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税務関連情報 (2007/06/13)

家賃を口座振替で支払う場合の仕入税額控除の要件

 消費税の仕入税額控除の適用要件に請求書等の保存があるが、店舗や事務所を賃借している場合、家賃を口座振替や口座振込みで支払っているケースは少なくない。こうしたケースで、請求書や領収書の交付を受けていないときは、家賃を支払った記録としては銀行の通帳が残るだけとなる。このため、仕入税額控除の要件である請求書等の保存ができない状態にあるが、要件を満たす方法にはどのようなものがあるのだろうか。

 消費税法は、課税仕入に係る支払対価の合計額が3万円以上である場合で、請求書等の交付を受けなかったことについてやむを得ない理由があるときは、帳簿に法定事項に加えてそのやむを得ない理由及び課税仕入の相手方の住所や所在地を記載することを条件に、仕入税額控除を認めている。家賃を口座振替で支払った場合もこれに該当するので、帳簿に口座振替である旨及び賃貸人の住所等を記載すればいいことになる。

 また、店舗や事務所の賃料を口座振込みで支払っている場合にも、振り込んだ賃料について賃貸人から領収書が発行されないケースが多い。このようなときは、振込みの際に銀行が発行した振込金受取書を建物賃貸借契約書とともに保存することで仕入税額控除の要件を満たしているものとして取り扱われる。賃料に変更があった場合には、変更契約書も併せて保存する必要がある。

 振込金受取書は課税仕入を行った事業者が内容を記載して銀行が振込みの事実を証明した書類であり、建物賃貸借契約書とともに保存することで消費税法に規定する記載事項が網羅されることになる。また、その振込金受取書は課税仕入の相手方に確認を受けたものではないが、その振込みの事実について銀行が確認したものだ。以上の点から、振込金受取書を建物賃貸借契約書とともに保存することで要件を満たすことになる。