2003年末におけるインターナット利用者数は前年に比べ788万人増の7730万人となり、人口普及率は同6.1ポイント増の60.6%と初めて60%を突破したことが、総務省が14日に公表した2003年「通信利用動向調査」で明らかになった。世帯普及率は同6.7ポイント増の88.1%、常用雇用者5人以上の事業所普及率は同1.2ポイント増の82.6%、常用労働者100人以上の企業普及率は同0.2ポイント減の98.2%となっている。
世帯(自宅)におけるパソコンからのインターネットの接続方法(複数回答)については、ADSLや光通信などの「ブロードバンド回線」が前年に比べ18.2ポイント増の47.8%に急増。他方、「ISDN(常時接続)」(13.9%)、「ISDN(ダイヤルアップ)」(8.2%)、「電話回線(ダイヤルアップ)」(30.2%)は、いずれも昨年より減少している。
個人のインターネット利用における不安・不満(複数回答)は、「プライバシーの保護」が55.4%で最も多く、「ウイルス感染」(43.1%)とともに際立って不安が多い。以下は「電子的決済の信頼性」(28.4%)、「違法・有害情報が氾濫」(22.5%)、「通信料金が高い」(20.0%)などが続く。なお、「不安・不満なし」は7.8%に過ぎず、インターネット利用者の多くが、何らかの不安・不満を抱えながらインターネットを利用している状況がうかがえる。
セキュリティ対策については、個人が実施している対策(複数回答)としては「ウイルスチェックソフトの導入」が32.0%で最も多いが、「何も行っていない」との回答が依然として26.5%と4人に1人おり、ウイルス感染の被害を被るだけでなく、知らない間にウイルスを撒き散らす犯人になりかねない人が多い状況にある。
一方、企業ではさすがに94.1%(前年比9.4ポイント増)が何らかの対応を行っている。具体的(複数回答)には、「端末にウイルスチェックプログラム導入」が72.7%で最も多く、「サーバーにウイルスチェックプログラム導入」(56.5%)、「ID・パスワードによるアクセス制御」(54.2%)、「ファイアウォールの設置」(52.2%)の対策は過半の企業がすでに導入している。