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新型インフルエンザ、発症者数は全世界で393人

経営関連情報 - 2009年01月16日

 近年、鳥インフルエンザ(H5N1)が鳥から人に感染する事例が数多く報告されている。この鳥のインフルエンザウイルスが変異し、新型インフルエンザが発生する可能性が危惧されている。厚生労働省が13日に発表したところによると、WHO(世界保健機関)の報告では、新型インフルエンザの全世界の発症者数は2003年から今年1月7日現在の累計で393人、うち死亡数は248人となっている。

 WHOの報告は検査で確定された症例のみであり、潜在的な感染者はさらに多いと推測される。国別にみると、「インドネシア」が139人(うち死亡者数113人)でもっとも多く、次いで「ベトナム」が107人(同52人)、「エジプト」が51人(同23人)、「中国」が31人(同21人)、「タイ」が25人(同17人)などで続く。日本では、ニワトリなどの家きん類や野鳥などの発症例はあるが、今のところ人の発症例はない。

 また、発症者数を年別にみると、2008年は42人で、前年(88人)からは半減し、これまでもっとも多かった2006年(115人)以降2年連続で減少している。とはいえ、新型インフルエンザウイルスは、いつ出現するのか、誰にも予測することはできない。これだけグローバル化が進んだ状況下では、世界のどこかで発症例がみられる限り、わが国でも予断を許さない状況が続くことになる。

 新型インフルエンザウイルスとは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスが人に感染し、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと効率よく感染できるようになったもので、このウイルスが感染して起こる疾患が新型インフルエンザである。人間界にとっては未知のウイルスでほとんどの人は免疫を持っていないので、容易に人から人へ感染して広がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性がある。

 幸いにしてわが国は現在のところ人への発症例は報告されていないが、日本政府は、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、人口の約4分の1の人が感染し、入院患者は53万~200万人、死亡者は17万~64万人と推定している。マスコミ報道に踊らされることなく、現状を正確に認識した上で、国民一人ひとりも基本的な予防や対応を正しく理解することが必要なのではないか。

 厚生労働省の新型インフルエンザに関するQ&Aは↓
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html