2006年度税制改正で導入された実質一人会社のオーナー社長に対する給与の給与所得控除相当分を損金不算入とする措置が話題を呼んでいるが、当然のことながら中小企業経営者にとって不満が大きいようだ。関東財務局はこのほど、今年3月~5月にかけて管内1都9県の中小企業等538社の社長など実際の経営に携わっている役員に対して行った「第2回地域企業ヒアリング」の調査結果を公表した。
調査結果によると、今回寄せられた意見・要望は全部で622項目にのぼり、そのうち38%を「税制」に関するものが占め、次いで「他省庁関連」が24%、「金融行政」が16%、「予算一般」が14%、「国有財産」が5%などとなった。税制に関するものを税目別でみると、「法人税」が8%で最も多く、次いで「消費税」(7%)、「相続税」(6%)、「固定資産の償却機関の見直し」(3%)、「執行関係」(3%)などが続いた。
具体的な要望では、2006年度税制改正で措置された「実質一人会社のオーナー役員への役員給与の損金算入制限」について、「中小企業のみに影響するもので、中小企業を狙い撃ちするもの」との不満や、また、中小企業においては、オーナーの相続時に非上場である自社の株式評価が過大となり事業承継が困難となる場合があることから、相続で企業が続かなくなるような事業承継税制は廃止してほしい、などの意見があった。
「地域企業ヒアリング」とは、財務局・財務事務所が、地域の行政サービス機関として、1)地域の中小企業が直面している課題や問題をヒアリング(情報収集)し、2)その問題点を整理・分析した上で解決のための対応策の検討を行い、3)それを言いっぱなし、聞きっぱなしにせず、ヒアリングした中小企業に必ず回答・フィードバックする新たな試みとして、昨年秋から行われているもの。
「第2回地域ヒアリング」の詳細は↓
http://www.mof-kantou.go.jp/keizai/4097hearing180710.pdf