将来の安定性をブランド力で保証する大企業に比べ、中小零細企業は自己PRが難しい。新卒者の求人初任給では、企業規模が小さいほど高めに設定しているようだ。東京労働局がこのほど発表した2004年3月新規学卒者の求人初任給調査結果によると、従業員「1000人以上」の大企業の初任給賃金を100とした場合の事業所規模間格差をみると、ほとんどの規模で大企業を上回った。
下回ったのは、高校で98.8だった「100~499人」規模の事業所のみ。他の規模階層では「500~999人」が100.4、「30~99人」が101.5、「29人以下」が103.4と上回った。短大・専修ではすべての規模で上回り、「30~49人」の規模ではそれぞれ111.2、111.6と格差が目立つ。大学でもすべての規模で上回ったものの、「500~999人」の104.2から「29人以下」の102.6まで大きな格差はみられなかった。
学歴別にみた初任給賃金では、どの学歴も減少しているなかで、大学については前年を0.1%上回る20万200円だった。高校は対前年比▲0.1%の16万4800円、短大は同▲1.6%の18万円、専修学校は同▲1.1%の18万円。大学の初任給賃金を100としたときの学歴間格差は、高校が82.4、短大、専修はそれぞれ90.0となっている。
職業別に初任給賃金をみると、高校、大学、専修では「専門・技術」が最も高く、それぞれ16万7000円、20万2000円、18万2500円、短大では「販売」の18万3000円だった。一方、最も低い職業をみると、高校、短大では「事務」の各16万円、17万8000円、大学、専修では「その他」の各19万7500円、17万7800円。「その他」は「専門・技術」「販売」「事務」「技能」以外の職業。