ゼイタックス

新規開業後3年間で6.7%が廃業~日本公庫総研

経営関連情報 - 2009年12月14日

 日本政策金融公庫総合研究所が、2008年4月から9月にかけて同公庫が融資した企業のうち2006年に開業した企業を対象に実施した「新規開業パネル調査」結果(有効回答数2897社)によると、2008年末(開業3年目の年末)まで存続した企業の割合は89.8%、同時点までに廃業した企業の割合は6.7%だった。廃業年別に廃業した企業の割合をみると、2007年が2.5%、2008年が3.7%、廃業時期不明が0.5%となっている。

 1企業あたりの借入残高をみると、開業時の795.3万円から2008年末には1072.5万円へと増加。内訳をみると、同公庫が535.3万円から506.4万円へとやや減少する一方、民間金融機関が237.3万円から463.1万円へとほぼ倍増。また、地方自治体(制度融資)やその他の公的機関の合計も22.7万円から103.0万円へと増加。民間金融機関から借入がある企業の割合は、開業時の11.2%から2008年末には34.6%に増加している。

 2007年、2008年における民間金融機関への借入申込状況をみると、いずれの年も「申し込まなかった」が80%を超える一方、「借りられた」は約15%となっている。「借りられた」と回答した企業の借入金融機関をみると、いずれの年も「信用金庫」が最多、「地方銀行」が続く。2007年の平均借入額は1025.6万円、借入額の中央値は500万円である一方、2008年の借入額の平均は961.0万円とやや低下したが、中央値は500万円で変わらない。

 借入に対する担保、保証人等の提供状況をみると、2007年は「経営者本人や従業員の個人保証」が46.3%、「信用保証協会の保証」が45.6%だったが、2008年は、「信用保証協会の保証」が65.8%に達した。多くの新規開業企業にとって、自社の信用だけでは民間金融機関から資金調達することが依然として難しい。民間金融機関から借入のある企業は増えているものの、公的な資金支援を必要とする企業は少なくないことがうかがえる。

 同パネル調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/shinkikaigyou_211209.pdf