国民生活金融公庫が実施した「小企業の価格動向調査」結果(有効回答数6890社)によると、1年前と比べて販売価格が「上昇した」企業の割合は20.3%、「ほとんど変わらない」が53.6%、「低下した」が26.1%となった。「上昇した」は、前回調査(2006年4~6月期)と比べ3.3ポイント増加した一方、「低下した」は2.6ポイントの減少。「上昇した」の割合は増加傾向にあるが、依然として「低下した」を下回っている。
また、1年前と比べた仕入価格の動向をみると、「上昇した」企業の割合が60.5%となり、前回調査と比べ2.7ポイント増加した。仕入価格が「上昇した」企業のうち、販売価格も「上昇した」企業の割合は30.6%、「ほとんど変わらない」が47.9%、「低下した」が21.5%だった。仕入価格が上昇し販売価格も上昇した企業の割合が4.7ポイント増えているが、全体的には、仕入価格の上昇を販売価格に転嫁しにくい状況にあることがうかがわれる。
販売価格が上昇した最大の理由をみると、「仕入価格の上昇」を挙げる企業が78.0%ともっとも高く、「商品の付加価値を高めた」(9.0%)などが続く。一方、販売価格が上昇していない最大の理由は、「他社との競争が激しい」が42.7%ともっとも高く、以下、「価格が上昇する要因がない」が27.9%、「販売先との交渉が難しい」が14.6%と、競争の激しさや取引関係から、販売価格引上げが困難な企業が多い。
仕入価格の上昇に対して採った対策(2つまで回答)は、「販売価格の引上げ」が33.3%「諸経費の削減」が30.3%、「調達先の変更」が20.1%など。対策の効果は、仕入価格上昇の影響を「抑えられた」が4.5%、「ある程度抑えられた」が59.8%だったが、「ほとんど抑えられなかった」が35.7%も占めた。なお、販売額から仕入額を差し引いた利益の動向をみると、1年前に比べ「減少した」企業が55.4%と過半を占めている。
同動向調査結果の詳細は↓
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/kakakudoko_070730.pdf