厚生労働省が中小企業を対象に7月に実施した「原油等資源価格の高騰等に伴う事業活動及び雇用面の影響に関する公共職業安定所によるヒアリング」では、今年4月のヒアリング結果と比べると、原油等資源価格の高騰等による業況や収益への悪影響が進んでいることが分かった。調査結果(有効回答数4412社)によると、現在、業況が「多少悪い」、「悪い」とする事業所は、4月から約14ポイント増の63.6%を占めた。
規模別にみると、従業員数「29人以下」で66.9%、「30~99人以下」で63.3%、「100~299人以下」で59.6%が「多少悪い」、「悪い」と回答しており、規模が小さくなるほど、業況が厳しくなる傾向がみられた。業種別にみると、「運輸業」において83.5%の事業所が「多少悪い」、「悪い」と回答しており、全体の63.6%を大きく上回り、4月のヒアリング結果から21ポイント増加するなど、厳しい業況になっている。
また、3ヵ月前と比較して、原油等資源価格の高騰等の影響が収益を「やや圧迫」、「大きく圧迫」とする事業所は4月から約9ポイント増の83.2%、業種別では「運輸業」の95.7%が収益への影響があると回答。収益を圧迫していると判断した理由(複数回答)については、89.7%が「原油等資源価格の高騰による製品原価や輸送費用の上昇(コストアップ)」、28.8%が「一般経済の悪化等に伴う取引量の減少」と回答している。
原油等資源価格の高騰等への対応(複数回答)としては、66.5%が「経費削減(人件費以外)」、次いで34.5%が「商品、サービスへの価格転嫁」を実施。4月のヒアリング結果と比べると、「経費削減」が7.1ポイント増加、「価格転嫁」が3.3ポイント増加したものの、「賃金調整・雇用調整」(15.0%)は0.6ポイントの増加にとどまった。業種別では、「卸売小売業」で「価格転嫁」が43.4%と他業種を大きく上回っている。
同ヒアリング結果の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/dl/h0729-1a.pdf