経 営 関 連 情 報

2002年04月24日-001
SOHO事業者の実態を探る

 国内で500万事務所(独立系の10人以下)があり、約1,500万人が就労していると推定されている(総務省2000年)SOHO事業者。その自立的なワークスタイルは、中核のカタカナ文字系の専門業、資格業、主婦など在宅ワーカーの予備層だけでなく、企業の倒産やリストラによってあぶり出された余剰ワーカーを含んだ失業者の数が500万人を超す現在、彼らの独立・自営機会としても注目されている。

 (財)日本SOHO協会では、同協会会員及び一般小規模事業者1,887名を対象に昨年10月中旬にSOHO事業者の実態を明らかにするための調査を行い(有効回答567名、回答率30.0%)、その結果を「SOHO白書2002」として公表した。

 白書によると、SOHO事業者は20歳から40歳代が78.8%を占め、平均41.2歳と若く、起業は34歳のとき(事業を興してから平均7.2年)、88%が脱サラ・リストラ族だ。創業資金は「500万円以下」が81.5%を占めており、平均では421万円。当然ながら、事業形態は「個人」(39.2%)か「有限」(34.4%)が、「株式」(21.5%)を大きく上回っている。

 創業のきっかけとなった知識・情報は、「仕事関係の友人・知人」(59.7%)、「書籍・雑誌」(57.2%)、「インターネット上のサイト」(36.4%)が3大仕入元になっている。始めた仕事は、「建築・環境・インテリア設計」が10.6%で最も多く、「システム開発・プログラム」(9.5%)、「Web製作・デジタル」(8.3%)が上位3、以下、「ショップ・商店経営」、「販売・代理店」、「IT関連コンサルティング」、「不動産・ハウジング」などが続く。

 現在の従業員数は平均5.6人(社員3.8人で残りはアルバイト)。売上高は年間「5,000万円以下」で77.8%を占め、平均3,117万円。事業主個人の年収は税込みで「500万円未満」が54.0%、平均では514万円だが、1,000万円を超える年収も8.6%おり、これらは会社勤務時代よりも上回っている、いわば“SOHOの勝ち組”といえる。

 現状の問題点は、経営・就労面で「受注量の不安定さ」(89.2%)、「受注単価の低さ」(74.3%)、「資金調達・事業資金での不安」(71.4%)が3大問題だが、これらは産業界全般の問題点でありSOHOに限ったことではない。一方、生活面では、「病気したとき代わりがいない」(90.3%)、「収入の不安定さ」(82.4%)、「社会保障が不十分」(74.3%)が3大問題だが、こちらはSOHOなるが故の切実な問題点ということになろうか。

 

 

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