日本フードサービス協会によると、8月までの外食産業全業態の売上高は、ファーストフード業態を除いて前年割れが続いた。そのファーストフード業態も、6月に前年同月比0.7%減となるなど、業界を取り巻く環境は厳しさを増している。帝国データバンクが実施した「外国産業の倒産動向調査」では、外食産業の倒産は今年1月~9月までで490件発生し、過去最悪のペースで推移していることが分かった。
調査結果によると、今年発生した外食産業の倒産490件は、年間で634件発生した2008年同期(1月~9月=471件)との比較では4.0%増と、2003年以降では過去最悪のペース。倒産主因別にみると、「不況型(販売不振ほか)」が387件と全体の79.0%を占めてトップ。構成比は2003年以降、もっとも高い水準。競争激化、個人消費低迷などを背景に、販売不振に陥る企業が増加基調にある厳しい経営環境を反映する結果となった。
業種別にみると、今年倒産した490件のうち、「居酒屋・バー」が148件(構成比30.2%)でトップ、次いで「一般食堂」70件、「中華料理」54件、「日本料理店」50件などの順。「居酒屋・バー」は、“家飲み”など支出の抑制や、道路交通法改正の影響など取り巻く環境は厳しい。また、「一般食堂」(前年同期比42.9%増)や「日本料理店」(同31.6%増)など、比較的気軽に利用できる業態の伸びが高く、外食抑制の傾向が顕著に出ている。
負債規模別にみると、490件のうち、「1000万円以上5000万円未満」が320件(構成比65.3%)ともっとも多く、次いで「5000万円以上1億円未満」が73件(同14.9%)となり、負債1億円未満の倒産が80%強を占めた。外食産業は、味覚や物流面の点から企業が小粒になる傾向があることが影響しているとみられる。なお、負債額50億円以上の大型倒産は、2008年10月のびっくり本舗(東京)以来、発生していいない。