厳しい雇用環境背景に10代の失業率9.8%
政府は7日の閣議で、2011年版「子ども・若者白書」を決定した。若者の失業率は10代で9.8%と10%に迫る高水準で推移し、不景気の影響で若者の厳しい雇用環境が続いていることがうかがえる。2010年(年平均)の15~29歳の子ども・若者人口は2023万人で、このうち1190万人(58.8%)が労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの)となっている。
若者について、雇用者(役員を除く)に占める正規の職員・従業員以外の雇用者の比率をみると、15~24歳(在学中を除く)では、2010年は30.4%と、前年比0.2ポイント減少した。一方、若者の失業率は1998年及び1999年に急激に上昇した後、2003年以降低下、2009年に景気後退の影響から大幅に上昇した。全年齢計との比較では、常に高い状態。2010年は15~19歳で9.8%、20~24歳で9.1%とそれぞれ0.2ポイント、0.1ポイント上昇した。
フリーターの人数は、2003年の217万人をピークに減少が続き、2008年に170万人まで減少したが、2009年に178万人と一挙に増加に転じ、2010年は183万人と2年連続の増加となった。年齢階級別にみると、15~24歳が86万人と前年に比べて1万人減少し、2年ぶりの減少となった。これに対し25~34歳は97万人と、逆に6万人増加し、こちらは2年連続の増加となった。
若年無業者(15~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者)の数は、2010年には60万人となり、前年より3万人(4.8%)減少した。内訳は、15~19歳が9万人、20~24歳が15万人、25~29歳が15万人、30~34歳が17万人となっている。若年無業者(15~34歳)がピーク時の64万人と比べて4万人(6.3%)減少している。なお、35~39歳の無業者についてみると、2010年に21万人となり、近年、緩やかな増加傾向にある。
この件の詳細は↓
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h23gaiyoupdf/pdf/gaiyo_b1.pdf