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税務関連情報 (2005/06/20)

公益法人の収益事業などへの課税適正化を提言

 政府税制調査会は17日、非営利法人に関する税制についての基本的な考え方を示す報告書を公表し、公益法人に対する課税の適正化を提言した。報告書では、収益事業の範囲、軽減税率、みなし寄附金制度、金融資産収益に対する課税のあり方について、社団法人や財団法人、学校法人、宗教法人など公益法人等に共通する横断的な課題として再検討する必要があるとしている。

 現行法人税法では、公益法人等に対して、課税対象となる収益事業として限定列挙された33種の事業から生じた所得へのみ課税している。しかし、公益法人等が行う事業活動が拡大・多様化し、株式会社など営利法人との間で課税のアンバランスが生じていることや、1984年以来その対象範囲が見直されておらず、実態から乖離しているのではないかなどといったことから批判が高まっていた。

 そこで、収益事業の範囲を拡大するとともに、現行の収益事業の範ちゅうであっても一部非課税とされている特定の事業内容についての妥当性を再検討する。他方、公益法人等が多様な事業活動を行っている現状を踏まえ、課税対象を個別列挙により定めるのではなく、「対価を得て行う事業」というように包括的に定めたうえで一定のものを除外する、いわば「課税しない事業」を明示する方式の可能性も検討する。

 また、公益法人の収益事業の利益については、軽減税率とみなし寄附金制度が設けられ実質的な法人性負担がさらに軽減されているが、収益事業課税の趣旨に照らせば、現行の軽減税率22%を、できる限り通常の営利法人の基本税率30%と同等に近づけるべきだとしている。みなし寄附金制度(収益事業の利益を非収益事業に支出した場合、所得の20%相当額まで損金算入できる制度)のあり方についても検討課題とされた。

 報告書の全文は↓
 http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/170617.pdf