最近の中小小売業を取り巻く環境は、業態間競争や、商業集積間・地域間の競争激化に加えて、消費者の購買行動の変化や販売形態の多様化などもあって、ますます激しさを増している。そうした状況のなかで、売上や利益を確保し、成長を続けていくためには、現状を分析し、経営改善計画を策定・実行していくことが必要だ。そこで、中小企業金融公庫は、その際に留意すべきポイントを「経営情報」として紹介している。
それによると、一段と厳しさを増している中小小売業者の事業環境下にあっては、売上や利益を確保することが喫緊の課題となっている。しかしながら、中小小売業者においては、資金的な制約等もあり、一度に大きな投資は難しいケースも多いことから、商品構成や商品の発注・仕入方法の見直し、販売促進方法の改善や人件費コントロールによる経費削減など、既存店の改革から優先的に実施していくことが必要になる。
経営改善は、(1)現状分析、(2)改善計画の立案、(3)改善策の実施、(4)改善実施後の再分析、のステップで進めていく。例えば、現状分析は、(1)自社の状況(自社の経営数値と業界水準との比較による課題の洗い出しなど)、(2)市場(顧客)の状況(来店客へのアンケートやヒアリングの実施による顧客ニーズや要望等の把握)、(3)競合の状況(競合店調査による自店の強みや弱みの把握)、の3つの視点で行う必要がある。
次に、現状分析によって明らかになった自店の課題に沿って、改善計画を作成する。経営改善計画は、自社の「あるべき姿」を実現するための全社的な目標や行動計画を明らかにするもので、従業員一人ひとりの果たすべき役割の指針を示すものだ。したがって、従業員の当事者意識に働きかけ、経営計画を実効性のあるものにするためにも、数値目標や実施スケジュール等を明確にした計画を作成する必要がある。
経営情報はそのほか、店舗における改善手法を具体的に示し、また、中小小売業者の実際の取組み事例を紹介している。
同経営情報の詳細は↓
http://www.jasme.go.jp/jpn/publish/info/no355.html