いよいよ確定申告が間近に迫ってきたが、普段は税金に縁のないサラリーマンでも申告すれば税金が戻るものも少なくない。その代表的なものが医療費控除だ。1年間に本人や妻子が支払った医療費だけでなく、「生計を一にする」親族が支払ったものも含め、年間10万円(所得金額の5%と10万円とのいずれか少ない金額)を超えた金額に対して200万円を限度に一定額が控除される。
改めて集計しなおしてみる価値はあろうが、ここで問題となるのは親族の範囲と「生計を一にする」という条件である。親族というと普通、祖父母や孫ぐらいまでを思い浮かべるだろうが、意外と広いのである。税法では「6親等内の血族・3親等内の姻族」のいわゆる9族をもって親族の範囲としている。例えば、叔父・叔母やその子供(従兄弟)はもちろん、従兄弟の子供(従甥姪)やその子供までが範囲となる。
ただし、「生計を一にする」が条件となる。同居していればいいと考えがちだが、家計が別になっていれば「生計を一に」していないし、反対に別居していても生活費の面倒を見ていれば「生計を一にする」ことになる。また、親族で生計を一にしていれば、誰が誰の医療費を出してやっても構わない。扶養の有無は問われないということだ。
このようにして、本人と「生計を一にする」親族が支払った医療費が10万円を超えれば医療費控除の対象となる。医療費控除の申告は一人にまとめたほうが特だ。共働きの夫婦それぞれの医療費が10万円を超えた場合、それぞれで申告すると20万円が足切りとなってしまう。また、生計を一にする家族の中で一番所得が高い人にまとめて申告するほうが有利となることはいうまでもない。