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税務関連情報 (2005/04/01)

地方税徴収は民間委託の方針~進む規制改革

 政府は3月25日、民間有識者で構成する規制改革・民間開放推進会議(議長/宮内義彦・オリックス会長)が取りまとめた改定案の答申を受け、「規制改革・民間開放3ヵ年計画」を閣議決定した。同計画では、地方税の徴収や国民年金保険料の収納事業など36事業について民間開放すべきことが明記された。「民でできるものは民へ」との構造改革の柱に沿って、税金の徴収の民間開放が進められる。

 地方税の徴収業務については、徴税率の向上や国民の不公平感を払拭する観点から、徴収業務にノウハウを有する民間業者を活用することが重要との考えを示した。これは、昨年12月の同推進会議の第一次答申において、給付・徴収業務を「基本的には一定の基準に基づき決定される個々の給付・徴収事務の処理であり、一般的には政策判断や裁量の余地はなく、民間開放は可能」とした基本方針を受けたもの。

 この基本方針に沿って、地方税の徴収については、各地方公共団体の個人情報保護政策との整合性に留意しつつ、民間事業者のノウハウを活用できる業務の民間開放を一層推進することとされた。民間委託されるのは、徴収という定型的な事務のみであり、賦課や滞納処分などの権力的な事務は除かれる。同会議では、今後の課題として、国税徴収も開放への検討を進めるとしており、税金徴収全般が民間開放される流れがある。

 一方、国民年金保険料の収納事業についても、納付督促から滞納処分までの一連の事務を包括的に市場化テストの対象とすることが盛り込まれた。その際には、社会保険庁の保有する保険料未納者に係る情報を、速やかに守秘義務が課された受託業者に提供することとされた。ただし、所得情報による免除対象者の特定業務や滞納処分における財産差押えの決定・執行などは引き続き社保庁の業務となる。