世界同時不況後の産業と外国人労働者の働き方を調査
労働政策研究・研修機構は、世界同時不況後2年近く経過する中、企業は雇用の動向についてどのような方針を持ち、どのような人材に対するニーズがあるのか、今後の雇用についてどのような展望を持っているのか、また、企業の雇用調整によって日系人労働者の就業・離職行動にどのような影響を及ぼしたかなど、今後の日本での就労についての展望等を、外国人集住都市28自治体の従業員10人以上の事業所2万社を調べた。
事業所調査では、2010年7月現在で、「過去2年間、専門的・技術的分野以外で外国人を活用したことがある」事業所は、全体の約2割にとどまる。一方、「活用していない(したことがない)」理由では、「日本人だけで求人数を確保できたから」(約58%)が最多、以下、「人事管理などの面で外国人労働者を受け入れる社内体制が未整備だったから」(約22%)などが続く。また、今後も「活用の予定がない」が約3分の2を占めた。
雇用した外国人に対し、「期待以上」という評価は1割弱だが、「期待どおり」という評価は半数を超えている。一方、否定的評価は約15%だった。外国人を採用する場合に求める日本語能力は相対的に高く、より正確な意思疎通ができるレベルが求められる。会話については、「仕事上必要な日本語が話せる」と「仕事上の指示を理解できる」という相対的に高いレベルを求める比率が、約8割となっている。
日系人労働者のケーススタディからは、日系人労働者の8割以上が前職を辞めてから現職に就くまでに仕事をしていない期間を経験していることが分かった。前職を辞めた主な理由は、「よりよい条件の仕事を探すため」(27.5%)、「会社の人員整理や退職を勧められたから」(12.5%)などとなっている。また、「その他」(40.0%)の大半がいわゆる「雇止め」によるものであった。
同調査結果の全容は↓
http://www.jil.go.jp/institute/research/2011/documents/083.pdf