次々と新しいものが生まれると同時に、次々と消えていく今の時代。人々の価値観もますます多様化し、移り変わりの激しさもさらに加速していくと予想される。しかし、こうしたなかでも変わらない価値、こうしたときだからこそ残したいものがある。日本商工会議所が実施した全国商工会議所会頭アンケート結果(有効回答数285人)によると、次の世代に継承すべきもの(複数回答)は、「ものづくり技術」(26.0%)がトップだった。
次いで日本(郷土)の個性である「伝統・文化」(23.5%)、四季折々に美しく姿を変える豊な「自然環境」(14.0%)、「日本人としてのアイデンティティ」(8.1%)、「道徳・礼節」(7.0%)などが続いた。「ものづくり技術」の継承は、資源の少ないわが国において、“生きる道”、“生き残るために絶対に必要なもの”であるとし、国際競争力に勝つための“基本”、そして“最大の武器”となるとの回答が寄せられたという。
今、自身で一番力を尽くしていることについては、「地域の活性化」(58.6%)がもっとも多く約6割の回答を得た。次いで「教育・人づくり」(17.5%)、「技術革新」(6.0%)、「健康づくり」(5.6%)などが続く。「地域の活性化」には「まちづくり」も含まれるが、「地域の活力が国家の活力の源泉」、「地方都市の繁栄なくして、日本の未来はない」などの回答にみられるように、「地域活性化」の問題は、地域だけの問題ではないようだ。
なお、今の日本でリーダーシップを発揮してもらいたいと思う歴史上の人物(複数回答)については、トップが「織田信長」(15.4%)、以下、「坂本竜馬」(9.8%)、「徳川家康」(9.5%)、「上杉鷹山」(7.4%)、「渋沢栄一」(4.9%)などの順に挙げられた。不透明な時代のなか、強力なリーダーシップの下、規制の観念を打ち破り、新たな時代へと導いてくれる人物が求められていることがうかがえる。
同アンケート結果の詳細は↓
http://www.jcci.or.jp/kaito/kaito20080101.pdf