経 営 関 連 情 報

2003年03月26日-003
出世よりも好きな仕事を選ぶ新入社員

 今春に新社会人となる新入社員は「出世よりも好きな仕事で大成したい」スペシャリスト志向者が多い。これは、明治生命と安田生命が合同で、今春就職を内定している新社会人を対象に2月中・下旬に実施した調査で分かったもの(有効回答数858人)。“就職超氷河期”をくぐり抜け、2003年春に晴れて新社会人となる若者たちは、これから始まる会社人生をどのように思い描いているのか…。

 まず、昇進したいポストとについては、なんと「役職には興味がない」が28.2%を占めてトップ。その理由は、「昇進よりも好きな仕事をしたい」(43.4%)、「昇進よりもプライベートを大事にしたい」(25.6%)など、仕事であれプライベートであれ、自分の好きなことをとことんやりたい「熱中志向」がうかがえる。一方、「社長」と答えた新入社員も15.7%おり、「やるならトップを目指したい」(63.5%)という理由で、虎視眈々とトップを狙う若者もいる。

 次に、どのような人事制度を望んでいるのか。人事評価は、46.2%と5割弱が「年功序列」よりも「完全実力主義」を望んでいる。また、人材育成の面では60.2%が「スペシャリスト養成型」を選び、「ゼネラリスト」になるよりは一定分野の能力を身に付けたいと考えているようだ。しかし、雇用形態では、47.8%と半数近くが、独立や転職のしやすい「年俸契約制」よりも、長期に安定した「終身雇用制」を求めているという矛盾した結果になった。

 長引く景気低迷・失業率の高止まりなど、先行き不透明な時代においては、まずは「終身雇用」という安定した基盤を確保してから、一定の分野で自分を磨き、「スペシャリスト」としてとことん実力を発揮していくのが、今年の新入社員が理想とするビジネススタイルのようだ。

 

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