ゼイタックス

経営関連情報 (2005/03/07)

企業の労働者不足が3期連続で拡大

 企業の労働者不足感が常用労働者、パート労働者ともに拡大している。厚生労働省が3日に発表した労働経済動向調査(2005年2月)結果(回答民間事業所数3078社)によると、2月現在の常用労働者の過不足判断DI(「不足」-「過剰」企業割合、季節調整値)は、昨年11月の前回調査から2ポイント上昇の+13となって、不足超過幅が3期連続で拡大した。

 産業別では、「運輸業」(+31)、「不動産業」(+13)を除くすべての産業で不足超過幅が拡大している。前期に比べ不足超過幅が大きく上昇しているのは、「情報通信業」(+30)の8ポイント増、「金融保険業」(+24)と「飲食店、宿泊業」(+20)の各6ポイント増だ。不足超過幅が大きいのは、「運輸業」(+31)、「情報通信業」(+30)、「金融保険業」(+24)の順。

 パート労働者の過不足判断DIについても、前回調査から4ポイント上昇の+17の不足超過と、超過幅が拡大した。産業別にみると、「製造業」(+8)、「情報通信業」(+6)、「不動産業」(+6)を除くすべての産業で不足超過幅が拡大。特に、「卸売・小売業」(+22)が前期比8ポイント増、「運輸業」(+25)が同7ポイント増と上昇幅が大きい。不足超過幅がもっとも大きいのは「飲食店、宿泊業」の+35)。

 一方、残業規制などの雇用調整を実施した事業所の割合(2004年10~12月期実績)は15%と3期連続の横ばいとなった。ここ数年は2002年1~3月期の31%をピークに減少が続いている。雇用調整の実施方法(複数回答)は、「残業規制」(6%)の割合が高く、次いで「配置転換」(5%)、「休日の振替え、夏期休暇等の休日・休暇の増加」(2%)、「臨時・季節、パート労働者の再契約停止・解雇」(〃)などが続く。

 また、2005年新規学卒者の「採用内定あり」の事業所割合を前年と比べると(カッコ内は事業所割合)、全体では「大学卒(理科系)」(30%)、「大学卒(文科系)」(29%)、「高専・短大卒」(18%)で3ポイント、「高校卒」(30%)、「専修学校卒」(12%)で2ポイントと、すべての学歴で前年を上回った。全学歴で改善したのは比較可能な1997年以来初めて。労働者不足感の高まりが、新卒者の採用内定増につながったとみられる。