東北地震で日銀が資産買入基金を40兆円に
日銀は14日の政策決定会合で、東北地方太平洋沖地震の発生後、金融市場及び金融機関の業務遂行への影響を把握するとともに、金融機能の維持及び資金決済の円滑を確保するために、万全の措置を講じることとした。また、適切な金融市場調節の実施を通じて弾力的な資金供給を行っていくため、実体経済に悪影響を与えることを未然防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とした。
わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から脱しつつあり、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。先行きの見通しは、緩やかな回復経路に復していくという判断を維持。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられるが、今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念している。
このような情勢認識の下、金融緩和を一段と強化することを決定した。企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とし、2012 年6月末を目途に増額を完了する。ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日銀法上の認可取得を条件とする。
増額の内訳は、長期国債が0.5 兆円程度、国庫短期証券が1.0 兆円程度、CP(コマーシャルペーパー)等が1.5 兆円程度、社債等 が1.5 兆円程度、指数連動型上場投資信託が0.45 兆円程度(認可取得を条件とする)、不動産投資信託が0.05 兆円程度(同)。日銀では、引き続き、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針だ。
この件の詳細は↓
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110314a.pdf