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経営関連情報 (2007/04/23)

新入社員と上司の「期待像」に大きなギャップ

 日本能率協会が2007年度入社の新入社員及び上司・先輩を対象に実施した「会社や社会に対する意識調査」では、新入社員が理想的だと思う上司・先輩像と、上司・先輩の自己評価による日ごろの対応・指導の仕方に、大きなギャップがあることが分かった。例えば、新入社員が望む上司・先輩像は「人間的魅力のある上司・先輩」が63.0%でトップだが、対して上司・先輩は24.0%と39ポイントの差があった。

 調査結果(有効回答数:新入社員702人、上司・先輩50人)によると、そのほかで両者に大きなギャップがついた項目は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」(50.6%、差は12.6ポイント)だった。これらに対して上司・先輩の指導は、「仕事を任せて見守る上司・先輩」が48.0%(新入社員は6.0%と42.0ポイント差)、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」が36.0%(同18.4%と17.6ポイント差)となっている。

 新入社員は、仕事を任せてもらって主体的に行動したいという願望よりも、人間的魅力を持つ上司・先輩に丁寧に指導してもらうことへの期待が強く、受身の姿勢が浮かび上がる。一方で、上司・先輩は、積極的に働きかけていくよりも、むしろ見守ることで新入社員が主体的に成長し、「自ら学ぶ・行動する」ことを期待していることが推測され、両者の意識に大きなギャップが生じている。

 ここ5年間で大きく変化してきている項目は、「実力主義」と「年功主義」の会社のどちらが魅力的かという質問。2003年は「実力主義」73.5%、「年功主義」23.5%だったが、年々「実力主義」の比率が下がり、今回の調査では「実力主義」48.3%、「年功主義」49.1%とほぼ半々となった。今年の新入社員は、就職氷河期の先輩の姿やリストラに苦しむ親の姿を目のあたりにしてきたため、競争を避ける傾向があるようだ。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.jma.or.jp/release/data/pdf/20070419.pdf