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経営関連情報 (2005/08/22)

負債1千万円未満の倒産は毎月20~30件で推移

 企業倒産は長らく減少傾向にあったが、ここにきて底打ちの兆しをみせているとの見方が強い。また、中小・零細企業の倒産がふえていることが最近の特徴だ。ところで、帝国データバンクや東京商工リサーチなど民間調査機関による全国企業倒産の調査データは、負債額1千万円以上のものが集計されるが、負債額1千万円未満の企業倒産については、その実態があまり明らかにされていない。

 そこで紹介したいのは中小企業基盤整備機構が発表する企業倒産調査月報である。負債額1千万円未満の企業倒産状況を、東京商工リサーチに調査委託して、掲載している。このほど公表した6月の企業倒産動向によると、負債額1千万円未満の倒産は22件で、前年同月(13件)に比べ69.2%増となり、3ヵ月ぶりに前年同月比がプラスとなった。負債総額は前年同月比48.5%増の1億100万円だった。

 6月の負債額1千万円未満の倒産は件数・負債額ともに前年同月を大きく上回ったが、これはそもそも倒産件数自体が少ないうえ、たまたま昨年6月が少なかったことから大きな数字となったものとみられる。今年にはいってからは、1月30件、2月27件、3月37件、4月23件、5月18件、そして6月が22件と、20~30件前後のペースで推移している。負債総額も1億円前後のペースである。

 6月の倒産件数22件を業種別にみると、「サービス業」が6件でもっとも多く、次いで「建設業」が5件、「卸売業」と「飲食業」がともに3件でつづいている。サービス業のなかでは「企業間連」の4件が目立つ。また、倒産原因別では「販売不振」が19件で倒産件数全体の86%、従業員規模別では「4人以下」が20件で同90%をそれぞれ占めている。資本金規模別では、22件のすべてが「1千万円未満」の区分だった。

 6月の企業倒産調査月報は↓
 http://www.smrj.go.jp/keiei/dbps_data/_material_/chushou/b_keiei/keieichosa/pdf/geppou200506.pdf