経 営 関 連 情 報

2002年10月30日-003
高まる年末から年明け以降の景気後退の可能性

 UFJ総合研究所が28日に公表した日本経済のレポートによると、「年末から年明け以降、景気後退局面入りの可能性が高まった」との見方を示した。これまでは「今年度下期の景気踊り場をはさむものの、2003年度上期には上昇基調に戻る」との見方だったが、想定していなかった不良債権処理加速のマイナス効果や、先行減税も力不足との判断から、景気予測を変更したもの。

 レポートによると、海外景気が勢いを失うなか、足元についても輸出の弱含みがはっきりするなど、すでに景気は勢いを欠いてきている。9月の輸出数量は、前年比9.0%増で、5月の同14.8%増をピークに伸びの低下が明らかになっているが、季節調整値をみると、内閣府試算を基にした9月は前月比5.1%減少、ピークの5月からの落込みは9.3%となっている。

 また、企業の生産活動も予想を下回ってきているとみられる。9月の鉱工業生産は船舶などの輸送用機械の生産減から、生産指数は前月比0.3%減と3ヵ月ぶりに下落した(経済産業省29日発表の速報値)。10月以降の生産予測指数についても、自動車生産計画の下方修正がみられており、急回復は期待しにくい。さらに、想定以上の株安から消費マインドの悪化、企業のバランスシート悪化に伴うマイナス効果も現れつつある。

 企業倒産は引き続き高水準で、回復の兆しが見えていた設備投資も、関連指標の機械受注、着工予定額などが大きく落ち込んできている。このような関連指標の落込みを織り込むと、2003年度に入り弱含むことが示される。これに加えて、不良債権処理加速のマイナス効果などから、景気後退局面へ入る可能性が高まったとの判断である。

 

 

ホームへ戻る