中小企業再生支援協議会は、各都道府県に1ヵ所づつ設置され、企業再生に関する知識と経験を持つ税理士等の専門家が常駐し、経営不振に陥った中小企業の経営再建を支援している。経済産業省が9日に発表した同協議会の活動状況によると、2003年2月の発足以来、2008年12月末までに1万6526社からの窓口相談に応じ、1971社の再生計画の策定支援を完了した結果、12万2718名の雇用が確保された。
2008年度第3四半期(10~12月)の相談企業数は785社と、前年同期に比べ約25%増となった。また、同期に再生計画の策定を完了した案件は65件だった。一方、第3四半期において再生支援協議会が再生計画策定を支援中の案件は490社で、これを今年度当初(3月末)と比較すると37%増となっている。昨今の景況の悪化を受けて、計画策定を完了するための債権者・債務者間の合意形成が困難になっていることがうかがえる。
再生計画策定支援を完了した65件を売上高別にみると、「5億円以下」の企業が50.8%と半数を占め、昨年度1年間に比べ増加傾向が続いており、比較的売上高の小さい企業の占める割合が増加しつつあるといえる。また、従業員数では、「10名以下」が13.8%、「11~20名」が18.5%と、昨年度1年間と比べ1.1ポイント増、2.3ポイント増とともに増加、従業員数の点からも、比較的規模の小さな企業の占める割合が増加している。
金融支援の手法では、金融機関から債権放棄を受ける案件が全体の27.7%と3割近くを占める。特に、再生計画の策定にあたり、金融機関と事前に合意の上、将来性のある事業を事業譲渡や会社分割を用いて新会社に承継し、旧会社は特別清算方式を用いて実質的に債権放棄を受ける「第二会社方式」が、債権放棄案件の約7割を占めた。「第二会社方式」が、再生支援協議会の主要な再生手法として、定着してきているとみられている。
中小企業再生支援協議会の活動状況の詳細は↓
http://www.meti.go.jp/press/20090209005/20090209005.pdf