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人事担当者の66%が「就職氷河期」を予想

経営関連情報 - 2009年02月18日

 日増しに景況感が悪化するなか、2010年度新卒採用が本格化する。楽天リサーチが企業の人事担当者を対象に1月後半に実施した「2010年度新卒採用に関する調査」結果(有効回答数500人)によると、2010年度の就職戦線について、「氷河期になる」との予想が48.7%と半数近くを占め、「超氷河期」(16.9%)を合わせると65.6%と、ここ3年の「売り手市場」はすでに過去のものであることが明らかになった。

 2010年卒の新卒採用人数については、「昨年(2009年度)に比べ採用人数は横ばい予定」(41.2%)と「減らす予定」(26.8%)で約7割を占め、冷え込む見通しとなっている。業種別にみると、横ばいまたは減らすと回答した担当者が全体的に多い。「卸売・小売業」(36.8%)、「金融・保険業」(37.9%)、「複合サービス事業」(45.5%)の業種では、「2009年度より減らす」との回答割合が全体より10ポイント以上高かった。

 昨年(2009年度)と今年(2010年度)を比較で、就職活動する学生の行動の変化をみると、「就職活動に不安を感じる人が増えた」が38.5%、「エントリー数が増えた」が29.0%などとなった。一方、安定志向といわれるなか、「大手志向が強くなった」は13.1%、「終身雇用を意識する人が増えた」は12.1%にとどまり、人事担当者は、まず就職先を確保しておきたいという学生の焦燥感を感じ取っているようだ。

 経済産業省の「社会人の基礎力」のなかで、2010年度の新卒新人に求める項目は、「主体性」(58.2%)、「実行力」(50.5%)、「柔軟性」(34.4%)、「課題発見力」(27.9%)の順。これらの上位4項目は2009年度と変わらないが、2010年度は「ストレスコントロール」(17.9%)を重視する担当者が6.1ポイント増えてきており、昨今の経済情勢下において、企業を志す学生に適度なメンタル面の強さを求めているようだ。

 なお、人事担当者として人を見るときにもっとも注意する点は、「話し方」が38.2%、次いで「表情」(23.2%)、「立ち居振る舞い」(18.2%)、「身なり」(16.6%)などの順となった。対照的に「髪型」や「声の大きさ」、「服装」などをもっとも注意してみる採用担当者はいずれも1%未満だった。さまざまな項目を重視しつつも、見た目だけではなかなか分からない点を、より重視していることがうかがえる。

 同調査結果の詳細は↓
 http://research.rakuten.co.jp/report/20090209/