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経営関連情報 (2007/05/21)

16年ぶりに2倍を超えた大卒求人倍率

 大卒求人倍率が16年ぶりに2倍を超えたことが、リクルート・ワークス研究所が実施した大卒求人倍率調査で分かった。調査結果(有効回答数4350社)によると、来春2008年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする全国の民間企業の求人総数は93.3万人と、昨年よりも13.0%増加し、調査開始以来最高水準となった。その背景には、景気回復が継続する環境下での求人需要の活発化や、団塊世代の定年退職問題がある。

 一方、大学進学率の上昇とともに増加し続けていた学生の民間企業就職希望者数は頭打ちとなり、43.7万人となった結果、需給バランスである求人倍率は前年の1.89倍から2.14倍へと16年ぶりに2倍を超えた。こうしたなか、採用における企業規模間格差も拡大している。従業員1000人以上規模企業の求人倍率が0.77倍であるのに対し、1000人未満の企業は4.22倍と、企業規模間の格差は昨年よりさらに拡大している。

 従業員1000人以上企業の求人総数は20.3万人、前年比8.6%増、また、従業員1000人未満企業は同73.0万人、14.3%増と、ともに増加しているが、一方で、学生の大手志向は強まり、1000人未満企業への民間企業就職希望者数は17.3万人と昨年より7.1%減少した。そのため、規模別の求人倍率の差が拡大し、中小・零細企業においては昨年以上に厳しい採用環境となることが予想される。

 業種別にみると、求人総数は、16.7%増の「サービス業」を始め全業種において昨年を上回る水準となる一方、学生側の民間企業就職希望者数は、「製造業」(0.4%増)と「金融業」(3.2%増)で増加したが、「流通業」(2.9%減)と「サービス・情報業」(0.6%減)で減少。この結果、求人倍率は、「金融業」0.39倍、「サービス・情報業」0.72倍、「製造業」2.64倍、「流通業」7.31倍となり、業種間の求人倍率の差もさらに拡大した。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.works-i.com/flow/survey/bairitsu2008.html