経 営 関 連 情 報 |
2002年11月01日-001
最低資本金規制の撤廃など中小企業挑戦支援法を国会提出
開業率(約4%)が廃業率(約6%)を下回るなどいまだ厳しい状況にあるわが国経済にとって、創業・起業、新事業などの新たな事業活動を行おうとする中小企業者が増加することは明るい兆しだ。中小企業庁はこのほど、中小企業者の創業や新事業への挑戦をしやすくするために、最低資本金規制を5年間適用しない特例などを盛り込んだ中小企業挑戦支援法を10月25日に閣議決定し、国会に提出したことを明らかにした。
現在会社を設立するためには、株式会社1,000万円、有限会社300万円という最低資本金規制がある。この制度は、中小企業の経営体質を強化して従業員や取引先を保護する目的で設けられたものだが、導入当時の平成3年とは違って、現在はデフレの進行等により、資本金規制が創業にはかなり重荷となっている面がある。また、IT分野の企業では多額の設備投資を必要としないケースも増えている。
特例は、新事業創出促進法の改正で手当てされ、新たに創業する者については、最低資本金規制の適用を受けない会社設立を認め、設立後5年間はその規制を適用しないこととされる。つまり、形式的には1円の資本金で会社設立ができるわけだ。同時に、資本金の払込取扱機関の保管証明を受ける義務などをなくすなど設立手続きも簡素化する。特例の適用受けるためには、経済産業大臣(地方経済産業局)の確認を得る必要がある。
特例を受けた会社は、毎年度決算後3ヵ月以内に貸借対照表等を提出して財務状況を開示する義務、また、純資産額から1,000万円を控除した額を限度にしか配当できないという制限もある。さらに、設立後5年経っても1,000万円または300万円の資本を満たせないと、解散しなければならないことになる。資本金という最大の重石が外れたことで、アイディアだけで勝負するサラリーマンや主婦などの起業が増加しそうである。
【ホームへ戻る】