本来、内需の柱としての役割が期待される住宅投資は、金融不安や雇用情勢の急激な悪化などの影響を受け、大幅に落ち込んでいる。そこで、日本経済団体連合会は6日、住宅投資のこれ以上の落込みを防ぎ、内需拡大のけん引役とするために、「安全・安心な住生活と内需拡大の実現に向けた緊急提言」をまとめ、住宅分野への税財政・金融上の思い切った支援策を2009年度補正予算において緊急に措置すべきことを提言した。
税制措置については、長期優良住宅の普及促進の観点から、2009年度税制改正において導入された長期優良住宅に対する投資減税の拡充を掲げた。同減税は、減税額が性能強化費用相当額(上限1000万円)の10%、所得税から引ききれない場合は、翌年まで繰越し可能とされている。そこで、これを、建設費の性能強化費用相当額の30%を税額控除し、最長5年まで繰越し可能とするよう拡充することを提言している。
住宅購入者の資金調達円滑化の観点からは、住宅取得に関する贈与税の非課税枠の拡大を求めている。現行でも、非課税枠が3500万円の住宅取得資金に係る相続時精算課税制度があるが、同制度は、将来の相続の見通しが立たない時点で選択しなければならず使いにくいとの指摘がある。そこで、住宅取得資金の贈与に関しては、一般の贈与税の非課税枠(年間110万円)を2000万円に拡充することを提案している。
さらに、不動産流通税について2009年度税制改正では、不動産取得税について、土地・住宅に関する軽減税率3%(本則4%)及び宅地評価土地に係る課税標準の特例措置(2分の1)が2011年末まで、また、登録免許税について、保存登記0.15%(同0.4%)や移転登記0.3%(同2.0%)などの住宅に関する軽減税率が2010年末までともに延長されたが、負担を軽減する観点から、さらなる減免を図るべきだとしている。
同緊急提言の詳細は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/032.html