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財産・債務が不明のとき「相続の限定承認の申述」が

経営関連情報 - 2011年07月11日

 相続の承認または放棄は、自己のために相続が開始したことを知ったときから3ヵ月以内に行う必要がある。東日本大震災により被災した人で、次の2つの条件をすべて満たす人は、民法の特例が適用され、この期間が2011年11月30日まで延長されている。(1)2011年3月11日当時、被災地に住所を有していた人、(2)2010年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った人。

 相続が開始した場合、相続人は次の3つのうちのいずれかを選択できる。(1)土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認、(2)権利や義務を一切受け継がない相続放棄、(3)債務がどの程度あるか不明で、財産が残る可能性もある場合等に、相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認。そこで、相続人が(3)の限定承認をするには、家庭裁判所にその旨の申述をしなければならない。

 限定承認者(相続人が複数のときは、申述の受理と同時に選任された相続財産管理人)は、相続財産の清算手続きを行わなければならない。まずは、期間内(限定承認者の場合は5日以内、相続財産管理人の場合は選任後10日以内)に、限定承認をしたこと及び債権の請求をすべき旨の公告(官報掲載)の手続きをする。その後は、法律に従って、弁済や換価などの清算手続きを行っていくことになる。

 なお、限定承認の申述は、相続人全員が共同して行う必要がある。相続放棄をした人を除く共同相続人全員で申述する。申述には、申述書、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、被相続人の住民票または戸籍附表、申述人全員の戸籍謄本、被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要。

 この件の詳細は↓
 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_14.html