2003年08月29日-001
大幅に拡充された中小企業技術基盤強化税制
研究開発投資が大幅に増加している。経済産業省の調査では2003年度は過去最高の投資計画となりそうだ(8月18日付既報)。特に投資額が1億円未満(2002年度)の中堅・中小企業では前年度比14.7%の大幅な伸びを示している。これは、企業収益が回復傾向にあることに加え、今年の税制改正で研究開発税制が大幅に拡充されたことによる。中小企業にとって改めて注目したいのは中小企業技術基盤強化税制の拡充である。
これは、中小企業者等に対して従来から認められていた試験研究費の税額控除の割合を大幅に引き上げたもので、2005年度までの3年間は試験研究費総額の15%相当額の特別税額控除を、当期の法人税額の20%相当額を限度に認める。それ以降は12%。今年の研究開発減税の目玉として創設された「試験研究費総額に係る特別税額控除制度」は12%(3年間)であるから、中小企業向けの優遇措置である。
赤字のために税額控除が利用できないなどで迷っている企業もあるだろうが、税額控除限度額の繰越控除が1年認められる。前1年以内に開始した事業年度において、控除しきれない金額(税額控除限度超過額)がある場合で、その事業年度の試験研究費の総額が前事業年度の試験研究費の総額を上回っていれば認められる。
なお、対象となる中小企業者等とは、資本金1億円以下の法人(大法人の子会社は除く)や常時使用する従業員数が千人以下の個人などをいう。また、試験研究費は、試験研究を行うために要する、1)原材料費、2)人件費、3)経費(試験研究に使用する機械等の減価償却費を含む)、4)外部への委託試験研究費、5)繰延資産としている試験研究費の償却費等に要する費用が対象となる。
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