ゼイタックス

税務関連情報 (2004/06/25)

やっと2万件を超えた電子申告の全国での届出件数

 6月1日から全国での利用が可能になった国税電子申告・納税システム(e-Tax)は、利用するために必要な開始届出書の提出件数が伸び悩んでいるが、国税庁はこのほど、6月8日現在で2万520件とやっと2万件を超えたことを明らかにした。総提出件数の内訳は、個人が1万2545件、法人が7975件となっている。

 e-Taxの開始届出書の受付は、名古屋国税局管内が昨年11月から、そのほかの全国の税務署では今年4月から始まったことから、届出件数を国税局別にみると、受付・運用を先行した名古屋国税局が最も多く、次いで、東京国税局、大阪国税局などが続いている。今回の集計では詳細は明らかにされていないので、税理士・税理士法人の提出件数は分からない。

 納税者の代理で電子申告できる税理士・税理士法人の提出件数は、既報(6月3日付)のように5月13日現在で総提出件数1万5133件の約4割を占める6188件だった。4万件といわれる開業税理士事務所の数からみれば極めて少ない数字である。今回の集計でどれぐらい増えたか定かではないが、e-Tax普及のカギを握るのは税理士といえる。

 大企業は別にして、ほとんどの中小企業では決算・申告業務を税理士事務所にお願いしているであろうから、先生そのものがe-Taxへの利用意向がなければ、顧問先企業が始めるわけがない。インターネット利用が遅れているといわれる税理士業界を考えると、e-Taxの本格的な普及には時間がかかりそうだ。