを組成したものや、下水汚泥焼却灰をアスファルト合材の材料に再利用する技術をサポートしたもの、ゼロエミッションとリサイクルを兼ね備えた廃棄物処理システムの開発をサポートしたものなど、環境負荷軽減につながるリサイクル商品や廃棄物処理システムの開発などのほか、環境にやさしい海上輸送増強の取組みなどがある。