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研究開発促進税制は法人税額の最大30%まで控除

税務関連情報 - 2008年02月22日

 研究開発投資促進税制の現行制度は、試験研究費の総額に係る税額控除制度(恒久措置)と試験研究費の増加額に係る税額控除制度(2008年3月末まで)を合わせて、最大13%~15%の税額控除(税額控除上限は総額型と増加型の合計で法人税額の20%)となっている。2008年度税制改正では、その研究開発促進税制が拡充され、税額控除上限が現行の法人税額の20%から30%までと、大幅に引き上げられる。

 研究開発費を増加させる企業や研究開発比率の高い企業を優遇し、改正案では、恒久措置の総額型と別枠で、2010年3月末までの時限措置として、(1)試験研究費の増加額の5%を税額控除、(2)売上高の10%を超える試験研究費に係る税額控除(高水準型)のどちらかを選択適用できる制度を設ける。高水準型は、「(試験研究費-売上高×10%)×税額控除割合」を税額控除する。税額控除割合は、「(試験研究費割合-10%)×0.2」。

 恒久措置の総額型は、試験研究費総額の8%~10%(中小企業は12%)を法人税額の20%を上限に税額控除する。総額型と別枠で選択適用できる2つの措置の税額控除上限は、ともに法人税額の10%。この結果、税額控除上限は、合計で法人税額の最大30%まで拡充される。民間研究開発投資額は、米国には遠く及ばず、中国の猛追を受けている状況だが、同税制の抜本拡充によりわが国民間研究開発のさらなる加速が期待される。

 経済産業省では、研究開発促進税制の拡充による減収額は3年間(2008~2010年)の累計で約1.9兆円だが、同税制の拡充により押し上げられる研究開発投資は、減収額の約1.2倍の約2.3兆円と推計され、10年間累計では約9.1兆円(減収額の約4.8倍)の実質GDP押上げ効果が見込まれるとの試算を示している。また、税収弾性値を用いた推計では、3年分の減収額が6年で回収されるとみている。