経 営 関 連 情 報 |
2003年05月30日-004
創業間もない経営者の労働時間は平均週66時間
ほとんどの経営者は朝早くから夜遅くまでよく働く。労働時間が長いのだが、意外とその実態を調べたものは少ない。日本経済研究センターの調査によると、創業後比較的間もない時期の経営者の労働時間は、平均で週あたり66時間だった。東京商工リサーチのデータベースをもとに、調査時点(2002年11月)で創業後3~7年の製造業、卸・小売業、運輸・通信業、サービス業に属する企業775社を調査・分析した結果である。
調査結果によると、全体の87%の経営者が、被雇用者に対する法定労働時間である週40時間を超えて働いており、25%の経営者がその2倍にあたる80時間以上働いている。さらに、比較的少数ではあるが、100時間以上働いている経営者も全体の1割いる。週100時間といえば、休日も働いて一日平均14時間以上の労働である。
同センターでは、さらに、今回のデータをもとに労働時間の決定要因を検証する労働時間関数の推定を行った。その結果、60歳近いどちらかといえば高齢に属する経営者が最も長く働いている傾向があること、女性経営者の労働時間は相対的に短い傾向があることなどが分かった。また、売上高変化率は、経営者の労働時間に対してマイナスの影響があることが示されている。
一般的に、経営者が受け取る報酬には、起業活動に対するリスクプレミアム分や、その事業への自己資金投入に対する機会利益分が含まれていることになる。それに加え今回、経営者が長く働く傾向が確認されたことは、経営者が事業から受け取る報酬のうち、純粋に労働所得に相当する部分についても、その長時間労働分だけ大きな報酬を得ることがむしろ自然だと理解されるべきである、との結論だ。
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