税 務 関 連 情 報

2003年01月15日-001
所得捕捉率の是正に“怒れ全国のサラリーマン”(27)

★否定できない技術面・運用面での情報漏れ

 プライバシー問題で議論の的となるのは、情報が漏れて悪用される恐れがあるとの懸念である。特にインターネットによる情報漏れは、コンピュータによる情報収集・蓄積が簡易・大量・広範囲であるため、紙での情報漏れの被害とは比べられないほど深刻だという。それはその通りである。コンピュータの飛躍的な利便性の裏には常に大きなリスクがあるが、その利便性が人類の進歩にとって欠かせないがゆえにリスクを承知で使い続けているのである。

 これは、プライバシー問題を考える場合も同じである。例えば住基ネットにおいて、プライバシーが漏れる危険性を考える場合、住基ネットの利便性とプライバシーが漏れるというリスクをハカリにかけて選ぶのである。ここでは、そのハカリにかける作業は別の場所に譲るが、片方のハカリに乗るプライバシーそのものがどのようなものかを本連載で考えてきたことを思い起こしてもらうにとどめたい。

 プライバシーの内容はさておき、単にコンピュータによるネットワーク上の技術面・運用面からの情報漏れの危険性を考えたい。結論から行けば、どのような情報漏れの防御策を施そうとも、情報漏れのリスクは常に存在する。それは、アメリカ国防総省(ペンタゴン)のコンピュータさえも侵入されるというエピソードがすべてを物語る。技術面では、システムへの侵入者(ハッカー)と防御しようとする側の永遠の戦いである。

(次回に続く)

★本連載のバックナンバーは
http://www.taxcom.co.jp/column/hosokuritsu/index.htm

 

 

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