標準者退職金の会社都合は大卒55歳で2245万円
標準者退職金とは、標準的に進学し、学校卒業後直ちに入社、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出した退職金のこと。日本経団連が2010年9月末現在で実施した「退職金・年金に関する実態調査」結果(有効回答数277社)によると、標準者が会社都合で退職した場合の退職金を55歳と57歳でみると、「管理・事務・技術労働者」の総合職・大学卒では2245万円(支給月数31.5ヵ月分)・2400万円(同34.1ヵ月分)となった。
また、「管理・事務・技術労働者」の総合職・高校卒では2040万円(支給月数40.6ヵ月分)・2127万円(同44.6か月分)、「生産・現業労働者」の高校卒では1829万円(同43.9ヵ月分)・1834万円(同45.1ヵ月分)となっている。同じ学歴(高校卒)で「管理・事務・技術労働者」と「生産・現業労働者」の支給月数を比較すると、総じて「生産・現業労働者」のほうが多い傾向がみられる。
標準者が60歳で定年退職した場合の退職金は、「管理・事務・技術労働者」の総合職・大学卒では2443万円(支給月数42.9ヵ月分)、同高校卒では2185万円(同45.8ヵ月分)、「生産・現業労働者」の高校卒では2029万円(同50.8ヵ月分)となっている。賃上げ額と退職金算定基礎額との関係をみると、「賃上げ額とは関係なく別建て」との回答が72.3%でもっとも多く、この割合は1994年(22.9%)から増加傾向にある。
一方、「賃上げ額が基礎額に繰り入れられる」(25.4%)との回答は、当然ながら減少しており、「全額基礎額に繰り入れられる」が15.4%、「一部が基礎額に繰り入れられる」が10.0%となっている。さらに、「賃上げ額に関係なく別建て」と回答した企業における内訳をみると、「ポイント方式(点数×単価)」が81.9%と8割強を占めてもっとも多く、次いで「別テーブル方式」が14.4%となっている。
なお、2012年3月末に予定されている適格退職年金廃止への対応をみると、「すでに対応済み」と回答した企業が90.0%に達している。対応内容は、「他制度へ移行済み」が99.6%とほとんどで、移行先としては、「確定給付企業年金(規約型)」が51.6%でもっとも多いほか、「確定拠出年金(企業型)」(43.0%)、「確定給付企業年金(基金型)」(29.6%)への移行も目立っている。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/020.pdf