矢野経済研究所が22日に発表した「2006健康食品の最新市場動向調査」結果によると、2004年度の健康食品(医薬品形状のものに限る)市場は、メーカー出荷ベースで前年度比5.5%増の6848億5000万円となった。その要因は、コエンザイムQ10市場の拡大と通信販売ルートのさらなる成長が挙げられている。コエンザイムQ10の登場は、“美容”や“美肌”、“アンチエイジング”などの女性のニーズを健康食品市場に引きつけた。
流通別ルートをみると、「通信販売ルート」の2004年度の市場規模は、1830億円と前年度比12.2%増の二ケタ増となった。通販ルートのなかでも好調なのが、インターネット通販とTV通販とみられる。TV通販の成長の大きな要因は、CSやBS、衛星放送、ケーブルTVの加入世帯が増加していることにある。当面、通販ルートの伸びが続く一方で、参入企業が増加しており、企業間競争の激化が予想される。
健康食品市場のチャネル別規模がもっとも高い「訪問販売ルート」は、前年度比1.0%増の2833億円となった。このルートにおいてもコエンザイムQ10の影響は大きく、同素材を使用した商品の販売が良好であることが売上増加に貢献したとする企業も少なくない。そのほか、「店舗ルート」は同8.0%増の988億円、「食系卸ルート」は同0.6%増の332億円、「健康系卸ルート」は同1.1%増の288億円となった。
2004年度の素材動向は、前年度に続きコエンザイムQ10をはじめとする美容系素材が人気となった。近年、内外美容という点で化粧品と健康食品の併用が一部の企業で薦められてきたが、コエンザイムQ10の人気により消費者に着実に浸透した。その他の素材では、“ブルーベリー”や“グルコサミン”なども需要増が続く。この市場は、年々企業間競争が激化状態にあり、独自成分や機能の研究・開発に力を入れる企業が増えている。