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2割強が「正社員並み非正社員がいる」と回答

経営関連情報 - 2008年10月22日

 今年4月1日、非正社員と正社員の格差是正を目指す改正パートタイム労働法が施行された。そこで、大阪府下一円の中小企業を対象に、非正社員雇用や改正法への対応状況を調査したのは大阪市信用金庫である。調査結果(有効回答数1282社)によると、非正社員が「いる」とした企業は46.3%で、このうち「正社員並み非正社員がいる」とした企業は21.4%と2割強となった。

 改正法では、(1)仕事の内容と責任の重さ、(2)人事異動や転勤の有無、範囲など、(3)契約期間の定めの3点で正社員と同等であれば、賃金差別をしてはならないという「賃金差別禁止規定」が定められている。その対応策としては、「正社員化を推進する」が27.6%、「非正社員の賃金体系を改正」が21.3%、「正社員並みにならないよう仕事内容等を変更」が9.4%となっているが、「対応は困難」とする企業も41.7%と4割を超えている。

 改正法はパート等に正社員への転換の機会を与えることを企業に義務づけたが、正社員並みの非正社員がいると回答した企業のうち、「正社員化を推進する」とした企業は27.6%だった。しかしこれは、非正社員を雇用している企業全体では5.9%に過ぎない。また、正社員並みの非正社員がいないと回答した企業のうち、「正社員化を推進する」とした企業は2.1%であり、これは非正社員を雇用している企業全体に対する割合では1.7%となる。

 したがって、非正社員を雇用している企業全体のうち、非正社員の正社員化を見込める企業は、合計7.6%ということになり、かなり少ない。中小企業も正社員を増やすという社会的要請に応えるべきではあるが、背に腹は変えられないという厳しい経営実態があるようだ。ちなみに、非正社員雇用の主な目的(複数回答)は、「人件費の抑制」が54.7%、「仕事内容が単純で非正社員に適している」が45.4%などとなっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.osaka-shishin.co.jp/houjin/keiei/pdf/2008/2008-10-16.pdf