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07年度物納申請件数は63%減で9年連続の減少

税務関連情報 - 2008年07月11日

 国税は金銭による納付が原則だが、相続税については、財産課税という性格上、延納によっても金銭納付が難しい理由がある場合は、一定の相続財産による物納が認められている。国税庁がこのほど公表した2007年度相続税の物納申請状況等によると、今年3月までの1年間の物納申請件数は383件、金額では235億円で、前年より件数で63.0%減、金額で50.2%減となり、件数は9年連続、金額は5年連続の減少となった。

 物納申請件数は、バブル崩壊後の1990年度以降、地価の下落や土地取引の停滞などを反映して著しく増加した。それまで年間500件前後に過ぎなかったものが、バブル期の地価急騰及びその後の地価急落で、路線価が地価を上回る逆転現象が起こり、土地取引の現象から土地を売ろうにも売れず、90年度に1238件、91年度に3871件、そして92年度には1万2千件台まで急増した。

 しかしその後は、事前に相続税額を試算して納税準備をするなど相続開始前から納税対策を行う納税者が増えたことなどから、99年度以降は年々減少しており、2007年度で9年連続の減少となるとともに89年度(515件)以来の1千件割れとなった。2007年度の申請件数はピーク時92年度(1万2778件)の約3%、金額では同じくピーク時92年度(1兆5645億円)の約2%まで減少している。

 一方、処理状況をみると、前年度からの処理未済を含め1370件、金額で1191億円を処理した。件数は前年度比53.9%の大幅減少だったが、申請件数も大幅に減少したことから、年度末での処理未済件数は、前年度より53.5%減の859件、金額では51.2%減の910億円となった。処理の内訳は、約81%の1114件が許可され、物納財産として不適格として22件が却下、残りの234件は納税者自らが物納申請を取り下げている。