電通消費者研究センターは、今、新たに起きている消費者の大きなうねりを捉えるため、「電通・新大衆調査」を今年7月と9月の2回実施した。その結果見えてきたのが、「情でつながろうとする新しい大衆意識の芽生え」と「お互いに影響を与え合いながら、共振する消費者=鏡衆」の台頭だという。彼らは、情動をエネルギーとして共振しながら、世の中を動かし始めていると指摘している。
調査結果によると、自分を「大衆の一員」だと思う人の割合が72%にのぼった。これは、インターネットの普及によって、社会とのつながりや不特定多数の人々とのつながりを実感する人々が増えたことが一因とみている。また、3~5年前と比べて強くなった気持ちとして「価値観を共有できる仲間がほしい」や「人とつながって心情や気持ちを交換・交流させたい」が上位となって、情でつながろうとする人々の姿がうかがえる。
こうした共通性探しの時代には、人からの影響を取り入れてうまくレスポンス&発信していく“共振力”が重要になってきている。同調査結果では、こうした共振型消費者は43%ものボリューム層になっている。共振型消費者は、心の鏡を使って他者の気持ちや欲求を映し出して、複数の人に反射拡大させる鏡の共振メカニズムを持つ人々だとして、電通は「鏡衆」と名づけ、ヒットの新たな牽引層として注目している。
彼らが牽引しているものとして、最近1~2年以内に購入・利用したヒット商品では「脳トレ」(共振型消費者37.3%、全体9.6%)、心ひかれたブームでは、「ビリーズブートキャンプ」(同22.0%、15.1%)などを例示。電通は、今の時代は、「私こだわり型消費者」よりも、人の影響を受けながら「共振する消費者」のほうがボリューム的にも多く、世の中の新しい流れを作り出すようになっていると指摘している。
同調査結果についての分析レポートは↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2007/pdf/2007078-1207.pdf