ゼイタックス

税務関連情報 (2005/08/08)

18年ぶりに1兆円を下回った新規滞納発生額

 忍び寄る増税路線の一要因にはいうまでもなく赤字財政の再建があるが、そのような状況下、国税滞納の未然防止・整理は税務行政の最重要課題のひとつである。国税庁が4日に公表した2004年度租税滞納状況によると、今年3月までの1年間に発生した新規滞納額は前年度から12.3%(363億円)減の8995億円となって6年連続の減少となった。新規発生滞納額が1兆円を下回ったのは、1986年度以来18年ぶり。

 また、滞納を整理した額は1兆550億円で、前年度に比べ15.9%(1999億円)減少したものの、新規発生滞納額を大幅に上回ったことから、年度末である3月末現在の滞納残高は、前年度に比べ7.7%(1555億円)減となった。滞納残高は、6年連続で減少した結果、2004年度は1991年度以来13年ぶりに2兆円を下回り、ピークの2000年度(2兆8149億円)の約66%まで減少している。

 また、滞納全体の半数近くを占める消費税は、新規滞納発生額が4075億円、前年度比13.9%(660億円)減、滞納整理済額が4486億円、同14.1%(736億円)減、滞納残高が4885億円、同7.8%(411億円)減となった。消費税の滞納残高は、制度が導入された1989年以降、2000年度に初めて前年度から0.4%(24億円)減少してから5年連続で前年度を下回って推移している。

 滞納への取組みが順調に進んでいる背景には、1)消費税事案の優先処理、2)大口・悪質事案に対する国税局特捜部による捜索・差押さえを中心とした厳正な処理、3)10万円から100万円未満の少額滞納処理促進のために設置した「集中電話催告センター」の全国税局(所)に拡大、4)金融機関による「消費税積立預金」の設置、5)国・地方団体における入札資格審査に際しての納税証明書の活用、などがある。