地方税の収納方法はコンビニ納税など多様化が進みつつあるが、今度はクレジットカードを利用した市税の納付が行われる。神奈川県藤沢市が、2006年度の軽自動車税について、実証研究として実施するもので、市税のクレジット納付は、全国的には藤沢市が初めてのケースとなる。市税の納付の利便性、収納業務の効率化、電子納税についてのノウハウなどを蓄積することを目的とするもの。
税目を軽自動車税に限定したのは、同税の納税者が多様なことや課税関係がわかりやすいことなどから。軽自動車税は、軽自動車やバイクなどの所有者にかかる市町村税で、軽四輪自家用車で年額7200円。軽自動車の納税者のうち、クレジット納付を希望する者について、インターネットによる納付の受付を5月に予定している。使用できるクレジットカードは、三井住友カードと「VISA」のロゴマークがある各社の提携カード。
市税の納期内納付の向上を図り、未納を未然に防止するためには、納税者にとって納付しやすい環境を整えることが重要となる。このため、藤沢市では、これまで休日夜間の収納窓口開設などを行ってきたが、今後、税の納付方法は電子納税など新たな手法が予想され、同市では税収確保対策としてマルチペイメントを今後の研究課題としていることから、国に先駆けて実証研究を実施することにしたと説明している。
一方、今回のカード決済システムを提供した三井住友カードなど、カード決済による公金収納システム構築を推進する企業で構成する「クレジット公金収納フォーラム」(事務局:日本総合研究所)では、効果の検証を行ったうえで、他の自治体への利用拡大や軽自動車税以外の税目を対象とした展開を図っていく考えという。