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税務関連情報 (2008/01/28)

国民負担率は初めて40%台を突破

 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は23日、2007年度の当初予算ベースでは39.7%だった国民負担率が、補正予算後の実績見込みでは40.0%、2008年度予算では40.1%となる見通しと発表した。これで5年連続上昇し、初めて40%を突破、過去最高となる。2008年度見通しの内訳は、国税が14.3%、地方税が10.7%、租税負担率が25.1%、社会保障負担が15.0%。

 2008年度の国税と地方税を合わせた租税負担は2007年度当初予算に比べ横ばいだが、社会保障負担は0.4ポイント増となる。国民負担率上昇の背景には、少子高齢化に伴い社会保障負担が増えていることがある。諸外国(2005年実績)と比べた場合、アメリカ(34.5%)よりは高いが、スウェーデン(70.7%)、フランス(62.2%)、ドイツ(51.7%)、イギリス(48.3%)などほとんどの国より低い。

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2008年度の国民所得(前年度に比べ7万1千円増の384万4千円)に対する財政赤字の割合は前年度から横ばいの3.5%となる見通し。この結果、2008年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、前年度から横ばいの43.5%となる見通しだ。

 なお、租税負担率は、戦前の1934~36年度は13%程度だったが、戦後は45年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移してきた。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.6%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移している。累次の法人税率の引下げや所得税減税、低成長による税収減などの影響だ。しかし、今後は定率減税が廃止されたほか消費税率の引上げなどが予定されており、再度上昇するおそれがある。