経 営 関 連 情 報

2002年01月07日-002
東京都区部のネット企業の4割が港・渋谷区に集中

 富士通総研が経済産業省と共同で行った東京のネット企業実態調査によると、東京都区部には昨年2月末時点で1,541社のネット企業があり、千代田・中央・港・新宿・渋谷の都心5区に7割近くとなる1,061社が立地し、なかでも港区と渋谷区には都区部全体の4割近くが集中していることが分かった。

 ネット企業のビジネスの実態をみると、全体の約4分の3の企業が1990年代になってから創業されている一方、1980年代以前に創業された企業も約4分の1を占めており、海外と比較すると東京都区部の企業は比較的歴史のある企業が多いことも明らかになった。資本金は、1千万円以上3千万円未満の企業が最も多く、全体の約4割を占めるが、最近創業された企業ほど資本金の額が大きくなっており、ネットビジネスを行うのに年々多額の資本金が必要になってきている。フルタイムスタッフの数は平均33.4人で、34歳以下がほとんど。また、ほとんどの企業が今後1年間にフルタイムスタッフ、アルバイト・パートスタッフともに増加を予定しており、今後の人材確保が重要課題だ。年間売上高は1億円以上5億円未満の企業が最も多く、営業利益は100万円未満の企業から5億円以上の企業までかなりばらつきがみられるとともに、5社に1社で営業損失があり、ビジネスモデルによる収益構造の差が現れ始めていることがうかがえる。

 多くの企業にとって、現在のビジネスを行うためには東京都区部に立地することがある程度必要だ。立地要因の主なものは、顧客、人材、同業者への接触の容易さが挙げられ、ネットビジネスにおいても既存のビジネス同様にフェース・トゥ・フェースの接触が重要なようだ。望まれる政策オプションとしては、通信インフラの整備、インターネット接続料の軽減を望む企業が多く、ブロードバンドの整備や高い通信費の解消といった、わが国全体の課題として取り組まなければならない問題が、都区部のネット企業振興にとっても最も重要な政策課題となっている。

 

 

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