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通信研修、「従業員が各自のペースで学習できる」

経営関連情報 - 2011年06月20日

 産業能率大学総合研究所が、通信研修を導入している企業の人事担当者を対象に実施した「通信研修の活用実態に関する調査」結果(有効回答数183人)によると、通信研修を採用する上で重視したことについて尋ねたところ、「当てはまる」、「やや当てはまる」を合わせた“当てはまる”の回答割合がもっとも高かったのは「従業員が各自のペース(場所・時間等)で学習を進めることができる」(86.9%)だった。

 次いで、「従業員の多様な能力開発目的やレベルに合わせて提供できる」(84.2%)だった。「当てはまる」だけに絞ってみると、「地域を問わず、従業員に教育機会を均等に提供できる」(40.4%)、「対象者を問わず、従業員に教育機会を一斉に提供できる」(37.7%)が上位となり目立つ。通信研修の採用に関する判断は、学習しやすさ、全従業員向けの“マス”へのアプローチのしやすさが大きな動機となっていることがうかがえる。

 通信研修を活用する目的(5つまで回答)としては、「階層や役割ごとに求められる知識・スキルの向上を図るため」(52.5%)がもっとも高く、「資格取得を促進するため」も51.4%と5割を超えていた。以下、「社員のキャリア意識を醸成するため」(44.8%)、「部門ごとに求められる知識・スキルの向上を図るため」(44.3%)、「社員のモチベーションを高めるため」(42.6%)などが続いている。

 修了した場合の会社の費用負担率については、社員の自由意志で受講する「受講者選択型」では全額補助が27.9%と4分の1程度にとどまるが、対象層及び対象コースを会社や上司が決定して受講する「指名受講型」では、これが59.6%と6割弱に達している。いずれの場合も、半額以上を支援すると答えた割合が8割を超えている。「援助なし」は受講者選択型で7.7%、指名受講型で6.6%に過ぎない。

 通信研修による教育の実施テーマについては、もっとも回答割合が高かったのは「新入社員クラスの仕事全般」で81.4%。これに「資格取得」(78.7%)、「中堅社員クラスの仕事全般」(77.0%)が続く。全体的にみると、課長クラス以下に求められるリーダーシップ、部下指導・コーチング、計数、コンプライアンスといったビジネスパーソンとして、あるいは組織人としての“土台づくり”につながるようなテーマが上位にきている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/tuken2011.pdf