帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2008年度の倒産件数は1万3234件発生し、前年度を16.8%上回り、3年連続の前年度比増加となった。月別推移も5月を除くすべての月で前年同月を上回り、10月は1231件と、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最多、3月も10月に次ぐ1216件と倒産増加が続いた。
こうした倒産増加の要因は、(1)急速な景気後退を受けて中小・零細業者を中心に「不況型倒産」が前年度比20.1%増加、(2)大型倒産の続発により、グループ会社などを含めた連鎖倒産が792件(前年度607件)発生、(3)年度後半にかけて、製造、卸売業の倒産が増加基調で推移した、などがある。「不況型倒産」の合計は1万542件、その構成比は79.7%(前年度77.5%)となり、3年連続で前年度を上回った。
一方、2008年度の負債総額は13兆6709億2700万円、前年度と比べ147.1%の大幅増加となり、戦後5番目の高水準となった。また、負債100億円以上の倒産が前年度の69件から135件に急増した。これは、リーマン・ブラザーズ証券(9月)が戦後2番目の負債3兆4314億円を抱えて倒産したことや、マンション販売不振の深刻化から、新興分譲業者や地場ゼネコンの大型倒産が相次いだことが要因となっている。
負債額別にみると、負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は7692件で、前年度を13.2%上回り、構成比は58.1%となった。一方で、上記のように負債100億円以上の倒産が急増し、大型倒産の増加が顕著。資本金別でも、資本金1億円以上の倒産が421件発生し、前年度比57.1%の大幅増加となった。これは、不動産業の大型倒産が続発する一方、景気後退による内外需の低迷が幅広く影響し、中小・零細企業の経営を圧迫したことによるもの。
なお、2008年度の上場企業倒産は45件に急増、これまで最多だった2002年度の22件を大幅に上回り、6年ぶりに戦後最悪を更新した。業種別では、不動産関連が23件と過半数を占め、業界環境の急速な悪化から年度後半に集中して発生した。
2008年度の全国企業倒産状況の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/08nendo.html