厚生労働省が今年6月に実施した「最低賃金の履行確保に係る一斉監督」結果によると、6月に全国一斉に監督を実施した1万1120事業場のうち、最低賃金法第5条違反(最低賃金額以上の賃金を支払っていない違反)があったのは707事業場で、違反率は6.4%だった。このうち、地域別最低賃金適用事業場における違反率は6.2%、産業別最低賃金適用事業場における違反率は10.4%だった。
地域別最低賃金適用事業場のうち違反が多くみられた業種は、「衣服その他の繊維製品製造業」(違反事業場数110、監督実施事業場に対する違反率7.7%)、「クリーニング業」(同86、9.3%)、「食料品製造業」(同86、7.1%)、「小売業」(同72、4.3%)、「繊維工業」(同43、7.1%)、「飲食店」(同43、3.9%)、「理美容業」(同38、5.4%)、「ハイヤー・タクシー業」(同18、16.8%)などだった。
監督実施事業場において最低賃金額未満の賃金しか支払を受けていない労働者数は2051人であり、監督実施事業場の労働者数に占める割合は1.2%だった。このうち、「女性」が1384人(最低賃金未満労働者数に占める割合は67.5%)、「パート・アルバイト」が1168人(同56.9%)、「障害者」が284人(同13.8%)、「外国人」が150人(同7.3%)となっている。
なお、厚労省では、今年1~3月に全国の9102事業場で監督指導を実施しており、うち最低賃金法第5条違反があったのは666事業場で、違反率は7.3%だった。このうち、地域別最低賃金適用事業場における違反率は7.0%、産業別最低賃金適用事業場における違反率は11.3%。監督実施事業場において最低賃金額未満の賃金しか支払を受けていない労働者数は2150人、監督実施事業場の労働者数に占める割合は1.7%だった。