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経営関連情報 (2007/10/19)

中小製造業のための「元気の素9ヵ条」~東商

 東京商工会議所は、中小製造業の経営実態を詳細に把握することを目的に、東京23区の中小企業を対象に「企業の健康診断調査」を実施し、その結果を「中小製造業における企業の健康診断調査結果報告書」としてまとめた。結果の分析は、全体の単純集計に加え、「元気な企業の行動特性」という2つの視点で行われ、さらに10社を対象に行った事例調査の結果も踏まえ、中小製造業のための「元気の素9ヵ条」をまとめている。

 単純集計による分析結果は、1)向こう5年の成長戦略では「事業を拡大していくつもり」が7割超、2)製造業として目指す方向は「高付加価値」や「独自ブランドの確立」など、3)品質向上のためには「従業員教育の徹底」が6割を超え最多、4)従業員に対する売上や利益など経営情報の公開は約半数の企業で実施、5)人材育成を理念に掲げる企業は過半で、Off-JTに積極的な企業も多い、などが主なポイントだ。

 また、「元気な企業の行動特性」の分析結果の主なポイントとして、1)元気な企業は、経営目標の共有や理念の周知、収益の管理など組織能力に優れている、2)売上比率が高いロングセラー製品を有し、かつ新製品の売上に占める割合も高い(ロングセラーから生まれるキャッシュフローを新製品に投入し、そこからロングセラーが生まれる好循環)、3)市場で「オンリーワン」の位置を確保している企業が多い、などを挙げている。

 中小製造業のための「元気の素9ヵ条」は、第一条「共有」:売上高や利益の水準は最低でも月単位で全従業員に知らせる、第二条「しつこく」:会社の目標はしつこいくらいに全従業員に語りかける、第三条「ボトムアップ」:経営計画はボトムアップで策定し、時間がかかっても我慢、第四条「“ごと”にこだわる」:顧客ごと、製品ごと、担当者ごとに売上や利益管理を行う。

 さらに、第五条「人が品質」:モノづくりはヒトづくりで、ヒューマンエラーを防ぐ、第六条「仕組みづくり」:自然体は管理ではない、組織が小さくてもルールや決まりごとは必要、第七条「小回り性」:フットワークの軽さは中小企業の本質、第八条「ニッチ市場」:ニッチも積もれば山となる、第九条「組織が先、製品は後」:優れた組織が製品を作るのであって、反対はあり得ない。