「覚書」や「念書」などの表題を用いて、原契約書の内容を変更する文書を作成する場合があるが、契約金額を変更する契約書の記載金額については、契約前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかであるか否かによって、その取扱いが異なる。例えば、変更契約書に変更前の契約書の名称、文書番号や契約年月日など変更前契約書を特定できる事項の記載がある場合は次のようになる。
変更金額が記載されている場合で、変更金額が変更前の契約金額を増加させるものであるときは、その変更金額が記載金額となる。例えば、当初の売買金額90万円を110万円とすると記載した文書、あるいは当初の売買金額90万円を20万円増額すると記載した文書の記載金額は20万円となる。逆に、変更金額が変更前の契約金額を減少させるものであるときは、その変更契約書の記載金額はないものとなる。
例えば、当初の売買金額90万円を70万円とすると記載した文書、あるいは当初の売買金額90万円を20万円減額すると記載した文書は記載金額のない文書となる。また、変更後の記載金額のみが記載され、変更金額が明らかでないときは、変更後の金額が記載金額となる。例えば、当初の売買金額を90万円に変更すると記載した文書の記載金額は90万円となる。
一方、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかでない場合で、変更後の金額が記載されているときは、変更後の金額が記載金額となる。例えば、当初の売買金額90万円を110万円(あるいは20万円増額)とすると記載した文書の記載金額は110万円となる。逆に、当初の売買金額90万円を70万円(あるいは20万円減額)とすると記載した文書の記載金額は70万円となる。
また、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかでない場合で、変更金額のみが記載されているときは、変更前の金額を増額するもの及び減額するものいずれもその変更金額が記載金額となる。例えば、当初の売買金額を20万円増額する(あるいは20万円減額する)と記載した文書の記載金額は20万円となる。