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小規模企業への貸し渋り等は3割強が「建設業」

経営関連情報 - 2008年11月07日

 全国商工会連合会が実施した「小規模企業への貸し渋り・貸し剥がしに関する事例調査」結果によると、貸し渋り行為等について商工会に相談した事業者は90社にのぼった。業種別にみると、3割強(31.3%)を「建設業」が占め、次いで「小売業」(23.3%)、「サービス業」(13.3%)、「飲食店・宿泊業」(12.2%)となった。同調査は、全国の300商工会の経営指導員への書面調査及びヒアリングで実施したもの。

 貸し渋り等を受けたとされる金融機関の業態別内訳をみると、「地銀・第二地銀」が50.0%と半分を占め、「信金」が25.6%、「信組」が7.8%と、いわゆる地域金融機関で8割超を占めた。「政府系金融機関」も12.2%あった。貸し渋り等の行為別に内訳をみると、「新規融資拒否」が43.3%でもっとも多く、次いで「契約更新拒否」(17.8%)、「返済要求」(15.6%)、「追加担保」(4.4%)などとなっている。

 具体的な事例をみると、もっとも多かった「新規融資拒否」では、地方銀行に対して公共工事の請負契約書(受注状況)などを提示して短期のつなぎ運転資金を申し込んだ建設業者が、“建設業には融資できない”と拒否されたものがあった。同社は、商工会が国民公庫(当時)に無担保・無保証人のマル経融資を推薦し、必要な資金を調達できたため、公共工事の受注もできたという。

 「契約更新拒否」の具体的な事例では、これまで工事を受注した際はメイン銀行(地方銀行)から短期のつなぎ運転資金を利用して資金繰りをしていた建設業者が、現在は受注があっても短期のつなぎ運転資金が銀行から調達できず、受注をあきらめざるを得ない状況にあるとの相談があった。また、サービス業の経営者が、高齢(70歳)という理由で、突然、信用金庫から融資契約の更新を拒否された事例もある。

 「返済要求」では、信用金庫から、元金は据置きで毎月利息だけを払う返済条件で手形貸付を受けていた製造業者が、毎月元金・利息を支払う返済条件での証書貸付に一方的に変更され、資金繰りが厳しくなった事例がある。売上減少や経営者の高齢化が進むなかで、金融機関は、手形貸付を証書貸付に変更して、少額でも回収を進めていく姿勢がみられるという。

 同事例調査の詳細は↓
 http://www.shokokai.or.jp/top/Html/kigyo/2_38/貸し渋り事例調査結果.pdf