厚生労働省が26日に発表した2008年における死亡災害・重大災害発生状況等によると、2008年の労働災害による死亡者数は1268人で、前年に比べ6.6%減と初めて1300人を下回り過去最少となった。労働災害による死亡者数は、1961年の6712人をピークに長期的には減少してきている。業種別にみると、「建設業」が430人ともっとも多く、次いで「製造業」が260人、「陸上貨物運送事業」が148人などとなっている。
死亡災害の事故の型別発生状況をみると、「墜落・転落」が311人、次いで「交通事故(道路)」が287人、「はさまれ・巻き込まれ」が192人、「激突され」が96人、「崩壊・倒壊」が83人など。「墜落・転落」と「交通事故(道路)」の2つの合計数が死亡災害全体の半数近くを占めている。2007年と比較すると、「交通事故(道路)」及び「墜落・転落」が50人減と大幅に減少したが、「おぼれ」、「飛来・落下」、「感電」などは増加した。
2008年に一度に3人以上が死傷した重大災害は281件で、前年に比べ4.1%減少したが、過去最少だった1985年の約2倍で、過去10年間では3番目の高水準だ。業種別にみると、「建設業」が93件、次いで「製造業」が58件。事故の型別にみると、「交通事故」が125件と全体の約44%を占めている。2007年と比較すると、「墜落」が12件減の0件、「交通事故」が6件減と減少したが、「中毒・薬傷」が16件増の69件と増加した。
なお、2008年の派遣労働者の労働災害による休業4日以上の死傷者数は5631人で、前年比4.3%減となった。うち死亡者数は31人で同13.9%減。休業4日以上の死傷者数について、派遣先の業種別にみると、「製造業」の全体に占める割合が64.8%ともっとも高く、次いで「運輸交通業」が9.2%、「商業」が7.6%の順。製造業における事故の型別にみると、「はさまれ・巻き込まれ」が29.1%、次いで「転倒」が15.6%の順だった。
死亡災害・重大災害発生状況等の概要は↓
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2009/05/h0526-2.html