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正社員「採用増」2年連続増も4割超が「予定なし」

経営関連情報 - 2011年03月07日

 帝国データバンクがこのほど発表した「2011年度の雇用動向に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万990社)によると、2011年度の正社員(新卒・中途採用)の採用見通しは、「増加する」と回答した企業が2010年度見通しに比べ5.2ポイント増加の19.5%となり、2年連続で改善した。ただし、「予定なし」とする企業も同6.7ポイント減ながら40.8%と4割を超える。「変わらない」は22.0%、「減少する」は7.9%。

 2011年度の非正社員(派遣社員、パート・アルバイトなど)の採用見通しについては、「増加する」と回答した企業が2010年度見通しに比べ2.6ポイント増の8.8%となった。一方、「採用予定はない」は同6.2ポイント減ながら50.8%と3年連続で5割を超えており、非正社員の採用状況は依然として厳しい。非正社員から正社員への切換えをする企業が増えているなかで、半数以上の企業が非正社員の採用を見送るという状況が続いている。

 2011年度の正社員比率の見込みについては、2010年度と比べ「上昇する」と回答した企業が13.7%で、「低下する」(10.8%)を上回った。「上昇する」と回答した割合を規模別にみると、「大企業」(14.3%)が「中小企業」(13.5%)よりも高い。業界別では、「サービス」(17.5%)や「農・林・水産」(17.1%)が高かった。「低下する」では、「農・林・水産」(19.5%)や「小売」(15.8%)が高かった。

 正社員比率が上昇する要因(複数回答)は、「業用拡大への対応」が2010年度見込みから11.6ポイントの大幅増加の53.6%、次いで「団塊退職による補充」が同6.4ポイント増の24.8%。一方で、前年度見込みで2位だった「業績低迷による非正社員の削減」は同13.5ポイントの大幅減少の8.0%となった。正社員比率は、業容拡大や団塊世代の退職のほか、非正社員の削減が落着きを取り戻したことから、上昇へ転じたことがうかがえる。

 既卒者の新卒扱い採用については、「卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いで採用を決定」と回答した企業が2.4%、また、「卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いで採用を検討している」が6.3%と、合わせて1割弱の企業が少なくとも既卒者を新卒者扱いで採用を決定・検討していることが分かった。さらに、「新卒と既卒で区別しない(必要に応じて採用)」とする企業は28.5%。一方、「検討していない」とする企業は43.8%となった。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w1102.pdf