日本公認会計士協会(山崎彰三会長)はこのほど、日税連会館を訪ね、日本税理士会連合会(池田隼啓会長)の「『税理士法改正に関する意見(案)』に対する意見」を提出した。日税連意見(案)に「税理士となる資格を有する者は、税理士試験に合格した者を原則とする。弁護士・公認会計士に対しては、能力担保措置として、弁護士は会計学、公認会計士は税法に属する科目に合格することを原則とする」ことに対し、反対を表明している。
公認会計士協会は、公認会計士は、財務書類の監査証明業務を中心業務とする会計・監査の専門家であり、税務業務は、会計領域と法的領域の接点にある業務で、また、税務会計は会計領域の重要な一部分であると指摘。したがって、公認会計士は当然に税務業務の担い手であると認識され、それ故に公認会計士試験においては従来から租税に関する科目の受験が必須とされていると主張した。
また、税理士法制定に先立って発表された第2次シャウプ勧告で「弁護士及び公認会計士は、現在及び将来を通じて、人物試験以外の試験を受けることなく、税務当局に対して納税者の代理をなすことを、認められるであろう。彼等の専門的資格は、それぞれの専門的地位を得たことによって、一般的に証明済みであるから、更に資格試験をすることは必要でない」との文を引用して、税務における専門家としての適格性を強調している。
さらに、国民の望む税務サービスの内容は多種多様であり、その内容にしたがい適切な報酬のもとで幅広く提供されることが望まれ、税務サービスが現在よりも制限されるのであれば、国民の利便性は低下するとし、「法律の改正を議論する際には、国民の利便、利益、安全等に適うものであること等、あくまで国民・納税者の目線に合った議論が行われることが肝要である」との考えを示した。