ゼイタックス

経営関連情報 (2004/10/15)

中小小売業が新分野進出を模索することの重要性

 中小小売業を取り巻く経営環境は非常に厳しい。規制緩和による店舗の大型化や営業時間の延長、大手小売業による出店攻勢などといった長期的な環境変化が主因と考えられる。このようななかで中小小売業が生き残るためには、既存事業の見直し・底上げから一歩踏み込んだ新事業分野進出へ取り組むことが求められる。その留意点をまとめた信金中金総研のレポートを紹介したい。

 レポートは、中小小売業の業況については、外部環境の影響もさることながら、むしろ個々の事業者における商品構成や販売方法、顧客サービスなどに起因する“何か”に大きく影響されているものと分析。例えば、現在繁栄を遂げている大手小売業といえども、創業当時から今日に至るまでの時代変化に積極的に対応しつづけたことが、今日の地位を確立した“原動力”になってきたものと推察している。

 中小小売業者は、過去の成功体験にとらわれず、いま一度小売業の原点ともいえる「顧客の視点」に立ち返り、顧客とのコミュニケーションを通して潜在ニーズを察知し、これに対応していく必要がある。そのうえで、中小小売業の強みである“近隣性”や“親近性”、さらには“対面性”などを活かす形で既存事業の見直し・底上げを行うにとどまらず、一歩踏み込んだ新分野進出を模索してみることも重要になっていくと指摘している。

 また、最適な新分野進出を見出していくために、1)既存事業の範ちゅうでは対応の難しい潜在的な顧客ニーズの把握、2)自社を取り巻く外部環境と内部環境の把握、3)新分野進出の基本的な理念や売上・利益目標といった形で経営姿勢や方向性などを明確化、4)顧客に対して商品・サービスを販売する具体的方法を検討・実行していくマーケティングミックス、といった手順を掲げている。

 レポートの詳細は↓
 http://www.scbri.jp/PDFsangyoukigyou/scb79h16F06.pdf