「起業挑戦支援無担保貸出制度」は、事業実績や資産背景に乏しいものの、独創的な技術やアイデアなどにより新製品・新事業分野を創造する中小企業の創業を支援するための融資制度。2002年11月に創設後、2003年9月末までの取扱実績は211社、49億円にのぼるが、商工中金は、これらの企業を対象に、創業経緯と同制度利用による効果を調査した結果をこのほど発表した。
それによると、同制度利用先の業歴別構成比は、「5年以上」が30%で最も多かったものの、「2年未満」が29%、「2年以上3年未満」が17%で、業歴3年未満の企業に対する貸出が46%と半数近くを占め、業歴の浅い企業に対しても積極的に支援していることが分かった。社長の年齢は、「40~49歳」が33%を占め最多、次いで「50~59歳」が32%で続くが、50歳未満の社長が全体の52%と約5割を占めた。
事業分野別でみると、モノづくり系の「新製造技術関連分野」が28%でトップ、次いでIT系の「情報・通信関連分野」(24%)が多いが、「環境関連分野」(11%)や「医療・福祉関連分野」(10%)の実績も目立った。
制度利用以降の売上高については、「10%以上増加」との回答企業が38%を占めて最も多く、「売上高は横ばい」が31%で続く。2003年9月末時点での売上高動向は約6割の企業が増収となっている。また同時点での同制度利用以降の資金繰りについても、84%の企業が改善しており、特に37%が「大幅に改善」した結果となって、かつ、資金繰りが悪化した企業はなかったことが特筆すべき点だ。