国税庁は2日、機械や設備などの減価償却資産の耐用年数を一定要件に基づき短縮できる耐用年数の短縮制度の利用指針を公表した。同制度は、例えば、従来の製造設備が旧式化し、その設備ではコスト高、生産性の低下などにより経済的に採算が悪化した場合などに、耐用年数を短縮して、早期に償却できる特例だが、その対象範囲や計算方法、過去の承認事例などを明示することで、より使いやすい制度とする。
減価償却資産は法定の耐用年数が決まっているが、資産によっては、一定の特別な事由のために法定耐用年数で減価償却したのでは実態に合わない場合もある。そこで、企業が有する減価償却資産が、法令で定められた短縮事由によって、実際の使用可能期間が法定耐用年数よりおおむね10%以上短くなる場合に、あらかじめ所轄国税局長に申請し承認を受けることで、その資産の使用可能期間を耐用年数として、早期に償却できる。
利用指針では、申請の対象となる短縮事由(対象範囲)として、1)種類及び構造を同じくする他の減価償却資産の通常の材質または制作方法と著しく異なること、2)その資産の存する地盤が隆起または沈下したこと、3)その資産が陳腐化したこと、など8事例を明示。該当する事例として、例えば1)では、事務所として定着的に使用する建物を、通常とは異なる簡易な材質と制作方法で建設した場合など、を挙げている。
また、過去に耐用年数の短縮申請を承認した事例も掲載しており、例えば、オートロック式パーキング装置(無人駐車管理装置)は、法定耐用年数が10年だが、同装置の構造や機能の主要部分がコンピュータ(法定耐用年数5年)を使用した料金精算機であることや、野外に設置されることで著しい温度変化や風雨などにさらされることなどから、使用可能期間が5年に短縮されたケースが紹介されている。
同利用指針の詳細は↓
http://www.nta.go.jp/category/pamph/houjin/h19/durability.pdf