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経営関連情報 (2006/11/17)

決して高くない健康保険制度に対する理解度

 PHP総合研究所が実施した「健康保険制度に関するアンケート調査」結果(有効回答数1707人)では、健康保険制度に関する基礎知識の正誤を問う質問をしたところ、「3歳未満の乳幼児の患者負担割合は、老人より低い」(正解×)、「再診療は医療機関の大きさ(ベッド数)によって違う」(正解○)という設問でともに約6割が不正解となるなど、健康保険制度の理解度は決して高くないことが明らかになった。

 また、「日本の一人あたり医療費は先進国でも低いほう」(正解○)という設問に対し、不正解が66.5%と約7割、「一人の人が一生涯に使う医療費は、平均で2000万円程度」(正解○)という設問に対しても不正解が58.8%と約6割出るなど、健康保険制度の成果に対する理解度も低いことが分かった。これらの調査結果により、政府のアピール不足と制度の分かりにくさという課題が浮き彫りになった。

 次に、公的医療制度改革に関するいくつかのアイデアを提示し、その賛否について質問したところ、「そう思う」と「まあそう思う」との回答割合は、「喫煙者が支払う保険料を、非喫煙者より高くすべき」(54.2%)、「乳幼児など子どもの患者負担割合を現状より低くすべき」(62.5%)の2つの設問で高くなった。この結果から、状況に応じた負担のあり方に理解が得られることがうかがえる。

 どのような健康保険があったらいいかとの質問に対しては(複数回答可)、「特定期間保険を使わなかったら保険料が低くなる保険」(72.0%)、「特定期間保険を使わなかったら一時金が給付される保険」(65.3%)の2項目の選択率が圧倒的に高くなった。あらかじめ予想できる結果ではあったが、健康であれば保険料が安くなったり、一時金が支払われる仕組みを求めている、ということが確認された。

 同調査結果の詳細は↓
 http://research.php.co.jp/etc/forum_020/forum_020.pdf