税 務 関 連 情 報

2003年07月14日-002
税理士会、相続税の連帯納付義務の廃止など税制改正を建議

 税理士の団体である税理士会は、税務に対する専門家の立場から毎年、税制改正に関する意見を建議書として公表している。日本税理士会連合会はこのほど、2004年度税制改正に関して、各税理士会がまとめた441項目に及ぶ建議事項を集約し、56項目の改正意見として改正理由とともに盛り込んだ建議書を公表した。今回の建議で新たに取り上げたのは相続税の連帯納付義務制度の廃止など5項目。

 相続税の連帯納付義務については、期限に関する規定が設けられていないため、共同相続人がいる相続人は、自分が相続税額を完納しているにもかかわらず、不安定な状態に置かれる。特に、他の共同相続人が延納の許可を受けている場合は、その共同相続人が延納税額を完納するまで、長期間にわたって不安定な状態が継続する。

 しかし、相続税の延納は、税務行政庁がその権限のもとに担保を徴収した上で許可したのだから、その後は、税務行政庁が徴収についての危険を負担すべきだとして、相続税の連帯納付義務を直ちに廃止すべきか、直ちに廃止できない場合は、一定の期間制限を設け、さらに延納の許可があった場合は、その時点で連帯納付義務を免除することを求めている。

 そのほかでは、1)「金融所得」を創設し、金融所得相互間での損益通算を認めること、2)いわゆるエンジェル税制の拡充・拡大を図ること、3)居住用財産の譲渡によって生じた純損失については、すべて繰越控除を認めること、4)法人の青色申告承認申請書やたな卸資産の評価方法の変更承認申請書などの提出期限を、前事業年度の確定申告書の提出期限までとすることが新たな建議事項だ。

 4)については、これらの申請書の提出期限は、現行では設立第1期を除き「当該事業年度の開始の日の前日まで」とされているが、これらの提出に関する判断は、決算を確定させた時点で行うことが一般的であり、現行規定は実務上において不都合であることが改正を求める理由として示されている。

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