国民生活金融公庫が20日に公表した小企業の雇用動向調査結果(有効回答数6708社)によると、従業員の過不足判断DI(「不足」-「過剰」企業割合)が前年の▲2.6から5.4ポイント上昇し、2.8となった。DIが「不足」超となったのは4年ぶり。「不足」企業割合は17.2%で前年より2.4ポイント増加、「過剰」企業割合は14.4%で同3.0ポイント減少。業種別では、製造業(7.8)、情報通信業(23.5)、運輸業(10.1)で不足感が強い。
企業が「この1年間に新たに採用した従業員数合計(正社員、パート等、家族従業員)」は4402人で、離職者数合計4022人を380人上回った。雇用形態別にみると、「正社員」では採用人数(1857人)が離職人数(1844人)を13人とわずかに上回った。もっとも、「パート等」では、採用人数(2285人)が離職人数(1989人)を296人上回っており、非正社員の増加傾向は続いている。
雇用に関する課題(3つまで回答)としては、「現在の従業員の能力向上」をあげる企業割合が59.0%ともっとも多く、次いで「人件費の削減」(48.0%)、「従業員の世代交代」(37.1%)、「専門的な能力・技能を持った従業員の採用」(36.4%)などが続いている。前年調査と比べると、「現在の従業員の能力向上」が2.6ポイント増加、「専門的な能力・技能を持った従業員の採用」が1.5ポイントの増加となっている。
今後1年間の従業員に関する方針をみると、「増やす」企業割合は前年に比べ3.3ポイント増加の13.7%、「減らす」企業割合は同1.7ポイント減少の6.8%となった。「増やす」企業割合がもっとも高い業種は「情報通信業」が49.4%で飛びぬけて多く、以下、「運輸業」(17.9%)、「製造業」(17.0%)、「卸売業」(〃)の順。一方、「減らす」企業割合では、「建設業」の9.3%が目立っている。