日本税理士会連合会(池田隼啓会長)は、6月26日の理事会において「2009年度税制改正に関する建議書」を決定し、このほど公表した。今月中に財務大臣、財務省主税局長、国税庁長官、総務大臣、総務省自治税務局長等の関係機関に提出するとともに、日本税理士政治連盟(久野峯一会長)を通じ、政党及び国会議員個人に対し、その実現方に向け請願活動を活発に展開することとしている。
同建議書は、全国15単位税理士会から提出された493項目に及ぶ意見を基に、個人所得課税のあり方や企業会計と法人税制、相続税の課税方式及び事業承継税制、更正の請求のあり方などを中心に議論し、全67項目の建議書にまとめたもの。日常の税理士業務を通じ、納税者に直接接している税務の専門家の立場から現行制度の問題点を把握し、その解決に必要な改正を提言したとしている。
具体的には、2009年度改正において本年10月1日に遡って適用される予定の相続税の課税方式の変更や「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」について、例えば遺産取得課税方式に変更する場合であっても、増減税なしとのスタンスを強調。事業承継税制については、現実に適用が困難なものとならないように、その適用範囲及び要件等につき過度に厳格な規制を設けるべきではない旨提言している。
また、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、役員給与はすでに会社から資金流出しているにもかかわらず、その会社側に課税が行われるなどの制度的な問題があることから、同制度の廃止を要望。交際費課税についても、交際費等の範囲を見直し、社会通念上必要な交際費等の支出は原則として損金算入するとともに、定額控除限度額内の10%課税制度は即時に廃止することを求めている。
同建議書の詳細は↓
http://www.nichizeiren.or.jp/opinion/kengisyo/kengisyo-H21.pdf