2009年度の初任給を据え置いた企業が92.7%と昨年度(66.8%)よりも約26ポイント上昇する一方、引き上げた企業は6.4%と1割にも満たないことが、労務行政研究所が実施した「2009年度新入社員の初任給調査」結果で明らかになった。同調査は、今年4月入社者の決定初任給について、4月6日までにデータの得られた東証一部上場企業220社についての速報集計をまとめたもの。
初任給の据置率は2002年度以降4年連続で9割を超えていたが、2006年度以降、採用意欲の高まりを受けて低下傾向にあった。しかし、2009年度は、2005年度(96.1%)以来の9割を超える高い据置率となった。“売り手市場”だった昨年度から、2009年度は、100年に一度といわれる経済危機下における、企業業績の悪化、景気先行き不透明感などの影響を受け、初任給を取り巻く状況も一変した。
全産業平均の初任給は、「大学卒(一律)」が20万3937円、「大学院修士」が22万2655円、「短大卒」が17万2600円、「高校卒(同)」が16万901円の水準。同一企業でみた昨年度と比べ、それぞれ446円・0.2%、416円・0.2%、241円・0.1%、121円・0.1%の上昇にとどまった。うち製造業は、「大学卒(同)」が20万5469円、上昇額285円・上昇率0.1%、「高校卒(同)」が16万1578円、同76円・0%などとなっている。
学歴別にみた上昇額の分布は、「据置き」が「大学卒(一律)」89.5%、「大学院卒修士」89.2%、「短大卒」92.9%、「高校卒(同)」92.6%と、9割前後を占める。一方で、「1万円以上」と大幅に引き上げたところが「大学卒」、「大学院卒修士」では各4社ずつ、「短大卒」では3社みられた。最高引上げ額は、「大学卒」が1万3400円、「大学院卒修士」が1万9000円、「短大卒」が1万2100円、「高校卒」が5820円だった。
同初任給調査結果の概要は↓
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/16621