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2012年分路線価は4年連続下落も下落幅は縮小

税務関連情報 - 2012年07月06日

 全国の国税局・税務署において7月2日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2012年分の路線価及び評価倍率が公表された。今年1月1日時点の全国約35万8千地点における標準宅地の前年比の変動率の平均は2.8%下落し、4年連続の下落となった。下落はすべての都道府県に及んでいるが、近年の下落幅の縮小傾向は続いており、2010年分以降は4.4%→3.1%→2.8%と確実に下落状況に落着きが出ている。

 都道府県別の路線価をみると、全ての都道府県で下落したが、23都道府県で下落幅が縮小した。特に大都市圏は底打ち感が強く、下落率は、「東京」が1.2%(前年2.0%)、「大阪府」が1.7%(同3.4%)、「愛知県」が0.5%(同0.8%)となった。また、都道府県庁所在都市の最高路線価も、上昇した都市が前年の1都市から2都市(札幌、名古屋)に、横ばいの都市は同3都市から8都市(金沢、京都、大阪、福岡、那覇など)となった。

 一方、下落した都道府県庁所在都市は37都市(前年43都市)で、このうち下落率が「5%未満の都市」が東京、山形、横浜、静岡、神戸、広島、長崎など13都市(同16都市)、同「5%以上10%未満の都市」が青森、仙台、水戸、千葉、高松、佐賀など23都市(同24都市)、同「10%以上の都市」は松江の1都市(同3都市)となっており、都市圏を中心に地価の下げ止まり傾向が顕著となっている。

 都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートルあたりの路線価は▲2.2%(48万円)下落の2152万円となったが、27年連続の全国トップ。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」680万円(増減率0.0%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」588万円(同▲0.5%)、名古屋市中村区名駅1丁目の「名駅通り」586万円(同+0.9%)と続く。

 東日本大震災での被災地域の県庁所在都市の最高路線価は、盛岡市の大通2丁目「大通り」が▲7.3%(前年▲8.3%)、仙台市の青葉区中央1丁目「青葉通り」が▲8.7%(同▲10.2%)、福島市の栄町「福島駅前通り」が▲8.6%(同▲5.4%)の下落となっており、福島のみ下落幅が拡大している。なお、原発事故に関する「警戒区域」及び「計画的避難区域」は、前年分と同様に評価額を「0」として相続税・贈与税の申告ができる。

 ところで、2008年分から路線価図等の冊子は作成されていないため、路線価は、自宅や会社のパソコンまたは全国の国税局・税務署に設置してあるパソコンから国税庁のホームページにアクセスして、閲覧・プリントアウトすることになる。

 国税庁ホームページへのアクセスは↓
 http://www.rosenka.nta.go.jp/