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経団連、11年度までに消費税率5%の引上げを提言

税務関連情報 - 2008年10月06日

 日本経団連は2日、税・財政・社会保障制度の一体改革に関わる中長期的な方向性を示した上で、当面3年の間に求められる改革についての具体的な提言を行った。そのなかで、今後の税制改革において、消費税をわが国のもっとも基幹的な税目として位置づけていくべきであるとして、2010年度、遅くとも2011年度までに、社会保障費の財源確保や財政再建に向けて、消費税率を5%引き上げ10%とすることを求めた。

 消費税率引上げは、中低所得者層の負担緩和に向けた大幅な所得税減税と一体的に実施することで、景気刺激策や消費税率引上げによる負担の緩和を図ることを提案。中低所得者層(おおむね年収500万円以下の世帯)に対し、5年程度を期限として消費税率1%相当程度の規模の大胆な定額減税(例えば、世帯あたり10万円程度)を行う。その際、所得税から控除しきれない税額については、個人住民税から控除できるようにする。

 消費税率10%は、疲弊した地方の財源確保と活性化に資するよう、国7%、地方3%の配分とする。消費税率の引上げに際しては、基礎的な食料品等は極力品目を限定して軽減税率(現行の税率5%を維持)の適用を検討する。生活必需品における負担増大の回避という観点からは、例えば、一定の所得階層ごとに消費税負担相当額を所得税から税額控除する制度(カナダの連邦消費税税額控除制度等)なども検討に値するとした。

 消費税率の引上げを提言する一方で、諸外国で進む法人実効税率引下げ競争への対応がわが国経済成長のための主要課題だとして、30%程度へ法人実効税率を引き下げるとともに、地方法人特別税を廃止し、地方消費税の拡充のなかで地方法人二税の見直しを求めた。また、現行では納税義務が生じない欠損法人にも適切な応益負担を行うよう、地方法人住民税における均等割のような簡素な応益税を国税に導入することを提案している。

 同提言の詳細は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/068/honbun.pdf