ゼイタックス

税務関連情報 (2006/05/29)

大幅に増加した申告書作成コーナーからの提出件数

 2005年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が過去最高の2318万1千件にのぼり、また、個人事業者の消費税の新規課税事業者が117万4千人増えるなど、納税者が著しく増加した。こうした年々増加する納税者数への対応として国税庁は、確定申告の基本方針として「自書申告」を推進しており、そのためのIT(情報技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。

 その目玉は、国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」だ。今年は、そこで作成した申告書をカラープリンタのほか、モノクロプリンタで印刷したものもそのまま税務署に提出できるように機能改善した結果、同コーナーを利用して作成した所得税申告書の提出件数は、昨年を83.2%上回る127万件の大幅増となった。消費税申告書も昨年の2千件から5万3千件と激増している。

 同コーナーへのアクセス件数も、前年に比べ42.6%増の1459万3千件と大幅に増えた。また、同コーナーについては、税務署に訪れる納税者にも利用できるように、相談会場にパソコンを設置したところ、これを利用して作成した申告書の提出件数が、所得税で54万4千件、消費税で5万8千件となった。この結果、同コーナーで作成した申告書の提出総件数は192万5千件となった。これは、申告件数全体の7.8%にあたる。

 一方、全国拡大後2回目の確定申告となるe-Tax(国税電子申告・納税システム)については、所得税の申告件数が前年比86.4%増の3万5千件、消費税の申告件数は同218.1%増の1万件、合計4万4千件と大幅に伸びた。だが、全体の申告件数からみれば0.2%程度に過ぎない。上記の7.8%の申告書作成コーナーはe-Taxに連動しているはず。e-Taxは利用をためらう何らかの問題点があることになろう。