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税務関連情報 (2006/10/11)

自由に選択できる永年勤続者表彰記念品は給与課税

 永年勤続者を表彰する企業は多いが、その際、記念品を贈呈したり、旅行や観劇などに招待することは一般的である。こうした従業員に対する経済的利益は給与として課税しなくてもいいことになっている。ところが、最近、表彰対象者の従業員に一定金額の範囲内で自由に品物を選択させ、その希望の品物を購入の上、永年勤続者表彰記念品として支給するケースがみられる。

 こうしたケースでは、記念品の金額の多少にかかわらず、その品物の価額を給与等として課税することになる。永年勤続者の表彰のための記念品については、その支給が社会一般的に行われているものであり、また、その記念品は、通常、1)市場への売却性、換金性がなく、2)選択性も乏しく、3)その金額も多額となるものでないことなどから、現金による手当てとは異なり、強いて課税しないこととされている。

 しかし、同様の趣旨から、現物に代えて支給する金銭については、たとえ永年勤続者に対するものであっても、非課税として取り扱うことはしないこととしている。自由に記念品とする品物を選択できるとすれば、それは企業(使用者)から支給された金銭でその品物を購入した場合と同様の効果をもたらすものと考えられるから、非課税として取り扱っている永年勤続者の記念品には該当しないことになる。

 なお、通常の永年勤続者に対する表彰記念品についても、無制限に非課税となるわけではなく、上記の要件以外にも、その表彰がおおむね10年以上の勤務年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものという基準がある。永年勤続者に記念品を支給するにあたっては、以上の点に充分留意することが必要になる。