電通総研が5月に実施した「消費気分調査」では、今の消費トレンドは、複数の動機を満足させる“三トク(得・徳・特)”が主流となっていることが分かった。調査結果(有効回答数1000人)によると、2009年夏のボーナス使い道は、1位が「地デジ対応大型薄型テレビ」、以下、「省エネ家電」、「アウトレットモール」、「低価格ミニノートパソコン」、「割安海外旅行」、「ファストファッション」が上位となった。
また、2009年上半期(1~5月)話題・注目商品は、1位が「マスク」、以下、「ハイブリッドカー」、「ETC(自動料金収受システム端末)」、「省エネ家電」、「地デジ対応大型薄型テレビ」までが上位5に。未曾有、100年に一度と称される不況期においては、景気も気分も下降基調ではあるが、そんななかでも、インターネットなどのデバイスで、自ら情報を集め、吟味できるように進化した消費者は、新たな賢い消費現象を見せている。
消費者は、不況期には一つの得ではなかなか動けないが、複数の動機がそろうと購入への踏ん切りがつき易くなる。上記のランキングを見渡すと、ハイブリッドカーやエコポイント対象商品である省エネ家電など、消費者にとって「経済的なメリット(得)」に加えて、「社会や地球環境への貢献(徳)」にも役立ち、しかも「今の自分にとっての特別感(特)」を感じる「三トク(得・徳・特)」といった消費スタイルが主流になりつつある。
以上のような消費者意識の潮流において、夏のボーナスが出ると、三トク消費のなかでも、サーチャージが下がり割安感が高まった海外旅行や、現在“旬”な低価格ミニノートパソコン、ファストファッションが上位に挙がるなど、より即効性のある、前向きな気分転換を求める消費性向が表れた。定点観測調査でも、「たまに贅沢したことがある」比率が増えており、ボーナス支給額が減っても、ある程度活況を呈すると予測している。
消費気分調査結果の詳細は↓
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2009/pdf/2009039-0609.pdf