ゼイタックス

税務関連情報 (2004/04/02)

昨年12月末での国の「借金」は670兆円

 消費税率引上げの足音が段々近づいてくるが、その原因のひとつに危機に瀕したわが国の財政事情があるのはいうまでもない。財務省が3月25日に公表した2003年12月末時点での国債や借入金などを合計した国の「借金」は過去最悪の670兆1212億円にのぼった。1年前の2002年12月末時点からは4.2%(26兆9267億円)増えた。

 たいして増えていないと思われた方もいようが、これには裏がある。昨年4月の郵政公社発足に伴い、郵政事業特別会計等からの借入金がすっぽりと落ちているのだ。借入金は1年前に比べ47兆円も少なくなっている。つまり、郵政公社発足がなければ、1年間で70兆円以上も借金が増えたことになる。税収は、年間予算のかろうじて半分を占めるぐらいしかないのだから、国債に頼らざるを得ない厳しい財政事情は明らかだ。

 普通債や財投債などを合計した国債残高は1年前より47兆2291億円多い539兆8169億円で、これに借入金59兆9690億円と政府短期証券70兆3353億円を加えたものが、わが国の「借金」総額670兆円なのである。26日に成立した2004年度予算案の一般会計総額82兆1109億円の8倍強となる。税収見込み(約41兆7000億円)の16倍だ。年収500万円の会社員であれば8000万円の借金を抱えていることになる。

 国民一人あたりでは、ご老人や赤ん坊、子供を含めてだが(総務省人口推計月報・3月1日時点の概算値:1億2759万人)、約525万円の借金となる。ところが、借金はこれだけではない。地方財政の借金も増えつづけており、借入金残高は2004年度末で204兆円と見込まれる。国・地方を合わせた借金は900兆円近くに達するのだ。このような厳しい現実を認識すれば、もう少し税金に、その使途に関心を持ってもいいと思うのだが…。