新卒採用広報メディアを中心に様々なサービスを提供するディスコが、来年3月卒業予定の大学生を対象に10月上旬に実施した「日経就職ナビ2010就職活動モニター調査」結果(有効回答数983人)によると、10月1日現在の内定率は77.0%と、前回7月調査から7ポイント余り上昇した。ただ、この時期に80%を割り込むのは、現在の形態での調査開始(2004年)以来初めてで、就職活動は“氷河期並みの厳しさ”となっている。
10月1日現在の内定率77.0%は前年同月比11.9ポイントの減少。平均内定取得社数は1.8社で、前年(2.3社)を大きく下回った。これは、複数企業から内定を得る学生が大幅に減っているためとみられる。内定率を属性(文理男女)別にみると、いずれも7割台後半でばらつきはみられないが、前年同期と比べると、文系女子が15ポイント減と大幅に落ち込んでいる。昨年までの“女性積極採用ブーム”が終焉を迎えたといえそうだ。
また、10月1日現在で内定を得ていない全体の23.0%の学生に、今後の予定を尋ねたところ、前年より7ポイント増の56.2%と半数を超える学生が「就職先が決まるまで就職活動を続ける」と回答。次いで「大学院に進学する」が25.2%だが、前年より5.4ポイント下げている。一方、「海外に留学する」を選んだ学生はゼロ(昨年3.2%)。不況による家庭の経済事情が、学生の進路に少なからず影響を与えている結果とみられる。
就職活動にかかった費用(平均)については、「リクルートスーツ代」が4万1088円、「交通費」が7万4980円、「宿泊費」が9007円、「資料費(新聞、書籍など)」が1万2462円、「備品代(カバン、パソコン、手帳、万年筆など)」が1万4522円、「その他の諸経費」が1万852円、合計では16万2911円だった。地域別にみると、もっとも費用がかかったのは「中国・四国」で20万8183円、逆に最低は「関東」で14万1188円だった。
同調査結果の概要は↓
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/doukou/20091023.pdf