2007年度末(08年3月末)時点における大学発ベンチャー数は前年比5.6%(94社)増の1773社であることが、経済産業省が発表した「2007年度大学発ベンチャーに関する基礎調査」で明らかになった。経済効果は、売上高が約2800億円(前年度比27.3%増)、雇用者数で約2万3千人(同15.0%増)。間接効果を含む経済波及効果は、売上高5100万円(同27.5%増)、雇用者数3万6千人(同28.6%増)と推計している。
大学発ベンチャーの業種構成は、「バイオ系」が38.6%、次いで「IT系(ソフト)」が30.3%、「機械・装置」が17.1%など。また、地方圏(東京・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫を除く道県)に所在する大学発ベンチャーの2001年比の増加率は約3.5倍となり、都市圏の増加率約2.6倍を上回っている。2007年度に大学発ベンチャーを新規創出した大学においても、岡山大(8社)がトップになるなど、地方圏の大学の健闘が目立つ。
大学発ベンチャーの事業ステージをみると、「研究開発段階(製品化に目途がたった段階まで)」が約46%(昨年度約49%)、「事業段階(販売開始以降)」が約54%(同約51%)と、「事業段階」が増加している。企業業績をみると、営業利益は依然赤字が続いており、赤字幅も前年より増加。「IT系」や「その他」は営業利益の赤字額が減少したが、「バイオ系」は増加している。IPOを果たした大学発ベンチャーは23社だった。
大学においては、当該大学が培った知的財産の社会還元などを目的として、大学発ベンチャーに対して、インキュベーションや大学のOB組織による支援等の各種支援が見受けられる。また、大学発ベンチャーは地域における高度研究人材の受け皿として期待されており、大学発ベンチャーが高度な教育を受けた人材を地域に惹きつける面があることなどから、自治体による大学発ベンチャーに対する支援も見受けられる。
同基礎調査結果の概要は↓
http://www.meti.go.jp/press/20080818001/20080818001-2.pdf