経 営 関 連 情 報

2003年06月13日-004
優れた経営者は「調整力」よりも「判断・実行力」

 日本経済は長期的な不況下にあるが、そのなかでも高い業績を達成している企業もある。また、同じ業界における似たような競争条件下においても他よりも優れた業績の企業が存在する。これには色々な要因があるだろうが、そのひとつに企業の経営能力があると考えられる。経済産業省は9日、「日本企業の経営能力に関する調査研究」報告書を公表した。東証一部上場企業の経営者などを対象に、「優れた経営者・経営」とはいかなるものかを調査分析したものだ。

 報告書によると、後継者に求められる資質・能力としては、「判断力」や「実行力」「戦略策定能力」「リスク対応能力」を挙げる経営者が多く、一方、「上司との円滑な関係」「協調性」「人脈構築力」などを挙げる経営者は少ない。変化のスピードが速い現代においては、社内調整にのみ長けた調整型リーダーではなく、複雑な環境下においてリスク・リターンについての冷静な判断が下せ、かつ社内の抵抗を排してでも実行に移せるリーダーが求められている。

 また、「優れた経営者」は、通常の業務や管理職経験だけでなく、現場から本社への異動、海外勤務や新規事業の立上げなど様々な経験により、問題解決や経営管理能力、改革への対処能力、価値観・行動規範などを身に付けている。このような「優れた経営者」になり得る人材は本来的には希少であり、経営人材を早期に選抜し、能力を発揮し得る環境を系統的に提供して戦力的に経営者を育てていくべきだと指摘している。

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