国税電子申告・納税システム(e-Tax)は、今年1月から開始された税理士の電子署名による代理送信により、利用件数が大幅に増加して、2006年度の国の目標値だった利用率2%を達成した。そこで、日本税理士会連合会(日税連)はこのほど、今年度以降のさらなる利用率アップのため、電子申告等に関する要望事項を5月30日に国税庁企画課宛に提出したことを明らかにした。
要望事項は、「税理士による代理送信」、「利用者識別番号、暗証番号の即時発行」、「メッセージボックス、e-Taxソフト、電子納税の改善」、「地方税電子申告の改善」など多岐にわたる。税理士による代理送信については、税理士にのみ認められた制度であり、「税理士」であることを証明する必要性から、税理士が使用する電子証明書を日税連電子認証局発行のものに限定するほか、初期登録の手続き改善を要望した。
また、電子納税の改善については、現在の仕組みでは源泉所得税の申請と同時に電子納税をしなければ、失念等により加算税や延滞税が発生するおそれがあるが、通常は申請即納税を行うような企業は少なく、今の仕組みは企業の支払事務を考慮しておらず、現状では振替納税のほうが利便性が高い。そこで、マルチペイメントシステムにおいて、納税に関しては支払者があらかじめ納付日を予約できるシステムへの改良を求めている。
一方、e-Tax普及のための税制面からの支援として、「電子証明書取得控除」を「電子申告控除」とし、税理士の代理送信による納税者も対象とすることや、第三者作成書類の添付省略範囲の拡大など4点を要望。電子申告控除の創設については、2010年度の電子申告の利用率50%達成を目指すためには、所得税において相応の金額の控除制度を創設し、相当期間継続することを要望している。