今後の収入は今以上に増えていくであろうから、生活設計は明るく前向きに…。このように感じている若い世代が増えてきたことが、野村総研が今年7~8月にかけて実施した「生活者1万人アンケート」によって明らかになった。このアンケート調査は、日本人の基本的な価値観や行動、考え方を把握するため、野村総研が1997年から3年ごとに実施してきたもの。
今回の調査結果をみると、今年から来年にかけての「景気」観は、「どちらともいえない」との回答が65.4%と大勢を占めるものの、「よくなる」が18.3%と「悪くなる」(16.3%)を上回った。「よくなる」との回答は、3年前の2003年調査を9.9ポイント上回り、1997年以降ではもっとも多い割合となった。一方で、「悪くなる」との回答は、前回調査から11.8ポイントも減少している。
このように、人々が景気回復に確かな手ごたえを持つようになったためか、今後の生活設計に対しても「今以上の収入を前提としている」人の割合が増えている。この割合は、1997年以降2003年までは減少傾向にあったが、今回は、全体では20.6%で、前回調査に比べ2.0ポイント増と増加に転じた。年代別にみると、特に「20代」、「30代」にその傾向が顕著になっている。
今後の生活設計で「今以上の収入を前提としている」人の割合は、「20代」は前回調査から8.0ポイント増の41.1%、「30代」は同3.6ポイント増の30.0%となった。「40代」は同0.4ポイント増の19.6%と微増だったものの、「50代」は同0.7ポイント減の12.0%だった。今後の生活設計に明るい希望を持つ傾向は20代、30代の若い世代に特に強く、今後は彼らを中心に消費が活発化していくことになりそうだ。