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経営関連情報 (2005/03/11)

来年4月から単身赴任者の帰省時等の移動も労災対象

 厚生労働省が今国会に提出している改正法案のなかには、単身者の赴任先の住居や帰省先の住居間の移動、複数就業者の事業場間の移動を、通勤災害保護制度の対象とすることを盛り込んだ労働者災害補償保険法の改正案がある。法案が成立すれば、来年4月1日からの施行となる。改正の背景には、企業間競争の激化や働き方の多様化が進むなかで、労働者の生命や生活にかかわる問題が深刻化しているということがある。

 移動に際しての保護の拡充が必要な単身赴任者や複数就業者の増加に対応したのが労災保険法の改正だが、自主的な安全衛生活動の不足に伴う重大災害の発生などに対応した労働安全衛生法の改正案も国会提出法案のひとつだ。主な内容として、1)危険性・有害性の低減に向けた事業者の措置の充実、2)過重労働・メンタルヘルス対策の充実に向けた諸方策が盛り込まれている。

 具体的には、1)では、ア.危険性・有害性に係る調査及び低減措置を拡充するとともに、事業者の自主的な取組みを促すため、こうした措置を適切に行っていると認められる事業者については、機械等に係る事前の届出義務を免除すること、ロ.危険・有害な化学物質について、容器・包装の表示や、譲渡・提供の際の文書交付に関する制度を改善すること、ハ.設備の改造・修理・清掃の仕事の外注化が進展するなかで、爆発などのおそれがある化学設備について、その仕事を発注する者が請負人に対して必要な情報を提供すること、などの措置が盛り込まれている。

 2)については、事業者は、一定時間を超える時間外労働などを行った労働者を対象とした医師による面接指導などを行うこととされている。これらの改正法の施行日も2006年4月1日となる(ただし、1)のロ.については2006年12月1日)。