寄附金控除は、納税者が特定寄附金を支出した場合、一定の金額について所得控除を受けることができる制度だが、2007年度税制改正において、その控除対象限度額が、「総所得金額の40%(改正前30%)相当額」に引き上げられた。この数字は、2004年分は25%、2005・2006年分は30%となっており、所得税の寄附金控除は年々拡充傾向にある。改正の背景には、民間による自発的な公益活動を促進する狙いがある。
この改正によって、寄附金控除額は、1)「特定寄附金の額の合計額-5000円」、2)「総所得金額等×40%-5000円」のいずれか少ないほうの金額となる。寄附金控除の適用下限額の5000円は、2006年度税制改正で1万円から引き下げられた。また、特定寄附金とは、1)国や地方公共団体に対する寄附金、2)指定寄附金、3)特定公益増進法人に対する寄附金、4)認定NPO法人に対する寄附金、5)特定の政治献金などが該当する。
指定寄附金とは、民法の規定によって設立された法人や公益目的の事業を行う法人・団体に対する寄附金で、財務大臣が指定したもの。また、特定公益増進法人とは、公共法人や特別の法律によって設立された法人のうち、教育・科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献、その他公益の増進に著しく寄与するものに対する寄附金で、例えば、日本赤十字社などに対する寄附金が代表的だ。
なお、政党や政治資金団体に対する政治活動に関する寄附金で一定のものは、所得控除か税額控除の有利なほうを選択することができる。税額控除は、「その年中に支払った政党等に対する寄附金の合計額-5000円」に30%を乗じた金額(その年分の所得税額の25%相当額が限度)となる。税額控除を選択できる支出相手の政治資金団体とは、政党のために資金援助する団体で、総務大臣に届け出しているものをいう。