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食の安全志向急低下、依然高い価格重視の経済性志向

経営関連情報 - 2009年08月17日

 日本政策金融公庫が、全国の20~60歳代の男女を対象に7月上旬に実施した「消費者動向調査」結果(有効回答数2000人)によると、食の安全志向が急速に低下し、不安意識が沈静化したことが分かった。2008年1月に発生した中国製冷凍ギョーザ事件の影響が強かった2008年5月調査で41.3%に達した「安全志向」は、7ヵ月後の同年12月調査では31.7%に、それが今回の調査では19.8%に急低下した。

 消費者の食に対する不安感の沈静化の背景には、食品メーカーや流通業者の安全・安心回復への取組みの進展があるとみられている。一方で、世界経済危機は最悪期を脱し、政府の景気判断も底入れとなっているが、今回の調査では、消費者の節約意識の根強さを背景に、消費者の「経済性志向」は、前回12月調査の34.6%と並ぶ35.1%で、食品購入時に価格を重視する意識が依然高いことが判明している。

 消費者が妥当と考える食品等の価格水準は、全品目で現在の水準より低いものの、前回調査と比べ希望する値下げの程度が縮小した。これは、消費者の節約意識の高まりに対応して、すでに食品の値下げが一定程度進んだためとみられている。生鮮食品を中心とした必需品では値下げ希望幅が小さく、加工食品や外食部門では値下げ希望幅が大きい。また、安価な代替食品があるものや高価なものは、消費が減少している品目が目立つ。

 世界同時不況以降の食生活の変化では、節約意識の根強さにより、朝食、昼食、夕食ともに外での食事よりも家庭での「内食」が増加している。特に夕食は、内食が増えた消費者が24.9%と多い。昼食でも内食(手作り弁当を含む)及び中食(コンビニ弁当、サンドイッチ等を含む)が増加しており、外食を控える傾向がみられる。食品の購入状況を品目別にみると、米と野菜が増加しており、内食回帰を裏付けている。

 同消費者動向調査結果の概要は↓
 http://www.afc.jfc.go.jp/topics/pdf/topics_090812a.pdf