帝国データバンクがこのほど発表した「レンタカー会社63社の経営実態調査」結果によると、レンタカー会社63社の2008年度の収入合計額は、6014億5900万円と、前年度比2.4%の減少となった。前年度は5.7%の増収となったものの、2008年度は減収を余儀なくされた。同調査は、レンタカー会社のうち、2006年度~2008年度(4~3月期)の3期連続で業績が判明している収入高5億円以上の企業63社を分析したもの。
収入高の増減をみると、増収は2007年度の50社(構成比79.4%)に対し2008年度は28社(同44.4%)へと大きく減少。一方、減収は同11社(同17.5%)から同29社(同46.0%)へと約3倍に増加した。また、63社のうち、損益が判明している47社の損益(当期純利益)合計をみると、2007年度は34億5600万円の赤字だったのに対し、2008年度は85億700万円の黒字となった。
しかしこれは、利益が突出しているオリックス自動車(当期純利益86億3800万円)の影響が大きく、残る46社合計を算出してみると、2008年度の損益は▲1億3000万円となった。損益の増減をみると、前年度比増益は2007年度の24社(構成比51.1%)から2008年度は12社(同25.5%)へと減少。一方、減益は2007年度の23社(同48.9%)から2008年度は35社(同74.5%)へと増加し、4社に3社が減益を強いられている。
また、黒字企業は36社(構成比76.6%)、赤字企業は11社(同23.4%)で、4社に1社が赤字となっている。帝国データバンクでは、今回の調査の結果、レンタカー需要は増加して追い風が吹いているものの、各社の業績につながっておらず、多くが業績を悪化させていることが浮き彫りになったとしている。この最大の要因は、格安レンタカー業者の新規参入による過当競争によるものとの考えを示している。
事態打開のためには、各社は多様化する消費者ニーズにきめ細かく対応し、価格ではなくサービス面での差別化を図るなど、戦略的な顧客獲得と付加価値向上が求められるとしている。今後は“車を所有しない”ニーズのさらなる高まりや、2009年3月からの週末高速料金の値下げ効果などプラス要因が業界を後押しすると推測されるため、こうした機会を捉えることができれば、収益増加につなげる可能性も高いとみている。