厚生労働省では、長時間労働や、これに伴う問題の解消を図るため、11月を「労働時間適正化キャンペーン」期間とし、全国一斉の電話相談の実施(11月21日)、文書要請、周知啓発などの取組みを集中的に実施する。重点事項として、(1)時間外・休日労働協定の適正化等による時間外・休日労働の削減、(2)長時間労働者への医師による面接指導等労働者の健康管理に係る措置の徹底、(3)労働時間の適正な把握の徹底、を掲げている。
労働時間等の現状について厚労省は、2008年における週労働時間が60時間以上の労働者の割合は、特に子育て世代に当たる30歳代男性では20.0%と高い水準で推移するなど、長時間労働の実態がみられる、また、2008年度に、「過労死」等事案で労災認定された件数が377件となるなど、過重労働による健康障害が多数発生している、労働基準監督署による賃金不払残業の是正指導事案が多くみられる、などの状況を示している。
その上で、過重労働による健康障害や、労働基準法に違反する賃金不払残業などの問題の解消に向けては、使用者だけでなく、労働者や労働組合、産業保険スタッフ等のすべての関係者の理解を得て、労使一体となった取組みが行われることが重要、また、2010年4月から施行される長時間労働の抑制等を目的とした改正労働基準法の趣旨・内容を十分に理解し、必要な体制の整備を行っていくことが重要と指摘している。
このため、厚労省においては、11月の「労働時間適正化キャンペーン」の期間中に、使用者団体及び労働組合に対し、労働時間の適正化及び改正労働基準法の趣旨・内容に関する積極的な実施についての協力要請を行う。一方で、11月21日の土曜日はフリーダイヤル(0120-794-713)を設置し、都道府県労働局の担当官が、長時間労働や賃金不払残業などの問題の解消を図るため、電話相談に応じる。