帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は1294件で、前月比は22.4%の増加、前年同月比も21.5%の増加となった。13ヵ月連続で前年同月を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降では2008年10月の1231件を上回り、最多件数を更新するなど、倒産増加の勢いは依然として衰えていないことを裏付けた。
この背景には、(1)資金繰り難に陥る業者が相次ぎ、建設業の倒産が372件と集計基準変更後で最多となったこと、(2)半導体や自動車関連など、大手メーカーの減産が影響し、製造業の倒産が大幅に増加したこと、(3)「緊急保証制度」の利用は進むものの、中小・零細企業は厳しい資金繰りが続いていること、などがある。製造業の倒産は、機械製造業者の倒産が急増するなど、前年同月比63.2%増の191件となった。
一方、6月の負債総額は4744億7200万円で、前月比は7.3%の減少、前年同月比は0.5%の増加となったものの、今年最低となった。倒産1件あたりの平均負債額は3億6700万円で、2007年7月(3億3500万円)以来、1年11ヵ月ぶりに3億円台にとどまるなど、全体の負債総額は低水準が続いた。これは、負債10億円以上の倒産は86件発生したものの、負債100億円以上の倒産が9件と一ケタ台にとどまったことなどが要因。
負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は511件、構成比は39.5%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は9件と、前月に続き一ケタ台にとどまった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が586件、構成比は45.3%を占めた。従業員別では、10人未満が997件、構成比77.0%を占めるなど小規模倒産が目立ち、従業員数合計は1万682人となり、前年同月比29.0%の大幅増加となった。