贈与税の申告は、すでに今月1日から始まっており、3月17日が申告期限。昨年1年間に財産の贈与を受けた合計額が基礎控除(110万円)を超える場合には申告が必要となる。また、65歳以上の親(住宅取得資金の場合は年齢制限なし)から20歳以上の子どもに生前贈与する相続時精算課税制度を選択したときも、3月17日までに税務署へこの制度を選択する旨を届け出る必要がある。
ところで、相続税の申告において注意したいのは、2003年から2005年分の贈与税について「旧住宅取得資金等の贈与の特例(暦年課税)」の適用を受けている人だ。同特例は、親または祖父母から贈与を受けた住宅取得資金等のうち1500万円までの部分は5分5乗方式で税額を計算。贈与税の1年間の基礎控除110万円を5年分前取りできるので550万円まで税金がかからない制度だ。
現行の相続時精算課税制度における住宅取得資金の贈与の特例が導入されたときに経過措置で2005年12月末まで延長された後廃止されたが、この「旧住宅取得資金等の贈与の特例」の適用を受けた場合は、2007年中に贈与を受けた財産の合計額が基礎控除の110万円以下であっても、申告しなければいけない場合もあるので注意が必要だ。旧特例の5分5乗方式は基礎控除を先取りしていることを思い起こす必要がある。
例えば、2003年に住宅取得資金として1000万円の贈与を受けて旧特例の適用を受け、2007年に100万円の贈与を受けたケースで考えてみよう。1000万円の住宅取得資金については、5分の1の200万円を5年にわたって贈与を受けたものとして課税されている。したがって、2007年には300万円(200万円+100万円)を基に贈与税の計算を行い、すでに納めた税額を差し引いた残りが贈与税額となるわけだ。