職場で仕事が終わったときに何という言葉をかけるのか。文化庁が公表した2005年度「国語に関する世論調査」結果(有効回答数2107人)によると、相手が目上の人の場合は、69.1%とほぼ7割が「お疲れ様(でした)」だった。一般的に職階が下の人に対する言葉とされる「ご苦労様(でした)」は15.1%、また、「ありがとう(ございました)」は11.0%とともに10%台だった。
一方、相手の職階が下の人の場合も、「お疲れ様」が53.4%と過半となったが、「ご苦労様」も36.1%、「ありがとう」が5.0%だった。相手が目上の人の場合と比べると、「お疲れ様」の割合が16ポイント、「ありがとう」が6ポイント低くなり、「ご苦労様」が21ポイント高くなっている。文化庁では「使い方は厳密に定まっていない」と説明しているが、目上の人に対して「ご苦労様」は、多くの人に違和感があるようだ。
会社の受付の人が、外部の人に自社の鈴木課長のことを話すときは、「鈴木は…」が40.0%ともっとも多く、次いで「課長の鈴木は…」(26.6%)、「鈴木課長は…」(25.1%)だった。「鈴木さんは…」(4.7%)は論外としても、微妙なニュアンスがある「鈴木課長は」が4人に1人いたことは意外だ。会社へのあて名の敬称は、「御中」が78.2%とほぼ8割を占め、「様」(8.5%)、「行」(4.6%)、「殿」(3.9%)を大きく上回った。
最後に、新聞報道ですでに目にした方も多いと思われるが、慣用句の使い方について、1)「怒り心頭に…」は「達する」か「発する」か、2)我慢できない思いは「肝に据えかねる」か「腹に据えかねる」か、3)あいまいな言い方は「口を濁す」か「言葉を濁す」か、4)振りまくのは「あいそ(う)」か「愛嬌(あいきょう)」か。さて、あなたはどちらを使うだろうか。本来の言い方は下記の「世論調査」に説明されている。
http://www.bunka.go.jp/new_fr4.html