従業員数5人未満及び資本金500万円未満の倒産件数構成比が高率で推移するなど、小規模企業の倒産が目立っている。東京商工リサーチがこのほど発表した最近の小規模倒産状況によると、従業員数5人未満の倒産件数の構成比は、月次ベースで60%前後を推移し、さらに倒産件数は月平均で2005年が654件、2006年が684件、2007年に入って1月~7月が712件となり、増加傾向をみせている。
資本金500万円未満(個人企業等を含む)の倒産件数構成比は、2005年が年間40.2%、2006年が41.4%、2007年1月~7月が41.3%と、倒産件数の4割を占める状況が続いている。月平均の倒産件数も、2005年が435件、2006年が457件、2007年1月~7月が488件と増え続けている。業歴別にみると、2007年になってからは、設立5年未満の新興企業の倒産件数が2月から6ヵ月連続で前年同月を上回り、増加傾向にある。
こうした小規模企業倒産の要因は、地方と都市部では異なる。地方の倒産は、従来どおり、景気拡大を牽引する輸出の恩恵にあずからない内需関連産業の販売不振を理由とするものが中心だが、都市部においては、企業収益の増加が失業率の低下と個人消費に波及するなかで、ある程度売上は確保できるものの、各種代理業や下請業者などの中間業者を中心に、人件費や原材料費のコスト増加が収益を圧迫している。
特に資本規模が小さい企業ほどこうした影響を受けやすく、また、設立から間もないベンチャー企業は、好調な景気に伴い仕事はあるものの、同業他社との競争が激しく、低収益である。したがって、売上金回収の遅れや取引先の倒産に遭遇すると、たちまち資金繰りに困窮する。こうした企業は、間接金融依存度が高く、急な借入は困難であり、一時的な資金ショートが倒産の引き金となるとみられている。