転職には多大なエネルギーを要するが、それは採用する企業側も同じこと。それ相応のコストをかけて採用活動を行っているのだから、内定を出した相手から断られると、多大な損失をこうむる。それゆえ、内定を断る際のマナーは非常に難しい。インターコムとインフォプラントが転職経験のある全国インターネットユーザー300人を対象に実施した調査によると、31.7%、約3人に1人が内定を断った経験を持っていた。
この断った内定を得るために行った就職活動は、「新聞、求人誌、企業サイトの求人情報」からが62人、「転職あっ旋会社」の紹介が26人、「家族、友人、知人」の紹介が10人、職安など「その他」が8人だった。
内定を断った方法は、人事担当者(仲介者)などに「電話で直接」が83人、「会って直接」が16人、「メール」が9人、「手紙」が3人、「留守番電話」が1人、「その他」が2人。その他の内容をみると、1人は面接の際に断り、もう1人は何の連絡もしない、という手段をとっている。こうしてみると、9割近くは「直接」断っており、企業側も納得できると思われるが、「メール」での断りは微妙だ。
確かに、相手企業を考えれば“断る”という行為は後ろめたく、直接コンタクトをとらずに済ませたいのも理解できるが、やはり正々堂々と直接断ったほうがお互いすっきりする。連絡しないのは言語道断だが、「留守番電話」でも相手が出ないことがわかっている真夜中の午前3時に企業に電話してという確信犯的なケースもあるという。内定の断り方にも、今後の社会生活での巧拙が垣間見えるようだ。