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全国知事会、税制改正に地球環境税の創設等を提案

税務関連情報 - 2009年10月21日

 全国知事会は10月13日、総務省の2010年度税制改正要望の募集に応じ、(1) 新たな政府税調に地方6団体の代表を参画させ、対等の立場で地方税制を協議する場を設けることや、(2)自動車関係税の暫定税率が廃止された場合には、その代替財源として「地球環境税」を創設すること、(3)地方分権改革に対応した地方税財源の確保・充実のため、安定的財源である地方消費税を引き上げる議論をすべきこと、などを求める提案を行った。

 民主党政権による新たな政府税調がスタートしたが、地方税制の改正に関してはまだ本格論議に入っていない段階だが、暫定税率はマニフェストにしたがって廃止される方向にある。そこで、軽油引取税等自動車関係税の暫定税率は維持が望ましいが、廃止するなら代替財源として、軽油や揮発油といった化石燃料に対して炭素含有量に応じて課税する都道府県税として「地球環境税(仮称)」の創設を要望している。

 現段階で地方側に地球環境税の具体的な制度設計の提案があるわけではない。今回の提案は、「地域主権」社会の実現を謳う民主党に対し、地方自治体を軽視するなというメッセージの意味合いが強いようだ。マニフェストに掲げられた「地方税財源の拡充」という掛け声も薄れがちななか、むしろ地方財源への切り込みが先行しそうな情勢に、待ったをかけたい思いが現れた形といえそうだ。

 一方、上記を提案した直後の15日、自公政権当時の補正予算に組まれた「子育て応援特別手当」の執行停止をめぐって、地方6団体は、すでに地方自治体は関連予算について議会の議決を経て所要の準備を進めており、申請受付も始まっている現状から強く反発。「新政権と地方の信頼関係を根底から揺るがすもの」という緊急声明を出して翻意を促すなど新政権への牽制に躍起となっている。