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放射性物質除去をうたう浄水器の広告の注意点

経営関連情報 - 2012年07月11日

 原発事故からすでに1年以上が経過したが、食品に含まれる放射性物質についての消費者の関心、特に飲料水の安全性についての関心は非常に高い。そのため、浄水器の広告で、特に「安心・安全な水」をうたうものへの苦情がJARO(日本広告審査機構)に寄せられている。しかし、浄水器は水道に接続して使うもの。そもそも水道水には放射性物質がそれほどまでに含まれているのだろうか。JAROのトピックスに興味深い記事が…。

 実は、放射性物質のうち放射性セシウムは、その大半は原水の汚濁物質に含まれ、浄水場で沈殿やろ過により除去することができる。従って、家庭の蛇口から出る水道水には普通、放射性セシウムはほとんど含まれていない。そのため、実際に浄水器で除去する放射性物質は、放射性ヨウ素だ。その除去性能の検証が原発事故後の課題だったが、このほど浄水器協会で、アメリカの認証機関との協力で、その試験方法を確立した。

 その試験方法とは、浄水器の除去性能について、放射性ヨウ素による試験結果が、非放射性ヨウ素による試験結果とほぼ同じ傾向であることを活用して、非放射性ヨウ素を使って危険性がない試験を行って、迅速に放射性物質の除去性能を実証するという方法である。世界標準の規格「プロトコル72」として、将来的には、海外での活用も可能になるといわれている。

 今後、浄水器の放射性物質除去をうたう広告の見方としては、広告で除去性能の数値が強調されていても、それが「放射性物質」というあいまいな表現ではなく、「放射性ヨウ素」についての性能であるということが正しく表示されているか、そして、それが「プロトコル72」に準拠した性能であるかどうかを確認し、場合によってはメーカーに問い合わせることが適切になると思われる、との見解を示している。

 この件の詳細は↓
 http://www.jaro.or.jp/ippan/saikin_shinsa/index.html