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中小の4割強が緊急時対策は「最重要課題」と認識

経営関連情報 - 2011年05月18日

 これまで国は全ての企業に対し「緊急時事業継続計画(BCP)」の策定を求めてきたが、一部の大企業を除きあまり進んでいない。特に経営資源に限りのある中小企業の動きは鈍いが、今回の大震災を経て変化はみられないだろうか。大阪市信用金庫が府下一円の取引先を対象に4月上旬に実施した「中小企業における緊急時対策の調査」では、回答企業の4割強が緊急時対策は「最重要課題」と認識していることが分かった。

 調査結果(有効回答数1373社)によると、数多い経営課題のなかで、災害(火災や地震、水害等)などの緊急時に備えた様々な対策についての認識は、「最重要課題」とした企業が46.7%となった。これに対し、「重要性は中程度と認識」が40.3%、「被災の可能性が低いため重要性の認識は低い」が13.0%だった。これを2年前(2009年7月)の調査と比べると、「最重要課題」とする企業は16.2ポイント増加している。

 実際に自社の事業継続を阻害する要因として想定する具体的な災害(複数回答)については、「地震」と答えた企業が85.6%でもっとも多く、次いで「火災」(74.5%)、「水害」(43.4%)、「台風」(32.5%)、「インフルエンザ等の伝染病」(22.6%)、「落雷」(12.7%)などだった。2年前の調査では2位だった「地震」が今回は11.4ポイント増加し、「火災」を超えて最多となった。やはり、東日本大震災の影響とみられる。

 一方、「緊急時事業継続計画(BCP)」策定の有無については、「策定している」とする企業は7.6%と1割にも満たない。ただし、2年前調査からは4.5ポイント増加し、2倍以上となっている。BCP未策定の理由(複数回答)は、「策定の仕方が分からない」が44.4%で最多だが、「必要を感じない」も43.1%ある。このほか、「忙しくて手が回らない」が40.7%、「コンサルタント等に策定支援を依頼すると費用がかかる」が17.4%などだった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka-shishin.co.jp/houjin/keiei/pdf/2011/2011-05-10.pdf