ご存知のようにわが国では、国や地方自治体が主催する公営ギャンブルを除いて民間で賭博をおこなうことは違法行為だ。とはいえ、ノミ行為やカジノバーなど違法な賭博が日本のいたるところでおこなわれていることも周知の事実。日本の違法ギャンブル市場を分析したのは、地下経済などを専門分野とする門倉貴史氏(BRICs研究所代表)のレポートである。氏は、日本の違法賭博市場は縮小傾向にあるという。
レポートによると、日本の違法ギャンブル市場について推計したところ、暴力団と他の民間部門を合計した市場規模は80年代後半に急拡大し、ピークの87年には6549億円となった。しかし、90年代に入ってからは、警察の取締りが厳しくなったことなどからほぼ一貫して減少傾向をたどっており、直近の2004年には1028億円まで減少している。
その背景には、ナンバーズ、ミニロトといった新しいタイプの宝くじやサッカーくじなど公営ギャンブルの充実に加え、海外のオンラインカジノへの参加が増えてきたことの影響がある。海外のオンラインカジノの多くは日本語の案内があって簡単に参加することができ、現行では規正法が国内に存在しない。このようなグレーゾーンのオンラインカジノも含めれば、日本の違法賭博市場はそれほど縮小していないともみている。
東京都などのカジノ合法化構想が実現した際の経済効果は、消費や雇用、税収の増加だけでなく、違法カジノに流れ込んでいる巨額のアングラマネーがあぶり出されるという側面も見逃せないと指摘。仮に違法カジノ・マーケットがすべてオモテの経済に浮かび上がってくるとすれば、全国規模で収益税+ゲーミング税が206億円、消費税が51億円、法人税が9億円、合計で毎年約266億円もの税収増が期待できると試算している。
同レポートの全文は↓
http://www004.upp.so-net.ne.jp/kadokura/