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2008年中に地方税法違反で10事件を検挙

税務関連情報 - 2009年03月25日

 警察庁がこのほど発表した2008年中における生活経済事犯の検挙状況によると、2008年中における生活経済事犯の検挙は、前年に比べ3.3%減の1万1799事件、検挙人員は同5.8%減の1万4967件だった。このうち約60%の7173事件は廃棄物事犯などの環境事犯だが、税法事犯の検挙事件数は、前年比11.1%(1事件)増の10事件、検挙人員は、同28.6%(12人)減の30人、同28.6%(2法人)減の5法人だった。

 税法事犯の検挙は、地方税法違反10事件で、総脱税額は前年から12.4%減の3億8531万円だった。10事件のうち6事件が軽油密造に係る軽油引取税に関するもので、昨年に比べ1事件減少した。この軽油引取税に関する地方税法のうち、1事件については、脱税のほか、2004年3月成立の改正地方税法(製造承認義務違反等)や2006年3月成立の改正地方税法(いわゆる供給者罰則)を適用した事件だった。

 例えば、福岡県の石油製品販売業者らは、2006年10月から2007年12月までの間、自社のトラック燃料経費削減や販売を目的として、灯油から識別剤クマリンを除去した後、灯油と軽油を混和して不正軽油を製造し、自社トラックの燃料として使用したり他業者に販売し、軽油引取税約2億3000万円をほ脱。今年1月までに地方税法違反で5法人、11人(うち逮捕6人)が検挙されている。

 「不正軽油」とは、ディーゼル車などの燃料として常時使用されている軽油に、重油などを不正に混ぜて、軽油として販売されているもの。不正軽油を販売・使用した場合は、軽油引取税の課税対象となり、これを免れようとするのは、悪質な脱税行為となる。また、不正軽油をディーゼル車等の燃料として使用すると、大気汚染を加速する大きな原因となることから、各自治体では不正経由撲滅に力を入れている。