経済産業省が実施した「公的負担と企業行動に関するアンケート調査」結果(有効回答数1513社)の中間報告によると、今後、仮に法人実効税率が引き下げられた場合に得られるキャッシュフローの活用先について、短期的(引下げの当期)には、「投資にまわす」との回答が68.7%と約7割を占めた。以下、「債務の返済」(48.5%)、「給与や雇用に反映」(37.3%)、「内部に留保」(31.8%)、「株主へ還元」(26.4%)が続いた。
現行のわが国の法人課税所得等(法人税、法人住民税や法人事業税など地方法人課税)及び社会保険料負担について、「いずれも企業負担が重い」とする企業が54%、また、「法人所得課税等の負担が重い」が18%、「社会保険料の負担が重い」が11%と、両者またはいずれかの負担が重いとする企業は、全体の83%を占めた。「特段の問題はない」と回答した企業は16%に過ぎない。
負担が重いと回答した企業のうち、現行の法人実効税率が国際競争力に「深刻な影響を与えている」と回答した企業は8%、「ある程度マイナスの影響を与えている」が44%、「影響を与えているが、経営努力により国際競争力を維持している」が21%と、影響を感じている企業が計73%にのぼった。しかし、中長期的(5~10年)に現行のまま推移した場合は、「経営努力により国際競争力を維持できる」との回答企業は9%に減少する。
また、現行の社会保険料負担が企業の国際競争力に「影響を与えている」と回答した企業は63%(「深刻」6%、「ある程度」39%、「経営努力で国際競争力を維持」18%)を占めた。社会保険料負担が中長期的に増大した場合の対応としては、「賃金・雇用調整」と回答した企業が69.1%ともっとも多く、次いで「製品・サービス価格の引上げ」が47.0%、「設備・研究開発等投資の抑制」が44.8%などだった。
同アンケート調査結果の詳細は↓
http://www.meti.go.jp/press/20070928013/9_KK_A.pdf