ゼイタックス

経営関連情報 (2004/12/06)

リンクをクリックしただけで感染する新種ウイルス

 情報処理推進機構(IPA)が2日に発表したコンピュータウイルス届出状況によると、11月の届出件数は5308件で、10月の4654件から14.1%増加し、再び5千件を上回ったが、ウイルスの検出数は約291万6千個と10月から6.5%の減少となった。また、W32/Netskyは1315件の届出が寄せられ9ヵ月連続でワースト1の届出となった。次いで、W32/Bagleが654件、W32/Mydoomが394件などで続く。

 11月に初めて出現したW32/Bofraウイルスは、送信するメールの本文にリンクを記載して、そのリンクをクリックさせることで感染させる。通常はメールの添付ファイルを開くことで感染を拡大するが、このウイルスには添付ファイルがない。だからといって安心せずに、不用意にリンクをクリックしないように気をつけたい。

 予防策として、ウイルス対策ソフトのウイルス定義ファイルを更新し、受信したメールを検査してほしい。このウイルスに感染すると、アドレス帳などのファイルからアドレスを収集し、取得できたアドレスあてにウイルスメールを送信する。また、感染したパソコンに、外部から侵入するためのバックドア(裏口)を作成する。感染してしまった場合は、専用の駆除ツールを利用して対処することが必要になる。

 なお、W32/Netskyの検出数は約228万個と、10月の約271万個、9月の約300万個に比べ減少傾向にあるが、W32/Bagleの検出数は約34万個と、10月の約10万個から3倍以上の増加となった。新しい亜種の出現による増加と推測される。依然として全体のウイルス検出数は300万個前後と、蔓延している状況は続いており、新種や亜種の出現も想定されるので、IPAでは、メールの取扱いに十分注意するよう呼びかけている。