ゼイタックス

経営関連情報 (2006/11/24)

アセアン進出企業の増収企業割合は73%

 中小企業金融公庫は、アセアン域内5ヵ国(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム)に進出している取引先現地法人を対象に今年6月末時点での企業の経営実態調査を実施した。同調査は、アセアン諸国への既進出企業や新規進出予定企業に対する、業務計画策定等の参考となるものとするほか、効果的な情報提供を行うことを目的として1996年から実施され、今年で11回目となる。

 調査結果(有効回答数167社)によると、前年比で「増収」となった企業割合は73%、「増益」となった企業割合は51%となっている。国別では、自動車関連の活況を背景に増収・増益傾向にあるタイが好調である一方で、マレーシアについては、電機・電子機器関連の停滞により収益の伸び悩みがみられる。

 経営課題については、「仕入価格の上昇」が68%で3年連続のトップとなっており、素材価格の上昇が与える経営への影響の深刻さが懸念されている。また、ベトナムやタイでは「管理者の不足」も上位に挙げられており、現地スタッフの育成が重要であることもうかがえる結果となっている。

 なお、FTA(自由貿易協定)が現地に与える影響については、調査時点で調査対象国と締結されたFTAがなかったため、予想となるが、「好影響あり」と回答した企業割合が53%だった。一方、中国とアセアンとのFTA(2004年1月から農産品の一部、2005年7月から物品貿易一般について関税の引下げを開始)については、「好影響あり」と回答した企業割合が17%と低くなった。