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電子記録債権制度の活用に関する研究会報告を公表

経営関連情報 - 2008年03月28日

 昨年6月20日に公布された電子記録債権法は、今年12月26日までに施行されることが決まっている。電子記録債権制度は、これまでになかった新しい金銭債権に係る仕組みであることから、経済産業省は、「電子記録債権制度の活用に関する研究会」において、中小企業の資金調達の円滑化の観点から、電子記録債権を実際に活用できる制度とするための検討を行ってきたが、その検討結果を取りまとめた報告書を25日、公表した。

 電子記録債権とは、金銭債権情報を、電子記録債権法に基づき指定される「電子債権記録機関」の保有する記録原簿に登録することによってのみ、その発生や譲渡がなされる、従来の指名債権・手形債権とは別の新しい金銭債権だ。企業が保有する手形や売掛債権が電子化され、インターネット上で取引できるようなり、債券取引が従来よりも容易になるため、紙の手形に代わる企業間の支払・資金調達の手段として普及する可能性が高い。

 研究会では、電子記録債権は様々な目的で利用されることが想定され、それぞれに求められる運用ルールは異なるものであることから、手形の代わりに用いる場合の「電子手形」と、売掛債権の流動化など電子手形以外の目的で用いる場合の「電子指名債権」に区分して検討。電子手形は、現在の手形と同じように使えること、電子指名債権は、電子手形とは違い、設計の自由度を高めること、を基本的な考え方としている。

 その上で、電子手形については、金融機関による利用者の事前審査や原則記載事項は必要的記録事項に限定、譲渡禁止特約は認めないなどの既存の手形と同じ機能に加えて、分割を可能とすることや電子記録債権の記録請求手続きといった新たな機能についての検討結果を示している。また、電子指名債権については、利用者の事前審査や任意的記録事項の項目、記録請求手続き、譲渡人の担保責任などについての検討結果を示している。

 同報告書の全文は↓
 http://www.meti.go.jp/press/20080325002/03_houkoku.pdf