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国税庁、書面添付制度の基本的な考え方等を公表

税務関連情報 - 2009年05月20日

 国税庁は、日本税理士会連合会と協調して書面添付制度の普及等に取り組んでいるが、日税連が「添付書面作成基準(指針)」を定めたことを踏まえ、書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続き等(事務運営指針)を公表した。これは、意見聴取を行った結果、調査の必要がないと認められた場合に、税理士等に対して「現時点では調査に移行しない」旨を原則書面通知することにしたことから、所要の整備を図るもの。

 基本的な考え方は、申告書に添付書面の添付がある法人については、過去の申告事績や調査事績、資料情報に加え、添付書面の記載事項及び税理士等の関与の程度に基づき、的確な管理を行う。添付書面は、申告書審理や準備調査に積極的に活用するほか、添付書面の記載事項のうち確認を要する部分については、意見聴取の際に十分聴取するよう努め、実地調査の要否の判断に積極的に活用し、調査事務の効率的な運営を図る。

 事務手続きでは、統括官等が書面添付制度適用法人に対し実地調査を指令する場合には、事前通知を行わないこととしたときを除き、事前通知を行う前に税務代理権限証書に記載された税理士等に対し添付書面の記載事項について意見聴取を行うよう調査担当者に指示する。調査担当者は、事前通知予定日の1週間から2週間前までに税理士等に対し意見聴取を行う旨を口頭(電話)で連絡し、意見聴取の日時、方法を取り決める。

 意見聴取により疑問点が解明した場合には結果的に調査に至らないこともあり得ることを認識し、例えば、顕著な増減事項・増減理由や会計処理方法に変更があった事項・変更の理由などについて個別・具体的に質疑を行うなど、意見聴取機会の積極的な活用に努める。その結果、調査の必要性がないと認められる場合には、税理士等に対し「現時点では調査に移行しない」旨の連絡を、原則として意見聴取結果についてのお知らせで行う。

 意見聴取を行い、その後に修正申告書が提出されたとしても、原則として加算税は課さない。ただし、非違事項の指摘を行ったかどうかの具体的な事実認定により「更正の予知」の有無を判断することになるから、修正申告書が意見聴取の際の個別・具体的な非違事項の指摘に基づくものであり、「更正の予知」があったと認められる場合には、加算税を課すことに留意する。なお、この事務運営指針は2009年7月10日以降に用いられる。

 調査課における書面添付制度運用の基本的な考え方等は↓
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/090401-2/01.htm