税 務 関 連 情 報 |
2002年08月23日-001
三菱総研、中期的な観点からは歳出抑制併用の概算基準とすべき
2003年度予算の概算要求基準をめぐる調整が大詰めを迎えている。小泉首相が1兆円を超える先行減税を表明したことで、その財源の手当てが大きな焦点となっている。三菱総合研究所では、経済財政諮問会議の歳出抑制で賄う案と財務省や政府税調の減税分を増税分で取り戻す多年度税収中立案をそれぞれ試算し、中期的な観点からは、歳出抑制を併用した概算基準とすべきだとの結論を示している。
三菱総研の試算によると、歳出カットと1兆円減税を併用すると2003年度と2004年度における国債発行額を30兆円に抑えることは可能だが、1兆円の赤字拡大の影響は意外と大きく、2010年度になると「中期展望」が想定する国債発行額を約1.4兆円も上回ることになる。景気が回復しても税収が伸びないからだ。
一方、2003年度と2004年度に1兆円ずつの減税を行い、その後の2年間に増税を実施する(公共事業以外の歳出抑制を行わない)シナリオでは、増税する2005年度の国債発行は前年度並にとどめておくことができるものの、その後は急速に国債発行が増加していく。歳出が抑制されないと、2010年度時点の歳出が「中期展望」を4兆円も上回るからである。このことから、三菱総研では、「中期的な観点からは、歳出抑制を併用した概算基準とすべきだ」との結論を提示している。
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