ゼイタックス

税務関連情報 (2003/12/26)
青色特別控除を65万円に引き上げ簡易簿記は廃止

 青色申告者の特典のひとつである青色申告特別控除は、記帳水準の向上を目的に1993年に創設されたもの。主に事業所得者や不動産所得者を対象に、記帳水準に応じて所得控除を認めており、正規の簿記(一般的には複式簿記)の原則に従い記帳している人は現行では最高55万円が控除される。それが、2004年度税制改正で65万円に引き上げられる。

 これは、厳しいデフレ下、リスクに弱く、納税負担などの面でしわ寄せの大きい個人事業者の置かれた状況に配慮したものだが、一方で、簡易な簿記の方法により記帳している事業者に認められている最高控除額45万円という経過措置は廃止される。いずれの措置も、2005年分以後の所得税及び2006年分以後の個人住民税について適用される。

 簡易な簿記の方法で記帳している人は、2005年以降は正規な簿記の原則に従い記帳しないと、最高10万円の青色申告特別控除しか認められないことになり、その差は大きい。制度創設後10年が経ち、事業者の基調水準も向上したとの判断であろうが、これまで簡易な簿記の方法で記帳してきた人は、2005年に向けて正規の簿記を習得する必要がある。