ゼイタックス

税務関連情報 (2005/12/23)

相続税調査で4000億円超の申告漏れ課税価格把握

 国税庁が19日に発表した2004事務年度分の相続税調査事績によると、今年6月までの1年間に2002年分及び2003年分の申告事案を中心に1万3760件の調査を実施した結果、うち86.4%にあたる1万1895件から総額4003億円の申告漏れ課税価格を把握した。前年度に比べ、調査件数は7.6%増え、申告漏れ件数も6.1%増、申告漏れ課税価格も3.7%増となったが、1件あたりの申告漏れ課税価格では2.3%減の3365万円となった。

 申告漏れ税額は799億円(対前年度比4.9%減)、申告漏れ1件あたりでは672万円(同10.3%減)となる。また、仮装・隠ぺいなど意図的な不正を行ったとして重加算税を賦課された件数は、申告漏れ件数の14.2%にあたる1690件(同10.8%減)で、その不正申告漏れ課税価格は608億円(同9.5%減)にのぼった。

 調査に基づく申告漏れ相続財産額の構成比は、「現金・預貯金等」が37.6%(1483億円)を占めてもっとも高く、貸付金や生命保険金などの「その他」が24.2%(954億円)、「土地」が20.6%(815億円)、「有価証券」が15.8%(625億円)の順となっている。申告漏れの手口としては、多額の現金や公社債を自宅などに隠していたケースや、預貯金が家族名義だったことから申告除外するケースが相変わらず目立つという。

 例えば、開業医だった被相続人の財産を相続したケースでは、被相続人の生前の収入に比べ申告財産が少ないことが想定されて調査対象となった。自宅に赴き預貯金証書などの確認調査が行われた結果、多額の公表外金融機関の預貯金が申告漏れとなっていることが判明。相続人は、これら預貯金の証書とともに現金、地金、株券を自宅仏間に隠していた。申告漏れ課税価格5億2600万円に対し1億5800万円の税額が追徴されている。