精神障害などの労災申請件数が2年連続で過去最高
厚生労働省が14日に発表した2010年度における脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況によると、仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神障害等を発症し、2010年度に労災申請した人は、前年度に比べ45人多い1181人で、2009年度を上回り2年連続で過去最高となった。労災として認定された人も、前年度より74人多い308人で、2008年度(269人)を上回り過去最多となった。
労災認定者を業種別にみると、「製造業」が50人、「卸売・小売業」が46人、「医療、福祉業」が41人、「運輸業、郵便業」が33人の順に多い。職種別にみると、プログラマーなどの「専門的・技術的職業従事者」が73人で最多、次いで「事務従事者」が61人「販売従事者」が44人など。年代別では、働き盛りの「30~39歳」が88人で最多、次いで「40~49歳」が76人、「20~29歳」が74人となっている。
認定を受けた308人のうち、発症の原因をみると、「仕事内容・仕事量の大きな変化を感じさせる出来事があった」が41人(前年度55人)でもっとも多い。次いで2009年度から認定基準に追加された「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」が39人(同16人)で続き、「上司とのトラブルがあった」17人(同9人)や「セクハラを受けた」8人(同4人)を含め、対人関係のトラブルが増加している。
一方、過労による脳・心臓疾患で労災を請求した人は、前年度に比べ35人多い802人で、4年ぶりに増加に転じた。労災の認定を受けた人は同8人少ない285人で、3年連続の減少となった。このうち過労死は同7人多い113人だった。労災認定者を業種別にみると、「運輸業、郵便業」(78人)、「卸売・小売業」(53人)、「製造業」(35人)、「建設業」(22人)の順に多く、この順位は前年度と変わらない。
また、労災認定者を職種別にみると、「輸送・機械運転従事者」が69人で最多、次いで「事務従事者」が44人、「専門的・技術的職業従事者」が40人など。年齢別では、「50~59歳」が104人(うち死亡38人)、「40~49歳」が96人(同42人)など。1ヵ月平均の残業時間は、「80時間以上100時間未満」が92人(同36人)、「100時間以上120時間未満」が84人(同36人)などとなっている。
同労災補償状況については↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001f1k7.html