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税務関連情報 (2007/01/17)

日仏租税条約(改正議定書)に署名

 財務省は、パリにおいて11日(日本時間12日)、日仏租税条約(「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約」)を改正する議定書の署名が行われたことを明らかにした。現行の日仏租税条約は発効後約10年が経過していることから、現行条約の内容を改正するための交渉を昨年1月から開始し、同年7月に部分改正について基本合意に達していたもの。

 改正議定書の主な内容は、1)配当所得については、配当に対する限度税率を15%から10%に引下げ、親子間配当(直間10%以上の株式保有)については5%の限度税率を適用、一定の親子間配当については源泉地国免税、2)一定の金融機関等が受け取る利子所得については源泉地国免税(従来の限度税率10%)、3)使用料については一律源泉地国免税(従来の限度税率は10%)などである。

 また、租税回避防止のため、条約乱用のための個別の取引を否認する規定が措置され、日仏以外の第三国に居住する者が、条約の特典を受けるためにいずれか一方の締約国にペーパーカンパニーを設立し、そのペーパーカンパニーを介して一定の取引を行うことや、そのペーパーカンパニーを介した取引を行う主たる目的が条約特典を受けることである場合には、この取引について条約特典を否認することとされている。

 改正議定書は、両締約国の国内手続が終了したことを他方の締約国に通告し、遅い方の通告が他方の締約国によって受領された月の翌々月の初日に効力が生じる。改正議定書が本年中に発効された場合、わが国においては、源泉徴収される租税に関しては2008年1月1日以後に租税を課される額、源泉徴収されない所得に対する租税及びその他の租税に関しては、2008年1月1日以後に開始する各課税年度に適用される。