ゼイタックス

主婦層に認知度低い「食品トレーサビリティ」

経営関連情報 - 2008年12月10日

 近年、食品に関する諸問題が相次いで発生し、消費者の「食の安全」に対する関心が高まるなか、食品の安全性を確保する「食品トレーサビリティ」が注目されている。しかし、三井物産戦略研究所が全国の20~69歳の主婦を対象に実施した「食品トレーサビリティに関する主婦の意識調査」結果(有効回答数2060人)によると、「食品トレーサビリティ」という言葉を約66%の主婦が「初めて聞いた」と回答、認知度が低いことが分かった。

 食の安全に対する意識については、「自分が購入している食品の安全性に不安を覚えたことがある」との回答が78.6%、「多少高くても、安心して食べられる食品を買いたい」との回答が88.0%に達した。また、「生産者や販売者は安心な食品であることを証明するために、消費者にもっと情報提供すべきだ」との回答が94.5%にのぼり、提供された情報を参考にして、自分で安全を確認したいという主婦の意識がうかがえる。

 一方、食品トレーサビリティの認知状況は、「制度や仕組みも含め、よく知っている」との回答は2.9%に過ぎず、「なんとなく知っている」が15.3%、「言葉だけは知っている」が15.7%と、残りの66.1%は言葉も知らない結果となった。「初めて聞いた」との回答は、昨年調査より4.1ポイント減とわずかに減少したものの、依然として主婦層においては「食品トレーサビリティ」という言葉が浸透しているとはいえない状況にある。

 なお、食品トレーサビリティを特に導入すべきと思う食品(5つまで回答)は、「牛肉・豚肉・鶏肉」が73.5%ともっとも多く、次いで「生鮮野菜・果物」(60.1%)、「ひき肉・肉加工品」(52.0%)、「冷凍食品」(41.1%)、「生鮮魚介・海藻」(32.8%)、「お米」(31.9%)などとなった。上位の3つは前年調査と変わらないが、4位の「冷凍食品」の回答率の伸びが突出しており、昨今の食品事故の影響がうかがえる。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://mitsui.mgssi.com/issues/topics/t0812h_syosai.pdf