2003年07月02日-002
宝塚記念で約2億円を稼いだ勝負師の税金は……
先週の日曜日(6月29日)に阪神競馬場で行われた宝塚記念で優勝したヒシミラクルの単勝馬券を1220万円余的中させ、1億9900万円を超える払戻金を手にした勝負師がいたことが分かって話題となっている。ヒシミラクルは17頭中の6番人気で単勝オッズは16.3倍だった。単勝馬券に1220万円余を賭けた勝負度胸には驚かされる。「羨ましいが、そんな度胸はないな」というのが大方の感想だろう。
ところで気になるのは儲けた約2億円にかかる税金である。懸賞や福引の賞金品や競馬や競輪の払戻金は一時所得の対象となる。一時所得の金額は「収入金額-収入を得るために支出した費用-特別控除額」で計算する。そして、その2分の1が他の所得と合算されて課税される。特別控除額は50万円だが、収入金額から費用を差し引いた残額が50万円より少ない場合はその金額となる。
ではくだんの勝負師の場合はどうなるのか。正確な数字は不明なので概算だが、「(1億9900万円-1220万円-50万円)×1/2」で9315万円が課税対象となる。最高税率の37%だから税金は3000万円を超える。例え年間ではもっと負けていると言い張っても、一レースで課税対象が20万円を超えれば申告が必要なのである。税法はそのようにできているのだ。
だが、馬券の払戻金は源泉徴収義務がないので支払調書は発行しないし、「どんな高額でも現金で支払います」(日本中央競馬会広報)ということなので、本人が申告しない限りは分からない。「馬券で儲けても実際に申告して税金を支払う人はほとんどいない」(国税当局関係者)だろう。税務署も把握のしようがないのである。唯一、申告したと思われるのは、元日本テレビアナの徳光和夫氏ぐらいか。
徳光さんは、1997年に船橋競馬のレースで連複20万円の超大穴を的中させ1000万円を手にしたが、それがマスコミの知るところとなり新聞記事などで周知の事実となってしまった。あの状況では申告をせざるを得まい。今回は、徳光さんの1000万円どころか2億円という儲けである。税務署も課税したいだろうが、ご本人が申告しなければ手の打ちようがないということなのだ。
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