ゼイタックス

経営関連情報 (2006/09/11)

53%の企業が2007年問題に「懸念あり」と回答

 団塊世代(1947~49年生まれ)の大量退職が始まる2007年を控え、企業における労働力の確保や技能の承継などについて注目が集まっている。帝国データバンクが実施した「2007年問題に対する企業の意識調査」結果(有効回答数9997社)によると、2007年問題については、「団塊世代はいない」とする約30%(3092社)を除く企業のうち、「懸念がある」と回答した企業の割合は53.3%と過半数にのぼった。

 これを業界別にみると、「農林・水産」(65.0%)や「建設」(62.6%)、「製造」(61.4%)、「運輸・倉庫」(62.1%)では6割を超えており、もっとも懸念の少なかった「不動産」(28.8%)とは30ポイント以上の格差が生じた。なお、団塊世代がいないとした企業を業界別にみると、「不動産」(48.5%)や「サービス」(47.3%)、「小売」(39.7%)などで構成比が高く、全体の約3割は平成に入ってから設立された比較的若い企業だった。

 2007年問題に懸念がある企業がもっとも多く挙げた懸念は「技能の承継」で、構成比74.1%に達した。これらの企業を業界別にみると、「製造」(85.1%)や「建設」(80.8%)では懸念が8割を超えた。企業からは、「団塊世代の再雇用は技術、販売・商品知識継承のため必須」(建材卸売)や「技能のみならず、仕事への意欲も若年層とは大きく異なる」(機械製造)など、団塊世代の高い専門性やその必要性を訴える声が多い。

 また、「労働力の確保」への懸念も54.1%と高いが、こうした技能承継や労働力確保については、「人不足で厳しいが、数合わせで採用はしない」(港湾土木工事)の意見のように、すぐに解決が図られるものではない。「バブル崩壊後、新規採用を控えていたため社員の高齢化が進んでしまった」(精密機械製造)との声に代表されるように、景気低迷期における雇用の絞込みが2007年問題に一層の拍車をかけているものとみられている。

 同意識調査の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/watching/press/keiki_w0608.pdf