全国で1万3千社強が15%以上従業員を削減
帝国データバンクは、信用調査報告書(151万社収録)等を元に「スケールアップ・スケールダウン企業の実態調査」を実施し、リーマン・ショック(2008年10月)以降の企業動向を探った。スケールアップ・スケールダウンの定義は、「元々従業員数10名以上であり、2008年10月以降15%以上従業員数の増減があった企業」、「元々事業所数が5ヵ所以上あり、2008年10月以降2ヵ所以上事業所数の増減があった企業」。
調査結果によると、従業員数では、リーマン・ショック以降15%以上従業員を増やしたスケールアップ企業は全国に1万42社、逆に15%以上従業員を減らした企業は1万3692社となり、「選択と集中」路線をとったスケールダウン企業が3割ほど上回った。また、事業所数では、同2ヵ所以上事業所を増やしたスケールアップ企業は全国に4480社、逆に2ヵ所以上事業所を閉鎖したスケールダウン企業は4372社と、ほぼ同数となった。
業種別にみると、従業員数でのスケールアップ企業では、「老人福祉事業」(114社)、「情報家電機器小売」(89社)、「病院」(82社)、「医薬品小売」(74社)が目立ち、事業所数でも「老人福祉事業」(80社)が際立った。一方、従業員数でのスケールダウン企業では、「印刷業」の166社を筆頭に、「木材・竹材卸」(86社)や「織物卸」(61社)などが続き、事業所数では「労働者派遣業」(67社)がトップに挙げられた。
業績をみると、従業員数を増加させた企業の53.9%、事業所数を増加させた企業の47.6%が増益となり、「業容拡大と多角化」を図ったスケールアップ企業で増益に成功したのは約半数にとどまった。一方で、従業員数を削減した企業の49.6%、事業所数を削減した企業の51.2%が増益となり、「選択と集中」を図ったスケールダウン企業でも、約半数が増益に成功していることが分かった。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110902.pdf