ゼイタックス

経営関連情報 (2006/04/14)

HPでの企業情報提供に求職者と企業でギャップ

 総合求人情報サイトを運営するディップ社がインターネットを使った転職(活動)経験者を対象に昨年12月に実施した「求職活動における企業ホームページの利用状況に関する調査」結果(有効回答数1030人)によると、ホームページから企業を「判断できる」との回答が91.7%と9割を超えた。しかし、企業ホームページを訪問した際、「満足できないことが多い」との回答が48.8%とほぼ半数を占めた。

 その理由(複数回答)としては、「実際の職場環境がイメージできないから」(59.3%)がもっとも多く、以下、「企業のイメージが具体的に確認できないから」(49.9%)、「募集要項等の情報が得られなかった」(27.7%)などが続き、企業のホームページにおいて、採用コンテンツが充実していない点が満足できない理由として上位を占めた。

 一方、同社が従業員50名以下で中途採用を実施している中小ベンチャー企業経営者を対象に今年3月後半に実施した「中途採用に関する調査」結果(有効回答数400人)によると、「自社ホームページにて十分な情報提供ができている」と回答した中小企業経営者は12.5%と1割強に過ぎなかった。求職者側の半数が企業のホームページに満足していないのに対し、企業側がそれに応えていない現状が鮮明となった。

 転職活動者が企業のホームページを訪問する理由(複数回答)は、「企業の詳細な情報収集」(81.1%)、「ホームページを閲覧しないと企業の実態がわからない」(65.8%)としているのに対し、中小企業経営者の53.5%が「採用においてホームページの重要性を感じていない」とした。求職者側からの詳細な情報提供の期待に対し、経営者の半数がホームページの重要性を感じていないという意識のギャップが明らかになった。

 また、自社のホームページにて十分な情報提供ができていないと回答した全体の9割近い経営者のうち、68.0%が「面接時でのミスマッチを感じている」と認識していた。こうした現状からも、採用ホームページによる企業研究のための情報提供が十分に行われていないため、企業側・求職者側の相互理解の不足を生み、「入社前・入社後のミスマッチ」の温床につながっている、とみられている。