民事再生法は2009年4月で法律施行から丸9年が経過したが、この間、申請件数は7098件に達し、規模や業種を問わず、今や再建型倒産手続きの標準となっている。帝国データバンクがこのほど発表した「民事再生法の申請動向調査」結果によると、2008年度の民事再生法の申請件数は935件と、前年度比31.3%(223件)の大幅増加となった。2年連続で前年度を上回り、2002年度(948件)以来、6年ぶりの高水準となった。
9年間に民事再生法を申請した7098件の再生手続きの経過状況をみると、再生計画の認可決定まで至ったものが全体の68.0%にあたる4828件判明した。このうち、裁判所による再生手続き終結決定が下りたものは3012件あり、全体の4割強がすでに手続きを終えていることが分かった。他方、認可決定前に取下げ・棄却・廃止となった企業が1079件あるほか、認可決定後、終結決定前に手続き廃止となった企業が520件あった。
少なくとも、これら全体の22.5%にあたる1599件は、再生手続きを途中で断念しており、大半がすでに破産手続きに移行しているものとみられる。たとえ終結決定を受けたとしても、それはあくまでも「法律上の事件の終了」を意味するものにとどまる。監督委員が選任される多くの事件では、認可決定から3年が経過すると、債務弁済途中でも裁判所から終結決定が下りるため、終結後、数年内に再び倒産するケースが散見される。
なお、2008年1~12月に認可決定を受けた555社のうち、再生計画が判明した163社の平均弁済率は12.4%となり、8年前の2001年4月調査時の24.2%を大きく下回った。平均弁済期間は1年以内の一括弁済の比率が39.2%と、2001年調査時の8.1%を大きく上回った。これは、相対的に弁済率が低くなっても短期間での弁済完了を望む債権者側の意向や、“清算型”民事再生の定着などが影響したとみられている。