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食品産業の約8割が東日本大震災で影響を受ける

経営関連情報 - 2011年09月09日

 日本政策金融公庫が7月に実施した「2011年度上半期食品産業動向調査」結果(有効回答数2666社)によると、全国の食品産業(製造業、卸売業、小売業、飲食店)の75.6%と約8割が東日本大震災の地震や津波で直接または間接の影響を受けていたことが明らかになった。さらに、7.1%の企業が今後影響が出てくると見込んでいる。また、第一原発の事故により、全国の食品産業の53.4%と5割強が影響を受けていたことも分かった。

 原発事故では、今後に影響が出てくると見込んでいる企業が13.5%と、大震災による影響より2倍近くになっていることが特徴的だ。大震災の影響が現在までに出ている企業を地域別にみると、「東北」(85.9%)、「南関東」(82.5%)、「北関東」(81.6%)では8割を超える。また、第一原発事故では、「北関東」(70.5%)と「南関東」(70.4%)で影響を受けた企業が、「東北」(60.2%)よりも約10ポイント以上多い。

 大震災及び原発事故による具体的な影響として、マイナス影響では「売上高の減少」が61.7%ともっとも多く、次いで「仕入価格の上昇」が51.6%、「生産量・顧客数の減少」が47.3%などとなっている。一方、プラスの影響では、「取引先からの引合い・需要の増加」が11.9%でもっとも多く、次いでマイナスの影響でもっとも多かった売上高の減少と反面する「売上高の増加」が11.7%となっている。

 影響への対応(複数回答)としては、「仕入先・製品・商品の変更・開拓」が46.5%で最多、次いで「納入先・販売ルートの開拓・強化」が32.1%、「正確な情報の収集・提供」が31.1%、「取引先の支援(支払猶予、人的応援など)」が21.8%で続いた。なお、そのほかの影響や対応として、電力不足による計画停電の影響、原発事故の風評被害、輸出の減少、設備投資の遅れなどが多く挙げられている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/a/topics/pdf/topics_110905_1.pdf