平均妥結額は5555円で額・率ともわずかに前年上回る
労使交渉の実情を把握するため、厚生労働省では民間主要企業の春季賃上げ要求・妥結状況を毎年、集計しているが、このほど2011年の集計結果をまとめた。集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額(定期昇給込みの賃上げ額)などを把握できた322社。 平均妥結額は5555円で、前年(5516円)に比べ39円の増だった。
また、交渉前の平均賃金に対する賃上げ率は1.83%で、前年(1.82%)比0.01ポイントの増。妥結額・賃上げ率ともわずかに前年を上回った。具体的な要求額を把握できた293社の平均要求額は5870円で、前年(5761円)比109円の増。妥結時期のピークは、前年が「3月中旬」なのに対し、本年は東日本大震災の影響等で、「3月下旬」に。また、すべての企業が妥結した時期は、前年が「5月中旬」なのに、本年は「6月上旬」だった。
民間主要企業の賃上げ要求・妥結状況をみると、賃上げ率がもっとも高いのが「窯業」(3社)の2.06%、次いで「建設」(23社)が2.02%、「自動車」(37社)と「機械」(16社)が1.99%と続く。妥結額では、「化学」(32社)の6536円がトップ、以下、「建設」(23社)6528円、「電気機器」(10社)6242円、「自動車」の6114円と続く。また本年は、ゴム製品、鉄鋼、電力・ガス、が要求額と妥結額が一致、いわゆる満額回答となった。
一方、春季賃上げ状況の推移をみると、1965年から1975年までは10%を超える賃上げが続き、1974年には32.9%の賃上げ率を記録。その後は一ケタの賃上げが続き、2002年に2%を切り、1%台で推移している。ここ5年間は2007年1.87%、2008年1.99%、2009年1.83%、2010年1.82%、そして2011年は1.83%に。現行賃金ベース30万3453円に妥結額5555円を加えた30万9008円が2011年度のベースになる。
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http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001kau1.html