ゼイタックス

経営関連情報 (2005/06/15)

改正高齢法で給与体系変更迫られる企業が76%

 高齢者雇用安定法の改正により、企業は2006年4月から、定年の廃止・定年の引上げ・継続雇用の導入を義務付けられる。東京商工会議所が会員企業を対象に実施した「労働政策に関するアンケート調査」結果(有効回答数675社)では、改正法に対応するため経営上見直しを余儀なくされる措置(複数回答)として、「給与体系を見直さざるを得ない」企業が7割を超えたことがわかった。

 内訳は、「全社員の給与体系を変更せざるを得ない」が15.2%、「一定年齢以上の社員の給与体系を変更せざるを得ない」が60.9%で、合計で76.1%にのぼる。そのほか、「給与以外の諸経費を削減せざるを得ない」(21.8%)や「若年者の新規採用の抑制等をせざるを得ない」(14.7%)など、企業経営に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。

 改正高齢法の適用に伴い講じる予定の措置としては、「決めていない」企業が34.2%あるものの、「対象者の基準を定めた継続雇用制度の導入」(37.4%)や「希望者全員を対象とした継続雇用制度の導入」(16.0%)など、継続雇用制度を導入する企業が半数以上を占めた。「定年の廃止」は2.7%、「定年の引上げ」は9.7%と少数に過ぎない。

 一方、解雇に関する紛争の増加に伴い、企業が従業員を解雇するための要件を法律(労働契約法)で具体化することが検討されている。どのような内容が適当かについては、「法律による明文化は不要」(13.5%)、「ガイドライン等にとどめる」(54.9%)との回答を合わせると約7割を占めた。解雇をめぐる事情は企業によって異なるので、解雇をするための要件を法律で一律に規定することは難しいとの考えがうかがわれる。

 また、現在、労働者派遣法では、派遣会社と契約する際に、派遣社員と事前に面接することは禁止されているが、「事前面接がミスマッチやトラブル回避に有効だと思う」と8割超(83.0%)が回答した。事前に面接することは、ミスマッチや契約トラブルを未然に防ぐことができ、派遣先や派遣元だけでなく派遣社員にとっても必要であるとして、法改正を要望している。

 同調査の詳細は↓
 http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2005/170606.html