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税務関連情報 (2005/05/18)

毎月還付も可能になる消費税の課税期間短縮の特例

 消費税の申告・納付は、前課税期間の消費税の年税額が48万円を超えると中間申告が必要になる。年税額が48万円超400万円以下は年1回、400万円超4800万円以下は年3回、4800万円超は年11回の中間申告・納付となる。年11回の中間申告は、2003年度の税制改正で設けられたもので、消費税は預かり金的な性格があることから、いわゆる運用益問題の解消に資するとの考えから改正されたといわれている。

 年11回の中間申告は、個人事業者は2005年分から、法人は2005年3月決算分からとすでに適用されている。それまで最大3回で済んでいた中間申告が一挙に11回となると納税者の事務負担も増大するが、それ以上に大変なのは納税資金の手当てである。納付税額は、年11回の中間申告であれば「前課税期間の消費税(国税分)の年税額の1/12×1.25」で計算した額を中間納付する。

 そこで、前課税期間の納付実績どおりに預かる消費税があれば問題はないが、実際のところ、業績が思わしくなく、当期の消費税が大幅に減少していることも珍しくはないだろう。その場合、その差額の納付税額を手当てしなければいけないことになる。そこで、2003年度税制改正では、それまでの課税期間を3ヵ月に短縮する特例に加え1ヵ月を選択することができるように改正されている。

 この課税期間の短縮の特例を利用すれば、年1回とされていた還付制度を、課税期間(確定申告回数)に応じて年に数回受けることも可能になる。年1回の確定申告よりも事務処理に手間がかかることになるが、企業側にとっては資金繰り面で有利になるといったメリットもある。ただし、短縮の特例をいったん選択した場合は、事業を廃止した場合を除き、2年間は変更できないので留意が必要となる。