消費気分、震災後の回復基調が足踏み状態に
電通総研がこのほど発表した「消費気分調査」結果(有効回答数1200人)によると、消費気分指数は、6月調査から0.2ポイント減とほぼ横ばいの85.7ポイントとなった。震災での一時的な落込みからは脱却して回復傾向にあったが、円高などの経済的影響もあって足踏み状態になったことがうかがえる。消費者気分指数は、消費者の消費マインドを0~200の数値幅で総合的かつ時系列で判断する指標。
地方別の消費気分指数をみると、東北地方が6月調査から10.7ポイントと大幅に回復して88.0ポイントとなり、全国的に平準化する傾向が強まっている。自粛意識は、「あり」の総計が同5.6ポイント下がって56.9%となり、大幅ではないものの減少傾向が続いている。また、節電による働き方の変化・取組みでは、「家庭でのこまめな節電」が70.3%で最多、次いで「クールビズ、もしくはスーパークールビズの導入」が24.1%で続く。
一方、今年の秋のイメージを尋ねたところ、「食欲(味覚)の秋」(51.0%)、「読書の秋」(28.4%)、「行楽の秋」(23.6%)、「スポーツの秋」(21.2%)、「芸術の秋」(18.9%)、「旅行の秋」(18.2%)の順となった。「食欲の秋」、「行楽の秋」、「旅行の秋」がともに昨年よりスコアが低下しており、未だ残る自粛ムードを背景に、「にぎやかでイベント的な秋」という捉え方が弱まってきているとみられる。
また、この秋に読みたい本は、昨年2位の「心が落ち着く本」(24.5%)が1位、2位が昨年1位の「自分を高められる本」(22.8%)、3位が同3位の「実用的な本」(22.5%)、4位が同6位の「元気が出る本」(21.1%)、5位が同4位の「想像力がかき立てられる本」(18.7%)となった。昨年と比べ、「心が落ち着く本」や「元気が出る本」が順位を上げており、癒しや平穏を求めたり、自分を鼓舞する意識の表れがあることがうかがえる。
同調査結果の詳細は↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2011/pdf/2011104-0914.pdf