税 務 関 連 情 報 |
2001年11月21日-002
再開発事業で採用した民事信託の税務上の取扱いを公表
国税庁は19日、市街地再開発事業による施設建築物及びその敷地を民間信託で信託した場合に、いわゆる「土地信託通達」の取扱に準じて取り扱われるかとの民間不動産業者の事前照会を認める文書回答を公表した。昭和61年7月9日付土地信託通達は、その対象を一定範囲に限定した上で、信託財産の異動や受益権の譲渡等があった場合には、受益者が信託財産を所有しているものとして譲渡所得に関する課税の特例等を適用することが61年度税制改正で認められたことから、税務上の取扱いを定めたもの。しかし、同通達では、信託銀行により商品化された土地信託に限定されていた。
信託の目的について民間不動産業者は、110名という多数の地権者の共有となる土地建物であるため、‡@多数の地権者の個別事情(相続、破産等)が生じた場合にも、安定した施設運営を行うこと、‡A地権者個々の共有財産を共同信託することで所有権が一本化され、担保性の向上で資金調達を可能にすることを目的として、受託者名でその信託財産の管理・運営を一体的に行うためのものと説明。しかし、地権者数が多数のため信託銀行を受託者とする営業信託には馴染まないことから、受託者を地権者が出資する法人とし、民事信託方式を採用したものという。
土地信託通達における「土地信託」の要件は、‡@土地・建物等を信託財産とし、その管理・運用、処分を主目的とする信託であること、‡A委託者を受益者とする信託であること、‡B信託受益権が、一定の場合を除き、信託期間を通じて分割されないものであること、‡C信託受益権の内容が、収益受益権と元本受益権に区分されることのないこと、‡D受託者を信託銀行とする信託であることの5つ。
この民事信託方式による信託は、‡Dの要件を満たさないことから同通達にいう「土地信託」には該当しないことになるが、それ以外の‡@から‡Cの要件を満たしていること、「土地信託」と同様に、信託財産である土地建物等を受益者である地権者が直接所有している実態にあるものと考えられることから、土地信託通達の取扱いに準じて取り扱うことが認められている。
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