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申告期限後の還付申告は住民税の負担増に注意!

税務関連情報 - 2008年03月10日

 2007年分所得税の確定申告期限は今月17日までと、あと1週間に迫ったが、このところの確定申告では、還付申告者数が8年連続で過去最高の数字を更新しており、昨年は1225万3千人にのぼった。その還付申告は、通常の確定申告と違い、期限後に申告を行っても、無申告加算税などのペナルティが課されることはない。また、還付申告は、翌年の1月1日から5年間申告できることになっている。

 したがって、過年分も含めて期限後に還付申告を行っても特に問題はないが、還付申告はあくまで所得税に限った話である。住民税に関していえば、医療費控除のように、住民税でも所得金額から同様に控除され、減少する場合も確かにある。過年分を申告した場合は、その年分の住民税から一括で減額されるので大歓迎だろう。しかし、なかには“寝耳に水”の負担増となるケースも出てくるので注意したい。

 例えば、サラリーマンが本来申告義務のない20万円以下の副業収入を原稿料などで得た場合に、その副業所得について還付申告を行うケースだ。所得税の場合は、原稿料については支払い時に原則10%の税率で源泉徴収されているが、原稿料には経費が認められることから還付されることが多い。また、少額配当以外の配当所得についても、20%の税率で源泉徴収されているため、配当控除を行うことで還付となるケースが多い。

 ところが、住民税には源泉徴収されて事前に納付している税額は一切ないため、所得税の還付申告を行った時点で、配当や原稿料に相当する所得がそのまま住民税の課税所得に取り込まれることになる。特に、所得税を過年分も含めて期限後申告した場合には、住民税が一気に増加することもある。住民税まで考慮して所得税の還付申告を行う人は少ないだろうが、“寝耳に水”の思わぬ負担増とならないように気をつけたいものだ。