東京都が自動車税滞納の一掃のため昨年2月から導入した、滞納者の車を盗難防止用として市販されているタイヤロックで差し押さえる新手法は、全都税事務所に完全に定着し効果を上げているようだ。都の発表によると、昨年6月1日から今年2月14日までの間に100台の車にタイヤロックを装着し、うち83台と8割強に係る車の所有者から、自動車税をはじめとする滞納総額2347万円を徴収したことが分かった。
都では、タイヤロック導入以前にも、再三の催告に応じない滞納者に対しては差押さえを実施してきたが、自動車本体を運び出す引揚げ方式は、運搬や保管などに約20万円の経費がかかることから、公売にかけても元がとれる高級車に限られていた。そのほかは、登録名義を都に移すだけの書類上の差押さえだったから、滞納者はそのままでも車が使えるため、差押さえ通知を無視する人が多く、効果が上がらなかったという。
タイヤロック方式の効果は、直接的な車の差押さえによる滞納徴収にとどまらず、自治体の強硬な態度がマスコミ報道などで広まり、納税者が自主的に納付してきたケースもあるようだ。こうした東京都の取組みには他の自治体も注目しており、タイヤロック方式は、47都道府県中28団体の自治体が導入し、15団体が検討中となっている。また、市町村レベルでも採用するなど滞納対策として急速に広がっている。
なお、都では、昨年12月から今年2月までのタイヤロック強化月間中に引き揚げた自動車のインターネット公売を、3月13日午後1時から15日午後1時までの2日間、せり売り方式により実施する。公売に出品する自動車は、見積価額314万円の「セルシオ(2004年登録)」や同185万円の「メルセデスベンツE320(2001年登録)」など4台。参加申込期間は3月12日午後5時までとなっている。
第17回インターネット公売の概要は↓
http://www.tax.metro.tokyo.jp/oshirase/2006/200702261.pdf