社会経済生産性本部がこのほど発表した「国民の豊かさの国際比較」(2008年版)によると、日本の国民の豊かさは、OECD加盟30ヵ国中で第7位と、前回(2007年)と同順位だった。この豊かさの国際比較は、OECDや世界銀行の最新資料(主として2006年のデータ)から選択した56指標を、健康・環境など6カテゴリーに分け、各指標を偏差値により総合化した「豊かさ指標」によって比較したもの。
比較の結果、第1位は前回同様ルクセンブルグ、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位スイス、5位フィンランドと続き、4年連続で上位5ヵ国は北欧など欧州諸国が独占した。日本の総合指標値は前年の54.88から54.67へとわずかに下がったが、主要先進国のなかではトップ。米国は12位、英国は16位。日本は6つのカテゴリー指標のうち、マクロ経済が低くなっており、この点が日本の課題といえる。
カテゴリー指標での日本のランキングは、「環境」の4位が最高で、「健康」5位、「労働経済」9位、「文明」10位のほか、「教育」は前年の13位から11位へと順位を上げたが、「マクロ経済」は22位から23位へと一つランクを下げた。マクロ経済指標が低迷している要因は、「1996~2006年の平均経済成長率」の低さ、「国民1人あたり政府累積債務」の多さにあり、これらの個別指標はともに最下位の30位となっている。
日本が1位となった個別指標は、「平均寿命」、「人口1000人あたり病院ベッド数」、「単位労働コスト(生産物1単位生産するのに要する賃金)の低下率」、「特許取得数」、「GDPデフレータ上昇率(年平均マイナス1.0%)」の5指標だった。反対に最下位の指標は、「国民1人あたり国際観光収入」、「平均経済成長率」、「1人あたり政府累積債務」だった。「1人あたり耕作地面積」、や「同輸出額」、「同輸入額」もいずれも28位と低い。
「国民の豊かさの国際比較」の概要は↓
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000890/attached.pdf