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経営関連情報 (2007/08/27)

介護事業の悩みは「十分な賃金が払えないこと」

 介護労働安定センターが実施した「事業所における介護労働実態調査」結果(有効回答数1万1627事業所)によると、介護事業所の運営上の問題点(3つまで回答)は、「今の介護報酬では十分な賃金を払うことができない」が45.9%でもっとも多かった。介護労働者の調査でも、働く上での悩みや不満(複数回答)として「仕事の内容のわりに賃金が低い」(40.3%)がトップに挙げられており、賃金が大きな問題となっている。

 回答事業所で介護労働に従事する12万1373人の賃金の状況をみると、所定内賃金は、全体では「月給の者」の平均賃金は21万3837円、「日給の者」の平均賃金は1万1986円、「時間給の者」の平均賃金は1184円だった。職種別では、訪問看護員、介護職員の「月給の者」の平均賃金はそれぞれ19万1250円、19万3663円で、看護職員(25万3266円)などの他の職種に比べて低かった。

 介護労働者の全体の平均年齢は42.6歳で、訪問介護員は平均年齢48.7歳、介護職員は平均年齢38.5歳だった。保有資格(複数回答)は、「ホームヘルパー(1級、2級、3級)」が51.4%でもっとも多く、「介護福祉士」が23.2%、「看護師・准看護師」が13.2%の順だった。また、平均勤続年数は、全体では4.1年だったが、「1年以上3年未満」が37.5%でもっとも多く、次いで「3年以上5年未満」が20.2%だった。

 1年間(05年9月~06年8月)の採用率は29.0%、離職率は20.3%だったが、職種別に離職率をみると、訪問介護員は15.0%、介護職員は24.0%と大きな差がみられた。就業形態別の離職率では、正社員が21.4%、非正社員が19.5%だった。また、離職率階級別にみた事業所数の割合をみると、「離職率が30%以上」の事業所が25.4%でもっとも高く、次いで「離職率が10%未満」の事業所が20.6%となっている。

 同実態調査結果のポイントは↓
 http://www.kaigo-center.or.jp/oshirase/18tyousa/tyousa2.html