大震災に伴う国の資格試験に係る特例措置の実態把握
東日本大震災の被災者から、国の資格試験や免許証等の再交付手数料に係る特例措置について行政相談が寄せられたことを機に、総務省は特例措置の実施状況を調査・把握した。対象資格を2010年度の資格試験の受験者数が5000人以上の資格制度(講習の受講により取得できるものを除く)73 制度を抽出したが、証明書類の提出期限の延長、試験日の変更等何らかの特例措置を実施しているものは、73 制度中47 制度(64.4%)に達している。
それによると、「震災前に行われた試験の合格発表後における証明書類の提出期限の延長等」が16制度、「試験日の変更、追加試験の実施」が10制度、「受験料の返還」が10制度、「次回以降への振替、再受験」が9制度、「試験地の追加、他試験地への変更可」が8制度、「申込期間の延長」が7制度、「試験の一部免除に係る有効期限の延長」が7制度、「その他」が12制度などとなっている。
7月31 日時点で特例措置を実施しておらず、実施の予定もないものは26制度あった。その主な理由をみると、「試験の実施時期が震災から一定期間経過しているため」が13制度、「今後必要に応じ検討」が6制度、「試験会場が複数のため」が6制度、「受験者からの要望がないため」が6制度、「試験が年2回行われるため」が2制度、「その他」が4制度となっている。
また、免許証等の再交付手数料を免除する特例措置を実施しているものは、59制度中13制度(22.0%)だった。7月31 日時点で特例措置を実施しておらず、実施の予定もないものは46制度。その主な理由は、「法令に免除規定がないため」が20制度、「被災により免許証を喪失した場合、一定期間有効な登録済証明書等を無料で発行することとし、実質的に特例措置を講じているため」が19制度などだった。
なお、国の資格試験に係る特例措置の実施状況のうち、「公認会計士」(受験者3万8360人)をはじめ、「社会保険労務士」(同5万5445人)、「弁護士」(同8163人)、「弁理士」(同9152人)、「情報処理技術者」(同44万4669人)などが「試験地の追加、他試験地への変更可」とした。同省では、今回把握対象としなかった249 制度を所管する各府省に、必要な特例措置が実施されるよう要請する。