2003年11月10日-004
2003年度上半期の下請法違反被疑事件は772件発生
下請法は、立場上優位にある親事業者から下請事業者の利益を保護するため、親事業者に対し、下請事業者への発注書面の交付や下請取引に関する書類の作成及び保存を義務付け、製品の受領拒否や下請代金の支払遅延・減額、返品、買いたたきなどを禁止している。公正取引委員会はこのほど、2003年度上半期(4~9月)に新たに発生した下請法違反被疑事件は772件だったことを明らかにした。
一方、同期間に下請法違反被疑事件を処理した件数は768件だった。このうち全体の95.6%にあたる734件について違反または違反のおそれがあると認められ、5件に対し勧告、729件に対し警告を行った。これらの違反行為を態様別にみると、1事件に複数の違反行為があるため合計で1184件となる。このうち、発注書面の交付義務違反など手続規定違反が全体の58.3%を占める690件だった。
残りの494件は親事業者の禁止行為に違反する実体規定違反で、その内訳は、「下請代金の支払遅延」が237件(構成比48.0%)、手形期間が120日(繊維業は90日)を超える長期手形等の「割引困難なおそれのある手形の交付」が112件(同22.7%)、「下請代金の減額」が57件(同11.5%)、「購入強制」と「早期決済」がともに29件(同5.9%)などとなっている。
景気が低迷するとそのしわ寄せが下請事業者に行きがちになる。公取委では引き続き、下請事業者数の多い電気機械器具製造業や一般機械器具製造業、輸送用機械器具製造業を中心に、親事業者に対する立入検査を積極的に実施するという。なお、毎年11月は「下請取引適正化推進月間」として、中小企業庁と共同して、新聞・テレビ等への広報活動、全国各地で下請法に関する講習会を開催している。
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