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会計検査院、税金の徴収漏れ約9億7千万円を指摘

税務関連情報 - 2009年11月16日

 会計検査院が12日に公表した2008年度決算検査報告によると、各省庁や政府関係機関などの税金のムダ遣いや不正支出、経理処理の不適切などを指摘したのは717件、2364億5000万円にのぼった。前年度に比べ、指摘件数(昨年度981件)は264件減ったが、指摘額(同1253億6011万円)では約2倍となり、金額は、報告書の掲載基準が現行と同じになった1978年度以降では過去最高となった。

 財務省に対しては、税金の徴収額の過不足10億2466万円が指摘された。指摘されたのは131税務署で、納税者293人から税金を徴収するにあたり、徴収額が不足していたものが276事項9億6789万円、徴収額が多すぎたものが17事項5677万円だった。前年度は、118署において徴収不足が246事項、6億7105万円、徴収過大が6事項、677万円だったので、徴収不足が約3億円、徴収過大が5000万円それぞれ増加したことになる。

 徴収が過不足だった293事項を税目別にみると、「法人税」が143事項(うち徴収過大4事項)でもっとも多く、以下、「申告所得税」84事項(同5事項)、「相続・贈与税」27事項(同4事項)、「消費税」20事項(同4事項)、「源泉所得税」2事項となっている。これらの徴収不足額や徴収過大額があった293事項については、会計検査院の指摘後、すべて徴収決定または支払決定の措置がとられている。

 そのほか、検査院の報告では、不当事項として、職員の給与計算に関する事務が適切に行われなかったため、源泉所得税10億円が納付不足となり、不納付加算税及び延滞税を8655万円支払う結果となったものや、税務署が所得税に係る課税額等の訂正に関する書類を作成せず、住民税の賦課徴収を行う地方公共団体に対するその訂正の周知が遅れたため、その地方公共団体に損害を与え賠償金519万円を支払う結果となったものがある。