住宅金融支援機構が7月中旬に実施した「2008年度民間住宅ローン利用者の実態調査」結果(有効回答数1018人)によると、長期金利上昇により、金利が高くなった「全期間固定型」の利用割合は28.7%(08年3月)から20.6%(6月)へと低下し、「変動型」の利用割合が25.4%(08年3月)から31.8%(6月)に増加している。今回調査対象期間(08年3~6月)の平均では、26.5%が「変動型」を利用している。
ボリュームゾーンである世帯年収「400万円超600万円以下」(35.1%)の層では、前回調査(07年11月から08年2月の借入者)に比べ、「全期間固定型」利用割合(8.0%)が2.0ポイント低下する一方、「変動型」利用割合(9.7%)が1.8ポイント増加した。また、民間住宅ローン利用者の47.5%が「固定期間選択型」を利用し、その中心は「当初金利の固定期間が10年」で、全体の24.4%と半数以上を占めている。
一般に「変動型」の適用金利は、半年ごとに見直され、返済額は5年ごとの見直しがあり、返済額増加が従前の返済額の1.25倍を上限(上限を超えた部分は、5年後見直し時に反映)とするなど、一定の措置がある。しかし、金利が大きく上昇する場合には、利息部分が元金部分と利息部分からなる割賦返済額を超え、未払い利息が発生し得るため、将来的な支払に課題を残す可能性もあり、「変動型」利用にあたっては注意が必要だ。
今後1年間の住宅ローン金利見通しは、「現状より上昇」との見方が前回調査から15.8ポイント増加の44.9%に増え、金利先高感が高まっている。金利タイプ別では、「変動型」は「現状より上昇」が31.5%と低く、「全期間固定型」の45.8%、「固定期間選択型」の51.9%に比べ、金利先高感が低くなっている。なお、金利上昇に伴う返済額増加への対応は、「一部繰上返済」が50%近くを占め、「わからない」が10%余りとなっている。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.jhf.go.jp/research/pdf/loan_anketo_h20_1.pdf