税 務 関 連 情 報

2003年08月06日-002
中小企業再生支援での債権放棄は損金算入

 国税庁はこのほど、中小企業の再生支援のために、中小企業再生支援協議会の協力の下で策定された再建計画に基づき債権放棄した場合の損失は、寄附金とはならずに損金算入できることを認めた。経済産業省からの照会に答えたもの。中小企業再生支援協議会は、今年改正された産業活力再生特別措置法に基づき、経産省主導で今年の2月から全国45都道府県に設置され、地域の実情に応じた中小企業の再生支援を行う業務を開始している。

 一般に、債権者である企業が取引先などを整理・再建するために債権放棄をした場合、「合理的な再建計画に基づく債権放棄」による損失であれば、税務上損金算入されることが法人税基本通達などで明確になっている。しかし、中小企業に対する債権放棄においては、経営者が再建に不可欠な場合や、債務超過解消に必要なキャッシュフローが小さいこと、処理できる資産に限界があることなどの特徴がある。

 経産省は、このような中小企業の債権放棄を伴う再建計画に基づく債権放棄も、損金算入が認められる「合理的な再建計画に基づく債権放棄」にあたるかどうかを問い合わせたわけだ。国税庁は、その問合せに対し、債権放棄の損金算入を認める場合は原則3年以内となっている債務超過解消期間も5年程度に伸ばし、経営者の退任も原則求めないなど、大企業に比べ緩和した内容の再建計画でも債権放棄を認めたわけである。

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