国税庁は8日、法人が自己を契約者として、役員や使用人(これらの者の親族を含む)を被保険者として長期傷害保険(終身保険タイプ)に加入した場合の保険料の取扱いを明らかにした。生命保険協会の照会に対し文書回答したもの。この保険は、保険料は掛け捨てで、満期保険金はないが、病気による死亡や保険契約の失効、解約などの場合には、保険料の払込期間に応じた所定の返戻金が保険契約者に払い戻される。
法人が長期損害保険に加入してその保険料を支払った場合、生保標準生命表の最終の年齢「男性106歳、女性109歳」を参考に「105歳」を「計算上の保険期間満了時の年齢」とし、保険期間の開始時からその保険期間の70%に相当する期間(前払期間)を経過するまでの期間においては、各年の支払保険料のうち4分の3相当額を前払金として資産計上し、残額については損金に算入する。
また、保険期間のうち前払期間を経過した後の期間においては、各年の支払保険料を損金に算入するとともに、上記の資産計上額の累計額について、「資産計上額の累計額×1/(105-前払期間経過年齢)」で計算した金額を取り崩して損金算入する。前払期間経過年齢とは、前払期間が経過したときにおける被保険者の年齢をいう。
生命保険協会では、支払保険料の4分の3を資産計上する相当性について、長期傷害保険については、その保険期間の前半において支払う保険料のなかに相当多額の前払保険料が含まれており、各商品の保険料に占める前払保険料の割合の平均値を、前払期間の経過にわたってみると、おおむね7割程度であり、4分の3を資産計上した場合であれば、平均値を上回る商品でも10ポイント程度の乖離に収まっているとしている。
また、各商品の前払保険料累計額のピークは、計算上の満期年齢を105歳とした場合、おおむね保険期間の7割程度を経過した時点にあることから、保険期間の7割の期間を前払期間とすることは相当であると説明している。今回の国税庁の文書回答は、こうした長期傷害保険に対する税務上の取扱いに関する生命保険協会の照会に対し、差し支えない旨の見解を明らかにしたものだ。