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定期同額給与とされる「職制上の地位の変更等」

税務関連情報 - 2008年06月16日

 国税庁は13日、2007年12月7日付で公表された「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明を公表したが、そのなかで役員給与等について、損金算入が認められる定期同額給与の範囲等に規定する「役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情」(臨時改定事由)の具体的例示について解説している。

 この臨時改定事由は、2007年度税制改正により、定期同額給与とされる定期給与の額の改定の範囲に追加されたもので、この改正は、3月経過日等(当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日等)までには予測しがたい偶発的な事情等によるもので、利益調整等の恣意性がないものについても定期同額給与とされる定期給与の額の改定として取り扱うことを法令上明らかにしたものだ。

 しかし、どのような事情が生じたときがこれに該当するかについては、個々の実態に即し、事前に定められていた役員給与の額を改定せざるを得ないやむを得ない事情があるかどうかにより判定することとなる。そこで、改正通達において、その具体的例示を掲げている。例示の一つは、定時株主総会後、次の定時株主総会までの間に社長が退任したことに伴い臨時株主総会の決議により副社長が社長に就任する場合だ。

 もう一つの例示は、組織再編成の場合で、例えば、合併法人の取締役が合併後も引き続き同じ地位にとどまるものの、その職務内容に大幅な変更がある場合等が該当する。そのほか、会社やその役員が不祥事等を起こした場合に役員給与を一定期間減額するということが見受けられるが、このような一定期間の減額が社会通念上相当と認められる範囲のものであるときは、その改定も臨時改定事由によるものに該当するとしている。

 なお、改正通達の注書きにおいて、「役員の職制上の地位」とは、定款等の規定や総会、取締役会の決議等により付与されたものをいうとされているが、これは、いわゆる自称専務等は「役員の職制上の地位」に該当しないことを明らかにしたものだとしている。