帝国データバンクがこのほど発表した上場企業の倒産動向調査結果によると、2008年度の上場企業の倒産は45件となり、これまで最多だった2002年度の22件を上回り、6年ぶりに戦後最悪を更新した。2008年度は、米国発の金融危機や国内不動産市場の急減速を背景に、上場企業の倒産が多発した。負債総額は2兆3327億円で、2001年度(3兆8100億円)、2000年度(2兆4159億円)に次ぐ戦後3番目の水準となった。
業種別にみると、「不動産業」が23件で全体の51.1%となり、このうち、マンション分譲が16件と大半を占め、販売不振による在庫過多、サブプライム問題後の資金調達環境の急速な悪化を受け、年度後半に集中して発生した。モリモト(負債1615億2000万円)やゼファー(同949億4800万円)などの新興業者のほか、専業のダイア建設(同300億円)が倒産に追い込まれた。不動産業の次は「建設業」が8件で続く。
倒産前の直近本決算における年売上高(単体)の推移をみると、前期と比べて増収となった企業が20件と、全体の半数近くだった。増収率では、ランドコムが前期比113.7%増でトップ、次いでプロデュース(同68.7%増)が続いた。増収率が20%を上回ったのは11件だが、うち不動産関連が8件を占めるなど、不動産バブルを背景とした直近の好決算から一転、急速に事業環境が悪化し、倒産に追い込まれるケースが目立った。
また、倒産直前の直近本決算における当期純損益(単体)の状況をみると、黒字が21件に対し、赤字が24件と、“黒字倒産”が全体の半数近くだった。当期純利益額では、トップがアーバンコーポレーションの310億9200万円(2008年3月期)、モリモトの102億4300万円(同期)など上位7位までを不動産業者が独占。直近決算まで好調だった売上状況とあわせてみると、同業界を取り巻く事業環境の急変ぶりが見て取れる。