ゼイタックス

税務関連情報 (2004/07/30)

新規滞納・滞納残高ともに5年連続減少

 国の借金が3月末現在で初めて700兆円の大台を超すなど厳しい財政事情のなかで、国税滞納の未然防止・整理は税務行政の最重要課題のひとつだ。国税庁がこのほど公表した2003年度租税滞納状況によると、今年3月までの1年間に発生した新規滞納額は前年度に比べ7.1%(788億円)減少の1兆258億円となって5年連続の減少となった。

 また、滞納を整理した額は1兆2549億円で前年度に比べ6.1%(820億円)減少したものの、新規発生滞納額を大幅に上回った。この結果、年度末である3月末現在の滞納残高は、前年度に比べ10.2%(2291億円)と大幅に減少し2兆228億円となった。滞納残高は、64年度以来35年ぶりの減少となった99年度から5年連続で減少している。

 滞納全体の46%と半数近くを占める消費税は、新規滞納発生額が4735億円、前年度比11.4%(607億円)減、滞納整理済額が5222億円、同9.1%(520億円)減、滞納残高が5296億円、同8.4%(487億円)減となっている。消費税の滞納残高は、制度が導入された89年以来、初めて2000年度に前年度を0.4%(24億円)下回ったが、以後もずっと減少を続け4年連続で前年度を下回っている。

 滞納への取組みが順調に進んでいる背景には、1)消費税事案の優先処理、2)大口・悪質事案に対する国税局特捜班などによる捜索・差押さえを中心とした厳正な処理、3)10万円から100万円未満の少額滞納処理促進のため東京・大阪・関東信越の各国税局に設置した「集中電話催告センター」の活用、4)金融機関による「消費税積立預金」の設置、5)国・地方団体における入札参加資格審査に際しての納税証明書の活用などがある。

 特に「集中電話催告センター」は、今年6月末時点で30万1534者(社)に対して納付催告を行い、その55.9%にあたる16万8567者(社)から納付または納付誓約の申し出を受けるなど処理促進に大きな力を発揮している。今年の8月下旬には上記3国税局以外の9国税局(所)にも設置される予定で、さらなる滞納処理促進が期待されるところだ。