巷にはCS(顧客満足)調査が氾濫しているが、あまりにも“安易・おざなり”な調査が多いのではと疑問を呈するのは、日本総研・主任研究員の白石宗基氏のコラムである。題して「何だかおかしいCS調査」。氏は、顧客満足といいながら、実は企業の都合でお客様の声を利用しているだけの調査が多いと指摘。「お客様のルール」で、お客様の目線から取り組まれるべきものだと提言している。
コラムによると、CS調査を実施する目的は、1)現在の商品力やサービスなどに関する問題点を「発見」すること、2)発見した問題を「解決」し、現場(顧客接点)の質を高めることの2点とされている。しかし、これだけでは企業の都合によりお客様の声を利用しているだけ。CS調査の目的の3点目に「調査のプロセスを通じて、CSそのものを創造する」ことを加えることを提案する。
CS調査を契機として、お客様との“いい関係づくり”にまで発展させる。そこで、1)大前提としての「経営者の積極的関与」、2)回答をもらったお客様には必ず「応える」ことの2点を提示。特に2)については、回答をいただいたお客様には必ず経営者名で「お礼状」を出す、調査結果を必ず公開する、寄せられた不満や改善提案などについて今後の方針をきちんと説明するなど、要は“なしのつぶて”にしないことである。
お客様の完全に自由な選択のなかで、選ばれる企業は生き残り、そうでない企業はつぶれる。「お客様からの期待値」を高めつづけられる企業が選ばれる。期待値を高める努力のひとつがCS調査である。そうした努力をしないで、もともと期待値が低いなかで「顧客満足度が上がった」などと喜んでいても虚しいというのだ。21世紀型のCS調査は、「お客様のルール」で、お客様の目線から取り組まれるべきものだと、コラムは結んでいる。
同コラムの全文は↓
http://www.jri.co.jp/consul/column/data/PDF/column411-shiraishi.pdf