1月企業倒産976件、1年5ヵ月ぶり前年同月比増
帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は976件で、前月比は2.8%、前年同月比も2.8%の増加となり、2009年8月以来1年5ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、金融円滑化法と緊急保証という金融支援策の効果が、ここにきて弱まったためとみられている。零細企業を中心に業績回復を伴わない延命策のツケが、制度開始から1年以上を経て表れつつある。
一方、負債総額は2496億8400万円となり、前月比は15.1%の増加となったものの、前年同月比は90.4%の大幅減少で、3ヵ月連続の前年同月比減少となった。これは、月中、上場企業倒産が1件(中小企業信用機構、負債154億6100万円)発生したものの、負債100億円以上の倒産はこの会社を含め2件にとどまるなど、大型倒産が鳴りを潜めたことが要因となっている。
業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも、小売業(187件、前年同月比23.0%増)は7ヵ月ぶりに前年同月を上回り、35件の大幅増加となったほか、不動産業(40件、同37.9%増)でも増加が目立った。一方、建設業(221件、同▲1.8%)、サービス業(179件、同▲10.5%)など3業種は前年同月を下回った。小売業では、飲食店(66件、同34.7%増)、飲食料品小売(35件、同29.6%増)などで増加が目立つ。
負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は487件発生し、6ヵ月連続の前年同月比増加となり、構成比は49.9%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件で、8月の0件を含め21ヵ月連続で一ケタの件数にとどまった。中小企業は975件で倒産全体の99.9%、小規模企業も834件で構成比85.5%を占め、昨年6月の改正貸金業法の完全施行の影響などもあり、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。
同倒産状況の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1101.html