7月14日にゼロ金利政策が解除され、普通預金の金利や短期の貸出金利が上昇しているが、こうしたゼロ金利政策解除は、借入金金利の上昇など企業へのマイナス影響が懸念される。経済産業省が7月に実施した「ゼロ金利政策解除の影響調査」結果(有効回答数1204社、地銀等73金融機関)によると、全国で46%と5割弱の企業が、「現時点では影響はないが、将来マイナス面の影響がある」と回答した。
これに「現在マイナス面の影響がある」(18%)との企業を加えると6割を超える企業がゼロ金利政策解除で影響を受けると考えている。マイナス面の影響を懸念する理由として、今後、追加利上げが行われた場合、「設備投資計画等の見直しをする必要性がある」ことを挙げる企業が多い。一方、「将来も含めて影響はない」と考えている企業は18%と2割弱、また、「現在または将来プラス面の影響がある」企業が6%あった。
規模別にみると、大企業に比べ中小企業のほうが今回のゼロ金利解除による影響をより厳しく捉えている。例えば、「現在または将来マイナスの影響がある」との企業割合は、中小企業の72%に対し、大企業は58%と14ポイントも差がある。これは、中小企業のほうが、短期及び長期ともに間接金融に依存している度合が高いためとみられている。業種別にみて製造業と非製造業との間では、大きな差はみられなかった。
なお、約8割の地元金融機関が、今後の企業向け短期プラムレートの利上げについて未定としている一方で、1年物定期預金金利については、9割以上が引上げ済みと回答。長期固定貸付の引合いなどに関する問い合わせが増えた地元金融機関は全体の2割弱にとどまる。また、政府系金融機関では、融資相談などの問い合わせは増加していないが、今後の追加利上げが地域経済に悪影響を及ぼすことを懸念している。