2006年から最低資本金制度を撤廃、また有限会社制度も廃止され株式会社に統合される可能性が強くなった。これは、法制審議会(法相の諮問機関)の会社法部会が8日に決定した「会社法制の現代化に関する要綱案」で明らかになったもの。商法の会社関係部分と有限会社法、商法特例法を再編成して会社法(仮称)とする。来年2月に法制審が法相に答申、次期通常国会に会社法案を提出、2006年からの施行を目指す。
要綱案では、株式譲渡制限会社に課されている取締役の人数制限(現行3人以上)や取締役会の設置義務を撤廃し、株式会社を設立しやすくする。存在意義が薄れる有限会社制度は廃止し、現行の株式会社と有限会社を一つの会社類型(株式会社)として統合する。現在ある有限会社については、引き続き規律を維持できるための所要の経過措置を設ける。
最低資本金制度は見直し、会社設立に必要な出資額の下限額(現行:株式1千万円、有限300万円)の制限を撤廃する。昨年施行された中小企業挑戦支援法により特例的に認められた資本金1円での起業が恒久的に可能となるわけだ。また、新たな会社類型として合同会社(仮称)が創設される。米国のLLC(有限責任会社)の日本版で、有限責任の出資者が話し合いで役員の権限や利益配分などを自由に決められる。
そのほか、1)組織再編を促すため、吸収合併等の対価の支払いに自社株以外に現金や親会社の株式などを認める、2)略式組織再編行為制度を設け、合併等の組織再編を行う会社における株主総会の承認決議を要しない範囲を拡大する、3)剰余金の分配について、いつでも、株主総会の決議で決定できる、4)税理士などが取締役と共同で計算書類の作成に携わる会計参与(仮称)制度を創設する、などが盛り込まれている。