利用していない料金のハガキや電子メールなどでの架空請求が急増し、手口の巧妙化や悪質さが目立つことから、防止策など早急な対応が望まれる。“オレオレ詐欺”などにも共通するが、これらの犯罪にはお金を振り込むための預金口座の不正利用がある。預金口座から足がつくような犯罪はやらないだろうから、仮名・借名などの預金口座は整理すればいいわけだ。
金融庁では、預金口座の不正利用に関する情報について、情報入手先から同意を得ている場合には、明らかに信ぴょう性を欠くと思われる場合を除き、その口座が開設されている金融機関及び警察当局へ情報提供することとしており、その状況を四半期ごとに公表している。同庁が4日に公表したところによると、4月から6月末までに金融庁や全国の財務局などが、金融機関及び警察当局に情報提供した件数は1490件だった。
調査を開始した2003年9月以降、今年6月末までの情報提供件数は5017件にのぼる。それらの情報提供に対して金融機関では直ちに調査を行った結果、1327件の強制解約等、2020件の利用停止を行い、約3300件の預金口座が犯罪の道具としては使えなくなっている。そのほか、1297件は調査中で、別に不審な点が見受けられなかったものや口座自体がなかったものが197件だった。
今後、インターネットがますます普及するにつれ、メールでの架空請求やネットオークションでの詐欺なども増加するだろうが、預金口座が不正利用できなければ犯罪は成立しない。預金口座の徹底的な本人確認など、“浄化”が望まれるが、役所も金融機関も大きな社会問題とならない限り、なかなか動かない。いっそのこと納税者番号制度を導入して、強制的に預金口座を整理することも一考と思われるが、いかがだろう。