(財)森記念財団・都市戦略研究所がこのほど発表した世界の都市総合ランキングによると、分野別総合ランキングのトップ3は、ニューヨーク、ロンドン、パリの順で、東京は第4位と、昨年と同様の結果となった。同ランキングは、世界を代表する主要35都市を選定し、都市の力を表す主要な6分野(「経済」、「研究・開発」、「文化・交流」、「居住」、「環境」、「交通アクセス」)などに基づき、複合的に都市の総合力を評価したもの。
分野別総合ランキングの5位はシンガポールがランクされたが、上位4都市との差は大きく、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京のトップ4都市としての存在感は大きい。分野別ランキングをみると、ニューヨークとロンドンが「居住」と「環境」以外の分野で非常に高い評価を得ている一方で、パリは「居住」と「交通・アクセス」でトップを制しながらその他の分野でも比較的高い位置に付けている。
東京は、「経済」が2位、「環境」が4位にランク。経済と環境が双方とも5位以内の都市はほかになく、東京は世界に比類ない経済と環境の双方を両立する唯一の都市であることが明らかになった。また、トロント、バンクーバーが「居住」分野で、ジュネーブが「環境」分野でトップ5以内にランクされるなど、総合ランキングで上位ではない都市でも、特定の分野では上位にランクされ優位性を発揮する都市の存在がうかがえる。
このランキングでは、6分野以外に現代の都市活動をけん引する「経営者」、「研究者」、「アーティスト」、「観光客」という4つのグローバルアクターならびに都市の「生活者」という5つのアクターの視点からも評価しているが、分野別の総合ランキングのトップ4都市は、これらの5つのアクターからみても評価が高く、魅力的な都市であるといえるが、東京は「経営者」、「観光客」からみた評価がやや低かった。
トップ3都市と比べ東京の強みは、経済分野では世界のトップ企業の集積、研究・開発分野では研究者数の多さや研究開発費が豊富なこと。一方、東京の弱みは、都心から国際空港までのアクセスが悪いことや高い法人税率などだ。「経営者」や「観光客」に魅力的な都市とするための東京の課題は、規制や税制などのビジネスを取り巻く環境や、魅力的な観光資源を充実させるなど観光を取り巻く環境の改善だと指摘している。
同ランキングの詳細は↓
http://www.mori-m-foundation.or.jp/research/project/6/pdf/GPCI2009.pdf