日本百貨店協会がまとめた2009年8月の「全国百貨店売上高概況」によると、百貨店の主力商品である婦人服・洋品の売上が26ヵ月連続で前年割れとなるなど、消費者の買い控えや低価格志向が高まるなか、アパレル関連の売上が伸び悩んでいる。そうしたなか、帝国データバンクでは、婦人服卸業者について、2007年度と2008年度の2期連続で業績が判明し、かつ2008年度の売上高が50億円以上の98社について調査・分析した。
調査結果によると、婦人服卸98社の2008年度の売上高合計は、2兆4139億9000万円。事業・商権の移譲やグループ企業の再編・統合を実施した大手企業が全体数値を押し上げたこともあり、前年度比では0.8%の微増となった。98社の内訳をみると、24社(構成比24.5%)が前年度比で増収、1社が横ばい、73社(同74.5%)が減収となった。消費不振により数量減少と価格低下に直面した結果、4社に3社が前期比減収に陥っている。
最終損益が判明した83社の2008年度損益合計は、▲27億7230万円で2期連続の欠損となった。83社の内訳をみると、黒字企業が63社(構成比75.9%)にのぼった一方、赤字企業が20社(同24.1%)となり、4社に1社が赤字決算となった。なかでも百貨店への卸を主とする34社は赤字幅が大きく、合計で▲74億2359億円と全体(83社)赤字額の2.7倍となり、百貨店におけるアパレル販売不振の影響を裏付ける結果となった。
2009年1~8月のアパレル企業(製造・卸・小売)の倒産件数は306件で、前年同期比7.7%の増加となった。負債総額は1145億3700万円で、同131.3%増の大幅増加となった。2月にカジュアルブランド「オリーブ・デ・オリーブ」を展開する「もくもく」(京都府)、ドレスシャツメーカーの「トミヤアパレル」(東京都)、「ゴールデンベア」ブランドを展開する「小杉産業」(東京都)などの倒産が相次ぎ、大型倒産が増加している。
「婦人服卸98社の経営実態調査」結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090904.pdf