個人情報保護法の全面施行は来年4月からだが、すでに数多くの「個人情報流出事件」がマスコミで報じられ、個人情報保護に対する消費者の関心・意識も高まっているようだ。このほど「個人情報流出」に関する調査レポートを発表したのは日本能率協会総合研究所。調査結果(有効回答数7634人)によると、「個人情報流出事件」における企業対応策に対し、消費者は厳しい評価を下していることがわかった。
「個人情報流出」を起こした企業は、顧客へのお詫びとして、1)500~1000円程度の商品券や郵便為替などの金券を渡す、2)営業活動の自粛、3)詫び状やメールなどの送信のみ行う、4)謝罪広告の掲載などの対応がみられた。しかし、これらに対する評価は低く、「評価できる」としたのは、「営業の自粛のみ」が13.4%でもっとも高く、「金券」(9.1%)、「詫び状やメールのみ」(4.0%)、「謝罪広告のみ」(2.6%)はかなり評価が厳しい。
また、仮に個人情報(氏名・住所・電話番号)が流出して、「金券」が送られてくるとした場合の希望金額としては、「1万~2万円」が全体の25.5%と約4分の1を占めもっとも多かった。次いで「1000~2000円」が20.9%で、「1000円未満」は4.6%と低く、1000円を超える金額が消費者に受容されやすい価格帯と思われる。
仮に個人情報が流出したとした場合、その企業に対し要求すること(複数回答)としては、「自分の情報が流出したかどうかの通知」が85.4%でもっとも高く、次いで「個人情報流出の経緯の説明」(76.7%)となった。「高額な金券の配布」(63.9%)や「詫び状」(61.5%)なども要求としては高いものの、強く要求されている項目からみると、まず優先すべきは「情報流出の有無」と「経緯の説明」となろう。