仙台国税局はこのほど、「預金連動型住宅ローンのキャッシュバックは、利用者の預金額に応じて金利の引下げサービスの提供がなされる金利優遇商品の一契約形態に過ぎず、単に支払利息の割戻しを受けただけであることから、利用者に課税関係は生じない」ことを明らかにした。これは、庄内銀行が事前照会した「預金連動型住宅ローンにおける契約者及び当行の契約関係」について回答したもの。
同行の預金連動型住宅ローンとは、利用者が指定する普通預金口座(連動対象口座)の平均月中平均残高または住宅ローン残高の50%のいずれか低い金額を基準として所定の算式に基づき算出された金額について、住宅ローン利息の一部を、利用者へキャッシュバックすることをあらかじめ定めた住宅ローンだ。住宅ローンが滞っている場合は、後日その月の住宅ローンの支払があっても遡ってキャッシュバックすることはない。
そこで仙台局は、「キャッシュバックサービスは、(1)住宅ローンの返済が滞っている者は受けることができないサービスであるから、その性質は、期限までに返済する利用者への実質的な貸付利息の引下げと考えられること、(2)同行と利用者は、特別な利害関係にないため、特定の個人に利益を供与する目的ではないことなどから、単に支払利息の割戻しを受けただけであり、利用者に課税関係は生じない」との同行の見解を認めた。
さらに、同行がキャッシュバックする金額は、利用者に対する貸付利息の割戻しであり、法人税法に規定する寄附金に該当しない、また、キャッシュバックサービスは、住宅ローン貸付利息の割戻しであり、消費税法に規定する非課税売上に係る対価の返還に該当し、非課税取引となる、という同行の法人税・消費税の課税上の取扱いに対する見解についても認めている。
そのほか、住宅ローンの適用対象は、ローンの償還期間が10年以上など一定のもので、給与所得者などが使用者などから貸付を受ける場合には、年1パーセント以上の利息を支払うことが要件とされているが、「預金連動型住宅ローンでは、契約者の支払うべき利息の実質的な負担額が1%を下回る可能性があっても、使用者から貸付を受けるものでないため、住宅ローン控除の対象となる」との見解も認めている。