ゼイタックス

税務関連情報 (2007/10/31)

法人税調査で1兆7242億円の申告漏れ把握

 国税庁が10月29日に公表した今年6月までの1年間(2006事務年度)における法人税調査事績によると、不正計算が想定されるなど調査必要度の高い14万7千法人(前年度比2.4%増)を実地調査した結果、うち73.4%にあたる10万8千件(同4.1%増)から前年度に比べ3.6%増の総額1兆7247億円の申告漏れを見つけた。加算税額633億円を含む4402億円(同11.4%増)を追徴。1件あたりの申告漏れは1176万円となる。

 また、調査した21.7%にあたる3万2千件(前年度比10.5%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は4346億円(同4.9%増)だった。1件あたりの不正脱漏所得は1368万円(同5.1%減)と減少したが、過去最高だった2002年度の1591万円に比べれば200万円程度の減少にすぎず、不正事案の大口化は依然として続いているとみていい。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が52.0%で5年連続のワースト1位となった。「バー・クラブ」は2000年度まで14年連続1位という不名誉な記録を続けていたワースト業種の常連(唯一2001年度がワースト2位)。次いでこれも常連の「パチンコ」(49.1%)が続き、「廃棄物処理」(35.3%)までのワースト3の順位は4年連続で変わりない。

 一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい10業種では、前年6位の「貿易」が7921万円でトップになった。以下、「電子機器製造」(3926万円)、「パチンコ」(3447万円)、「物品賃貸」(2449万円)、「鉄鋼卸売」(2278万円)までがワースト上位5業種。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は高額10業種に入っておらず、1件あたりの不正脱漏所得金額は1167万円と相対的に少ない。