売り手市場の就職環境を反映して、今春入社した新入社員の就職先企業の志望順位が「第一志望」だったとする回答が4年連続で上昇し、75.4%と過去最高となったことが社会経済生産性本部が実施した「2008年度新入社員意識調査」で分かった。2008年度の就職先企業の志望順位が「第一志望」とする割合は、過去最高だった前年を4.9ポイント上回り、過去最低だった2000年(50.5%)と比べると24.9ポイントも高くなっている。
調査結果(有効回答数2698人)によると、「業績・能力主義的な給与体系を希望」する回答が前年比4.2ポイント減の57.7%と、1990年の調査開始以来初めて6割を切る結果となった。ピーク時の2002年(73.3%)に比べ15.6ポイント低い。また、「業績・能力主義的な昇格を希望」する回答についても、前年比2.2ポイント減の63.4%と過去最低を更新し、ピーク時の2002年(74.6%)に比べ11.2ポイント低くなった。
転職・勤続に関しては、「条件の良い会社があれば、さっさと移るほうが特だ」とする回答が、前年比2.3ポイント減と4年連続で減少し23.4%となった。過去最高の1999年(43.6%)と比べると20.2ポイントの減少。一方で、「今の会社に一生勤めようと思っている」とする回答が前年比1.2ポイント増と4年連続で上昇し、47.1%で過去最高となった。過去最低の2000年(20.5%)と比べると26.6ポイント増えている。
このように、近年の新入社員は、同じ企業で長く安定した環境で勤めたいという傾向が強まっている。いわば、保守的な社員が増えているが、こうした傾向はキャリアプランに関する考え方にも表れており、「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業して独立したい」とする回答が15.8%と過去最低となった。過去最高だった2003年(31.5%)に比べ15.7ポイント減少している。
同新入社員意識調査結果の詳細は↓
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mdd/activity000859/attached.pdf