ブロードバンド回線の普及がネットショッピング市場に追い風となっているようだ。富士通総研がこのほど発表した「インターネットショッピング2004」調査結果(有効回答数1123件)によると、インターネットを1週間に「10時間以上」利用している人は、ブロードバンド利用者で6割を超えており(62.7%)、「30時間以上」も16.8%いた。これに対し、ダイヤルアップ利用者は「10時間未満」が72.6%を占める。
ブロードバンド利用者に、常時接続の回線に変更した前と後でのネットショッピングの1週間の利用時間と利用頻度の変化を尋ねると、どちらについてもほぼ4人に3人が「以前よりかなり増えた」と回答し、「多少増えた」と合わせ9割強が利用時間と頻度の増加を感じている。なお、この1年間のネットショッピングは、平均8.8回、9万5606円となっている。
また、直近1回のネットショッピングで利用したショップが、そのとき初めての利用だった回答者(281人)に限定して、どのようにショップを見つけたかを質問。数ある選択肢のなかで、もっとも多かった方法は「サーチエンジンで検索」(37.0%)で、次の「モールで探した」(11.7%)以下にかなりの差をつけた。
ちなみに、281人の回答中、「モール・ポータル出店ショップ」で購入した人は117人いたが、その全員が最初からモールで探したわけではない。「モールで探した」人はさすがに25.6%と多いが、それを上回る29.9%の人が「サーチエンジンで検索」している。ネットショップ経営者にとって、モールやポータルへの出店は集客に有効だが、並行してサーチエンジンの検索に引っかかるようにしておくことも重要だ。
ネットショッピング市場の最大の成長要因だったPCインターネット人口の拡大は、2001年ごろを境に鈍化の一途をたどっているが、それでも市場は依然として伸び続けている。富士通総研では、今回の調査によって、その要因として「ブロードバンドの普及」「他のチャンネルと比べたインターネットの優位性認識拡大」「ネット歴およびネットリテラシーの蓄積」の3つを確認したとしている。これらの効果はしばらく継続するとみられ、ネットショッピング市場には今後数年間は追い風が吹くと予想している。