経 営 関 連 情 報

2002年11月15日-001
注目を集める新たな退職金制度(1)~別テーブル方式

 わが国の中小企業の退職金はこれまで、熟練労働者の足止め策または長期勤続の奨励策をなどを主な目的としたことから、ほとんどが勤務年数に応じて支給額が段々増えていく基本給連動型だった。しかし、近年、退職金支給総額の増加が経営の重荷となっており、新たな退職金制度を導入しようという動きがみられる。ここでは、あさひ銀総合研究所が中小企業の退職金制度のあり方を考察したレポートを数回にわたって紹介しよう。

 レポートによると、退職金支給総額を抑えるために企業が最初に取り組んだのは、ベースアップが直接退職金にはね返らないように第二基本給制度を導入することだった。退職金支給額の算定基礎を第一基本給のみとし、第二基本給は通常の月々の給料の基とはするが、退職金の算定基礎とはしないというもの。しかし、どうしても給与体系が複雑になってしまうので、退職金制度を給与と完全に切り離す動きが出てきたという。

 現在、新たな退職金制度として注目を集めているものとして、1)別テーブル方式、2)定額方式、3)ポイント制方式などを掲げている。別テーブル方式とは、退職金支給額の算定方法を給与の賃金テーブルとは別体系とするもの。すでに第二基本給を導入している場合は、第一基本給を退職金支給額算定の表(別テーブル)とすることも可能だ。

(以下次回に続く)

 

 

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