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税務関連情報 (2004/09/06)

住宅建築のきっかけで「税制が有利」が昨年比増加

 住宅ローン減税は、今年の税制改正で見直され、最大50万円ずつ10年間で500万円を所得控除するのは今年1年間だけで、来年からは4年間で段階的に縮小される。この税制改正が住宅建築のきっかけに影響していることがリクルートの「2004年住宅建築に関する意向調査」で分かった。同調査は、注文住宅の建築予定者を対象に5月に実施され、606人の有効回答を集計したもの。

 その結果、前年に比べ住宅建築のきっかけとなる理由が前年と比べもっとも増加したのは「税制が有利で買い時だと思ったから」で、8.0ポイント増えて18.3%となった。駆込み需要を狙った政策が効を奏したようだが、現実には、年最大控除額50万円を受けるためには年末の借入残高が5000万円以上ある必要があり、それほど影響はないとの指摘もある。

 冷静に考えれば、来年も縮小されるとはいえ年最大40万円の控除額があるのだから、ほとんどの住宅ローン減税利用者にとっては十分な優遇措置といえる。結局のところ、それでも住宅取得のきっかけとなるのは、なんとなくより有利なうちにという心理的な効果に過ぎないのかもしれない。

 もっとも、昨年1月からは親から子への生前贈与を促進する相続時精算課税制度が導入されて、相乗効果で住宅取得が進んでいるという見方もできる。同制度は、住宅取得資金であれば3500万円まで非課税で贈与が受けられる。国税庁のまとめでは、今年の確定申告での同制度の申告者数は7万8千人で、うち住宅取得資金での適用者は2万6千人だった。

 こちらの影響も無視できないが、いずれにせよ住宅取得に「税制が有利」は間違いない状況にあるようだ。同調査は5月時点だが、年内は7ヵ月残っており、住宅ローン減税の縮小による駆け込み需要がさらに増えるかどうか注目されるところだ。