商品購入などサービス利用金額の一定割合をポイント化して購買者へ還元、次回の買い物や提携先で使用できる“ポイント”は、重要な販売促進ツールとして定着している。帝国データバンクが実施した「第2回ポイント引当金の実態調査」結果によると、直近の決算短信で「ポイント引当金」を計上している上場企業は196社、引当金総額は約3531億円と3500億円を超えたことが分かった。
前回(2006年12月発表)調査時と比べて、件数で44.1%(60社)、金額で23.0%(約661億円)増加した。1社あたりの引当金額では、「エヌ・ティ・ティ・ドコモ」(458億円)、「クレディセゾン」(455億円)、「ソフトバンク」(438億円)、「KDDI」(419億円)、「セブン&アイ・ホールディングス」(212億円)、「ビックカメラ」(120億円)、「エディオン」(96億円)、「みずほファイナンシャルグループ」(84億円)の順に多い。
前回調査同様、通信会社、カード、家電量販店が上位に名を連ねている。クレディセゾンは前回調査時に比べ約40%増加、KDDIは約54%増加している一方、「ヤマダ電機」(引当金額72億円)は約54%減少している。上位15社で全体の76.4%(約2699億円)を占める一方で、引当金1億円未満の企業も81社(41.3%)にのぼり、ポイント引当金を導入する企業の裾野が広がりつつあることがうかがえる。
また、今回の調査では、引当金額が企業の財務面に及ぼす影響を測るために、引当対応力の尺度として、ポイント引当金を流動資産で割った値を「引当率」として算出している。その結果、「1%未満」の企業が51.4%、「1%以上5%未満」の企業が43.8%となった。引当率5%未満の企業が全体の95%を占め、最高でも引当率12%台(2社)にとどまり、財務面に与える負担は軽微とみられている。