消費者に節約疲れ、手作り志向重視の動きの高まり
日本公庫が全国の20歳代から70歳代までの男女2000人を対象に昨年12月上旬に実施した「2010年度第2回消費者動向調査」結果によると、消費者の「経済性志向」は36.5%と依然として高水準だが、2009年1月の前々回調査(43.2%)をピークに減少傾向が続いている。さらに、調理済みの惣菜や冷凍食品を家庭で食べる中食、レストランなどで食べる外食が増加傾向などを考え合わせると、消費者の節約疲れが鮮明になってきた。
一方で、節約志向と同じトレンドで推移していた自宅で食事を作る「手作り志向」は、今回調査では前回調査(10年6月)に比べ3.2ポイント増の33.1%と、「経済性志向」の減少とは対照的に増加に転じた。今後も「手作り志向」は全体的に上昇傾向で、健康志向の実現、調理の楽しさや食育・地産地消の意識の高まりを背景に、消費者の間に「食に向き合う」ともみられる動きが出てきたといえる。
国産食品へのこだわりは、食料品を購入するときに「こだわる」との回答が73.4%と依然高い水準を維持しているものの低下傾向にある。むしろ、「こだわらない」層が前回調査比1.7ポイント増の24.6%と増加してきており、輸入食品への抵抗感が薄れる兆候が出てきた。一方で、国産品にこだわった外食店が増えている影響もあり、外食時に「こだわる」との回答は前回調査比3.1ポイント増の33.8%とやや回復した。
昨今の経済情勢を受けての食生活の変化をみると、「中食・外食が増えた」層が朝食・昼食・夕食の3食ともに増加し、節約疲れを裏付けている。食品の購入量の変化(「増えた」と回答した人(%)-「減った」と回答した人)をみると、依然「減った」と回答した人が「増えた」と回答した人より多い。猛暑などにより価格が高騰した「野菜」は、購入量が「減った」と回答した人が前回調査に引き続き増加した。
同調査結果の詳細は↓
http://www.afc.jfc.go.jp/topics/pdf/topics_110202_1.pdf