ゼイタックス

経営関連情報 (2007/12/12)

初めて30%を超えた製造業の海外生産比率実績

 国際協力銀行が今年7月から8月にかけて実施した「わが国製造業企業の海外事業展開に関するアンケート調査」結果(有効回答数600社)によると、2006年度の海外生産比率実績は30.5%となり、1989年の調査開始以来初めて30%を超えた。2007年度の同比率も31.6%と引き続き上昇する見込み。一方、海外売上高比率も2006年度実績33.2%、2007年度見込み34.6%と拡大が継続し、今後の海外展開についても積極性が維持されている。

 投資先国をみると、中国は、今後3年程度の中期的有望事業展開先国として1位を維持しているが、得票率は前年比9%減少の68%と、03年のピーク時(93%)からは4年連続で減少し、合計の減少幅は25%に達する。多数の企業が中国進出を果たしており、さらなる拡大について経済状況や投資環境などの様子をみる企業が増加していることも一因とみられる。対中国投資金額の頭打ち感や中国進出の一服感とも符合する。

 ただし、回答企業の約80%が生産拠点を持つ中国は日系企業の海外展開先として引き続き重要であることは変わりない。2位のインド(得票率50%)では「投資の計画あり」とする企業が増加しており、実投資への結びつきが加速している。業種別では特に自動車関連の企業が積極的だ。インドは、今後10年程度の長期的有望事業展開先として初めて中国を抜いて1位となり、注目が一段と高まっている。

 海外事業展開有望国の有望理由では、安価な労働力など「低コストオペレーション」に関する項目が減少する一方、「現地マーケットの成長性」など現地市場に関連した項目が増加し、日系企業の海外進出の動機の変遷がうかがわれる。なお、国際競争力の維持・強化のための取組みでは、「新製品の開発」がトップだが、「原価低減」、「海外生産の拡大」、「販売機能の強化」など、生産・販売分野の取組みも重要との認識がみられる。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.jbic.go.jp/autocontents/japanese/news/2007/000208/sokuhou.pdf