ゼイタックス

経営関連情報 (2006/11/15)

ここ10年で「気ぜわしい女、気づかう男」に変化

 博報堂生活総合研究所は、生活者の価値観や行動などを読み取るために「生活定点調査」を隔年で行っているが、このほど同調査の過去10年分のデータを載せたCD-ROM「生活定点2006」を発行した。そこでは、この10年間で男性と女性の関係性は変化し、体力的にも精神的にも男性並みに疲れるようになった女性は気ぜわしくなり、一方男性は、育児への参加意識が高まるなど、気をつかうようになってきたことが分かった。

 調査結果(サンプル数3293人)から女性の10年変化をみると、「肉体的に疲れを感じていることが多い」という人の割合は、1998年と比べて男性は40.3%から38.2%に下降したのに対して、女性は36.7%から38.0%に上昇し、男性の数値に近づいた。また、「精神的に疲れていることが多い」人も、女性の数値は10年前より約8ポイント上昇して43.3%となり、男性(45.4%)とほぼ同様な数値となった。

 女性は急速な社会進出により、肉体的にも精神的にも、男並みに疲れるようになってきたようだ。心身に余裕がなくなると、「衣替えをする」女性が98年の67.7%から60.1%へと下降。「食品や素材への配慮」(8.1ポイント減の18.2%)、「住まいのダニやホコリ、カビへの配慮」(8.8ポイント減の49.2%)も下降した。働き始めたことで、生活に対しても合理的になってきたのか、あまり衣食住が気にならない女性が増えてきたようだ。

 急速に変化する女性に対し、男性は女性たちの気持ちに少しずつ近づいてきた。「高級レストランでひとり1万円以上の食事がしたい」という人の割合は、98年に男性19.8%、女性29.4%だったのに対し、2006年には男女とも29.0%と数値が並んだ。また、「海外旅行にひとりで行くことに抵抗がない」という男性は14.3%と、この10年間で6.0ポイント下落してもっとも低い数値となり、女性(9.9%)の気持ちに近づいてきた。

 男性の10年変化においてもっとも象徴的な結果は、育児や家事にも理解を示し、協力的な男性たちが増えてきたこと。特に、「育児」に対する意識が前向きで、「夫も家事や育児を優先するべきだ」と答えた男性が25.2%(10年前は16.8%)と過去最高の数字となった。また、「男性でも育児休暇を取るべき」と答えた男性が98年の25.8%から33.6%に上昇し、3割以上の男性が育児休暇に対して前向きだった。

 「生活定点2006」の調査結果の詳細は↓
 http://www.hakuhodo.co.jp/news/pdf/20061102.pdf