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4社に1社が「資金の借入れが不十分」と回答

経営関連情報 - 2011年12月09日

 大阪商工会議所は2日、年末・年度末に向けての中小企業の資金調達に関する実態を把握し、要望建議など本会議所事業の基礎データとするため、「中小企業の資金調達に関する調査」を11月14日~25日に実施した。調査対象は、同会議所会員の中小企業2965社で、442社から回答を得た。それによると、4社に1社が資金需要はあるが、借入れができず苦慮していることが分かった。

 まず、資金繰りについて、金融機関からの借り入れが、「現時点で資金を借り入れているが、十分な額ではない」(16.3%)と「まったく借り入れられていない」(5.0%)を合わせた2割強(21.3%)の企業が、資金需要があるにも関わらず十分借り入れられていない状況にある。特に、資本金1000万円以下の企業では4社に1社(24.2%)が「十分借り入れられていない」と苦慮している。

 「3ヵ月以内に資金需要がある」とする企業(127社)の金融機関からの調達目途については、40.2%が「目途はついておらず、つく見込みもない」と深刻な状況。その対応策では、「経費削減・雇用調整・事業縮小など支出を削減する」との回答が60.8%を占めた。借入資金の使途は、85.4%が「当面の運転資金」だが、「設備資金」(18.2%)、「新しい市場・販路の開拓資金」(10.2%)など前向きの資金重要をうかがわせる回答もある。

 資金需要の背景にある経営環境の変化としては、「個人消費の低迷・国内市場の縮小」(39.7%)が最多。次いで「デフレの継続」(29.5%)、「円高の長期化」(22.0%)、「原材料・燃料価格の高騰」(22.0%)など厳しい状況。半年前と比較した金融機関の貸出態度については、「少し厳しくなった」(13.0%)と「大幅に厳しくなった」(8.8%)を合わせた2割強(21.8%)が厳しさを指摘した。

 さらに、2012年3月末時点での貸出態度については、3割台半ば(35.2%)が現在より「厳しくなる」と予想している。また、2012年3月末で期限を迎える中小企業金融円滑化法については、20.8%の企業が「利用したこと(する予定)があり、制度が終了すると資金繰りが心配」と回答。特に、資本金1000万円以下の企業では4社に1社(24.2%)がその影響を指摘している。

 同調査結果は
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/111202shikin.pdf