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税務関連情報 (2007/01/10)

一人会社規制での業務主宰役員等の意義を明確化

 国税庁はこのほど、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例を公表し、特殊支配同族会社の判定要素である「業務主宰役員」、「常務に従事する役員」、持株等の判定における「同一内容の議決権行使に同意している者」の意義について明らかにした。これは、「法解釈や取扱いが明確にされておらず、無用の混乱を生じている」(自民党の税理士制度改革推進議員連盟)との批判に応えたものと思われる。

 まず、「業務主宰役員」については、税務上の役員のうち、会社の経営にもっとも中心的に関わっている役員をいい、通常は、代表取締役や社長といわれる役員が該当することが多いとしている。しかし、必ずしも肩書きのみにより判定するのではなく、例えば、事業計画の策定、人事権の行使等に際しての意思決定の状況や役員給与の多寡など、実質的な関わりがその判断要素となるとの考えを示している。

 また、「常時に従事する役員」については、その業務の内容や従事の実態を踏まえ、その実質に応じて個々に判断することになる。例えば、代表取締役や副社長、専務・常務など職制上の地位を有する役員だけでなく、使用人兼務役員についても、会社の経営に関する業務を実質的に、日常継続的に遂行している場合には、該当することになる。なお、会計参与や監査役は、会社の経営に関する業務を行う役員ではないので、通常は該当しない。

 「同一の内容の議決権を行使することに同意している者」かどうかは、契約や合意等により、同一の内容の議決権を行使することに同意している事実があるかどうかにより判定されるが、同意している事実があるとされる場合について、株式の所有が組合形態で行われている場合で、特定の組合員の意思により議決権が行使される旨の組合契約等における合意があるとき、などを例示して明らかにしている。

 同質疑応答の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/01.pdf