中小企業が計算書類を作成するにあたっての指針を検討してきた「『中小企業の会計』の統合に向けた検討委員会」は13日、「中小企業の会計に関する指針」の公開草案を公表した。同委員会は、中小企業の会計実務に関与している民間団体である日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準設定主体である企業会計基準委員会が共同で設置し、各団体が独自に作成した指針を統一する作業をしていた。
同指針は、中小企業が計算書類を作成するにあたり、拠ることが望ましい会計処理や注記等を示すためのもの。現在、国会で審議中の会社法案では、取締役と共同して計算書類の作成を行う「会計参与制度」の導入が予定されているが、同指針は、特に会計専門家である会計参与が計算書類を作成するにあたって拠ることが適当な会計のあり方を示すものとしている。
同指針の適用対象は、大会社を除く株式会社とされ、証券取引法の適用を受ける会社やその子会社・関連会社、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律上の大会社やその子会社は対象外となる。また、有限会社や合名会社・合資会社についても、同指針に拠ることが推奨されている。
同検討委員会では、取引の経済実態が同じなら会計処理も同じになるべきだとしながらも、「もっぱら中小企業のための規範として活用するため、コスト・ベネフィットの観点から、会計処理の簡便化や法人税法で規定する処理の適用が、一定の場合は認められる」との同方針の作成にあたっての方針を明らかにしている。なお、公開草案に対しては、7月8日までコメントを求め、8月上旬に決定する予定。
公開草案の概要は↓
http://www.jcci.or.jp/nissyo/050613chusyo-kaikei/gaiyou.pdf
公開草案の本文は↓
http://www.jcci.or.jp/nissyo/050613chusyo-kaikei/honbun.pdf