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運輸業者の倒産は燃料価格下落後も高水準で推移

経営関連情報 - 2009年06月24日

 運輸業者は、2007・2008年は燃料費の高騰で苦しめられたが、昨年後半からの燃油価格下落後も倒産件数が高水準で推移していることが、帝国データバンクが実施した「運輸業者の倒産動向調査」で分かった。それによると、2009年4月の運輸業者の倒産件数は58件で、月間では倒産集計の対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最多を記録した。倒産件数が50件台となったのは、2008年12月(52件)以来4ヵ月ぶり。

 同調査は、2005年4月以降の運輸業者の倒産動向(法的整理のみ、負債1000万円以上)について集計・分析したもの。運輸業者の倒産は今年5月も43件発生し、これで2007年3月以降27ヵ月連続の前年同月比増加となった。また、1ヵ月平均の倒産件数をみると、2005年が25.7件、2006年が24.7件であるのに対し、2008年は40.7件、2009年は46.6件と増加傾向が一層鮮明になっている。

 一方、倒産1件あたりの平均負債額を比較すると、2005年が3億2950万円、2006年が3億6760万円であるのに対し、2008年は2億8130万円、2009年は3億1000万円とほぼ横ばいで推移。倒産件数は著しく増加傾向にあるが、大型倒産が多発しているわけではなく、中小規模の倒産が主流となっているようだ。なお、昨年9月から今年3月までは7ヵ月連続で前年同月比増加となっていたが、4月に減少に転じている。

 他業種と比較するため、過去1年間における倒産件数の増減率を2008年5月の倒産件数を100と基準設定して調べると、運輸業は全業種合計の倒産件数の増加率と比べ、より大幅に増加している。100を割ったのは2008年7月のみ。運輸業、建設業、製造業、卸売・小売業、サービス業と比べると、2008年5月から2009年5月の13ヵ月のなかで、2008年8~12月、2009年1月、4月の7ヵ月間は運輸業の増加率が最大だった。

 このように、他業種との倒産増減率の比較においても、運輸業の倒産が増えていることが裏付けられている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090603.pdf