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経営関連情報 (2006/11/22)

10月の企業倒産件数は889件で最高を記録

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、10月の倒産件数は889件で、前月に比べ33.8%増と増加に転じ、前年同月比も7.8%の増加となり、法的整理のみに集計対象を変更した2005年4月以降では最高を記録した。大幅増加となったのは、中小・零細企業、地方圏企業の倒産が増加しているためだが、中長期的にみると緩やかな増加基調が持続している。

 また、10月の負債総額は5660億2900万円で、5月(6838億9800万円)に次いで今年2番目の高水準となった。前月比では66.5%の大幅増加となったものの、前年同月比では14.3%減となった。負債が高水準となったのは、ジャスダック上場のユニコ・コーポレーション(負債891億7000万円、北海道)など、負債100億円以上の大型倒産が10件(前月5件)と、9ヵ月ぶりに二ケタ台に増加したため。

 倒産件数を規模別にみると、負債5千万円未満の倒産が415件、前年同月比36.1%増と、集計対象を変更した2005年4月以降で最高を記録した。負債5千万円以上1億円未満(134件、前年同月比13.0%減)を合わせた同1億円未満の中小・零細企業の倒産は549件となり、全体の61.8%を占めた。負債10億円以上の倒産は66件(前月40件)発生。また、個人経営の倒産が170件、前月比57.4%増と増加傾向にある。

 今後をみると、地方経済の基盤となっている公共工事も財政再建の旗振りのもとでは削減が確実で、規模間・地域間格差は一層拡大する可能性が高く、さらに、地域金融機関の再編や、貸金業法の改正によるノンバンクの融資引揚げ圧力など、資金繰り面でも中小・零細企業の倒産リスクが高まってくる。今回の景気回復期間が「いざなぎ景気」超えと喧伝されるなかでも、厳しい環境に追い込まれる企業は後を絶たないと予測される。