税 務 関 連 情 報

2003年08月11日-001
ストックオプションの評価方法を新設

 ストックオプションは、2001年11月の商法改正(2002年4月施行)による新株予約権制度の創設によって、付与対象者の制限撤廃や付与株式数の上限が撤廃されたことなどから、制度導入企業が増加し、2002年8月現在で上場会社の約3割(約1000社)が導入しているといわれる。今後、その利用の拡大とともに相続税の課税対象となるケースが増加すると予想される。

 そこで国税庁はこのほど、財産評価基本通達を改正し、これまで明確でなかったストックオプションの評価方法を新設したことを明らかにした。評価にあたっては、簡便性も考慮した上で、株価が変動すれば、そこから利益が生じるかもしれないという不確定な要素が含まれている時間的価値を捨て、課税時期において実際にどれくらいの経済的価値を得ることができるかという「本質的価値」に基づいて評価する。

 具体的には、「ストックオプションの価額=課税時期における株式の価額-権利行使価額」の算式で求め、評価額がマイナスの場合はゼロとなる。つまり、課税時期が権利行使可能期間内にあるストックオプションの価額は、課税時期における株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、ストックオプション1個の行使により取得することができる株式数を乗じて計算した金額によって評価することとされた。

 この新設通達は、上場会社や気配相場等のある株式を目的とするストックオプションを対象としている。それは、ストックオプションの付与者は権利行使によって取得した株式を譲渡して初めて利益が実現できることから、ストックオプションを付与する会社は、一般的には株式を自由に譲渡できる環境にある会社、つまり公開会社や公開予定会社であると考えられることによる。なお、非上場会社が発行するストックオプションの価額については、その発行内容等を勘案し、個別に評価することとされている。

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