フリーターが200万人を超え、なお、増加傾向にある。これは、効率化を追及する産業界が雇用を拡大している事情もあるが、不安定な若年非正社員の増加は経済的な損失も多く将来に向けた懸念材料といえる。大阪市信用金庫が実施した中小企業におけるフリーターの雇用状況調査結果(有効回答数1153社)によると、フリーターを雇用する理由は、「雇用調整が楽だから」との回答企業が42.6%で最も多かった。
次いで、「人件費が節約できる」と、経費削減効果を理由にあげた企業が40.8%と僅差で続く。一方、「優れた若年労働力だから」と、フリーターの能力の高さを最大理由とする企業が16.1%あったことは注目される。逆に、フリーターを雇用しない理由は、「仕事内容がパート等に適さない」(38.9%)、「人手は十分で必要なし」(33.9%)、「能力等に不安を感じるから」(25.4%)など。先入観等で拒絶反応を示す企業が4社に1社。
フリーターの雇用状況は、「雇用の実績・予定ともなし」の企業が66.7%を占め3社に2社の割合だった。残りの企業がフリーターと何らかの関わりを持つが、そのうち「現在雇用している」企業は19.2%と約2割。また、「以前は雇用していたが、現在は雇用していない」が8.1%、「雇用実績はないが、今後は雇用する予定がある」が6.0%となっている。
業種別にみた「現在雇用している」企業は、「小売業(飲食業を含む)」が35.7%で最も多く、次の「運輸業」(27.6%)との2業種での割合が高い。規模別にみると、「雇用している」企業は規模が大きくなるほど多くなっており、「10人未満」(12.9%)の1割強に対し、「50人以上」(41.1%)では4割強に達している。従業員50人以上の小売業にフリーターが多いということになる。