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経営関連情報 (2004/11/05)

経験と自己資金が少ないことが廃業企業の特徴

 国民生活金融公庫がこのほど公表したのは、新規開業企業を対象に廃業企業の特徴を分析した日本初のパネル調査。調査対象は、同公庫の融資先のうち2001年に開業した2181社。調査では、廃業との関係が認められる要因として、企業の属性、経営者の属性、開業費用と資金調達の3項目を分析した。廃業企業の特徴として、経営者が現在の事業に関連する仕事をした経験年数が短く、開業時の自己資金の準備が少ないことが挙げられた。

 調査結果から2003年末時点の存続・廃業状況をみると、存続企業が87.4%、廃業企業が8.4%となっている。廃業割合を業種別にみると、「飲食店」(12.3%)と「小売業」(10.8%)で高い。また、FC(フランチャイズ・チェーン)への加盟・非加盟でみると、非加盟企業では廃業割合が7.8%であるのに対し、加盟企業は14.4%と高い。開業時の従業者規模別にみると、従業者規模が大きいほど廃業割合はおおむね低い。

 経営者の属性では、開業時の年齢について、存続企業の平均40.8歳に対して、廃業企業では42.4歳とやや高い。経営者が現在の事業に関連する仕事をした経験年数をみると、存続企業の平均12.2年に対して、廃業企業では9.6年と短い。分布をみても、「0年」(経験なし)が19.3%、「1~5年」が28.2%と、5年以下が約半数を占める。廃業企業の経営者は、現在の事業に関する知識やノウハウが乏しかったことがうかがえる。

 開業費用をみると、存続企業の平均が1842万円であるのに対して、廃業企業では952万円と低い。分布をみると、「499万円以下」の割合が、廃業企業では38.8%と、存続企業の17.7%を大きく上回る。また、自己資金額をみると、存続企業の平均523万円に対し、廃業企業では302万円と少ない。分布をみても、廃業企業では「99万円以下」が27.6%、「100~299万円以下」(33.9%)を合わせると61.5%にのぼる。

 調査の詳細は↓
 http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/shinki_panel01.pdf