~注記事項はどのように取り扱うか?
注記事項とは、貸借対照表または損益計算書を作成するうえで、資産の評価方法、固定資産の減価償却の方法などの会計方針を明確に示すものだ。重要な会計方針の注記は商法上義務付けられていないが、債権者・取引先の便宜の観点から、注記を行うことが望ましい。また、中小企業の特性にかんがみ、役員と会社間の債権債務、担保の提供、保証の有無などに関する情報を注記することが望ましい。
注記の具体例として、「重要な会計方針の注記」では、1)資産の評価の方法(例)「商品は、総平均法による原価法によっております」、2)固定資産の減価償却方法(例)「有形固定資産の減価償却法は、定率法によっております」、3)引当金の計上基準(例)「貸倒引当金は税法の規定に基づく実績率による限度相当額を計上しております」、4)消費税の会計処理方法(例)「税抜経理方式によっております」、などがある。
また、「貸借対照表に関する注記」では、1)「有形固定資産の減価償却累計額 ○○千円」、2)「貸借対照表に計上した固定資産のほか、リースにより使用している重要な固定資産として、電子計算機及びその周辺機器があります」、3)「担保に供している資産 建物 ○○千円 土地 ○○千円」、4)「取締役に対する金銭債権 ○○千円」、などの例示がある。
決算書を見る側からすれば、その数値がどのように算出されているかが重要であり、注記事項はそれを明確に示すものなのだ。したがって、金融機関などの信頼を獲得するためには、注記事項が重要となるわけだ。
(続く)