2005年1年間に亡くなった人は約108万人だったが、このうち相続税の課税対象となった人数は約4万5千人で課税割合は4.2%だったことが、国税庁がまとめた相続税の申告事績で明らかになった。相続で税金がかかるのは100人に4人ということになる。この課税割合4.2%は前年分と横ばいの数字だが、地価の下落を受けた結果、直近において基礎控除額の引上げなどがあった1994年分以降で最低の水準となっている。
相続財産額の構成比は、「土地」が50.4%でもっとも高く、「現金・預貯金等」20.5%、「有価証券」13.3%の順。土地は、地価の下落を背景に、1994年分の70.9%から一貫して減少する一方、現金・預貯金等は一貫して増加している。相続財産に占める割合が高い土地の評価が下がるにつれ、年々、相続財産の課税価格が基礎控除額(「5000万円+1000万円×法定相続人の数」)内でおさまるケースが増えていることになる。
ちなみに、路線価の基礎となる標準宅地の平均額の推移は、1平方メートルあたり25万6千円だった1994年を100とすると、年々減少をたどり、同11万2千円となった2005年は44まで落ち込んでいる。
2005年中の相続に係る課税価格は、10兆1689億円(対前年分比3.2%増)、被相続人1人あたり2億2537万円(同0.5%減)となる。税額は、1兆1520億円(同8.3%増)、被相続人1人あたりでは2553万円(同4.3%増)。また、負担割合(課税価格に占める税額の割合)は、2003年相続開始分から最高税率が70%から50%に引き下げられた結果、前年は過去最低の10.8%となったが、2005年分は0.5ポイント上昇の11.3%となった。