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法人の黒字申告割合は32.3%で5年ぶりに低下

税務関連情報 - 2008年11月07日

 国税庁がこのほど発表した2007事務年度の法人税課税事績によると、本年6月末現在の法人数は過去最高だった前年度に比べ2千法人(0.1%)減の300万3千法人だったが、うち今年6月までの1年間に申告したのは過去最高となる279万9千法人(前年度比0.4%増)だった。しかし、申告所得金額は55兆2871億円、申告税額の総額は13兆7036億円で、前年度に比べ、それぞれ3.1%減、5.2%減とともに減少した。

 申告所得金額、申告税額ともに5年ぶりの減少となるが、これは、連結納税に移行した法人(12法人、申告所得1兆7128億円)の申告期限が2008事務年度にずれる制度的な特殊要因によるもの。新たに連結納税を採用しその申告期限の延長の特例を受けた2008年3月決算法人の申告期限は、翌事務年度の集計対象となる。これを加味した実質的な申告所得金額でも前年度に比べ0.1%の微減となる。

 この結果、法人の黒字申告割合は前年度に比べ0.1ポイント減の32.3%と、5年ぶりに低下した。法人の黒字申告割合は30%台の低い数字が15年も続いており、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分にも満たない。前年度に16年ぶりに過去最高の数字を更新した黒字法人の申告所得金額も5年ぶりに減少に転じ、黒字申告1件あたりでは6060万円で前年度に比べ3.1%の減少となった。

 一方、前年度に30%近く減少した申告欠損金額も、2007年度は16兆1878億円で、前年度に比べ3071億円(1.9%)減にとどまった。申告欠損金額はピークの2002年度(33兆116億円)以降5年連続で減少しているが、資本金1億円以上の大法人に限れば申告欠損金額は前年度に比べ8874億円減少している。つまり、申告欠損金額の減少はほとんどが大企業にかかるもので、多くの中小企業は厳しい状況が続いていることになる。