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経営関連情報 (2005/10/03)

約50年ぶりに新しくなるJISマーク制度

 この10月1日から新JISマーク制度が開始された。JISマーク表示制度は、概観だけみてもわからない重要な品質を規格に定め、個々の製品がその規格にあっていることを第三者が証明する方法で、消費者が良い製品を選ぶときの目印となる。1949年の工業標準化法制定から約50年ぶりの改正となり、制度の国際整合性や民間活力の一層の活用に加え、指定品目制度が廃止された。

 JISマーク制度は、これまで、1)規制法規や公共調達での引用、2)企業間取引での購入要件、3)メーカーの消費者に対する情報発信ツール、4)消費者の判断材料、などの役割を担い、広く活用されてきた。しかし、基準認証制度の国際整合性の要請や国がJISマーク表示対象製品を指定することによる制度の硬直化、などといった課題が顕在化してきたため、昨年6月、工業標準化法が改正された。

 新制度の特徴は、まず、旧制度では国が工場などの認証を行ってきたが、新制度では国に登録された民間機関が認証を行う仕組みへと転換された。次に、国が民間機関を登録する際は、ISO/IECの定めた国際基準に基づき判断することとし、国際的に整合した適合性評価制度へと変革された。登録認証機関も、国際的な基準に基づいて工場の品質管理体制の審査を行うことになる。

 また、国が指定した製品に限ってJISマークの表示を認めていた「指定商品制」を廃止し、認証可能なJIS製品規格があるすべての製品について、認証を受ければJISマークを表示できるようになった。さらに、認証の申請は、内外の製造業者や加工業者に加え、新制度では、国内の輸入業者や販売業者、海外の輸出業者も可能となった。そのほか、生産された特定数量(ロット単位)の製品であっても認証が受けられる。

 JISメーク制度は、新たな枠組みのなかでさらなる活用が期待される。具体的には、アジアなどの海外企業にとって、新制度の活用は、「信頼のパスポート」として、日本市場における、また現地に進出した日系企業とのビジネスチャンスを開拓する有効なツールになると期待されている。また、わが国の企業の立場からみれば、ますます増える海外調達や現地調達の際に、品質管理のツールとしての活用が考えられる。