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税務関連情報 (2008/01/11)

法定耐用年数を390区分から55区分に簡素化

 減価償却制度は、2007年度税制改正において、新規取得資産は法定耐用年数経過時点で取得価額の全額(100%)を償却可能とし、既存資産は「償却可能限度額(95%)」を撤廃するなど抜本的見直しが行われた。2008年度改正では、さらに、(1)法定耐用年数区分を約40年ぶりに見直し、55区分に大括り化するとともに、使用実態等を踏まえての耐用年数の見直し、(2)短縮特例制度の手続き簡素化を行う。

 現行の法定耐用年数は、機械や装置の種類ごとに390区分に細分化しており、新技術や新製品が誕生するごとに適用する耐用年数等の問題が生じ得るとの指摘がある。アメリカ(業種ごとに48区分)やイギリス(償却率25%のみの1区分)、韓国(業種ごとに26区分)などに比べ複雑なことから、経済団体を中心に、国際競争力強化の観点からその見直しを求める声が強かった。

 今回の見直しでは、日本標準産業分類の中分類単位に55区分に大括り化する。例えば、現行では化学工業は93区分あり耐用年数も3~13年とばらばらだが、これを1区分として耐用年数も1本化する。見直し後の耐用年数は、中分類ごとに新たに設定するが、使用実態調査の結果得られた耐用年数区分ごとの平均使用年数と一資産あたりの平均取得価額を使用し、加重平均の方法により算出する方針だ。

 ただし、現行制度で実使用年数が短いことなどから、新たな耐用年数をそのまま適用することが適当でない設備については、その中分類のなかで細目として特例枠を設け、新区分で定めた年数よりも短い期間で償却できるように配慮する。なお、短縮特例制度については、申請事務が煩雑でコストもかかるとの指摘に応えて、短縮特例の承認を受けた設備と同種の設備を取得した場合は、承認不要(届出制)とするなど簡素化する。