昨年から「ロハス(LOHAS)」という言葉が大ブレイクしている。ロハスとは、「人と環境にやさしく健康と持続的発展可能性を重視するライフスタイル」を意味する。ロハスという言葉の認知度が高まるにつれ、企業がロハスに基づく様々なビジネスチャンスを模索しているが、上っ面だけのロハス乱用が多い。そんな傾向に苦言を呈し、ホンモノのロハスを追求せよ!と主張するのは三菱総研・主席研究員の高田直弘氏のコラムだ。
コラムによると、ロハスをめぐる最近の動きは、従来のビジネスモデルの延長線上で、単なるイメージ戦略、ブランド戦略の一環から軽々しく「ロハス」を乱用する傾向が否めない。これでは、持続的発展可能(サステナブル)な社会を構築するうえで非常に重要な「ロハス」という概念を、一過性のブームに終わらせる可能性があると危惧する。今まさに、「ロハス」の本質を改めて問い直す必要があるという。
持続的発展可能な社会を考えた場合、商品開発にしてもこれまでとは違う視点が求められている。時代は「ものを作る時代」から「ものを使う時代」へと移り変わっている。作るだけ作って売りまくるという「20世紀型ビジネスモデル」のなかでは、企業はコスト競争に走らざるを得ず、社会経済活動のグローバル化のなかで、企業活動はますます立ち行かなくなる。よい企業や商品も次第に陳腐化し、結局ユーザーに飽きられてしまう。
そこで、本来の「ロハス」の概念に立ち戻り、完璧な商品を売るのではなく、消費者が、長く使いながら自らのライフスタイルの変化に応じて、自ら考え、改良していけるような商品・サービスの提供を提案。自らの行動を、あらためて想像させ、創造させるチャンスを提供するような、いわば、新たなビジネス基盤を形成するような仕組みの創出が、21世紀の持続的発展可能な社会では求められる、というのがコラムの主張である。