経 営 関 連 情 報

2003年02月03日-003
中小企業経営者の事業承継に金庫株の活用を!

 2001年10月に施行された改正商法によって、自己株式の取得・保有・処分が自由になった、いわゆる金庫株の解禁だ。金庫株とは、企業が特定の目的を決めずに、自社株を買い戻し、比較的長期間持ち続ける、つまり、自社の発行株式を取得して自社の金庫に保管して、必要に応じて出し入れするという意味で俗に金庫株と呼ばれている。

 金庫株が解禁されて1年以上経ったが、どうも商法改正というと大企業だけのものと思われがちで、中小企業にも大きなメリットがあることが意外と知られていないようだ。そこで、改めて金庫株の活用法を考えてみたい。あさひ銀総合研究所のビジネスニュース(No560・2.1)では「大幅に変わった自社株会計基準」を解説している。

 その中で、中小企業の自社株制度の活用方法について、1)事業承継者への株式集中、2)相続税の納税資金確保などのメリットを掲げている。会社は自社株を一定限度額の範囲内で原則自由に取得できるが、会社のお金で取得した株には議決権がないことから、経営支配権の維持、社長の持ち株がアップして事業承継者への株式集中という点でメリットがある。

 一方、社長の持ち株割合が増えるから、相続が発生すると今度は相続税の納税資金の確保が問題となる。この場合でも、会社自身が自社株を取得できるようになったので、会社に資金的余裕があれば買い取ってもらい、そのお金で相続税をさっさと納めれば済むことになる。とりあえずは肩の荷を下ろせるというわけだ。このように、金庫株が、経営支配権対策と相続税対策に役立つことから、中小企業経営者の事業承継に対するメリットは大きいといえる。

 

 

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