日本鉄鋼連盟はこのほど2008年度税制改正に関する意見を公表し、(1)法人実効税率の引下げ、(2)「環境税」の導入に断固反対、(3)償却資産に対する固定資産課税の撤廃や非住宅用地の固定資産税負担の適正化・均衡化の早期実現(負担水準上限60%の実現)など、固定資産税の負担軽減、(4)外国税額控除制度の適正化や移転価格税制の適正化(二重課税排除の徹底)など、国際課税の改善、を重点要望事項として掲げた。
法人実効税率の引下げについては、鉄鋼業ではグローバルな競争が激化しているなか、わが国の法人実効税率は約40%と世界でもっとも高い水準にあり、国際競争力の観点からもはや看過しがたい格差が生じていると指摘。競争企業の成長著しい近隣アジア諸国の水準(20%台)も踏まえ、少なくとも欧州並みの30%台への引下げを早急に実施するべきであるとして、税制抜本改革のなかで引下げに向けた道筋を明確に示すことを要望した。
償却資産に対する固定資産課税の撤廃については、償却資産を課税客体とするケースは国際的にみて極めて例外的であることや、地方自治体の行政サービスにおいて、社会保障関係費の割合が高まっているなかで応益と税負担の関係、設備により生み出されるフロー所得との二重課税の問題、さらには課税が特定の設備型産業に偏重するといった税の公平性の観点などからみても問題があり、本来は撤廃されるべきものだとしている。
外国税額控除の適正化については、海外子会社からの資金還流の制約を取り除き、事務負担軽減にも資するような制度改革が求められていると指摘。現行の外国税額控除制度における間接税額控除に代えて、海外子会社からの配当に係る益金不算入制度の創設を求め、制度変更に際しては、企業の経理面での影響を配慮し、経過措置の手当を含め、実効性のある制度として構築することを要望している。
同意見の詳細は↓
http://www.jisf.or.jp/news/topics/docs/08091921zeisei.pdf