スイスのUBSグループが実施した「世界71都市の購買力比較調査2006年版」によると、世界でもっとも物価が高い都市はオスロ、ロンドン、コペンハーゲン、チューリッヒ、そして東京という結果が出た。これに住居費を加えると、ロンドンとニューヨークが特に生活費の高い国となる。逆に物価の安い都市は、クアラルンプール、ムンバイ、デリー、ブエノスアイレスだった。
賃金比較では、高いほうからコペンハーゲン、オスロ、チューリッヒ、ジュネーブ、ニューヨーク、ロンドンの順となった。東京は18位。実収入ベースでは、スカンジナビア諸国とドイツの都市が高い税金と社会保障費によって順位を下げている。前回2003年レポートに比べ今回大幅上昇をみせたのが欧州の英語圏で、ダブリンとロンドンが初めてベスト10に入った。
賃金は物価との関係で意義を持つ。世界中どこでも買えるビッグマック1個を買うのに必要な労働時間を算出してみたところ、世界平均は35分となった。しかし、都市間の格差は大きいものがある。ナイロビでは現地の平均実収入ベースで1.5時間の労働を必要とするのに対し、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴなどの米国の都市では最大でも13分に過ぎない。ちなみに、東京は10分ともっとも短い。
購買力の比較では、スイスのチューリッヒとジュネーブが1・2位を守っている。これは、教師やバスの運転手などの公共部門の賃金水準の高さを反映している。東京は24位。物価の面でもスイスは他国をリードしており、特に食品の価格は高く、同国の「物価が高い国」というイメージが裏付けられる形となった。食品の価格では唯一東京だけが、わずかだが、スイスの上をいっている。
同調査の詳細は↓
http://www.ubs.com/4/jp/media_releases/2006/20060809.html