経済同友会は23日、法人実効税率を35%程度に引き下げることや、低所得者の勤労意欲を高め自立を促すため、勤労を条件として、控除額が所得税額を上回る場合は超過分を給付する「給付つき税額控除」の導入などを盛り込んだ税制改革についての提言を公表した。消費税率については、増税なき基礎的財政収支黒字化を達成した後の2010年代中ごろに16%程度の引上げを求めている。
提言によると、現在、わが国の法人実効税率39.54%は世界でも最高水準で、諸外国の競争条件をそろえる観点から、これを少なくても35%程度に早期に引き下げることを要望。前提として、法人事業税を廃止すると同時に、付加価値にかける地方税としての特徴を考慮して、地方消費税に置き換えることを提言。これによって、地方は安定財源を確保でき、法人実効税率は35%程度に下がるとみている。
消費税については、直間比率の是正や三位一体改革に伴って地方消費税の割合を高める必要性や、また、目的消費税による新基礎年金制度の創設によって年金保険料はゼロになると指摘。基礎的財政収支黒字化までは増税すべきではないが、黒字化を達成すれば、2010年代中ごろには持続可能な財政の基盤になる消費税の改革(年金目的税9%のほか、国税2%、地方税5%、合計16%程度)に見通しがつくとの考えを示した。
所得課税については、所得控除を整理・縮小すべきだとし、特に給与所得控除を見直し、将来的には、納税者番号制度と総合所得課税の下で、給与所得者の必要経費は申告による実額控除に一本化することが望ましいとした。また、低所得者等への配慮として、所得税を軸に一体的に実施する観点から、勤労支援・子育て支援のための「給付つき税額控除」、生活支援のための「基礎食料購入費一部幹部」などの導入を求めた。
経済同友会の税制改革に対する提言の詳細は↓
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2006/pdf/070423a.pdf