ゼイタックス

経営関連情報 (2006/07/07)

社屋等の約5割は旧耐震基準、うち6割は未補強

 東京商工会議所が4月末から5月にかけて実施した「会員事業者の災害対策に関するアンケート」結果(有効回答数697社)によると、回答企業の社屋や工場など主要な建物の52.5%と5割強が旧耐震基準(昭和55年以前)で建てられていたことが分かった。このうち60.2%が耐震補強を行っていないばかりか、「耐震診断が必要なので検討中」が18.7%、「何もしていない」が29.5%とほぼ5割が耐震診断すら行っていない。

 また、主な建物・設備や営業に関して、首都直下型地震や水害などの自然災害に対して「大変意識している」(44.0%)、「多少意識している」(44.9%)との回答が9割近くにのぼり、都内事業者の危機意識の高さがうかがえた。しかし、災害時の事業継続・早期復旧対策(複数回答)は、約5割(49.9%)の企業が現時点では具体的な対策を行っておらず、「事業継続計画(BCP)」の作成についてはわずか4.9%となっている。

 災害により長期間事業を中断した場合の事業損失についても、おおよそも含め「把握している」は26.7%に過ぎず、7割以上の企業が把握していない。また、自社の災害対策を進める上での問題点や課題(複数回答)としては、「対策方法や手段などの情報が少ない」(39.9%)、「人的な余裕がない」(38.7%)、「災害対策の対する優先順位が低い」(23.7%)、「資金的な余裕がない」(23.5%)などが挙げられている。

 災害発生時の地域社会に対する支援については、81.8%の企業が前向きな意向を示しているものの、「人的余裕がない」(33.1%)や「具体的は連携・協力の手法が分からない」(30.8%)、「地域の情報が少ない」(24.7%)などが問題・課題となり、約3割(30.8%)の企業が現時点では何もしていないと回答している。

 なお、経営者の自宅の耐震対策について「万全」との回答は44.3%にとどまり、約半数の経営者自宅について今後対策が必要になっている。一方、経営者自宅の耐震対策が「万全」と回答した企業ほど、事業所の耐震対策も進んでおり、同時に地域に対する支援の意識も高い傾向にあることが分かった。トップの意識の高さが、災害対策においても非常に重要な要素といえそうだ。

 同アンケート結果の詳細は↓
 http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2006/180629-2.pdf