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追加経済対策の贈与税減税で5400億円の経済効果

税務関連情報 - 2009年05月15日

 現在国会で審議中の追加経済対策関連法案には住宅取得等のための贈与に500万円の非課税枠を設ける贈与税減税が盛り込まれているが、国土交通省はこのほど、その贈与税減税制度が実施されると、直接的な住宅投資が2800億円押し上げられ、住宅建設は1万2000戸分増えることによって、波及効果も含めるとその経済効果は、年5400億円にのぼるとの推計結果を明らかにした。

 国交省は、過去に何回かの住宅関連税制が大きく変わったときの制度活用の人数や金額をベースに、今回の減税により贈与人数が年1万5000人~2万人増え、住宅投資が1800億円程度増加すると試算。ほかに借金して購入資金や住居面積を増やすケースなどを想定すると、直接的な住宅投資が2800億円押し上げられるとした。この2800億円を1戸あたり平均の建設資金で割ると、住宅建設は1万2000戸分増えると推計している。

 さらに、内閣府の産業関連表を用いて試算すると、住宅建設の場合の経済効果は、建築資材関連を始め住宅関連業への波及効果を含めると、1単位あたり1.9倍と見込んでいることから、トータルでは年5400億円との経済効果を示している。この試算には土地の購入費用は考慮されていないので、経済効果はさらに上昇することになろう。また、雇用創出効果は、関連業界を中心に年3万2000人程度にのぼるとみている。

 追加経済対策における住宅取得に係る贈与税減税は、今年1月1日から来年12月31日までの2年間に限定して、実父母や実祖父母などの直系尊属から居住用家屋の取得等に充てるために金銭の贈与を受けた場合には、その期間を通じて500万円まで贈与税を非課税とするもの。この特例は、暦年課税(非課税枠:年110万円)または相続時精算課税(同:住宅の場合3500万円)の従来の非課税枠と併用できる。