カタカナ語の氾濫には腹立たしいものがある。国民にわかりやすく伝えるべき官公庁の文書・資料からして文脈からも理解不可能なカタカナ語が登場することが少なくない。そんな傾向が目立つのはIT用語である。インターネットコムとインフォプラントが行ったIT関連用語の関する調査によると、「まわりが使っているため、自分も意味を理解していないIT用語を使うことがある」という人が7割を超えた。
調査結果(有効回答数300人)によると、IT関連の用語については、83.5%の人が「難しいと思う」と回答。年齢別にみると、その割合がもっとも高いのは「40歳以上」で93.0%、「19歳以下」で80.0%、「20歳代・30歳代」でも88.0%に達した。難しいと思う理由(複数回答)は、「アルファベットが多い」(57.3%)、「短縮したものが多い」(49.3%)、「増えるスピードが速い」(33.0%)、「まわりに教えてくれる人がいない」(29.0%)など。
また、まわりが使っているため、自分も意味を理解していないIT用語を使うことがあるか聞いたところ、40歳以上は「よくある」(15.0%)、「たまにある」(62.0%)の合計が77.0%にのぼり、19歳以下(合計72.0%)や20歳代・30歳代(合計71.0%)でも7割を超えている。
さらに、普段よく目にするものの意味を理解していないIT用語を聞いた結果、回答として多かったのは「クッキー」、「プロキシ」、「MP3」、「Bluetooth」、「メガピクセル」、「Blog」、「RSS」などが挙げられたが、「多すぎて挙げられない」という人も目立った。
とはいえ、これらの用語を調べる人は少ない。19歳以下では39%が「調べる」、54%が「そのままにする」と回答。20歳代・30歳代では「調べる」が43.0%、「そのままにする」が51.0%。40歳以上でも「調べる」が46.0%、「そのままにする」が49.0%と半数以下にとどまっている。専門用語がわからない人は、新しい技術を使った製品の購入を遅らせる傾向があるという。IT業界挙げてもっと簡単な言葉を作れないものか…。