国内製造業、2002年以降で約4万社が「消滅」
歴史的な円高が、国内製造業に与える影響が懸念されるなか、企業の海外シフトが一段と加速すれば、国内製造業の空洞化に拍車がかかり、この10年間、業績低迷が続いていた中小零細業者に深刻なダメージを与えかねない。帝国データバンクがこのほど発表した「国内製造業の実態調査」では、破産、特別清算、休廃業・解散の各件数を集計した「消滅企業」数が、集計可能な2002年以降の累計で約4万件に達していることが分かった。
調査結果によると、国内製造業者の「消滅企業」数は、2002年以降毎年4000件前後が消滅しており、2010年までの累計では3万9872件と約4万社にのぼった。年別でみると、消滅企業がもっとも少なかった2005年でも3795件と4000件近くを数え、もっとも消滅企業が多かった2009年は5120社に達した。リーマン・ショック後の生産急減による業績悪化が影響したものとみられている。
国内製造業全体の年間売上高合計の推移をみると、2000年1~12月期の353兆4344億円から、2010年1~12月期には339兆5862億円に減少した。増減率は3.9%の減少、減少額は13兆8482億円に達しており、同期間の全業種の増減率(18.1%増、約42兆円の増加)を大きく下回っている。製造業の主な内訳をみると、電子計算機等製造(35.2%減)や金型・同部品等製造(21.4%減)などが大きく減少している。
年商規模別にみると、10億円未満の中小企業が2000年に比べて22.8%の減少で、減少率トップ。総じて年商規模が小さくなるほど、減少率が大きい。一方、1000億円以上の大企業は5.3%上回り、年商規模別で唯一増加した。また、地域別の減少率では、「東北」が18.4%減、「北陸」が13.5%減、「北海道」が10.8%減と、この3地域が二ケタ減少。一方、「中部」(3.5%増)、「四国」(5.6%増)、「九州」(1.8%増)の3地域が増加した。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110907.pdf