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10月20日から施行される改正高齢者住まい法

税務関連情報 - 2011年09月16日

 2011年度税制改正では、租税特別措置法の「高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却」を「サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却」に改組し、「高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律(改正高齢者住まい法)」の施行日から2012年3月31日まで、適用期限を3年延長するとともに、この間に取得した一定の要件を満たすサービス付き高齢者向け賃貸住宅を優遇税制の適用対象とする見直しを行っている。

 サービス付き高齢者向け住宅制度の創設を盛り込んだ「改正高齢者住まい法」は、施行日を2011年10月20日とする政令が、去る7月29日に公布されている。同制度では、床面積が原則25平方メートル以上、バリアフリー構造(廊下幅、段差解消、手すり設置)を持ち、安否確認などの入居者向けサービスを提供するなどの要件を満たしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅を取得・新築した場合に、都道府県知事へ登録する。

 そして、都道府県知事に登録したサービス付き高齢者向け住宅は、優遇税制の適用が受けられるというものだ。税制による支援措置は、サービス付き高齢者向け住宅(賃貸借契約によるものに限る)について以下の特例を適用する。まず、国税(所得税・法人税)については、床面積25平方メートル以上/戸(専用部分のみ)、戸数10戸以上を要件に、割増償却率を5年間40%(耐用年数35年未満は28%)とする。

 地方税については、床面積30平方メートル以上/戸(共用部分含む)、戸数5戸以上に加え、国または地方公共団体からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていることを要件に、固定資産税は5年間税額を2/3軽減し、不動産取得税は家屋について課税標準から1200万円を控除/戸、土地について家屋の床面積の2倍にあたる土地面積相当分の価額等を減額する。

 例えば、戸数30戸(戸あたり30平方メートル)、敷地面積800平方メートル、戸あたり建設費900万円、土地取得額1億円というモデルケースでみると、特例がない場合は、固定資産税(年間)227万円、不動産取得税(家屋)486万円、同(土地)90万円で、初年度計803万円、5年間1585万円かかるものが、特例があると、不動産取得税は0円で固定資産税76万円だけで済み、減税額は初年度727万円、5年間では1241万円にのぼる。