原油や素材価格の上昇によって企業の仕入価格は値上がりが続いている。帝国データバンクが実施した「仕入価格上昇による企業への影響調査」結果(有効回答数9570社)によると、仕入価格値上がり分の販売価格への転嫁状況は、「仕入価格の値上がりが起きていない」企業を除く86.7%(8294社)の企業のうち、「十分に転嫁できている」と回答した企業は6.3%にとどまった。
一方、「十分には転嫁できていない」企業は80.6%となっており、多くに企業で収益性の低下を余儀なくされていることが明らかとなった。業界別にみると、「建設」(84.6%)や「製造」(87.9%)、「運輸・倉庫」(86.4%)が特に困難な状況にあり、「金融」(34.4%)や「不動産」(56.8%)では影響が少ない。地域別では、「北海道」(83.6%)や「中国」(84.1%)、「四国」(87.7%)などの地方圏で高水準だった。
また、「十分に転嫁できていない」企業の経営への影響については、「現在、厳しい経営状態に陥っている」企業が約1割(9.3%)あったほか、「今後、厳しい経営状態に陥る懸念がある」企業が58.8%にのぼった。この約6割の「懸念がある」企業を業界別にみると、「建設」(63.2%)や「製造」(59.4%)、「小売」(60.3%)が特に厳しく、地域別でも、「北海道」(62.9%)や「四国」(62.6%)などの地方圏で高水準だった。