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経営環境変化への対応が求められる中小製造業

経営関連情報 - 2008年03月24日

 近年の中小製造業の景況感は、全産業を上回るベースで回復を遂げ、全産業の業況をけん引する構図が定着しつつある。しかし、小規模事業者にとっては依然として厳しい状況が続いており、企業規模間の格差も鮮明化しつつある。そこで、信金中央金庫総合研究所は、「経営環境変化への対応が求められる中小製造業」と題したレポートにおいて、中小製造業者が事業の存続・発展を図るための方策等について考察している。

 レポートによると、中小製造業者が様々な経営環境の変化に的確に対応していくうえで、経費削減などの短期的かつ後ろ向きなリストラ策だけでは、企業の中長期的な存続・発展は望めない。自社製品がライフサイクル(導入期→成長期→成熟期→衰退期)のどこにあるかを正しく認識し、手遅れにならないうちに“次の一手”(新製品の開発、新分野進出)を打っていく必要があるとの考えを示している。

 今後の事業展開の方向性を考えるうえでは、“経営資源”から抽出した自社の“強み”を活かした対応を進めていくことが、事業の存続・発展には不可欠といえる。製造業の場合、他の業種よりも既存技術やノウハウなどが有形・無形の“経営資源”となって自社の“強み”となっているケースも多い。これらに基づいて新製品開発などを行ったほうが、当然ながら開発リスクを大きく低減できるほか、時間・コストの節約にもなる。

 レポートは、既存技術がある程度の収益を上げているうちに、自社の“強み”の源泉となっている既存技術やノウハウなどを徹底的に極め続けていくことはもちろんのこと、そうした技術やノウハウを活かすのは最終的には人材であることを考えれば、「ものづくり基盤」伝承の受け皿となる人材(従業員)の確保・育成なども、中小製造業者にとって、これまで以上に重要課題となると指摘している。

 同レポートの全文は↓
 http://www.scbri.jp/PDFsangyoukigyou/scb79h19F11.pdf