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08事務年度の関税ほ脱事件34件はすべて通告処分

経営関連情報 - 2009年10月16日

 財務省が9日に発表した関税ほ脱事犯に関する犯則調査結果によると、2008事務年度(2008年7月~2009年6月)に全国の税関は46件(前年度比2.1%減)の関税ほ脱事犯(偽りその他不正の行為により関税を免れる行為)に係る犯則調査に着手した。また、同事務年度に犯則調査を終了して処理(検察官への告発または税関長による通告処分)した件数は34件(前年度比24.4%減)で、すべて通告処分だった。

 処理した事件に係る関税ほ脱税額の総額は前年度に比べ99.6%減と大幅減の1133万円、消費税も同75.9%減の756万円にとどまった。前年度は、カナダから冷凍豚肉を輸入するにあたり、実際の取引価格よりも申告価格を高価に偽って申告することによって、関税約14億3000万円を不正に免れていた豚肉の差額関税制度を悪用した関税ほ脱事犯などがあって、関税ほ脱税額は約25億円にのぼっていた。

 関税ほ脱の件数が多かった品目は「バッグ」、「財布」、「衣類」、「アクセサリー類」、「雑貨類」など。また、主な関税ほ脱の内容は、海外旅行から帰国した旅行者がブランド品などを税関に申告しないで持ち込もうとした事犯のほか、ブランドショップ経営者が海外旅行のついでに販売目的で購入したブランド品や、貨物船の船員が個人的なお土産として持っていた冷凍海産物を、税関に申告しないで持ち込もうとしたものだった。

 なお、通告処分は、犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当するときに、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める行政処分で、犯則者がこれに応じないときは検察官に告発することになる。2005年10月以降に輸入された申告納税方式が適用される貨物に係る関税については、通告処分の対象外とされ、重加算税が適用されることになっている。

 同関税ほ脱事犯に関する犯則調査結果の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/ka211009a.htm