認定NPO法人制度は、市民や企業がNPO法人に寄附しやすくするように税制上の支援を行うものだが、2008年度税制改正において認定要件が一部緩和された。主な改正内容は、(1)認定の有効期間を5年(改正前2年)に延長、(2)パブリック・サポート・テスト(PST)に関する要件の緩和、(3)運営組織に関する要件について、社員の親族等及び特定の法人に係る要件を廃止し、今後は各社員の親族等割合を閲覧事項とするなどだ。
パブリック・サポート・テストは、法人が広く一般から支持されているかどうかを数値により測る指標で、総収入金額のうちに寄附金等収入割合の占める割合が3分の1以上(特例5分の1以上)とされる。今回の改正では、認定の有効期間の延長に合わせて、実績判定期間を5事業年度に延長するとともに、各事業年度におけるPSTの割合を廃止(改正前10分の1以上)等した上で、特例の適用期限を2011年3月末まで延長した。
また、PSTにおける受入寄附金総額から控除する一者あたり基準限度超過額について、(1)特定公益増進法人または認定NPO法人以外の者からの寄付金については、同一の者からの寄附金の合計額のうち受入寄附金総額の100分の10(改正前100分の5)相当額を超える部分の金額とする、(2)社員からの寄付金については、その親族等からの寄附金を同一の者からの寄附金とみなす規定は適用しない。
そのほか、簡易な計算式で判定できる小規模法人の特例は、PTSの割合を5分の1以上(改正前3分の1以上)に引き上げた上で、3年延長された。これらの改正は、2008年4月1日以後に行う申請から適用される。認定NPO法人制度は、2001年10月1日からスタートして7年目を迎えたが、認定要件が極めて煩雑で厳しく、認定を受けたNPO法人数はいまだ全体の1%に満たない。今回の見直しの効果がどうなるか期待されよう。