世界中で大流行の恐れのある「新型インフルエンザ」は、感染が拡大すれば日本だけで3200万人が感染し、最悪の場合64万人が死亡するといわれている。東京商工会議所が実施した「新型インフルエンザに対する企業の取組み状況調査」結果(有効回答数157社)によると、新型インフルエンザの流行に備え、自社で「すでに具体的な対策を立てている」と回答した企業は14.6%と1割強にとどまった。
72.6%の企業は「これから対策を検討する」、「特に対策を立てる予定がない」が3.2%だった。すでに対策を立てていると回答した企業の具体的な対策(複数回答)は、「医薬品・感染予防資材(マスク等)をストック」が87.0%でもっとも多く、次いで「事業継続計画を作成」(69.0%)、「従業員対応マニュアルを作成」(69.6%)、「指揮命令・権限委譲について取決め」(56.5%)などとなっている。
すでに対策を立てている企業は1割強だったが、新型インフルエンザに備えた企業独自の具体的な対策を講じる必要性については、「強く必要性を感じる」が56.7%、「ある程度必要性を感じる」が40.8%となり、9割以上の企業が具体的な対策を講じる必要性を感じていることが明らかになった。一方で、「余り必要性を感じない」は1.3%、「特に必要性を感じない」とする企業はゼロだった。
新型インフルエンザが流行した場合に懸念される事業活動への影響(複数回答)は、「従業員の感染等で社内的に大きな被害が出る」(80.3%)、「売上等に大きな影響が出る」(61.8%)、「取引先との営業活動が停滞する」(58.0%)などの順。なお、対策について商工会議所に望むこと(複数回答)では、「対策マニュアル・ガイドブック等の作成」(62.4%)、「講習会等の開催等による情報提供」(59.2%)が上位に挙げられている。