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経営関連情報 (2006/02/01)

多くの企業は継続雇用制度で雇用延長の方針

 今年4月から、65歳未満定年を定めている企業主は、65歳までの雇用確保措置を実施する必要がある。すべての企業が対象となり、また、努力義務ではなく義務となることから、大多数の企業が60歳定年を定めている現状においては、企業の対応が注目される。そこで、みずほ総研は、昨年11月に従業員数50人以上の企業を対象に「65歳までの高年齢者の雇用確保措置に関するアンケート調査」を実施した。

 調査結果(有効回答数787社)によると、現在は60歳定年とする一律定年制度を定める企業が97%、定年後に継続雇用制度を導入している企業が67%だった。ただし、継続雇用制度については、契約期間を1年ごとの更新とした嘱託・契約社員としている企業(85%)が多く、その対象者についても、一定の基準を設ける企業(38%)や、会社が特に認めた者のみとする企業(37%)が多く、希望者全員を対象とする企業は22%だった。

 すでに、定年年齢を65歳以上としていたり、希望者全員を対象とした継続雇用制度を導入済みなどで、法改正に伴う新たな対応が必要ない企業は14%にとどまっている。多くの企業では今後何らかの対応が必要になり、具体的には、「定年引上げを予定」している企業が7%、「継続雇用により対応」する企業が65%である一方、調査時点で「対応方針を検討していない」企業も12%あった。

 今回の法改正には、少子高齢化のなかでの労働力確保、厚生年金支給開始年齢の引上げに伴う60歳代前半の所得確保といった目的がある一方、労働意欲と能力のある高齢者の就業促進が、わが国の経済活力を維持するうえで、そもそも重要なことである。今後は、対象を限定した継続雇用制度の導入で、どの程度の雇用延長が進むのか、また、対象者の基準の設定も含め、実際の継続雇用制度の運用が円滑に進むのか、が注目される。

 同調査の詳細は↓
 http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/report/report06-0123.pdf