国税庁では、納税者の税に関する質問や相談に応えるため、全国139ヵ所の税務相談室で、相談官が電話や面接により対応している。この納税者サービスのほかに、インターネットや電話音声案内などで税金の質問にコンピュータが自動回答する「タックスアンサー」がある。全国52ヵ所のタックスアンサーには約600の税金に関する解説が収録されており、利用者は相談項目のコード番号を指定することで回答が得られる仕組みだ。
今年3月までの1年間(2005年度)のタックスアンサーや電話相談室の利用相談総件数は、前年度を9.8%(293万件)上回る3278万件だった。これは、相談総件数の約9割を占めるインターネットの利用が同11.4%増の2965万件と増加したことが大きな要因となっている。また、そのインターネットでの相談のうち携帯からのものが91万件あり、こちらも前年度に比べ16.9%増と大きく伸びている。
タックスアンサーの回答内容は毎年の税制改正などを受けて追加・修正しており、このたびも2006年度税制改正に対応した改訂を行っている。主な項目では、「役員に対する給与」や「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」、1人あたり5千円以下の飲食費が損金算入となった「交際費等の範囲」などが新設されたほか、相続税の物納・延納や損害保険料控除の項目などが改正されている。
タックスアンサーは様々の税金に関する概要を分かりやすく説明しており、税金に関して疑問が生じた場合は、まずタックスアンサーの利用をお勧めしたい。専門家に相談する場合でも、基本的な内容を踏まえた上での相談が問題解決の早道となる。ちなみに、2005年度のタックスアンサーの利用でもっとも多かったのは「医療費を支払ったとき(医療費控除)」、次いで前年度に比べ74.2%増となった「所得税の税率」だったという。
タックスアンサーは↓
http://www.taxanswer.nta.go.jp/index2.htm