2003年09月01日-002
パートの増加など進展する就業形態の多様化
就業形態が多様化しているが、その実態を知ることは経営上(雇用面)では重要である。就業形態の多様化とは、正社員などの正規雇用以外のパート・アルバイトなど様々な就業形態の拡大をいう。厚生労働省がこのほど公表した「2002年版労働経済の分析」によると、就業形態の多様化の流れは中長期的に進展しているが、1990年代後半にやや加速している。
この背景として、労働者側要因としては、中長期的には女性や高齢者が非正規雇用で働くようになったことがあるが、最近では、特に若者世代で就労に対する価値観が多様化し非正規の雇用形態を望む労働者が増えていること、正社員での雇用機会が減ってやむなく非正規雇用で就職している者が増えていることが考えられる。
一方、企業側要因としては、非正規雇用比率の高いサービス業など第三次産業の拡大のほか、最近では、個々の企業における非正規雇用の活用の拡大が考えられる。また、景気に対する不透明感が高まる中で、人件費削減や雇用における柔軟性の確保や、専門的人材、即戦力・能力ある人材の確保のために、非正規雇用が活用される面が強まっている。
就業形態別に直近の状況をみると、「パート(短時間)」では業務の繁閑に対応するために雇用されている面が強いのに対し、契約社員・派遣社員・出向社員では専門的業務への対応や即戦力・能力のある人材確保といった面から雇用されている。
なお、非正社員の活用による影響について、企業は、「正社員が高度な仕事に専念できている」「労働生産性が向上している」といった長所を挙げる一方で、「ノウハウの蓄積・伝承ができていない」「職業訓練が行いにくくなっている」といった短所を挙げている。また、非正社員の活用上の課題としては、「良質な人材の確保」の割合が最も高くなっている。
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