4割の中小企業が、経理財務に関する事務を税理士など会計専門家にすべて委託していることが、中小企業庁が実施した「会計処理・財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート調査」で分かった。調査結果(有効回答数4272社)によると、経理財務に関する事務は、「仕訳伝票を会計専門家(税理士・公認会計士等)に渡し、外注」という回答が40.2%ともっとも多かった。
次いで「総勘定元帳作成まで社内、残りの処理と財務申告は会計専門家に外注」が29.3%、「財務諸表の作成まで一貫して社内、税務申告は外注」が23.1%の順となっており、「財務諸表の作成、税務申告まで一貫して社内」は3.9%だった。会計ソフトの利用状況については、56.8%の企業が「決算書は会計事務所が作成しているので、自社では利用せず」と回答。「決算書を社内で作成し、市販ソフトを利用」は19.3%の企業だった。
決算書の作成にあたり配慮していること(複数回答)は、「減価償却を毎期必ず行っている」が63.1%、「会計専門家に委ねているので、個別項目の処理方法は把握していない」が35.6%、「在庫の陳腐化や紛失状況を点検、それを反映して棚卸資産を計上」が35.4%など。決算書の利用状況(複数回答)は、「過去の売上と利益について比較を行い、その推移を確認」が87.5%、「貸借対照表の借入額の推移を確認」が47.9%などだった。
また、決算書のデータを経営判断に活用するにあたって、69.2%とほぼ7割の企業が、第三者からのアドバイスを「受けている」と回答。第三者の種類(複数回答)としては、「税理士」が83.5%と圧倒的に多く、次いで「公認会計士」(18.1%)と「金融機関」(17.6%)が続く。第三者からのアドバイスについて「役立っている」との回答は、「税理士」、「公認会計士」、「民間のコンサルティング会社」が80%台となっている。