経済産業省が、8月中旬から下旬にかけて実施した「原油・原材料価格上昇による中小企業への影響調査」では、原油・石油製品価格の上昇により収益を圧迫されている企業が95%を超えたことが分かった。調査結果(有効回答数1233社)によると、「収益を大きく圧迫している」とする企業が47.3%、「収益をやや圧迫」が48.5%で、収益を圧迫されている企業は95.8%にのぼり、昨年11月調査から3.3ポイント増加した。
特に収益への影響が大きい業種として、「運輸業」、「クリーニング業」、「繊維染色業」、「窯業・土石製品業」などが挙げられている。また、原油・石油製品価格の上昇に伴う価格転嫁度合いについては、「0%転嫁」とする企業が46.2%、「1~20%未満転嫁」が32.5%と、20%未満しか転嫁できない企業が78.7%となった。昨年11月調査(88.9%)からは進展がみられるものの、価格転嫁が困難な企業の割合は依然として高水準にある。
一方、原材料価格の上昇が「収益を大きく圧迫している」とする企業は43.8%、「収益をやや圧迫」が46.1%と、収益を圧迫している企業の合計は昨年11月調査から2.0ポイント増加して90%に達した。「収益への影響はほとんどない」とする企業は10.0%にとどまる。特に収益への影響が大きい業種としては、製麺等の「食料品製造業」、「繊維染色業」、「鋳鍛造品製造業」、ねじ等の「金属製品製造業」などが挙げられている。
原材料価格の上昇に伴う価格転嫁度合いについては、「0%転嫁」とする企業が34.3%、「1~20%未満転嫁」が33.8%と、計68.1%の企業の価格転嫁が20%未満となった。この割合は昨年11月調査から3.8ポイント低下し、価格転嫁の進展がみられるものの、依然として高水準となっている。なお、「81~100%転嫁」と回答した企業は6.8%、「61~80%転嫁」は9.0%と、少数の企業にとどまった。