2003年09月08日-002
国交省、住宅ローン減税の現行制度延長を要望
現行の住宅ローン減税制度は、借入残高5000万円までに対し控除率1%で10年間にわたって控除される。最高で年間50万円、合計500万円が控除されるが、来年(来年12月末までの入居分)からは控除期間が6年、最大合計控除額も150万円までと大幅に縮小される予定だ。そこで国土交通省では、2004年度税制改正要望の中で、今年末に期限切れとなる現行制度の延長を求めている。
デフレ不況下における今後の住宅着工の見通しは不透明な状況にあるため、無理のない負担での住宅取得を支援するとともに、経済的波及効果が高い民間住宅建設の促進による景気の下支えを図る観点からの要望だ。国交省では、仮に2002年の住宅ローン減税が92年レベルの住宅取得促進税制(6年間最大控除150万円)だった場合、5.7万戸の着工戸数(持ち家系)の減少、2.6兆円の経済損失だったとの試算を示している。
また、住宅ローン減税の対象となる増改築等に係る借入金の償還期間要件(10年以上)を緩和するとともに、対象に窓等の開口部の改修工事を追加することや、中古住宅に係る税制上の特例措置の築後経過年数要件の緩和を求めている。そのほか、個人が一定以上の質・要件を満たす住宅投資(リフォームも含む)を行う場合、その自己資金での投資額も一定率を減税する制度創設を要望している。
住宅ローン減税の延長については、すでに小泉首相や塩川財務相などが容認発言をしているほか、日本経団連や日本商工会議所、不動産協会などの民間団体からの要望が相次いでいることから、来年度税制改正のなかで実現する公算は強い。しかし、財務省ではあくまで減税規模を縮小したい考えであることから、今後は条件を巡っての攻防が始まりそうだ。
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