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経営関連情報 (2005/03/07)

新卒看護職員の8.5%が1年以内に離職

 日本看護協会が発表した2004年「新卒看護職員の早期離職等実態調査」結果によると、2003年度の新卒看護職員の入職後1年以内の離職率が全体平均で8.5%、ほぼ12人に1人だったことが病院調査でわかった。また、入職後1年以内の早期離職が「増加傾向にある」とする病院が18.6%を占めた。同調査は、昨年11~12月に実施し、1219病院、看護師3年課程の大学など436校、新卒看護職員741人から有効回答を得た。

 離職理由として、「健康上の理由(精神的)によるもの」が「増加傾向にある」とした病院は29.1%(特定機能病院に限れば53.0%)、「職場不適応によるもの」が「増加傾向にある」とした病院は36.8%(同63.6%)だった。

 新卒看護職員の職場定着を困難にしている要因(複数回答)は、「(看護)基礎教育終了時点の能力と看護現場で求める能力のギャップ」(76.2%)、「現代の若者の精神的な未熟さや弱さ」(72.6%)、「看護職員に従来より高い能力が求められるようになってきている」(53.3%)が上位3で、これは学校調査による養成機関側の回答と一致している。

 また、新卒看護職員調査では、「仕事を辞めたい」と思ったことがある人は多く、「6月頃」や「9月頃」では半数近くが「辞めたいと思っていた」と回答。現在「辞めたいと思っている」との回答が33.9%、「(辞めたいと)思ったことはない」との回答は15.5%に過ぎない。

 仕事を続けるうえで悩みとなったこと(複数回答)は、「配属部署の専門的な知識・技術が不足している」(76.9%)、「医療事故を起こさないか不安」(69.4%)、「基本的な看護技術が身についていない」(67.1%)など。もっと受けたかった教育・研修(複数回答)では、「薬に関する知識教育」(65.3%)、「配属先に専門的に必要とされる技術等」(57.1%)、「注射など医療行為の技術教育」(49.7%)などが上位に挙げられた。