キリンビールがこのほど発表した世界主要国のビール消費量調査によると、2003年の世界の総ビール消費量は、前年より約270.3万キロリットル(1.9%)増の約1億4407.7万キロリットルで、18年連続の増加となった。国別では、昨年まで2位だった「中国」(2499.5万キロリットル)が、「アメリカ」(2372.2万キロリットル)を抜いて世界No.1の消費国となった。この2国は、他の国々を大きく引き離す消費量だ。
以下、3位は「ドイツ」(969.5万キロリットル、)、「ブラジル」(822.0万キロリットル)、「ロシア」(767.0万キロリットル)と続き、第6位に「日本」(649.7万キロリットル)がランクされた。日本は、順位に変動はないものの、冷夏や発泡酒増税の変化を受けて前年比6.3%減となっている。
ロシアは、健康志向の高まりから、ウォッカなどのアルコール度数の高い飲料からビールなどの低アルコール飲料へのシフトが進行し、ここ数年増加傾向が続いている。注目のアジア市場では、「タイ」(第21位、145.0万キロリットル、対前年比14.2%増)や「フィリピン」(第25位、123.4万キロリットル、11.0%増)が高い増加率を記録している。
国民一人あたりの消費量は、「チェコ」(158.9リットル)、「アイルランド」(135.7リットル)、「ドイツ」(117.7リットル)、「オーストリア」(111.1リットル)、「イギリス」(101.5リットル)などと続き、上位国の順位に大きな変動はない。チェコは11年連続の第1位。「日本」は、前年に比べ大びん換算で約5.5本減少し、26位から30位に後退した。
なお、国別トップの「中国」は19.7リットルでランク外、「アメリカ」(81.6リットル)も13位。こうしてみると、国別でも一人あたりの消費量でも第3位の「ドイツ」がやはりビールをよく飲む国民といえそうだ。