税 務 関 連 情 報

2002年10月23日-003
目立つ会社役員などのその他所得者の申告漏れ増加

 国税庁が21日に公表した2001事務年度の所得税の調査で見つかった申告漏れ9,514億円は、ここ10年間では最低の数字だが、一方で、給与所得者や不動産所得者などで区分する「その他所得者」の実地調査に占める割合や1件当たりの申告漏れが増加していることが明らかになった。

 同事務年度の実地調査は7万2,092件行われているが、そのうち19.5%に当たる1万4,028件をその他所得者の調査が占めている。この割合は、2年前が14.7%、前年が17.9%と年々増加している。調査した92.5%の1万2,978件から1,264億2,300万円の申告漏れが見つかっており、1件当たりの平均では901万円に上る。1件平均の申告漏れも年ごとに増加している。

 実地調査全体では、6万3,184件から4,921億6200万円の申告漏れが見つかっており、1件当たり平均では683万円となる。その他所得者の1人当たり平均の申告漏れは相当大きいことが分かる。このように、その他所得者の調査件数等のウエイトが高まっている要因としては、近年の経済取引の国際化に伴い、会社役員などの給与所得者についても、海外親会社からのストックオプションや海外子会社からの給与・配当の申告漏れが見つかっていることが挙げられている。

 ストックオプションの調査は369件行われ、363件から203億5,400万円、1件平均5,515万円の申告漏れが見つかった。また、海外子会社からの給与等の調査では、実施された82件の全てから10億2,600万円、同1,252万円の申告漏れが見つかっている。これらが、その他所得者平均の申告漏れを押し上げた格好だ。

 

 

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