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税務関連情報 (2004/01/16)
税源移譲のつなぎ財源に所得譲与税を創設

 年金制度の抜本改革など社会保障制度の確立と並ぶ重要課題のひとつである国と地方の税財政改革(三位一体改革)の一環として、2004年度税制改正では所得譲与税の創設が急浮上した。2006年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現するまでの間のつなぎ財源として所得譲与税を創設し、所得税の一部を税源移譲する。初年度の譲与額4249億円は、人口を基準として都道府県・市町村に配分される。使途は制限されない。

 三位一体改革では、2006年度までに約4兆円の国庫補助負担金の廃止・縮減を行い、地方交付税の見直しと地方への税源移譲を行う。本格的な税源移譲は、基幹税である個人所得課税の見直しを通じて実現していくが、その間の暫定的措置として、政府税調ではたばこ税の移譲を提案、本命視されていた。しかし、与党税調の検討段階で、あくまでも基幹税の移譲を求める地方側の要望を受け入れた形となった。

 もっとも、国が配分の権限を握っていることから実質は地方交付税と変わらず真の地方分権、地方自治の確立といった三位一体改革の趣旨に沿った税源移譲とはいえない。本格的な税源移譲は、国・地方を通じた個人所得課税の抜本的見直しのなかで、所得税を軽減すると同時に個人住民税を増税するが、それに合わせて所得税の定率減税の縮減・廃止も明記されており、ここにも個人負担増の大波が押し寄せている。