11年度新入社員、「定年まで勤めたい」が過去最高
日本生産性本部がこのほど発表した「2011年度新入社員『働くことの意識』調査」結果(有効回答数2154人)によると、この会社でずっと働きたいかとの問に対し、「定年まで勤めたい」との回答が33.5%と過去最高の数値となった。長期にわたる雇用の安定、安心に関する関心が高まったことが考えられる。また「状況次第で変わる」は、2000年に51.6%と過去最高となった後減少し、本年は30.6%と過去最低の数値となっている。
就職先の会社を選ぶときに最重視した要因は、「自分の能力、個性が生かせるから」が36.8%で最多、次いで「仕事がおもしろいから」(26.8%)、「技術が覚えられるから」(8.8%)が上位を占めた。このような個人の能力、技能ないし興味に関する項目に比べて、勤務先の企業に関連する項目では、「経営者に魅力を感じたから」は5.2%、「一流会社だから」3.9%、「福利厚生施設が充実しているから」1.0%など軒並み低い数値だった。
これは、終身雇用制の後退を背景とする、昨今の「就社」より「就職」という傾向を反映しているものとみられている。会社選択の要因の経年変化で興味深いのは、約40年前の1971(昭和46)年度には27%でトップに挙げられていた「会社の将来性」が、2年連続で10%以下になり、昨年度8.3%、今年度は7.7%まで減少したことだ。今や会社の選択基準は、自分の適性を重視した「職」選びといえる。
就職活動で利用された情報源では、利用度の高い順に「インターネットの企業ホームページ」(91.3%)、「会社説明会」(89.0%)、「インターネットの就職関連サイト」(86.8%)、「企業が用意した採用案内パンフレット」(84.2%)などが上位になった。四年制大学卒は、企業ホームページについては95.3%が、就職関連サイトについては96.5%が利用しており、特にインターネットの情報の重要性が非常に高くなっている。
なお、デートの約束があったときに残業を命じられた場合では、「デートをやめて仕事をする」が87.0%、「断ってデートをする」が12.5%と、プライベートな生活よりも仕事を優先する意向がうかがえる。男女別にみると、「デートをやめて仕事をする」との回答は、男性の84.0%に対して、女性のほうが90.8%とやや上回っている。経年変化をみると、仕事優先の回答が増加し、プライベート優先の回答が減少する傾向にある。
同調査結果の詳細は↓
http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity001036/attached.pdf