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経営関連情報 (2007/10/29)

ワーク・ライフ・バランス、自主的な取組みが重要

 仕事と生活の調和を意味する「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が注目を集めている。人口減社会を迎え、少子化対策につなげたい国の思惑などが背景にあり、政府は、ワーク・ライフ・バランスについて政府や企業が取り組むべき課題や具体的な取組みを明記した「憲章」と「行動指針」の作成を進めている。しかし、企業側は、「企業の事情に応じた自主的な取組みが重要」と考えているようだ。

 東京商工会議所が、わが国において先進的にワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業588社を対象に実施した「ワーク・ライフ・バランスに関する緊急アンケート」結果(有効回答数299社)によると、先進的に取り組んでいる企業でさえ、回答企業の65.0%は「十分な成果が上がっていない」と回答。ワーク・ライフ・バランスは、制度を導入・実行はできても、すぐに成果を上げることは難しいことが分かった。

 政府がワーク・ライフ・バランスについて具体的な数値目標を明記することについては、例えば、「残業時間(時間外労働)を半分に減らすこと」という項目では69.6%の企業が「企業の実情に応じた自主的な取組みが重要」と回答するなど、項目によって多少の差はあるものの、ほとんどの項目で回答企業の約7割が、政府が「憲章」や「行動指針」に目標値を設定し、企業に強制することには反対している。

 一方、企業がワーク・ライフ・バランスを進めていく上で有効なこと(3つまで回答)は、「生産性向上や業務効率アップ」(19.2%)、「経営者のリーダーシップ」(18.6%)、「職場の相互理解」(18.3%)といった経営者や従業員の意識改革を指摘する意見が上位を占めた。企業がワーク・ライフ・バランスを進めるには、制度や施設(ハード)の整備よりも、まずは個人の意識改革(ソフト)が重要であることがうかがえる。

 同緊急アンケート結果の詳細は↓
 http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2007/191023.pdf