みずほ証券が4日に発表した2004年冬のボーナス予想によると、今冬の民間企業(事業所規模5人以上、含むパート労働者)の1人あたりボーナス支給額は、前年同期比▲0.6%の42.6万円とマイナス予想となった。この要因については、増益を確保するためのコスト削減が幅をきかせており、1人あたりの支給額の減少をもたらすものとの見方を示している。
また、「所得(賞与)抑制→利益増」の流れは、収益率の改善に満足することなく、一段の収益率の向上を目指して今後も続くものと見込まれ、従来のような「利益増→所得(賞与)増」にはまだ時間を要する。増益による賞与の増加は、すでにコスト削減や生産性の向上に取り組んできた製造業に限られている。雇用の改善もパートが中心で、パート比率が高まっている非製造業には全体の増益効果が行き渡らないままとみている。
民間の支給対象者総数が前年同期比▲0.1%の3691万人と微減となるため、民間の支給総額は同▲0.7%の15.7兆円と落ち込むと見込んでいる。一方、公務員(国・地方)の1人あたり支給額は同7.0%増の89.8万円と予想。大幅プラスは、支給月数が昨冬の2.15ヵ月から今冬は2.30ヵ月へと引き上げられたため(年間の支給月数は4.40ヵ月と前年度に比べ変わらない)。
この結果、官民合計の1人あたり支給額は、前年同期比0.6%増の46.9万円と予想。支給対象者数は同▲0.2%の4061万人、また支給総額は同0.5%増の19.1兆円で昨冬に比べ約1000億円増加すると見込んでいる。企業業績の改善から、雇用者所得の増加、個人消費の持続的改善が待ち望まれているわけだが、今回の回復期においては、非常に険しい道のりとなっているとの見方だ。