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年休取得日数の平均値は8.1日、取得率は51.6%

経営関連情報 - 2011年07月04日

 年次有給休暇については、周囲に迷惑がかかることや後で多忙になること、職場の雰囲気が取得しづらいことなどを理由に、多くの労働者がその取得にためらいを感じている。その結果、近年、年次有給休暇の取得率は低水準にある。労働政策研究・研修機構が実施した「年次有給休暇の取得に関する調査」結果(有効回答数2071人)によると、正社員の年休取得日数の平均値は8.1日、年休取得率の平均値は51.6%となった。

 年次有給休暇を取り残す理由(各項目の肯定割合の合計)は、「病気や急な用事のために残しておく必要がある」が64.6%で最多、次いで「休むと職場の他の人に迷惑をかける」(60.2%)、「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がない」(52.7%)、「休みの間仕事を引き継いでくれる人がいない」(46.9%)、「職場の周囲の人が取らないので年休が取りにくい」(42.2%)、「上司がいい顔をしない」(33.3%)などとなっている。

 年次有給休暇の計画的付与制度が「導入されている」とする回答は21.8%、「導入されていない」が34.7%、「わからない」が42.2%。計画的付与制度が導入されていない人(「導入されていない」、「わからない」と回答した人)に対して、計画的付与制度の導入希望を尋ねたところ44.8%が導入を希望している。これを年休取得日数別にみると、おおむね取得日数が少なくなるほど導入希望割合は高まる傾向にある。

 勤務先での年休取得率や年金取得日数などの目標設定については、「あり」は23.7%だった。企業が目標を設定することについては、81.9%が「希望」している。一方、3年前と比べて、年次有給休暇が取りやすくなった人の理由は、「年休が取りやすくなった職場の雰囲気になった」が42.8%で最多、次いで「自分で積極的に取得するように心がけた」(41.5%)、「上司などから年休取得への積極的な働きかけ」(30.6%)などだった。

 以上のように、年休を取得しづらい理由では、病気など急な用事に対する備えのほかは職場の雰囲気や仕事量、代替要員など、いずれも勤め先の要因によって生じている理由が上位にきている。同機構では、「職場の雰囲気改善や上司の年休取得奨励のためには、計画的付与制度の普及や年休取得率の目標設定など、よりいっそうの企業側の取組みを促進することが求められる」と指摘している。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.jil.go.jp/institute/research/2011/085.htm