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経営関連情報 (2007/07/27)

8割以上が「企業のミスで事故が増加」と実感

 三菱総研が発表した「企業の事故・事件における人的・組織的要因に対する意識調査」結果(有効回答数1030人)によると、ここ10年、企業によるミスや不適切な行動から事故や事件が「増加している」と感じている回答が82.5%を占めた。事件や事故が多いと思われる業界(複数回答)は、「食品業界」(68.1%)、「建設・住宅業界」(58.4%)、「公社・公団・官公庁」(45.9%)、「医療・福祉業界」(42.9%)などが挙げられた。

 企業による事故や事件のうち大きなものの要因として、「機械の故障や自然災害などの要因(物理的な要因)」(3.3%)よりも、「人間のミスやずさんな管理といった意識や姿勢などの要因(個人や組織による要因)」(96.7%)が大きいことを指摘。重要な人的・組織的要因の種類は、5割以上が「安全よりも利益を優先させる経営者の姿勢」(53.0%)、次いで「ミスや不適切な行動を見張る仕組みがない」(14.9%)を挙げた。

 また、当然ながら、人的・組織的要因による事故や事件を起こした企業の製品やサービスを受けることには、「少し抵抗がある」が61.5%、「とても抵抗がある」が27.0%と、約9割が抵抗を感じている。これは個別の製品やサービスに対する評価ではなく、組織に対する信頼度の問題と捉えるべきであり、信頼を失った企業は経営上の深刻なダメージを受けることになる、と三菱総研は指摘している。

 安全性を向上させるための企業の取組みについて、実際に企業や官公庁に勤務していたり、経営に携わっている回答者に尋ねたところ、「ミスや不具合、不適切な行動を見張るための仕組みの充実」(15.1%)や「管理者のマネジメント技能の充実」(8.1%)といったマネジメント面の強化以上に、「経営者が利益よりも安全を優先」(22.2%)や「風通し良く意見を言いやすい職場」(25.0%)などを重視している。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.mri.co.jp/PRESS/2007/pr070720_ss302.pdf