帝国データバンクが発表した全国企業倒産(負債1千万円以上)によると、11月の企業倒産は1106件で、2ヵ月ぶりに1100件を上回り、前月に比べ3.9%増加したものの、前年同月比では2.6%減と23ヵ月連続の減少となった。各種再生メニューや公的支援の充実が倒産減少に寄与と推測されるが、中小企業の多くを占める内需型産業は業況が回復しておらず、企業の自律的回復による倒産減少とは言いがたいとみている。
一方、負債総額は3571億5000万円で、前月に比べ47.5%減、前年同月から64.6%減とそれぞれ大幅に下回り、8ヵ月連続の前年同月比減少となった。この結果、1兆円割れは8ヵ月連続、4000億円割れは5ヵ月ぶりとなり、今年最低を記録した。これは、月中、負債1000億円以上の倒産が4ヵ月連続して発生しなかったうえ、負債100億円以上の倒産も5件と3ヵ月ぶりの一ケタ台にとどまるなど、大型倒産が少なかったため。
倒産件数を主因別にみると、「販売不振」(753件、前年同月比0.8%減)は23ヵ月連続の前年同月比減少となったものの、減少率は17ヵ月ぶりに一ケタ台にとどまった。一方、「業界不振」(50件、同4.2%増)は14ヵ月ぶりに前年同月比を上回ったほか、「経営計画の失敗」(29件、同70.6%増)、「設備投資の失敗」(23件、同43.8%増)は、それぞれ40%を超える増加率を記録している。
そのほか、「不況型倒産」(835件)の構成比は75.5%で、2ヵ月ぶりに75%以上の高水準となった。業歴30年以上の「老舗倒産」(268件)は構成比24.2%で、18ヵ月ぶりの25%割れ。また、新潟県中越地震関連倒産は2件、台風関連倒産は5件発生。最低資本金特例の確認企業が2件倒産し、累計で5件となった。