帝国データバンクが2001年から2007年5月までの医療機関の倒産動向を調査・分析した結果、同期間におけるの医療機関の倒産は190件で、年別では04年の32件が最多となっているが、07年は、5月までにすでに28件発生し、01年以降、最多ペースで推移していることが分かった。特に病床数20以上の「病院」は10件と、01年以降最多だった05年(8件)をすでに上回っており、その倒産増加が顕著となっている。
01年から今年5月までの医療機関の倒産190件を倒産態様別にみると、「破産」が137件と、「民事再生法」(53件)の2.6倍となった(会社更生法、特別清算はゼロ)。施設別では、「病院」が民事再生法27件、破産18件、病床数20未満の「診療所」が同15件、69件、「歯科医院」が同11件、50件となり、事業規模の大きい病院は民事再生法、事業規模の小さい診療所・歯科医院は破産を選択する傾向が強くなっている。
190件を負債別にみると、もっとも多かったのは「1億~5億円未満」で全体の36.3%(69件)を占め、以下、「1億円未満」(64件、構成比33.7%)、「5億~10億円未満」(24件、同12.6%)と続き、5億円未満が全体の70.0%を占めた。一方、「30億円以上」は全体の5.3%(10件)にとどまり、そのうち「50億円超」は3件、さらにそのうち2件が「100億円超」となった。
倒産主因別にみると、「販売不振(診療報酬の減少)」(55件、構成比28.9%)がもっとも多く、次いで「放漫経営」(39件、同20.5%)、「設備投資の失敗」(22件、同11.6%)と続いた。こうした結果から、帝国データバンクでは、医療費負担割合の増加の影響のほか、医療機関選択意識の高まり、診療所・歯科医院増加に伴う競争激化から収入減を余儀なくされ、経営に行き詰まるケースが多いと分析している。