東京都の第3回インターネット公売は20日午前10時までの2日間にわたって実施され、出品した45点中44点に入札があり、合計落札額は1174万7791円となった。この落札額は、総見積価額約438万円の約2.7倍となる。今回の公売は、2区1市から引き受けた滞納事案についての差押財産や練馬区が差し押さえて都が徴収嘱託を受けた財産なども含まれていることが特徴となっている。
1298人が参加した公売で334人ともっとも入札参加者が多かった「平成6年登録のベンツ」(見積価額19万円)は120万1千円での落札となった。実はこのベンツは第2回の公売で買受代金が支払われずに再公売となったものだが、そのときの落札額が120万1千円で奇しくも今回も同額となった。最高落札額は「フジヨット35/ケッチ」(見積価額64万円)の261万1千円だった。
全国の市町村が注目するなかで試行されている都のインターネット公売は、第1回目に560万円で落札されたグランドピアノなど3点の代金納付がなかったことから、入札保証金を見積価額の1割から2割に引き上げるなど参加条件を厳しくしたが、それ以外は大きなトラブルもなく、なによりも期待以上の成果を上げている。また、区市の差押財産なども出品するなどネット公売の活用の幅も広がっている。
これらの結果を踏まえ都は、3月中旬に広告予定の次回公売において、これまで動産だけだった出品財産に不動産を加えることを決めた。対象となる不動産の件数や内容は明らかになっていないが、都主税局では、応札希望者が現地調査などができるように公告から入札までの期間を十分に取りたい意向だ。4月中に実施する予定だが、国税も含め全国でも初めての試みとなることから、改めて注目が集まりそうだ。