経済産業省は、塗装が染み込んだ布やウエスは自然発火の怖れがあるとして注意を呼びかけている。昨年11月、ヒマワリ油を主成分とした木用塗料を使った作業を行った後、拭き取ったウエスから自然発火したと思われる火災事故が2件発生し、その情報が製品評価技術基盤機構(NITE)に寄せられているという。
これらの天然植物油を主成分とした塗料は、昨今のシックハウス症候群などを配慮した消費者の自然志向などから販売数量が増加傾向にある。詳細な事故原因は現在、NITEにおいて調査中だが、この成分は植物油などに含まれているものと同じもので、それ自体は危険なものではないが、ウエスや布に染み込んだ状態で空気に接触した際に発する酸化熱からゴミ袋などのなかで自然発火したものとみられている。
NITEに報告された事故は、外壁を塗装後、塗料を拭き取ったウエスをそのままゴミ袋に入れて置いていたところ、自然発火したというもの。幸い発見が早かったため、壁が焦げた程度だった。もうひとつの事故は、塗料の拭き取りに使ったタオルを袋に入れ、それをダンボール箱に入れて台所に置いていたところ、約24時間後に出火し、台所を焼損したというものだ。
これらの塗料缶の外面には、「塗装が染み込んだ布やウエスは自然発火の怖れがある。使用したウエスは、必ず焼却するか、水の入った容器に入れて処理すること」との注意表示があるという。経産省では、1)取扱いに際して製品の注意表示や取扱説明書を必ず読み、注意事項にしたがって処理を行うこと、2)使用したウエスは、そのまま捨てずに焼却するか、水の入ったバケツなどの容器に入れ、十分水に浸し水分を含ませた状態で廃棄すること、などの注意を呼びかけている。