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今年10月から始まる住民税の公的年金からの天引き

税務関連情報 - 2009年02月27日

 2008年度税制改正で導入が決まった個人住民税の公的年金からの特別徴収(天引き)が今年10月から始まる。この制度は65歳以上の公的年金受給者で、個人住民税を納税する義務がある人が対象となる。年金からの天引きは昨年、後期高齢者医療制度の保険料徴収で一部の高齢者から非難の声が挙がったため、総務省では、「この特別徴収制度により、新たな税負担が生じるものではない」などと広報に努めている。

 同制度の対象となるのは、「4月1日現在65歳以上の公的年金の受給者で、前年中の年金所得に係る個人住民税の納税義務のある人」。年6回の年金の支給のつど天引きされる。ただし、その年度の受給額が18万円未満の人は対象から外れる。また、「介護保険料の特別徴収の対象とならない人」や「その年度の特別徴収税額が老齢基礎年金等の額を超える人」なども天引きの対象とはならない。

 天引きの開始は2009年10月支給分の年金からとなる。そのため、2009年度の税額の半分については、今年6月と8月に普通徴収(納税通知書により銀行などで本人が納める方法)により納めることになる。なお、天引きされるのは、「公的年金等に係る個人住民税(所得割額等)で、年金所得以外の給与所得などに係る個人住民税(所得割等)は、これまでどおり別途納めなければならないことになる。

 現在、年金受給者は、年4回、役場や銀行などに出向き、個人住民税を納めているが、今回の制度導入によって、その手間が省けることになろう。総務省は、個人住民税の公的年金からの特別徴収制度は、納税義務者(年金受給者)が支払うべき個人住民税を、社会保険庁などの「年金保険者」が市区町村に直接納めるように納税方法を変更するものであり、この制度により新たな税負担が生じるものではないと説明している。