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経営関連情報 (2005/09/12)

来年の元日はいつもより「1秒」長い1日

 来年の元日はいつもより「1秒」長い1日になる。日本の標準時の維持・通報を実施している(独)情報通信研究機構(NICT)は、2006年1月1日に、1999年1月1日以来7年ぶりに日本標準時に「うるう秒」を挿入する予定だ。期限や締め切りが差し迫った事態を“1分1秒を争う”というが、1秒長くなれば助けになるだろうか。ということはあるまいが、酒の肴ぐらいにはなるだろう「うるう秒」のお話である。

 かつて、時刻を決めるためには、地球の公転・自転に基づく天文時が使われていたが、現在では、原子の振動を利用した原子時計をもとに決められるようになり、非常に高精度なものになっている。このため、逆に天文時に基づく時刻との間でずれが生じるようになった。そこで、原子時計に基づく時刻を天文時と0.9秒以上ずれないように調整を行った時刻を世界の標準時として使うことにしている。

 今回の「うるう秒」の調整も地球の公転・自転に基づく時刻とのずれが0.9秒に近づいたため行われるものだという。具体的には、来年1月1日の午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入する。ところで、考えてみれば、1秒長くするということは、ここ7年間に原子時計が0.9秒ちかく早くなったということで、1秒長くなって得したのではなく、失っていたものが取り戻せたということではないのか…。

 ともあれ、来年1月1日の「うるう秒」調整の際には、NICTは、電波時計などに時刻情報を提供している標準電波、放送局などに時刻を知らせているテレフォンJJY、ネットワークを利用したコンピュータの時刻合わせに使われているNTPサービス、タイムビジネスに向けた時刻情報提供サービスなどの各種日本の標準時サービスについて、正しく調整された時刻を届けるという。という酒の肴の話である。