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経営関連情報 (2006/04/21)

目立つ小規模企業の破産による倒産増

 倒産の沈静化が目立つなか、企業の解体・消滅である破産件数が、2005年度においては過去最多の6677件となった。このうち従業員5人未満が前年度比30.5%増となるなど小規模企業の破産が目立った。これは、東京商工リサーチが18日に発表した「2005年度破産動向調査」で明らかになったもの。年度倒産に占める破産の構成比は、過去最高の50.6%と倒産企業の過半を占めた。

 破産件数増加の背景には、2000年12月に東京地裁が企業の破産手続きを大幅に簡素化した「法人少額管財手続き」を新設して以来、同様の制度が全国で創設され、増加に拍車がかかっていることがある。2000年度の破産件数は3185件、構成比は16.9%だったから、2005年度に件数は倍増、構成比はほぼ3倍増したことになる。なお、2005年度の破産に係る負債総額は前年度比17.5%増の1兆9497億円だった。

 負債別では、「1億円未満」が前年度比33.8%増の4663件となり、年度倒産に占める構成比は35.4%だった。従業員別では、「5人未満」が同30.5%増の4647件となるなど、負債額別、従業員数別において小規模企業の倒産が目立った。また、都道府県別の破産件数は、38都道府県で前年度を上回った。増加率では、「青森県」の288.8%増(9→35件)、「島根県」228.5%増(7→23件)、「和歌山県」208.3%増(12→37件)などの順。

 東京商工リサーチでは、メインバンク制のもとに多数の取引金融機関が附随した取引慣行は終焉を迎え、企業が倒産に直面したときの私的整理も限界にあることが、法的整理の背景にあると分析。また、小規模企業の破産増加は、景気回復の動きが隅々まで波及していないことを反映したものと指摘している。