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経営関連情報 (2005/04/22)

今後の労働契約法制のあり方に関する中間報告

 厚生労働省は13日、労働契約全般のルールを検討している「今後の労働契約法制のあり方に関する研究会」がとりまとめた中間報告を公表した。バブル崩壊後増加している労働条件をめぐる労使の紛争を防ぐためには、労使が自主的に契約を決めることに加え、公正で透明なルールが必要との観点から、予測可能性を高めるため、労働基準法とは別に労働契約法制をつくろうというのが、同研究会の狙いだ。

 中間報告では、労使の自主的な決定を促進するという労働契約法制の趣旨から、違反などに対しては、労基法のような行政の監督指導は行わず、裁判による履行確保が適当としている。また、労働組合の組織率の低下に伴い、1人の代表者が多様化する労働者の利益を代表することが難しくなっているため、労働条件について、労働者が集団で、かつ対等な立場で使用者と交渉できるように、労使委員会を法律でつくることを提案している。

 さらに、就業規則による一方的な労働条件の不利益変更についても、合理的なものであれば許されるという判例(秋北バス事件)が評価されていることから、これを法律で明らかにすることを提案。その際、過半数組合の合意や労使委員会委員の多数の決議があった場合には、合理性が推定されることも検討する、としている。

 なお、中間報告には、解雇をめぐるトラブルで労働者の職場復帰が難しくなった場合に、企業が金銭を支払って解決する制度も盛り込まれている。解決金の額については、個別企業の労使間で合意した基準によるとする方向での検討が適当、としている。最終報告書は2005年秋を目途にまとめられ、労働政策審議会で議論を重ねた後、早ければ2007年の通常国会に法案が提出される見通しだ。

 中間報告書の概要は↓
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/dl/s0413-8c.pdf