日本政策金融公庫が、全国の食品製造業者、卸売業者、小売店、飲食店を対象に1月に実施した「2008年度食品産業動向調査」結果(有効回答数2405社)によると、原材料価格動向の影響が大きいと思われる「製造業」、「飲食店」について、前回調査(2008年7月)と比較すると、製造業は「コスト減少」が0%→4.0%、「コスト変わらない」が10.9%→12.0%、飲食店では、それぞれ0%→1.7%、39.3%→27.1%となった。
コスト増はやや沈静化したが、製造業で残りの8割、飲食店では7割が、コストは増加したと回答、原材料価格は引き続き上昇した。また、コスト増加率でみると、製造業は前回の14.5%が12.5%と若干減少する一方、飲食店では逆に前回6.9%が8.0%に増加した。対前年増加率では、輸入原材料に依存している製造業は、28.9%と飲食店(15.5%)に比べ高く、製造業のうちでは「油脂」(40.8%)などの食品素材部門で高かった。
コスト増加を背景に、食品産業全体でみた価格は、「上がった」(46.1%)、「変わらず」(48.1%)で約9割だが、「価格が下がった」との回答が5.2%あった。価格が上がった理由は、88.6%が「価格転嫁」。価格が変わらなかった理由は、「取引先の要請や消費者のニーズ」(34.8%)、「コスト増を自社努力でカバー」(27.6%)など。価格が下がった理由は、「取引先の要請や消費者のニーズ」が55.6%ともっとも高かった。
食品産業が考える「安心・安全のために、消費者に受け入れられると思われる今後の価格上げ幅」は、製造業が8.7%、卸売業が8.6%、小売業が8.6%、飲食店が4.7%。一方、消費者調査(有効回答数2107人)における消費者が考える「安心・安全のために受け入れられる値上げ幅」と比べると、「牛乳・乳製品」、「糖類」、「精穀・製粉」、「パン」を除く12品目で、食品産業が考える上げ幅が消費者を上回り、価格意識にズレがみられた。
同動向調査結果の詳細は↓
http://www.afc.jfc.go.jp/profile/news/2009/pdf/press_090309.pdf