税 務 業 界 関 連 情 報

2001年12月28日-002
日税連業対部が報酬算定指針を中間具申

 税理士法改正によって税理士業務報酬規定は来年3月末までで廃止され、4月以降は各税理士・税理士法人ごとに自らの基準による報酬を算定し、納税者に請求することになる。そこで、日税連の業務対策部は、報酬算定に関するガイドライン作りを進めていたが、このほど「税理士業務報酬算定に関するガイドライン(指針)案について」としてとりまとめた。このガイドライン案は、今後、公正取引委員会との意見聴取を行うこととしており、その結果、内容修正もあり得ることから、中間具申として森会長に提出された。業務対策部では、自己責任原則と市場原理に立つ経済社会を目指す政府の規制緩和を踏まえつつ、独禁法上問題とならない考え方に沿って、不適切な報酬設定が行われないように同ガイドライン案を策定し、税理士会会員の報酬算定基準作成の一助となるべく税理士会に示すものとしている。

 ガイドライン案によると、報酬算定の基本的な考え方については、まず、算定の基準と算定方法を説明できる合理的なものでなくてはならないとして、報酬の適正な算定を求めている。そこで、その報酬が適正というためには、基準となる報酬が重要となる。具体的には、専門家サービスの適正な年間対価の額と予想される年間事務所運営費用を年間業務時間で除した金額が、時間あたりの基準額となる。また、適正な専門家サービスの対価の額は、税理士としての自己の専門的能力、経験実績などを勘案し、税理士が各自算定すべきものであるとしている。

 以上のような報酬の適正な基準額を基に、考えられる契約・請求形態を「基本的報酬形態」と「付加的報酬形態」に分けて、業務内容の例示とともに解説し、さらに、業務契約書のモデルや税理士業務の原価計算資料も示している。また、わが国は契約社会や訴訟社会の形成がなお一層進展の方向にあることから、このような国民の権利意識の高まりを念頭において、従来の口頭契約による業務ではなく、業務・報酬の契約を締結し、受託業務の明確化と内容等に関する説明責任を果たすことを強く勧めている。

 

 

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