インフォシークと三菱総研が共同で実施した「第7回携帯電話コンテンツ/サービス利用実態調査」結果(有効回答数2104人)によると、携帯電話利用者は全体の約85%(1784人)だったが、うち1ヵ月以内に商品を購入したことがあるとの回答者の比率は2.9%だった。これは、過去の調査と比べ最も高い数値で、今年に入ってからは2ヵ月連続して前月を上回っており、モバイルコマースが本格的に普及をはじめる兆しととらえることもできるとの見方を示している。
調査前1ヵ月以内に商品を購入した回答者及び1ヵ月以内には購入していないものの継続的に利用しているとする回答者計77人に、携帯電話で商品購入をした理由(複数回答)を聞いたところ、「価格が安かった」との回答が26.0%で最も多かった。ほかでは「その店以外では見つからなかった」(24.7%)、「外出中などで携帯でしか注文できなかった」(18.2%)などの理由が多かった。
また、購入時に重視する項目について、「購入経路」「価格」「店舗知名度」「納期」の4要素によって分析した結果、モバイルコマース利用者は、回答者全体に比べ「価格」を重視する傾向が強く、逆に実店舗かインターネットかといった「購入経路」についてはあまり考慮しないことが分かった。つまり、最初から携帯電話を通じて買うことが前提ではなく、商品探しの選択肢を広く取り、より安く買おうとするなかで結果的に携帯での購入になったと考えることができる。
一方、携帯電話からの商品購入を一度もしたことがない回答者(1582人)のその理由(複数回答)は、「パソコンで十分で必要性を感じない」(63.7%)や「実店舗で十分で必要性を感じない」(42.0%)、「注文のための操作が面倒」(38.6%)などの回答が多かった。「届く商品の品質への不安」(19.4%)や「個人情報漏えいへの不安」(15.5%)は、少ないとはいえないものの、「必要性への欠如」に比べれば大きくはなく、モバイルコマースに対する心理的な抵抗はそれほど大きくないことが分かる。