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税務関連情報 (2007/04/13)

納期の特例の対象外の源泉所得税に注意

 ご存知のように、給与等の支払い対象者が常時9人以下の源泉徴収義務者は、毎月の源泉所得税の納付を年2回で済ますことができる納期の特例がある。給与等から毎月発生する源泉所得税は、原則として給与等の支払月の翌月10日までに毎月税務署に納めなければならないが、その手間は結構大変だ。そこで所得税法では、従業員が少ない会社の事務負担を軽減するために特例を設けている。

 この特例は、「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」を税務署に提出して承認を受ければ、その申請月の翌々月の納付分から適用される。特例が適用されると、1月から6月までの源泉徴収分はその年の7月10日までに、7月から12月までの分は翌年1月10日までに一括して納付することができる。さらに、「納期の特例適用者に係る納期の特例」を受ければ1月10日の納期限が1月20日まで延ばせる。

 こうして、本来毎月発生する源泉所得税の納付が年2回で済むわけだから、該当企業にとってはかなり事務負担の軽減となる。しかし、留意すべき点もある。それは、この特例の対象となる支出が給与を始め退職金や税理士報酬などに限られていることである。これ以外の支出、例えば原稿料や外注費に係る源泉所得税は、特例の適用を受けていても、毎月10日までに税務署に納めなければならない。

 こうした点を知らずに、これらの源泉所得税を納期の特例を受けた源泉所得税とともに半年後に収めた場合には、この部分に係る源泉所得税は期限後納付として、不納付加算税や延滞税を払わざるを得ないことになってしまう。また、納期の特例を受けたものの、半年間の間に収めるべき源泉所得税がなかった場合でも、所得税徴収高計算書(納付書)は税務署に提出しなくてはならないので注意が必要となる。