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経営関連情報 (2004/08/23)

旅館・ホテル業者の倒産が高水準で推移

 旅館・ホテル業者の苦境が続いている。「2007年問題」を控えて超一流外資系ホテルを迎え撃つ都市型ホテル、利用客の伸び悩みが続く地方リゾートホテルなど、さらなる競争激化が予想されるなか、競争に敗れた業者の倒産が相次いでいる。帝国データバンクは、今年1~7月を中心に1987年以降の旅館・ホテル業者の倒産動向(負債1千万円以上)を調査・分析し、このほど発表した。

 それによると、今年の旅館・ホテル業者の倒産件数は7月末現在で64件と依然として高水準で推移している。負債規模別では、「1億円以上10億円未満」が33件で51.6%を占めてもっとも多く、「10億円以上50億円未満」が17件、26.6%で続く。構成比で前年と比較すると、「50億円以上」が前年の11.0%から6.3%へと大型倒産が減少する一方で、「10億円以上50億円未満」が同21.0%から26.6%へと中規模の倒産が増加している。

 2004年の倒産を業歴別でみると、「30年以上」が28件で43.8%を占めてもっとも多く、「10年以上20年未満」(17件、構成比26.6%)、「20年以上30年未満」(12件、同18.8%)と続く。特に、「業歴30年以上」の老舗旅館・ホテル業者の倒産は、2002年に53件、構成比47.3%でピークを迎えて、以降も高水準が続いていたが、2004年も構成比43.8%となって、その傾向が続いていることが分かった。

 また、2004年の倒産を主因別にみると、「不況型(外部要因)」が42件、構成比65.6%でもっとも多く、「経営失敗型」(12件、構成比18.8%)、「放漫経営」(2件、同3.1%)と続いている。特に近年では「不況型(外部要因)」倒産の増加が目立つが、2004年の構成比65.6%は過去最悪のペースを記録している。