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年度ベースの累計で1万件を突破した企業倒産

経営関連情報 - 2008年03月17日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は935件で、前月比は5.3%の増加、前年同月比も14.3%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。2007年4月~2008年2月の累計は1万206件と、年度ベースの累計で1万件を突破し、すでに2006年度合計の9572件を大きく上回っている。

 一方、負債総額は4960億3300万円で、前月比は27.5%増、前年同月比も76.8%の増加となり、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、不動産業の六本木開発(負債1340億円、東京都)の大型倒産を始め、負債100億円以上の倒産が7件(前月5件、前年同月3件)発生したことに加え、負債50億円前後の中堅クラスの倒産が、建設、不動産を中心に増加したことが影響したもの。

 負債額別にみると、負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は553件(前年同月比17.4%増)で全体の約6割(59.1%)を占めた。一方、中堅クラスの倒産が散発し、負債50億円以上100億円未満の倒産は11件(前月6件、前年同月3件)となった。資本金別にみると、個人経営が155件(前月比8.4%増、前年同月比2.0%増)及び資本金1000万円未満が284件(同7.2%増、26.8%増)の小規模倒産が高水準で推移している。

 2月は、販売不振、業界不振などを主因とする「不況型倒産」の合計が742件となり、その構成比79.4%は、2007年11月と並び、集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降で最高となった。足元では中小・零細企業を中心に企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、年度末を目前に控え、倒産は増加基調を強めるなか、2007年度の倒産件数は、2006年度の9572件を大きく上回る1万1000件超となる見通しだ。