ゼイタックス

経営関連情報 (2005/06/27)

「ユビキタス・コンピューティング」の認知度3割

 ユビキタス・コンピューティングという言葉の意味をご存知だろうか。矢野経済研究所が22日に発表した「ユビキタス・コンピューティングに関する意識調査」では、おおよそ3割(30.2%)の人が「知っている」と回答した一方で、「知らない」という人が4割(44.4%)を超えている。言葉としての「ユビキタス」の普及は、まださほど進んでおらず、知らない人が半数に近い状態であることがわかった。

 ユビキタスとは、ラテン語で「至るところにある」、「いつでもどこでも」という意味。このことから、ユビキタス・コンピューティングは一般的に、パソコンに加えて、携帯電話や家電、カーナビ、ゲーム機などがネット接続機能を備えるようになり、ネット上のサービスがいついかなる状況でも利用できる環境を指す。

 調査結果によると、ユビキタス社会でもっとも期待されているのは、「多様なユーザーが利用しやすい端末の実現」(34.6%)、「個人に最適なサービスの実現」(19.4%)、「セキュリティ性の高い生体認証等による個人認証に対するニーズ」(15.4%)の順だった。2003年の前回調査と比べると、「多様なユーザーが利用しやすい端末の実現」が6.9ポイント、「個人認証へのニーズ」が5.1ポイント増とそれぞれ大きく伸びている。

 逆に不安を感じる点では、「個人情報の漏えいやプライバシーの侵害」(31.2%)がもっとも多く、次に「常に監視されているような気になる」(18.8%)という点にも不安が感じられている。そのほか、「人間の能力が低下」(12.7%)、「ネットを利用した犯罪の増加」(〃)、「障害時の混乱」(〃)などの不安が同程度で挙げられた。前回調査と比べ、「ネット利用の犯罪増加」への不安は、11.8ポイント減と大幅に低下している。