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08年建設業倒産、3年連続前年水準を上回るペース

経営関連情報 - 2008年10月24日

 東京商工リサーチが20日に発表した「都道府県別建設業倒産構成比調査」結果によると、2008年1月~9月の建設業倒産は、前年同期比13.1%増の3349件となり、3年連続前年水準を上回るペースで推移している。都道府県別では、前年同期を上回ったのは36都道府県にのぼり、特に、「富山」117.6%増(17→37件)、「鳥取」106.6%増(15→31件)、「和歌山」84.2%増(19→35件)などは前年同期比増加率が高くなっている。

 地区別建設業倒産件数では、全国9地区すべてで前年同期を上回った。増加率は、「中国」47.4%増(154→227件)、「北陸」40.9%増(83→117件)、「北海道」23.6%増(169→209件)、「中部」12.5%増(280→315件)、「近畿」11.2%増(720→801件)、「東北」10.9%増(229→254件)、「九州」10.4%増(392→433件)、「関東」6.8%増(820→876件)、「四国」4.4%増(112→117件)の順となっている。

 こうした倒産件数の増加に伴い、建設業倒産の2008年1月~9月の全倒産に占める構成比は、前年同月比0.8ポイント増の28.9%となった。都道府県別では、「宮崎」が57.3%でもっとも高く、次いで「沖縄」51.9%、「鳥取」50.8%、「鹿児島」47.0%、「愛媛」46.6%の順。これに対して建設業倒産構成比が低かったのは、「東京」13.8%、「静岡」19.1%、「大阪」23.6%、「愛知」24.4%、「神奈川」25.2%の順だった。

 地区別の建設業倒産構成比では、「中国」の41.3%を筆頭に、「九州」39.3%、「北陸」38.4%、「北海道」38.3%、「四国」38.1%、「東北」36.6%、「近畿」27.4%、「中部」27.0%、「関東」21.9%の順。前年同期比では、9地区のうち中国、北陸、北海道、中部、近畿の5地区で構成比が上昇した。さらに、最近5年間(04年1月~08年9月)においてもっとも高い比率を示しているのが、北海道・北陸・中国となった。

 公共投資削減傾向が続き、建設業が主要産業の地方経済では大きな打撃を受けている。さらに、昨年の建築基準法改正に伴う建築確認手続き厳格化や暫定税率失効に伴う工事執行の凍結・遅延も経営に影を落とした。最近では、民間工事の有力発注先であったマンション分譲会社の相次ぐ経営破たんも加わり、建設業界の経営環境は厳しさを増し、地方を中心に建設業の倒産が増勢し構成比が拡大している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/new/data/1179105_818.html