所得税法等の一部改正案及び地方税法の一部改正案はともに3月23日、参院本会議で原案どおり賛成多数で可決・成立した。所得税法や法人税法、相続税法、租税特別措置法など2007年度の国税関係の改正を一本にまとめた同法案は3月6日に衆院を通過、9日に参院財政金融委員会に付託され、15日・20日・22日と審議を行い、22日の質疑後に委員会採決し可決、23日に本会議に上程された。施行は4月1日から。
主な改正項目は、1)特定同族会社の留保金課税の対象から中小法人を除外、2)特定同族株式等に係る相続時清算課税制度の特例の創設、3)バリアフリー改修促進税制の創設、4)会社法、新信託法に対応した組織再編税制、信託税制の改正、5)個人の電子申告に係る所得税額控除の創設、6)上場株式等の配当等及び譲渡所得等に対する税率の特例の延長、7)企業の子育て支援に係る特例の創設などがある。
2007年度税制改正の柱となっている減価償却制度の抜本的見直しは、賃貸借取引から売買取引へと変更されるリース税制や電子申告の場合の第三者作成書類の添付省略などとともに、政令事項となっているので、その詳細は、法律とともに公布される政省令によって明らかになる。これらの改正事項は、通常は3月31日付の官報に掲載されるが、同日が土曜日なので4月2日付の官報に掲載されるものと思われる。
一方、地方税関連の改正項目としては、1)上場株式等の配当・譲渡益に対する都道府県民税配当割、株式等譲渡所得割の軽減税率の1年間延長、2)高齢者・障害者が居住する既存住宅のバリアフリー改修に係る固定資産税の特例措置の創設、3)低公害車に係る自動車取得税の特例措置の見直しと延長、4)鉄軌道用地に対する固定資産税の評価方法の見直しなどが盛り込まれている。