ゼイタックス

経営関連情報 (2007/11/19)

07年のパチンコ店経営会社の倒産は近10年で最多

 東京商工リサーチの発表によると、2007年1月~10月のパチンコ店経営会社の倒産件数は、前年同期比43.3%(36件)増の119件となった。最近は、年間ベースで2000年74件、2001年105件、2002年89件、2003年94件、2004年97件、2005年81件、2006年102件と推移してきた。2007年は、10月時点ですでに前年を17件上回り、1998年からの最近10年間では最多となった。

 負債総額は、前年同期比84.4%(786億4800万円)増の1717億7200万円にのぼり、最近10年間では年間ベースで2006年(1772億7200万円)に次ぐ水準で推移している。要因としては、負債10億円以上の大型倒産が同52.6%増の29件(前年同期19件)発生したことによる。倒産件数を原因別にみると、「販売不振(業績不振)」が同86.0%増の80件と全体の67.2%を占め、増加が目立った。

 こうしたパチンコ店経営会社の倒産増加は、集客の低迷が影響したとみられている。社会経済生産性本部がまとめた「レジャー白書」によると、パチンコの参加人口は、1997年の2310万人が2006年には1660万人と、10年間で650万人減少し、さらにかつては30兆円産業といわれた市場規模(貸玉料金の総額)も3年連続で前年を下回り、2006年は27兆4550億円にとどまった。これは1993年(27兆4210億円)以来の低い水準だ。

 また、これまでも客をつなぎとめるため新台の入れ替えサイクルが早まり、店の負担が重かったところに、2004年7月に風営法施行規則等が改正され、「みなし機を含む認定切れ遊技機の撤去」が今年に撤去猶予期限を迎えて、パチンコ店経営会社には新たな負担増を招いた。これにより、従来の射幸心の高いパチスロ機撤去と台の入れ替えにかかる費用が嵩み、経営体力に劣る中小業者は経営環境がさらに厳しさを増している。

 最近のパチンコ業界の特徴としては、「市場縮小とマニア化の進行」がいわれている。東京商工リサーチは、市場がしぼみ、参加人口が固定化する傾向を強めるなかで、パチンコ業界は、豊富な資金量を持って積極的に店舗展開を図る大手と中小の二極化と淘汰が進んでいると指摘している。