社会経済生産性本部が毎年実施している恒例の新入社員を対象とした「働くことの意識」調査結果によると、2004年度新入社員(3843人)の就職先の企業を選ぶ基準は、「自分の能力・個性が活かせるから」(32.0%)がトップだった。以下、「仕事がおもしろいから」(23.2%)、「技術が覚えられるから」(10.5%)など、個人の能力・技能や興味に関連する項目が上位を占めた。
反面、勤務先の企業に関連する項目、「一流会社だから」(2.5%)、「経営者に魅力を感じて」(3.9%)、「福利厚生施設が充実しているから」(1.0%)などは10%に満たない数値。終身雇用制の後退を背景とする昨今の「就社」から「就職」という傾向を反映している。興味深いのは1971年度には27%でトップだった「会社の将来性」が10%にまで落ち込んだこと。“寄らば大樹”的な思考が廃れ、自らの技能や能力が問われる時代へと変化してきたことを物語る。
若者のフリーター化が社会問題となっているが、今後フリーターになる可能性については、就職したにもかかわらず全体の31.3%が「ある」と回答。また、全体の35.3%が進路を決めるにあたって「(就職できずに)フリーターになってしまうかもしれない」という感触をもった。さらに、約20%は「フリーターでも構わない」と受け入れかねない状況だった。今やフリーターは進路のひとつの可能性としてしっかりと根付いているようだ。
なお、就職活動の情報源としてインターネットの重要性が高くなっている。利用された情報源は、「会社説明会」(87.7%)に次いで「インターネットの企業ホームページ」(84.4%)、「インターネットの就職関連サイト」(84.0%)が続いた。4年生大卒では90%半ばの高い利用率だが、それ以外に専門学校卒では「企業ホームページ」が昨年の58.3%から74.9%へ、「就職関連サイト」が同51.0%から66.9%へ増加している。