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08年食品偽装、前年から4倍増の16件を摘発

経営関連情報 - 2009年03月16日

 警察庁が12日に発表した生活経済事犯の検挙状況によると、2008年に全国の警察が摘発した「食品の産地などの偽装表示事件」は前年から4倍増となる16件で、統計を取り始めた2002年以降最多となった。検挙人数は前年から171%増の57人、法人の検挙も前年の2法人から19法人に増え、いずれも2002年以降最多。農林水産省との連携強化により、産地偽装などの情報が共有・集約されたことが増加の要因とみられている。

 食品偽装は、2007年の食肉加工卸会社ミートホープ(北海道苫小牧市)による牛ミンチ偽装事件が大きな社会問題となったが、偽造事件が相次いだことを受けて、警察庁と農林水産省は同年11月、調査段階から情報交換を進めることで合意した。この協定以降、摘発件数が大幅に伸びている。食品の産地等偽装事件は、2004年は11件だったが、2005年は8件、2006年は5件、2007年は4件にとどまっていた。

 2008年の摘発例をみると、秋田県大館市の食肉加工製造会社社長らが、比内地鶏でない鶏肉で製造した加工食品に「比内地鶏」などと偽装表示して販売し、2008年5月に1法人、6人が検挙(うち6人逮捕)されている。また、大阪市の高級料亭「船場吉兆」が、ロース肉の原材料として鹿児島産牛肉を使っているのに「但馬牛」や「三田牛」などと偽って消費者に販売し、同年6月、1法人、2人が検挙された。

 さらに、長崎県の食品加工会社社長らは、中国産いんげんを国内産などと偽装表示して小売店に販売し、2008年7月までに2法人、4人(うち3人逮捕)が検挙された。2008年12月までには、兵庫県や徳島県の水産物輸出入会社社長らが、中国産ウナギ蒲焼きを愛知県三河一色産などと偽装表示して仲卸販売会社に販売し、3法人、8人(うち8人逮捕)が検挙されている。

 生活経済事犯の検挙状況は↓
 http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan25/h20_seikeijihan.pdf