税 務 関 連 情 報

2002年06月24日-001
諮問会議が「活力」重視の税制改革を改めて表明

 経済財政諮問会議は6月21日、経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針第2弾)を正式決定したが、税制改革では「日本経済の活力を最重視する」と明記し、14日に公表された増税色の濃い政府税制調査会の基本方針との違いを鮮明にした。今回の諮問会議の基本方針は5月21日に公表された中間とりまとめ(5月24日付で既報)の内容と大きな違いはないが、「活力」重視路線を改めて強く主張したのは、本間正明大阪大教授など民間4議員の提言である。それは、

1)税収確保の観点のみが重視されると、企業活動の活発化を軸とする経済社会の活性化は困難であり、適切な取組みが必要、
2)わが国の法人実効税率は国際的にみて現在も高い水準にあり(欧州諸国より5%程度、アジアより10~15%程度高い)、グローバル化の中で日本経済の競争力を強化等していくには、「広く薄く」の原則に立ち、法人の税負担そのものを大幅に引き下げるべき、
3)税制改革の財源を増税のみで考えるのではなく、歳出削減もその一環として捉えるべきであり、諮問会議で歳出と歳入を一体として議論していくことが必要、
4)経済構造改革の中核をなす税制改革に対して、国内外の期待は極めて高く、その期待に応えるべく、大胆な税制改革を断行すべき、というもの。

 今後、税制改革の審議が本格化するが、諮問会議は個々の具体的な税制改正を審議する組織ではなく、今回の基本方針は、税制改革の必要性や視点、進め方を提言しただけであって、この「活力」重視の税制改革を実施すべきだとの主張が、今後の議論にどこまで反映されるか疑問視する向きもある。しかし、政府は25日にこの基本方針を閣議決定することから、大きな影響を及ぼすことも確かである。

 

 

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