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税務関連情報 (2006/01/18)

加算税の見直しはペナルティ強化と免除措置

 2006年度税制改正においては円滑な申告納税のための環境整備として、物納制度の見直しや所得税・法人税等の公示制度の廃止などが決まっているが、実務的に注目されるのは無申告加算税や不納付加算税の見直しである。無申告加算税は、申告書を期限後に提出したときや税務調査などで判明したときにかかる15%相当額のペナルティについて、納付すべき税額が50万円を超える部分に対しては20%に引き上げる。

 一方で、税務調査で無申告が判明することを予知して提出されたものでない期限後申告書に係る無申告加算税については、その申告書が法定申告期限から2週間以内に提出され、かつ、納付すべき税額の全額が法定納期限までに納付されているなど、期限内申告書を提出する意思があったと認められる一定の場合には、無申告加算税を免除する。

 ここで思い出されるのは、昨年9月に大阪地裁が関西電力の訴えを斥けた事件である。関西電力は法定納期限までに消費税約250億円を納付していたが、後で申告書が未提出だったことに気づき、申告期限から11日遅れで提出したものの、無申告加算税5%相当額の約12億円の賦課決定を受けて控訴していたものだ。客観的には酷な処分だったが、まさに上記の免除措置があれば、救われていたケースである。

 一方、源泉徴収などによる国税を納期限までに完納しなかったときに納付税額の10%相当額がかかる不納付加算税についても、法定納期限から1ヵ月以内に納付され、かつ、その納付前1年間期限後納付がないなど、法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合には、不納付加算税を免除する。上記を含めこれらの改正は、2007年1月1日以後に法定申告期限・納期限がくる国税について適用される。