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経営関連情報 (2006/03/06)

上場めざし早期の会計監査人設置が可能に~会社法

 5月1日施行予定の会社法では、中小企業が活用できる事項が多いが、そのひとつに会社規模に関わりなく会計監査人を置くことが可能になることがある。短期間に株式上場をめざすベンチャー企業は、早い段階から会計監査人を選任し、会計の適正性を確保すれば上場審査に有利になる。現行法では、会計監査人を置くことができるのは大会社のみであり、小会社や中会社は会計監査人を置くことはできなかった。

 中会社は、みなし大会社(大会社に関する規定の適用を受ける旨定款で定めた会社)になれば、大会社と同様に会計監査人を置くことができるが、この場合、社外監査役が半数以上を占める監査役会か、社外取締役が過半数を占める監査委員会などを併せて設置しなければならないため負担が重かった。

 しかし、短期間で上場を目指すベンチャー企業においては、早い段階から会計監査人の監査を受け、会計の適正性を確保したいと考える場合も少なくない。実際、ジャスダック、マザーズなどの新興市場においては、会社設立後1~2年で上場を果たした例もある。早期に会計監査人を設置し、社内体制を整えることで、上場審査に備えたいというニーズはあると思われる。

 新会社法では、会社の規模に関わりなく、監査役を設置すれば会計監査人を置くことができるようになることから、短期間で上場をめざすベンチャー企業のメリットは大きい。なお、この場合の監査役は、業務監査権限を有する監査役であることが必要であり、監査役の監査権限を会計に関する事項に限定することはできないとされている。