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商品選択時の情報源として重視される「CGM」

経営関連情報 - 2008年06月06日

 消費者が書込み・投稿をした情報からなるブログやSNS、電子掲示板などを「CGM」という。富士通総研が10~69歳の男女を対象に実施した「ブログ・CGM利用実態調査」では、CGMが消費者の商品選択時の情報源として重視されていることが分かった。調査結果(有効回答数1614人)によると、回答者全体の96.5%が何らかのCGMに接触しており、35.1%が「閲覧のみ」の利用、61.4%は何らかの「書込み・投稿」をしている。

 そこで調査では、回答者全体を書込み・投稿するCGMの種類と閲覧有無の条件で5つに分類し、ネット上での行動の違いを分析。その結果、例えば、ネット広告のクリック率は全体では41.9%だが、「CGMカキコミスト(ブログ、SNSのないその他CGM書込み・投稿者)」は50.9%とかなり高く、「SNSフレンド(ブログ開設のないSNS登録者)」は32.2%と低いことが分かった。

 また、自動車やパソコンなどの耐久消費財を購入する際に利用する情報源(複数回答)として、選んだトップは「店頭の実物」(75.3%)、次いで「テレビ広告」(59.4%)、「企業のホームページ」(50.9%)などだが、これを利用する情報源の中で重視するもの(3つまで)に絞った場合は、「店頭の実物」(74.7%)の次は「個人ブログやクチコミサイト」(55.1%)となり、その後に「企業のホームページ」(43.6%)などが続いた。

 このように、最近は「個人ブログやクチコミサイト」を情報源として重視する傾向が強まっている。一方、現在行われている企業のCGMに対する取組みは、企業ブログやSNSでの情報発信というケースが多いが、今回の調査結果では、回答者の4割に企業ブログの閲覧経験があり、2割が何らかの商品選択の際に企業ブログを参考にしたという結果が出た。富士通総研は、情報発信以外の取組みとしてCGM分析を挙げている。

 これは、自社のブランドや商品が個人のブログなどでどのように語られているのかをウォッチするものだ。商品コンセプトの消費者への伝わり方や、他者との比較でどのようにポジショニングされているか、商品のどのような点が評価されているのかなど、消費者の生の声をすぐに集めることができる。同社では、企業からの情報発信ツールだけでなく、声を聞くツールとしてのCGMの活用も視野に入れることを勧めている。

 同実態調査結果の概要は↓
 http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/report/cyber/report/cgm2008sample.pdf