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消費税を含む税制抜本改革は2011年度から実施

税務関連情報 - 2008年12月19日

 政府の経済財政諮問会議は16日、税制抜本改革の方向性を示す「中期プログラム」の原案をまとめ公表した。消費税を含む税制抜本改革は「経済状況の好転後に、2011年度より実施し、2015年度までに段階的に行って持続可能な財政構造を確立する」と明記したが、消費税率の引上げ幅については言及していない。また、「法制上の措置は2010年度にあらかじめ講じておく」との方針を示した。

 中期プログラム案は、税制抜本改革の3原則を掲げ、消費税収は、確立・制度化した社会保障の費用に充てることにより、すべて国民に還元し、官の肥大化には使わないとした。具体的には、基礎年金国庫負担の2分の1への引上げのための財源措置や年金、医療、介護の福祉給付や少子化対策など社会保障の費用に充て、その費用は、その他の予算とは厳密に区分経理し、予算・決算において消費税収と社会保障費用の対応関係を明示する。

 消費税率の引上げ幅については、「その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額が社会保障費用に充てられることを予算・決算において明確にした上で、消費税率を検討する」との言及にとどまり、具体的な明記はなかった。ただ、消費税率を検討する際は、歳出面も合わせた視点に立って複数税率など総合的な取組みを行うことにより低所得者の配慮について検討するとしている。

 その他の税制抜本改革では、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、国と地方を合わせた法人実効税率(約40%)を引き下げる方針を示した。ただ、現行では約7割の法人が赤字で法人税を払っていないことから、課税ベースを拡大することも検討する。また、個人所得課税については、最高税率や給与所得控除の上限を見直すことにより高所得者の税負担を引き上げることを盛り込んでいる。

 「中期プログラム」の原案は↓
 http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/1216/item1.pdf