経 営 関 連 情 報 |
2003年05月26日-003
懸念材料は社会保障制度への企業負担の増大
公的年金など社会保障制度に対する国民の不信・不安が高まっている。急速に進展する少子高齢化に伴って現役世代の負担増が避けられないおそれがあるが、それは企業にとって事業主負担、いわゆる“法定福利費”の増大につながる。生命保険文化センターがまとめた2002年度「企業の福利厚生制度に関する調査」結果(有効回答1802社)によると、社会保障制度に対する企業負担の増大を多くの企業が懸念しているようだ。
調査結果によると、自社に影響がある環境変化として、「長期化する景気低迷」(85.7%)、「商品・サービス市場の競争激化」(48.9%)に続き、「社会保障制度での事業主負担増」を挙げる企業が28.1%と上位になった。こうした認識から、福利厚生制度における課題・問題点として、「法定福利費などの負担増」を挙げる企業が47.7%と最も高くなっている。法定福利費という公的な負担の継続的な上昇が、福利厚生制度展開上の大きな財政圧迫要因となりつつあるようだ。
一方、従業員側にとっても、社会保障制度に対しては「負担の増加」に加えて「給付の縮小」の両面が大きな生活不安として浮かび上がってきている。現在や将来の生活で不安に感じる事柄については、「社会保障の給付水準の低下」(47.3%)と「社会保障の保険料負担の増加」(43.9%)が上位に挙げられた。社会保障制度は、今後の生活設計を考える上で重大な問題であると同時に、今後の福利厚生制度に対するニーズや従業者自身の自助努力などに大きな影響を及ぼしてくるものと考えられる。
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