経 営 関 連 情 報

2002年08月26日-001
降給の導入など定昇を見直すべきとの企業が急増

 日本経団連が今春闘に関して実施した調査によると、賃上げ妥結結果の水準が前年に比べ一段と低下したことが鮮明となった。賃上げ率の分布を前年と比べると、分布のピークは前年が「2%台前半」(45.2%)だったものが、今年は「1%台後半」(45.9%)となり、「2%未満」が7割を超えた。調査は1,966社のトップ・マネジメントを対象に行われ275社から回答があった(回答率14.0%)。

 今年の賃金決定の結果については、「ベア実施」が9.2%と1割にも満たず、「定昇のみ」が最多の65.8%、「定昇の凍結」と「賃金額の据え置き」が合わせて8.8%、「降給を実施」も1.2%に及んだ。ベアなし春闘とはいいながら、半数以上の企業が定期昇給は守ったというのが特徴だが、回答率はわずか14%であって、多くの企業が賃下げ公表を避けたことをうかがわせる。また、ほとんどベアが実施されていない中、賃上げによる人件費の増加等を負担と感じる企業が63.9%にも及んでいる

 今後の賃金決定のあり方については、「定昇制度を見直し、降給も導入すべきだ」とする回答が昨年より10ポイント増の37.6%で最も多く、賃下げしたいという企業の本音が表れている。また、「定昇のみ、余裕があれば賞与に反映」(33.2%)、「定昇中心で、ベアは毎年実施する必要なし」(10.2%)とする、“定昇中心”あるいは“定昇のみ”のいわゆる「ベア不要論」をとる企業も4割を超えた。このように、ベア方式を認める企業がごく少数になる一方で、降給の導入など定昇制度自体を見直すべきだとする企業が急増している。

 

 

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