ゼイタックス

税務関連情報 (2007/06/29)

3月末の「国の借金」は834兆円と過去最大

 財務省が25日に公表した2006年度末(3月末)時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は834兆3786億円と、過去最大の数字となった。1年前の2006年度末時点からは6兆8981億円増だが、この増加額は統計を取り始めた1996年度末以来もっとも低水準にとどまった。一方、地方が抱える債務残高は2006年度末時点で約204兆円あり、国と地方を合わせた借金は重複分を考慮しても約1000兆円と推定される。

 今年3月末時点の国の借金は、1年前に比べ、国債は3.5兆円増の674兆円で全体の約81%を占めた。うち普通国債が4.8兆億円増の532兆円とほぼ8割を占めたが、前期末(06年12月末)からは2.7兆円減少した。財政融資資金特別会計国債は前年度末比0.4兆円減の14兆円。国債以外では、借入金はほぼ横ばいの59兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は同3.3兆円増の101兆円と初めて100兆円を突破した。

 この「国の借金」834兆3786億円は、2007年度一般会計予算の歳出総額82兆9088億円の10倍、同年度税収見込み額53兆4670億円の15.6倍である。年収500万円のサラリーマンが7800万円の借金を抱えていることになる。わが国の6月1日時点での総人口1億2775万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約653万円の借金となる勘定。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 財務省によると、長期債務残高は、2007年度末で国が607兆円、地方が199兆円、国と地方の重複分33兆円を差し引くと計773兆円と見込んでいる。このほか、財政融資資金特別会計国債の残高が143兆円などあることから、国と地方を合計した借金は1000兆円を超えそうだ。2007年度の国債発行額は、3年連続減額で過去最大の4.5兆円減となるが、それでも25兆4320億円を新規発行する予定。財政再建の道のりはまだ遠い。