ゼイタックス

資産除去債務、初開示で小売業26社が黒字から赤字

経営関連情報 - 2010年09月24日

 「資産除去債務」に関する会計基準が、2010年4月1日以降開始する事業年度(2011年3月期決算)から全面適用となった。同基準では、法令や契約によりビルや店舗など有形固定資産を除去(解体・撤去、リサイクル、原状回復等)する際に必然的に生じる将来の支出(債務)を現在の財務諸表に見積り計上するよう義務付けている。主な対象としては、定期借地契約や建物の賃借契約に基づく原状回復が考えられる。

 それらの契約を多く交わしている小売業について、資産除去債務会計基準適用における影響を調査したのは帝国データバンクだ。調査結果によると、小売業の2011年3月第1四半期決算の損益計算書において、「資産除去債務会計基準の影響額」として損失を計上した企業は122、影響(損失)額は491億6500万円にのぼった。そのなかの赤字企業66社のうち、仮に同影響額を除いた場合に黒字になる企業は26社だった。

 例えば、「三越伊勢丹ホールディングス」(影響額55億2200万円、四半期損失7億9500万円)、「コジマ」(同26億8200万円、同26億5700万円)、「マツモトキヨシホールディングス」(同23億1400万円、同5億2500万円)、「いなげや」(同15億4600万円、同12億1900万円)、「バロー」(同14億8300万円、同2億2800万円)、「原信ナルスホールディングス」(同13億6118万円、同2億1924万円)などだった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p100904.html