商工中金が9月29日に発表した中小企業設備投資動向8月調査結果(有効回答数2130社)によると、2004年度の国内設備投資は、前年度比28.4%増と2年連続の大幅増となり、伸び率としては1995年の同調査開始以来の最高を記録した。業種別では、製造業が同36.0%増と過去最高の伸びとなり、非製造業は同23.4%増と2003年度実績に次ぐ過去2番目の伸びとなった。
2005年度は、前年度実績比▲7.2%と減少を見込む。当初計画(同▲29.8%)からの上方修正幅は過去2年と比較すると小幅だが、これまで2年連続して過去最高の伸び率だったため、2005年度はやや一服感があるものとみられる。しかし、現状の景気回復基調が続けば、最終的には2005年度も前年度比プラスになることが期待されている。製造業は同8.0%と3年連続の増加だが、非製造業は同▲18.1%と投資にやや慎重な見込み。
2004年度実績で設備投資を「あり」とした企業割合は64.7%と、2003年度実績の66.2%を小幅ながら下回った。一方で、実施企業の設備投資は大型化しており、設備投資の大幅な伸びとなった。設備投資を行わない企業割合は依然3分の1程度みられることから、設備投資の実施企業を実施しない企業との格差が拡がっている。2005年度は55.9%と、設備投資を見送る企業がやや増加するが、実施企業の投資の大型化傾向は続く見込み。
2004年度実績における国内設備投資の主な目的(複数回答)をみると、「設備の代替」(48.7%)、「維持・補修」(34.6%)などとなっている。前年実績対比では、「情報化関連」(15.4→19.7%)、「合理化・省力化」(28.2→30.6%)の増加幅が大きい。情報化関連を目的とする投資が2000年度以来の高い割合となったほか、生産性の向上を図る目的での投資が重視された。
2005年度修正計画では2004年度実績対比で、「増産・販売力増強」(27.7→32.1%)、「製品の品質向上」(15.2→17.5%)、「新製品の生産」(9.2→11.1%)の増加幅が大きい一方、「維持・補修」(34.6→33.1%)は引き続き減少している。生産性の向上を目的とした投資に加え、売上増加や品質向上をめざした投資が増える見込だ。