2009年度税制改正では、企業立地を通じた地域産業集積の活性化を促進し、国民経済の発展を図るという観点から、企業立地促進税制の適用期限が2年延長されるとともに、対象業種に「窯業・土石製品製造業」が追加される。近年、海外との激しい立地競争環境にある「窯業・土石製品製造業」においては、今後、企業立地が見込まれる分野として「液晶用ガラス基盤」や「炭素繊維」などが挙げられている。
企業立地促進税制は、地方自治体が策定する「基本計画」中に設定された集積地域において、集積業種として指定された業種に属する事業を行うため、都道府県知事から「企業立地計画」の承認を受けた事業者が、同計画に従って一定の要件を満たす機械装置並びに建物等を取得した場合に、その設備について、機械装置は15%、建物等は8%の特別償却が適用される措置である。
同税制の対象設備は、(1)「国内外の厳しい競争条件の下にある業種」と(2)「農林漁業との関連性が高い業種」によって内容が異なる。繊維工業や化学工業など(1)の業種の対象設備は、機械装置は1台または1基の取得価格が1000万円以上、かつ、対象設備の取得等に要する総投資額が3億円以上、建物等は取得価格の合計が5億円以上とされ、現行は13業種が指定されているが、2009年度から「窯業・土石製品製造業」が追加される。
また、食料品製造業や木材・木製品製造業、プラスチック製品製造業、飲食料品卸売業、家具・建具卸売業など12業種が指定されている(2)の業種の対象設備は、機械装置は1台または1基の取得価格が500万円以上、かつ、対象設備の取得等に要する総投資額が4000万円以上、建物等は取得価格の合計が5000万円以上とされている。企業立地促進税制は、これらの業種の国内立地へのインセンティブを高めることが狙いだ。