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経営関連情報 (2006/05/15)

大阪経済において重要な役割を果たすサービス産業

 サービス産業の果たす役割は近年ますます重要になっているが、大阪においても大きなウエイトを占めている。大阪府立産業開発研究所が実施した「大阪のサービス産業に関する調査」結果によると、大阪におけるサービス産業は、事業所数が全産業の48%、従業者数が41%を占め、府内総生産においても30%を占めるなど、大阪経済において重要な役割を果たしている。

 2001~2004年における大阪府の民間事業所の開業率は全産業平均で4.8%だが、「サービス産業」は5.6%と、「卸売・小売業」(4.5%)、「建設業」(4.4%)、「製造業」(2.5%)などを上回り、大阪経済の活力維持に貢献している。また、大阪府では、経済規模に比べ、情報サービス業や広告業などの都市型サービス業の集中度が高く、広域的な需要を満たす中心としての役割を果たしている。

 大阪府における従業者1人あたりの事業利益額は189万円だが、これは「東京都」(315万円)とは大きな開きがあり、「宮城県」(233万円)、「福岡県」(216万円)、「愛知県」(204万円)などほかの地域の中核的な府県と比べても少ない。大阪府では、事業利益額の収入に対する割合が低く、経費が高くつく立地条件にあるにもかかわらず、それに見合うだけの収入を得ていない結果、利益額が少なくなっていると分析している。

 また、広告業や労働者派遣業のように本社機能の流出の影響を受け、府内需要減少要因となる業種がみられるものの、情報化や高齢化が進むなかで成長を遂げるソフトウェア業や有料老人ホームなどの業種もみられる。同研究所は、域内需要を満たすサービス産業は地域の需要特性を踏まえることが必要であり、広域的な需要を満たすには、歴史や文化などの地域資源の活用による独自性の発揮が有効だと指摘している。