中小企業庁はこのほど、小冊子「事業承継ガイドライン20問20答」を作成し、同庁ホームページ上にも公表した。企業数で全体の9割以上、雇用では約7割を占める中小企業にとって、今や大きな問題となっているのが事業承継問題。このガイドラインは、自社の現状に即した事業承継対策について、問答形式で分かりやすく学ぶことができるようになっている。円滑な事業承継の実現に向けた活用が期待される。
中企庁は、2005年10月に関係士業団体や中小企業関係団体とともに「事業承継協議会」を設立し、中小企業の事業承継円滑化に向け相続法制や会社法制等総合的な検討を行ってきた。今年6月には、同協議会で、中小企業の円滑な事業承継のための手引きである「事業承継ガイドライン」を策定・公表しているが、今回のガイドラインは、その内容について中小企業経営者に理解を深めてもらうために作成したもの。
ガイドラインの内容は、自社の現状に即した事業承継対策について検討できるように事業承継の手順をフローチャートにするとともに、事業承継の必要性や円滑に行うための事業承継方法、事業承継計画の作成方法など大きく7項目に分けて合計20項目を問答形式で進めている。具体的には、事業承継の大切さや事業承継計画、親族内での事業承継、従業員への事業承継の留意点などが解説されている。
なお、中企庁では、これまで「上手に使おう中小企業税制48問48答」や「中小企業の会計31問31答」、「よく分かる中小企業のための新会社法33問33答」と題した小冊子を作成して中小企業経営者への様々な情報提供を行ってきている。このほど公表された「事業承継ガイドライン20問20答」とともに、いずれも分かりやすく解説されていることから、経営上の疑問に応じて有効活用することをお勧めしたい。
「事業承継ガイドライン20問20答」は↓
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei20/index.htm
中小企業庁のホームページは↓
http://www.chusho.meti.go.jp/