帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、7月の倒産件数は1204件で、前月比は7.0%の減少となったものの、前年同月比では6.5%の増加となった。14ヵ月連続で前年同月を上回り、集計基準を法的整理のみに変更した2005年4月以降では最多件数を更新した6月に引き続き1200件を超える高水準を記録。倒産増加の勢いは依然として衰えていないことを裏付けた。
この背景には、(1)負債5000万円未満の小規模倒産が553件発生し、前年同月比15.0%の増加、(2)大手メーカーの生産調整の余波が広がり、製造業の倒産が11ヵ月連続の前年同月比増加、(3)「緊急保証制度」などの中小企業支援策の効果が限定的なものにとどまったこと、などがある。製造業の倒産は、一般・電気・輸送用など、機械器具製造の倒産増加が顕著となり、前年同月比28.9%増の183件となった。
一方、7月の負債総額は3405億1600万円で、前月比は28.2%、前年同月比も46.8%の大幅減少となり、2ヵ月連続で今年最低を更新した。倒産1件あたりの平均負債額も2億8300万円と、2007年7月(3億3500万円)を下回り、集計基準変更の2005年4月以降で初の2億円台にとどまるなど、負債総額は縮小傾向が続いた。上場企業の倒産は、2008年1月以来1年6ヵ月ぶりに発生しなかった。
負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は553件、構成比は45.9%を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は4件にとどまり、昨年6月(4件)以来1年1ヵ月ぶりの低水準となった。資本金別でも、個人経営と資本金1000万円未満の小規模企業が593件、構成比は49.3%を占めた。従業員数別でみても、10人未満が973件、構成比80.8%を占めるなど小規模倒産が目立った。