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会社が役員に社宅を貸す場合には賃貸料に注意!

税務関連情報 - 2009年07月01日

 同族会社においては会社が役員に社宅を貸すといったケースは少なくないが、その際、税務上注意したいのは社宅家賃として会社が受け取る金額である。その金額が「通常の賃貸料」に満たない場合には、その満たない部分の金額は役員に支給する役員報酬とされる。そこで問題となるのは「通常の賃貸料」だが、税務上、(1)小規模住宅、(2)いわゆる豪華社宅、(3)それ以外で会社所有の社宅、のそれぞれに応じて定められている。

 所得税基本通達によると、家屋の面積が132平方メートル(木造住宅以外の場合は99平方メートル)以下の小規模住宅の場合、通常の賃貸料は「その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%+12(円)×家屋の床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル)+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%)」で計算した金額(月額)となる。なお、敷地だけを貸与した場合には小規模宅地には該当しない。

 また、その社宅の床面積が240平方メートルを超えるなど、いわゆる豪華社宅に該当する場合は、通常の賃貸料は社会通念上に照らして個々に判定した額とされる。小規模住宅や豪華社宅以外の会社所有の社宅の場合、社宅家賃としての適正額は、「その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×12%(木造家屋以外については10%)+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%」×1/12で計算した金額(月額)となる。

 この計算式によって算出された通常の賃貸料に満たない賃貸料しか会社が受け取っていない場合には、その差額に相当する金額は、受取家賃として益金算入されると同時に、同額の給与を支払ったものとみなされるので、会社側はこの給与について源泉徴収義務が生じる。この差額部分が継続的かつ一定である場合には、原則として定期同額給与に該当するので、法人税の計算上は損金算入されることになる。

 一方、役員側は、上記により計算された通常の賃貸料に満たない金額は、通常の給与に含めて給与所得として課税されることになる。