昨今、食品に対する生活者意識がますます高まっているといわれている。gooリサーチを提供するNTTレゾナントと日本総研が共同で実施した「食品の安全性に関する調査」では、食品に関する意識の持ち方について生活者自身に3年前と今を比較してもらったところ、手間や時間を省く“利便性重視”から“安全性重視”に食生活や食習慣が大きくシフトしていることがうかがえる結果となった。
調査結果(有効回答数1059人)によると、食品や食事の習慣について、3年前に比べて増えたか/減ったかを聞いたところ、「増えた」+「やや増えた」との回答割合が高かったのは、「国産の食料品の購入」(64.3%)、「地元の食料品の購入」(42.8%)、「家庭で手作りの料理」(39.3%)、「無農薬・低農薬の食料品の購入」(36.3%)、「無添加の食料品の購入」(35.6%)、「有機栽培の食料品の購入」(30.6%)の順となった。
一方、「減った」+「やや減った」との回答割合が高かったのは、「冷凍食品の購入」(47.2%)、「外食」(46.9%)、「缶詰・レトルト商品の購入」(34.7%)、「惣菜の購入」(33.0%)だった。この結果から、調理時間を短縮できる食品よりも、時間をかけてでも確実に安全・安心な食事をしたいという意向が分かる。つまり、生活者が重視するポイントが、時間や手間を省く「利便性」よりも「安全性」に大きくシフトしてきているといえる。
食品を購入する際に重視する要素を調査したところ、もっとも重視するのは「鮮度が高いこと」(95.9%)だった。また、「国産であること」(90.2%)と「食品添加物が入っていないこと」(81.7%)が、「信用の置ける銘柄(ブランド)であること」(81.4%)を上回った。生活者はイメージや評判だけでなく、実際に自分の目で情報を確認し、納得して購入していることがうかがえる。
さらに、重視する要素において、どの程度重視しているのかを「価格プレミアム(どれくらい価格が高くても購入するか)」という観点から調査した結果、「国産であること」に対しては80.0%が、「鮮度が高いこと」に対しては73.2%が高くても買いたいと回答。一方、「調理に手間がかからないこと」に対する価格プレミアムは低く、ここでも利便性が相対的に重視されないことが明らかになっている。