国税庁は13日、2005年度の法人税関係税制改正を受けた改正通達を公表し、そのなかでいわゆる組合リース事業を利用した租税回避行為を防止するために創設された「組合事業にかかる損失がある場合の課税の特例」に係る取扱いを明らかにした。同特例は、民法組合などが行う航空機や船舶などのリース事業から生じた損失を、他の所得から生じた利益と通算する“節税”を規制するために昨年度創設されたもの。
具体的には、法人組合員のうち「特定組合員」(出資だけで組合の事業にはタッチしない組合員)について、1)組合事業についての債務弁済責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合には、その出資に係る限度を超える部分の金額相当額(組合損失超過額)を損金不算入とし、2)実質的に組合事業が欠損にならないと見込まれる場合には、その法人組合員に属する組合損失の全額が損金不算入とされる。
改正通達では、特定組合員の判定について、組合事業に係る重要業務を決定し、自ら執行する組合員は特定組合員に該当せず、組合損失超過額の損金不算入の適用は受けないのだが、法人が組合員になったときからその事業年度終了時までの間において、組合事業に係る重要業務の執行の決定や執行そのものが行われていない場合には、いわゆるジョイントベンチャーに該当しない限り、その法人は特定組合員であることを明示している。
また、明らかに欠損とならないと見込まれるときの判定は、その組合事業の形態や組合債務の弁済に関する契約等の内容その他の状況から判断することから、例えば、損失のうち少額の求償を受ける可能性があることや、相対的に発生する確率の低い事由により損失が補てんされないことなどの事実のみをもって、その組合事業が「明らかに欠損とならないと見込まれるとき」には該当しないこととなるものではないことに留意するとされた。