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雇用調整助成金が利用できる地震での事業活動の縮小

経営関連情報 - 2011年03月25日

 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を維持するために、一時的に休業等を行った場合、その休業等に係る休業手当相当額等の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度。厚生労働省はこのほど、東北地方太平洋沖地震被害に伴う「経済上の理由」で事業活動が縮小した場合についても同助成金が利用できることを明らかにした。

 また、この場合、雇用の維持に取り組む事業主をより迅速に支援できるよう、支給要件の緩和も行っている。すでに雇用調整助成金を利用している事業主が、今回の地震被害の影響を受け休業を行う場合にも、助成対象となる。ただし、東北地方太平洋沖地震を直接的な理由(避難勧告・避難指示など法令上の制限を理由とするもの等)とした事業活動の縮小については、「経済上の理由」に該当しないため、同助成金の対象とはならない。

 具体的な活用事例としては、(1)交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、原材料の入手や製品の搬出ができない、来客がない等のため事業活動が縮小した場合、(2)事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合、(3)避難指示など法令上の制限解除後においても、風評被害により観光客が減少したり、農産物の売上が減少した場合、などがある。

 同助成金の支給要件は、最近3ヵ月の生産量、売上高等がその直前の3ヵ月または前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主が対象となる。今回、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のうち災害救助法適用地域に所在する事業所の場合、今回の地震に伴う経済上の理由により「最近1ヵ月」の生産量、売上高等が「その直前の1ヵ月」または前年同期と比べ5%以上減少していれば対象となるよう緩和された。

 また、2011年6月16日までの間については、災害後1ヵ月の生産量、売上高等がその直前の1ヵ月または前年同期と比べ5%以上「減少する見込み」の事業所も対象となり、また、休業等を実施する場合、都道府県労働局またはハローワークに事前にその計画を届け出る必要があるが、同日までの間に提出された計画届けについては、「事前に届け出たもの」として取り扱われるので、労働局やハローワークに問い合わせをしていただきたい。

 雇用調整助成金については↓
 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a01-2.html