2009年1月から3月に「役員報酬」の減額の実施を公表した主な上場企業は、判明しただけで239社にのぼったことが、東京商工リサーチが15日に発表した「2009年主な上場企業『役員報酬』減額状況調査」結果によって分かった。今回が初調査のため過去データとの比較ができないものの、今年1月からの3ヵ月だけで異例の増加ぶりは、経営環境の急激な悪化を浮き彫りにしている。
役員報酬の減額を公表した239社の取締役(代表取締役、専務・常務、一般取締役のすべてを含む)の月額報酬減額率の分布状況では、もっとも多い減額幅の範囲が月額報酬「10%以上20%未満」の24社、次いで「15%以上30%未満」が15社、「20%以上50%未満」、「20%以上30%未満」、「20%一律」が各14社、「30%以上50%未満」が12社、「10%以上30%未満」と「10%一律」が各11社だった。
産業別では、「機械」の28社が最多、次に「卸売」と「サービス」が各24社、「不動産」が21社、「電気機器」が19社、「小売」が17社、「化学」と「情報通信」が各14社。このほか、「輸送用機器」12社、「建設」が7社だった。市場区分では、「東証1部上場」が110社で最多、次に「ジャスダック上場」57社、「東証2部上場」23社、「大証ヘラクレス上場」16社、「東証マザーズ上場」13社、「大証2部上場」10社と続く。
役員報酬の減額を公表した239社のうち148社で代表取締役の月額報酬減額率が判明できた。このうち、もっとも多かった減額幅の範囲は、月額報酬「30%以上40%未満」の43社、次に「50%以上60%未満」が33社など。代表取締役の月額報酬を50%以上減額した上場企業は44社にのぼった。今後も引き続き経費圧縮を進める企業が多いとみられ、経営効率と人員適正化を図るため、希望退職者を募るケースも出ると見込まれている。