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税務関連情報 (2007/05/21)

特定居住用財産買換え特例の床面積要件上限を撤廃

 土地・建物等を譲渡した場合の特例についての2007年度の主な改正は、1)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用期限を2009年12月末まで3年間延長、2)相続等により取得した居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例の廃止、3)居住用財産(特定居住用財産)の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用期限を2009年12月末まで3年間延長などがある。

 特定居住用財産の買換え等の特例は、2007年4月1日以後に行う居住用財産の譲渡について、買換え資産である家屋の床面積要件の上限(改正前280平方メートル)を撤廃した上で、適用期限が3年間延長された。この結果、買換え資産の家屋の床面積要件は50平方メートル以上、上限なし、敷地は500平方メートル以下のものとなる。所有期間・居住期間が10年超などのその他の要件は変わらない。

 また、相続等により取得した居住用財産の買換え等の特例が廃止されたことにより、居住用財産の買換えについては、最低床面積50平方メートル以上に要件が統一された。相続の買換え特例は、特定居住用財産の買換え特例に一本化された形となり、今後買換えの特例を適用するためには、買換え資産について、最低床面積要件や、耐火建築物であれば築25年以内または新耐震建物証明などの築年数要件を満たす必要が出てくる。

 こうしたことから、買換え特例によらずに、3000万円の特別控除や居住用財産を譲渡した場合の軽減税率を適用するほうが有利な場合もあることを考慮する必要がある。3000万円の特別控除は所有期間に関係なく適用でき、所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合に適用できる軽減税率の特例(課税長期譲渡所得が6000万円以下は10%の軽減税率)との併用も認められる。