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原材料価格高騰の影響で仕入単価DIは最悪値更新

経営関連情報 - 2008年09月03日

 日本商工会議所がこのほど発表した早期景気観測8月調査結果によると、8月の全産業合計の仕入単価DI(前年同月比、「下落」-「上昇」企業割合)は、前月からマイナス幅が1.5ポイント拡大の▲60.9となった。各種原材料価格高騰の影響で、仕入単価DIは1989年4月の調査開始以来最悪の水準を更新した。9~11月の先行き見通しDIについても▲52.9(前年同期▲29.2)と上昇感が強まる見通し。

 8月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」企業割合)は、6年ぶりにマイナス60台を記録した前月水準(▲60.5)よりマイナス幅が1.7ポイント縮小して▲58.8となり、悪化傾向に一服感がみられるものの、引き続き厳しい状況にある。産業別では、「卸売」(▲64.7)、「小売」(▲58.1)で拡大し、他の3業種も引き続き低水準で推移している。なかでも卸売、小売は02年2月以来の低水準となっている。

 向こう3ヵ月(9~11月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比ベース)が▲56.9と、昨年同時期の先行き見通し(▲27.4)に比べて29ポイント以上悪化している。また、売上面では、全産業合計の売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」企業割合)は、マイナス幅が0.6ポイント拡大して▲45.2となり、5ヵ月連続で悪化し、03年1月以来の低水準となった。

 このように厳しい状況が続くなか、会員からは、製造など一部に好調(新興国向けの造船など、鉄鋼、機械関係の受注増加等)、先行き期待という声があるものの、引き続き原油・原材料価格のさらなる上昇や、食料品を始めとする諸物価高騰の影響による、消費者の購買意欲の低迷を訴える声が依然として強い。厳しい経営環境が続くなかで、倒産や廃業、人員整理などを訴える声が、前月以上に寄せられているという。

 同早期景気観測8月調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200808.pdf