ゼイタックス

経営関連情報 (2006/07/19)

雇用の不足感が鮮明も採用環境は厳しい中小企業

 商工中金が今年2月時点で実施した「中小企業の採用動向調査」結果(有効回答数2585社)によると、現状で雇用が「不足」とする企業が29.5%と「過剰」(16.9%)を上回り、雇用の不足感が鮮明となっている。しかし、2006年度の採用環境をみると、「悪い」とする企業割合が33.7%と「よい」(7.4%)を大きく上回り、中小企業の採用環境は厳しいとみる企業が多いことが明らかとなった。

 今後1年間の従業員の採用計画をみると、「増加」(32.6%)が「減少」(12.1%)を大きく上回っている。増加させる理由(2つまで回答)は、「社内の部門強化」(34.0%)、「業績順調で業容拡大」(29.1%)、「将来の人手不足に備える」(27.9%)、「技術継承のための先行採用」(19.8%)、「従業員の高齢化」(17.6%)などの順。前回2003年2月調査との比較では、「将来の人手不足に備える」が15.5ポイント増えている。

 いずれかの雇用形態で採用実績がある企業について、雇用形態別に採用実施割合をみると、2004年度実績では、「正社員/新卒」が41.2%、「正社員/中途」65.1%、「常用雇用パート」46.9%、「常用雇用派遣社員」22.9%。同じく2005年度実績見込みでは、「正社員/新卒」42.0%、「正社員/中途」68.1%、「常用雇用パート」48.0%、「常用雇用派遣社員」25.5%と、両年度とも正社員を中途採用した割合がもっとも多い。

 2006年度採用環境が「悪い」とする割合を雇用形態別にみると、「正社員/新卒」39.1%、「正社員/中途」30.6%、「常用雇用パート」25.3%、「常用雇用派遣社員」22.7%。採用者の増減予定は、「増加」(40.9%)が「減少」(7.8%)を大きく上回り、新卒、中途を問わず正社員の増員予定の企業が多い。もっとも有効な採用方法は、正社員/新卒は「学校からの推薦・紹介」(71.4%)、正社員/中途は「ハローワークの活用」(65.2%)だった。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.shokochukin.go.jp/material/pdf/special/cb06other07-2.pdf