下請かけこみ寺相談、「代金未払い」が4割
全国中小企業取引振興協会下請かけこみ寺本部はこのほど、2010年度の相談実績概要及びADR手続きの実施概要をまとめた。「下請かけこみ寺事業」は、中小企業庁が、中小企業者が抱える取引上の様々な悩みへの相談対応や調停(裁判外紛争解決(ADR)手続き)による迅速なトラブル解決を行うことにより、下請取引の適正化の推進を図ることを目的として実施しているもの。
2010年度に下請かけこみ寺が受けた相談(相談員等に対する相談)は、4468件にのぼった。また、下請かけこみ寺本部に登録された弁護士による弁護士無料相談は、646件実施。相談者を業種別にみると「製造業」が最多で29.1%を占め、次いで「建設業」(28.1%)、「サービス業・その他」(19.7%)の順となっており、製造業と建設業で相談者全体の半数を占めている。なお、匿名での相談も受け付けているため、4%については不明。
相談内容は、「代金の未払い」が38.9%で最も多く全体の約4割を占め、次いで「取引中止」(7.7%)、「代金の減額」(5.8%)、「損害賠償」(5.6%)の順。代金未払いは、発注先から支払が全くない、一部しか払わない、追加発注分が未払いなどの相談が多く、取引中止では、解約通知、発注停止、在庫の引取りなどの相談が多い。また、代金の減額では、手数料の徴収、立替名目による差引などの相談が多くなっている。
2010年度のADR手続の実施概要(2011年3月31日現在)をみると、同年度中に下請かけこみ寺本部が受理したADR手続き申立件数は26件で、22件が手続き終了、4件が手続き中。手続きが終了したもののうち、8件は「和解」が成立した。双方の主張が食い違い、「和解の見込なし」で終了したものが6件、また、紛争の相手方がADR手続きに参加することを拒否し「相手側不参加」で終了したものが8件あった。
同調査結果は
http://zenkyo.or.jp/kakekomi/pdf/kakekomi_soudan_gaiyou_h23.pdf