ゼイタックス

経営関連情報 (2004/10/01)

不動産向け貸出、前年同期比増加銀行が過半数

 銀行126行の2004年3月期連結決算ベースの業種別貸出金状況では、9割の銀行で建設業向けの貸出金残高を減らしたのに対し、不動産業向けは過半数の銀行で貸出金残高を増やしたことが、帝国データバンクの調査で分かった。調査結果によると、銀行126行の国内総貸出金残高は、前年同期比2.9%減の414兆9491億円。うち建設業向けが12.8%減の19兆4379億円、不動産業向けが2.1%減の50兆1532億円となった。

 全体の貸出金残高が減少するなかで、建設業向けの減少率が全体平均を大きく上回り、不動産業向けは全体平均を下回った。連結決算ベースの建設業向け貸出金残高の前年同期比では、126行のうち94.4%にあたる119行が貸出金残高を減らし、増加は7行だけだった。これに対し、不動産業向けは、126行の51.5%にあたる65行で貸出金残高を増やし、増加行が過半数を占めた。

 銀行貸出の残高水準は過去最低を更新しているが、建設業向け貸出が低迷を続ける一方で、不動産向け貸出は緩和傾向がうかがえるなど、業種によって貸出状況が一様でない。景況改善に伴い、企業の前向きな資金需要が持ち直す兆しも見え始めている。なお続く不良債権処理は地銀に焦点が向けられており、リレーションシップバンキング構想が進められるなかで、建設業や不動産業融資に貸出先を依存してきた地方金融機関の動向が注目されるようだ。