ゼイタックス

09年運輸業者の倒産は481件、過去5年で最多へ

経営関連情報 - 2009年12月11日

 帝国データバンクが8日に発表した「運輸業者の倒産動向調査」結果によると、2009年の運輸業者の倒産は、11月までで481件発生し、前年同期比11.0%の増加となった。4月に月間最多の58件となるなど、国内景気が急速に悪化した上半期に倒産が多発。下半期に入りやや落ち着きつつあるが、年間件数は、過去5年で最多だった2008年の488件まで4件に迫り、2009年は初の500件台となり、最多件数を更新するのは確実となった。

 2009年の倒産481件を業態別にみると、一般・特定・軽貨物自動車運送などを含む「トラック運送(道路貨物運送)」が346件(構成比71.5%)と多発し、全体の7割強を占めた。特に2008、2009年の増加が目立ち、景気悪化に伴う国内貨物輸送量の減少などが大きく影響したとみられる。次いで、運送取次、梱包、港湾運送などの「運輸附帯サービス」が81件、バス運行、タクシーなどを含む「道路旅客運送」が36件で続いた。

 地域別では、「関東」が135件でトップ、次いで「近畿」が僅差の133件、「中部」が71件で続く。2008年からの増加率では、「中部」(48件→71件)が23件増、47.9%の大幅増加で全国トップ。リーマン・ショック後の景気急減速と域内の自動車業界の不振などを受け、2009年の増加ぶりが際立った。負債規模別にみると、負債1億円未満の倒産が258件、構成比53.3%となり、これら「小規模倒産」が過半数を占めた。

 また、2009年の運輸業者の倒産484件を倒産主因別にみると、「販売不振」が369件、構成比76.2%でトップとなり、全体の4社に3社が販売不振による倒産だった。2008、2009年の増加ぶりが目立ち、同時期の業界環境の急速な悪化がうかがえる。次いで「放漫経営」が23件、「業界不振」が20件で続いた。全体をみると、厳しい業界環境を反映し、外部要因による倒産が大半を占めている。

 同倒産動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p091201.pdf