ゼイタックス

3月末の「国の借金」はやや減少の846兆円

税務関連情報 - 2009年05月11日

 財務省が8日に公表した2009年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は846兆4970億円となり、前回発表の昨年12月末時点から1935億円減少、過去最高を記録していた1年前の2008年3月末時点からは2兆7426億円減少した。ただし、地方が抱える長期債務残高は2009年度末で約197兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、いまだに大台の1000兆円を突破する状況にある。

 今年3月末時点の国の借金は、1年前に比べ、国債は約3.9兆円減の680.5兆円で全体の約80%を占めた。うち普通国債は、補正予算の財源確保のため国債を増発した影響で約4.5兆円増の545.9兆円と過去最高となった。ただ、財政投融資は償還が増加し、約8.7兆円減の131.1兆円となり、全体の借金を減らした。国債以外では、借入金は1年前から約0.4兆円増の57.6兆円、政府短期証券も同約0.7兆円増えて108.5兆円となっている。

 この「国の借金」846兆4970億円は、2009年度一般会計予算の歳出総額88兆5480億円の約9.6倍、同年度税収見込み額46兆1030億円の18.4倍である。年収500万円のサラリーマンが9200万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の4月1日時点での推計人口1億2760万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約663万円の借金となる。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 一方で財務省は、経済危機対策のため追加額13兆9256億円にのぼる2009年度補正予算案を4月27日に今国会へ提出している。その財源のほとんどを10兆8190億円に及ぶ公債の増発で賄う考えだ。この結果、公債依存度は、当初予算における37.6%から43.0%へと跳ね上がり、実績ベースの過去最高値だった2003年度の42.9%を上回る公債依存度となる。財政再建の道はさらに遠のきつつある。