ゼイタックス

経営関連情報 (2005/10/28)

「オタク」市場は延べ172万人、4110億円規模

 特有の消費行動を持つマニア消費者層、いわゆる「オタク」層の動きがビジネスサイドで注目されている。野村総研が2004年の「オタク」の市場規模について調査・分析した結果、アニメ、コミックなど主要12分野において延べ172万人、金額でおよそ4110億円に達すると推計される。分野別にみると、人口では「コミック」(35万人)、「芸能人」(28万人)が、金額では「コミック」(830億円)、「旅行」(810億円)が多くなっている。

 野村総研では「オタク」を、強くこだわりを持つ分野に趣味や余暇に投じられる金銭・時間のほぼすべてをつぎ込み、かつ、特有の心理的特性を有する生活者と定義。その消費行動・心理特性を分析し、「共感欲求」「収集欲求」「顕示欲求」「自律欲求」「創作欲求」「帰属欲求」の6因子から、「家庭持ち仮面オタク」「わが道を行くレガシーオタク」「情報高感度マルチオタク」「社交派強がりオタク」、「同人女子系オタク」の5タイプに類型化した。

 こだわりを持つ分野への消費を惜しまない「オタク」は、企業のマーケティング戦略上、無視できない存在だと指摘。また、「オタク」の独特な消費行動や心理特性が、新たな市場の創造・拡大に役割を果たすと、野村総研ではみている。野村総研では、今後も引き続き「オタク」の対象分野を広げながら調査を進め、この層のビジネス的価値を探っていくとしている。