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税務関連情報 (2004/01/09)
商業地の固定資産税の制限税率を廃止

 2004年度改正では、市町村税である固定資産税の制限税率が廃止され、商業地などにかかる引下げを地方自治体の判断に任せることになった。商業地等にかかる固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方自治体の判断で、負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額できる制度が創設される。

 現行の商業地の固定資産税は、公示地価の7割を評価額として、その60~70%となる課税標準額に税率をかけている。標準税率は1.4%、制限税率は1.5倍までとされていることから、標準税率を超える場合は2.1%を超えて課税することはできない。改正後は、制限税率が廃止され、負担水準60%までなら自治体の判断で引き下げることができることになる。

 経済界は、地価下落のなかでバブル期に強化した土地税制の見直しを求めてきた。特に固定資産税については、大都市商業地を中心にその負担が過重となっているとの不満が強い。今回の改正で負担軽減の可能性ができたが、自治体の判断に委ねたことから負担軽減につながるかどうかは未知数だ。固定資産税は市町村歳入の約45%を占める基幹税であることから、税収難に苦しむ自治体は現実には下げにくいからだ。

 なお、制限税率の規定は、課税自主権の拡大を図るため他の税目についても廃止されるべきだとの意見があるが、今回は固定資産税のほか都市計画税についてのみ廃止される。また、標準税率の定義を見直し、「財政上の特別の必要があると認められる場合に限り税率を変更することができる」とされている要件を緩和することとされた。