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経営関連情報 (2007/12/21)

病院・医院の倒産件数が年間ベース平成最多の48件

 2007年1月~11月の病院・医院の倒産件数が48件、前年同期比60.0%増となり、年間ベースでは、すでに11月時点で2006年を14件上回り、平成最多を更新中であることが、東京商工リサーチのまとめで分かった。また、負債総額も433億5700万円、同216.6%増にのぼり、年間ベースですでに平成最大規模に達した。これは、負債10億円以上の大型倒産が同3倍増の15件発生したことが要因となっている。

 形態別では、「破産」が29件(前年同期比61.1%増)でもっとも多く、次いで「民事再生法」が12件(同200.0%増)、「銀行取引停止処分」が前年同期と同数の7件だった。原因別では、「放漫経営」が前年同期と同数の11件、「販売不振(業績不振)」が11件(同120.0%増)で、ともにもっとも多かった。次に「既往のシワ寄せ」が10件で続く。都道府県別では、「大阪」の7件をトップに、「北海道」と「東京」が6件で続く。

 医療機関別では、患者20人以上の収容施設を有する病院の倒産が、前年同期の4件から18件(前年同期比350.0%増)へと急増したことが目立つ。また、一般診療所(患者19人以下の収容施設を有する有床診療所と無床診療所)が17件(同2件増)、歯科診療所が13件(同2件増)だった。

 医療機関は、医療行為などのサービスの対価として、患者が加入する医療保険から診療報酬を受け取る。診療報酬は、審議会の諮問を受けて2年に1度改定されるが、最近は財政難を背景に2002年から3回連続でマイナス改定となった。特に2006年の改定が過去最大の下げ幅となったことで、医業収入の減少に拍車がかかり、病院経営は厳しさを増している。

 こうしたなか、外来・入院患者数を確保するため差別化を図るべく新規投資で高級化や大型化を図ったり、介護事業などに手を広げたところもあったが、それが裏目となり経営破たんしたケースも多いとみられている。