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経営関連情報 (2007/01/15)

家計に波及していない企業の改善~07年連合白書

 連合がホームページ上に掲載した「連合白書(2007年春季生活闘争の方針と課題、WEBダイジェスト)」によると、上場企業の9割以上が黒字決算の一方で、労働者家計の黒字世帯の割合は2、3割にとどまっており、企業部門の改善が家計部門に波及していないと指摘している。また、企業が1年間に生み出した付加価値のうち、労働者に賃金等として分配された比率(労働分配率)は、急速に低下を続けているとしている。

 特に大企業では、人件費を減らす一方で、株主配当を2001年度比で2.8倍、役員給与・賞与を2倍に増やしている。財務省の「企業行動に関するアンケート調査」(2006年1月)によると、今後の企業利益の使い道(複数回答)は、「設備投資」(78%)や「株主への配当」(68%)、「研究開発」(42%)などであり、企業の利益を「労働者の処遇改善」(19%)に振り向けようとする企業は2割に満たない。

 こうしたことから、労働者の年間給与総額は8年連続でマイナスとなっている。国税庁の「税務統計から見た民間給与の実態」によると、ここ10年間における年間給与総額(月例賃金+一時金等)は、ピークの97年の約467万円以降下がり続け、05年は約437万円まで減少している。また、6割以上の人が、この5年間で労働者間の所得格差が拡大していると感じている。

 連合総研の「勤労者の仕事と暮らしのアンケート調査」(2006年4月)によると、5年前と比べた個人間の収入格差が「拡大した」との回答が64%にのぼった。その主因として51.1%が「非正規雇用の増加」を挙げた。総務省の労働力調査によると、90年代から正社員が減る一方、パートや派遣、契約労働者が増えている。いわゆる非正社員比率は、96年の20.9%から2006年には33.2%に増加している。

 連合白書のWEBダイジェストは↓
http://www.jtuc-rengo.or.jp/shuppan/roudou/2007hakusho_digest.html