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中小企業再生の「第二会社方式」を税制上支援

税務関連情報 - 2009年03月02日

 景気悪化が本格化するなか、中小企業の経営環境は厳しく、倒産件数も増加傾向にある。地域経済の中核を担う中小企業が、過剰債務の圧縮等を図り、事業の再生・継続を積極的に進めるため、2009年度税制改正では、中規模再生特例の創設や企業再生税制自体の要件緩和が図られるとともに、産業活力再生特別措置法を改正して新設される「中小企業承継事業再生計画(仮称)」に基づく「第二会社方式」を税制上支援する。

 「第二会社方式」とは、経営困難に陥っている会社から事業譲渡や会社分割によって採算見込みのある事業を分離し、その事業の再生を図るもの。同方式による事業再生は、不良債権のリスクを負わず税務上の損金算入手続きが容易なことから金融機関の協力が得やすく、また、想定外債務のリスクを遮断することが可能なのでスポンサーの協力が得やすいこともあって、近年、中小企業における活用件数が増加傾向にある。

 反面、「第二会社方式」では、事業譲渡や会社分割によって旧会社から事業を分離させることに伴い、(1)第二会社において事業譲受けの対価や事業継続に必要な運転資金を確保するために多額の資金調達を要する、(2)事業継続に必要な資産の移転に際して、税負担が発生する、(3)第二会社で継続を図る事業が行政庁の許認可等の対象となっている場合、改めて許認可等の取得申請を要するケースが多い、といった課題も存在する。

 そこで、「第二会社方式」によって再生を図る計画(中小企業承継事業再生計画)の認定を受けた受け皿企業には、(1)許認可承継の特例、(2)税負担の軽減、(3)金融支援といった上記課題に対応した総合的な支援を行う。税負担の軽減では、会社分割の登記を半減(0.35%)するなど登録免許税を軽減し、事業譲渡に伴う不動産取得税を6分の1(例えば土地は3.00%を2.50%)軽減する。こうした税制支援は2009年度税制改正で措置される。