ゼイタックス

出身国によって違う留学生のアルバイト代の取扱い

税務関連情報 - 2008年09月17日

 外国人留学生をアルバイトとして雇っている企業が増えている。厚生労働省によると、昨年10月時点で雇い入れている外国人労働者総数は約33万9千人にのぼり、うち約14%(4万8千人)が留学・就学の資格で働いている。ところで、こうした外国から来た大学生をアルバイトとして雇った場合は、わが国が締結した租税条約よって、免税とされる給付の範囲等が国によって違うので、所得税の取扱いには注意が必要となる。

 例えば、中国から来た大学生の場合は、専ら教育を受けるために日本に滞在する学生で、現に中国の居住者である者またはその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計や教育のために受け取る給付または所得は、日中租税協定において免税とされている。したがって、中国から来た大学生の日本での生活費や学費に充てる程度のアルバイト代であれば、免税とされる。

 一方、インドから来た大学生の場合も、同様に、専ら教育を受けるために日本に滞在する学生がその生計や教育のために受け取る給付または所得は、免税とされるが、ただし、日印租税条約においては、日本の国外から支払われるものに限られている。したがって、インドから来た学生が受け取る日本でのアルバイトによる所得は、国外から支払われるものではないので、免税とはされないことになる。

 インドから来た大学生に支払う給与等については、その大学生が居住者か非居住者かの判定を行った上で、それぞれの区分に応じた源泉徴収を行うことになる。このように、わが国の締結した租税条約の学生条項は、免税とされる給付の範囲等が国によって様々であることから、外国人学生をアルバイトとして雇って給与等を支払う場合は、各国との租税条約の内容を確認する必要がある。