2003年04月21日-002
2002年度の税収46兆8千億円は15年前の水準
わが国の財政事情が危機的な状況にあることは周知の事実だが、意外に、実際の現在の国の財政を数字的に認識していない人が多いようだ。たまには具体的な数字を確認することも有意義なことではあるまいか。
2002年度予算ベースでの一般会計歳入総額は81兆2300億円だが、このうち税金(租税及び印紙収入)は46兆8160億円で、歳入全体の57.6%、6割弱を占めている。残りは、公債金収入が30兆円(構成比36.9%)、その他収入が4兆4140億円(同5.4%)。実は、歳入の3割以上が借金なのである。
税収(一般会計ベース)は、1990年度に60.1兆円でピークとなった後、バブル崩壊による景気の低迷や数度にわたる景気対策のための減税によってかなり減少し、2002年度の税収46.8兆円は、恒久的な減税の影響もあって、15年前の87年度の水準となっている。
税目別にみると、所得課税のウエイトが大きく落ち込んでいる。90年度には71%を占めていた所得税・法人税収が2002年度には55%まで下がっている。反対に消費税は、景気の動向に影響を受けにくいことや税率の引上げもあって、22%から39%にウエイトが上がっている。
一方、2003年度予算ベースでの一般会計歳出の内訳は、一般歳出が47兆5472億円で58.5%を占め、地方交付税交付金等が17兆116億円、20.9%、国債費が16兆6712億円、20.5%となっている。つまり、歳出のうちのかなりの部分が借金の返済に充てられていることになる。
少しはわが国の財政事情の厳しさがお分かりいただけたろうか。現在の巨額な歳入と歳出のギャップを埋めることは大変なことなのである。その上、今後の経済の成長に伴う大幅な税収増は期待できず、少子・高齢化に伴う社会保障費の負担増などが避けられない状況にある。歳出・歳入の両面にわたる抜本的な改革が、また、それに対する国民の選択が必要になるわけだ。
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