健康保険制度が改正され、この10月から順次実施されている。具体的には、1)70歳以上の現役並み所得者の一部負担金(窓口負担)について2割から3割に引上げ、2)高額療養費の自己負担限度額の引上げ、3)入院時生活療養費の新設、4)出産育児一時金・家族出産育児一時金の支給額を30万円から35万円に引上げ、5)埋葬料(費)・家族埋葬料の支給額の変更が実施された。
70歳以上の現役並み所得者とは、標準報酬月額が28万円以上である70歳以上の被保険者及びその70歳以上の被扶養者だ。単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満であるときは、申請により窓口負担は1割となる。また、公的年金等控除や老年者控除の見直しに伴い現役並み所得者となる70歳以上の人は、9月から最大2年間、月ごとの自己負担限度額は現役並みよりも低い「一般」の額が適用される経過措置がある。
高額療養費は、1ヵ月に医療機関等に支払った自己負担限度額が定められた算出方法による自己負担限度額を超えたときに、請求により払い戻される制度だが、今回の改正により、自己負担限度額が引き上げられた。例えば、70歳未満の一般の1ヵ月あたりの自己負担限度額は、「8万100円(改正前7万2300円)+(医療費-26万7000円(同24万1000円))×1%」で算出した金額となる。
そのほか、療養病床に入院する70歳以上の人の食費の負担額が引き上げられるとともに、新たに居住費(光熱水費)の負担が追加される。ただし、難病等の入院医療の必要性が高い場合は、負担額は変更前の額に据え置かれ、居住費の負担もない。また、出産育児一時金については、被保険者が出産費用を支払う負担を軽減するため、政府管掌健康保険では10月から出産育児一時金の医療機関等による受取代理を実施する。
医療保険制度の改正の詳細は↓
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1004.html