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大阪・泉佐野市が「犬税」の導入を検討

税務関連情報 - 2012年07月06日

 大阪府泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長はこのほど、犬のふんの放置が市内の環境を悪化させているとして、その清掃等に充てる費用を賄う財源として「犬税」(仮称)の導入を検討していることを明らかにした。早ければ2年後にも条例を制定する方針。総務省によると、犬税はかつて戦後の一時期に地方税として存在したが、現在、飼い犬に対する課税を行っている自治体はないという。

 犬のふんの放置問題は、都市部の自治体の悩みのタネとなっている。飼い主にマナーやモラルの向上を求めることが第一だが、強制力がないためトラブルは後を絶たない。泉佐野市では2005年に環境美化推進条例を制定して、ペットのふんの放置やたばこの吸殻のポイ捨てを禁止。違反した者には1000円の過料を課すことにしているが、実際の徴収例はなく、アナウンス効果も上がっていないという。

 こうしたことから千代松市長は、美しいまちづくりを進めるために、今後の2年間でマナーが改善されない場合は「犬税」を創設すると市議会に説明した。税収はパトロールや清掃作業の費用に充てるというが、具体的な課税標準や税額はまだ明らかではない。犬税は、1960年代には約2700の市町村にあったが、その後、法定外税の整理が進んで課税団体はなくなっていた。しかし今回、再び脚光を浴びたかたちになった。

 人口約10万2千人、約4万4千世帯の泉佐野市に現在、登録されている犬は約5400匹あまり。同市は、連結実質赤字比率、将来負担比率がともに早期健全化基準以上となっており、2010年2月に財政健全化計画を策定。少しでも税収を稼ごうと、今年4月に総務相の同意を得て関西国際空港の連絡橋を利用する行為に対して課税する法定外普通税「空港連絡橋利用税」を創設したばかりだ。