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震災の影響で5割近い企業が売上高減少~商工中金

経営関連情報 - 2011年10月26日

 商工中金がまとめた「震災後の中小企業の経営に関する調査」結果(有効回答数4569社)によると、東日本大震災の売上高への影響は、「減少した」が34.3%、「一旦減少後、現在は震災前の水準に」(13.2%)を含めると5割近い企業が売上の減少を経験した。「震災の影響は軽微で変化は小さい」は約4割。一方、売上高が増加した企業は、「増加した」、「一旦増加後、現在は震災前の水準に」を合わせても約1割にとどまった。

 東日本大震災の経常利益への影響についてみると、「減少した」が35.9%と約3分の1を占め、「一旦減少後、現在は震災前の水準に」(10.1%)を含めると5割近い企業が売上の減少を経験した。「震災の影響は軽微で変化は小さい」は44.0%。売上高が増加した企業は、「増加した」が5.8%で「一旦増加後、現在は震災前の水準に」4.3%を合わせても1割をわずかに上回る水準。製造、非製造業別にみてもほぼ同様の結果となっている。

 仕入価格への影響は、「上昇した」が26.7%を占め、「下落した」の2.4%を大きく上回っている。一時的な影響については、「一旦上昇後、現在は震災前の水準に」が6.5%。「一旦下落後、現在は震災前の水準に」は1.6%にとどまった。「震災の影響は軽微で変化は小さい」は62.9%。また、販売価格への影響は、「震災の影響は軽微で変化は小さい」が76.1%を占め、価格変動の動きは限定的だった。

 震災の経験を踏まえた今後の経営方針についてみると、エネルギー対応としての「通常業務における使用電力節減の推進」が80.3%で群を抜いて割合が多い。仕入対応では「継続的仕入先を増やし、調達リスクの軽減を図る」が37.2%で最多。「国内仕入先を分散し、調達リスクの軽減を図る」は25.9%、「海外仕入先を増やし、調達リスクの軽減を図る」は7.4%で、仕入先数の拡大より継続的仕入取引の強化が意識されているようだ。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.shokochukin.co.jp/report/doko/pdf/report_shinsaigo.pdf