税 務 関 連 情 報 |
2002年11月08日-002
経済財政白書、所得課税の諸控除の廃止・見直しを示唆
2002年度の年次経済財政白書が5日に公表されたが、80年代以降の大幅な軽減策によって、わが国の所得課税の負担は、歴史的にも国際的にも低い水準であることを指摘した。現在の負担構造は給与所得者の5人に1人が所得税を納めていないことから、所得控除・人的控除を見直して納税者を増やすべきことを示唆した。
個人所得課税については、最高税率の引下げと税率構造の簡素化によって、現在は最低税率10%の適用者が給与所得者の8割を占め、控除の拡充によって課税最低限が引き上げられ給与所得者の5人に1人が所得税を納めていない。また、課税ベースの縮小と税率の引下げによって、給与総額に対する税収の比率は、85年度に15.1%あったものが2002年度には10.4%まで低下してきていることを指摘した。
今後のわが国の高齢化を考えると、社会保険料の増加に伴う課税ベースの縮小はますます大きくなっていく。諸控除を廃止すると、課税最低限の水準が低下することにより、これまで所得税を納付していなかった人のうちから、納税者に移るものが出てくる。また、高齢者についても、夫婦世帯の公的年金受給者の課税最低限は、現役給与所得者の1.5倍と税負担の乖離があり世代間の不公平を生んでいると指摘。公的年金税制の見直しも示唆している。
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