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経営関連情報 (2005/07/04)

2007年4月から法定化される四半期開示

 金融庁の金融審議会は6月28日、「今後の開示制度のあり方について」と題した報告書を公表し、東京証券取引所などが上場企業に義務付けている四半期開示を、証券取引法上の制度として法定化することを提言した。現在の四半期開示は各証券取引所の規則に基づくものだが、金融審では、来年の通常国会で証券取引法を改正し、2007年4月からは法定化された制度として適用する方針だ。

 四半期開示は、2003年4月から全国の証券取引所において段階的に導入されてきた。2004年4月からは「四半期財務・業績の概況」として財政状態や経営成績(要約連結貸借対照表、要約連結損益計算書を含む)の開示が義務付けられているが、これには3年間の猶予期間が設けられており、実際に義務付けられるのは2007年4月から。ちなみに、東証上場企業の88%が「四半期財務・業績の概況」の開示を実施済みだ。

 このように四半期開示が実務上で浸透するなか、いくつかの問題点も指摘されている。それは、作成基準が統一されていないことや開示内容は監査等の対象になっていないこと、虚偽記載に関する証券取引法上の罰則や民事責任(損害賠償)の規定も適用されないことなどだ。このような点を踏まえ、金融審の報告書は、四半期開示のあり方について以下のような考えを示している。

 1)開示時期は、四半期終了後、最低限45日以内とし、できる限りその短縮化を図る。
 2)開示内容は、四半期貸借対照表、四半期損益計算書、四半期キャッシュフロー計算書及び四半期セグメント情報並びに非財務情報とし、原則連結ベースで記載する。
 3)四半期財務諸表に係る作成基準の一層の整備を図る(金融会計基準委員会が担当)。
 4)四半期財務諸表の保証手続きとしてレビューの導入を図ることとし、レビュー手続きに係る保証基準の整備を図る(企業会計審議会が担当)。
 5)一定の要件が満たされることを前提に、半期報告制度を廃止し、四半期報告制度に統一する。