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税務関連情報 (2006/01/23)

公的年金等控除縮小の影響で増加する還付申告者

 国民年金や厚生年金などの公的年金等を受け取ったときは雑所得として課税される。また、これらの年金はその支給の際に所定の源泉徴収が行われているが、2005年分の所得税から、2004年度税制改正で縮小された公的年金等控除額が適用されることから、源泉徴収された公的年金等受給者が増えており、今年の確定申告では、昨年6年ぶりに前年を下回った還付申告者数が再び増加に転じることが予想されている。

 2005年分以降から、公的年金等の受給額から控除される公的年金控除の最低控除額は70万円に、また、65歳以上では最低保障額50万円を加算し、120万円がとする特例措置が講じられている。この最低控除額に基礎控除38万円を加算し、65歳未満では老齢年金の受給額が108万円以上、65歳以上では158万円以上になる場合には所得税の課税対象となり、年金を受給する都度、源泉徴収されている。

 公的年金等の所得は、年末調整の対象になっていないことから、源泉徴収された税額があるときは確定申告で精算することになる。所得が公的年金等に係る雑所得のみで、医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除などを受けることができる場合は、源泉徴収票を添付し還付申告することにより税金が戻ってくる。2005年分所得税までは定率減税もまるまる適用されるので還付されるケースが多いと思われる。

 なお、社会保険庁は、「2005年分公的年金等の源泉徴収票」が今月末までに年金受給者のもとに届くよう、社会保険センターから1月12~20日までの間に順次送付したという。2005年中に、老齢または退職を事由として厚生年金保険や国民年金保険などの公的年金等を支給され、源泉徴収された者が対象となっている。