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税務関連情報 (2005/07/29)

消費税の新規課税事業者は簡易課税選択の判断を!

 改正消費税法による免税点の引下げで今年から新たに課税事業者となる個人事業者は128万人と見込まれる(国税庁の推計)。課税事業者が簡易課税制度を選択する場合は、本来、課税期間開始前に選択届出書を提出しなければならないが、今年から新規課税事業者となって簡易課税を選択する場合は、今年末までに提出すればいいという経過措置がある。とはいえ、そろそろ原則課税か簡易課税かを選択する必要がある。

 今年中に大規模な設備投資を実施(予定)したことなどで還付が予想される場合を除けば、新規課税事業者のほとんどは簡易課税を選択すると思われるが、注意したいのは、いったん簡易課税制度を選択した場合は、事業を廃止した場合を除き2年間以上継続した後でなければ、その適用をやめることができないことだ。つまり、今年だけでなく来年の設備投資の予定も考慮して有利・不利を考える必要があるわけだ。

 また、来年分については原則どおり今年末までに提出しなければならない。今年は大規模な設備投資などがあって原則課税を選んだケースで、来年から簡易課税を選択する場合は今年末までに選択届出書を提出しないと来年も原則課税ということになる。提出期限までに届出書を提出しない場合は、「やむを得ない事情」があったと認められない限り、来年から新たに簡易課税を選択することはできない。

 この「やむを得ない事情」とは、地震や台風などの天災、火災その他人的災害で自己の責任によらないものに基因する災害が発生したことで届出書の提出できない場合や、課税期間末日前のおおむね1ヵ月前に相続があったことで、その相続人が新たに届出書を提出できる個人事業者となった場合など、一定の事情に限られている。単に提出を忘れていたなどといった事情は認められないので要注意だ。