法人税調査などで増額更正される場合の期限が延長されているので注意したい。申告書の内容に誤りがある場合は、税務署長は更正処分をすることができるが、税額を増額する更正(増額更正)の期限はこれまで原則として3年とされていた。ところが、2004年度税制改正において、法人税に係る欠損金の繰越期間が5年から7年に延長されたことから、増額更正の期限についても3年から5年に延長された。
欠損金の繰越期間が延長されると、その欠損金額が7年間の法人税の所得計算に影響してくるが、これに伴い、法人税の計算では、純損失などの更正に連動して繰越期間内の所得も同時に更正できるようにすることが必要となる。そのため、増額更正の期限についても、国の債権・債務の消滅時効や減額更正の期限が5年であることなどを考慮して、5年に延長することになった。
増額更正の期限延長が適用されるのは、2004年4月1日以後に期限が到来する法人税からとされたことから、もっとも早いもので2004年2月決算法人の申告分からが対象となる。2月決算法人は、7月からの新事務年度の法人税調査において、2004年2月期、2005年2月期、2006年2月期、2007年2月期の4年分が増額更正の対象となる。来年2月期からは、さらに5年に延長されることになる。
今後、法人税調査などで増額更正されると、更正期限が延長された分、税額も増加することになるので注意したい。法人税の減額更正(税額を減額する更正)の期限については、5年から7年に延長され、また、欠損金の繰越期間が7年に延長されたことに伴い、従来保存期間が5年とされていた帳簿の保存期間も7年に延長されている。なお、納税者に悪質な脱税行為等があったときの時効は、これまでどおり7年である。