中小企業庁がこのほど公表した中小企業景況調査結果によると、2004年10~12月期の全産業の業況判断DI(「改善」-「悪化」)は、前期に比べ2.0ポイントマイナス幅が拡大して▲27.4となり、3期連続でマイナス幅が拡大した。3期以上連続してマイナス幅が拡大したのは、2000年10~12月期から2001年10~12月期の4期連続以来。中小企業の業況は、弱い動きが見られ、踊り場を迎えているとの見方を示している。
製造業の業況判断DIは、4.2ポイントマイナス幅が拡大して▲17.6となった。業種別では、「電気・情報通信機械・電子部品」(▲11.9)が前期比▲11.8ポイント、「一般機械」(0.7)が同▲10.9ポイントと大幅に前期を下回ったのをはじめ、12業種で前期を下回った(前期は4業種)。DI値がプラスに転じていた「輸送機械」(▲7.1)は、3期ぶりにマイナスに転じた。前期を上回ったのは「パルプ・紙・紙加工品」(0.3)、「化学」(▲15.7)の2業種。
非製造業は、1.0ポイントマイナス幅が拡大して▲31.5となり、3期連続してマイナス幅が拡大した。業種別では、「建設業」(▲28.2)が前期比0.3ポイント増とマイナス幅が縮小し、「卸売業」(▲17.8)は同1.5ポイント増とマイナス幅が2期連続して縮小した。これに対して「小売業」(▲37.4)は同▲1.7ポイント、「サービス業」(▲28.9)は同▲0.9ポイントとともにマイナス幅が拡大している。
また、全産業の資金繰りDI(「改善」-「悪化」)は、0.5ポイント改善し▲19.3となった。製造業は0.2ポイント改善の▲13.7、非製造業は0.3ポイント改善の▲21.8。全産業の長期資金借入難易度DI(「容易」-「困難」)は▲11.0と横ばい。短期資金借入難易度DI(同)は0.5ポイント改善して▲6.7となった。製造業は、長期・短期とも改善、また、非製造業は、長期が9期ぶりに悪化したが、短期は6期連続改善している。