2003年の首都圏の新築分譲マンションの販売戸数は8万3183戸に達し、5年連続で8万戸の大台を突破した。その要因には低金利の継続と税制面での支援があるようだ。リクルートがこのほど発表した首都圏新築マンション契約者動向調査結果(有効回答数4616人)によると、相続時清算課税制度の影響でマンション購入時の贈与額が大きく増加したことが分かった。
2003年の契約者全体で贈与を受けている割合は前年から4.4ポイント増えて34.5%と3分の1を超えた。平均贈与額についても前年の569万円から683万円に増加し、特に1000万円以上の割合が前年から10.1ポイント増えて25.4%となったことが目立つ。昨年1月から導入された相続時清算課税制度が活用されたことが背景にあるとみられている。同制度では、住宅取得に限っては親の年齢に制限なく3500万円まで生前贈与が非課税となる。
購入理由(3つまで回答)をみると、「税制が有利で買い時だと思った」は前年から1.0ポイント増加して11.1%となった。トップは「金利が低く買い時だと思った」が同9.2ポイント増加して36.8%となり、前年までトップの「もっと広い家に住みたい」(32.4%)を上回った。
また、低金利のメリットからローン返済額が大幅に減少している。ボーナス時加算を加味した平均年間返済額は、前年の141.4万円から125.2万円まで下がった。年間返済額が120万円未満の割合は、前年から13.7ポイントも増えて47.6%と大きく伸びた。ローンの借入総額は2002年2903万円、2003年2915万円と大きな変化はないことから、返済面では低金利のメリットを大いに享受していることがうかがえる。