社宅を廃止する企業が増えているが、人事院が昨年10月1日現在で実施した2003年民間企業の勤務条件制度等調査結果(有効回答数2593社)によると、「世帯用社宅あり」とする企業割合は42.1%だった。これらの企業のうち、「自社保有社宅」が45.3%、「借上げ社宅」が54.9%となっている。同調査は、国家公務員の勤務条件などを検討するための基礎資料を得る目的で実施しているもの。
世帯用社宅の平均月額使用料は、占有面積別のすべてにおいて「借上げ住宅」が「自社保有社宅」を上回っている。「自社保有社宅」と「借上げ社宅」の平均月額使用料はそれぞれ、「55平方メートル未満」が1万4353円と2万1096円、「55~65平方メートル未満」が1万8463円と2万4067円、「65~80平方メートル未満」が2万833円と2万5791円、「80平方メートル以上」が2万6215円と2万9932円となっている。
一方、労働時間について、多様な勤務形態を導入している企業割合を職種別にみると、フレックスタイム制は「事務・管理」14.5%、「研究」27.3%など、専門業務型裁量労働制は「研究」8.1%など、企画業務型裁量労働制は「事務・管理」2.8%、「研究」2.7%など、短時間勤務制は「事務・管理」5.2%、「研究」2.3%などとなっている。どの勤務形態も導入割合はあまり高くない。
育児や介護を行う従業員、健康面で不安のある従業員などに対する労働時間からの支援策については、事由別には、「育児・介護を行う従業員」への支援策を行っている企業割合が高く、そのなかでも「始業・終業時刻の繰上・繰下」を行っている企業割合が50.1%、「所定労働時間の部分的休業等」が32.8%と高くなっている。そのほか、長期勤続(リフレッシュ)休暇制度がある企業割合は30.3%で、勤続20年、30年でそれぞれ6割以上の企業が付与している。