gooリサーチと慶応大学が共同で実施した「ゲーム機・パソコンを利用した自己学習に関する調査」結果(有効回答数1063人)によると、eラーニング以外で電子機器を利用した自己学習については、約3割の人がゲーム機やローカル環境のパソコンを利用して学習していることが分かった。なかでも回答者の5人に1人(20.1%)が「ニンテンドーDS」を利用しており、DSの普及率の高さがうかがえる。
次いで「パソコン(非ネットワーク接続)」が多く、10.8%の人がローカル環境でのパソコンによる学習をしている。その学習分野については、「語学」が60.2%ともっとも多く、次いで、脳の鍛錬・活性化を目的とする「脳力」が44.0%、「漢字」が26.0%という順になった。近年、個人が基礎学習能力の向上に取り組むようになり、その学習ツールとしてゲーム機やパソコンを利用するようになったことが分かる。
一方、個人的な学習でのeラーニングについて「受講経験がある」との回答は21.5%、勤務先の企業や在学中の学校がeラーニングによる「研修・学習を実施している」との回答が24.5%となった。その学習効果については、個人的な学習でのeラーニング受講経験者の6割以上が、また、企業・学校でのeラーニングによる研修・学習受講者では8割以上が、それぞれ「効果があった」と回答している。
会社・学校でのeラーニング受講者が感じるeラーニングを用いた研修・学習のメリットは、「学習時間・場所が自由」(83.7%)、「繰り返し学習することができる」(34.8%)といった学習方法の自由度が高いことへの肯定的な意見と、「自分のレベルにあった学習プログラムを受けられる」(22.3%)、「自身の学習進捗・レベルが把握しやすい」(22.3%)という学習レベルの調整・把握ができることへの肯定的な意見が多かった。
他方、eラーニングのメリットとして、「学習意欲が高まる」(6.5%)、「従来の方法に比べて、理解度が向上する」(10.3%)、「資格取得につながる」(9.8%)に関しては肯定的な意見は少なかった。また、「昇給や昇進に直結する」(2.7%)がもっとも少なく、現時点では企業の人事制度とeラーニングによる研修・学習との連動は弱い。なお、eラーニングによる研修・学習の費用負担は「全額会社・学校負担」が74.5%を占めた。