全国知事会や全国市長会など地方6団体は8日、新地方分権構想検討委員会を開催し、「分権型社会のビジョン(中間報告)」について審議し、地方財政改革に関する中間報告を公表した。中間報告は、地方交付税に代わる「地方共有税」や国と地方の税収比率を5対5にすること、政府と地方の代表者が国と地方の役割分担や地方税財政制度などを協議する「地方行財政会議」の設置などを提言した。
地方共有税は、国の一般会計を通さずに新設する特別会計に直接繰り入れ、現在の財源不足を解消するため、消費税や法人税など国税収入から繰り入れる割合(法定率)を引き上げる。3年から5年に一度、地方共有税の法定率を変更し、必要に応じて地方税の税率を変更する。その他の年度の財源不足は地方債や基金により調整する。現在地方の財源不足を補てんしている国の特例加算や特別会計借入れは廃止する。
また、現在、国と地方の歳出割合が4対6であるのに対し、税収は5.5対4.5と不均衡であることから、第一段階として5対5とするために、消費税の国と地方の割合を2.5対2.5とし、所得税から個人住民税所得割に3%上乗せする。さらに、地方税は地域偏在性が比較的少ない税目構成とし、地方共有税(地方交付税)の原資は地域偏在性の比較的大きな税目構成とし、地方税の充実強化による不交付団体人口の大幅増加を目指す。
分権を進めるための「地方行財政会議」は、官房長官と全国知事会長が共同議長を務め、国と地方の役割分担や国による関与・義務づけ、国庫補助負担金、地方税財政制度、地方への新たな事務または負担の義務づけとなる法令、施策などについて、政府と地方の代表者が協議を行う新たな組織を法律により設置する。政府または地方からの申し出により協議を行い、政府はその協議結果を尊重する。
地方6団体は、この中間報告を、政府が6月末に閣議決定する予定である政府の当面の経済財政政策の枠組みを示す「骨太方針2006」に反映するように求める考えだ。