商工中金が9月28日に発表した中小企業月次景況観測9月調査結果(調査対象1000社)によると、9月の景況判断指数は50.4と前月比2.1ポイントの上昇となり、「好転」、「悪化」の分岐点である50を14ヵ月ぶりに上回った。業種別にみると、製造業は50.9、非製造業は49.9と、ともに2.1ポイント上昇。10月は全産業で50.5と上昇を見込み、うち製造業は50.8と低下を、非製造業は50.3と上昇を見込んでいる。
6ヵ月ぶりに50を上回った製造業では、繊維、木材・木製品、金属製品で悪化度合いが強まり、印刷、電気機械、輸送用機械で悪化から好転に転じ、化学は横ばい、鉄鋼、一般機械では好転度合いが強まった。一方、16ヵ月連続で50を下回った非製造業では、建設、小売は悪化度合いが弱まり、卸売、不動産では悪化から不変、また、トラック運送、サービスで悪化から好転に転じた。
8月の売上高(前年同月比増加率、建設・不動産を除く900社)は+4.3%と27ヵ月連続で増加となった。先行きについては、9月が+3.7%、10月が+3.1%と、ともに増加を見込んでいる。業種別にみると、製造業は+5.2%と前月の▲0.8%から増加に転じた。9月は+3.9%、10月は+3.3%と、ともに増加を見込む。一方、非製造業は+3.4%と5ヵ月連続で増加。9月は+3.6%、10月は+3.0%と、ともに増加を見込んでいる。
そのほか、業況判断においては、9月の販売価格DI(前月比、「上昇」-「下落」)は▲2.7となり、前月より「下落」超幅が0.4ポイント拡大した。化学、鉄鋼、輸送用機械、卸売、小売で「上昇」超となったが、その他は「下落」超。10月予測は▲0.7となる見込み。また、仕入価格DI(〃)は+14.8となり、「上昇」超幅が2ポイント拡大。全業種で「上昇」超となった。10月予測は+15.0となる見込み。