経 営 関 連 情 報 |
2002年04月01日-001
進むパート・アルバイトの戦力化
長引く不況のなかで人件費削減などのため非正社員化、パート・アルバイト化する企業が増えているが、なかにはパート・アルバイトを管理職に登用し、店舗の運営すべてを任せるなど、その戦力化が進んでいる企業も多い。就職情報などを提供するアイデムの「人と仕事研究所」が昨年10月に実施した「パート・アルバイト雇用調査」によると、パート・アルバイトを雇用している企業は93.8%に上った(有効回答455社)。特に、飲食業では8割以上の企業で従業員の過半数がパート・アルバイトとなっており、労働力の主力は正社員からパート・アルバイトに完全に移行したといえる。
パート・アルバイトを雇用する理由(複数回答)は、「人件費が割安」が77%で最も多く、次いで「社会保険料等の負担なし」45%、「繁忙時間対応」42%、「曜日・繁忙時間対応」39%、「景気変動に対応」33%、「簡単な仕事」32%などの順。パート・アルバイトは、給料そのものが低く、社会保険料免除も多く、トータルコストを低く抑えられる。飲食店や小売業など繁閑の激しい業種では、過不足のない労働力配置のためにはパート・アルバイトが欠かせないなどが大きな理由だ。
また、パート・アルバイト比率が高くなるにつれ、従来、正社員が行ってきた仕事がパート・アルバイトにシフトしつつある。そこで、パート・アルバイトを会議に出席させたり、職場外研修を定期的に行うなど、職場の戦力として力を入れている企業も増えている。パート・アルバイトの管理職への登用状況は、「リーダーなど(主任、係長相当)に登用」が27%、「管理職(店長、課長相当)に登用」は6%だった。特に、従業員の4分の3以上をパート・アルバイトが占める企業では、「リーダーなどへの登用」46%、「管理職への登用」13%と高い割合だった。
このように、パート・アルバイトは大きな戦力となっているが、多くの企業では、正社員の仕事のうちパート・アルバイトにまだまだ「多くを任せられる」(35%)、「半分ぐらい任せられる」(33%)などと考えており、今後もパート・アルバイト化が進む余地は大きい。デフレ経済のもと、企業は激しい値下げ競争にさらされており、質を確保しつつ、コストのさらなる圧縮が求められ、また、経済環境に機動的に対応しなければ、企業の存続さえ危ぶまれる時代である。このような状況下では、パート・アルバイト比率は一層高まり、その戦力化がさらに進むものと予想されている。
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