ゼイタックス

経営関連情報 (2003/12/01)
中小企業も決算書を公開する時代(6)

~金銭債権はどのように取り扱うのか?

 ここまでは「中小企業の会計」の意義や必要性を簡単に説明してきたが、ここからは「中小企業の会計」の個別論点の説明に移る。まず最初は「金銭債権」である。金銭債権とは、売掛金・受取手形・短期貸付金・長期貸付金など、将来一定の金銭の給付を受けることができる権利(債権)の総称である。

 一般的な金銭債権についての評価額は、その債権金額(券面金額など)を付さなければならない。ただし、債権金額より高い代金で買い入れたときは相当の増額を、低い代金で買い入れたときその他相当の理由があるときは相当の減額をすることができる。相当の理由があるとは、例えば、相当長期にわたって無利息貸付けを行う場合がある。

つまり、一般的な金銭債権の評価額は、例えば、券面金額100万円の手形を70万円で購入した場合、買い入れた価額70万円を計上する(原則的取扱い)。ただし、券面額との差額30万円を、弁済期に至るまで毎期一定の方法で逐次貸借対照表価額に加算することができるというものである(例外的取扱い)。

 そのほか、コマーシャルペーパーや譲渡性預金証書など市場価格のある金銭債権については、時価で評価することができる。デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務については時価で評価する。ただし、もっぱらリスクヘッジを目的とするものについては、ヘッジ対象とデリバティブを一体で評価する。

                            (続く)