2005年6月に成立した会社法において導入された会計参与制度は、取締役・執行役と共同して計算書類を作成することを義務とするもの。中小企業庁が今年2月後半に実施した「2007年度中小企業経営者の会計に関する実態調査」結果(有効回答数4569社)によると、「すでに導入」している企業は前年度調査から5ポイント増えたが、いまだ8.5%に過ぎない。「今後導入する予定」が2.3%、「周囲の状況をみて考える」が12.8%。
会計参与を設置した(予定含む)理由(複数回答)としては、「金融機関等に対する全般的な信用力を高めたい」との回答が36.2%、「取引先企業の信頼を得たい」が16.9%だが、「顧問公認会計士・税理士からの要望」との回答は前年度から20.5ポイント減の11.2%と大幅に減少した。また、導入を考えていない理由(複数回答)は、「現状に問題がない」が52.7%、次いで「設置による効果が予想しにくい」が36.2%となっている。
一方、「税理士意識アンケート」結果(有効回答数501人)によると、会計参与への就任状況は、「すでに就任」が4.0%、「今後就任予定」が2.6%だが、「相談・依頼はないが、あれば就任」とする回答が25.5%あった。反面、「相談・依頼はあるが、就任しない」が3.8%、「相談・依頼はないが、あっても就任しない」が25.9%あった。会計参与に就任しない理由(複数回答)は、「リスクが大きすぎる」との回答が77.9%と圧倒的に多い。
なお、会計参与を依頼している会計専門家については、「税理士」が73.0%と圧倒的に多く、次いで「公認会計士」が15.5%、「税理士法人」が9.4%となっている。また、会計参与制度を利用する際に要した費用については、「50万円未満」が41.6%、「50万円以上100万円未満」が31.2%と、100万円未満が7割強を占めている。従業員数別に分析すると、従業員数が多くなるほど、会計参与制度の導入費用が多くなる傾向にある。