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経営関連情報 (2004/09/06)

安定志向が強まる今年の新入社員~産能大調査

 産業能率大学が発表した「2004年度新入社員の会社生活調査」結果(有効回答数502人)によると、起業などの独立志向が薄れ、代わって管理職志向が高まり、そのため、人事処遇制度についても安定志向が強まっている。将来の進路として、「起業・独立」が過去最低となる一方で、「管理職を志向」が過去最高となった。目標とする地位についても、「関心がない」という回答が過去最低となるなど、出世意欲の高まりが顕著になっている。

 人事処遇制度では、「年功序列制度」を「望む」との回答が昨年から10ポイント増加して42%となり、過去10年間で2番目に高い数値となった。また、「終身雇用制度」についても「望む」が同9ポイント上昇して61%となり、こちらも過去10年間で2番目に高い数値となった。逆に成果主義の色濃い「年俸制度」については、「望まない」との回答が7ポイント増加して54%となり、過去10年間で最大値を示した。

 今年の新入社員の就職活動については、「大変だった」との感想が昨年より8ポイント増えて全体で64%となった。ただ、就職活動の結果については、「大変満足」が46%で、「やや満足」の45%と合わせると9割以上が満足している。就職先を選ぶ際の重視項目(複数回答)は、「仕事内容」(79%)と「業種」(73%)が抜きん出ており、3位の「企業風土」(38%)を大きく引き離している。

 また、初任給については、「十分満足」と「まあ満足」がともに24%で、合わせてほぼ半数が満足していると回答。残りは「妥当な金額」が39%で、「やや不満」と「大きく不満」は合わせて18%にとどまった。一方、今後の自分の給料がどうなっていくかについては、「下がることはないが、確実に上昇するとは限らない」が6割を占め、楽観視していない様子がうかがえる。