国民生活金融公庫が26日に発表した「素材・原油価格上昇の小企業への影響調査」(調査時点は6月10日)では、6割の企業が何らかの「影響があった」と回答しており、大半の企業は価格転嫁できないことがわかった。また、「販売価格を引き上げている」企業は2割未満で、価格上昇が続けば「深刻な影響を受ける」と回答した企業が3割あったことが明らかになっている。
調査結果(有効回答数7092社)によると、原材料・部品・商品など原価に計上するものの「価格が上昇している」企業の割合は48.7%、「調達が困難になっている」企業は11.1%、素材・原油価格上昇の影響により「諸経費が増加している」企業は36.2%となった。価格上昇、調達困難、諸経費増加などいずれか一つでも「影響があった」企業が59.1%と6割を占めた。業種別では、製造業、卸売業、建設業、運輸業で影響が大きい。
影響への対策として、自社の「販売価格を引き上げている」企業の割合は17.0%と2割弱だった。一方、「引上げをしていない」企業は66.0%で、その理由は、「他社との競争が厳しい」が61.7%を占めた。影響への対策として、「調達先を変更している」企業は15.3%、「代替品を導入している」企業は12.0%、「固定費を削減している」企業は26.2%となっている。
素材・原油価格の上昇が今後も続いた場合は、29.0%の企業が「採算割れなど深刻な影響を受ける」と回答。「企業努力で対応可能」が24.4%、「軽微な影響」が46.6%となった。業種別では、「製造業」(43.4%)、「建設業」(43.9%)、「運輸業」(60.8%)の3業種で「深刻な影響」との回答割合が高かった。反対に「情報通信業」では「深刻な影響」は8.0%に過ぎず、81.3%の企業が「軽微な影響」と回答している。
同調査の詳細は↓
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/topi050726.pdf