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税務関連情報 (2005/01/07)

増加額の25%相当額を税額控除~人材投資促進税制

 2005年度税制改正の数少ない減税項目の目玉は人材投資(教育訓練)促進税制の創設だ。わが国の産業競争力の基盤である産業人材を育成・強化する観点から、人材投資の減少傾向を拡大に転じさせるとともに、企業における戦略的な人材育成への取組みを強力に後押しするため、教育訓練費の一定割合を法人税額から控除する。2005年4月1日以後に開始する事業年度から適用され、3年間の時限措置となる。

 制度の基本は、教育訓練費を基準額(前2事業年度の平均額)より増加させた企業について、その増加額の25%相当額を税額控除する。ただし、当期の法人税額の10%を限度とする。中小企業については、これに代えて、基準額より増加させた場合、教育訓練費の総額に対し、増加率の2分の1に相当する税額控除率(上限20%)を乗じた金額を税額控除(法人税額の10%が限度)することもできる。

 対象費用は、1)講師・指導員等経費(社外講師・指導員に支払う講師料・指導員料)、2)教材費(研修用の教材・プログラムの購入料等)、3)外部施設使用料(研修を行うために使用する外部施設・設備の借上げ料、利用料)、4)研修参加費(企業が従業員の教育訓練上必要なものとして指定した講座等の受講費用、参加費用)5)研修委託費(講師・教材などを含め研修全体を外部の教育機関へ委託する場合の費用)などがある。

 控除額の計算例は、前2事業年度の教育訓練費の平均額1000万円の中小企業が、適用事業年度に教育訓練費を400万円(40%)増加させた場合、基本制度では、「400万円(増加額)×25%(控除率)」で100万円の法人税額控除となる。ただし、中小企業特例では、「1400万円(総額)×40%×2/1(控除率)」で280万円の税額控除となる。さらに、法人住民税額48万円(「280万円×17.3%(法人住民税率)」)も控除される。