ゼイタックス

ワークバランス「根付かない」が約半数

経営関連情報 - 2008年03月17日

 2007年12月に、政府によるワークバランス憲章とその行動指針が策定され、ますます仕事と生活のバランスに注目が集まるなか、残業が多いとされる日本ではワークバランスは「なかなか根付かない」という意見も強い。gooリサーチが全国の20歳以上のビジネスパーソンを対象に実施した「残業と仕事の効率化に関する調査」結果(有効回答数1080人)によると、週4~5回残業をしている人が約4割を占めた。

 残業が当たり前となっている現状がうかがえるが、残業が減らない原因となる社員側が持っている考え(複数回答)については、「時間内に仕事が終わらなければ、残業すればいい」が63.7%ともっとも多く、次いで「周りの人が残っているのに、自分だけ早く帰るのは後ろめたい」(46.6%)、「職業上、残業するのは当たり前」(41.9%)、「残業代は生活給の一部なのだから、残業できないと困る」(35.9%)などが挙げられた。

 一方、残業が減らない原因となる会社側が持っていると思われる考え(複数回答)については、「社員は残業するのが当たり前」(47.6%)、「企業を取り巻く環境が厳しいなかで、就業時間だけ働くようなことをしていたら、競争に勝てない」(45.1%)、「残業を減らそうとしていない」(42.2%)、「残業は会社にとって必要だし、社員も納得している」(35.0%)などなどの会社の考えが上位に挙げられた。

 残業を減らす方法(複数回答)では、「集中する時間と弛緩する時間のメリハリをつける」(49.0%)や「一日のスケジュールをしっかり組む」(43.6%)が多い。また、仕事を効率化するための会社にあるツールの活用方法については、65.8%が「特に何もしていない」と回答。会社には利用すれば効率化につながるツールがたくさんあると思われるが、仕事の効率化という観点では、あまり利用されていないのが現実のようだ。

 最後に、ワークバランスが根付くと思うかを尋ねたところ、45.3%と約半数が「根付くとは思わない」と回答し、「根付くと思う」(21.2%)との回答を20ポイント以上上回った。こうしたことから、ワークバランスを実現するためには、まずワークバランスの本質的理解を促進し、会社側が社員の業務効率化を改善する方法、ツールを提示するなど、社員・企業ともに業務効率化に向けた意識的な努力が求められるようだ。

 同調査結果の概要は↓
 http://japan.cnet.com/research/column/insight/per/story/0,2000091177,20368998,00.htm