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先行き不安の高まりから消費者心理は大きく後退

経営関連情報 - 2011年10月07日

 日本リサーチ総合研究所はこのほど、消費者による今後1年間の見通し判断を調査した8月の消費者心理調査(CSI)をまとめた。それによると、根強い物価上昇懸念に加え、景気の先行き、雇用や収入の見通しも不透明な状況にあり、また震災、原発事故対応の長期化懸念も加わり、消費者心理は大きく後退する結果となった。同調査には18歳~79歳の1147人が回答した。

 8月の生活不安度指数は146で、前回6月(137)から9ポイント上昇、大きく悪化した。悪化は5月調査(140)以来2調査ぶり。同指数は、過去最悪となった2008年12月(165)以降、2010年6月に直近の景気後退期以前の135まで回復したが、デフレの長期化や円高進行で一進一退となり、東日本大震災の前後では、2月138、5月140、6月137と推移していた。8月は146となり、6月から大きく後退した。

 消費者の先行きの景況感は、「良くなる」9.3%、「悪くなる」62.8%となった。6月と比べ、「良くなる」は2ポイントあまり増加、「悪くなる」はほぼ横ばい、「変わらない」は3ポイント減少した。また、この回答割合を指数化した8月の「国内景気見通し指数」は7となり、前回6月(7)から横ばいとなっている。雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」が66.2%で、6月からわずかに減少となった。「不安なし」は30.2%。

 収入の先行き見通しは、「増える」9.3%、「変わらない」45.1%、「減る」36.4%。6月と比べて、「増える」はわずかに減少、「減る」はほぼ横ばい、また「変わらない」はわずかに増加。物価の先行き見通しは、「上昇」65.0%、「変わらない」20.5%、「下がる」4.4%。物価の先行きに加え雇用、収入の見通しも小幅な変化にとどまるも、足元では円高、株安が長期化と、日々の暮らしでも先の見えない不安が消費者の中で広まっている。

 調査結果の概要は↓
 http://www.research-soken.or.jp/reports/csi/197.html