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中小企業の多様な実態に配慮した会計処理を標榜

経営関連情報 - 2011年11月14日

 中小企業関係者等が主体となり、中小企業庁及び金融庁を共同事務局とする「中小企業の会計に関する検討会」(座長:万代勝信一橋大学大学院教授)が9日、「中小企業の会計に関する基本要領(案)」を公表した。基本要領は、法令等によってその利用が強制されるものではないが、中小企業の多様な実態に配慮し、その成長に資するため、中小企業が会社法上の計算書類等を作成する際に、参照するための会計処理や注記等を示している。

 基本要領は、(1)中小企業の経営者が活用しようと思えるよう、理解しやすく、自社の経営状況の把握に役立つ会計、(2)中小企業の利害関係者(金融機関、取引先、株主等)への情報提供に資する会計、(3)中小企業の実務における会計慣行を十分考慮し、会計と税制の調和を図った上で、会社計算規則に準拠した会計、(4)計算書類等の作成負担は最小限に留め、中小企業に過重な負担を課さない会計、を基本スタンスとしている。

 基本要領の利用が想定される会社で、金融商品取引法上の一般に公正妥当と認められる会計基準や中小指針に基づき計算書類等を作成することを妨げない。また、複数の会計処理の方法が認められている場合は、企業の実態等に応じ適切な会計処理の方法を選択して適用する。会計処理方法は、毎期継続して適用する必要があり、変更するときは合理的な理由を必要とし、変更した旨、その理由及び影響の内容を注記する、としている。

 基本要領で示していない会計処理が必要になった場合は、企業会計基準、中小指針、法人税法で定める処理のうち会計上適当と認められる処理、その他一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行の中から選択して適用。また、経営者が自社の経営状況を適切に把握するためには記帳が重要で、すべての取引につき正規の簿記の原則に従って行い、適時に、整然かつ明瞭に、正確かつ網羅的に会計帳簿を作成しなければならない、としている。

 基本要領(案)は↓
 http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111108005/20111108005-5.pdf