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税務関連情報 (2005/12/19)

セキュリティ対策投資に情報基盤強化税制を創設

 法人に関係した2006年度税制改正では、過去に景気対策として導入されたIT投資促進税制や研究開発促進税制の2%上乗せ部分などの時限措置が適用期限をもって廃止される。代わりに高度な情報セキュリティが確保された情報システム投資を促進し、情報基盤を強化するための「情報基盤強化税制」が創設される。2006年4月から2008年3月までの2年間の時限措置である。

 対象となる投資は、1)OS及びこれと同時に設置されるサーバー、2)データベース管理ソフトウェア及びこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア、3)ファイアーウォール(1)または2)と同時に取得されるものに限る)。これらの基準取得価額の10%の税額控除と50%の特別償却との選択適用だ。年間投資額1億円以上(資本金1億円以下は300万円以上、同1億円以上10億円以下は3000万円以上)が対象となる。

 また、資本金1億円以下の中小法人については、リース費用総額420万円以上の投資も税額控除の対象となる。基準リース費用総額の60%相当額について10%の税額控除ができる。ただし、法人税額の20%相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越しを認める。減税規模は、5000億円のIT投資促進税制に比べ1000億円程度に縮小されるが、企業の部門間、企業間の情報共有・活用の促進が期待される。

 一方、上乗せ部分が廃止される研究開発促進税制は、試験研究費の総額の8~10%を税額控除する恒久的措置に加え、2006年4月から2年間の時限措置として、試験研究費の増加額に対して追加的に5%を税額控除する。この結果、増加額に対しては、合計13~15%の税額控除となり、中小企業等の場合は、恒久的な部分が12%あることから、増加額に対して合計17%の税額控除となる。

 そのほか、中小企業投資促進税制については、対象資産にソフトウェア及びデジタル複合機を加えるとともに、電子計算機以外の器具・備品を除外したうえ、その適用期限が2年間延長される。また、30万円未満の少額減価償却資産を取得した場合、全額損金算入(即時償却)を認める特例については、適用対象となる損金算入額の上限を年間300万円としたうえで、2年間延長される。