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雇用の過剰感が強い中小製造業~商工中金調査

経営関連情報 - 2009年04月20日

 商工中金が昨年12月20日時点で実施した「中小企業の雇用動向に関する調査」結果(有効回答数4510社)によると、雇用判断DI(「不足」-「過剰」)は、全産業で▲15.2となった。製造業が▲29.2、非製造業が▲6.9と、製造業で雇用の過剰感が強い。個別業種では、「輸送用機器」が▲55.9、「精密機械」が▲50.1。雇用形態別では、「正社員」が▲11.3、「常用雇用パート」が▲6.7、「常用雇用派遣」が▲24.2と、いずれも過剰超となっている。

 過去1年間と今後1年間の従業員数の増減をみると、「増加」企業の割合は(過去)24.4%から(今後)16.3%に低下する一方、「減少」企業の割合は同28.1%から28.8%となっており、増員への抑制姿勢がうかがわれる。雇用形態別に「減少」の企業割合をみると、「常用雇用パート」(15.2%→20.2%)や「常用雇用派遣」(18.1%→23.7%)は減少傾向が強まっている。「正社員」(26.4%→24.8%)は「減少」企業割合は低下も以前高水準。

 今後1年間の従業員数の増加理由をみると、「社内の部門強化」(34.3%→30.4%)が最多だが、景気悪化を背景に「業績順調で業容拡大」(34.4%→21.1%)は大きく減少している。一方で「将来の人手不足に備える」(16.6%→27.1%)や製造業における「技術承継のため採用」(20.7%→32.0%)が大きく増加している。今後の採用方針は、「中途採用重視」が51.7%、「新卒採用重視」は28.0%、「パート・派遣社員重視」は11.5%となった。

 賃金動向をみると、正社員の賃金を過去1年間に「引き上げた」とする企業割合が49.2%を占める一方で、「引き下げた」企業はわずか4.9%だった。また、正社員の今後1年間の賃金計画は、「引上げ」が24.7%に対し「引下げ」は10.9%となった。景気悪化による収益低迷や雇用の過剰感を背景に、「引上げ」とする企業は過去1年間の実績に比べて大きく減少しているが、一方で「引下げ」とする企業は約1割にとどまっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.shokochukin.co.jp/report/tokubetsu/pdf/cb09other04_01.pdf