中小企業金融公庫が16日に発表した「中小製造業設備投資動向調査」結果(有効回答数9267社)によると、2004年度実績は、前年度実績比+23.2%と1989年度(+24.4%)以来の大きな伸びとなった。2年連続の増加となり、中小製造業の設備投資は増加傾向が続いている。2004年度実績は、全16業種で増加し、特に「一般機械」(+46.8%)、「電気機械」(+40.0%)、「精密機器」(+38.6%)などで大幅な増加となった。
2005年度当初計画は、前年度実績比で▲8.4%、前年度当初計画比では3年連続のプラスとなる+9.5%となっている。2005年度当初計画では、「鉄鋼業」(+18.9%)、「プラスチック製品」(+12.0%)、「輸送用機器」(+0.8%)の3業種を除く13業種が減少している。特に、「精密機器」(▲29.9%)、「紙パルプ」(▲24.9%)、「木材・木製品」(▲24.1%)などの減少幅が大きい。
設備投資の内容(取得ベース)でみると、2004年度実績では、「機械・装置」が1兆3133億円で全体の54.0%を占め、次いで「建物・構築物」が6480億円、同26.6%、「土地」が2419億円、同、9.9%、「船舶・車両・運搬具・耐用年数1年以上の工具・器具・備品等」が2284億円、同9.4%となっている、前年度実績比ではすべての項目で増加したが、特に「建物・構築物」が38.6%増と大幅に増加した。
目的別構成比をみると、2004年度実績は、「能力拡充」の割合が30.8%と2年連続でもっとも高く、「更新、維持・補修」(29.4%)、「新製品の生産、新規事業への進出、研究開発」(16.8%)、「省力化・合理化」(15.2%)が続く。2005年度当初計画でも「能力拡充」は28.4%と高い水準を維持するが、「更新、維持・補修」が29.9%で上回る。なお、2004年度は設備投資実施企業の平均投資額が前年度を約1億円上回る6億2800万円だった。