ゼイタックス

税務関連情報 (2006/12/20)

海外相続財産の申告漏れ、70%増の53億円を把握

 相続財産が海外資産の場合は、税務署には簡単には発見されまいと考えて、申告除外する誘惑に負けそうである。だが、税務調査の網からはのがれられないようだ。今年6月までの1年間の相続税調査では、海外資産に係る申告漏れが前年度に比べ70.8%増の53億円把握された。海外資産関連の調査は297件実施され、うち230件から国内資産も含めた申告漏れ課税価格136億円が把握された。

 前年度に比べ、調査件数は16.5%増、申告漏れ件数は20.3%増加し、申告漏れ課税価格は5.4%増加したが、申告漏れ1件あたりの課税価格では5717万円で12.4%減少した。国際化のなかで海外の不動産などを購入することが珍しくなくなったことから、税務当局も常々情報収集には力を入れており、海外の資産だから申告しなくてもばれないだろうといった都合のいい考えは通用しないようだ。

 海外資産を申告除外した事例では、会社役員だった被相続人に係る調査を実施したところ、被相続人は生前、米国に賃貸不動産(賃貸コンドミニアム)を所有し、その賃貸収入を現地の証券会社において運用していた事実が判明したケースがある。相続人は、一連の取引が海外で行われていたことから、税務署には容易に発見されないと考え、これらの財産を申告から除外していた。2500万円の申告漏れに対し1500万円が追徴されている。