経 営 関 連 情 報

2003年05月14日-002
コンビニATMは若い世代を中心に浸透

 コンビニへのATMの設置が急速に進展しているようだ。2003年3月末には、セブン-イレブンに約5200台、ローソンに約2700台、ファミリーマートやam/pmなどに合わせて5000台程度が設置されている。セブン-イレブンを例にとると、設置台数は1年間で約2000台増加し、設置エリアも首都圏を中心とする6県から13県へと広がった。

 このコンビニATMの利用状況を、日本経済新聞社が実施した金融行動調査(2002年調査、有効回答数2893人)を利用して分析したのは農林中金総合研究所である。調査によれば、首都圏でコンビニATMを利用したことのある人の割合は、00年には9.8%、01年19.7%、02年36.1%と年々上昇している。利用経験者の割合は若い世代ほど高く、30歳未満層では61.2%を占める。一方、70歳以上の層では11.1%と低いが、他の年齢層と同様に比率は年々高まっている。

 その利用状況は、コンビニそのものの利用状況と密接に関係しており、若い世代を中心に浸透してきている。30歳未満の回答者の31.2%は「ほぼ毎日」、46.7%は「週に1~2回程度」行くと回答。この層は、ATMについても「よく利用する」(14.4%)、「時々利用する」(19.8%)と回答する割合が高い。若い世代にとって、コンビニは非常に身近なものであり、そこでATMを利用することも定着化しつつあるとみられる。

 コンビニATMを利用する理由(複数回答)は、「銀行のATMが営業していない曜日・時間で」が60.1%を占め最も多く、次いで「近くに銀行のATMがなかったから」(40.8%)、「コンビニのほうが近いから」(36.8%)などが続く。上位2つの選択割合は年齢層が若いほど高く、若い世代は銀行のATMが使えない時間帯や立地で、補完的にコンビニATMを利用しているとみられる。

 以上のことから、コンビニATMの利用は、若い世代を中心に浸透してきたことが分かるが、利用率が低い高齢者も緩やかながらもその利用率が上昇してきている。近く、セブン-イレブンとam/pmのATMで郵貯の入出金ができるようになる見込であり、コンビニATMの利用者層を広げる要因のひとつとなるとみられている。

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