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「内部統制報告制度に関する11の誤解」を公表

経営関連情報 - 2008年03月14日

 上場会社の開示規制として、内部統制報告制度が4月1日以後開始する事業年度から適用されるが、金融庁は11日、「実務の現場では、一部に過度に保守的な対応が行われている」などの指摘があることから、特に問題とみられるポイントをQ&Aで解説した「内部統制報告制度に関する11の誤解」を同庁ホームページ上に公表した。また、併せて、内部統制報告制度の円滑な実施に向けた行政の対応も公表した。

 内部統制報告制度は、カネボウ事件や米エンロン事件など会計をめぐる不祥事が内外で相次いだことを背景に、2006年に成立した金融商品取引法において導入されたもの。上場企業に対し、経営リスクの洗い出しを目的とする内部統制報告書の提出を義務付けている。ただ、企業やコンサルティング会社の一部で、米国SOX法同様の厳しい制度が導入されるなどの誤解があることから、改めて制度の意義を説明したという。

 Q&Aでは、米国で先行したSOX法(企業改革法)は厳格すぎるとの批判を踏まえ、重大な虚偽記載につながるリスクに着眼して、内部統制の整備や評価を必要な範囲で絞り込んだことや、内部統制のために新たに特別な文書化等を行う必要はなく、企業がすでに作成・使用している記録などを適宜利用できることなど、実務現場に過度の負担がかからないように負担軽減のための配慮をしていると説明している。

 また、中小企業も大企業と同様の仕組みが必要との誤解があるため、上場企業のみが対象であり、かつ、企業の規模・特性など中小企業の実態を踏まえた簡素な仕組みを正面から容認しているとしている。さらに、上場会社と取引すると、非上場会社でも、内部統制を整備・評価しなければならないとの誤解については、上場会社と取引があることをもって、内部統制の整備等を求められることはないと明言している。

 「内部統制報告制度に関する11の誤解」は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/19/syouken/20080311-1/01.pdf

 内部統制報告制度の円滑な実施に向けた行政の対応は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/19/syouken/20080311-1/02.pdf