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経営関連情報 (2004/06/25)

経済効果大きい九州新幹線の開業~内閣府レポート

 今年3月に九州新幹線が新八代~鹿児島中央間で一部開業した。その開業効果を分析した内閣府のレポートによると、開業後1ヵ月間(3月13日~4月12日)の利用者は前年同月比で2.4倍、ゴールデンウィーク期間中の利用者は同2.7倍と、ともに2倍以上の伸びとなった(JR九州調べ)。また、新幹線開業後の鹿児島県内の宿泊施設利用者数や観光施設入場者数も前年同月比で10%以上の高い伸びを示している(鹿児島県観光課調べ)。

 九州新幹線の開業に伴い、鹿児島市内の地価にも変化がみられる。鹿児島中央駅周辺の地価は、市内の平均及び最高価格地点(鹿児島市の中心繁華街)よりも下落幅が縮小し、2004年には下げ止まった(国土交通省「地価公示」)。

 鹿児島中央駅周辺では、9月に開業する駅ビルなどの開発が進んでいる。これは、各種専門店・飲食店・複合映画館などからなり、駅ビルとしては九州最大規模だ。開業すれば、中心繁華街との間で小売などの競争、新幹線開通の時間短縮効果による福岡市との間の都市間競争も活発化してくると推測されている。

 ちなみに、開業効果の持続性という観点から、先行して2002年12月に盛岡~八戸間が延長された東北新幹線の利用者数をみると、開業直後の急激な伸びは落ち着いてきたが、いまだ好調に推移している(JR東日本調べ)。青森県内の観光客数をみても、八戸周辺だけでなく、県内各地で客数が増えている(青森県文化観光推進課調べ)。これは、観光キャンペーンの奏効や観光バス・アクセス特急といった二次交通の充実などによるものとみられている。