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07年の医療機関の倒産、48件で01年以降最多

経営関連情報 - 2008年02月15日

 帝国データバンクが発表した「医療機関の倒産動向調査」結果によると、2001年から2007年までの法的整理による医療機関の倒産は210件発生した。施設別の内訳は、「病院」(病床数20以上)が52件、「診療所」(病床数20未満)が95件、「歯科医院」が63件。年代別では2007年が前年比60.0%増の48件と突出。同年は「病院」の倒産が前年比3.4倍となる17件発生し、医療機関の倒産件数が急増した大きな要因となった。

 2007年に倒産した多くの病院は、バブル期における過大な設備投資や本業外の事業参入に伴う借入金の発生、その事業の頓挫、また従前から複雑な経営上(設立経緯、経営権など)の問題などを抱えていたケースが多い。近時各方面で注目されている「診療報酬の改定」、「医師不足」、「患者側の選択意識の高まり(大病院への患者集中)」は、現時点では主因となっておらず、間接的かつ後押しする最終的な要因となったとみられている。

 倒産態様を施設別にみると、「病院」は民事再生法が31件、破産が21件、「診療所」は同16件、79件、「歯科医院」は同11件、52件となった。事業継続型の「民事再生法」の構成比は、「病院」が59.6%と、事業規模の大きい病院での適用が約6割を占めた。一方、事業規模が小さく、設備・ノウハウ・人材などが豊富でない診療所や歯科医院では、事業の立て直しが困難で、破産を選択するケースが多くなっている。

 施設ごとに都道府県別の動向をみると、病院は「大阪府」と「北海道」が各7件でトップ、診療所は「東京都」(20件)、歯科医院も「東京都」(14件)がトップとなった。医療機関全体(210件)でみると、「東京都」が40件でトップ、以下、「大阪府」(27件)、「北海道」(18件)、「神奈川県」と「愛知県」(各13件)、「福岡県」(11件)と続き、東京都と大阪府で全体の約3割(31.9%)を占めた。