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中小企業が想定する災害は「火災」「地震」が突出

経営関連情報 - 2009年08月28日

 今年の梅雨は終盤の記録的な豪雨により各地に大きな被害をもたらした。企業の事業継続を脅かす災害は、風水害に限らず地震や火災、さらには新型インフルエンザの流行など数多い。大阪市信用金庫が府下一円の取引先企業を対象に7月中旬に実施した「中小企業における緊急時対策に関する調査」結果(有効回答数1296社)によると、中小企業が想定する災害(複数回答)は、「火災」(77.2%)と「地震」(74.2%)が突出して多かった。

 これは、自社の操業の一部・全面停止という緊急事態をもたらし得る災害を想定したものだが、以下、「新型インフルエンザ等の伝染病」(33.5%)、「水害」(30.8%)、「台風」(28.5%)などの順。業種別にみると、「火災」は製造業が83.6%と8割を超えて最多。また、「新型インフルエンザ等」は小売業(飲食含む)が52.9%と唯一5割を超え、先の感染拡大発覚時における騒ぎが小売業に大きな悪影響を及ぼしたことがうかがえる。

 過去に何らかの災害により自社の操業が停止した経験は、「全面停止」との企業は2.4%だが、「一部停止」が23.1%あり、操業停止の経験がある企業の合計は25.5%と4社に1社の割合となった。業種別では運輸業が40.9%でもっとも多い。一方、防災訓練の実施状況は、「定期的に実施」はわずか4.8%、「定期的ではないが実施」も19.8%にとどまり、「実施していない」が75.4%と、4社に3社が防災訓練を実施していない状況にある。

 自社が災害に見舞われた場合に備えた、事業継続に必要な書類や帳簿、電子データなどのバックアップ体制については、「十分整っている」とする企業は11.7%と1割程度。「一部のみ整っている」が38.7%で、「整っていない」企業が49.6%とほぼ5割を占めた。また、政府は中小企業を含むすべての企業に、緊急時における「事業継続計画(BCP)」の策定を呼びかけているが、「策定している」と回答した企業はわずか3.1%に過ぎなかった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka-shishin.co.jp/houjin/keiei/pdf/2009/2009-08-19.pdf