経済産業省の「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」(経済産業政策局長の私的勉強会)は23日、「中間論点整理」を公表し、2006年度税制改正や今後の抜本的な税制改正に向けた企業税制に関する具体的な検討課題を示した。このなかで、現行では取得価額の95%までしか償却できない減価償却制度の見直しや、来年3月末で期限切れとなる研究開発・投資促進税制の継続を要望した。
減価償却制度については、1)耐用年数経過時の残存価額を10%とするとともに、償却可能限度額を95%に設定し、100%まで償却できない、2)わが国特有の残存価額(10%)の存在などで減価償却の速度が遅い、3)法定耐用年数を詳細に規定しているなど、国際的に見て不利な面があるとしてその見直しを求めている。また、機械装置等の処分時の価値はほとんどないという実態も示している。
来年3月末で適用期限が切れる研究・IT投資税制については、これらの税制がなければ、わが国の法人所得課税負担は欧米先進諸国より高い水準となると指摘。政策税制の集中・重点化は、わが国産業の生産性向上と競争力強化に直結し、海外からの研究所などの投資を呼び込み、あわせて雇用を創出することや、国と地方の税収に対しても、実質的GDP押上げ効果に伴って増収が期待できることから、制度の延長を要望している。
そのほか、会社法現代化等に関する税制や、中小企業関連税制、地方における法人課税のあり方、企業の公的負担と経済活力について、全部で6つの具体的な検討課題を示した。中小企業関連税制では、同族会社の留保金課税制度は制度創設の趣旨からは意義が希薄化していることから、廃止を含めた抜本的見直しを求めている。経産省は、これらの「中間論点整理」で示された検討課題を可能なものから来年度税制改正で要望していく考えだ。
「中間論点整理」は↓
http://www.meti.go.jp/press/20050823001/3-zeisei-set.pdf