新政府税制調査会が8日、初会合を開きスタートした。同税調は、藤井裕久会長(財務相)を始め各省副大臣など24人で構成される(ほか社民党、国民新党からオブザーバーが各1名)。鳩山由紀夫首相は、初会合において、租税特別措置や所得課税の見直しなど7項目を中心とした税制の抜本改革を諮問した。新政府税調は、10月30日までに各府省の税制担当副大臣が提出する税制改正要望に基づき、年内に改正案を決定する。
鳩山首相の諮問は、(1)マニフェストに掲げた税制改正項目の詳細の検討、(2)租税特別措置をゼロベースから見直すための具体的方策の策定、(3)所得税の控除のあり方の抜本見直しなど個人所得課税のあり方の検討、特に格差是正や消費税の逆進性対策の観点から給付付き税額控除制度について検討、(4)環境負荷に応じたエネルギー課税の検討や健康に対する負荷を踏まえた酒税・たばこ税課税の検討、などが中心となる。
さらに、(5)国と地方が対等なパートナーとして地域主権を確立し、地方の再生を図る観点から、地方税のあり方について検討し、その際、国・地方の役割分担の見直しと合わせた税源配分のあり方の見直し、(6)法人課税や国際課税等の分野において、グローバル化にともなって生じている世界規模の課題に対応できる税制のあり方の検討、(7)税制抜本改革実現に向けての具体的ビジョンについて検討、を含めた計7項目が諮問された。
各省に対しては、税制改正要望の提出に際し、減税を要望する場合には、財政規律を維持する観点から、見合い財源案と併せて提出するよう求めた。また、既存の租税特別措置等の見直しでは、背景にある政策に今日的な「合理性」や政策実現に向けた手段としての「有効性」、補助金等の他の政策手段としての「相当性」が認められるかを含めた厳しい視点に立った上で、その成果を税制改正要望に含めて提出するように要請している。