税 務 関 連 情 報

2002年02月13日-001
ペイオフ対応での口座分散は贈与税の考慮も必要

 4月からのペイオフ凍結解除が確実な情勢となってきた。ペイオフでは、金融機関が破綻した場合、一預金者当たり元本1千万円とその利息しか払い戻しが保証されない。4月からは、まず定期性預金が全額保護の対象から外れる。

 そこで、ペイオフ解禁を前に様々な対策が話題となっている。そのひとつに、1千万円を超える預金を、妻や子供などの家族名義にして口座を分散させる方法がある。しかし、預金保険制度では、単に家族などの名義を借りただけの預金は「他人名義預金」とみなされ、払戻保証の対象外となってしまうおそれがある。その名義人が真の預金者であって他人名義ではないことを証明する必要があるわけだ。

 また、税務上では、預金を家族名義に分散させた場合は贈与税がかかる。年間110万円の基礎控除の範囲内ならば非課税だが、それを超える部分は贈与税がかかることになる。分散する額が多ければ多いほど多額の贈与税がかかるわけで、ペイオフ対策コストとして割が合うかどうかも考えなければならない。もっとも、贈与税の申告手続きをしておけば、上記の他人名義ではないことの証明とはなろう。

 最悪なのは、安易に名義変更しておいて、払戻保証の対象外となるだけでなく、後で贈与税の課税対象にもなってしまうことだ。家族名義に変更する場合は、贈与税の課税対象となることを念頭においた慎重な検討が望まれる。

 

 

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