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9月企業倒産847件、今年最少を記録

経営関連情報 - 2011年10月19日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数は847件で、前月比は12.6%、前年同月比も10.2%の減少となり、今年最少を記録した。2月の884件以来7ヵ月ぶりに900件を下回り、減少率では2010年10月(10.3%)以来11ヵ月ぶりの二ケタ減となった。各種金融支援策や復興需要などを受け、東北、関東、業種別では建設業の減少が目立つ。

 一方、負債総額は1929億3400万円で、前月比は75.8%、前年同月比も85.9%の大幅減少となり、今年最小を記録した6月(1928億2600万円)以来、3ヵ月ぶりに2000億円を下回った。これは、負債1000億円以上の大型倒産が2ヵ月ぶりに発生せず、100億円以上の倒産も2件にとどまったことが要因とみられる。負債トップはマンション販売の(株)サンシティ(宮城県)で248億8800万円だった。

 主因別の内訳をみると、「不況型倒産」の合計は738件(前月810件、前年同月788件)となった。構成比は87.1%(前月83.6%、前年同月83.6%)で、2010年8月の86.2%を上回り、過去10年で最高を記録した。「円高関連倒産」は10件で、8月(8件)を上回り今年最多を記録、うちデリバティブ関連は2件。「返済猶予後倒産」は24件発生し、うち金融円滑化法利用ありは過去最多の19件となった。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は447件発生、構成比は52.8%を占め、4ヵ月連続で50%を超えた。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまった。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が465件発生、構成比は54.9%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、847件全てが中小企業に該当し、小規模企業も749件で同88.4%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1109.html