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「農商工連携88選」を選定・公表~経産省・農水省

経営関連情報 - 2008年04月11日

 経済産業省と農林水産省では、農林水産業と商工業等の連携の取組みを取りまとめ、「農商工連携88選」として広く紹介することにより多くの事業者の参考としてもらうため、今年2月1日から2月22日の期間、事例の募集を行った。そして、3月17日に審査委員会による審査を行い、応募された取組み240件の中から、それぞれの技術や特徴等を活用している先進的な88の取組みを選定し、公表した。

 今回公表された農商工連携88選の内訳は、「新商品の開発」の取組みが47件、「新しい生産方式または販売方式の開発」の取組みが26件、「新サービスの提供」の取組みが15件となっている。これらのうち、「大学や研究機関等とも連携している事例」が25件、「地域住民や消費者団体等とも連携している事例が9件と、多様な連携による取組みが全体の約4割、34件あった。

 事例をみると、「新商品の開発」では北海道江別市(江別麦の会)の取組みがある。まず、小麦生産農家が栽培の難しい「ハルユタカ」の「初冬まき」手法を導入。製粉業者が小ロット対応の製粉システムを構築、製麺業者が手作り工房を構築し、高品質な麺を開発した。大学・公設試験場は栽培技術や品質確保・成分分析で協力した。この結果、地域ブランド「江別小麦めん」として年間260万食を販売、2006年度売上は約3億円にのぼる。

 また、「新しい生産方式または販売方式の開発」では、北海道札幌市(北原電牧)の取組みがある。この事例では、酪農家・IT企業と連携し、個々の牛の乳量等に応じて給餌量が自動的に決定される、酪農用自動給餌システムを開発。給餌時間が従来の1/20と大幅な時間短縮を達成した。2006年度の売上は約2億円。大学・酪農コンサルとも連携し、家畜栄養学に基づく給餌量自動算出機能の開発等、より高度なシステムを開発中だ。

 「農商工連携88選」事例一覧は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20080404002/03_jirei.pdf