信金中央金庫が国際協力銀行の協力を得て実施した「2004年度海外直接投資アンケート調査」結果(有効回答数:製造業595社)によると、国内外事業の取組みにおける現在の最優先課題(3つまで選択)は、「海外生産の強化・拡大」を挙げる企業がもっとも多く、57.9%を占めた。次いで「研究・開発機能の強化・拡大」(40.2%)、「自社独自での取引先の強化・拡大」(26.5%)、「新規事業への積極進出」(22.4%)などが上位を占めた。
また、2002年度調査と比べると、「新規事業への積極進出」が4.6ポイント増、「国内生産の強化・拡大」(17.8%)が9.2ポイント増など、大きく順位を上げ、国内外ともに企業の積極的な拡大姿勢が目立つ。一方、「トータルコストからみた国内生産体制の見直し」(10.3%)は15.1ポイントも減少し、足元の事業整備体制にかかる課題の位置付けが相対的に低下した。
海外に対する今後3年程度の中期見通しについては、「強化・拡大する」との回答企業割合が全業種平均で81.9%となり、海外事業への積極的姿勢は昨年度(78.3%)に引き続き高い。国内と海外の生産分業については、汎用品がおおむね「日本国内」(62.7%)、「中国」(58.5%)、「ASEAN」(51.5%)で満遍なく生産されており、高付加価値品は業種を問わず約9割(90.5%)の企業が日本国内で生産を行っている。
なお、回答企業595社の持つ海外現地法人の総数は1万79社であり、このうち約半数は生産拠点だ。生産拠点の地域分布は、今年度調査で初めて「中国」(1346社)が「ASEAN4」(1190社)を上回りもっとも多くなった。以下、「北米」(759社)、「NIES」(612社)、「EU15」(454社)などの順。また、海外現地法人数についても、本年度調査で「中国」(1998社)が「ASEAN4」(1691社)を上回り最多となった。
同調査の詳細は↓
http://www.scbri.jp/PDFasiagyou/scb79h16q034.pdf