警察庁はこのほど、平成17年中の情報技術を利用したサイバー犯罪の検挙件数が3161件で、前年と比べて51.9%(1080件)増加したと発表した。主な特徴は、不正アクセス禁止法違反が277件で前年の約2倍に増加したことや、ネットワーク利用犯罪では、詐欺が全体の約45%を占める1408件で、前年の約2.6倍に増加したことなどだ。その内訳は、インターネット・オークションを利用したものが多い。
検挙事例をみると、不正アクセス禁止法違反事件では、被疑者の男性会社員(28歳)ほか1名は、インターネット・オークション会員の公知のIDからパスワードを推測し、その会員になりすまして不正アクセスを行った事例が報告されている。男は、さらにそのインターネット・オークションにおいて携帯電話などを架空出品し、多数の落札者から代金をだまし取り、詐欺罪でも検挙された。
ネットワーク利用犯罪では、無職の男(25歳)ほか3名は被害者が所持する携帯電話機あてに利用したことのない有料サイト利用料金の支払いを求める内容虚偽の電子メールを送信し、有料サイト利用料金未納の事実があるものと誤信させ、現金を振り込ませる方法で約218万円をだまし取った詐欺事件が報告されている。
また、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等が受理した相談受理件数は、8万4173件にのぼり、前年と比べて19.2%増加した。主な特徴は、詐欺、悪質商法に関する相談が約1.2倍、インターネット・オークションに関する相談が約1.3倍に増加したことや、不正アクセス、ウイルスに関する相談が約1.8倍に増加したことなど。オンラインゲームやオークションでの不正アクセスに関する相談が多かった。
警察庁では、サイバー犯罪等に関する相談の増加に的確に対応し、インターネット利用者の被害防止を推進するため、インターネット上の困りごとについて基本的な対応策の情報提供などを行う「インターネット安全・安心相談システム」を2005年6月から公開している。同システムには、昨年12月末までに延べ22万6774人、1日平均約1140人のアクセスがあったことを明らかにしている。
2005年中のサイバー犯罪の検挙等状況の詳細は↓
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h17/image/pdf28.pdf
「インターネット安全・安心相談システム」は↓
http://www.cybersafety.go.jp/