2003年09月29日-002
モバイルコマース成長の鍵は「いまここだけ」の提供
今年になって注目が高まっているのが携帯利用のオンラインショッピング。携帯電話利用者の急増もあって急成長しているが、まだ大きな成長余地を残している。インターネット総合ポータルサイトのインフォシークと三菱総研が8月末に実施した携帯電話サービス利用者調査結果(回答者2000人)によると、最近1ヵ月間での、携帯電話によるショッピング利用者は1.7%、1回あたりの平均利用金額は4921円だった。
同期間におけるパソコン(PC)によるショッピング利用者は53.0%、平均利用金額が9652円であるから、まだまだ携帯でのショッピング利用者は少ない。回答者が少ないため断定はできないが、携帯でのショッピング利用者の約8割はPCでもショッピングを行っており、利用金額や購入品目によって使い分けている可能性もある。
携帯電話からのショッピングはPCに比べて「画面が小さくて見にくい」とのデメリットを、最近1ヵ月間でのショッピング利用者の71.9%、未利用者の62.6%が指摘した。次いで「注文のための操作が面倒」が同50.0%、28.8%あった。一方、メリットについては、「いつでもどこでも注文できる」が同90.6%、38.5%で突出している。ショッピング利用者は、このメリットだけで操作性の障害を越えて、携帯電話でのショッピングを行ったと解釈することができる。
最近の携帯電話ショッピングの成功例として、特定の商品を販売時間限定で提供する、いわばタイムサービス的な試みが挙げられる。また、位置情報サービスとも連動させたエリア限定サービスについても期待が高まっている。ここでの結果は、このような「いつでもどこでも」のメリットを最大限に生かすことができる「いまここだけ」の販売戦略が、利用者に携帯電話でショッピングする理由を与え、物品販売を成功させるひとつの有力な方法であることを裏付けているということができる。
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