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07年度農業景況DIは調査開始以来最低値を記録

経営関連情報 - 2008年08月11日

 農林漁業金融公庫が発表した「2007年度農業景況調査」結果(有効回答数:スーパーL資金融資先6475先)によると、2007年実績の景況DI(「良化」-「悪化」)は、全体では▲18.0と、前年度より12.1ポイント低下した。これは、1998年度の同調査開始以来もっとも低い値となった。なお、スーパーL資金は、農業経営改善計画に即して規模拡大その他の経営発展を図るために融資する長期低利の農業経営基盤強化資金のこと。

 景況DIの内訳をみると、耕種部門は3年連続マイナスで▲16.2、畜産部門も2年連続マイナスで▲22.3と、いずれも前年度(耕種部門▲6.7、畜産部門▲4.0)よりマイナス幅が拡大した。原油や穀物価格の高騰による生産コスト増が影響を与えているとみられている。2008年度見通しDIも、全体で▲18.1となり、前年度(▲5.9)と比較して12.2ポイントの大幅低下となっている。

 耕種の景況DIは、「路地野菜」が前年度の7.7から▲3.1へ、「果樹」が同8.6から▲4.9とともにマイナスに転じた。見通しDIは、「果樹」(24.4)、「きのこ」(16.1)で明るい見通し。一方、畜産の景況DIは、主要部門のすべてでプラスとなった一昨年度から、「酪農」がマイナスに転じた昨年度、そして今年度は「養豚」(16.9)のみでプラスを維持する結果となった。見通しDIも「養豚」(2.8)のみがプラスとなっている。

 2007年度の景況DIは総じて低下したが、2008年度においても飼料・燃油・肥料などの価格高騰で農業の経営環境は厳しさを増している。ただ、今年5月に行った同公庫の消費者調査では、安全・安心への関心の高まりから農産物の国産志向が高まっている。国内生産農家としては、生産コスト削減に対する取組みを強めると同時に、高まる国産志向を追い風にコスト高を適正に価格転嫁できるかどうかが重要となっているようだ。

 同景況調査結果の詳細は↓
 http://www.afc.go.jp/information/investigate/market/pdf/h19-SL.pdf