税 務 関 連 情 報 |
2002年08月21日-002
一の相続では重複適用できない小規模宅地と特定事業用資産の両特例
2002年度の税制改正において、取引相場のない株式等に対する相続税の課税価格10%減額措置や、山林に対する相続税の課税価格5%減額措置の2つの制度が創設された。相続税の課税価格計算の特例は、小規模宅地等の減額特例のみだったが、これら特定事業用資産にかかる特例が加わったわけだ。これらの特例は選択適用であって重複適用はできないことが法律で定められている。
しかし、相続した財産のうちに小規模宅地等の特例の対象となる財産と特定事業用資産の特例となる財産があった場合、相続人Aと相続人Bとがそれぞれの特例を受けることができるのか疑問が湧く。このような疑問に答えたのが、国税庁がこのほどホームページ上に公開した「特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例に関する質疑応答事例」である。
この質疑応答事例によると、措置法第69条の5(特定事業用資産の特例)第5項において重複適用を排しているが、この規定は、相続により財産を取得した共同相続人のうちいずれかが小規模宅地等の特例の適用を受けた場合には、他の共同相続人は特定事業用資産の特例を受けることができない旨を定めたものと解されることから、同一の被相続人に係る相続税の申告において、相続人Aは小規模宅地等の特例、相続人Bは特定事業用資産の特例の適用を受けるといったことはできないことを明らかにしている。
質疑応答事例は、その他、「特例対象株式等について特定事業用資産の特例の適用を受けるため同意を要する者の範囲」や「選択特定事業用資産の一部が申告期限までに譲渡された場合の特定事業用資産の特例の可否」など全部で8事例が掲載されている。
詳細は http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/souzoku/06/00.htm 。
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