厚生労働省がこのほどとりまとめた2009年度における未払賃金の立替払事業の実施状況によると、企業数は前年度に比べ19.7%増の4357社、支給者数は同24.5%増の6万7774人、立替払額は同34.5%増の333億9100万円と、いずれも前年度を大きく上回った。未払賃金の立替払制度は、企業倒産に伴い、賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、未払賃金の一部を国が事業主に代わって立替払する制度。
2009年度における支給者1人あたりの平均立替払額は49万3000円。立替払額は2005年度以降4年連続で増加している。立替払状況を半期別にみると、支給者数は下半期(10~3月)が3万788人、立替払額は155億7500万円で、上半期(4~9月)と比べ、支給者数で16.8%減少、立替払額で12.6%減少。これを立替払の請求状況についてみると、下半期は上半期に比べ、請求者数では8.5%減少、請求額でも8.5%減少となっている。
企業規模別の立替払状況をみると、労働者数「30人未満」の企業が3703社と企業数全体の85.0%を占めるが、立替払額は、「30人~299人」規模の企業が45.3%を占めてもっとも多く、「30人未満」(43.6%)の企業と合わせると約9割を占めている。また、業種別の立替払状況をみると、立替払額では「製造業」が全体の31.5%を占めてもっとも多く、次いで「建設業」(16.5%)、「商業」(14.0%)の順となっている。
なお、立替払制度における立替払の対象となる賃金は、退職日の6ヵ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している未払賃金(定期給与と退職金)でボーナスは含まれない。ただし、総額2万円未満のときは対象外。立替払の額は、退職日における年齢区分に応じて、未払賃金総額の8割(限度額あり)となっており、例えば、退職日に45歳以上(限度額370万円)で未払賃金が300万円であれば240万円が立替払となる。
同実施状況の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006f4x.html