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仕事・役割・貢献度を基軸とした賃金制度を提言

経営関連情報 - 2008年05月23日

 国際化の進展、企業間競争の激化、ITの飛躍的発展、少子高齢化、雇用・就労形態の多様化など、企業を取り巻く環境は激変している。こうしたなか、年齢や勤続年数を基軸としたいわゆる年功型賃金制度は変容を迫られている。日本経団連はこのほど「今後の賃金制度における基本的な考え方」と題した提言を公表し、従業員のモチベーションを高める賃金制度の構築に向けた考え方を示した。

 提言はまず、経営環境の変化と課題として、 (1)激化する企業間競争下における雇用の維持・創出、(2)産業構造変化の下での公平なチャレンジ機会の確保・拡大、(3)少子化・高齢化に伴う多様な人材活用とモチベーション向上、(4)雇用・就労形態の多様化と従業員の納得性向上、(5)仕事の内容・価値の変化に応じた公正賃金の確保、といった「企業戦略」や「公平性」をめぐる環境変化を提示している。

 これらの経営環境の変化や課題、従業員の納得性や公平性などの諸点を踏まえれば、今後の賃金体系においては、年齢や勤続年数に偏重した賃金制度から、「仕事・役割・貢献度を基軸とする賃金制度」とすることを提案。こうした制度改革によって、従業員の雇用の維持・拡大や若年者の就業促進、多様な人材の活用促進など、全体として従業員のモチベーション向上と再チャレンジ促進に資するとしている。

 制度改革にあたっては、従業員の能力開発には円滑な異動が必要なため、1つの職務に1つの賃金額を設定する「単一型」ではなく、同一の職務等級内で昇給を見込んでいくつかの賃金水準を設定する「範囲型」が望ましいとし、さらには、チームワークなども考慮して、職群ごとに賃金制度の基軸を変えるなど、組織全体が活性化される自社の実情に合ったバランスのとれた制度とすることを、留意点として挙げている。

 同提言の詳細は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/039.html