パソコンが生活必需品となって、手書きで文字を書く機会が激減している。特にオフィスでは、職種・業種によっては文字を書くことはほとんどなく、筆記する機会が少なくなるにつれて、「漢字に弱くなった」と感じている人も多いと思われる。インターネットコムとクロス・マーケティングが共同で実施した「筆記と文字入力に関する調査」では、漢字が書けなくなったと感じているユーザーが7割にのぼった。
調査結果(有効回答数300人)によると、回答者の約半数は文書作成の際にパソコンを使うほうが多く、残りの半数は「同程度」と「筆記が多い」が約半分ずつだった。すべての回答者に「パソコンを始めてから漢字が書けなくなったと感じるか」と質問したところ、「少し感じる」との回答が41.3%でもっとも多く、「大いに感じる」(29.0%)と合計すると70.3%が漢字に弱くなったと感じている。
一方、「パソコンを始めてから漢字が読めなくなったと感じるか」との質問に対しては、47.7%が「感じていない」と回答。逆に「むしろ読める漢字が増えた」との回答が14.7%あった。パソコンでは、読み方が分からなければ、その漢字を入力するのに手間が要る。例えば「思惑」の読みを「しわく」などと間違って覚えていたならば、正しい入力ができない。必要に迫られて読み方を覚える漢字が増えたと考えられる。
また、漢字の書き方を調べる際の方法(複数回答)は、「パソコンで入力して変換してみる」が52.7%でもっとも多く、半数以上がこの手軽な方法を利用。それに次ぐのが「実際の辞書で調べる」の46.7%で、実際の辞書もまだまだ利用されていることが分かる。「インターネット辞書」(37.7%)や「携帯電話で入力して変換」(31.0%)もポピュラーな方法となっている。「そばにいる人に聞く」という回答が19.3%あった。