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希望等退職者募集企業、2ヵ月余で前年を上回る

経営関連情報 - 2009年03月23日

 2009年に希望・早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は81社に達したことが、東京商工リサーチが3月9日時点で実施した「主な上場企業の希望・早期退職者募集調査」で分かった。調査対象が公表ベースのため単純比較が難しいものの、前年の68社を2ヵ月余りで上回り、企業経営環境の急激な悪化を反映した。81社には、一部募集期間が2008年末から2009年にまたぐものや、募集後に法的手続きを申し立てた1社が含まれる。

 調査結果によると、募集人数の合計は、公表している70社合計で6665人にのぼった。個別でもっとも多かったのは「NECトーキン」の450人、次いで「倉元製作所」の350人、「ジェイエイシージャパン」の300人(応募299人)、「サンデン」の300人(2回募集)、「三井住友建設」の250人と続いている。募集人数が100人以上となったのは27社だった。

 また、産業別では、「電気機器」の13社、「機械」と「卸売」の各10社、「不動産」8社のほか、「建設」が5社、「輸送用機器」が3社。上場区分では、東証一部上場が40社で最多、次にジャスダック上場が23社、東証二部上場が7社と続く。同調査は、東京証券取引所や各証券取引所に上場する企業のうち、2009年に希望・早期退職者募集の実施を公表し、具体的な内容が確認できたケースを抽出、募集状況をまとめたもの。

 米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機・世界同時不況の影響は、企業の経営環境を予想以上に悪化させている。東京商工リサーチでは、現状において希望・早期退職者募集を実施していない上場企業でも、役員報酬の削減・返上を実施するケースが後を絶たないことから、3月期本決算をにらみながら様々な経営合理化策を講じた末に希望・早期退職者募集に踏み出す企業の増加を懸念している。