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来年新卒の採用基準を「厳しくする」が大幅増加

経営関連情報 - 2009年05月18日

 毎日コミュニケーションズが新卒採用実績のある国内企業を対象に実施した「2010年新卒採用予定及び採用活動に関する企業アンケート調査」結果(有効回答数1215社)によると、2010年新卒を採用する際の評価基準を「厳しくする」とする企業が大幅に増加していることが分かった。各企業とも、限られた採用人数のなかで、評価基準をより厳しくし、より質の高い学生を確保したいという意向がうかがえる。

 企業が学生を採用する際の評価基準については、昨年度(2009年卒)では「前年並み」が82.6%と突出していたが、今年度(2010年卒)は、同じく「前年並み」が1位となるものの、その割合は55.3%へと大きく減少した。逆に、「厳しくする」の割合が、09卒の15.1%から10卒は44.6%へと約3倍に大きく伸びた。上場企業においては、「前年並み」(48.9%)より「厳しくする」(51.1%)が上回っている。

 また、「質・量の優先度」については、「徹底して質」とする回答割合が、「大学(文系)」が前年度より12.2ポイント増の45.1%、「大学(理系)」が同13.2ポイント増の44.2%、「大学院(文系)」が同8.5ポイント増の47.8%、「大学院(理系)」が同10.2ポイント増の47.2%と、いずれも09新卒よりも10ポイント前後増加している。各企業とも、採用基準を厳しくして、より「質の高い学生」を確保したい意向がうかがえる。

 企業が新卒採用を実施する理由(複数回答)については、1位「組織の維持存続と強化(活性化)」(71.5%)、2位「将来の幹部候補生・コア人材の確保」(61.2%)、3位「年齢等人員構成の適正化」(59.9%)と、昨年度と同様の理由が上位を占めた。特に今年度は、「組織の維持存続と強化(活性化)」が前年度より8.4ポイント増、「年齢等人員構成の適正化」が同14.4ポイント増と顕著な伸びを示している。

 企業は、採用抑制傾向ではあるものの、バブル崩壊後の新卒採用が人事面に大きなひずみを残したことの反省から、一定水準の新卒採用は継続したいという意向が反映したと推測している。なお、「経営状態の好転・既存事業の拡大」は、前年度の31.9%から今年度は15.9%へと大きく数値が下がっており、現在の景況感を反映する結果となった。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.mycom.co.jp/news/2009/04/2010_4.html