税 務 関 連 情 報

2003年02月26日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(37)

★真の目的を示さない国会議員・官僚

 なぜ住基ネットの真の目的を示さないのか。国会議員・官僚ともどもが政策を論ずるとき多くみられるのは世論に迎合・配慮しすぎる態度だ。住基ネットにしても、個人情報が問題となるのであれば、まず個人情報の本質を議論すべきではないのか。「プライバシー」がまるで聖域のような前提で、そこには踏み込まない議論は、住基ネットそのものの真の目的も国民に見えてこない図式となる。

 国家・国民の益を考えるためには、少々の世論の批判など構わないではないか。ところが、有権者の目ばかり気にしているから、常識の範囲内でしか議論しない。どなたか、「国家百年の計」に立った議員さんはいないものか。納税者番号制度が話題となって久しいが、いつまでも後を絶たない脱税者・課税の不公平があっても、誰も制度導入の口火を切ろうとはしない。

 役人にしたって同罪である。有能なわが国の官僚諸君は政策を形作るとき、本当の目的をおくびにも出さず通りやすい法案を作る。法律を成立させる大変さを身にしみているから「小さく生んで大きく育てる」。住基ネットも、利用できる行政事務が追加されて、「だから役人のいうことは信用できない」といわれることになる。住基ネットの真の目的がスタート時点で明らかであれば、何も非難されることはなかったろうに…。

 すっかり横道にそれてしまったが、何が大切かというと「物事の本質」を見極めることなのである。これはいみじくも、東京会のシンポジウムで櫻井氏が冒頭に指摘したことである。もっとも同氏はその本質を見誤っていたように思うが…。それでは、次回からまた「物事の本質」を探る旅に出かけようではないか。

(続く)

 

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