経 営 関 連 情 報

2002年06月14日-002
三菱総研、回復テンポ緩やかも2003年度はプラス成長を予測

 三菱総合研究所が6月12日に公表した内外景気見通しによると、わが国の実質成長率について、2002年度は▲0.6%と前年度(▲1.3%)に比べマイナス幅を縮めつつも、年度ベースでみれば2年連続のマイナス成長となると見込んでいる。また、今回初めて行った2003年度の見通しでは、力強さに欠けるものの1.2%のプラス成長になると予測した。

 三菱総研によると、わが国の景気は、依然厳しい要因を抱えながらも、回復の兆しを見せていると判断。米国、アジア向けを中心に輸出が伸びている中、在庫調整が一巡していることもあって、国内の生産活動は増加傾向を強めている。もっとも、需要項目の中で明確な増加を示しているのは輸出のみで、デフレ圧力も強いと分析している。

 引き続き景気は厳しい状況ながら、最悪期は脱して本年3月前後に底入れは脱したと判断している。しかし、過去の景気の立ち上がり期と比べると、今回は設備投資の本格的な増加が当分期待できないなど、回復基盤の脆弱性が目立っていることを指摘。景気の最悪期は脱して、当面構造改革の“痛み”を受け入れる余地は高まったと考えるべきだが、その猶予期間はあまり長そうではないことから、早期に構造改革を進めておかないと、日本経済はいよいよ打つ手なしの状況に追い込まれると警告している。

 

 

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