2003年09月03日-001
日商、業況DI2ヵ月連続改善も依然続く停滞感
日本商工会議所が2日に公表した早期景気観測によると、8月の全産業合計の業況DI(前年同月比ベース、「好転」-「悪化」企業割合)は、前月よりマイナス幅が2.6ポイント縮小して▲45.0となり、2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。製造業を中心に、一部に先行きにも期待との声があるが、依然DI値の水準は低く、中小企業の足元では、景気の不透明さと不況の常態化から、引き続き停滞感が漂っているとの見方だ。
向こう3ヵ月(9~11月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比ベース)が▲36.6と、昨年同時期の先行き見通し(▲36.6)と比べて横ばいとなっている。また、売上面のDI値(▲40.7)や採算面のDI値(▲41.1)はともに2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。全体的には改善傾向にあるが、日商に寄せられる声には、公共事業の縮小や冷夏の影響、消費低迷と単価下落に関するコメントが目立つという。
例えば、「例年であれば繁忙期となっているが、依然として需要不足・低価格入札による厳しい状況が続いている」(建築工事)、「県の公共事業が大幅減など、公共事業が多い事業所は売上が半減し、民間工事も大手に奪われており厳しい」(一般工事)など業況の低迷を訴える声が多く寄せられている。
また、「冷夏により来街者が少なく、夏物衣料の売れ行きが特に悪く売上が伸びない」(商店街)、「例年に比べビールの売上が悪く、全体の売上も減少した」(飲食料小売)、「冷夏と大雨で観光客が激減し、地元消費も減少している」(食堂・レストラン)、「冷夏の影響で原材料費の上昇が懸念される」(パン・菓子製造)など、記録的な冷夏の影響を訴える声も目立った。
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