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税務関連情報 (2004/11/17)

予算ベースを上回る可能性が高い04年度法人税収

 国の租税収入は、90年度の60兆円をピークに漸減傾向をたどり、03年度は45兆円、04年度(予算)は42兆円まで減少している。このうち法人税収に注目すると、90年度の18兆円から、04年度(予算)では9兆円と半減している。だが、今年度は、景気回復を反映して、法人税収は予算ベース(9.4兆円)を上回る可能性が高い、と予測するのは内閣府がまとめたレポートだ。

 レポートでは、90年代以降の法人税収の減少要因を、1)法人所得、2)税率、3)課税ベース比率、4)その他、に要因分解した結果、もっとも影響が大きかったのは「法人所得」であり、90年度と03年度を対比すると法人税収を5兆円引き下げる要因があったと試算している。次いで、「税率」が▲3.7兆円、「課税ベース」が▲1.5兆円となっている。

 法人所得の減少は、90年代以降のバブル崩壊と景気低迷を反映したものであり、赤字法人の比率が上昇していることでも裏付けられる。91年度ごろは5割前後だった赤字法人割合が99年度以降は7割まで上昇している。この間、法人税率は、3回の引下げを経て、89年度の40%から99年度以降は30%となっている。税負担率は、98、99年度では税率とほぼ一致していたが、03年度では25.6%となり法人税率を下回った。

 04年度の法人税収を占ってみると、日銀短観(9月調査)によれば、全規模・全産業の04年度の経常利益は、前年度に比べ13.2%増となる見通し。課税ベース比率(「税率」と「税負担率」の格差から算出)を03年度から横ばいとみなせば、04年度の法人税収は、03年度に比べ1.2兆円の増収となる11.3兆円と計算している。近年は、法人税収の厳しい環境が続いていたが、今年度は、予算ベースを上回る可能性が高いとの予測だ。