公正取引委員会が大規模小売業者と取引がある納入業者を対象に昨年6~11月にかけて実施した実態調査結果(有効回答数1558社)によると、納入業者が、大規模小売業者から不当な行為や要請を「受けたことがある」とする回答の多い行為類型は、「不当な経済上の利益の提供要請」が14.7%でトップ、次いで「不当な返品」(14.4%)、「不当な従業員等の派遣要請」(11.8%)、「不当な値引き要請」(11.7%)などだった。
2005年2月に公表した前回調査と比べると、「不当な経済上の利益の提供要請」は25.6ポイント減、「不当な返品」は31.3ポイント減、「不当な従業員等の派遣要請」は23.0ポイント減と、それぞれ3分の1程度まで減少している。公取委では、2005年に制定された「大規模小売業者による納入業者との取引における不公正な取引方法」(「大規模小売業告示」)などの取組みが一定の効果をもたらしたとみている。
納入業者が、不当な行為や要請を「受けたことがある」とする回答の多い取引先大規模小売業者の業態をみると、「ホームセンター」(14.3%)、「ドラッグストア」(12.8%)、「食品スーパー」(12.4%)、「ディスカウントストアー」(10.6%)、「専門量販店」(9.7%)、「総合スーパー」(9.0%)の順に多く、比較的低価格販売を志向する業態の大規模小売業者において、納入業者に対する不当な行為や要請が多いという傾向がうかがえる。
不当な経済上の利益提供要請を受けたことがあるとする納入業者が挙げるその内容としては、「店舗の新規・改装オープンに際し、事前に協賛金の負担額、算出根拠、目的などについて明確にすることなく、協賛金の要請をしてきた」とする回答が44.5%、また、不当な返品の内容としては、「店舗または売り場の改装や模様替えに伴い不要となった商品を返品してきた」とする回答が58.5%と、それぞれもっとも多い。
同実態調査結果の概要は↓
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/06.december/06122604.pdf