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税務関連情報 (2007/05/09)

仮装隠ぺい財産に係る相続税の配偶者控除の見直し

 これまで、相続財産に仮装隠ぺいがあった場合は、仮装隠ぺい部分には配偶者の税額軽減は適用されないが、配偶者以外の相続人が取得した場合は、配偶者に税額軽減が適用され、納付税額はゼロとなっていた。これを、2007年度税制改正において、配偶者以外の相続人が取得した場合にも、その仮装隠ぺい財産に伴い増加する相続税額については、配偶者控除の適用ができないように見直された。

 配偶者の相続税額の軽減は、「相続税の総額×配偶者の法定相続分の課税価格(1億6千万円以下の場合は1億6千万円)/課税価格の合計額」か「相続税の総額×配偶者の実際の課税価格/課税価格の合計額」のうち、いずれか少ない金額を配偶者の相続税額から控除する制度だが、相続財産に仮装隠ぺいあった場合、その部分には配偶者の税額軽減が適用されないとする規定がある。

 ただし、これは配偶者が仮装隠ぺい財産を取得した場合の規定であって、仮装隠ぺい財産を子どもが取得した場合は、仮装隠ぺいにより取得した財産に伴い、仮装隠ぺい財産を含めた各相続人の取得割合で按分して計算すると、各相続人の税額も増加し、配偶者も増加した税額を納付すべきところ、配偶者の軽減措置の適用により、配偶者自身の納税額はゼロになっていた。

 そこで、改正後は、配偶者が仮装隠ぺいしていた財産を、配偶者以外の相続人が取得した場合にも、その仮装隠ぺい財産に伴い増加する相続税額については、配偶者の税額軽減が適用されないこととなった。つまり、配偶者の税額軽減額を算出する際の相続税の総額は、仮装隠ぺい財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格に含まないものとして計算し、配偶者も仮装隠ぺい財産に伴い増加した税額を納付することになる。