潜在競争力とは、「今後約10年間にどれだけ1人あたり国内総生産(GDP)を増加させるか」を計ったもので、経済成長の結果ではなく、各地域がどの程度成長できるかという将来の成長の可能性を表している。日本経済研究センターが作成した「50ヵ国の潜在競争力ランキング」によると、2008年調査では、1位は香港、2位はシンガポール、3位が米国となり、日本は総合で12位と、2007年調査の13位からランクを一つ上げた。
ランキングの作成にあたり、競争力の総合的な指標として、1人あたり国内総生産(GDP)増加額を取り上げた。その競争力(1人あたりGDP増加額)を大きくする要因として、(1)国際化、(2)企業、(3)教育、(4)金融、(5)政府、(6)科学技術、(7)インフラストラクチャー(社会資本)、(8)IT(情報技術)の8項目を選定し、これらをもとに、主成分分析を使って総合潜在競争力指数(偏差値)を作成している。
1位の香港は、「国際化」と「金融」が1位、「企業」と「インフラ」が2位のほか、全般的に順位が高い。一方、日本は、「科学技術」(2位)と「企業」(5位)以外は10位以下で、財政赤字の縮小で「政府」が前年の34位から24位へと大きく上がった一方で、「教育」(15位)、「IT」(18位)、「金融」(35位)などの順位が下がった。「教育」ではTOEFL(英語運用能力)の成績が50ヵ国・地域中49位と低迷した。
日本は、1980年6位、1990年9位の後、2000年には15位まで後退した。その後傾向としては順位が上がっているが、80年の6位、90年の9位に比べれば依然低い。トップの香港は2005年から4年連続1位となった。総合ランク4位以降は欧州勢が上位を占める。中国は、2000年の37位から、2004年に36位、2005年~2007年は35位と徐々に順位が上がって、2008年はさらに一ランク上昇して34位となった。
同ランキングの詳細は↓
http://www.jcer.or.jp/research/world/index.html#1