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5月企業倒産964件、4ヵ月ぶりの前年同月比増加

経営関連情報 - 2011年06月13日

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は964件で、前月比は0.8%、前年同月比も9.7%の増加となり、4ヵ月ぶりに前年同月を上回った。今年に入り、前年同月を上回るのは1月(2.8%増)に続いて2度目で、2009年9月より長らく続いた減少局面から増加基調に転じつつある。主な要因は、政策効果の一巡と東日本大震災の影響が重なったためとみられている。

 一方、負債総額は2356億6200万円にとどまった。前月比は10.6%、前年同月比も22.6%の減少で、2ヵ月ぶりに前年同月を下回るとともに、今年最少を記録した。これは、負債100億円以上の大型倒産が、林原グループの不動産賃貸業者の太陽殖産(負債417億円5800万円、岡山県)のみで、25ヵ月連続の一ケタ台にとどまったことなどが要因とみられる。大型倒産の沈静化傾向は依然続いている。

 業種別にみると、建設業(267件、前年同月比23.0%増)、サービス業(186件、同36.8%増)で大幅に増加。建設業では、中部、九州で資本金5000万円以下が同91.7%増と増加した。一方、製造、小売、不動産の3業種は前年同月を下回った。また、前月比でみると、製造業(134件、前月比▲16.8%)など2業種ではマイナスを示したものの、卸売業(138件、同22.1%増)、運輸・通信業(35件、同16.7%増)は大きく増加した。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は473件発生、構成比は49.1%を占め、前年同月を0.6ポイント上回った。一方、負債100億円以上の大型倒産は1件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が500件発生、構成比は51.9%を占めた。中小企業は961件で倒産全体の99.7%、小規模企業も842件で同87.3%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1105.html