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2009年3月期決算でのGC注記企業は83社

経営関連情報 - 2009年06月15日

 4月9日、「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン、GC)に関する注記」に関わる監査基準の改訂が行われた。新ルールでは、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況が存在する場合、対応策に不確実性がある場合は従来どおりの注記をする一方で、確実性のある対応策が認められる場合は注記の必要がない。ただし、注記には至らないまでも「事業等のリスク情報」等での情報提供が適切とされている。

 東京商工リサーチが2009年3月期決算上場企業を対象に実施した「継続企業の前提に関する注記状況調査」結果によると、新開示ルールで初めて迎えた上場企業の2009年3月期決算でのGC注記企業は83社あり、2008年12月末(前第3四半期)時点の132社に比べ約4割減少した。ただし、リスク情報などを開示した企業は59社にのぼり、従来の監査基準からすると総数は142社で、前期第3四半期時点を上回る結果となった。

 3月期決算企業で2008年12月末時点にGC注記があった132社のうち、継続して注記がついたのは70社、注記が外れたのは55社だった(倒産2社、上場廃止4社、未発表1社を除く)。注記が外れた55社のうち27社は「事業等のリスク情報」、「継続企業の前提に関する重要事象」、「会社の対処すべき課題」などで継続企業の前提に関する重要事項について開示を行っている。

 GC注記の理由(重複含む)については、GC注記企業83社のうち78社が「重要、継続的な売上減、損失の計上、営業キャッシュフローのマイナス」など本業面での業績悪化を理由に挙げた。このほか、「資金繰り悪化や資金調達難」と「金融機関などに返済条件の変更要請・支払遅延の発生」がともに13社、また、業績悪化で金融機関からの借入の際に締結する「財務制限条項に抵触」したケースが10社、「債務超過」が8社などだった。

 同注記状況調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/new/data/1187070_818.html