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税務関連情報 (2007/10/12)

2006事務年度の書面添付割合はわずか5.4%

 書面添付制度とは、税理士が申告書の作成に関し、計算・整理・相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付して提出したときは、税務当局がこの申告書を提出した納税者の税務調査をする場合、その通知前に、税務代理を行う税理士に対して、添付書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければいけないという制度。2001年5月の税理士法改正により、税理士からの意見聴取制度が拡充されたものだ。

 国税庁では、2003年3月には税理士からの意見聴取の積極的な活用等を内容とする事務運営指針を改正するとともに、税理士会等へ制度の趣旨等について周知及び積極的活用を推進している。しかし、財務省が公表した「2006事務年度国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価書」によると、今年6月までの1年間(06事務年度)の新書面添付制度の添付割合は前年度より0.5ポイント増のわずか5.4%に過ぎないことが分かった。

 書面の添付割合の推移をみると、2001事務年度の2.9%以降、02事業年度が4.0%、03事務年度が4.4%、04事務年度が4.6%、05事務年度が4.9%と、上昇はしているが、わずかずつであり、06事務年度も0.5ポイント増にとどまった。新書面添付制度では、意見聴取の際の結果で疑問点が解消されれば調査は省略されることになっているが、一部の実務家からは活用に向けたさらなるインセンティブを求める声も挙がっている。

 なお、これらの書面の添付割合の実績値は、2006年7月から07年6月末までの間に法人税の申告期限が到来し、申告書の提出があったものを対象としており、添付割合は税理士の関与があった法人数のうち書面添付がある割合である。ちなみに、06事務年度の法人税申告の税理士関与割合は86.6%となっており、ここ5年間の税理士関与割合は86%台で推移している。