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中小企業の事業承継、小企業の2割が廃業予定企業

経営関連情報 - 2009年12月21日

 日本政策金融公庫が同公庫の融資先企業を対象に7月に実施した「中小企業の事業承継に関するアンケート」結果(有効回答数9397社)によると、後継者の決定状況等によって、「決定企業」、「未定企業」、「廃業予定企業」、「時期尚早企業」に分類すると、従業者数20人以上の中企業では決定企業と未定企業の構成比が相対的に高いのに対して、同19人以下の小企業では廃業予定企業の構成比が高いことがわかった。

 廃業予定企業は全体の14.0%だが、従業者規模別にその割合をみると、中企業では1.2%に過ぎないのに対し、小企業では20.5%にのぼった。特に従業者「1~2人」の企業では41.9%と高い。小企業は従業員が少なく、借入金も総じて少ないことから、廃業という選択肢を選べるため、小企業は後継者難だけでなく、「当初から自分の代限りでやめようと考えていた」(30.7%)「事業に将来性がない」(26.0%)などの理由で廃業を予定している。

 一方、現経営者が事業承継の意向を持つ決定企業(全体の37.4%)と未定企業(同28.4%)にとって、事業承継における課題は、「後継者の選定」、「資産・負債の承継」、「経営の承継」の3つに分けられる。「経営の承継」を挙げる企業割合は、小企業(69.2%)、中小企業(78.1%)ともに高水準であり、「資産・負債の承継」(小企業40.2%、中企業55.1%)、「後継者の選定」(小企業26.2%、中企業29.9%)の順で続く。

 経営の承継についての課題(複数回答)をみると、小企業は、「取引先との関係の維持」(41.7%)、「後継者の教育」(37.3%)、「金融機関との関係の維持」(31.6%)の割合が高く、中小企業では、それらに加えて「役員や従業員から支持・理解を得ること」を上げる割合が43.9%と高水準。中企業では相対的に大きな組織を運営する必要があることから、経営承継にあたって、役員や従業員の支持等を取り付けることが大きな課題となる。

 同アンケート結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/sme_findings091216.pdf