宮城県は、昨今の地方公共団体の行財政を取り巻く大きな環境の変化を踏まえた取組みの一つとして、課税自主権を活用した新税制について検討してきたが、このほど「みやぎ発展税(仮称)」と「企業立地促進税制」の導入を図ることを公表した。両税制の導入によって、富県宮城の実現に向けた産業振興施策の充実等を図る。村井嘉浩知事は9月の県議会定例会に正式に提案する考えを明らかにしている。
「みやぎ発展税」は、宮城県内に事務所や事業所を設置して事業を行う法人を対象として、現行の事業税の税率に1.05を乗じる、すなわち5%の超過税率とする、法人事業税の超過課税制度。当面、2008年度から2012年度までの5年間の時限税制とし、2008年3月31日から2013年2月末日まで間に終了する各事業年度分の法人事業税及びその期間内の解散による清算所得に対する法人事業税に適用する。
ただし、中小企業等の担税力に配慮し、資本金等が1億円以下かつ所得金額が年4000万円以下の法人は対象としない。2006年度の実績で試算すると、法人事業税の課税対象法人約5万社のうち8000社強が対象になることから、超過課税による税収見込みは単年度ベースで約30億円の増収とみている。税収の使途は、企業集積促進策や中小企業高度化支援策、災害に対応する産業活動基盤の強化などを想定している。
また、企業立地促進税制は、2008年4月から2013年3月までの間、県内の製造業を対象に、生産設備の新増設についてその取得価格が1億円以上で新増設に伴い増加する新規雇用者が3人以上であることを要件に、その分の不動産取得税を2分の1に、法人事業税と県固定資産税については3年間2分の1に課税免除するもの。宮城県では8月21日までパブリックコメントに付した後、県議会に提案する方針だ。