「医療・福祉」分野が成長産業のひとつとして、また雇用の受け皿として注目されている。内閣府の分析レポートでもそれを裏付けている。第3次産業指数の内訳として「医療・福祉」が今年4月公表から見られるようになった。この活動指数における「医療・福祉」に関する指数は、労働投入量などから医療福祉業の生産活動を推計したものだ。
この数値をみると、他の業種に比べて「医療・福祉」の伸びが目立つ。その内訳をみると、2000年から制度化された介護関連が過去3年間は毎年約10%ずつの増加となっている。ただし、全体に占めるウエイトは、「医療・福祉」で1万分の826.6、介護事業分は1万分の110に過ぎない。
次に、家計における医療・福祉面への支出といった需要面の統計をみてみると、内閣府で推計している消費総合指数(名目)においては、医療保険の統計などから「医療・福祉」への支出を推計しているが、こうした支出は毎年着実に増加しており、特に2003年度は医療保険の自己負担分の引上げもあり、高い伸びとなっている。
最後に、雇用面をみると、年度ごとの平均値でみた産業別の就労者数でも、他の産業の就業者のなかで、教育を含む医療・福祉の増加が目立ち、2003年度では約30万人の増加となっている。このように、高齢化が進むなかで「医療・福祉」の供給と、それへの支出は着実に大きくなっている。新規事業の進出などに際して一考に値する分野といえよう。