サービス産業のウエイトは、産業構造の変化とともに着実に高まり、現在ではGDP及び雇用の7割弱を占めるまでになっている。また、近年の製造業従業者数の急速な減少をサービス産業が多く吸収するなど、新たな雇用創出の担い手としてもその重要性を増している。こうしたわが国経済における重要性が高まっているサービス産業の動向と展望を調査・分析したのは、中小公庫総研の分析レポートである。
レポートによると、多様な役割を担うサービス産業は元来、大規模な設備や多くの商品在庫などを必要としない業態が多いため、柔軟性に富み、時代の変化に即応して、これまでにない新しい事業を生む可能性を内包している。そのため中小企業においても、新しいビジネスモデルのイノベーションを生起し、新市場を創造しながら急速な成長を遂げるケースも少なくないと分析している。
また、同レポートでは、サービス産業全体を概観し、取り巻く環境を整理した結果、「事務所向けサービス産業」については、コア・コンピタンス経営やキャッシュフロー経営へのシフトといったユーザー側企業の構造変化を反映して、今後の発展が見込めることを確認。同様に「個人向けサービス産業」については、人口構造の変化や個人のライフスタイルの多様化を反映して、今後も発展していくとみている。
次に、特に注目される分野として「人材サービス(人材派遣)」、「情報通信(コンテンツ、インターネット広告)」、「フィットネスクラブ・エステティックサロン」の3分野をピックアップして、その業種に係る市場規模や事業環境、資金調達形態などの実情を詳細に分析・整理。さらに、まとめとして、サービス産業の業態の類型化と特徴的な取組みや有望業種の発展要因を整理して提示している。
同レポートの全文は↓
http://www.jasme.go.jp/jpn/result/c2_0609.pdf