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修繕費とならないものの判定

税務関連情報 - 2008年10月27日

 所有する固定資産を修理・改良等した場合、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の費用は、修繕費として損金算入が認められる。ただし、その修理・改良が固定資産の使用可能期間を延長させる部分や価値を増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資本的支出となる。修繕費となるかどうかの判定は、修繕費や改良費などの名目によって判断するのではなく、その実質によって判定する。

 例えば、(1)建物の避難階段の取り付けなど、物理的に付け加えた部分の金額、(2)用途変更のための模様替えなど、改造・改良に直接要した金額、(3)機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合の通常の費用を超える部分の金額は、原則として修繕費とならず資本的支出となる。ただし、一つの修理や改良などの費用が20万円未満の場合や、3年以内を周期として行われる修理・改良の場合は、修繕費とすることができる。

 一方、一つの修理や改良などの費用のうちに、修繕費か資本的支出かが明らかでない費用がある場合は、(1)支出金額が60万円未満または前期末の取得価額のおおむね10%相当額以下であれば修繕費、(2)支出費用の30%相当額と前期末の取得価額のおおむね10%相当額とのいずれか少ない費用を修繕費とし、残額を資本的支出として、継続して経理処理しているときは、その処理が認められる、という基準がある。

 また、災害によって被害を受けた固定資産の支出費用については、(1)被災資産につきその原状回復のために支出した費用は修繕費、(2)被災資産の被災前の効用を維持するための補強工事、排水や土砂崩れの防止のために支出した費用は修繕費、(3)修繕費かどうか区分不明の場合は、その支出費用の30%相当額を修繕費(残額を資本的支出)、との基準によって修繕費となるかどうかを判定する。