ゼイタックス

経営関連情報 (2005/02/07)

ITアウトソーシングを利用する国内企業は3割

 IT専門調査会社のIDC Japan社がこのほどまとめた「国内ITアウトソーシングユーザー実態調査」結果(有効回答数3262人)によると、2004年11月時点においてITアウトソーシングを利用している国内企業は29.6%と約3割だった。このうち、60.5%が「3年以上利用」しており、「1年未満利用」の企業は12.2%だった。

 このことから、同社では「これまで急速に拡大を続けてきたITアウトソーシング市場だが、新たに同サービスを利用する企業の増加は鈍化傾向にある」と推測している。

 それでも、企業のコスト削減に対する期待からITアウトソーシングの利用企業は増加を続けているようだ。特に大企業ほどITアウトソーシングを利用している企業が多く、従業員規模5000名以上の企業では、同サービスの利用率は「3年以上利用」が61.9%、「1年以上3年未満利用」が11.2%、「1年未満利用」が6.0%となっている。

 一方、従業員規模100人未満の企業の同サービス利用率は、「3年以上利用」が8.7%、「1年以上3年未満利用」が5.7%、「1年未満利用」が3.2%と低いものとなった。一般的に、大企業ほどIT化が要求され、情報システム運用には高いコストと技術力が必要とされる。そのコスト削減と技術力の補填にITアウトソーシングが利用されているとみている。

 同市場について、IDC Japan社のITサービス・シニアマーケットアナリストの松本聡氏は、「企業のコスト削減に対するソリューションとして、国内ITアウトソーシング市場は急速に成長を続けている。しかし、ユーザー企業のITアウトソーシングを利用することに対する期待は、コスト削減効果は変わらないものの、本業の競争力強化につながるサービスを望みはじめている」と指摘している。

 さらに、「アウトソーシングベンダーは、コンサルティングなどの付加価値の高いサービスを提供するとともに、ユーザーの企業価値を向上させるサービスの開発が求められている」と語っている。