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株券電子化は1月5日スタートに決定

経営関連情報 - 2008年11月17日

 上場会社等の株式に係る株券をすべて電子化する株券電子化制度は来年1月5日からスタートする。金融庁は14日、同制度を規定した「社債、株式等の振替に関する法律」の施行期日を2009年1月15日とする政令案を同日閣議決定したと発表した。政令の公布は本日11月19日となる。株券電子化がいよいよスタートすることで、個人投資家が自宅や金庫で保管しているいわゆる“タンス株”の対応が急がれる。

 株券電子化(株式のペーパレス化)とは、上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構および証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行おうとするものだ。株券電子化の主なメリットは、(1)株券の紛失、盗難、偽造等のリスクの削減、(2)株券発行、受渡し、名義書換等のコスト削減、(3)株主管理の効率化などが挙げられる。

 こうしたメリットがある一方で株券電子化の際に問題となるのはタンス株の存在だ。いわゆるタンス株は、株主名簿上の名義で、発行会社が開設する「特別口座」に自動的に移行されるが、タンス株が他人名義になっていると、本人名義にしないと売却できないことになる。本人名義に書き換えるには煩雑な手続きが必要となり、また、名義上の株主に勝手に売却されてしまうなど、株主としての権利を失うおそれもある。

 現在、上場企業の株式総数3802億株のうち、8割強がすでに振替機構に預け入れられており、預託されていない株式のうち、証券会社の保護預かりや法人が独自に保管している分を除いた個人の“タンス株”は100億株以上にのぼるとみられている。このため、金融庁では、タンス株所有者に対し、できるだけ早めに、証券会社等を通じて証券保管振替機構に預託するか、株券の名義を本人名義に書き換えておくことを勧めている。