ゼイタックス

“脳疲労”解消は生産性向上の鍵!!

経営関連情報 - 2009年11月11日

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが全国20歳以上の有職男女(パート・アルバイトを除く)を対象に実施した「健康と働き方に関するアンケート調査」結果(有効回答数3000人)によると、脳疲労の自己診断項目における回答結果から、脳疲労と考えられる「重症」(4.9%)、「中等症」(7.5%)、「軽症」(23.0%)を合わせると3分の1以上、少しでも兆候がある人(「普通」35.0%)まで含めると約7割に達していることが分かった。

 一方、「元気」は24.3%、忙しい環境下にあっても身も心も軽い状態を保つことができる「スーパー元気」も5.3%存在する。性別で比較すると、女性のほうが男性より重症となる傾向がある(男性3.8%、女性6.0%)。疲労の尺度として用いた「脳疲労」とは、「ストレス過多(情報過多)により大脳新皮質と大脳旧皮質の関係性が破綻し、正常な機能を果たせなくなった状態」と定義されている(九州大学・藤野武彦名誉教授)。

 脳疲労別に、会社への忠誠心、仕事の効率、注意力、創造性、根気、気分のムラなどを尋ねたところ、いずれも脳疲労度と高い相関がうかがわれた。「スーパー元気」では、各項目の充実を示す選択肢を選ぶ人が増加して、すべてが全体を大きく上回る一方、「重症」ではその逆となっている。脳疲労が小さい状態では、仕事上の能力が向上し、脳疲労が大きいとその逆となる傾向がうかがえる。

 また、脳疲労と健康習慣についても聞いたところ、脳疲労が小さい、元気な人ほど正しいライフスタイルを実践する傾向がみられた。「栄養バランス」、「睡眠」、「運動」など、いずれも脳疲労の度合いで顕著な差が表れている。この結果から、「正しいライフスタイルを送っているからこそ脳疲労が小さい」とも考えられるが、「脳疲労が小さいからこそ正しいライフスタイルを体が“快”と認識して自然に実践できている」とも解釈できる。

 この調査結果から、同コンサルティングは、「疾病の予防だけではなく、健康な人のQOL(生活の質)向上が生産性向上に結びつく可能性を示唆している」と指摘。今後、職場における従業員の健康増進は、従来のメンタルヘルスやメタボ予防など疾病予防だけでなく、健康な人の生産性にも焦点を当てることが必要との考えを示している。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.murc.jp/report/press/091029.pdf