厚生労働省が3月31日に公表した2月の毎月勤労統計調査結果速報によると、従業員5人以上の製造業における一人平均の残業などの所定外労働時間が8.9時間で前年同月比約48%の大幅減少となり、現行方法で調査を開始した1990年以降で最大の落込みとなった。また、全体の所定外労働時間も7ヵ月連続で減少しており、企業の生産活動と連動しているとされる所定外労働時間は、急速な景気悪化を反映した結果となった。
一人平均総実労働時間は、従業員5人以上の事業所で前年同月比5.1%減の142.8時間と5ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が3.9%減の134.0時間と4ヵ月連続の減少、残業時間などの所定外労働時間は21.7%減の8.8時間と7ヵ月連続の減少。製造業の所定外労働時間は、47.7%減の8.9時間。総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は5.1%減の162.7時間、パート労働者は4.6%減の88.2時間となった。
また、一人平均現金給与総額は、従業員5人以上の事業所で前年同月比2.7%減の26万5701円で9ヵ月連続の減少となった。基本給にあたる所定内給与は1.0%減の24万6491円と7ヵ月連続の減少、残業代などの所定外給与は18.5%減の1万6258円と7ヵ月連続の減少、賞与など特別に支払われた給与も22.0%減の2952円と8ヵ月連続で減少した。
この結果、基本給にあたる所定内給与と残業代などの所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比2.4%減の26万2749円となり、7ヵ月連続で減少した。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は2.3%減の32万9723円、パート労働者は1.8%減の9万949円となった。なお、物価の高騰を計算に入れた実質賃金指数は2.7%減となり、これで13ヵ月連続の減少となる。
一方、2月の従業員5人以上の事業所で働く常用労働者数は、前年同月比0.5%増の4375万4千人で、62ヵ月連続して増加した。内訳は、パート労働者は2.1%増の1173万9千人で27ヵ月連続の増加、正社員などの一般労働者は0.7%増の3201万5千人で49ヵ月ぶりに横ばいとなった前月に引き続き同水準となった。主な産業についてみると、製造業は1.0%減、卸売・小売業は0.2%増、サービス業は1.7%減となった。