今後1年の消費支出、4割が「減少・節約」と回答
日本リサーチ総合研究所は、1981年以来、自主事業として、広く日本社会の経済、産業、国民生活の実態と今後の変化について研究調査を実施しているが、このほど「消費構造変動調査」の一環として「今後1年の消費と見通しに関する調査」を行い発表した。成熟段階に入ったわが国経済における消費の実態や消費者の価値観など、ひとびとの消費生活にかかわる部分に焦点を当てている。
過去1年間と比べた今後1年間の消費支出の見通しについては、「増加・充実」と答えた人の割合は15.6%、他方、「減少・節約」と答えた人は39.9%となった。前回(2011年5月調査)と比べて、「増加・充実」志向、「節約・抑制」志向ともにほぼ横ばいの水準となっている。景気の先行き不透明感もあり、消費支出全体の見通しとしては、「増加・充実」、「減少・節約」両面ともひとまず模様眺めの状態にある。
今後1年間に消費支出を「増加・充実」させたい人の理由は、「子供が成長したり家族が増える」が55.9%、次いで、「いろいろと出費の予定がある」(40.2%)、「購入したいものややりたいことがある」(26.3%)、「耐久消費財に買い替え時期のものが多い」(22.9%)と続く。前回5月と比べ、「子供が成長したり家族が増える」、「購入したいものややりたいことがある」、「収入が増えそう」、「税金等公的負担が増えた」などが増加した。
対して「減少・節約」と答えた人の理由は、65.1%と3人に2人は「給与や事業収入が伸びない」と回答、これに「将来に備えて貯蓄を増やす」(30.7%)、「物価が上がった」(29.0%)が続く。消費支出の縮小・節約側の理由では、所得・収入面の伸び悩みが恒常的に高いが、今回、その回答割合が高まっていることに加えて、物価上昇や雇用の先行き不安、税金等公的負担増、予定外の出費、医療負担増などの回答が増加している。
先行きの費目別支出をみると、【増える】費目としては、「医薬品・医療費」、「自宅での食費」、「子供の養・教育費」、「光熱・水道費」、「家庭用耐久財への支出」など必需・固定的な費目が上位に並ぶ。反対に、【減る】費目では、「外食費」がトップ、次いで「預貯金」、「娯楽・スポーツ関連の支出」、「被服・履物費」、「旅行関連の支出」の順で、裁量性の高い費目が上位にあり、それぞれ前回5月をやや上回る結果となっている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.research-soken.or.jp/reports/structure/index.html