2003年09月05日-003
物的担保に過度に依存しない融資望む企業が7割
リレーションシップバンキングという言葉をご存知だろうか。これは、顧客との間で親密な関係を長く維持することで顧客に関する情報を蓄え、これを基に貸出などの金融サービスの提供を行うことで展開するビジネスモデルである。わが国では、地方銀行や信用金庫、信用組合などが該当する。政府は、この機能強化が重要課題だとして、金融機関に対し、従来からの資金供給機能に加え、起業・事業再生・経営相談などへの積極的な取組みを求めている。
このリレーションバンキングに対し、主要な借り手である中小企業のニーズを探った東京商工会議所の調査(回答企業163社)結果によると、中小企業が地銀・信金・信組に求める資金供給機能の内容(複数回答)としては、「物的担保(不動産)に過度に依存しない融資」が71.2%で最も多かった。次いで「連帯保証人に過度に依存しない融資」(66.9%)、「商品・サービス・技術などの企業の事業性のみを基にした融資」(58.3%)などが続く。
このように、物的担保や保証に過度に依存しない融資を望む声が多かったほか、「信用保証協会の保証付きでないプロパー融資」との回答も57.7%に上るなど、独自の与信による融資の充実を求める声も多い。また、資金供給以外の機能では、「事業の市場性・技術力等の適正評価」(37.4%)、「企業間のビジネスマッチング」(33.7%)、「早期事業再生への支援」(32.5%)、「各種の情報提供」(31.3%)、「大学等との産学連携のマッチング」(28.2%)などが上位を占めた。
【ホームへ戻る】
|