2003年06月25日-001
日商、事業承継税制の確立などの税制改革を要望
日本商工会議所は、政府税調の中期答申が示した所得税や消費税の増税は税収確保を優先した景気抑制的なものとして、否定的である。わが国の目下の最優先課題はデフレからの早期脱却との考えだ。その日商はこのほど、早くも2004年度に向けた中小企業関係施策に関する要望をとりまとめ、今後、政府・与党など関係各方面に提出し、来年度の概算要求に反映されるよう、要望内容の実現を強く求める。
要望書は、創業促進と経営・技術革新など中小企業の成長支援や中小企業の再生と金融セーフティネットの整備・充実など6分野にわたり63項目の要望を提示している。税制改革関連では、まず抜本的な事業承継税制の確立を挙げている。2003年度改正では、相続税の累進構造の緩和や自社株に対する軽減措置の拡充などが講じられたが、引き続き、制度の見直しを求める。
中小企業の事業用資産の承継については、本来非課税とすべきだが、当面少なくともヨーロッパの例にみられるように、例えば、5年程度の事業継続を前提に、課税対象額の5割を控除するといった制度の創設を創設し、抜本的な事業承継税制の確立を図ることを求めている。
中小法人税制等の拡充では、1)中小企業軽減税率の引下げ及び現行800万円の適用所得金額の引上げ、2)留保金課税制度の廃止、3)欠損金繰越控除期間を10年程度まで延長、繰戻還付の適用、4)中小企業投資促進税制の維持・拡大、減価償却資産の法定耐用年数の縮小など減価償却制度の見直し、5)ベンチャー・新規創業支援のための税制措置の拡充、6)交際費の損金算入規制の撤廃などを掲げている。
その他では、法人事業税への外形標準課税の撤廃を改めて主張し、対象範囲が資本金1億円以下までに拡大しないように強く要望。また、年金税制の拡充として、特別法人税の撤廃、確定拠出年金制度における拠出限度額の引上げ、マッチング拠出を認めることをはじめとする税制上の優遇措置などを実施すべきだとしている。
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