近年、“短時間でフィットネス”や“朝専用・夜向け商品”といった、時間軸を利用したサービスや商品が多くみられるようになってきている。そこで、矢野経済研究所は、このような「時間帯別」に展開される“タイムマーケティング”について調査を実施した。調査対象は、英会話スクール市場、外食・中食市場、コンビニエンスストア市場、フィットネスクラブ市場、タクシーサービス市場など9分野。
調査結果によると、「外食・中食市場」は、24時間営業店や早朝営業店の増加により、深夜・早朝マーケットが盛んだ。同市場の2006年度総市場規模は26兆1707億円だが、早朝市場(6~10時)は3兆9256億円、深夜市場(23~6時)は7851億円と推定。集客力が低い昼食後から夕方の時間帯にデザートメニューを展開する事業者も増加、主婦層などへのアプローチを試みている。
また、「コンビニエンスストア(CVS)市場」は、時間帯別に陳列方法を変更するなどタイムマーケティングの実施は早くから行っていた。2009年の改正薬事法施行でCVSでも大衆薬が販売できるようになるという追い風もあるが、外食産業の24時間化や朝食メニュー強化など、他業種の攻勢によって早朝・深夜のメリットが薄くなりつつある模様だ。同市場の2006年総市場規模7兆2651億円のうち、深夜市場は3633億円と推定。
「フィットネス市場」は、1回あたり30分程度で完了する割安会員料金のサーキットトレーニングの人気により、これまで同業界が取り込め切れなかった主婦という顧客層を開拓している。10分500円のワンコインフィットネスも人気で、フィットネスクラブの平均滞在時間が短縮される傾向にある。同市場の2006年総市場規模は4270億円だが、夜間市場(18~24時)が1708億円で昼間市場(10~15時)の1495億円を上回ると推計される。
同調査結果の概要は↓
http://www.yano.co.jp/press/pdf/312.pdf