急成長を続ける中国経済に向ける日本企業の視線は相変わらず熱いものがある。その中国経済について、向こう5年間(2006~2010年)の10大変化を大胆に予測するのは、中国経済論談の沈才彬・中国経済センター長の中国経済時評である。まず、人民元切上げ幅については、今年7月の2%を含め、年内に5%以内、来年末までに10%以内、2010年までに20%前後になると予測している。
次に成長方式は、「爆食型成長」から環境・資源にも配慮し、人間と自然の調和、経済と社会の調和、経済と政治の調和を主な内容とする「調和のとれた成長」への転換を目指す。言い換えれば、中国政府は「量の拡大」から「質の追求」へという成長方式の根本的な転換を求め、持続的成長と社会の安定を図るとみている。
経済規模は、今後5年間、年率8%成長、元切上げ幅15%で試算すれば、2010年に中国は日本の約6割に相当する3兆ドル強に膨らみ、フランス、イギリス、ドイツの3ヵ国を一気に追い抜き、世界第3位の経済大国になる可能性が高いという。また、中国の貿易規模は、現在の世界第3位から、2010年にドイツを追い抜き世界第2位となるとの予測だ。
そのほかでは、1)国内投資者向けのA株は低迷状態を脱却し、2008年北京五輪開催までに株価指数は5割以上急騰する、2)自動車市場規模は世界第2位へ、3)鉄鋼、船舶のバックファイアが発生する、4)「糸へん摩擦」から「金へん摩擦」へ、5)「大中華圏自由貿易圏」が発足、5)政治民主化の転換点にも、6)日本経済の「脱米入亜」が加速する、などの予測を示している。
中国経済の10大変化は↓
http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-2B34.html