財務省が4日に発表した2008年7~9月期の法人企業統計調査によると、経常利益は10兆3155億円で前年同期比▲22.4%と5四半期連続の減少となり、前期4~6月期の▲5.2%から減少幅が大幅に拡大した。売上高も375兆6348億円で同▲0.2%と3四半期連続の減少となっている。経常利益の減少幅はITバブル崩壊後の水準に達しており、企業収益の落込みは大きいものとなっている。
経常利益を業種別にみると、製造業では、石油・石炭などで増益となったものの、輸送用機械、電気機械、情報通信機械などで減益となったことから、製造業全体では▲27.6%と前期(前年同期比▲11.7%)から減少ペースが加速した。非製造業は、サービス業などで増益となったものの、電気業、建設業、運輸業などで減益となったことから、非製造業全体では▲18.5%と前期(同0.2%増)から大幅な減益に転じた。
設備投資額(ソフトウェア投資額を含む)は12兆1042億円で前年同期比▲13.0%と前期(前年同期比▲6.5%)から減少幅が拡大した。前期比でみても▲3.5%と4四半期連続の減少となり、設備投資の落込みが鮮明となっている。業種別にみると、製造業全体では▲0.9%と前期(同1.4%増)から減少に転じ、非製造業全体では▲20.3%と前期(同▲11.6%)に引き続き大幅な減少となっている。
なお、人件費は44兆9993億円で前年同期比▲2.3%となった。このうち、「従業員」(パート・臨時社員を含む)の給与は同▲2.7%の29兆2743億円、賞与は同2.0%増の5兆8077億円。「役員」の給与は同▲0.1%の4兆4381億円、賞与は同▲23.2%の1464億円だった。役員賞与は前期(前年同期比▲2.0%)から減少幅が大幅に拡大している。役員数は前年同期と比べると▲1.8%、従業員数は▲3.9%とともに減少している。