年休を取り残す理由、「病気への備え」「迷惑かける」
労働政策研究・研修機構が、正社員を対象に2010年10月から11月にかけて実施した「年次有給休暇の取得に関する調査」結果(有効回答数2071人)によると、年休取得日数の平均値は8.1日、年休取得率の平均値は51.6%となった。年休を取り残す理由(各項目の肯定割合の合計)は、「病気や急な用事のために残しておく必要がある」が64.6%で最多、次いで「休むと職場のほかの人に迷惑をかける」が60.2%となった。
以下、「仕事量が多すぎて休んできる余裕がない」(52.7%)、「休みの間仕事を引き継いでくれる人がいない」(46.9%)、「職場の周囲の人が取らないので年休が取りにくい」(42.2%)、「上司がいい顔をしない」(33.3%)、「勤務評価等への影響が心配」(23.9%)などとなっている。病気などの急な用事への備えのほかは、職場の雰囲気や仕事量、代替要員など、いずれも勤め先の要因によって生じている理由が上位にきている。
年次有給休暇の計画的付与制度の導入状況では、「導入されている」とする者が21.8%、「導入されていない」が34.7%、「わからない」が42.2%。計画的付与制度の導入内容(複数回答)は、「年休付与計画表による個別付与方式」が54.1%、次いで「事業場全体の休業の一斉付与方式」が24.8%。また、計画的付与制度が導入されていない者の44.8%が導入を希望しており、年休取得日数が少ない者ほど導入希望割合は高まる傾向にある。
連続2週間程度の長期休暇の取得状況は、「取得した」とする者は2.2%とわずかだった。長期休暇を取得しなかった者の取得希望者は63.2%と6割強に及んだ。長期休暇を取得するために必要なこと(複数回答)は、「長期休暇を取りやすくするような職場の雰囲気の改善」が61.5%でトップ、次いで「休暇中のサポート体制の整備」(53.1%)、「経営トップが長期休暇取得促進に積極的であること」(45.6%)などが挙げられた。
同アンケート調査結果の詳細は↓
http://www.jil.go.jp/press/documents/20110425.pdf