ゼイタックス

経営関連情報 (2007/02/09)

高まる企業の採用意欲、今春新卒採用増やす55%

 団塊世代の大量退職や事業拡大などに伴い企業の採用意欲が高まっている。日本経団連が昨年12月に実施した「2006年度・新卒者採用に関するアンケート調査」結果(有効回答数602社)によると、今年度に新卒者採用を実施した企業は94.4%にのぼり、このうち採用人数を前年より「増やした」企業が55.4%と、前年度を1.5ポイント上回り、4年連続の上昇で、1997年度の同調査開始以来最高の割合となった。

 今年度の新卒採用の総合的評価については、採用内定者に対する評価は「従来と変わらなかった」が71.6%、「従来よりよい人材が採用できた」は20.1%だった。採用予定に対する充足率は、「100%」が53.5%、「90%」が25.9%、「70~80%」が14.2%と、多くの企業がほぼ予定通り採用している。就職採用市場の評価では、「昨年に比べて売り手市場だった」との企業が88.6%と、前年度から13.8ポイントも上昇した。

 一方、採用試験の内容(複数回答)は、「面接試験」(99.1%)や「適性試験」(84.0%)、「筆記試験」(77.8%)がほとんどだが、筆記試験の内容(複数回答)は、「基礎学力」(72.4%)が中心で、「一般常識」が40.5%、「小論文・作文」が31.2%、「外国語」が25.6%と続く。 選考にあたっての重視点(複数回答)は、「コミュニケーション能力」(81.7%)、「チャレンジ精神」(53.7%)、「協調性」(53.0%)などの順だった。

 また、内々定を出した学生の辞退率は、「30%程度」が23.6%でもっとも多く、次いで「10%程度」が21.6%、「20%程度」が19.1%の順。年間新規採用者全体に占める中途(経験者)採用の比率は、「10%程度」が27.5%でトップ、「20%程度」が17.3%で続く。5年前と比べると、「0%」が25.2ポイント減の17.6%と、中途採用する企業が増加し、特に「50%以上」が9.3ポイント増の15.0%となったことが目立つ。

 なお、2007年度は90.5%の企業が採用を予定しており、2006年度と比べ採用予定人数を「増やす」とする企業の割合は24.5%、「変わらない」が71.4%となっている。

 同アンケート調査結果の詳細は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/008kekka.pdf