ゼイタックス

人材派遣業の倒産、05年以降3年間で3.8倍に急増

経営関連情報 - 2009年02月06日

 企業の業績悪化から、昨年10月から今年3月までに派遣労働者を中心とした非正規労働者12万5千人が職を失う見込みという(厚生労働省調査)。こうした状況下、帝国データバンクがこのほど発表した「人材派遣業の倒産動向調査」結果によると、2008年の人材派遣業者の倒産は、前年比48.5%増の49件発生し、2005年からの3年間では3.8倍増となるなど、同業界の経営環境が急激に悪化していることが分かった。

 2001年以降に発生した人材派遣業者の倒産は162件で、年別では2008年が49件でもっとも多く、以下、2007年33件、2006年27件、2004年16件と続いた。特に2005年以降の件数増加が顕著で、2008年までの3年間で3.8倍(13件→49件)に急増した。人材派遣業界は、大手企業系列の人材派遣会社の設立が活発化して業界内の事業規模二極化が進み、ここ数年、小規模で体力の弱い企業の淘汰が進んでいるとみられている。

 2001年以降2008年までに発生した人材派遣業者の倒産162件を負債別にみると、「1億円未満」が全体の72.2%を占めて117件ともっとも多く、次いで「1億円~3億円未満」が27件、「3億円~5億円未満」が12件で続く。このように、中小・零細企業の倒産が大半を占めており、一方で「10億円以上」の倒産はわずか3件にとどまった。上記の体力の弱い小規模企業の淘汰がうかがえる結果となっている。

 倒産態様別にみると、「破産」が152件で全体の9割強を占め、「特別清算」が8件(構成比4.9%)、「民事再生法」と「会社更生法」が各1件で続いた。また、業歴別にみると、「5年~10年未満」が53件(同32.7%)でもっとも多く、次いで「10年~15年未満」(27件、構成比16.7%)、「20年~30年未満」(23件、同14.2%)と続き、10年未満で倒産したのは90件で全体の55.6%を占めている。