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税務関連情報 (2005/06/06)

税制によるベンチャー起業支援を提言~同友会

 新事業創出の重要な担い手であるべきベンチャー企業がなかなか輩出してこない。その原因のひとつに、わが国のエンジェル税制をはじめとするベンチャー支援税制が、形ばかりで実効性がなく、実際上ほとんど活用されていないとの批判がある。経済同友会は1日、「起業による新事業創造の促進にむけて」と題した提言をまとめ、使いやすく真に実効性ある税制による起業支援を求めた。

 リスクマネーの流れを拡大する上での税制の効果は欧米諸国で実証されている。これに対しわが国では、創設された1997年4月から2003年3月までの6年間のエンジェル税制の利用実績は、投資家総数が278、投資総額が約5億円に過ぎず、広く個人投資家が利用できるような使いやすい制度になっていない。それどころか、その存在すら十分に知られていないのが現状となっている。

 そこで提言では、起業支援税制を使いやすく実効性のあるものにするため、1)直ちに、エンジェル税制の研究開発費比率(売上高の3%以上を支出)、外部資本比率(6分の1以上)などの要件を撤廃、2)投資家の手続きの簡素化(確定申告時の一括申請)、3)投資時における税額控除(英(20%)・仏(25%)並みの投資額の20%)、4)譲渡損益を一般所得と通算可能に、譲渡損繰越期間の無制限の延長、などの改正要望を掲げた。

 1)と2)については、ベンチャー企業に対する外形標準課税のうち、資本割の適用の免除など課税負担を軽減すべきとの項目とともに、直ちに実現すべき項目として挙げている。また、3)と4)については抜本的な改正の方向としており、当面の暫定的な措置として、総合課税化が実現するまでは、金融所得一元化のなかでの所得通算の実現などを要望している。

 同提言の詳細(税制は「第3部」51ページから)は↓
 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2005/pdf/050531.pdf