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08年の原料高関連倒産は07年の倍増ペースで推移

経営関連情報 - 2008年09月19日

 2008年に入り上昇を続けていた主要な国際商品価格がここに来て下落基調で推移しているが、国内では、原油を始めとする様々な原料価格高騰の影響は依然大きく、販売価格に転嫁できない中小・零細企業を中心に収益環境が一段と悪化している。帝国データバンクがこのほど発表した「原料高関連の倒産動向調査」結果によると、2008年1~8月の原料高関連の倒産は364件発生し、2007年(229件)の倍増ペースで推移している。

 現在のペースで推移すれば、2008年の累計は600件を突破する見通しとなっている。月別にみると、2008年8月の69件が、2005年4月の同調査開始以降で最多となった。2007年後半以降、増加基調が強まっており、2008年6月に初めて50件を超えてからは3ヵ月連続で過去最多を更新している。また、負債総額も2618億200万円と、2007年の1873億5500万円を大きく上回っている。

 原料別にみると、「原油」が179件、次いで「金属」が81件、「食品」が34件で続く。原油価格は製品原料としてだけでなく、各企業の輸送コストなどにも大きく影響し、幅広い業種の収益が圧迫されている。前年比では、「紙」が325.0%増でトップ、「金属」も305.0%増の大幅増加となった。2007年までの原油中心の状況から、紙や鉄鋼、アルミ、銅などの「川上」に近い産業で使われる原料の高騰が倒産増加につながっている。

 業種別にみると、「製造業」が124件でトップ、「運輸業」が83件、「建設業」が73件で続く。「製造業」では、鉄鋼・金属・機械関連のメーカーが40件と最多、鉄を中心とした金属原料の値上がりが影響しているほか、出版・印刷業(15件)でも印刷用紙の高騰が原価を膨らませている。「運輸業」では、軽油の値上がりを受け道路貨物運送業者(76件)が大半を占め、「建設業」では建築資材の高騰が各社の収益を直撃している。