税 務 関 連 情 報 |
2002年03月08日-001
取引に問題があった酒類販売場1,393場を改善指導
国税庁がこのほどまとめた平成12事務年度(12.7~13.6)における酒類取引状況等実態調査によると、全国で約19万6千場に上る酒類製造場・酒類販売場のうち、取引に問題があると考えられた販売場を中心に調査先を選定し、1,393場(前年985場、対前年比約140%)の調査を実施した。
その結果、総販売原価を割る価格で販売をするなど「合理的な価格の設定」がなされていない取引があった販売場は、調査した9割を超える1,277場に上った。例えば、小売業者であるA社は、主力商品のビールや発泡酒を、利益を度外視して常態的に総販売原価割れの価格で販売しており、さらに、特売期間中の販売価格について、同じ商圏内のライバル他社のチラシ価格と対抗して仕入原価に関係なく設定しているため、発泡酒の一部については仕入原価割れとなり、合理的な価格の設定をしていないと認められている。
また、調査した1割強の189場は、特定の取引先に対して不透明なリベートを支払うなど「取引先等の公正な取扱い」が行われていない取引があった。例えば、卸売業者であるB社は、大手量販店Y社との間だけに売上金額に一定割合を乗じた金額を割り戻す契約を結び、他の同規模の取引先に比べ有利な取扱いをしており、取引先の公正な取扱いが行われていないと認められた。
その他、「公正な取引条件の設定」がなされていないと考えられた販売場が30場把握されている。例えば、製造業者であるC社X支社では、本社の基準を超える支社独自のリベート支払基準を策定していたが、特定の取引先Z社に対しては、再三の要請を受けて、その基準をも上回る特別の値引きを行っており、公正な取引条件の設定がなされていないと認められた。
国税庁では、これらの問題があった販売場に対しては改善指導を行ったが、一定期間後には改善状況を確認するフォローアップ調査を行うことにしている。今回のフォローアップ調査では、1)リベートの支払基準の明確化、2)仕切価格の見直し、3)営業部門の評価を売上重視から利益重視に変更するなどの改善事例が認められた一方で、改善されていない事例も認められ、改めて指導を行っている。
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