税 務 関 連 情 報

2003年05月14日-002
交際費の損金算入枠は増えたけど…

 今年度の税制改正では交際費について、400万円の定額控除を認める対象法人の範囲が資本金1億円以下の中小法人に拡大されるとともに、定額控除までの金額の損金不算入割合が20%から10%に引き 下げられた上、その適用期限が3年延長された。つまり、交際費課税は緩和されたわけだが、景気の低迷でなかなか思うように売上が上がらないなか、そうそう交際費支出を増やすわけにはいかないようだ。

 逆に、無駄な交際費支出は抑え、隣接費用として区分できるものは区分するなど、交際費支出の内容を改めて見直すことが必要かもしれない。交際費とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対し、接待・供応・慰安・贈答などのために支出する費用をいう。寄附金や値引き・割戻し・広告宣伝費・福利厚生費・給与などに該当しないものだ。しかし、実務処理上は、交際費になるかならないかの判断が難しい場合も少なくない。

 例えば、旅行・観劇などに招待する費用でも、一定の商品を買ってくれた一般消費者が対象の場合(あらかじめ招待を広告宣伝していた場合に限られるが)は広告宣伝費だが、医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合など、不特定多数の者が対象でない場合の費用は交際費とされる。また、会議などでの茶菓・弁当・少量のアルコールを出すために通常要する費用(3000円程度)は会議費だが、程度を超えた飲食物などの費用や会議後に場所を変えて行う懇親会の費用などは交際費となる。

 このような、交際費と広告宣伝費、福利厚生費や寄附金などの隣接費用との区分は、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があるので、迷ったら税理士など専門家に相談することをお勧めしたい。

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