ゼイタックス

「税理士に対する懲戒処分の考え方」を官報に告示

税務関連情報 - 2008年04月07日

 税理士等に対する懲戒処分等については、税理士法の規定に基づき、財務大臣が行っているが、財務省は3月31日付の官報で、「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方を公表する件」を告示した。これは、税理士等の違反行為に対する懲戒処分等を判断する基準がこれまであいまいだったため、基準を明確にする観点から「懲戒処分等の考え方」とりまとめ、今年1月中旬まで意見公募を行った上で、今回の告示となったもの。

 告示では、税理士が税理士法に規定する「脱税相談等をした場合の懲戒」や「一般の懲戒」に違反した行為をしたときの量定の判断要素・範囲について、区分に応じて考え方を示している。例えば、故意に真正の事実に反して税務代理、税務書類の作成、「脱税相談等の禁止」の規定に違反する行為をしたときは、税理士の責任を問い得る不正所得金額等に応じて、6月以上1年以内の税理士業務の停止または禁止とする。

 「一般の懲戒」の規定に該当する行為では、例えば、「計算事項、審査事項等を記載した書面の添付」の規定により添付する書面に虚偽の記載をしたときは、虚偽記載した書面の件数や虚偽記載の程度に応じて、戒告または1年以内の税理士業務の停止とする。また、自己脱税は不正所得金額等に応じて、1年以内の税理士業務の停止または禁止、多額かつ反職業倫理的な自己申告漏れは、戒告または6月以内の税理士業務の停止とする。

 量定の判断にあたっては、違反行為ごとの量定の考え方を基本としつつ、(1)行為の性質、態様、効果等、(2)税理士の行為の前後の態度、(3)懲戒処分等の処分歴、(4)選択する処分が他の税理士及び社会に与える影響、(5)その他個別事情、を総合的に勘案し、決定するものとしている。なお、告示では、税理士法人が税理士法に規定する「違法行為等についての処分」に該当する行為に対する処分の量定も定めている。

 なお、2007年度(2008年3月31日現在)の税理士・税理士法人の懲戒処分件数は16人で、うち5人が税理士業務の禁止、10人が1年の税理士業務の停止、1人が6ヵ月の税理士業務の停止となっている。

 「税理士等に対する懲戒処分等の考え方」の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishiseido/shobun/index.htm