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トップ企業の74%が従業員数300人未満の中小企業

経営関連情報 - 2011年04月25日

 帝国データバンクが、同社の企業概要データベースに収録されている決算データから、同社産業分類の1056業種において「売上高全国1位」企業を対象に実施した「業界トップ企業調査」結果によると、業界トップ企業1056社の従業員数は「300人未満」が74.2%(784社)を占めた。業界トップといえばトヨタ自動車やソニーなどの大企業が思い浮かぶが、「5000人以上」の従業員を抱えるトップ企業は8.0%(84社)と少数派だった。

 多くの業界を中小企業がけん引していることが明らかになったが、売上高規模別では、「300億円未満」の企業が46.7%(493社)を占めた。売上は中規模でも、特定の分野に強みがあって高いシェアを獲得している企業が多い。業歴別では、「1941~60年」が25.9%(273社)でトップ。ちなみに、もっとも業歴の長い業界トップ企業は、1566年(永禄9年)創業の「西川産業」(東京都・寝具類卸)だった。

 ところで、現在業界トップに君臨していても、首位から陥落してしまうことは決して珍しいことではない。10年前(2001年末時点)の業界トップ企業のなかで、2010年末もトップにランクされている企業は70.2%(741社)と全体の約7割だった。10年経つと、約3割の業界でトップ企業が入れ替わっていることが分かる。売上高を他社に抜かれてしまい、2位に陥落した企業が24.7%(261社)だった。

 代表的な事例としては、マルハンに首位の座を奪取されたパチンコホールのダイナム(東京都)、ヤマダ電機の急速な成長により売上高日本一の座を明け渡したコジマ(栃木県)、多額の有利子負債から経営再建を余儀なくされた流通大手のダイエー(東京都)、中国企業の出資を受け入れたレナウン(東京都)、ユニクロの「フリース」の大ヒットによりトップの地位を追われたしまむら(埼玉県)などが挙げられる。

 また、倒産や解散・休廃業となった企業が5.1%(54社)となった。このなかで倒産(任意整理を含む)した33社の倒産の主因をみると、「不況型倒産」は48.5%(16社)と、一般的な水準に比べて低い水準にとどまった。一方で、「放漫経営」が12.1%(4社)、その他の経営計画の失敗」が9.1%(3社)と高い割合を占めており、倒産するトップ企業は外部環境よりも内部に問題を抱えている場合が多いことがうかがえる。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110403.pdf