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ベンチャー倒産、減少傾向から一転、大幅増加

経営関連情報 - 2008年04月18日

 希少性の高い技術やサービスを持ち、新たな需要を開拓していくベンチャー企業だが、資産背景や確固たる営業基盤を持たない場合が多く、中小企業の資金調達も悪化しており、厳しい立場に置かれているようだ。帝国データバンクが実施した「ベンチャー企業の倒産動向調査」結果によると、ベンチャー企業の倒産は、2006年度は減少傾向をみせたものの、2007年度は一転して前年度比86.6%増の125件の大幅増加となった。

 ベンチャー企業の倒産は、2001年4月から2008年3月までに532件発生。ITバブルが崩壊し、ネット関連ベンチャーの倒産が相次いだ2002年度の83件が2006年度までで最多だった。2006年度(67件)は減少傾向をみせたものの、2007年度は大幅増加となった。原料高、サブプライム問題の影響から景気の踊り場に入り、内需が伸び悩むなか、確固たる営業基盤や資産背景を持たないようなベンチャー企業は苦境に立たされている。

 業歴別でみると、2007年度は「5~10年未満」が43件、「10~15年未満」が23件と続くき、業歴10年未満の合計が70件と全体の56.0%を占めた。全倒産における業歴10年未満の構成比21.7%と比べて高い割合を示す一方、「30年以上」は1.6%(2件)と、全倒産においては30%近い割合を示していることと対照的だ。これは、経営が思惑通りに進まず、軌道に乗る前に倒産に到るケースが多いことが原因とみられている。

 また、主因別にみると、販売不振や売掛金回収難などの「不況型倒産」が46件と全体の36.8%を占めるが、全倒産では不況型倒産が8割弱を占めているのと比較すると低い構成比。一方、「経営計画の失敗」や「設備投資の失敗」の内部誘因が全倒産における構成比を大きく上回った。起業時の事業計画の見通しが甘い企業や、当初に設備投資したものの、需要喚起できず行き詰まってしまうベンチャー企業が多いことがうかがえる。