ゼイタックス |
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税務関連情報 (2003/12/19) | ||||||
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■ 定率減税の廃止など押し寄せる個人負担増の波
17日に与党の2004年度税制改正大綱が決定され、来年度の改正内容とともに今後の税制の大きな流れが明らかになった。持続可能な社会保障制度と地方分権の推進に対応するために税制を見直すこと、それは、個人負担増の波が押し寄せることを意味する。 第一に年金制度改革に伴い基礎年金の国庫負担割合を2009年度までに段階的に2分の1に引き上げるための財源を確保することがある。大綱は「2005年度、2006年度には、いわゆる恒久減税(定率減税)の縮減・廃止とあわせて、個人所得課税の抜本的見直しを行う」と明記した。 第二に、国と地方の税財政を見直す三位一体改革の一環として、2006年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現することである。同年度までに約4兆円の国庫補助負担金の廃止・縮減を行う。2004年度は所得税の一部を一般財源として地方に配分する所得譲与税を創設する。 また、2007年度を目途に、年金・医療・介護などの社会保障給付全般に要する費用を賄うため「消費税を含む抜本的税制改革」を実現するとして、いよいよ消費税率引上げの具体的な議論が開始されることが明らかになった。 このように今後の税制改正の道筋をみてくると、将来的な個人に対する負担増が鮮明となっている。定率減税の廃止や消費税率の引上げ、各種所得控除の縮減・廃止などが既定路線で浮かび上がる。さらには、年金改革のなかで厚生年金の保険料率が18.35%まで年々引き上げられる。 現在の危機的なわが国の財政事情や増大する社会保障給付制度を立て直すためには耐え忍ばなければならないのだろうが、個人増税が鮮明となる一方で、行財政改革の姿が一向に見えてこないことに苛立ちを覚える向きも多い。個人の負担増を認容するのは、肥大化した組織のムダを徹底的に見直すことが大前提であることを改めて主張したい。 |
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