就学者がいる世帯の重い教育費負担が浮き彫りになった。国民生活金融公庫が「国の教育ローン」を利用した勤務者世帯を対象に実施した「家計における教育費負担の実態調査」結果(有効回答数2980世帯)によると、1人あたりの入学費用は、高校で44.7万円、大学で72.1万円となった。一方、在学中の費用は、1年間の合計で、高校では84.5万円、大学では132.4万円となった。
大学の在学費用は、私立大学は1年間142.4万円と、国公立大学(85.4万円)の約1.7倍となっている。これらの結果、高校入学から大学卒業までにかかる平均費用は、子ども1人あたり899.9万円(前回2004年度調査944.0万円)となる。なお、大学での入学費用と4年間の在学費用の累計は、私立大学は理系で1023.4万円、文系で900.9万円であるのに対し、国公立大学では716.8万円となっている。
回答者世帯の平均年収は645.9万円だったが、年収に対する在学費用(小学生以上に在学中の子ども全員にかかる費用の合計)の割合は、平均35.0%と前回調査の33.4%に比べわずかに高くなった。この割合は、年収が少ない世帯ほど高くなり、年収が「200万円以上400万円未満」の世帯では、57.3%にまで達している。
また、自宅外通学者がいる世帯は全体の40.6%を占め、前回調査の42.0%を1.4ポイント下回った。自宅外通学者が1人いる世帯の仕送り額は、104.2万円(月額8.7万円)となった。自宅外通学をはじめるためのアパートの敷金や家財道具の購入費などの費用は、入学者1人あたり42.5万円となっており、前回調査を1.7万円上回った。
教育費の捻出方法(3つまで回答)については、「教育費以外の支出を削っている」(63.3%)がもっとも多く、以下、「子どもがアルバイトをしている」(42.8%)、「預貯金や保険を取り崩している」(42.6%)が続く。一方、節約している支出(〃)は、「旅行・レジャー費」(60.6%)がもっとも多く、以下、「衣類の購入費」(54.8%)、「食費」(46.8%)、「保護者の小遣い」(42.1%)、「外食費」(39.8%)の順となっている。
同調査の詳細は↓
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/kyouikuhi_h17.pdf