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新卒が採用後3年で3割以上離職する企業は1割強

経営関連情報 - 2008年06月06日

 内閣府調査によると、入社3年以内の離職率が、中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割程度といい、近年、いわゆる「七五三現象」と呼ばれている。社会経済生産性本部が実施した「日本的人事制度の変容に関する調査」では、新卒採用社員が採用後3年程度で3割以上離職するという企業は1割強(11.5%)となったことが分かった。ただし、第3次産業では22.7%、建設業では20.0%とやや高めだ。

 調査結果(有効回答数173社)によると、各社のここ3~5年間の新卒採用者の定着状況は、3割強(34.7%)の企業は「採用後3年程度ではほとんど離職しない」、また、5割強(51.4%)は「採用後3年程度で離職者はいるが、3割まではいかない」と回答。一方、「採用後3年程度で3割程度は離職する」が9.2%、「採用後3年程度で3割以上離職する」が2.3%と、合計11.5%の企業で新卒採用者が3割以上離職する結果となった。

 今後の雇用理念や人材育成の考え方は、「長期雇用を前提に、能力開発や人材育成を会社主体に行う」という企業が76.7%と最多。成果主義の見直しの機運や労働力不足などを背景に、企業の意識が長期的な人材育成・確保に変わりつつあることがうかがわれる。処遇体系をみると、能力主義的な賃金である職能給の導入率がこれまでの減少傾向から一転増加し、管理職層で74.5%、非管理職層で80.9%と増加していることが注目される。

 2007年度の再雇用状況は、「ほぼ予想通り」が74.2%、「予想よりやや多い」が13.2%。2007年度の予想再雇用率は平均で69.2%だが、従業員500人未満の企業では80.8%と高い。再雇用が予想よりやや多い企業のその理由(3つまで選択)は、「個々人の就労意欲は高いため」が77.3%、次いで「ほぼ退職時と同じ職場で働けるため」が59.1%、「ほぼ本人の希望する仕事に就けるため」が50.0%となっている。

 非正社員の正社員登用制度は、契約社員に対しては51.8%が導入しているが、パート(フルタイム)では25.7%にとどまる。ただし、パートは一旦契約社員になってから正社員登用の仕組みがあるという企業が11.9%ある。正社員登用のメリット(3つまで選択)は、「経験豊富な非正社員の確保・定着に効果」(68.0%)、「非正社員が意欲を持って仕事をするようになる」(67.0%)、「必要な労働力を安定的に確保できる」(51.5%)など。

 同調査結果の詳細は↓
 http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000865/attached.pdf