国土交通省が21日に公表した2010年の基準地価(7月1日時点)によると、全国の全用途平均では▲3.7%と前年(▲4.4%)から下落幅が縮小したが、19年連続の下落となった。住宅地が▲3.4%(同▲4.0%)、商業地が▲4.6%(同▲5.9%)。東京・大阪・名古屋の三大都市圏では、平均で住宅地が▲2.9%(同▲5.6%)、商業地が▲4.2%(同▲8.2%)、全用途平均では▲3.2%(同▲6.1%)と下落幅は半減したが、2年連続下落となった。
国交省では、景気が持直してきているものの失業率が高水準にあるなど1年間を通して厳しい状況にあった景気の下で、不動産市況も全体としては停滞が継続したことから、引き続き下落を示す地点が多かったと分析。今回の調査地点数2万2129地点(林地など除く)のうち、この1年間で上昇した地点は27ヵ所(前年3ヵ所)、横ばい地点は302ヵ所(同257ヵ所)と増えたが、上昇・横ばい地点が全体に占める割合は1.5%に過ぎない。
三大都市圏の下落率が半減した理由としては、(1))住宅地においては、都市部で利便性、選好性(人気)が高く潜在的に需要の大きい地域で、マンションや戸建住宅地の値頃感の高まりや税制等の住宅関連施策の効果等から住宅地需要が回復した地域が現れたこと、(2) 商業地においては、大都市の一部地域において金融環境の改善もあって収益用不動産の取得の動きがみられること、などが挙げられている。
一方、地方圏では、平均で住宅地が▲3.6%(前年▲3.4%)、商業地も▲4.8%(同▲4.9%)と、ともに引き続き下落となり、全用途平均では▲3.9%(同▲3.8%)とわずかながら下落幅が拡大した。地方圏では、人口減少や中心市街地の衰退といった構造的な要因もあり、住宅地、商業地ともに、上昇・横ばい地点もわずかにみられたが、全体としては同じ下落率を示している。
2010年都道府県地価調査の詳細は↓
http://tochi.mlit.go.jp/chika/chousa/2010/index.html