東京大学社会科学研究所がこのほど発表した「正社員の採用方法多様化に関する調査」結果速報(有効回答数1563社)によると、2005年4月以降に派遣社員(紹介予定派遣を除く)や請負社員を正社員として「採用したことがある」とする企業が44.1%あった。また、今後3年間にこうした採用を「増やす」とする企業は7.3%、非正社員の正社員への登用を「増やす」とする企業は20.0%となっている。
2005年4月以降調査時点(8月27日~9月28日)までに新卒で正社員の採用を「行った」とする企業は89.7%と9割を占めるが、正社員に占める新卒者の割合は「10%未満」が33.4%ともっとも多い。中途も含めた正社員採用の評価は、「人数・質ともに確保」とした企業は25.1%と4社に1社で、「人数は確保、質に不満」が27.2%、「質に満足、人数は確保できず」が17.2%、「人数・質ともに確保できず」が29.1%となった。
今後3年間の要因計画で「増やす」とする社員数の内訳は、「正社員」が43.6%、「非正社員」が26.7%、「派遣・請負社員」が9.8%だった。今後の正社員採用に関する課題(複数回答)としては、「採用者の質の向上」が71.5%ともっとも多く、次いで「採用者数の確保」(60.3%)、「採用力の向上」(48.7%)、「採用した人の定着率の向上」(45.3%)、「採用方法の多様化」(31.2%)などが挙げられた。
なお、2005年4月以降に用いた正社員採用の募集手段・媒体(複数回答)は、「自社のホームページ」が70.2%とトップ、以下、「会社説明会・就職フェア」(68.3%)、「ハローワーク・人材銀行」(63.5%)、「学校訪問」(60.8%)、「求人サイト」(59.1%)、「求人・就職情報誌」(39.2%)、「社員・関係者の紹介」(37.5%)などの順となっており、「新聞・雑誌の広告」(21.6%)や「折込みチラシ」(16.3%)は少ない。
同調査結果速報の詳細は↓
http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/jinzai/071024_hotta1.pdf