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経営関連情報 (2005/06/10)

反日デモが対中国ビジネスの拡大マインドに冷水

 ジェトロ(日本貿易振興機構)が7日に発表した「対中国ビジネス展開に関する緊急アンケート調査」では、「既存ビジネスの拡充・新規ビジネスを検討」と回答した企業割合が54.8%で、86.5%だった昨年暮れの前回調査から32%ポイントも低下したことがわかった。調査対象は、前回調査で対中国事業展開において、新規に展開、既存事業の拡大、現状維持、縮小・撤退のいずれかを検討していると回答した636社。

 調査結果(有効回答数414社)によると、対中国ビジネスで前向きな展開を考える企業が大幅に減少したが、一方で、「既存のビジネス規模を維持」が13.3%から39.4%に上昇し、「既存ビジネスの縮小・撤退を検討」は0.2%(1社)から4.1%(17社)に増えた。事業規模拡大を図る企業は依然として半数を超えているが、今回の反日デモを契機に、日本企業の対中ビジネス拡大マインドが冷え込むことも予想できる。

 反日デモによる影響については、現在「影響が出ている」企業は全体の約1割(9.7%)だったが、2005年度中に「影響が出ることを懸念」している企業が36.5%と、引き続き懸念を抱いている企業が4割近くあった。「現時点で影響はなく、今後も影響はない」とみている企業は53.4%。具体的な影響の内容については、現時点で「影響が出ている」と回答した企業の6割が「買い控え」による販売減を指摘している。

 現在及び今後懸念される反日デモの影響(複数回答)については、「買い控えによる販売減」(19.1%)、「日本製品のイメージダウン」(16.4%)、「労使関係の悪化」(9.7%)、「工場の一時停止など生産活動への影響」(8.5%)など。販売面での影響を指摘する企業が多いが、中国に生産拠点を構築している企業は「労使関係の悪化」(15.1%)、「人材確保の困難化」(12.2%)など生産活動への影響を懸念している。

 同緊急調査の詳細は↓
 http://www.jetro.go.jp/news/releases/20050606504-news/shiryo.pdf