2004年度税制改正法案が26日、参議院本会議で可決・成立し、4月1日から施行される。この結果、住宅ローン減税の延長や、老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小など高齢富裕層への課税強化策が実施される。また、税理士など実務家の間で強い批判があった土地・建物等の他の所得との損益通算や繰越控除の廃止が、今年1月からの譲渡にさかのぼって適用されることが決まった。
住宅ローン減税は、昨年12月末で期限切れとなっていた改正前の規模で今年1年間は延長し、その後2005年から4年かけて規模を段階的に縮小することになった。また、年金課税については、65歳以上の公的年金等控除の最低控除額を120万円まで引き下げ、年間所得が1000万円以下であれば一律50万円を所得控除する老年者控除を廃止するなど高齢・高所得者の年金課税が強化される。
ほかでは、1)長期保有地の譲渡税率を現行の26%から20%に、短期保有地を同52%から39%にそれぞれ引き下げるなど土地譲渡益課税の軽減、2)固定資産税の商業地にかかる負担の引下げ(下げ幅は自治体の判断に委ねる)、3)ベンチャー企業への投資を税制上優遇するエンジェル税制の対象を拡大、4)確定拠出年金(日本版401K)の掛け金(拠出額)の非課税上限の引上げ、5)株式投資信託に関する税負担を軽減などがある。