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税務関連情報 (2004/03/15)

4月から始まる消費税の免税点・簡易課税の引下げ

 確定申告は本日15日が最終日。ホッとしたのもつかぬ間、4月1日からは昨年度の税制改正で決まった消費税の事業者免税点上限の3000万円から1000万円への引下げと、簡易課税制度の適用上限の2億円から5000万円への引下げが始まる。この改正は、2004年4月1日以後開始する課税期間から開始されるから、個人事業者は2005年分から、法人については2005年3月末決算分から適用される。

 課税売上高が1000万円を超えるかどうかを判定する基準期間は、個人事業者は適用年度の前々年、法人は適用事業年度の前々事業年度となる。つまり、個人事業者であれば、今回確定申告した2003年分の課税売上高が1000万円を超えていると新たに消費税の納税義務者となるわけだ。法人の場合も2003年3月末決算分からの課税売上高で判定されるから、新たに課税事業者となるかどうかは分かっているはずだ。

 新たに課税事業者となった場合は、まず「消費税課税事業者届出書」を速やかに所轄税務署に提出しなければならない。また、納付する消費税額は、原則として課税売上に係る消費税額から、課税仕入れに係る消費税額を控除して算出するため、消費税を考慮した帳票類の整理・保存が求められる。ただし、課税売上高が5000万円以下であれば、実額計算をせずに納付税額を計算する簡易課税制度の適用が受けられる。

 簡易課税制度とは、その課税期間における課税標準額に対する消費税額を基にして、仕入れ税額控除を計算する制度だ。具体的には、5区分された業種ごとに定められた50~90%のみなし仕入れ率をかけて計算した金額が仕入れ税額控除となる。例えば、課税売上高2000万円の卸売業(みなし仕入れ率90%)のケースでは、「2000万円×5%×90%」で90万円が仕入れに係る消費税額として控除できる。

 この簡易課税制度の適用を受けるためには「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署に提出しなければならないが、新たに課税事業者となった場合は、最初の課税期間中に提出すればいいこととされている。個人事業者であれば今年中に、法人であれば4月以降開始する事業年度中に届出書を提出すれば簡易課税制度が適用される。ともあれ、新たに課税事業者となる場合は、来年からの申告・決算に向けた準備が必要となる。