役員報酬開示、報酬1億円以上は220社・356人
上場企業3634社のうち、2010年3月期~2011年2月期決算で1億円以上の役員報酬を開示した企業は220社、開示人数は356人だったことが、東京商工リサーチがまとめた「上場企業の役員報酬開示企業調査」で分かった。個別開示された356人のうち、提出企業だけからの役員報酬は全体の約7割にあたる254人、提出企業及び連結企業の両方から受け取っていたのは93人、連結企業だけから受け取っていたのは9人にとどまった。
356人の役員報酬総額は597億6600万円。役員報酬の主な内訳は、「基本報酬」が380億5700万円(構成比63.6%)、「退職慰労金(引当金繰入額含む)」が68億9100万円(同11.5%)、「賞与」が68億200万円(同11.3%)だった。企業別では、「ソニー」(東証一部)、「日産自動車」(同)、「野村ホールディングス」(同)の3社が各7人でもっとも多い。複数の役員報酬1億円以上は71社で、約3割にとどまった。
役員報酬の最高額は日産の「カルロス ゴーン代表取締役会長兼社長」の8億9100万円、次いで、ソニーの「ハワード・ストリンガー代表執行役会長兼社長CEO」の8億1400万円、大日本印刷の「北島義俊代表取締役社長」が日本人の最高額の7億8700万円、東北新社の「植村伴次郎取締役」の6億7500万円などで続く。外国人役員は、カルロス ゴーン氏以下29人で、報酬額合計は62億5900万円だった。
産業別では、「製造業」が95社(構成比43.1%)・165人(同46.3%)と圧倒的に多く、次いで「サービス業他(持ち株会社を含む)」が60社(同27.2%)・101人(同28.3%)、「卸売業」が19社(同8.6%)・30人(同8.4%)の順。個別開示人数を社数で割ると、建設業が1社あたり1人、もっとも開示人数・社数が多かった製造業は1.73人、サービス業他は1.68人と、ほとんどが1人台だったが、金融・保険業は2人と突出した。
役員報酬の個別開示のあった220社のうち、銀行などを除く216社の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに前期を上回った企業が53社(構成比24.5%)ともっとも多く、業績が好調な企業ほど多額の役員報酬を払っていた。しかし、ソニー、日本板硝子、新生銀行など26社は、最終赤字でも役員報酬が1億円を超えた。また、創業(家)社長は役員報酬3億円以上の24人のうち、13人を占め、高額報酬を得ている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2011/1211783_1903.html