ゼイタックス

経営関連情報 (2003/12/26)
中小企業も決算書を公開する時代(13)

~負債項目は、どのように取り扱うか?

 負債項目は、「流動負債」と「固定負債」に区分される。「流動負債」は、原則として、決算期から1年以内に支払わなければならない負債のことで、支払手形・買掛金・短期借入金などがある。「固定負債」は、支払時期または返済時期が、決算期から1年を超える負債のことで、長期借入金や長期未払金などがある。

 負債項目については、決算期末において、支払うべき負債がもれなく貸借対照表に計上されているかどうかが重要になる。なぜなら、計上すべき債務が計上されていない、いわゆる簿外債務があると、その貸借対照表を信じた債権者は誤った判断を行う危険性があるからである。

 ところで、よく有利子負債という言葉を聞くが、これは金利が生じる負債、例えば、短期・長期借入金、社債、受取手形割引高などがある。特に、デフレ下では、実際の価値は目減りするのに対して、負債の価値は変わらない。そのため、結果的には、自己資本の実際の価値が低下することになってしまう。

 ゴルフ会員権や株式・土地などのモノの価値が下がれば相対的にカネの価値が上がる。例えば、借入金1000万円で土地を購入した場合、3年後、土地の時価は下落したものの、借入金の返済額は変わらない。ということは、モノの実際の価値が下がったことに対応して、負債をうまくコントロールすることが、経営上の重要な課題となる。

(続く)