中小企業金融公庫が11月29日に発表した中小企業景況調査結果(有効回答数582社)によると、11月の売上DI(前月比、「増加」-「減少」、季節調整値)は0.9ポイント上昇の0.9と、14ヵ月連続のプラスとなった。また、今後3ヵ月の売上見通しDI(過去3ヵ月の実績比、同)は、1.5ポイント低下の15.3となったものの、二ケタ台のプラスが続いており、中小企業の景況は改善傾向にある。
11月の売上DIを最終需要分野別にみると、「建設関連」(▲3.9)で減少超に転じ、「設備投資関連」(0.5)で増加超が縮小し、「家電関連」(▲11.7)、「食生活関連」(▲1.2)で減少超幅が拡大したものの、「乗用車関連」(30.9)で増加超に転じ、「衣生活関連」(▲6.2)で減少超幅が縮小した。今後3ヵ月の売上見通しDIでは、建設・家電・乗用車・食生活関連で増加超幅が拡大したものの、設備投資・衣生活関連で増加超幅が縮小した。
また、11月の販売価格DI(前月比、「上昇」-「減少」)は、1.1ポイント低下の1.4となったものの、10ヵ月連続のプラス。仕入価格DI(同)は、4.6ポイント低下の21.7と2ヵ月連続の低下となった。利益額DI(前月比、「増加」-「減少」、季節調整値)は、0.2ポイント低下の0.3となったものの、3ヵ月連続のプラスとなった。
そのほか、利益水準(過去3ヵ月の実績)をみると、黒字企業割合は前月比2.4ポイント低下の51.6%、赤字企業割合は同0.3ポイント低下の18.5%となっている。一方、資金繰りDI(「余裕」-「窮屈」、季節調整値)は0.9ポイント上昇の1.0となり、4ヵ月連続のプラス、金融機関の貸出態度DI(「緩和」-「厳しい」、季節調整値)は、前月比横ばいの45.9となり、大幅なプラスが続いている。