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マイナス幅縮小も中小企業の景況感依然厳しく

経営関連情報 - 2011年10月07日

 金融庁は、今年8月に各都道府県の商工会議所に実施した「中小企業の業況等に関するアンケート調査」結果を発表した。中小企業の業況感は厳しい状況が続いているが、前回5月調査時点に比べマイナス幅が縮小した。悪化の要因としては、「売上の低迷」、「震災等の影響」、「競争過多による販売価格の下落」の順で回答が多い。資金繰りも厳しく、「中小企業の営業要因」、「震災等の影響」で悪化したとの回答が9割以上を占めている。

 中小企業の現状D.I.(「良い」-「悪い」)は、平均▲76で、前回に比べ7ポイント縮小。また先行きD.I.も▲71と前回比13ポイント縮小した。業種別では、製造業が現状▲87→▲79、先行き▲81→▲64へ、小売業が現状▲91→▲74へ、建設業が現状▲83→▼81など、それぞれ縮小している。悪化の要因としては、「売上の低迷」が44.7%でトップ、「震災等の影響」が23.2%で続いた。

 中小企業の資金繰りD.I.は、平均で現状▲64と前回比3ポイント、先行き▲61と同4ポイントそれぞれ縮小した。業種別では、製造業が現状▲68→▲57、先行き▲64→▲51へ、小売業が現状▲74→▲68、先行き▲72→▲66へ、建設業が現状▲79→▲77など、それぞれ縮小している。悪化の要因では、「販売不振・在庫の長期化等、中小企業の営業要因」が74.5%、「震災等の影響」19.2%となっている。

 東日本大震災関連のコメントをみると、「風評被害が足枷。先行きの見通しが立たない」(福島県)、「震災による小売店や飲食店との取引減少を背景に、受注の減少と価格競争がみられる」(宮城県)など厳しい意見が多いが、「サプライチェーンの復旧により受注が増加し、回復傾向がうかがえる」(栃木県)、「県が民間アパートを借り上げ、被災者に仮設住宅として提供する住宅支援策により、動きがみられる」(山形県)など明るいニュースも。

 同調査結果は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20110930-5/01.pdf