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税務関連情報 (2007/10/10)

農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予

 農地等の贈与税納税猶予制度は、農業を経営する人が、保有農地等を農業を引き継ぐ推定相続人(配偶者や子どもなど)の1人に贈与した場合には、その推定相続人に課税される贈与税は、受贈者・贈与者のいずれかが死亡する日まで、その納税を猶予し、かつ、免除するという制度だ。ただし、贈与者の死亡により猶予されていた贈与税が免除された場合は、その農地等は贈与者から相続したものとみなして相続税の課税対象となる。

 納税猶予の適用を受けるためには、1)贈与者は、農地を贈与する日まで引き続き3年以上農業を営んでいた人、2)贈与者は、農地の全部と採草放牧地・準農地の3分の2以上の面積を贈与すること、3)受贈者は、贈与により農地等を取得した日の年齢が18歳以上であること、4)受贈者は、その農地等を取得した日後速やかにその農地等について農業経営を行うことなど、一定の要件を満たす必要がある。

 また、相続税の納税猶予と同様に原則、受贈者または贈与者が死亡する前に、納税猶予の適用を受けた農地等を他人に譲渡、賃貸、転用した場合やその他一定の事由が生じた場合には、その時点で納税が猶予されていた贈与税の全部または一部を納付しなければならない。さらに、原則として年6.6%の利子税も合わせて納付することになるが、この場合の利子税は、当分の間の措置として、特例がある。

 それは、各年の前年11月30日の日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合(「特例基準割合」)が7.3%に満たない場合には、その年においては、現行の利子税の割合に特例基準割合が、7.3%に占める割合を乗じて計算した割合(「特例割合」)となるもの。これを算式で示すと、「現行の利子税の割合(原則6.6%)×特例基準割合/年7.3%=特例割合(0.1%未満の端数切捨て)」となる。