電子帳簿保存法は1998年7月に導入後10年を過ぎ、承認件数は、今年6月末現在の累計で前事務年度に比べ14.0%増加し9万件を突破した。電子帳簿保存法は、それまで紙での保存が義務付けられていた国税関係の帳簿書類を、一定の要件のもとに磁気テープやCD-ROMなどに記録した電子データのままで保存することを認めたもの。帳簿書類の保存コストなどが軽減されることからそのメリットは大きい。
国税庁のまとめによると、2007事務年度末(6月末)における帳簿書類の電子保存法にかかる電子データによる保存等の承認件数は9万132件で、前事務年度末に比べ1万1102件(14.0%)増加した。税目別の承認件数では、「法人税・消費税関係」が9232件(16.6%)、「所得税・消費税関係」が1135件(15.3%)、「源泉所得税関係」が260件(1.9%)、「その他の国税関係」が475件(20.3%)と、それぞれ増加した。
電子帳簿保存法は、2005年4月に改正法が施行され、それまで認められていなかった契約相手方が作成した「紙」による領収書や契約書なども記載金額が3万円未満のものはスキャナによる電子データ保存ができるようになった。それまで電子保存できるのは、最初からパソコンなどで電子的に作成された帳簿書類だけだったのだから、対象範囲は大きく広がった。改正法施行以降の3年間で承認件数は2万件以上伸びている。
帳簿書類等は、その事業年度の確定申告書の提出期限から7年間保存しなければならない。電子帳簿保存法では、決算関係書類・帳簿と取引金額3万円以上の契約書・領収書は対象外となるが、それでも税務関係書類の50~90%近くを電子保存できると見込まれ、7年間も紙で保存するコストを考えれば、そのメリットは歴然としている。今後も、電子帳簿保存の承認申請はさらに増加することが見込まれている。