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経営関連情報 (2007/06/22)

ブランド力の発揮が活性化のカギとなる北海道経済

 恵まれた自然環境や食材があり、地域資源の宝庫となっている北海道について、そのブランド力の高さを検証し、ブランド力の発揮が北海道経済活性化のカギとなると指摘するのは内閣府のレポートだ。レポートは、民間機関(日経リサーチ)によるブランド力調査を紹介し、訪問意向や購入意向の個別の評価指標だけでなく、総合評価でもトップとなっており、北海道は高いブランド力を持っていることを確認している。

 この結果と呼応するように、国土交通省の「宿泊旅行統計」によると、夏の観光目的の県別宿泊者数は、北海道がトップである。都市別にみると、近年は旭川市の増加が目立っているが、この背景には、動物の飼育・展示方法に新たな工夫を行った旭山動物園の入園者増が寄与しているとみている。旭山動物園は、北海道に新たな魅力を創出したといえる。さらに、来年度開催される洞爺湖サミットに伴う観光客増加への期待もある。

 次に、購入意向のブランド力を検証するため、全国百貨店で開催された物産展をみると、北海道物産展の開催件数がトップだ。百貨店のヒアリングでは、他地域の物産展に比べ、北海道物産展を開催すると収益が上がるという声も聞かれたという。特に、定番土産商品、乳製品を利用したスイーツ、海鮮珍味など、北海道産の豊富な食材を活かした商品が、20代のOLから50代の男性まで幅広い客層に受け入れられている。

 北海道の物産は、すでに全国的なブランド力があるが、さらにブランド力を高めようという動きもみられる。2007年6月までに、北海道の地域団体商標として登録されたものは7件ある。レポートは、こうした、観光等のサービス、各種商品について全国的に高いブランド力を持つ北海道の特色を活かし、消費者を満足させる努力を継続していくことが、その魅力を一層高め、ひいては活性化のカギとなっていくとの期待を示している。