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少額投資非課税措置は早ければ2012年にも運用開始

税務関連情報 - 2009年07月15日

 2009年度税制改正において、少額の上場株式等投資のための非課税措置の創設が決定され、早ければ2012年にも運用が開始されることで注目されている。この非課税措置は、英国で1999年に導入された個人貯蓄口座(ISA)を参考にしつつ策定されたことから「日本版ISA」と称される。今後、詳細な制度設計をした上で、2010年度税制改正において税制上の措置が盛り込まれる予定となっている。

 現時点で明らかになっている日本版ISAの仕組みは、この非課税措置を利用できるのは満20歳以上の者で、希望者は金融機関に非課税口座を開設しなければならない。非課税口座は、年間1口座のみ開設することができるが、毎年異なる金融機関に開設しても構わない。非課税口座には、口座開設の年に取得した上場株式や株式投資信託に限り、取得価額の合計が100万円に達するまで組み入れることができる。

 非課税口座の開設は5年間の時限措置とされているため、毎年非課税口座を開設すれば500万円(100万円×5年間)まで累積投資を行うことができる。ただし、毎年の組入れ限度額である100万円に対する未使用枠は翌年以降に繰り越すことができず、また、途中で売却した場合の空き枠を再利用することも認められない。こうして非課税口座に組み入れられた上場株式等から生じる配当や譲渡益は、最長10年間、非課税となる。

 日本版ISAが導入される時期については、上場株式等の配当・譲渡益に対する10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)が廃止されて本則の20%(所得税15%、住民税5%)に戻る際とされている。当初2009年から本則税率に戻る予定だったが、2009年度税制改正においては、軽減税率の適用を2011年末まで3年間延長しており、日本版ISAの導入は、早くとも2012年となる予定だ。