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経営関連情報 (2005/11/09)

中小企業の資金繰りに改善の兆し~内閣府レポート

 中小企業の財務状況が改善傾向にある。日銀短観(9月調査)では、3ヵ月前の同調査に比べ、売上高は0.5%増加、設備投資額が6.3%増加とそれぞれ上方修正されている。そこで、増加するであろう運転資金・設備投資資金について、資金面での環境はどのように変化しているのかを分析し、「中小企業の資金環境に改善の兆し」をみるのは内閣府のレポートである。

 中小企業の資金繰りDI(「楽である」-「苦しい」)は、前回より1ポイント上昇し改善が続いている。実際の銀行の貸出残高(貸出債権流動化要因など特殊要因調整前)をみてみると、中小企業向けの貸出残高は前年比マイナスだが、マイナス幅は縮小の傾向がみえる。また、9月の特殊要因調整後の総貸出平残は、前年同期比で、銀行計は0.4%増加と8月に続き上昇。なかでも地銀では4.2%増の大きな伸びとなっている。

 10月25日に日銀から発表された「主要銀行貸出動向アンケート調査」において、資金需要を主体別にみると、地公体等向けは減少、個人向けは横ばいとなるなかで、企業向けの資金需要が前回より11ポイントの上昇となっている。さらに企業向けを企業規模別にみると、全体的に上昇傾向にある。中小企業向けについても、13ポイント上昇し、大きな上昇幅となっている。

 以上のような状況から、レポートは、「中小企業の資金需要が増加し、金融機関もそれに対応する状況になってきているといえる」と判断、中小企業の資金繰りに改善の兆しをみている。