全国銀行協会がまとめた同協会会員180行を対象にした「いわゆる偽造キャッシュカードによる預金等引出し」に関するアンケートによると、2003年度は91件(2億7200万円)だった被害件数が、今年度4~6月期は52件(1億8800万円)、7~9月期は70件(2億7300万円)にのぼることがわかった。2002年度は4件(1200万円)、2001年度は1件(1900万円)に過ぎない。
これは、預金者からの申し出があって確認した結果、偽造キャッシュカードによる預金引出しや、偽造カードによるローンの借入れである可能性が高いと判断できたケースをカウントしたもの。件数は、原則として預金名義人単位。
また、「盗難通帳による払出し件数・金額」については、今年7~9月期は80件(7100万円)が確認された。前期の4~6月期(55件、5100万円)に比べやや増加しているが、これまでの推移をみると減少傾向にある。ちなみに、昨年4~6月期は244件(8億400万円)、同7~9月期は183件(6億8500万円)、同10~12月期は140件(2億4600万円)、今年1~3月期は107件(2億2300万円)となっている。
なお、全銀協では、口座不正利用に伴い、今年7~9月期に1万853口座を利用停止とし、8555口座を強制解約等したことを明らかにした。強制解約等のなかにはすでに利用停止していたものが5340口座あることから、同期の利用停止と強制解約等の合計は1万4073口座になる。口座不正利用とは、「ヤミ金融業者の返済金振込口座」や「架空代金請求の代金振込口座」、「オレオレ詐欺の振込口座」などに預金口座が利用されることをいう。