税 務 関 連 情 報

2002年01月11日-002
中小企業も負担する連結導入での財源措置

 連結納税制度導入に伴う税収減の財源措置は、1)連結所得に対する税率に2%を加える連結付加税、2)子会社の連結前欠損金の持込み制限、3)創設当初の加入子会社等の適用時期の特例(新規子会社等の加入制限)、4)課税ベースの見直しで手当される。1)から3)については連結適用企業グループに関係する増収措置だが、問題は4)の法人税の一般的な課税ベースの見直しで、連結適用の有無に関係なく、中小企業にも影響してくるものだ。

 具体的には、1)退職給与引当金を廃止し、廃止前の退職給与引当金勘定については4年間(中小法人、協同組合等については、10年間)で段階的に取り崩す、2)受取配当の益金不算入措置の縮減、3)経過措置で存置されている旧特別修繕引当金を廃止し、廃止前の旧特別修繕引当金勘定については4年間で取り崩す。退職給与引当金の利用割合は、資本金1千万円以上1億円未満企業で26.4%(国税庁の平成12年分法人企業の実態)と意外に利用されているが、10年間での段階的な取崩しとなることから急激な負担増とはならないだろう。

 しかし、受取配当の益金不算入措置の縮減は、ストレートに負担増になりそうだ。同制度については、特定利子に係る措置を廃止するとともに、25%以上の株式を一定要件で保有している場合の特定株式等以外の株式等に係る受取配当の益金不算入割合が80%から50%に引き下げられる。中小法人や協同組合等に対しては、平成14年度は70%、平成15年度は60%とする経過措置があるが、平成16年度以降は50%となる。これらの措置は、平成14年4月1日以降に開始される事業年度から適用されるが、連結納税制度を利用しない中小企業にも税負担が重くなるというわけだ。

 

 

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