情報処理推進機構(IPA)が2日に発表したコンピュータウイルス届出状況によると、11月のウイルスの届出件数は3816件となり、10月から6.3%減少、2ヵ月連続の減少となって21ヵ月ぶりに4千件の大台を下回った。種別では、W32/Netskyが907件で、21ヵ月連続のトップ。つづいてW32/Mytobが529件、W32/Bagleが296件、W32Mydoomが243件、w32/Lovgateが189件となっている。
一方でウイルスの検出数は約510万個と、10月の約319万個から60.1%増の大幅な増加となった。検出数は、届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)だが、届出件数は同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件でカウントしている。つまり、11月は、寄せられたウイルス検出数約510万個を集約した結果、3816件の届出件数となったわけだ。
検出数が大幅増となったのは、w32/Soberの亜種が約202万個寄せられたため。11月22日に出現したw32/Soberの亜種は、W32/Netskyを上回るペースで大量のウイルスを送信し、わずか1週間でウイルス検出数トップ2に踊り出た。w32/Sober そのものの11月の届出件数は133件で7位にすぎない。W32/Netskyも約225万個と、10月の約245万個から8.4%の減少となったが、依然として高水準で推移している。
w32/Soberの亜種は、巧妙な手口として、送信者アドレスにFBIやCIAのアドレスを利用し、受信者に添付ファイルを開くように促している点がある。メールを読んだ人は、FBIから警告が届いたと勘違いし、内容を確認するために添付ファイルを開いて感染してしまうケースがあったようだ。メールの添付ファイルには、ウイルスなどの不正プログラムが仕掛けられているケースが多い。取扱いには十分注意したい。
w32/Soberウイルスの亜種に関する情報は↓
http://www.ipa.go.jp/security/topics/newvirus/sober.html