税 務 関 連 情 報

2001年11月07日-001
タックス・ヘイブンでの申告漏れは件数、金額とも過去最高

 大法人の海外取引にからむ不正件数は前年度を53件(32.9%)下回る108件で、その不正脱漏所得金額も136億円(37.9%)下回る223億円だったことが、国税庁がこのほど公表した資本金1億円以上の大法人の平成12事務年度における課税事績で明らかになった。このように、海外取引に係る不正は大幅に減少した一方で、タックス・ヘイブン税制に係る申告漏れ課税対象留保金額は件数、金額ともに過去最高の数字となった。

 香港やパナマなど税負担が著しく低く海外進出企業に税制上優遇措置を与えている地域(タックス・ヘイブン)に所得を留保する租税回避行為を防ぐためのタックス・ヘイブン税制に係る状況は、申告漏れ課税対象留保金額が把握された件数は78件、その金額は104億円で、前年度をそれぞれ40件(105.3%)増、75億円(258.6%)増と大幅に上回り、件数、金額ともに過去最高の数字となっている。

 海外取引がらみの調査では、海外子会社に対し、架空の貸付債権買取契約を結び、その買取代金の支払に装ってその子会社に資金援助のための送金をしていた事例が報告されている。発端は、調査法人が海外子会社から買い取った多額の債権を短期間のうちに貸倒れ処理していたことから、海外に調査官を派遣して債権の買取の事実を確認したもの。その結果、あたかも海外子会社から貸付債権を買い取ったかのような架空の契約書を作成するとともに、貸付債権の買取代金であると仮装した上で、その子会社に資金援助のために送金していた事実やその債権が貸倒れとなったと偽って損失処理していた事実が明らかになった。

 

 

ホームへ戻る