税 務 関 連 情 報

2003年07月07日-002
10兆円割り込み初めて消費税収を下回った法人税収

 長引く景気低迷により2002年度の法人税収が19年ぶりに10兆円の大台を割り込んだことが明らかになった。財務省が4日に公表した2002年度の国税収入は見積額を4528億円下回って2年連続の税収不足となった。しかし、同年度は長期金利の大幅低下で、国債費の利払いなどに当てる予算の使い残しが4602億円あることなどから、歳入欠陥には陥らずに済みそうだ。

 2002年度の法人税収は見積額(補正後予算額)を4665億円下回る9兆5234億円となって10兆円の大台を割り込んだ。対して消費税収は、9兆8014億円と初めて法人税収を上回っている。最も多かったのは所得税収で見積額を1041億円上回る14兆8121億円(源泉分12兆2491億円、申告分2兆5630億円)だった。国税収入全体(一般会計分)では見積額を4528億円下回る43兆8231億円だった。

 財務省は、2002年度の見積額を基に2003年度当初予算で法人税収を9兆1140億円と見積もっている。昨年度予算を下回るが、設備投資減税などによる減収分約1兆2000億円を差し引いており、実質的には昨年度より増収になると見込んでいる。しかし、昨年度の法人税収が見積額を大幅に下回ったことから、今年度の税収確保に対する懸念も大きい。

 財務省は、歳出見直しとともに、早期に税収確保策を検討することが求められている。当面、消費税や法人税には大幅な税収増は期待できないだけに、残された道は個人所得課税しかない。政府税制調査会が6月に公表した中期答申をベースに、高齢富裕層を対象にした公的年金等控除や老年者控除の縮小など、年金課税を中心とした個人所得課税強化による税収不足の補てんが狙いとなる。

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