国民生活金融公庫が14日に発表した全国小企業月次動向調査結果(有効回答数1284社)によると、8月の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」企業割合、季節調整値)は、7月と比べ0.9ポイント上昇し、▲14.2となった。9月は、1.8ポイント上昇し、▲12.4となる見通し。また、採算DI(「黒字」-「赤字」企業割合、季節調整値)は▲6.4で7月に比べ4.2ポイント低下した。
8月の売上DIを業種別にみると、「卸売業」(▲10.3)、「サービス業」(▲21.0)の2業種では低下したが、「製造業」(▲3.3)、「小売業」(▲18.0)、「飲食店」(▲17.0)、「建設業」(▲13.4)、「運輸業」(7.7)の5業種で上昇した。卸売業では「繊維・衣料・食料」で、サービス業では「個人向けサービス」で、猛暑や台風などの天候要因により、低下幅が大きかった。
8月の採算DIは3ヵ月ぶりの低下となったが、製造業での原材料価格の上昇、卸売業やサービス業での一時的な売上減少が影響したもの。9月は3.6ポイント上昇し、▲2.8となる見通し。また、8月に設備投資を実施した企業の割合(季節調整値)は1.4%となり、7月と比べ0.2ポイント低下した。今後3ヵ月(9~11月)に設備投資を計画している企業の割合(〃)は3.1%となり、8月調査に比べ0.9ポイント低下している。
以上の結果から、国民公庫では「小企業の景況改善の動きは緩やか」との見方を示している。