ゼイタックス

経営関連情報 (2006/04/28)

今後の企業戦略は「新商品開発」「商品の差別化」

 わが国企業は、過剰設備や過剰雇用などバブル後の負の遺産がおおむね処理されたことを背景に、中期的に積極的な見通しを立てているようだ。内閣府が25日に発表した「2005年度企業行動に関するアンケート調査」結果(有効回答数1123社)によると、今後の企業戦略では、新製品の開発、商品の差別化、現地需要に応じた海外生産拠点の整備などによって成長を持続させようとしていることがわかった。

 まず、今後3年間の売上増加の方策(複数回答)については、販売価格はおおむね現状を維持しつつ、「新商品の開発」(64.6%)や「商品の差別化」(56.9%)を挙げる企業が多い。その際の企業の競争力の源泉(複数回答)は、「品質・技術力」(71.1%)、「顧客の個別ニーズへのきめ細かな対応」(51.2%)、「企画・提案力」(37.0%)、「低コスト」(32.6%)などだとしている。

 資金の調達については、民間金融機関からの借入、収益改善を背景とする内部資金の2つを重視。利益及び調達資金の使途(複数回答)としては、「設備投資」(77.9%)、「株主への配当」(67.7%)などで重要度が増加し、「有利子負債の圧縮」は現状の43.7%から今後3年間では39.2%とやや減少した。産業別では、製造業で「研究開発」(64.3%)を、非製造業では「従業員の処遇改善」(現状から6.7ポイント増の26.0%)を重視している。

 一方、グローバルの視点からみると、海外現地生産を行う企業の割合、海外現地生産比率はいずれも増加傾向にある。製造業が海外に生産拠点を置く理由としては、「製品需要が旺盛または今後の拡大が見込まれる」(39.9%)といった現地の製品需要に対応することを理由とするものがもっとも多く、この傾向は素材型製造業(44.3%)で強くなっている。次いで、「良質で安価な労働力が確保できる」(34.0%)を挙げている。

 今後3年間、企業は成長を見込んでいるが、この見通しに影響を及ぼすリスク(複数回答)については、「原材料の価格変動等」(49.0%)が約半数ともっとも多く、原油価格などの動向を心配する回答が多い。次いで「商品開発戦略(新製品の成否)」(48.2%)を挙げる回答が多く、特に製造業は62.5%にのぼる。非製造業では「コンプライアンス(法令違反、顧客情報の漏えいなど)」が50.9%(全体では32.5%)に達した。

 同アンケート調査の要旨は↓
 http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/h17ank/main.html