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税務関連情報 (2004/01/28) | ||||||
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■ ストックオプション裁判雑感
ストックオプションによる利益が「給与所得」か「一時所得」かをめぐる裁判で、21日、初めて「給与所得」として国側の主張を認める判決が横浜地裁であった。これまで、2002年11月と2003年8月のともに東京地裁では「一時所得」とされたが、国側がやっと一矢を報いた格好である。 給与所得か一時所得かの結論は、結局、最高裁まで持ち越されることになるだろうから議論は置くとして、今回の判決で疑問に思えた点がひとつある。それは、横浜地裁が、一時所得として申告したことには正当な理由があるとして、過少申告加算税を課した国税当局の処分を取り消したことだ。正当な理由とは、国税当局が1997年分までは一時所得として認めていたことをいうのだろう。 ところで、全国で約90件という同種の訴訟では、納税者側の態様も様々。給与所得として申告して争う人や一時所得としての申告が認められず争う人が大部分だが、なかにはストックオプションに係る利益を申告せずに調査で課税されて訴訟を起こした人もいる。 このような人が横浜地裁での4人の原告にもいたようだが、そのような人も含めて過少申告を取り消した処分には正しいのか。何億円という利益があるうえでの争いだ。まず、納めるべきものは納めて争えばいいのではないだろうか。主張が認められれば、年率7.3%の還付加算金とともに戻ってくるのだ。 国税当局はこの点に関しては控訴しないのだろうか。これは、ストックオプションの利益が一時所得か給与所得かとの争いとは次元の違う問題である。どちらの主張が通ろうが、無申告に対するペナルティは課すべきである。それが租税法律主義の原点であろうと考えるのだが…。 |
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