根保証契約は、中小企業が融資を受ける際の代表者の個人保証などに多用されているものだが、保証金額や保証制限に定めのない包括根保証は、保証人が過大な責任を負う可能性があることや、経営者の新たな事業展開や再起を阻害するとの指摘がなされていた。このため、包括根保証を禁止する内容の民法改正法が昨秋11月に成立し、今年4月1日から施行される予定となっている。
改正の主な内容は、1)根保証契約は口頭での約束は無効、書面での契約が必要となる、2)保証する金額の上限(主債務の元本、利息及び損害賠償のすべてを含む)を契約で定めなければ無効となる、3)保証人は、契約で定められた5年以内の期間(契約で定めがないときは3年間)に発生した債務のみ保証する、4)債務者や保証人が強制執行を受けた場合や死亡した場合などには、保証人の保証債務の元本が確定するなど。
今回の改正の背景には、保証金額に制限がないため、保証人が契約時に想定していなかったような金額の代位弁済が求められることがあり、また、保証期限に定めがないため、保証人が契約したこと自体を忘れかけたころに行われた融資についてまで、突然代位弁済を求められる場合があった。このため、保証人が負担する責任を予測可能な範囲に限定するなど、根保証契約の適正化を図る必要があったわけだ。
今回の見直しの対象となった保証は、「主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれる」保証になる。「貸金等債務」とは、金銭の貸付けや手形割引による債務のことをいう。デリバティブや外為取引などにおける保証も、「貸金等債務」の保証を含むものであれば、対象となる。
詳細は中小企業庁ホームページから↓
http://www.chusho.meti.go.jp/hourei/17fy/050125minpou.pdf