9月24日に麻生首相が誕生した。小泉政権による構造改革路線の後を受けた安倍・福田両政権がともに1年で崩壊するなど、政局の混迷が深まっている。帝国データバンクが実施した「新政権及び政策に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万708社)によると、経済政策における主要課題について見解を尋ねたところ、構造改革では「推進すべき」と回答した企業が65.9%と3社に2社となった。
一方、「軌道修正すべき」とする企業は14.2%となり、「推進すべき」の5分の1程度だった。小泉政権以来の構造改革路線について、歪みが現れているところに配慮しつつ、一層の改革を進めていかなければならないという企業の意識が如実に表れた結果となった。また、2011年度までの基礎的財政収支黒字化目標については、「堅持する必要がある」が43.7%と、「堅持する必要はない」(12.8%)を30.9ポイント上回った。
政府に優先的に取り組んでほしい政策(3つまで回答)では、「物価(原料高など)に対する総合対策」が41.7%で最多、次いで「中小・零細企業への支援」(35.7%)、「特別減税等の実施」(25.8%)、「年金記録問題への対応」(22.3%)などが続いた。企業は、急激な物価上昇への対応のほか、価格転嫁の困難さや信用収縮に伴う資金繰り悪化、燃料負担増等により深刻さを増している中小・零細企業への支援や特別減税を特に望んでいる。
11月に次期衆院選挙が行われる可能性が高いが、政権交代については48.2%と5割近い企業が「必要」と回答し、「必要ではない」(24.4%)と考える企業の約2倍に達した。また、今後の首相に求められる資質や能力(複数回答)は、「リーダーシップ」が83.7%と最多だったが、「信念」(38.7%)、「国民目線」(33.4%)、「熱意」(33.3%)が3割を超え、2代続いて1年で首相が降板することになった結果に対する不満がうかがえる。
同意識調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w0809.pdf