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派遣スタッフ年齢上昇、顧客企業の要望とミスマッチ

経営関連情報 - 2008年09月08日

 事務系人材派遣を中心に、登録スタッフの年齢が上昇しているにもかかわらず、派遣先企業では依然として若年層の希望が強く、派遣業界がミスマッチに苦慮していることが、オピニオン社の調査で明らかになった。わが国の労働市場は、人口減少に伴い、主婦や中年層の活用が必須課題になっているにもかかわらず、企業側の対応の鈍さが壁となっていることを示唆する結果となった。調査対象は派遣元企業68社。

 調査結果によると、まず、派遣スタッフの募集状況については、「厳しい」が51%、「非常に厳しい」が21%と計71%にのぼり、昨年来のスタッフ不足が鮮明になり、業種もほぼ全業種にわたっていることが分かった。また、スタッフ不足が与える影響に関連して、登録スタッフの平均年齢を聞いたところ、もっとも多かったのは「30~34歳」の49%、「35~39歳」が22%、「40~44歳」が13%となった。

 3~4年前の年齢層と比べた登録スタッフの平均年齢の上昇度は、「やや(2~3歳程度)上昇」が41%ともっとも多く、「非常に(4~5歳程度)上昇」が25%で続いた。年齢の上昇比率は66%にものぼり、スタッフの“高齢化”が進んでいる。年齢が上昇している影響(複数回答)は、「派遣先が若いスタッフを求めるので、平均年齢が上がると人選が難しくなる」が78%に達し、顧客企業の要望とミスマッチが生じている。

 一方、人手不足を緩和する新たなスタッフ層としてシニア層や主婦層の活用が注目を集めているが、定年退職後の男性を中心にしたシニア層については、「すでに募集活動に着手」と「準備中」と回答した派遣元は20%に過ぎず、半分近い46%が「派遣先がシニア世代の派遣に理解を示すようにならないと、収益事業にならず、機は熟していない」と回答。シニア派遣に対する派遣先企業のニーズはまだ高くないことを示唆している。

 また、35~50歳の中高年女性の募集になると、「着手」や「準備中」は48%とほぼ半数を占めるが、「機が熟していない」も24%あった。そのなかでも、子育て中の女性になると、「着手」と「準備中」は38%に下がり、「機が熟していない」は30%にアップ、子育てママは女性のなかでも不利な状況に置かれていることがうかがえる。