金融庁が22日に公表した「偽造キャッシュカード問題に関する実態調査」結果によると、被害にあったカードの暗証番号の41%が生年月日やそこから推測できるもので、不明なケースを除けば57%にのぼることがわかった。同調査は、全国銀行協会などの業界団体による偽造カード被害アンケートで昨年9月以前に発生したとされる被害231件について、金融機関から任意報告を求め、33機関から208件の回答を得たもの。
調査結果によると、被害にあった口座は関東が全体の引出し回数の90%を占める。被害額を件数ベースでみると、「100万円以下」が全体の40%、「100~500万円」が43%、「500万円超」が17%を占め、100万円超の被害が6割にのぼる。一方、金額ベースでは、被害額「100万円以下」は全体の3%、「100~500万円」が29%、「500万円超」が67%を占め、特に「1000万円超」は全体の被害総額の49%にのぼる。
引出しの時間帯は、銀行のATMでは「8時~18時」の引出しが回数ベースで66%、金額ベースで66%であるのに対し、コンビニのATMでは、「23時~2時」の引出しが回数ベースで76%、金額ベースで78%を占めており、深夜に集中している。また、引出しの所要日数をみると、74%が「1日」で引き出されており、「2日」が15%、「3日」が6%と3日以内のものが95%を占めている。
これに対し、被害者が被害を「3日以内」に気づいたのは25%に過ぎず、「4~7日」が27%、「8~14日」が17%、「15~29日」が18%、「30日以上」のものが13%あった。被害発生の要因として、スキミング(不正読取り)などにあった場所は71%が不明だが、心当たりのある場所としては、「ゴルフ場」(20%)や「サウナ・マッサージ」(5%)が多かった。なお、金融機関が預金者に補償したのは、一部補償も含め9%に過ぎない。
金融庁は、これらの調査結果を踏まえ、全銀協などの業界団体に対し、1)ICキャッシュカードや生体認証の導入などの犯罪防止策、2)ATM利用限度額の引下げや異常取引の早期発見・被害拡大防止体勢の確立、3)捜査当局への適切な協力や被害者への丁寧な説明・対応などを要請した。また、同庁内に偽造カード問題スタディグループを設置し、犯罪防止策や犯罪発生後の対応、預金者への補償のあり方を検討する。
調査の詳細は↓
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/ginkou/f-20050222-1/01a.pdf