税 務 関 連 情 報

2003年10月17日-002
住宅ローン控除でさらに節税できる?

 小粒な内容となりそうな来年度税制改正の焦点のひとつが現行の住宅ローン控除制度の適用期限の延長だが、最近一部の実務家の間で話題となっているのが住宅ローン控除制度を利用した節税策である。同制度そのものが10年間で最大500万円の所得税が控除される(今年末適用分まで)から十分な節税であろうが、さらに住宅ローンの利息がかからない方法があるのだ。

 現行の住宅ローン控除は年末の借入残高に対し1%の所得税控除が受けられるが、住宅ローンの利息はそれより高いため、普通、住宅取得や改装などをする場合、自己資金があれば住宅ローンは組まない。しかし、住宅ローンを借りても利息がかからないとすればどうだろう。それは、東京スター銀行が今年2月から出している「スターワン住宅ローン」という商品を利用するのである。

 この住宅ローンは日本初の預金連動型住宅ローンであって、ローンから普通預金を差し引いた残高にしか利息がかからない仕組みなのだ。つまり、同銀行に預けてある普通預金の残高がローン残高を常に上回っていれば利息はかからないのである。

 仮に住宅取得のための自己資金が5千万円あったとしても、その5千万円は住宅取得には使わないでそのまま同銀行に普通預金で預ける。住宅取得のための資金は同銀行で組んだ5千万円の住宅ローンを使い、ローンの毎月の返済は給料から支払って普通預金には手を付けない。すると、普通預金は常にローン残高を上回ることになるので、ローンの利息は発生しないことになる。

 この超低金利の時代に普通預金が活用できるという商品なのだが、同銀行の狙いは、住宅ローンを組みながら老後の資産形成もサポートしようというところにある。だから、当初の普通預金がローン総額を下回っていてもいいのである。普通預金を増やしていくだけで、ローンの繰上げ返済をしなくても支払う利息が減り、その分だけ支払総額が減る。支払総額が減った分だけ、ローン完済後に多くの資産が残るという仕組みなのである。

 いかがであろうか、なかなか興味深い節税策である。ローンの借換えも受け付けているようなので考慮してみる価値がありそうだ。ただし、同ローンに申し込めるのは同銀行の支店がある東京・千葉・埼玉・神奈川・山梨の5都県に住んでいる人に限られる。

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