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経営関連情報 (2006/10/25)

飲食業の倒産件数が平成最多のペースで推移

 今年1月から9月までの飲食業の倒産が、前年同期比10.6%増の497件となり、全体の倒産が沈静化するなかで、年間ベースでは平成最多のペースで推移していることが、東京商工リサーチのまとめで分かった。一方、負債額は、同12.4%減の453億7600万円となった。これは、負債1億円未満が同12.8%増の431件と全体の約9割を占めるなど、小規模倒産の増加が影響した。平均負債額は同20.8%減の9100万円にとどまった。

 従業員別では、「5人未満」が前年同期比19.7%増の430件と全体の86.5%を占め、また年商別でも、「1億円未満」が同17.4%増の450件と90.5%を占め、小規模倒産の多発ぶりを浮き彫りにした。原因別では、「販売不振」が283件(構成比56.9%)でもっとも多く、次いで「事業上の失敗」95件、「運転資金の欠乏」35件など。資本金別では、「500万円未満」が同22.1%増の375件と4分の3を占めた。

 飲食業倒産をさらに細かく分類すると、食堂・レストランなどの「一般飲食店」が前年同期比3.6%減の317件だったのに対し、主としてショーや接待サービスなどの遊興飲食、アルコールを含む飲料を飲食させる「遊興飲食店」は、バー・キャバレー・ナイトクラブが同61.2%像の100件、酒場・ビヤホールが同28.8%増の67件となった。この結果、料亭などを含めた「遊興飲食店」全体では同50.0%増の180件と増加が目立った。

 特に居酒屋やスナックなどでは、会社関係の会合の減少、常連客の高齢化による来店回数の減少、若者のバー・スナック離れなどが影響して業績が伸び悩んでいる。さらに、クーポン券つき広告雑誌などの続出が同業者間の値引きやサービス競争に拍車をかけ、小規模企業は厳しい競争にさらされている。今後も、地方においては飲酒運転の取締り強化に伴い、売上及び利益両面での低下が避けられないとみられている。