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経営関連情報 (2004/07/16)

研究開発型企業のうち約7割が外部連携を実施

 研究開発に関する競争が激化するなかで、外部連携を有効に活用する必要性が高まっている。経済産業研究所がこのほど発表した2003年の研究開発の外部連携に関する実態調査結果によると、研究開発を行っている企業のうち、全体の71.4%と約7割が研究開発に係る外部連携を実施していることが分かった。

 このうち、研究開発費に占める外部連携割合が5%未満の企業は33.7%、また外部連携割合が50%以上という企業も6.4%ある。産業別にみると、「医薬品工業」「建設業」「電気・電子工業」の外部連携比率が高くなっている。また、企業規模別にみると、企業規模が大きくなるほど外部連携企業比率は高まるが、外部連携割合は小企業と大企業で高く、中間的な規模の企業で低いというパターンになっている。

 5年前と比較した企業連携割合は、大企業、中小・ベンチャー企業、大学のいずれについても増加しているが、その傾向は特に規模の小さい企業においてみられる。今後の連携意向についても「増加」とする企業が「減少」とする企業を大きく上回り、特に大学との連携については半数近い企業が今後「増加」させるとしている。

 外部連携を増加させる理由としては、「激化する研究開発競争への対応」や「自社の基礎研究レベルの向上」、「コスト面の効率化」を挙げる企業が多い。特に「基礎研究レベルの向上」については、大学との連携に期待が大きくなっている。また、大学や国立試験研究機関との連携について「産学連携に関する公的助成の充実」を挙げる企業が3割程度あり、最近の産学連携推進策の効果が現れてきたことを示している。

 産学連携の商品化時期については、規模の小さい企業ほど短期的な商品化を目指したものとなっており、一方、従業員が1000人以上の企業では6割が5年以上先の成果をにらんだ研究開発を行っている。外部連携の効果としては、「自社単独では行えない研究開発の実施」と「自社にない専門的な知識・技術の習得」を挙げる企業が多いが、後者については特に大学・国立試験研究機関との連携においてみられる効果である。