経 営 関 連 情 報

2003年10月31日-002
IT投資でもソフト・サービスが主役に

 企業のIT投資はハードからソフト・サービスへの逆転現象が顕著な拡大を続けているようだ。経済産業省がこのほど公表した2002年情報処理実態調査結果によると、ITの活用に要した費用(IT投資)は、ハードウェアへの投資割合が減少する一方で、ソフトウェア・サービス関連費用の割合が高まっている。

 同調査は、全国のコンピュータ・情報処理サービスを利用している民間企業9500事業者を対象に、昨年3月末までの1年間(2001年度)を調査対象期間として実施し、5357社(回収率56.4%)から回答を得た。調査結果をみると、事業収入が1997年度をピークに減少を続けているにもかかわらず、IT投資の事業収入に占める割合は伸び続け、2001年度は約1.3%となっている。

 IT投資の内訳をみると、1995年度に40%を占めたハードが2000年度には30%を下回り、2001年度には22%にまで割合を下げた。一方でソフト関連・サービス関連費用の合計は、1995年度の28%から2000年度には40%に伸び、さらに2001年度には50%を超えた。IT投資面でもハードとソフト・サービスの逆転現象は顕著な拡大を続けている。しかし、今後のIT投資の見通しについては、回答企業平均で現状維持となっており、投資に慎重な姿勢がうかがえる。

 また、情報システムの新規構築は、2001年度も2002年度も、基幹系と情報系システムで22~29%と他システムに比べて取組み意欲が高く、従来システムの運用においても同様に33~63%となっている。一方、オンラインカスタマーサービスやe-マーケットプレイスシステムなどを想定した「戦略的新規システム」は全般に低率ながら、今後への関心の高まりがみられる。

 情報システム導入の効果は、基幹系・基幹系以外ともに「業務」の作業効率改善や業務革新、「学習」の作業効率向上や情報活用効率改善で評価が高い。一方、「業績」や「顧客」面では、収益改善や既存顧客の満足度向上といった既存の状況に対する改善効果は認められるものの、5~6割は特に効果はないとしている。

 なお、2001年度におけるこの調査対象企業の一人あたりのパソコンの保有台数は0.60台、LANの導入率は95.0%と前年に比べ微増となった。1995年度は同約0.3台、同約71.9%だったことからすると、パソコンやLANは急速に普及して緩やかな伸びに移ったとみられる。

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