2005年6月に環境省が先導役となって開始された「クールビズ」が3年目を迎え、実施企業が増加しているようだ。帝国データバンクが発表した「クールビズに対する企業の動向調査」結果(有効回答数9682社)によると、クールビズへの取組みをすでに「開始している」と回答した企業は41.8%だった。これは、前年同時期よりも9.5ポイント増加しており、3年目を向かえたクールビズが一層浸透していることがうかがえる。
クールビズをすでに開始している企業に加えて、現在「検討中」との企業が16.5%あり、合計すると57.9%となる。2005年は6月調査時に同40.3%で、最終的には37.1%が実施。2006年も同様に同48.7%で、最終的な実施率は48.6%だった。こうした実績に加え、環境意識の高まりを背景に初動の段階でクールビズが前年以上に浸透していることから、2007年は最終的に約6割の企業がクールビズを実施すると見込んでいる。
クールビズへの取組みを企業規模別にみると、すでに「開始している」企業の割合は、大企業が42.9%、中小企業が41.4%と、両者の差はわずか1.5ポイントだった。2006年同時期は2割近い差(19.1ポイント:大企業46.9%、中小企業27.8%)があったことを考えると、大企業と中小企業とのクールビズ実施割合の差は17.6ポイント減と大幅に縮小しており、中小企業の実施率が大きく向上したことが分かる。
なお、クールビズを環境問題への取組みの一環として「定着させるべき」と回答した企業は全体の67.4%にのぼり、クールビズに対して前向きな見解が多数を占めた。また、環境問題への取組み状況については、「積極的に取り組んでいる」との回答企業が23.5%、「積極的ではないが、取り組んでいる」が55.3%であり、環境問題への取組みを実施している企業は、前年よりも3.3ポイント増の78.9%となった。