従業員の教育訓練費が増加した場合に税額控除が認められる人材投資促進税制の詳細が、現在国会に提出されている改正法案によって明らかになった。まず注目されるのは、地方税では、対象が中小企業に限られたことだ。国税における同促進税制は、教育訓練費の増加額に対して25%の税額控除が認められるが、中小企業は、教育訓練費の総額に対して税額控除率を乗じて計算することもできる特例がある。
改正地方税法案では、「法人税割の課税標準である法人税額について、平成17年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する事業年度に限り、中小企業者等の教育訓練費に係る法人税額の控除後の額とする特例措置」とされた。人材投資促進税制については、中小企業に対し、国税・地方税ともに優遇する特例を設けたことになる。
そこで、対象となる中小企業についてだが、法案では、中小企業技術基盤強化税制と同様の中小企業者等と規定されている。つまり、資本金(出資を含む)の額が1億円以下の法人のほか、資本等の額がないものは、常時使用する従業員が1000人以下の法人が対象となる。もちろん、法人のみが対象になるわけではなく、青色申告者であれば個人事業者にも適用される。
また、教育訓練費の具体的な内容については、「法人がその使用人の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用」として政令に規定を委ねている。ただし、法人の役員や個人事業主に対する研修費用などは対象外となる。法案では、法人の役員のほか「政令で定める特殊の関係のある者及び当該使用人としての職務を有する役員を除く」とされている。
適用期日は、法人については2005年4月1日以後開始する事業年度から、個人については2006年分からの適用となる。なお、適用対象期間は設立事業年度を除くこととされていることから、新設法人は第2期目からの適用となることに注意したい。
人材投資促進税制の基本的な枠組みについては↓
http://www.taxcom.co.jp/snews/zeimu/2005/2005_01/zeimu2005_01_06_002.htm