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税務関連情報 (2005/04/13)

移転価格税制における国外関連者の範囲を拡充

 国内企業が海外の関連企業との取引価格(移転価格)を通常の価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することになる。移転価格税制とは、このような海外の関連企業(国外関連者)との取引を通じる所得の海外移転を防止するため、その移転価格を通常の取引価格(独立企業間価格)に引き直して課税する制度だ。2005年度税制改正では、その国外関連者の範囲が拡充され、規制の網が広くなった。

 改正前に移転価格税制が適用される国外関連者は、持株関係(50%以上)にある親子会社や兄弟会社、または役員を派遣するなど実質支配関係にある会社かどうかで判定された。改正後は、国外関連者の範囲に、日本法人と外国法人の間が、持株関係または実質支配関係のいずれかで連鎖している外国法人、つまり間接的に持株関係や実質支配関係がある外国法人が加えられた。

 例えば、日本法人Aと外国法人Bとの間に持株関係があり、その外国法人Bと実質支配関係にある外国法人Cのケースでは、改正前は日本法人Aにとって外国法人Cは国外関連者に該当しないが、改正後は、日本法人Aにとって外国法人Cが間接的に実質支配関係にあることから、移転価格税制の適用対象に加えられる。この改正は、2005年1月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用される。