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税務関連情報 (2006/04/07)

交際費から除かれる5千円以下の飲食費のポイント

 2006人度税制改正のなかで実務的に注目されるもののひとつは、法人が支出する飲食費が1人あたり5千円以下のものは交際費の範囲から除外され損金算入できることである。ただ、5千円以下という飲食は日常的にありうるだけに疑問点は多い。支出する相手は、法律に、役員や従業員、これらの親族に対する接待は除くと明記されており、あくまでも取引先など社外の者が対象となる。

 店を替えてはしごして接待した場合は、店ごとにかかった費用を人数で割って5千円以下であればいい。飲食費が5千円以下の判定は、実務的には領収書ごとに行うことになる。ここで注意したいのは、5千円以下にするために領収書を分割したり、参加した人数を水増ししたり、社内の者だけなのに取引先と飲んだなどと偽らないことだ。調査で判明すれば、仮装・隠ぺい行為として間違いなく重加算税の対象となる。

 また、1人あたりの飲食費が5千円を超えてしまった場合は、超えた部分だけでなく、全額が交際費となる。5千円という数字は基礎控除ではないわけだ。もっとも、5千円を超えたから即交際費というわけではない。飲食した実態をみて、交際費に該当するか、それ以外の会議費などに該当するか判断することになる。消費税は、その法人が税抜き処理であれば5250円まで損金算入できる。経理処理次第となろう。

 最後に、もっとも重要なのは、その飲食費が損金算入できる要件を明らかにできる書類を作成・保存しておくことである。支払先からの領収書や請求書などの記載事項だけでは、参加者の人数や名称などがわからない。別途それらを記載した書類を作る必要がある。調査などでトラブルにならないためにもぜひお勧めしたい。この交際非課税の適用は、4月1日以後開始する事業年度からとなる。