産業能率大学が営業職に就いて5年以内の営業担当者を対象に実施した「営業部門の教育に関する調査」結果(有効回答数500人)によると、営業の仕事を続けたいかどうかを尋ねたところ、「続けたくない」との回答が約半数の47.0%に達した。自由記述による理由では、続けたくない人は「不景気で売れない」、「利益達成のノルマが厳しい」など、ノルマや競争に対するストレスが多く挙げられている。
営業目標(ノルマ)や社内外の競争など10項目を挙げて「ストレスと感じるか」、「楽しいと感じるか」を二択で聞いたところ、「営業目標」はストレスが79.4%に達していた。「社内競争」はストレスが70.8%、一方、「競合との競争」はやや下がって63.0%。顧客との関係に関する項目は、おおむね半々だった。「楽しいと感じる」が多いのは、「専門的な知識・情報の収集」(62.0%)、「自社商品の知識・情報の習得」も55%を超えている。
営業を続けたいかどうかを尋ねた結果を、様々な層別に確認した結果、適切なOJTを受けている人は「営業を続けたい」とする割合が多く、適切なOJTを実施できるOJTリーダーの養成が欠かせない。営業方針別や営業活動別では、利益重視や組織営業の層は「続けたい」が6割を超えており、利益を生み出すための創意工夫がやりがいにつながり、また、組織的な営業であれば、営業担当者は“孤立”しにくいと考えられる。
営業に必要だと思う能力(3つまで回答)は、「営業トーク」が38.6%でトップ、これに「行動力」が36.6%、「外見」が33.6%で続いた。自分に不足している能力(同)でも、「営業トーク」がトップで40.2%、これに「商談のテクニック」が33.4%、「説得・交渉力」が30.6%で続いており、商談の場で必要とされる能力やスキルに自信がないようだ。自分で身についていると思う能力(同)では、「外見(身だしなみ)」が48.0%でトップだった。
同調査結果の詳細は↓
http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/eigyou2009_2.pdf