ゼイタックス

業況DI悪化、依然強い先行き不安~LOBO調査

経営関連情報 - 2012年07月06日

 日本商工会議所がこのほど発表した6月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果(416商工会議所、3004企業にヒアリング)によると、6月の全産業合計の業況DIは▲21.3と、前月から▲3.8ポイント悪化。建設業は、復興需要を中心とした公共工事や住宅エコポイント制度によるリフォーム工事等で改善したが、製造業が超円高等による取引先からのコストダウン要請、電力料金値上げに伴うコスト負担から業況が悪化している。

 また、製造業では、エコカー補助金等が下支えしているものの、超円高等を背景に海外移転や海外調達が加速していることから受注減少が著しい。さらに、小売・サービス業では、大手専門店(ドラッグストア・ホームセンター等)、飲食店の出店増に伴い顧客争奪が一段と激化していることが影響。なお、業況等のDIは、比較対象の前年同月(2011年6月)が、震災後、大きく低迷していた時期であることに留意が必要だ。

 先行きについては、先行き見通しDIが▲24.7(今月比▲3.4ポイント)と、悪化する見込み。欧州の財政金融不安に伴う海外経済の減速や、今夏の電力供給不足による事業活動への影響、予算額に達し、今週中にも終了が予想される復興住宅エコポイント制度、こちらも近く予算額に達する見込みのエコカー補助金終了による内需の反動減等の懸念から、先行きへの不安は依然根強い。

 売上面では、全産業合計の売上DIは▲15.5(前月比▲5.6ポイント)と、前月からマイナス幅は拡大。産業別にみると、建設業ではマイナス幅が縮小、その他の4業種ではマイナス幅は拡大している。採算面では、同採算DIは▲19.4(同▲4.1ポイント)と、前月からマイナス幅は拡大。産業別にみると、建設業と卸売業ではマイナス幅が縮小、その他の3業種ではマイナス幅が拡大している。

 資金繰り面では、全産業合計の資金繰りDIは▲12.7(前月比▲10.7)と、前月からマイナス幅は拡大。産業別にみると、卸売業ではマイナス幅が縮小、製造業ではほぼ横ばい、その他の3業種ではマイナス幅が拡大。仕入価格面では、同仕入単価DIは▲19.3(同15.1)と、前月からマイナス幅が縮小。産業別にみても、全業種でマイナス幅が縮小した。従業員面では、同従業員DIは▲0.3(同▲1.7)と、前月から改善している。

 調査結果は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201206.pdf