4月1日から、引っ越しや売買で所有自動車が他県のナンバーに変わっても納付していた自動車税は月割還付されず、新たな課税もされない。自動車税は4月1日現在での自動車の所有者が納める道府県税だが、現在は自動車の所在地が県域を越えて変更となった場合は月割計算をしているが、2005年度税制改正において、その年度末に変更があったものとして計算することになり月割計算は廃止される。
これまでは、4月1日現在住んでいるA県に自動車税を納めた納税者が、7月に転勤でB県に引っ越したため、B県のナンバーに登録変更したケースでは、引っ越したB県から8月から翌年3月分の自動車税を月割で課税され、A県からは月割で還付された。4月からは、月割計算による新たな課税も還付もなくなり、引っ越し先のB県からは翌年度分から自動車税が課税されることになる。
納税者にとっては、わずらわしい手続きがなくなることから大歓迎だが、問題なのは、例えばA県の納税者からB県の納税者に車を売ったケースだ。これまでは、A県から月割計算で自動車税が還付され、B県では新たな所有者に月割計算で課税していたが、それがなくなる。友人同士なら個人的に精算すればいいが、自動車の売買はほとんどが自動車販売店が仲介して、第三者に販売するケースだ。
この場合は、販売店が前の所有者に残期間分の自動車税を月割計算して支払い、新しい所有者にその分を請求するか、または販売店が負担するなど、商売上で精算するしかない。もっとも、これまでも同一都道府県内での所有の移転は年度末にあったものとみなして還付制度はなかった。そのときの商慣行と同じと考えれば問題はないのかもしれない。なお、年度の途中での新規登録の際の課税や廃車での還付は今までどおり月割計算される。