所得税から住民税の税源移譲に伴い、2007年以降の所得税額が住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)より少なくなる場合は、その控除しきれない税額を翌年度の住民税から控除できることになった。ただ、この住民税減額措置を受けるためには、毎年、市区町村に申告書を提出する必要がある。総務省はこのほど、住民税の減額措置を受けるための申告書の記載要領を作成し、各自治体に通知している。
個人住民税の住宅ローン控除の対象者は、1999年から2006年に入居し、税源移譲によって2007年以降の所得税額が住宅ローン控除より少ない人だ。住民税の「住宅借入金等特別控除申告書」は、税源移譲前の所得税率と移譲後の所得税率で計算し、住民税の控除額が算出できるようになっている。同申告書は、「給与収入のみを有しており確定申告書を提出しない納税者用」と「確定申告書を提出する納税者用」の2種類ある。
給与所得者は、会社から交付される源泉徴収票の摘要欄に「住宅借入金等特別控除可能額」が記載されるので、申告書の記載要領にしたがって記載していけば簡単に住民税の控除額が算出されるようになっている。2008年度分の住民税の申告期間は、2008年2月18日から3月17日で、提出先は2008年1月1日現在居住する市区町村。また、所得税の確定申告を行えば、税務署を経由して提出することもできる。
なお、この税源移譲に伴う住民税減額措置は2006年までの入居者が対象だが、2007年・2008年の入居者については、現行の住宅ローン減税と控除期間を15年に延長した制度との選択適用を認める特例措置が創設されている。現行制度は控除期間が10年間で最大控除額が200万円だが、特例措置は控除期間を延長して最大控除額を同じ200万円とすることで、税源移譲の影響を緩和することが狙いだ。