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都足立区、税の使い道を住民が選べる寄附制度導入

税務関連情報 - 2009年04月27日

 東京都足立区は今年度から、国の「ふるさと納税」を活用して、税金の使い道を住民が実質的に選ぶことができる「あだち虹色寄附制度」を導入した。同制度は、ふるさと納税をする際、福祉や緑化など使ってほしい事業を行う基金を選ぶことで、足立区に対して使い道を限定する寄附となる。寄附をすれば、個人はおおむね寄附金額から5000円を引いた額が所得税・個人住民税から税額控除され、法人は全額を損金算入できる。

 区では、寄附の受け皿として、地域の福祉や教育、まちづくりなどに取り組むボランティア団体やNPO法人を助成する「協働パートナー基金」、植樹や緑化事業に充てる「緑の基金」を創設。「あだち虹色寄附制度」は、すでにある高校生・大学生の奨学金基金や福祉施設建設向けの福祉基金、文化事業に活用する基金などを含めて、これらの基金を選択して寄附することで、使途を限定した寄附金制度となる。

 足立区に寄附をしたい個人・法人は、寄附をしたい基金を選んで寄附を申し込むと、区役所から寄附額を書き込んだ払込用紙が送られてきて金融機関に払い込み、個人であれば、翌年に税務署に確定申告すると所得税が控除され、確定申告書が区役所にも送られて個人住民税も控除される仕組みだ。控除限度額は住民税の1割程度に設定されている。法人は、その事業年度の所得の計算にあたり、寄附金額の全額が損金算入できる。

 寄附金の使い道を指定しても、税金の使い道は議会が決めるため、厳密には寄附者が決めることはできないが、寄附金を指定した基金(分野)以外には区が使わないことで、実質的に使い道を選ぶことができる。なお、1万円以上寄附した場合には、足立区から記念品(オリジナルピンバッジ)が、また一定額を超えた寄附の場合には、記念品に加え感謝状(または記念の盾)が贈呈されるという。