東京証券取引所がこのほど発表した2010年3月期第1四半期決算短信発表状況の集計結果(確定版)によると、東証上場3月期決算会社の第1四半期決算短信発表会社数は、前年同四半期から13社減少して1772社となった。これらの会社の第1四半期末から第1四半期(09年4~6月)決算短信発表までの平均所要日数は、前年同四半期比で0.3日短縮され34.4日となり、発表の早期化がみられた。
また、前年同期比で、決算発表までの所要日数が短くなった会社は840社と全体の47.4%を占め、同所要日数が平均2.5日短縮されたが、一方で、同所要日数が長くなった会社も403社(全体の22.7%)あり、同所要日数が平均3.8日長くなっている。なお、集計対象のうち、1ヵ月以内に発表を行った会社は、807社と全体の45.5%を占め、前年同四半期の775社(全体の43.4%)から32社増加している。
第1四半期決算短信発表は、四半期末後30日目に当たる7月30日が245社と全体の13.8%を、四半期末の翌月末に当たる7月31日が295社と同16.8%を、四半期末の翌々月の第1金曜日に当たる8月7日が289社と同16.3%をそれぞれ占めた。前年四半期と比べると、依然として特定日への集中傾向が顕著となった。特定日への決算発表の集中は、決算情報の消化に弊害が生じ、市場の効率が低下することが懸念されている。
東証では、今後の決算発表にあたっては集中日を避け、発表日の前倒しや、集中日に発表を行う場合も、できる限りピークタイム(15:00)を避け、午前中などの混雑度が比較的低い時間帯に決算発表を行うなど、決算発表の集中緩和に向けての対応を検討するように要請している。なお、決算発表日から四半期報告書提出日までの全社平均日数は7.5日(前年同四半期は8.1日)と、1週間の間隔が開いている。
しかし、四半期報告書提出との日数差が3日以内の会社が全体の28.6%と3割近い506社もあり、前年同四半期(450社)から増加している。四半期決算発表は、四半期の状況に関する情報のうち特に有用な情報を可及的速やかに投資者に伝えるための速報としての役割を果たすもの。四半期報告書提出に先立った四半期決算短信発表が要請される一方で、四半期決算短信の記載内容の簡素化を求める声はさらに高まりそうだ。