2003年06月16日-001
税務職員の7~12月の仕事の実績は「金の評価」
税務内部では、7月から12月までの仕事の実績を「金の評価」というそうである。税務職員にも勤務評価がある。税務調査官なら調査によってどれぐらい多くの増差税額を上げたかなどだが、その勤務評定は内部での昇進の大きな判断要素となる。税務職員の定期異動は毎年7月10日と法律で決まっている。それなら、1年間の勤務実績で評価すればいいじゃないか、と思われようが、そうはいかないのである。
なにしろ6万人強の税務職員の異動である。おまけに地域との馴れ合いによる不正を防ぐという名目で、例えば税務署では最長でも3年程度で別の税務署に異動する。すると毎年、3~4割ぐらいの職員が異動することになるから、それなりの準備期間が必要になる。そこで、一般職員の勤務評定は4月初旬に行われ、役職者のそれはもっと早く2月中には終了しているという。
すると、勤務評価に反映するのは異動後の7月から12月ごろまでの実績が主になる。内部で「金の評価」といわれる所以である。ちなみに、1月から3月までは「銀の評価」、勤務評定が終わってしまった後の4月から6月は「銅の評価」である。そんな評価に関係なく1年中仕事をしろといいたいが、税務職員も人の子、最も評価に影響する間に頑張るのは仕方がないではないか。
個人の調査でいえば、2~3月の確定申告が終わり、その後申告内容が正しいかどうかの机上調査を経て、調査対象者が選定される。というわけで、本格的な調査は異動後、夏休みが明けてからということになる。もっとも、申告内容が後ろめたくなければ何の関係もない。逆に相当後ろめたい場合は、いつ調査が入っても不思議ではない。これらの話はあくまでも一般論である。念のために――。
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