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震災を機に「絆」意識が高まる~電通総研調査

経営関連情報 - 2011年07月22日

 電通総研はこの6月、全国20~60歳代男女個人1200人を対象に「震災をきっかけとした人間関係の変化」について調査を行った。東日本大震災は、家族や友人との「絆」意識を顕在化させ、また「震災婚」という言葉にもみられるように結婚を決めるきっかけにもなった。一方で、震災をきっかけとした離別もみられ、人間関係に大きな影響を与えたことがうかがえる。

 震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った相手は、「親」が54%と最多。震災は、「家族との絆」をより強くしたことが、数値にもあらわれた。また、震災後の自粛意識別でみてみると、自粛意識が高い人では84%が「ある」としているのに対し、自粛意識がない人では57%と、大きな差がみられた。生活行動や意識において震災の影響を大きく感じている人ほど、人間関係に対する意識も大きく変化していることが分かる。

 恋人がいる人の7割以上が震災をきっかけに「恋人」との絆を深めた。独身女子の“恋人がいる率”が31%、男子は24%であることから、恋人がいる女子の4人に3人、恋人がいる男子の8割が、震災をきっかけに「恋人」を「これまで以上に大切にしようと思った」。独身者でも、親と同居者の18%に対し、ひとり暮らしでは25%が「恋人」を大切にしたい思いが強く、震災を機に生活を共にするパートーナを求める気持ちが強まっている。

 大切にしたい人間関係の優先順位は、既婚者では、「配偶者」と答えた女性が63%、男性は59%といずれも高い。独身までは、「親」、「兄弟姉妹」が高いが、結婚すると「配偶者」、「子ども」がそれを上回り、結婚・出産を機に大切にしたい家族の優先順位が変わる。なかでも、小学生以下の子を持つ20~40歳代の父親・母親でみると、「子ども」と答えた母親は89%で、2位の「配偶者(=夫)」や「親」の71%と大差があいた。

 母親にとって「子ども」の存在が別格であることがうかがわれる一方、父親で「子ども」と答えたのは67%で、2位の「配偶者(=妻)」は66%と僅差となった。夫にとっては、妻も子どもも「大切にすべき人」として認識されているようだ。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2011/pdf/2011083-0715.pdf