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「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」開始

経営関連情報 - 2011年08月26日

 政府が公表した「二重債務問題への対応方針」を受け、東日本大震災の影響で債務の返済ができなくなった個人または近い将来返済できなくなることが確実な個人を救済する「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」が7月15日に策定・公表され、8月22日にスタートした。これにより、金融機関と既存の借入れについて弁済方法の変更や債務の減免等を相談でき、法的倒産手続きによる不利益を回避できる。

 「ガイドライン」の対象者はあくまで「個人」。主な対象要件は、(1)住宅ローン・事業性ローン等を借り入れている個人、(2)住居・勤務先、事業所・取引先等の生活・事業基盤などが、東日本大震災の影響を受けたこと、(3)既存の借入れが弁済できない、または近い将来弁済できないことが確実と見込まれること(自己破産などの法的手続きに入ることが見込まれること)など。

 例えば、勤務先が被災し、収入が途絶え、新しい収入見通しも立たない場合や、あるいは収入はあるが、減少し、債務全般の返済ができなくなった場合、などが考えられる。このようなとき、自己破産などの法的手続きをとった場合には、一定の資格制限や個人信用情報の登録などが行われるが、同ガイドラインを利用して債務整理を行えばこのような不利益を回避できることになる。

 ガイドライン利用者は、取引金融機関等と事前の相談・協議をし、「債務整理の申出・必要書類の提出」、「弁済計画案・確認報告書の提出」などのやり取りを通じて弁済計画を決めるが、両者の間に登録専門家(弁護士、税理士、公認会計士等)と第三者機関(運営委員会)が介在し、利用者個人は、登録専門家の支援を受けることも可能となっている。詳しくは、一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委員会へ相談を。

 この件の詳細は↓
 http://www.kgl.or.jp/guideline/pdf/leaflets.pdf