2004年分所得税の確定申告が間近となったが、ほとんどの会社員は年末調整でその年の課税関係が終了するため、確定申告をする必要がない。しかし、確定申告の必要がない人でも、源泉徴収された税金などが年間の所得について計算した税金より多いときは、確定申告をすることによって、納めすぎの税金が還付される。この申告を還付申告という。
近年はこの還付申告者数の増加によって確定申告者数が年々最高記録を更新している。2003年分の所得税の確定申告書を提出した人は2139万人と過去最高の数字だったが、このうち還付申告については1094万人と半数を占めた。4年連続で1千万円の大台を突破しており、還付申告者数は5年連続で過去最高を更新している。医療費控除や住宅ローン控除の適用者の増加が目立つという。
還付申告ができるのは、その年の翌年の1月1日から5年間とされている。還付申告書は、所得税が納めすぎになっている年の翌年2月15日以前でも提出することができる。今回の確定申告でも還付申告者の増加が予想されることから、税務署が混雑する前に早めに済ますことをお勧めしたい。早めに提出すれば、早めに税金も還付されることは道理である。
還付申告は5年間できるということは、逆にいえば過去5年間の所得税の還付請求ができるということになる。今年の確定申告でいえば、2000年分までさかのぼれる。税金にあまり詳しくない一般の人のなかには、年間の医療費が医療費控除の対象となる10万円を超えていたにもかかわらず、見過ごしていた人も少なくない。医療費控除は家族などの分も合算できるので改めて過去を振り返ってみてはいかがだろうか。