日本経団連が、会員企業などを対象に5月から6月にかけて実施した「2009年1~6月実施分昇給、ベースアップ実施状況調査」結果(有効回答数483社)によると、昇給とベースアップの実施状況は、「昇給・ベースアップともに実施」した企業は9.5%、「昇給実施、ベアなし」とした企業は86.3%で、両方合わせると95.8%となった。多くの企業が厳しい経営状況下にあるなかで、ほとんどの企業が昇給を実施している。
賃上げの状況をみると、全産業、組合員平均で、昇給とベースアップを合計した賃上げ額は前年に比べ926円減の5736円、賃上げ率は同2.4ポイント減の1.85%と、ともに前年を下回り、賃上げ率は2007年(1.86%)とほぼ同率となっている。賃上げ額の内訳は、昇給が5635円(前年比マイナス628円)、ベースアップが101円(同マイナス298円)だった。賃上げ額合計に対する昇給の割合は98.2%に達する。
昇給とベースアップに区分して上昇率の分布状況をみると、昇給率は「1.5%~1.9%」が38.9%と約4割を占めて最多、次いで「2.0%~2.4%」(24.9%)、「1.0%~1.4%」(11.9%)の順となっている。一方、ベースアップ率は、「0.0%」が91.7%とほとんどを占め、「0.1%~0.4%」が7.3%などとなっている。同調査は、昇給、ベースアップの実態と動向を把握し、今後の賃金対策の参考とするために1953年から毎年実施されているもの。