わが国では、クレジット・カードの利用が着実に拡大し、いまや現金、口座振替に次ぐ第3の決済手段として消費者の間で定着している。そのクレジット・カード利用の日常化の要因や今後の展望などを分析するのは、日本総研のレポートである。まず、消費者によるクレジット・カードの日常的な利用の背景として以下の4点を挙げている。
第1に、主婦によるカード保有・利用の増加である。年会費の引下げや無料化によって、価格に敏感な主婦がカードを初めて保有する、または複数枚保有するようになり、カードの特典を駆使しながら利用を増やしている。第2に、カードの利用可能範囲の拡大。カード加盟店の数・種類の着実な増加、急速に普及しつつあるオンラインショッピングでクレジット・カードが主要な決済手段となっている。
第3に、クレジット・カードの決済処理に要する時間の短縮。信用照会速度の向上、サイレンス決済の拡大によって、カードの利便性が著しく向上するとともに、カード利用への消費者の心理的負担が軽減された。第4に、カード発行会社による決済機能以外の付加価値の提供がある。なかでも、ポイント・プログラムの拡充や、個々人のライフスタイルや趣味・嗜好に合致したカードの提供が、消費者の利用促進につながっている。
先行きを展望すると、1)医療機関・公共料金・オンラインショッピングなどでカード利用の拡大余地が大きいこと、2)高齢者によるカード利用の拡大や、まとめ買いの傾向の強い共働き家庭の増加など、人口動態・就労形態の変化がカード利用の追い風となること、などの点を踏まえるとクレジット・カード市場の一段の拡大が見込まれる、とレポートは予測している。
レポートの詳細は↓
http://www.jri.co.jp/thinktank/research/credit/2004/07.pdf