東京商工会議所はこのほど、「2008年度税制改正に関する要望」を公表し、中小企業の成長力の底上げの観点から、現行の消費税について、簡易課税と本則課税の選択の柔軟化、申告期限の延長制度の創設などの改善を求めた。また、わが国企業の99.7%、雇用の7割を占める中小企業が景気回復を実感し、成長力を高めるためには、経営基盤の強化が喫緊の課題だとして、包括的な事業承継税制の早急な確立を要望した。
現行の消費税制度については、消費税課税事業者選択届出書等の提出期日が課税期間の開始日の前日までのものが多く、課税期間内に課税方式等の変更ができず、納税者の混乱を招くことや、課税期間が1年なのに、一度選択した課税方式を2年間継続適用しなければならないこと、免税事業者や簡易課税事業者の判定は前々事業年度の課税売上高が基準のため、経済情勢等に対応した柔軟な制度選択が難しいことなどの問題点を示した。
こうしたことから、1)消費税の各種届出書等の提出期日を申告期限の末日とする、2)消費税の課税方式、課税期間、仕入控除税額計算方式の2年間継続適用の規定を廃止、3)免税事業者及び簡易課税事業者の判定は、基準期間を廃止し、当該課税期間の課税売上高によること、などの見直しを求めた。そのほか、消費税滞納防止のため、課税額の多寡に拠らずに中間申告ができ、その回数も任意に選択できるように要望している。
また、中小企業の底上げと基盤強化のため、包括的な事業承継税制の確立を要望。具体的には、中小企業経営者が相続により資産を承継する際、事業用資産に係る相続税は本来は非課税とすべきだとした上で、まずは、わが国においても欧州諸国と同様に、後継者が相続後一定期間、事業を継続することなどを条件に、非上場株式等の事業用資産に対する相続税負担を8割以上減免することを求めている。
東商の「2008年度税制改正に関する要望」の詳細は↓
http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/teigen/2007/190914-2.pdf