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経営関連情報 (2004/05/10)

刺激的な研修として注目されるマネジメントゲーム

 ビジネスリーダーを育成するための最も刺激的な研修として注目されているマネジメントゲーム(MG)をご存知だろうか。MGは、卓上ゲーム形式で会社経営のシミュレーションを行い、キャッシュフロー経営の知識理解や効率的な経営、利益思考の人間づくりなど、経営とは何かを体で習得する経営シミュレーションである。

 4月某日、東京・北区の西川会計事務所研修室を訪れると、5人づつ座った4つのテーブルでMG研修が繰り広げられていた。研修生は同会計事務所の職員たちで、MGインストラクターを目指し、将来的には顧問先の幹部研修にMGを活用するという。通常は2日間で行うMGだが、仕事の都合上、朝の9時から夜の8時までかけて1日で研修するスケジュールだ。

 各テーブルの中央に置かれたボード及び会社盤を囲み、デシジョン(意思決定)カードとチップを使ってMGが進められる。一人ひとり企業の経営者となった研修生は、めくられたデシジョンカードに基づいて意思決定をしていく。例えば、ある資本を元に機械を買い、人を雇い、製品の製造・販売などを行い経営を体験する。リスクカードを引くと、倉庫火災に遭ったり、労働争議の発生、社長が急病で倒れるなどのリスクが発生し、それらについての備えがあれば保険金が受け取れる。

 カードを引くごとに成功・失敗に一喜一憂し、笑い声が絶えない、まさにゲーム感覚でマネジメントシミュレーションは進められる。シミュレーションは第1~第4期まで行い、各期終了ごとにマトリックス会計による決算を行う。この結果、MGでは、製造・販売(値付け・入札)、決算までを一人で行うことで会社の数字に強くなるだけでなく、貸借対照表・損益計算書・資金繰り表の財務三表のすべてが理解でき戦略的思考が身につくというものである。

 研修を指導したMGインストラクターの渡辺貴夫氏(のがもトータルプランサポート・税理士對馬昭次事務所)は

「民間企業の社員はもちろん、会計事務所職員も、MGを通して、経営を疑似体験することで、製造・販売、戦略会計、リスク管理、マーケティング、人事教育の経営意思決定を体感できる。これまで、漠然としていた経営者の立場、不安や悩みを理解でき、今後、より具体的な経営計画や行動計画作成の支援、販売戦略の助言を行うのに役立つことから、経営者のアドバイザーとして活躍できると思われる」

 とその特徴を語る。トップから現場まで、キャッシュフロー経営・戦略的経営を全社的に浸透させたい企業に一考の価値ある研修といえそうだ。

 MGに関する問い合わせは、(有)のがもトータルプランサポート・税理士對馬昭次事務所(TEL:03-3381-4984、Eメール:tsushima@nogamo.jp )まで。