厚生労働省が3日に公表した6月の毎月勤労統計調査結果速報によると、従業員5人以上の事業所における一人平均現金給与総額は、前年同月比7.1%減の43万620円で、1990年の現行方式での調査開始以降で過去最大のマイナス幅となり、13ヵ月連続の減少となった。基本給にあたる所定内給与は0.5%減の24万7851円、残業代などの所定外給与は17.7%減の1万5725円と、ともに11ヵ月連続の減少となった。
賞与など特別に支払われた給与も14.5%減の16万7044円で12ヵ月連続の減少となった結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比1.8%減の26万3576円と、11ヵ月連続で減少した。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は6.9%減の55万2887円、パート労働者は1.1%減の9万8936円。なお、物価の高騰を計算に入れた実質賃金指数は5.3%減の大幅減で、17ヵ月連続の減少となる。
また、従業員5人以上の事業所の一人平均総実労働時間は、前年同月比2.3%減の149.9時間と9ヵ月連続の減少となった。内訳は、所定内労働時間が1.1%減の141.2時間と8ヵ月連続の減少、所定外労働時間は18.5%減の8.7時間と11ヵ月連続の減少。総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は2.0%減の171.3時間、パート労働者は2.1%減の91.8時間となっている。
なお、製造業の残業時間などの所定外労働時間は、前年同月比で40.7%減の9.4時間と15ヵ月連続の減少となった。しかし、下げ幅は1990年の現行方式での調査開始以降で過去最大となった3月(48.9%減)に比べ改善傾向にある。また、季節調整値では2.2%増となり、7ヵ月ぶりに増加した4月から3ヵ月連続で増加した。製造業の残業時間の増加は、景気の悪化テンポに歯止めがかかったことがうかがえる。
一方、従業員5人以上の事業所における常用労働者数は、前年同月比0.1%減の4406万2千人で、5年5ヵ月ぶりに減少した5月に引き続き減少した。パート労働者は1.6%増の1188万3千人で31ヵ月連続の増加となったが、正社員などの一般労働者は0.9%減の3217万9千人で、4ヵ月連続の減少。主な産業では、製造業は2.7%減、卸売・小売業は0.6%増、サービス業は4.6%減だった。