日本経団連が会員企業を対象に昨年10月に実施した「2007年度・新卒者採用に関するアンケート調査」結果(有効回答数602社)によると、2007年度に新卒者を「採用した」とする企業は97.2%と、前年度を2.8ポイント上回り、5年連続で過去最高を更新した。また、来年度の採用活動については、採用実施予定の企業割合が93.9%と、前年度(90.5%)に比べ3.4ポイント増加し、2年連続で9割を超えている。
採用形態・手法の導入状況をみると、「説明会・選考会の複数回開催」(87.8%)や「オープンエントリー(公募制)」(88.5%)など、種々の選考形態や手法を導入する企業が近年主流となっており、導入した企業の約9割が「効果があった」と評価している。選考プロセスを「あらかじめ開示した」とする企業は88.7%と、前年度比3.0ポイント増加。このうち、「効果があった」との回答は5割(56.6%)を超えた。
その効果としては、「学生との日程調整をスムーズに行うことができ、面接の参加率向上につながった」、「学生の不安を解消するとともに、会社への信頼性が高まった」などを挙げている。また、企業が採用選考時に重視する要素(複数回答)は、5年連続して「コミュニケーション能力」(79.5%)がトップ、以下、「協調性」(53.0%)、「主体性」(51.6%)、「チャレンジ精神」(49.4%)、「誠実性」(42.4%)などが続く。
採用内々定を出した学生の辞退率をみると、「10%程度」が25.5%で最多、次いで「30%程度」(22.5%)、「20%程度」(18.2%)などが続き、「0%」は6.4%だった。また、年間新規採用者全体に占める「中途(経験者)採用」の比率は、「10%程度」が32.3%でトップ、次いで「20%程度」が16.0%。5年前の中途採用比率では31.6%もあった「0%」は14.4%に低下しており、近年、新卒採用が厳しくなっていることがうかがえる。
同アンケート調査結果の概要は↓
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/003kekka.pdf