ネット上で完結できないことは山ほどあるが、これからシーズンを迎える「引っ越し」もその一つ。物件探しや下見、さらに条件交渉、契約など、住む場所を決めるというのは非常に現実的で大変な作業だ。あまりネットの出る幕はなさそうだが、インターネットコムとgooリサーチが実施した「不動産情報に関する調査」では、契約前後のやり取りなどでメールのニーズもありそうなことが分かった。
調査結果(有効回答数1083人)によると、引っ越しの経験がある回答者全体の66.2%に不動産・賃貸情報の収集方法を尋ねたところ、「インターネット」が46.7%ともっとも多く、次いで「不動産業者の店頭」(34.3%)、「不動産情報誌」(28.9%)、「折込広告」(25.4%)などの順だった。インターネットがトップだが、実際の問合せの手段では、やはり、「店舗を訪れる」(37.6%)が「ネットで問合せ」(33.1%)を上回った。
物件を決めてからも不動産業者とは家賃の交渉や必要書類の確認などで何かと連絡を取り合うことになるが、引っ越し経験者のその連絡方法は、「店舗を訪れる」(48.3%)と「電話」(39.1%)が圧倒的に多く、「メール」(6.4%)はほとんど利用されていない。しかし、実際にどのような方法が便利なのかを尋ねると、トップは「電話」(41.0%)、次いで「メール」(38.2%)となった。逆に「店舗を訪れる」は16.7%にとどまる。
やはり直接会話ができる「電話」が人気だが、自分の都合のいいときに確認できる「メール」もかなりニーズがありそうな結果となった。確認事項の多い不動産契約においては、文書で残しておける安心感もあるだろうし、当然、データを添付することもできる。電話のようなリアル性を補うとすれば、インスタントメッセンジャーなども今後はおもしろいのかもしれない。