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経営関連情報 (2005/03/11)

減少傾向が続く地方普通建設事業費~内閣府

 公共事業の減少が地方経済に及ぼす影響は大きいが、この厳しい状況は当面続くとみるのは内閣府が7日に発表したレポートだ。それによると、2003年度の地方「普通建設事業費」は前年比12.4%の大幅な減少だった(総務省の昨年12月公表資料)。歳出総額が前年度比2.4%減だったことに比べても、減少幅の大きさが目立つ。1990年代後半から、地方財政計画と決算の乖離が徐々に拡大している。

 普通建設事業費とは、地方公共団体の経費のなかで、道路・橋りょう・学校・庁舎など公共または公用施設の新増設などの建設事業に要する経費のことをいう。自治体が国から負担金や補助金を受けて実施する「補助事業費」、独自の経費で実施する「単独事業費」、「国直轄事業負担金」からなる。ちなみに、昨年の台風や地震の影響から一部自治体で増加が見込まれる「災害復旧事業費」は、普通建設事業費には含まれない。

 都道府県・市区ごとの普通建設事業費決算状況をみると、01~03年度の普通決算事業費が「20%以上減少」している自治体の増加が特に目立つ。この要因は、いうまでもなく、各自治体が厳しい財政事情によって、普通建設事業費をここ数年で大きく減少していることにある。

 01~03年度の普通建設事業費の減少傾向を99~01年度の傾向と比べると、都道府県では、98%とほとんどの自治体で減少が続いており、「10~20%未満減少」が53.2%から27.7%に減った分、「20%以上減少」が27.7%から55.3%に増加。市区では、「増加」自治体が依然として全体の4分の1(23.5%)ほどあるが、99~01年度の38.3%からは大きく減っている。その分、「20%以上減少」の自治体が33.5%から51.5%に増えている。

 今年度についても、地方発注の公共工事請負額は、1月までの累計で前年度比10.6%減であり、年度末に向け低調に推移している。来年度の各都道府県の一般会計予算案によると、普通建設事業費は全体で前年比7.4%程度の減少となる見通しであり、レポートは、「地方の普通建設事業費は、全体としては依然として厳しい状況が続く」との考えを示している。