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08年度コンプライアンス違反が倒産理由は156社

経営関連情報 - 2009年05月18日

 帝国データバンクがこのほど発表した「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査」結果によると、今年3月までの1年間に、コンプライアンス(法律遵守・倫理遵守)違反を倒産理由の一つとして法的整理となった負債額1億円以上の企業は156社にのぼり、2007年度の146社に比べて6.8%の増加となった。負債総額は156社合計で前年度比34.4%増の1兆4546億円。負債額トップは事業者金融業者SFCGの5500億円だった。

 コンプライアンス違反で法的整理となった企業の従業員数は合計1万2092人にのぼった。トップは不動産業リプラスの778人。また、156社を業種別にみると、「建設業」が50社で4年連続トップ、うち「談合」が25社を占めた。以下、2位が「卸売業」(30社)、3位が「サービス業」(24社)と続き、4位は「製造業」(23社)だが、2005年度(7社)と比べ3倍超の伸びだった。5位は「小売業」(11社)。

 違反類型は、「粉飾」が44社で3年連続のトップ。2005年度と比べると4倍超も増加しており、監査の厳格化による粉飾の発見や、経済環境の悪化による循環取引の途絶により粉飾が露見し、破綻する例が多い。2位は「談合」の30社で、減少する兆しがない。3位は、役職員の横領や親密先への不透明な資金流出など「資金使途不正」の22社。4位は「業法違反」の19社だが、政府・自治体の法令強化や適用の厳格化が原因とみられる。

 業種を問わず、いわゆる循環取引や水増し受注の手法などで粉飾決算を行っていたことが表面化する例が増えている。粉飾決算はその場しのぎに過ぎず、監査の厳格化や支払遅延、支援要請などで実態が露見し、結局は負債を拡大して破綻にいたる例が散見される。遵法精神の乏しい社会性の欠如した会社との取引や支援は敬遠されやすく、コンプライアンスに違反している企業の破綻は、今後も増加傾向が続くとみられている。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090501.pdf