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税務関連情報 (2007/02/26)

最高裁判決を受けて小規模宅地特例の取扱いを変更

 国税庁はこのほど、去る1月23日の最高裁判決を受けて、土地区画整理事業等の施行による借換地指定に伴い、従前地及び借換地について使用収益が禁止されている場合の相続税の小規模宅地等の特例の取扱いを変更することを明らかにした。これまで、相続開始直前に更地の場合は認めていなかった同特例を適用する。この変更後の取扱いは、すでに相続税の申告をした場合であっても、要件が合えば適用を受けることができる。

 最高裁判決では、土地区画整理事業の施行による借換地指定に伴い、被相続人の居住用の土地及び借換地の使用収益がともに禁止された結果、相続開始直前に被相続人が両土地を居住用にできない場合は、相続開始から相続税の申告期限までの間に被相続人等が借換地を居住用に供する予定がなかったと認めるに足る特段の事情のないときに限り、被相続人の居住に使っていた土地は、小規模宅地等の特例の対象となると判示された。

 国税庁は、上記の「被相続人等が借換地を居住用に供する予定がなかったと認めるに足る特段の事情」について、1)従前地(借換地指定前の居住していた土地)について売買契約していた場合、2)すでに別の場所に居住用不動産を取得(契約中のものを含む)していた場合、3)従前地(借換地)について物納の申請をし、または物納の許可を受けていた場合、を具体的に例示している。

 なお、すでに相続税の申告をしている納税者で、相続した土地のなかに変更後の取扱いの適用を受けられるものがある場合は、更正の請求をすれば相続税の減額を受けることができる。ただし、相続税の申告期限からすでに5年を経過している場合には、法令上、相続税の減額はできないこととされている。また、更正の請求ができるのは、変更後の取扱いの適用が受けられることを知った日の翌日から2ヵ月以内とされている。