これまで会社が従業員に紙で渡していた給与所得の源泉徴収票等の交付が、今年1月以後に交付するものはメールなどを利用した電子交付も可能になっている。また、来年1月以後は、退職所得・公的年金等の源泉徴収票等も電子交付の対象に加えられる。そこで国税庁は10日、これまで国税当局に寄せられた主だった質問に対する回答を取りまとめた電子交付に係るQ&Aの一部改正を同庁ホームページ上に公表した。
電子交付するための要件としては、受給者(交付を受ける者)に対し、あらかじめ、その用いる電磁的方法の種類や内容を示し、電磁的方法または書面で承諾を得ることや、受給者から請求があるときは、書面により交付することなどがある。また、電子メールを始めとする電子交付の方法を示し、これらの電子交付の方法については、受給者がパソコンへの表示や書面への出力が可能なことなど、満たすべき一定の基準がある。
同Q&Aでは、電子交付を受けた源泉徴収票等の取扱いも解説。例えば、e-Taxで申告する場合、電子交付された源泉徴収票等を添付書類としてオンライン送信するためには、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与等の支払者(交付者)の電子署名を付す必要がある。要件が満たされないときは、書面により各源泉徴収票の交付を受けた上で、申告した税務署に別送することになる。
もっとも、来年1月4日以後に、2007年分以後の確定申告書の提出をe-Taxにより行う場合は、医療費の領収書や給与所得の源泉徴収票など一定の第三者作成書類については、その記載内容を入力して送信することにより、これらの書類の税務署への提出・提示を省略することができることになっている。ただし、入力内容を確認するため、確定申告期限から3年間は、税務署からこれらの書類の提出・提示を求められることがある。
なお、電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票等をプリントアウトしたものは、確定申告書の添付書類としては認められないので注意が必要だ。確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票等は、法令上、給与支払者から書面で交付を受けたものと規定されているからだ。今回のQ&Aでは、これらの源泉徴収票等の電子交付に関する疑問について、基本事項を始め15の質疑応答を掲載している。
「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」の一部改正については↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/denshikofu-qa/question.htm