中小企業庁は14日、2005年度税制改正で措置された企業再生円滑化のための新税制が、中小企業再生支援協議会において新設された再生計画策定手順に従って策定された再生計画についても適用があることを明らかにした。同庁の文書照会に対し、国税庁が回答したもの。中企庁では、協議会の支援により策定される再生計画の税務上の取扱いについての予見可能性が高まり、債権放棄を含む再生計画の策定が円滑になると期待している。
2005年度税制改正では、一定の要件を満たす私的整理に係る再生計画により債務免除を受ける場合には、債務者の有する一定の資産についての評価損及び評価益の計上とともに、期限切れ欠損金を青色欠損金に優先して控除する税制措置が新たに講じられた。これによって、再建期間中に発生する所得と相殺可能な青色欠損金が温存でき、再建期間中の課税負担を抑え、早期の事業再建が可能になるなどの効果が見込まれている。
これを受けて、中小企業庁では、中小企業再生支援協議会が債務免除を含む再生計画の策定を支援する場合に、新たに講じられた税制措置の下においても、円滑に中小企業の再生支援を行い得るように、新たな再生計画策定手順を定めており、各協議会は、必要に応じ、同策定手順に従って再生計画の策定を支援することとしている。
新たに設けられた再生計画策定手順とは、1)公正な価額による資産評価を行い、その評価に基づき貸借対照表を作成、2)その貸借対照表、当該計画における損益の見込み等に基づいて債務免除額を決定、3)再生計画検討委員会が1)、2)を確認するというもの。再生計画検討委員会は、債務者・債権者との間に利害関係を有しない3名以上の専門家で構成し、弁護士及び公認会計士を含めることとされている。
中小企業庁では、国税庁に対し、「本策定手順に従って策定された再生計画により、債務者が2以上の金融機関または1以上の政府関係金融機関等から債務免除を受ける場合においては、新たに講じられた税制措置の適用を受けることができる」ことについて文書照会を行い、適用を受ける旨の回答を得た。
この件についての詳細は↓
http://www.chusho.meti.go.jp/zeisei/050714.kigyousaisei_zeisei.htm