2008年度税制改正において、耐用年数の短縮特例制度については、申請事務が煩雑でコストもかかるとの指摘に応えて、(1)同制度の適用を受けた減価償却資産(「短縮特例承認資産」)の一部の資産についてこれに代わる新たな資産と取り替えた場合、(2)短縮特例承認資産と同一の他の減価償却資産の取得をした場合には、改めて承認申請をせずに、変更点等の届出により短縮制度の適用が受けられることになった。
国税庁はこれに伴い、法人税基本通達の一部を改正し、その適用関係を示している。同改正通達では、「耐用年数短縮が届出により認められる資産の更新に含まれる資産の取得等」を新設し、「構成が著しく異なる場合の耐用年数の短縮」(法人税法施行規則第16条第1号)に掲げる事由等により承認を受けた短縮特例承認資産について、一定の事実が生じた場合も、「新たな資産と取り替えた場合」に含まれることを明らかにしている。
具体的には、(1)短縮特例承認資産の一部の資産を除去することなく、その短縮特例承認資産に属することとなる資産を新たに取得したこと、(2) 短縮特例承認資産に属することとなる資産を新たに取得することなく、その短縮特例承認資産の一部の資産を除却したこと、といった事実が生じた場合も、変更点等の届出により短縮制度の適用を受けることとができる旨を明らかにしている。
ただし、その購入の代価またはその建設などのために要した原材料費、労務費及び経費、その資産を事業の用に供するために直接要した費用の額の合計額が、その短縮特例承認資産の取得価額の10%相当額を超えるものは除くものとされている。
また改正では、短縮特例承認資産と同一の他の減価償却資産の取得をした場合にも、届出だけで短縮制度の適用を受けられことになったが、その適用要件は、例えば、減価償却資産の材質または製作方法が、これと種類及び構造を同じくする他の減価償却資産の通常の材質または制作方法と著しく異なることにより、その使用可能期間が法定耐用年数に比べて著しく短いことなどが必要とされている。