裁判員制度は来年5月21日からスタートするが、最高裁は11月28日、選挙人名簿から選ばれた約29万5千人に対し、候補者になったことを知らせる通知を発送したという。東京商工会議所が、10月末に開催した裁判員制度説明会に参加した中小企業経営者や人事・労務担当者を対象に実施した「裁判員制度に関するアンケート調査」では、拘束期間が3日程度であれば約8割が裁判員制度に協力する意向であることが分かった。
調査結果(有効回答数293人)によると、裁判員制度についての考えは、「従業員を拘束されるのは仕事上問題だが、拘束期間が3日程度であれば国民の義務なのでやむを得ない」との回答が52.6%、「国民の義務なので当然参加すべき」が26.6%となり、制度に参加する意向を示す回答は合計79.2%となった。そのほか、「現時点では判断できない」が14.0%、「3日程度であっても、参加させる(する)ことは難しい」が3.8%だった。
社内における裁判員制度の対応状況については、「特に何もしていない」が60.8%(昨年度72.7%)でもっとも多く、依然として大半の企業が制度の対応を検討していないものの、昨年度と比べると、検討している企業は増加している。また、「新しい休暇制度を検討している(すでに導入している)」との回答が昨年度に比べ16.1ポイント増の24.6%となり、大幅に増加している。
なお、「裁判員を辞退できる理由」について自由記入形式で聞いたところ、「辞退できる場合をより具体的に示してほしい」といった意見や、「中小・零細企業は大企業と違い人員に余裕がないため、特に考慮してほしい」といった人員の補充がしにくい中小企業に一層の配慮を求める意見があったという。また、「裁判員の個人情報やプライバシーの保護を十分にしてほしい」といった意見もあり、制度の運用に対する関心の強さがうかがえた。