人事院が、現行の国家公務員共済の退職手当等との水準比較のために実施した「民間における企業年金・退職金制度の実態調査」では、民間企業の退職金の平均は、例えば、最多層でみた場合、定年は勤続41年で2707万円、会社都合退職は勤続年数32年で2966万円の水準だった。同調査は、規模50人以上の回答企業3850社において2005年度中に退職した勤続20年以上の2万3680人に対する支給額を集計したもの。
調査結果によると、退職給付制度は92.0%の企業にあり、「企業年金と退職一時金の併用型」が44.0%、「退職一時金のみ」が41.5%、「企業年金のみ」が14.5%だった。退職給付制度を設けている理由(複数回答)は、「老後の生活保障」(67.6%)、「長期勤続の促進」(64.6%)、「優秀な従業員の確保」(62.2%)など。また、併用型における構成割合は、退職一時金51.4%対企業年金48.6%と、ほぼ同割合となっている。
企業年金の種類別の採用割合は、「適格退職年金」が60.6%ともっとも高く、次いで「厚生年金基金」が31.4%、「確定給付企業年金」が14.6%など、いわゆる給付保障型の年金が主流を占め、「確定拠出年金」は11.7%にとどまる。また、企業年金の受給資格については、「勤続年数及び年齢」(39.2%)、「勤続年数」(34.9%)が多く、その場合、勤続年数では20年、年齢では60歳とするケースがもっとも多い。
一方、退職一時金の算定方法については、「退職時基本給に定率を乗ずる方法」の企業が45.3%ともっとも多く、その定率の定め方としては「勤続年数及び退職事由」とする企業が50.7%でもっとも多い。退職一時金算定にあたって早期退職優遇制度がある企業は15.1%で、制度を適用するための条件は「年齢」とする企業が90.2%と最も多い。なお、退職時の旅行券など、補助的給付は16.3%と少数派だった。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.jinji.go.jp/nenkin/sankou1.pdf