年金の二重加入等を回避する「社会保障協定」
国際間の人的移動の増加に伴い、外国に派遣される日本人及び外国から日本に派遣される外国人について、厚生労働省を中心に「社会保障協定」の締結を推進している。例えば、二重加入問題。相手国に派遣され就労している人が、派遣中でも自国の年金制度に継続して加入している場合が多く、自国の公的年金制度と相手国の公的年金制度に対して二重に保険料を支払うことを余儀なくされているといった問題に対処しようというもの。
また、日本の公的年金制度に限らず、外国の公的年金制度についても老齢年金の受給資格の一つとして一定期間の制度への加入を要求している場合がある。相手国に短期間派遣され、その期間だけ相手国の公的年金制度に加入したとしても老齢年金の受給資格要件としての一定の加入年数を満たすことができない場合が多いため、相手国で負担した保険料が掛け捨てになってしまう。
これらの問題解決のため、まず適用調整として相手国への派遣の期間が5年を超えない見込みの場合には、その期間中は相手国の法令の適用を免除し自国の法令のみを適用、5年を超える見込みの場合には、相手国の法令のみを適用する。また、両国間の年金制度への加入期間を通算し、年金受給のために最低必要とされる期間以上であれば、それぞれの国の制度への加入期間に応じた年金がそれぞれの国の制度から受けられるようにする。
現在、発効済みは次の12ヵ国。ドイツ(2000年2月)、イギリス(2001年2月)、韓国(2005年4月)、アメリカ(2005年10月)、ベルギー(2007年1月)、フランス(2007年6月)、カナダ(2008年3月)、オーストラリア(2009年1月)、オランダ(2009年3月)、チェコ(2009年6月)、スペイン(2010年12月)、アイルランド(2010年12月)。政府間で交渉中が、ハンガリー(2011年11月から)とルクセンブルク(2010年5月から)。
この件の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/shakaihoshou.html