大阪商工会議所はこのほど、「2009年度中小企業対策に関する要望」を公表し、中小企業の“経営体力”の強化や付加価値を高める中小企業の“成長力”の創造、中小企業を支える“人材力”の創造などの観点から各種の支援策を求め、福田首相はじめ関係担当大臣に建議した。この要望は、中小企業が有するあらゆる“力”を最大限に引き出すため、40項目(うち新規14項目)にわたる必要不可欠な支援拡策を盛り込んだとしている。
付加価値を高める中小企業の“成長力”の創造の観点からは、“競争力”強化のための中小企業関連税制の整備として、(1)法人実効税率の引下げ、(2)固定資産税の軽減、事業所税の廃止、(3)同族会社の留保金課税制度の撤廃を求めている。法人実効税率は現在約40%だが、これを、国際競争力強化のために、わが国の中堅・中小企業の主な競争関係国である、アジア諸国並みの約30%に引き下げることを要望した。
固定資産税については、都市部における企業の負担は重く、地域産業の競争力を低下させる一因にもなっていることから、土地の収益力に応じた課税方法に見直し、また、一定期間以上、所有・納税した企業を対象に、納税期間に応じ段階的に税負担を軽減する措置の創設を求めた。加えて、都市インフラを有効活用した新たな事業展開を促進するため、都市部で事業を行う法人・個人のみに課税されている事業所税の廃止を要望した。
留保金課税制度については、同族会社に対して二重の税負担を強い、内部留保による資本充実を阻害している留保金課税(資本金1億円以下の中小法人は適用対象外)については、本来完全撤廃すべきであるとしながらも、とりあえず少なくとも資本金3億円以下の中小企業を適用対象から除外するなど、適用除外対象の拡大を図ることを求めている。
そのほか、事業の発展・継続を図る“つながり力”の強化策として、「中堅・中小企業経営者の高齢化が進展し、本格的な世代交代期を迎えるなかで、円滑な経営承継が企業の存続のみならず、地域経済や雇用を守る観点からも喫緊の課題」と指摘。今年10月から施行される「経営承継円滑化法」の趣旨や経営実態等に沿って中堅・中小企業にとって真にメリットを感じ、使いやすい制度となるよう特段の配慮を求めている。
同要望の詳細は↓
http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/200701.pdf