2003年08月25日-001
伸び悩む余暇活動への参加人口
景気の本格的回復が遅れる中で、余暇時間や余暇支出が前年に比べて「減った」と感じる人が増え続けており、人々の「ゆとり感」の回復にもまだ時間がかかりそうだ。社会経済生産性本部がこのほど公表した「レジャー白書2003」によると、2002年は統計上の労働時間こそ減少したものの、経済的・時間的な「ゆとり感」は依然として乏しく、余暇活動への参加状況も低調だった。
余暇活動への参加人口が多い種目は、トップが「外食(日常的なものを除く)」で7750万人、以下、「国内観光旅行」(6310万人)、「ドライブ」(5940万人)、「カラオケ」(4950万人)、「ビデオの鑑賞(レンタルを含む)」(4790万人)、「宝くじ」(4500万人)などが続く。上位5位までは例年と変わらないが、4位までの参加人口は前年(2001年)に比べ減少している。
ここ数年続いた「パソコン(ゲーム・趣味・通信など)」(4230万人)ブームも一段落、「園芸・庭いじり」(3800万人)のような日常型余暇も頭打ちとなっている。前年から14.5%(570万人)増と一気に伸びたのは「宝くじ」。低迷する「公営競技」(上位20種目に入らず)に比べ、お金も時間もかけずに手近で参加しやすいのが強みだが、世の中の閉塞感が強まる中で「夢」に掛けたい一般庶民の願望がみえてくるようだ。
余暇市場は96年(90兆9070億円)をピークに減少傾向にあったが、2002年は82兆9660億円、対前年比0.5%増とわずかながらプラスに転じた。増加の主因は「パチンコ市場(貸玉料)」。対前年比5.1%増、約1.4兆円の増加だが、これを除けば余暇市場は5年連続のマイナス成長で、部門別では「スポーツ」(3.2%減)、「観光・行楽」(0.9%減)などが厳しい状況にある。
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