東京商法リサーチが20日に発表した「2008年主な上場企業の希望・早期退職者募集状況調査」結果によると、2008年に希望及び早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は、具体的な内容を確認できたもので68社(募集後法的手続きを申し立てた4社を含む)となった。調査対象が公表ベースのため単純比較が難しいものの、前年と比べて8社(13.3%)増となり、2006年を底にして2年連続で前年を上回った。
募集または応募人数がもっとも多かったのは「NECエレクトロニクス」(グループ会社を含む)の応募人数685人、次いで「奥村組」の応募人数622人、「日立プラントテクノロジー」(同)の募集人数550人、「前田建設工業」の応募人数525人、「田崎真珠」の募集人数450人、「大京」(同)の募集人数450人、「さが美」の募集人数400人と続く。募集または応募人数が100人以上となったのは35社(前年26社)にのぼった。
応募結果を公表した会社のうち、応募人数が募集人数を上回った主なケースでは、「前田建設工業」の募集450人に対して応募525人、「奥村組」の同560人に対して622人、「トラステックスホールディングス」の同150人に対して178人、「日立メディコ」の同85人に対して104人など。また、産業別にみると、「建設」が14社、「不動産」が8社、「小売」が7社、「電気機器」が6社などとなっている。
このように、上場企業の希望・早期退職者募集は2年連続で前年を上回ったが、特に米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機の波及から、産業別では不動産業・建設業・証券関連で全体の約4割(25社)を占めた。さらに最近は、製造業を中心に、急激な経営環境の悪化から期間従業員などの非正規従業員削減の動きが目立つ。今後減産規模が拡大すれば、正社員の希望・早期退職者募集に踏み出す企業の増加が懸念されている。