経 営 関 連 情 報

2003年11月05日-004
中小企業も決算書を公開する時代(1)

 貸借対照表や損益決算書などの決算書の公開というと、それは株式を公開している大企業だけのもの、中小企業は関係ないと思っている経営者も少なくない。しかし、今、中小企業にも財務内容の開示、決算書を公開することが求められる時代となっている。長引く不況の中で収益を増やし資金調達を確保したい経営者は、決算書を公開するメリットを認識し始め、「中小企業の会計」に大きな関心を持ちつつあるのだ。

 そのような前向きな中小企業経営者の願いは
「経営力を強化するため、自社の経営の現状や課題を分析し見極めたい!」
「資金調達を容易にするため、金融機関からの信用を勝ちとりたい!」
「受注などを拡大するため、取引先からの信用を勝ちとりたい!」
というところにある。

 これらの願いを実現するための強力な武器となるのが決算書なのである。経営分析力・資金調達力・受注拡大力の3つの力を強化するためには、決算書を正しい会計ルールに基づいて作成することが大前提となる。しかし、「会計は難しいから……」と諦めている経営者も多い。確かに、証券取引法などで公開会社に義務付けられた複雑で手数がかかる会計基準は、中小会社にとって過重な負担となる。

 そこで、中小企業庁は、研究会を主催し、中小企業が商法上の計算書類(決算書)を作成するに際し、中小企業にふさわしく、また、過重な負担とならないものとして、準拠することが望ましい「中小企業の会計のあり方」を作成・公表した。これに沿って、当連載では、中小企業の決算書の作り方や経営への役立て方についての分かりやすい解説を試みたい。会計は難しいからと敬遠せずに、会計を武器とするための一助としてほしい。

(続く)

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