ゼイタックス

経営関連情報 (2006/03/06)

3月から社労士の労働争議不介入規定を削除

 3月1日から社会保険労務士の労働争議への介入を禁止する規定が削除された。これは、裁判外紛争処理手続の利用を促進するための一環として、社会保険労務士法の改正に盛り込まれたもの。同改正の主な内容は、1)裁判外紛争解決手続の代理業務の範囲の拡大、2)その代理業務に係る研修及び試験、3)労働争議不介入規定の削除などだ。施行期日は、2)と3)が2006年3月1日から、3)は2007年4月予定。

 代理業務の範囲の拡大は、個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっ旋の手続の代理業務に加えて、1)個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっ旋の手続、2)男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続、3)個別労働関係紛争について厚生労働大臣指定の団体が行う裁判外紛争解決手続(紛争価額が60万円超の事件は弁護士の共同受注が必要)の各代理業務が追加された。

 これらの代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理が含まれる。また、これらの代理業務に必要な学識及び実務能力に関する研修の修了者に対し試験を実施し、その試験の合格者のみが代理業務を行うことができることとされている。

 裁判外紛争処理制度(ADR)は、裁判よりも簡易・迅速に安価な費用で紛争を解決できる制度。法律的な紛争は、最終的には裁判で決着をつけるというのが司法制度の基本だが、裁判においては、正確な事実認定に基づく判断が必要とされるので、手続がやや複雑であったり、ある程度の時間と費用がかかるのは避けられない。そこで、裁判外紛争解決機関が工夫されてきた。