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合計売上高が3年ぶりに増加した焼酎メーカー

経営関連情報 - 2008年10月03日

 焼酎メーカーの2007年(2007年1月期~12月期)の上位50社売上高合計が前年比0.6%増の3345億円と、焼酎ブームのピークとなった2004年の3383億9100万円には及ばないものの、3年ぶりに前年を上回ったことが、帝国データバンクの調査で明らかになった。同調査は、焼酎製造を主業とする焼酎メーカーで、売上高に占める焼酎比率が50%以上の全国の企業を対象に調べたもので、昨年に続いて5回目の調査となる。

 3年ぶりの合計売上高の増加は、前年比27.0%増収の霧島酒造(株)の主力ブランド「黒霧島」がけん引役となった形で、今後、ブランド力の格差が拡大する可能性が強まりそうだ。売上高トップの三和酒類(株)は3年連続前年割れとなり、明暗を分けた。売上高伸び率上位10社のうち芋焼酎メーカーが9社を占めた。県別では、「鹿児島県」が前年と同じく8社で、「宮崎県」、「佐賀県」が各1社ランクに入った。

 県別のメーカー数は、「鹿児島県」がトップで、前年より4社増えて24社。2位は「宮崎県」で同2社減って6社。3位は「沖縄県」で前年と同じく5社となった。また、上位50社のうち増収企業は20社で前年より6社減少。そのうち、伸び率10%を超えた企業は1社減少して5社にとどまった。判明しない7社を除いて黒字企業は41社で、27社が1億円以上の純利益を上げている。増益企業は前年を7社上回り17社となった。

 一方、2008年は、9月、三笠フーズ(株)が汚染米を不正に販売していたことが発覚し、10社を超える焼酎メーカーが汚染米と知らず使っていたことが判明した。現在、自主回収を行っているが、風評被害による焼酎のイメージダウンにつながる懸念も否定できない。加えて物価上昇や給与の伸び悩みで消費マインドが冷え込むなか、原点に返って、品質や「安心・安全」にこだわる焼酎づくりが安定した市場拡大のカギになるとみられている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p081001.pdf