10年度サービス残業の是正は6%増の約123億円
厚生労働省が公表した監督指導による賃金不払残業の是正結果によると、今年3月までの1年間(2010年度)にサービス残業の支払いについて是正された企業は前年度に比べ13.5%増の1386社、その是正金額は同6.2%増の約123億円となった。これは、全国の労働基準監督署が割増賃金の支払いについて労働基準法違反として是正を指導した事案のうち、割増賃金の支払額が1企業あたり100万円以上となった事案を集計したもの。
それによると、2010年度1年間における是正企業数は1386社、残業代が未払いだった労働者数は前年度に比べ3.0%増の11万5231人で、支払われた割増賃金の合計額は同7億2060万円多い123億2358万円と増加した。1企業平均では889万円、1労働者平均では11万円。1企業あたり1000万円以上の割増賃金が支払われたのは全体の14.4%の200社で、その支払総額は全体の71.8%を占める88億5305万円だった。
業種別の状況をみると、企業数は「製造業」が337社、「商業」が334社、対象労働者数は「商業」が2万6280人、「製造業」が2万3203人、是正支払額は「製造業」が29億8617万円、「商業」が28億2579万円で続いた。企業数、対象労働者数、是正支払額のすべてで製造業と商業が1・2位を占めた。1企業での最高支払額は、3億9409万円(旅館業)、次いで3億8546万円(卸売業)、3億5700万円(電気通信工事業)の順だった。
なお、同集計を開始した2001年4月から2011年3月までの10年間における状況は、是正企業数が1万2728社、対象労働者数が143万6871人、支払われた割増賃金の合計額が1786億5750万円。1企業平均では1404万円、1労働者平均では12万円。そのうち、1企業あたり1000万円以上の割増賃金が支払われた企業数は全体の17.5%の2229社で、支払われた割増賃金の合計額は全体の80.8%を占める1442億8254万円だった。
同是正結果の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001rv80.html