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経営関連情報 (2005/05/02)

新入社員の「理想」と「現実」~能率協会

 日本能率協会が2005年度の新入社員に対して実施した「会社や社会に対する意識調査」結果(有効回答数916人)によると、今年度の新入社員は自分の弱み(3つまで選択)として、「語学力」(35%)、「決断力」(31%)、「リーダーシップ」(24%)、「パソコン関連知識」(20%)などを上位に挙げた。これらの項目は、今後伸ばしたい項目でも同様に上位に挙がっている。

 将来担いたい役割(理想)は、「専門能力を発揮して仕事をしたい」(48%)、「バイタリティあるマネージャーとして仕事をしたい」(18%)が全体のなかで大きな割合を占め、「指示された仕事をこなすサラリーマン」は6%と低い割合だった。しかし、将来担っていると思われる役割(現実)では、「専門能力を発揮して…」(36%)は12ポイント低下し、「指示された仕事をこなす…」(27%)が21ポイント上昇する結果となった。

 会社に期待すること(3つまで選択)では、「職場の人間関係がよい」(45%)がもっとも高く、次いで「人間的に成長できる」(40%)、「社員を大切にしてくれる」(35%)が続いた。社会人生活を送るうえで、コミュニケーションの重要性を認識している人が多いようだが、一方で、できればやりたくない会社の慣習・風習(自由記述)では、「飲み会・一発芸・お花見」(31%)という意見がもっとも多い。

 そのなかには「お酒やカラオケ、一発芸、お花見の場所取りの強要」のように、強制されるものに嫌悪感を抱く傾向がみられる。慣習・風習という理由だけで強いられるコミュニケーションの形態は避けたいという意識がうかがえる。やりたくない会社の慣習・風習では、お茶くみや雑用、飲み会でのお酌など「女性のみに強要される行為」(15%)も上位に挙げられている。

 なお、上司から良心に反する仕事を指示されたときの対処では、「行う」(16%)と「おそらく行う」(49%)を合わせると65%という結果となり、「(おそらく)行わない」を大幅に上回った。また、就職活動に臨んだ気持ちでは、「気に入った会社や仕事よりも、就職することを最優先に考えた」が70%に達し、昨年度と比べて約6ポイント上昇した。「やりたい仕事」以前の段階として、「まず就職」という意識が根付いているようだ。