財政再建に向けて行政組織も減量・効率化の推進が求められ、国家公務員は削減の方向にある。このような状況下、国税庁が4日に発表した2006年度定員・機構要求によると、定員関係では28人の純増を求めた。同日、総務省が発表した定員合理化計画における2006年度の国税庁の合理化目標数は1025人だが、税制改正への対応や国際化・調査困難化への対応の観点から1053人の増員要求を行い、差し引き28人の純増要求となった。
総務省が発表した新たな定員合理化計画は、国の行政機関の定員(自衛官を除く)について、2005年度から2009年度までの5年間に2004年度末定員の10%以上の合理化を実施するため、2006年度から2009年度までの4年間の各府省の合理化目標を定めるものだ。国税庁は、2005年度末定員7万1288人を4年間で5180人減らす財務省の合理化目標に含まれる。ちなみに、国税庁の2005年度末定員は5万6185人である。
財務省が目標とする5180人の定員削減は同省内でやりくりすることになるが、納税者数が年々増加する一方で経済取引が国際化・複雑化・広域化していることから、国税庁としては定員削減どころか少しでも職員を増やしたいところだ。それが、厳しい環境化で28人の純増要求となったことに表れている。同庁の歳入官庁という特殊性・重要性を考えれば、純増28人という定員要求は認められる公算が強い。
一方、機構関係では、調査・徴収事務の充実の観点から、「広域情報管理課」の名古屋国税局への設置が要望された。同課は、2003年7月から東京・大阪の両国税局に設けられ、連結納税制度導入に伴う連結グループの管理や、広域グループ法人の統一的な管理を行っている。また、国際化・情報化等への対応の観点から、主任国際税務専門官や国際情報審理官、情報技術専門官などのポスト増設を要望している。