帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2009年度上半期(4~9月)の倒産件数は6712件で、前年同月比では5.8%の増加と、4年連続で前年同期を上回った。しかし、四半期ベースでみると、2009年度第2四半期(7~9月)は3192件で、前年同期を2.4%下回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年度第1四半期以降で初めて前年同期比減少となった。
昨年9月から続いた増加基調には歯止めがかかりつつあるが、この背景には、8月以降は金融支援策等の効果が浸透し、9月の倒産は946件と1年4ヵ月ぶりの100件割れとなったことなどがある。他方、需要低迷や減産の影響を受け、「製造業」(1039件)は前年同期比23.1%の大幅増加で、半期ベースで集計基準変更後最多を記録。また、「サービス業」(1215件)、「運輸・通信業」(292件)も最多を記録した。
一方、2009年度上半期の負債総額は2兆4673億9400万円で、リーマン・ブラザーズ証券(負債3兆4314億円)など大型倒産が続発した前年同期の8兆4533億1800万円と比べ70.8%減少した。この結果、半期ベースでは2006年度上半期を下回り、集計基準変更後で最低を記録。四半期ベースでも第2四半期(09年7~9月)は9738億8900万円と、初の1兆円割れとなった。
負債額別にみると、負債1億円未満の小規模倒産は4042件で前年同期を9.3%上回り、構成比は60.2%となる一方、負債100億円以上の大型倒産は37件にとどまり、前年同期比38.3%の大幅減少となった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が3131件発生し、前年同期を7.7%上回り、構成比は46.6%となった。中堅・大企業の倒産減少が目立つ一方、中小・零細企業の倒産は増加傾向が続いている。
同全国企業倒産状況の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/09dokami.html