国税庁は、昨年7月に退職した指定官職の税務職員(OB税理士)に対する顧問先等のあっせん状況を明らかにしたが、これによると全国の国税局(所)で斡旋を行った人数は402人で、その顧問先等の斡旋1人あたりの平均斡旋企業数は7.9社、1人あたりの平均月額報酬等の額は49万円だった。前年と比べると、斡旋人数は83人減り、斡旋件数及び平均月額報酬等の額はほぼ変化はない。
しかし、公表されるようになった2003年と比較すると、斡旋件数で約5件、平均月額報酬等の額は約28万円あまり減少しており、年収ベースではこの間で実に約336万円も減っている。これが、最近のOB税理士が開業時に個人で事務所を持たず先輩税理士の事務所に間借りしたり、共同で一室を借りて間仕切りして業務を行っている状況につながっているようだ。
退官時の官職をみると、税務署長が236人と6割近くを占め、国税局部長が13人、国税局長及び審判所長がそれぞれ2人のほか、税務署の副署長や税務相談官、特別国税調査(徴収)官などとなっている。
国税退職職員の斡旋に関しては、以前から行われていたもののその状況について公表はされていなかったが、行政の透明性を増すために政府が進めている情報開示の一環として、国税庁が2003年から公表している。また、OB税理士の斡旋方法については、過去には各国税局(所)の人事課や税務署の副署長も補佐役として関わってきたものが、現在では各国税局(所)の人事課が一括して斡旋を行うこととされている。