今年から国と地方の三位一体改革の一環として所得税から個人住民税への3兆円の税源移譲が行われる。これは、所得税の税率を引き下げ、個人住民税の税率を引き上げることで3兆円の税源が国から地方へ移し替えられる。多くの納税者は、すでに1月から所得税の負担が減り、その代わり6月から個人住民税の負担が増えることになるが、所得税と住民税を合わせた負担額は基本的には変わらないとされている。
総務省はこのほど、こうした税源移譲に係る理解を納税者に深めてもらうため、給与所得者(独身の場合)向けの税源移譲モバイルサイトを開設した。同サイトでは、「給与明細に異変!?」として、1)給与明細の異変とは!?、2)あなたの給与明細はどう変わる?、3)知らないとハズカシイ カンタンQ&A集、を掲載。2)では、昨年の年収100万円~1000万円以上まで10ケースでの給与明細の変化を例示している。
例えば、年収500万円では、昨年11月が本給(便宜上、年収を月給12ヵ月分とボーナス4か月分に16等分して算出)31万2500円、所得税▲1万3600円、住民税▲1万2800円で、手取り28万6100円だったものが、今年1~5月は、本給31万2500円、所得税▲7550円、住民税▲1万2800円で、手取り29万2150円となる。つまり、今年は5月まで所得税額が6050円少なくなった分、手取りが増える勘定だ。
しかし、6月からは本給31万2500円に対し、所得税は▲7550円と変わらないが、住民税が▲2万2500円と負担額が9700円増えて、手取りが28万2450円となる。この計算例はあくまで目安であって、家族構成や各種控除によって実際の金額が変わるのはいうまでもない。税金を給料から天引きされる給与所得者の多くは、自分の負担する税金に無関心だ。税源移譲を機に、給与明細の異変に注視してみることも必要ではないか。
税源移譲モバイルサイトは↓
http://www.soumu.go.jp/mobile/zeigen/index.html