公正取引委員会は、百貨店、スーパー、ホームセンター、専門量販店、コンビニエンスストア本部などの大規模小売業者による納入業者に対する優越的な立場を濫用した不公正な取引を規制するため、関係各方面の意見募集を経て、特定の不公正な取引方法(「大規模小売業者告示」)を指定し、2005年5月13日付けの官報に告示することを明らかにした。また、同告示は2005年11月1日から施行する。
同告示の適用対象となる大規模小売業者は、前事業年度の売上高が100億円以上であることを基本的な要件とし、一定の店舗面積を持つことが補完的な要件で、いずれかの要件を満たす事業者とされる。納入業者は、大規模小売業者が販売する商品を納入する事業者。ただし、その取引上の地位がその大規模小売業者に対して劣っていないと認められる納入業者は、告示の適用対象から除かれる。
禁止される大規模小売業者の行為としては、不当な返品・値引き、納入業者の従業員等の不当使用、不当な経済上の利益の収受などが挙げられる。例えば、大規模小売業者が納入した商品については、注文した商品が異なっているなど納入業者に責任がある場合などの例外を除き、返品することを原則として禁止する。商品購入後、納入業者に納入価格の値引きをさせることも、例外を除き禁止する。
また、大規模小売業者が、自己の業務のために納入業者に従業員を派遣させて使用することや、自ら雇用する従業員の人件費を納入業者に負担させることを原則として禁止する。ただし、あらかじめ納入業者の同意を得て、その従業員を納入業者が納入する販売業務に従事させる場合などは例外的に認める。不当な経済上の利益の収受は、いわゆる決算対策協賛金など納入業者が本来提供する必要のない金銭等を提供することである。
大規模小売業者告示の詳細は↓
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/05.april/05042802.pdf