厚生年金への加入は、事業主がその手続きを担っていることから、ハローワーク(公共職業安定所)に求人の申込みを行う場合にも、重要な求人条件として適切に明示することが必要なものだ。このため、厚生労働省は、全国のハローワークにおいて、社会保険事務所と連携して、厚生年金への加入が明示されていない求人事業主などに対する指導の充実を図ることを決めた。
具体的には、厚生年金に対する取扱いとして、制度・加入条件のポイントを解説したリーフレットを提供・配布など、事業主に対する周知・啓発を徹底する。また、加入が適正に明示されていないと思われる事業主に対しては、1)加入条件の変更、社保事務所への自主的な相談を指導、2)加入条件が適正でなく是正の意思がないことが確認されれば、求人取消などの対応を行う。
労働保険(労災保険及び雇用保険)に係る取扱いとしては、保険関係の成立に係る手続きを行っていない求人事業主に対する指導を、労働局との緊密な連携により引き続き徹底する。指導に応じず、是正の意思がない場合は求人取消を行う。
なお、厚生年金の加入が法律で義務付けられている適用事業所は、1)すべての法人事業所、2)常時5人以上の従業員が働いている個人事業所(クリーニング業や飲食業などサービス業の一部、農業・漁業などは除かれる)となっている。また、被保険者は、国籍や性別、賃金額などに関係なく、1)適用事業所で常時雇用される者、2)一定要件に該当するパート・アルバイトが対象となる。
パート等は、1ヵ月の所定労働日数が一般社員のおおむね4分の3以上で、1日または1週の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上である場合には、原則として被保険者とされる。ただし、この4分の3以上の判断基準は、あくまでもひとつの目安であって、就労形態などを考慮し、総合的に判断される。事業主は、該当者を雇用した日から5日以内に被保険者資格取得届を社保事務所に提出しなければならない。