ゼイタックス

経営関連情報 (2003/12/10)
今年の消費傾向は「脱・金しばり」消費

 長引く不況もようやく回復の兆しを見せ始め、消費者心理も好転しつつあるなか、今年も数多くのヒット商品が誕生した。博報堂では、これらのヒット商品やサービスを独自に実施した生活者調査に基づき分析した結果、今年の消費傾向を「脱・金しばり」消費と名付け、その具体的事例をヒット商品の観点から6つの方向にまとめている。

 まず1番目は、生活を変革するためなら積極的にお金を使う「変革投資」。「薄型テレビ」「大容量DVDレコーダー」「高級空気清浄機」「タンクなしトイレ」などのヒット商品がある。2番目は、極めて私的な趣味にこだわる「極・私的」。「マイフィギュア/マイスタンプ」「なんちゃって制服」「自分だけのウイスキー」「ペット用グッズ」「タイガース柄グッズ」などがある。

 3番目は、非現実的な夢や憧れよりも、身近な日常に価値を求める「隣の異次元」。「温泉レジャー施設」「再開発された大規模複合施設」「太鼓ゲーム」「京都をテーマとしたムック」など。4番目は、従来の商品価値から脱却した新しい価値を求める「価値ずらし」。「体脂肪低減緑茶」「喫煙者用ガム」「具にこだわる高級カップ麺」「高級缶チューハイ」「健康志向の発泡酒」など。

 5番目は、これまでの常識や慣習を逸脱した斬新な発想を楽しむ「常識はずし」。「ヒモとバンドのないブラ」「はかないストッキング」「女の子用ブリーフ」「ローラー付きスニーカー」「飲むアイスクリーム」「トリビアの泉」など。最後は、用途を極端に限定した単機能商品に注目する「一点突破」。「朝専用缶コーヒー」「部屋干し専用洗剤」「洗顔専用クロス」「まつげが2倍になるマスカラ」「排水口専用洗浄剤」「デザートカフェ」など。

 これらが「脱・金しばり」の6つの動きだが、博報堂は、バブルからデフレへと、消費の世界は「価格」に振り回されつづけた十数年だったが、今年になって、生活者は「価格」の呪縛から解き放たれ、心の余裕や常識からの逸脱を楽しむといった、非常に自由な価値観による消費を始めた様子がうかがえると指摘している。あなたの今年の消費傾向はどうだったのだろうか。