税 務 関 連 情 報

2003年08月06日-001
現行の住宅ローン減税の継続で官民が一致

 現行の住宅ローン減税制度を継続することで官民の考えが一致したようだ。2001年度に改正された現行制度は、今年12月末までに入居した場合は、借入残高5000万円までに対し控除率1%で10年間にわたって控除される。つまり、最高で年間50万円、合計500万円が控除される。しかし2004年からは、来年12月までの入居分については控除期間が6年、最大控除額も150万円になるなど大幅に縮小され、2005年以降は制度そのものがなくなる予定だ。

 一方、景気回復がままならない状況下で、経済的波及効果が高い民間住宅建設を維持・促進するための住宅減税が縮小・廃止されることは景気対策に打撃となるとの考えから、住宅減税への要望が経済団体から相次いだ。まず、日本経団連は6月、自己資金も含めた住宅投資額に対して一定の減税措置を講じる「住宅投資減税」を要望。続いて不動産協会が7月、現行制度の適用期限の延長を求め、さらに日本商工会議所が、同様の適用期限の延長や賃貸住宅への投資減税、住宅ローン利子控除の導入などを要望している。

 これを受けて政府側からも、小泉首相や塩川財務相などが現行制度の延長を容認する発言があり、景気に配慮した現行住宅ローン減税の継続に向けて官民の考えが一致した格好だ。政府税制調査会の石会長も、見直しを念頭に置きつつも理解を示す意見を明らかにし、来年度の税制改正で現行制度が継続される公算が強くなった。ただ、税収優先を考慮すれば、控除の範囲を見直した上での継続も否定できず、今後の議論の行方が気になるところだ。

ホームへ戻る