ゼイタックス

経営関連情報 (2003/11/28)
海外事業は引き続き強化、国内事業は高付加価値化

 最近、中国進出を目的とした視察旅行や研究会等が目立つ。また、新たな海外事業の展開先として中・東欧やベトナム・ロシアなどへの関心が高まっているようだ。国際協力銀行がこのほど公表した「2003年度海外直接投資アンケート調査」結果(有効回答数571社)によると、わが国製造業の海外事業展開は引き続き強化・拡大傾向にあり、国内事業は高付加価値化を進める企業が増えていることが分かった。

 海外事業に対する今後3年程度の中期的な姿勢として、「海外事業展開を強化・拡大する」と回答した企業割合は全業種平均で78.3%となり、昨年度に比べ1.3ポイント低下したものの、海外事業への積極姿勢は引き続き強いことが分かった。また、海外事業が中期的に国内事業に与える影響については、「従来の国内生産品目が海外拠点の生産に移管されるものの、国内においては他の製品・分野の生産に取り組むことで移管分を補う」との回答割合が40.3%で最も多かった。

 その国内での他の製品・分野への取組みについては、「より付加価値の高い製品・サービスへの特化」を挙げた企業が84.3%にのぼった。多くの企業が、国内外の生産分業を進め、国内では高付加価値品の生産にシフトさせようとしているようだ。そのための方法としては、「マーケティング部門など、関連部門と開発部門との連携強化」(52.2%)、「研究開発資源の選択と集中」(42.1%)などを行っている企業が多かった。

 なお、中期的な海外事業展開の姿勢を地域別にみると、「海外事業展開を強化・拡大する」と回答した割合が最も多かった地域は「中国」(73.9%)で、昨年度に続いて強化・拡大傾向にある。次いで、「中・東欧」(58.1%)、「北米」(52.6%)、「EU」(46.6%)となっているが、今年度調査の特徴としては、中・東欧での事業の強化・拡大姿勢が、昨年度調査に比べ高まっている点を挙げている。