2003年08月18日-002
役所・銀行の窓口は不愉快体験の宝庫?!
役所や銀行の窓口というと昔から消費者を不愉快にさせる接客の定番だ。そのマニュアル化されたそっけない柔軟性のない対応はいまでもあまり改善されていないようだ。JMR生活総合研究所が同社ネットモニター744人を対象に7月はじめに実施した調査によると、回答者の約4割にあたる287人が、過去1年以内に手続きの場面で不愉快な体験をしたことが分かった。
印象に残っている不愉快な場面は、最も多かったのが「役所の窓口」の38.7%、次いで「銀行の窓口」が33.1%で続き、この2大不愉快窓口を、「電話会社・通信事業者」(14.6%)が追う形となった。「電力・水道・ガス会社」は3.1%、「郵便局」は2.8%と不愉快体験は少なかった。役所を挙げたのは男性・自営業・忙しい人、銀行を挙げたのは男性50代と女性の40代以上という傾向がみられた。
その不愉快に感じた内容をみると、「長時間待たされた」が42.2%で最も多く、以下、「やる気がなさそうだった」(32.1%)、「処理のスピードが遅かった」(〃)、「見下すような態度をとった」(30.3%)などが上位に挙げられた。これらの原因は、「仕事の手際が悪く、自分たちがサービス業であることを認識していない」という、役所に対する消費者の声に集約されているようだ。
問題は消費者の対処法である。買い物や飲食店での不愉快体験と違い、役所や銀行では「もう行かない」では済まない場合が多い。「その場で直接文句を言った」人が32.4%いる一方で、「仕方がないと思い特に何もしなかった」(32.4%)とあきらめてしまう人も同じだけいた。「露骨にいやな顔や態度をした」人が19.5%いたが、どれだけ相手に伝わっているかは疑問だろう。
結局、役所や銀行などの窓口は、本来の業務からクレーム対応に至るまでサービス精神が感じられないため、消費者の不満は大きい。もっとも最近は、役所や銀行も、構造改革・歳出削減の要請を背景に体質改善が求められている。役所や銀行だから多少の不愉快は許される、という時代は終わったとの意見は多い。サービス業であることを認識しない接客が続けば自然淘汰される時代ではあるまいか。
【ホームへ戻る】
|