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厳選採用の兆しある2010年卒の採用活動

経営関連情報 - 2009年02月04日

 リクルートのHCソリューショングループが、企業の人事・採用担当者及び2009年3月卒業予定の学生を対象に昨年7月に実施した「就職白書2008年調査」結果(企業401人、学生7215人)によると、2010年卒採用活動の見通しは、採用予定人数を「減らす」企業が11.2%と、「増やす」の7.7%を上回り、また、予定人数に満たなくても「採用基準は緩めない」企業が70.6%と7割を超えた。厳選採用の兆しがみられる。

 2009年卒採用活動の実績では、前年度(2008年卒)と比較して採用活動の時期が「早まった」とする企業が53.5%と過半を占め、採用活動時期は早期化している。採用予定人数を「増やした」企業は28.2%、「変わらない」は57.4%と、積極採用姿勢は変わらない。こうした結果、計画人数を満たした企業は36.2%にとどまり、選考解禁後3ヵ月経った調査時点(昨年7月)でも、6割超の企業が計画人数を確保できていない状況だった。

 こうしたことから、一方で学生は、内定・内々定を複数取れる状況にある。昨年7月の調査時点で「内定・内々定の取得あり」とする学生は75.6%と8割近くにのぼり、これらの学生が内定・内々定を取得した社数は平均で2.1社だった。内定社数の内訳は、「1社」が42.7%でもっとも多く、次いで「2社」が29.1%、「3社」が15.2%、「4社」が6.3%など。「5社以上」と回答した学生も6.7%いる。

 なお、インターシップを実施した企業は41.4%だったが、学生は24.5%と4人に1人が参加している。また、学生が、就職活動の過程で優先順位を下げざるを得なかったことでは、「アルバイト」が63.6%でトップ、以下、「趣味・習い事」(43.1%)、「サークル・部活動」(38.8%)など。反対に優先順位を下げなかった割合がもっとも高かったのは「大学・大学院でのテスト受験・レポート提出」(57.0%)だった。