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中小企業景況が悪化も先行きには持直しの兆し

経営関連情報 - 2011年07月25日

 日本政策金融公庫が取引先中小企業を対象に6月中・下旬に実施した「全国中小企業動向調査」結果(有効回答数6936社)によると、中小企業の景況は、東日本大震災の影響により悪化しているが、先行きには持直しの兆しもみられるという。今期4~6月期の業況判断DI(前年同期比、「好転」-「悪化」企業割合、季節調整値)は、前期に比べてマイナス幅が20ポイント拡大し、▲24.8となった。

 来期7~9月期は、マイナス幅がやや縮小し▲24.4に、さらに来々期10~12月期には▲14.3まで改善する見通し。今期の業況判断DIを業種別にみると、製造業は、はん用機械、生産用機械を除くすべての業種でマイナス水準となった。特に、自動車部品を含む輸送用機械でマイナス幅が拡大している。非製造業は、すべての業種でマイナス水準となった。なかでも、飲食宿泊業や運送業などでマイナス幅が拡大している。

 今回は東日本大震災の影響を特別調査しているが、震災の発生時から調査時点(6月)までの事業への影響(複数回答)をみると、「販売先や受注先が直接・間接の被害を受けたことによる売上の減少」が38.3%で最多、次いで「自粛ムード、節約意識の高まりによる売上減少」(36.9%)、「原材料、部品、商品、燃料などの不足」(30.4%)などの順。今後の影響(同)では、「原材料、部品、商品、燃料などの価格高騰」が37.0%で最多だった。

 また、震災がなければ達成したであろう売上水準と実際の売上水準(4~6月期)を比較すると、震災がなかった場合の売上水準より減少した企業の割合は45.3%となった。業種別にみると製造業(49.5%)、地域別にみると東海(53.6%)、関東(51.8%)、東北(51.4%)などでは減少した企業の割合が高くなっている。売上が震災前の水準まで回復する時期をみると、「1年以内」とみている企業の割合が66.1%となっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/smseach2011_07.pdf