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経営関連情報 (2004/04/14)

急速に市場規模が拡大する非接触ICカード市場

 「非接触型」ICカードとは表面に接点がなく、カードリーダー/ライタとの交信を電波で行うICカードのこと。JR東日本が導入したIC乗車券「Suica」が成功したことで他分野でのシステム導入の動きが活発化しており、急速な市場規模拡大が予測されている。その非接触ICカード市場を調査したのは矢野経済研究所である。

 調査結果によると、非接触ICカードの国内市場規模は、2003年度見込みで2148万枚(前年度比161%)だった。また、需要予測については、2005年度予測が5835万枚(2003年度比272%)、2010年度予測が1億6550万枚(2005年度比320%)と急速な市場規模拡大を予測している。

 2003年度の需要分野別構成比としては、数量ベースで、「行政分野」(住基カード・運転免許証・健康保険証・パスポートなど)が38.7%、「流通分野」(電子マネー・プリペイドカード・ポイントカードなど)が30.2%、「交通・運輸分野」(鉄道・バスなど)が18.1%、「アミューズメント分野」が6.6%、「ID分野」(社員証・学生証など)が4.8%、「通信分野」が0.6%、「その他分野」が0.9%と算出している。

 また、2005~2010年度にかけてのアプリケーション別の需要予測については、「交通・運輸分野」や「行政分野」、「ID分野」(入退室管理)などが利用者の利便性向上を受けて大きく成長。さらに、今後は交通分野と流通分野やID分野と金融分野などのマルチアプリケーションが大きく進展することが予想され、運用面での課題は残すものの、ますますの市場拡大が見込まれるとみている。