経 営 関 連 情 報

2001年12月14日-003
売掛金債権担保融資保証が17日から受付開始

 先の臨時国会で成立し7日に公布された中小企業信用保険法改正の目玉は、売掛金債権担保融資保証制度の創設だが、その受付が17日から開始される。同制度は、中小企業者が保有する売掛金債権を担保にして金融機関から融資を受ける際に信用保証協会の保証を付け、金融機関の貸倒れリスクを軽減することで、物的担保に乏しい中小企業に新たな資金調達手段の道を開くもの。

 制度創設には、地価の下落で、担保余力の低下から担保主義に依存している金融機関の貸出の慎重化が背景にある。財務省の統計では、中小企業保有の売掛金債権総額は87兆円(売掛金68兆円、受取手形19兆円)に上り、約91兆円の土地に匹敵するボリュームがあるが、融資の担保となった金額は1,000億円程度しかなく、資金調達手段として十分に活用しているとは言い難い状況にあった。

 同制度は、中小企業者(製造業では資本金3億円以下の会社等)であれば、基本的には業種に関係なく利用できる。設定可能な借入限度額は1億1,100万円。融資希望額、売掛債権の状況等により中小企業者ごとに借入限度額が設定され、その範囲内で1年間反復して融資を受けることが可能だ。保証申込みは、既に取引がある金融機関を通じて行うが、基本契約書など具体的な取引内容が確認できる資料の提出や売掛先からの入金確認のために金融機関に専用口座を開設することが必要。また、譲渡担保の保全のため、売掛債権の債権譲渡について、1)債権譲渡登記制度に基づく登記、2)売掛先への通知、3)売掛先の承諾のいずれかが必要だ。

 担保として利用できる売掛債権は、1)売掛金債権(事業者に対する売掛金)、2)割賦販売代金債権、3)運送料債権、4)診療報酬債権、5)工事請負代金債権など。譲渡禁止特約のついた売掛債権は対象とならず、売掛先から解除承諾書の提出を受ける必要がある。

 なお、売掛金債権担保融資保証制度の創設とは別に、従業員20人以下等小規模企業者が、無担保・無保証、本人保証もなしで受けられる信用保証に対する特別小口保険の保険限度額が、現行の1,000万円から1,250万円に引き上げられている。また、創業者の民間金融機関からの資金調達を円滑化するため、「新事業創出関連保険」(無担保・第三者保証なし)に係る保険限度額が、現行の1,000万円から1,500万円に引き上げられている。

 

 

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