書面添付制度とは、書面添付制度と意見聴取制度を総称したもので、2002年4月1日から「新書面添付制度」としてスタートした制度。日本税理士会連合会(池田隼人啓会長)は、新たな「添付書面作成基準(指針)」を定め、これに合わせる形で国税庁も事務運営指針を改正するとともに、税理士会側は日税連・税理士会・支部、国税庁から国税局・税務署への周知手続きを経て5月15日に公表される予定となった。
添付書面制度の目的は、税務の専門家である税理士の権利として、申告書の作成に関し、計算、審査、整理、相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付し、計算、調査、指導した内容を具体的に明確に表明することにより、租税に関する納税義務の適正な実現を図ることにある。税務当局もこれを尊重することで、税務行政の効率化・円滑化・簡素化を図るとともに、税理士の社会的地位の向上を目指そうというもの。
2001年の税理士法改正で事前通知前の意見聴取制度が創設されたことにより、書面添付制度の枠組みを維持しながら存在意義を飛躍的に拡充させ、2002年4月から新書面添付制度として実施、その後、日税連・国税庁の折衝により今回の公表に至った。今回の日税連の作成基準(指針)では、(1)添付書面作成に当たっての留意点、(2)添付書面の様式、(3)具体的な作成基準(総論・各論)に分けて説明している。
また、国税庁の「事務運営指針改正骨子」では、改正の趣旨として「日税連と協調して書面添付制度の一層の普及等に取り組む」こととしている。同庁では、「意見聴取後に調査に移行しない場合には、原則として文書により通知(いわゆる調査省略通知)することとした」と説明。その他、(1)書面の確認等、(2)意見聴取の内容、(3)意見聴取結果の税理士等への連絡、(4)通知書の様式、を定めている。