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08年度税制改正は内容小粒も、“中小企業減税型”

税務関連情報 - 2008年05月07日

 2008年度税制改正は4月30日に例年よりも1ヵ月遅れで成立したが、全体としては小粒な改正となっている。減価償却制度の見直しや証券優遇税制の取扱いなどが主な改正項目だが、中小企業に限定して大幅拡充した人材投資促進税制や情報基盤強化税制・中小企業投資促進税制の2年延長及び拡充、研究開発促進税制の抜本拡充など、中小企業にとって減税となる可能性のある改正があり、“中小企業減税型”といえる。

 減価償却制度については、2007年度改正において償却可能限度額を撤廃するなどの抜本的な見直しを行ったが、今回はさらに、減価償却資産の使用実績を踏まえ、機械・装置を中心に、資産区分の大括り化を図った。改正前は、機械・装置の種類によって390区分に分かれているものを、実態に即した使用年数を基に55区分に簡素化し、耐用年数も見直した。2008年4月1日以後開始する事業年度に遡って適用する。

 証券優遇税制に関しては、上場株式等の譲渡益と配当に係る10%の軽減税率を2008年12月末で廃止し2009年から本則税率の20%に戻すが、500万円以下の株式譲渡益及び100万円以下の配当に限っては10%の軽減税率を08・09年の2年間適用する特例措置が設けられた。また、個人投資家の株式投資のリスクを軽減するため、2009年から上場株式等の譲渡損失と配当所得との間の損益通算ができる特例が創設された。

 ほかでは、(1)エンジェル税制の見直し、(2)住宅の省エネ改修促進税制の創設、(3)個人住民税の1割を上限に、ふるさとへの寄附金の5千円を超える部分を税額控除する「ふるさと納税」の創設、(4)交際費等の損金不算入制度の2年延長、(5)少額減価償却資産の損金算入の特例の2年延長、(6)個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の導入、(7)地方法人特別税の創設などが行われている。