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経営関連情報 (2003/12/24)
経営戦略・経営ビジョンが新興企業の成長の秘訣

 景気低迷の長期化、成長分野への大手・中堅企業の相次ぐ参入による競争激化などで、起業・新興企業を取り巻く経営環境は以前よりも厳しさを増している。しかし、このような厳しい経営環境下にかかわらず、好業績を上げ、着実に成長企業に乗せている新興企業は少なくない。

 その成長の原動力は何か、今後の成長戦略として何を重視しているのかを探ったのは、帝国データバンクがこのほど公表したライジングカンパニー(成長著しい新興企業)の動向調査だ。同社データベースから、「創業10年以内」「年商1億円以上、直近(10月時点)の業績が2期連続10%以上の増収」などの要件に合致した1431社抽出して調査を実施し、505社から回答を得た。

 調査結果によると、業績を伸ばしている成長要因(3つまで回答)については、「経営戦略・代表の経営ビジョン」とする回答が60.2%で最も多く、次に「営業力(人材・拠点など)」(53.7%)、「商品の高付加価値化」(39.4%)、「新規分野への参入・市場創出」(30.5%)、「新商品・新技術」(28.9%)などが続く。

 また、成長を続けるなかで苦労した点(3つまで回答)については、「人材の確保」が68.5%で最も多く、以下、「販路の獲得・拡大」(53.7%)、「商品の高付加価値化」(41.6%)など。今後、成長を続けていくための重点戦略(3つまで回答)では、「営業力(人材・拠点など)の強化」が65.1%で最も多く、「商品力(品質・高機能化)の向上」(57.0%)、「新製品・新技術の投入」(31.3%)などが続く。「資金力の強化」は、戦略としての重要度は相対的に低く、21.2%で8番目の順位だった。