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2011年賃上げ見通しは労使とも1.7%台を予測

経営関連情報 - 2011年01月31日

 労務行政研究所が毎年発表している「賃上げに関するアンケート調査」によると、2011年の賃上げ見通しは、全回答者平均で5316円・1.72%(定昇分含む)となった。厚生労働省の主要企業ベースにおける10年の賃上げ実績(5516円・1.82%)を額で200円、率で0.1ポイント下回る予測となった。同調査は、1月12日までに回答があった労働者側201人、経営側143人、学識経験者107人の計451人の回答を集計したもの。

 ちなみに、各種調査によると、大手企業の“定期昇給率”は平均でおおむね1.6~1.8%程度とみられる。もちろん定期昇給部分を持たない企業もあるため一様にはいえないが、今回の集計結果では、おおむね「定昇分相当の賃上げ」という見方がされているとみている。労使別にみると、労働側5345円・1.73%、経営側5356円・1.73%で、賃上げ率の見通しは労使で一致した。

 賃上げ率の分布は、労働側・経営側とも先に触れた平均的な定昇率に近い「1.6~1.7%」がもっとも多く、次に多い「1.8~1.9%」を合わせると、1.6~1.9%の1%台後半に6割強が集中している。成果主義の広がりのなかで、90年代以降、定昇制度の見直しを行った企業も少なくないが、なお何らかの定昇部分を設けている企業にとっては、制度を維持するうえで定昇原資分の確保が賃上げの下限ラインと考えられている。

 2011年における定昇については、労働側の88.6%、経営側の84.6%と、いずれもほとんどが「実施すべき」あるいは「実施予定」と回答。経営側で「実施しない(凍結する)予定」との企業は1.4%と少数にとどまる。一方、ベアについては、経営側では「実施しない予定」が71.3%と大半を占め、労働側についても「実施すべきではない(実施は難しい)」が57.7%と、労使とも共通してベア実施は難しいとの見通しを抱いている。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 https://www.rosei.or.jp/contents/detail/31271