上場会社等の株式に係る株券は、2009年6月8日までの政令で定める日(実務界では2009年1月が目標)に「社債、株式等の振替に関する法律」が施行されることに伴って、すべて電子化されることになる。金融庁では、従来から同庁ホームページ上に「株券電子化」に関する説明を掲載してきたが、より一層の周知を図るため、同ページのリニューアルを行い、特にタンス株所有者を中心に注意を呼びかけている。
株券電子化(株式のペーパレス化)とは、上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構および証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行おうとするものだ。株券電子化の実施に際して、すでに証券保管振替機構に預託されている株券については、一斉に新たな株式振替制度に移行できるため、株主が特段の手続きをとる必要はない。
現在、約8割が証券保管振替機構で取り扱われているが、問題は、株券が自宅や金庫で保管されているいわゆる“タンス株”。株券電子化が実施されると株券は無効となり、タンス株は、株主名簿上の名義で、発行会社により設定される「特別口座」において株式が管理される。この場合、株券電子化が実施される日までに株券を所有者本人の名義に書き換えておかないと、本人以外の名義の特別口座で管理されることになる。
特別口座で管理される株式の名義を本人名義に書き換えるには煩雑な手続きが必要となり、また、名義上の株主が勝手に株式を売却してしまうことなどにより、株主としての権利を失うおそれもある。このため、金融庁では、タンス株所有者に対し、できるだけ早めに、証券会社等を通じて証券保管振替機構に預託するか、株券の名義を本人名義に書き換えておくことを勧めている。
株券電子化についてのQ&Aは↓
http://www.fsa.go.jp/ordinary/kabuken/index.html