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ご存知ですか? 「住宅完成保証制度」

経営関連情報 - 2009年03月11日

 経営環境が悪化するなか、不動産業や建設業の倒産が相次いでいるが、もし、注文住宅会社が倒産してしまったら、建築途中の工事の続行や着手金がどうなるのかといった問題が生じる。そこで、こうした事態に備えて、万が一の損害を最小限に抑えて家を完成させるために誕生したのが、住宅保障機構の「住宅完成保証制度」だ。同制度を利用するには、所定の審査を受けて登録している住宅建設業者に工事を発注する必要がある。

 保証タイプには2種類があり、Aタイプ保証は、工事引継ぎ業者のあっ旋、引継ぎ工事により追加的に発生する費用を、当初の請負金額の20%を限度額として保証するものだ。また、Bタイプ保証は、Aタイプ保証に加え、前払い金と出来高に差額が生じた場合保証するもので、前払い金の損害保証は当初の請負金額の20%を限度とする。これらの保証は、登録業者の保証委託の申請に基づき、機構から保証書が発行されることが必要だ。

 例えば、発注者が同保証制度に登録している建設会社と2000万円の請負契約を締結し、その後、発注者が建設業者に着手金200万円と中間金400万円を支払った段階で、未完成部分を残したままで、その建設会社が倒産したとする。その場合、建設会社がBタイプ保証で登録しているときの保証限度額は、「2000万円(当初請負金額)×20%(追加費用保証限度割合)×20%(前払い金保証限度割合)」で800万円となる。

 こうした保証を受けるためには、建設会社が住宅保証機構に保証料を払う必要があるが、上記の例ではおおむね5万円~6万円という。この制度が制定された当初は、建設業者が同制度に登録していると「その会社は経営状態が悪いので登録しているのか」と勘繰られるため、あまり活用されていなかったようだが、最近では経営環境の悪化という背景もあって、登録業者は増加しており、約4万事業者(08年5月末現在)にのぼる。