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産科医療補償制度は損保契約に類し補償金は非課税

税務関連情報 - 2008年12月10日

 産科医療補償制度は、安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、分娩に係る医療事故による脳性麻痺となった児やその家族の経済的負担を速やかに補償し、事故原因の分析を行い、将来の同種事故の防止に資する情報提供などにより、紛争の防止・ 早期解決及び産科医療の質の向上を図る仕組み。同制度においては、分娩に係る医療事故により脳性麻痺となった児に対して一定の補償金が支払われることになっている。

 この産科医療補償制度は来年1月からスタートするが、それに先立ち、国税庁は、同制度で支払われる補償金は非課税として取り扱うことを明らかにした。これは、厚生労働省からの照会に対し文書回答したもの。所得税法上、損害保険契約に基づき支払を受ける保険金や損害賠償金(これらに類するものを含む)で、心身に加えられた損害に基因して取得するものは、非課税所得とされている。

 これには、損害保険契約に基づく保険金や生命保険契約に基づく給付金で、身体の傷害に基因して支払を受けるものその他これに類するものが含まれるものとされている。そこで国税庁は、産科医療補償制度については損害保険契約に類するものと認められるので、その補償金は「損害保険契約に基づき身体の傷害に基因して支払を受けるものに類するもの」として、非課税所得として取り扱うことが相当との見解を示している。

 国税庁は、同制度における一連の手続きは被保険者及び保険金受取人を児とする損害保険契約と同視できること、また、分娩機関が妊産婦または児に対して損害賠償責任を負う場合には保険金(補償金) は支払われず、補償金と損害賠償金が重複して支払われないため損害保険契約に類する契約であると考えられること、などから損害保険契約に類するものに該当するとの、非課税所得として取り扱う理由を挙げている。