経 営 関 連 情 報 |
2003年01月06日-002
インターネットが「インフラの活用」段階への“転換点”に
2003年は、日本のインターネットが「ブロードバンド環境の整備」の段階から「インフラの活用」の段階への“転換点”になりそうだ、というのは日経ネットビジネス1月号の「2003年必読キーワード100」の特集記事である。
総務省の調査では、「ADSL」や「FTTH」などのブロードバンド加入者が、2002年10月末時点で約663万件に達した。これはインターネット利用者の約30%に相当する。日本のブロードバンド化は普及の面だけみれば、成熟期に入ったといっても過言ではない。
ただし、ブロードバンドを活かすサービスを根付かせるという課題が残されている。この解決は意外に難しい。最大速度100Mビット/秒のFTTHを提供する通信事業者も、「大容量を活かすサービスを見いだせていない」と口をそろえる。
解決のヒントは普及の兆しを見せ始めた「IP電話」にある。IP電話の特徴は低料金と使いやすさという具体的なメリットにある。ニーズの高さは、ソフトバンクグループが2002年4月に開始したIP電話サービスの加入者が102万人に達したことからも分かる。2003年には、これまでネットへの関心が薄かった消費者にも広がるだろうと予測されている。
行政のネット活用にも同様の課題がある。住民基本台帳ネットワークが整備され、2003年にも電子政府が始動する。しかし、住民のセキュリティに対する不安は払拭されていない。一部の自治体はいまだに参加を拒否したままだ。法整備も含めて国民が安心して使える環境を整えなければ、インフラ投資は無駄になる。
ブロードバンドの通信料金の安さでは世界でも最先端を走る日本。だが、真のブロードバンド先進国になれるかどうかは、“転換点”をどう乗り越えるかにかかっている。
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