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経産省研究会、国際水準並みの法人税率引下げ提言

税務関連情報 - 2008年09月22日

 経済産業省は16日、「経済社会の持続的発展のための企業税制改革に関する研究会」の中間論点整理を公表し、法人税率の国際水準並みへの引下げを提言した。わが国が、現下の危機を克服し、将来も発展を続けていくためには、国際競争力を高めて積極的に海外市場の果実を獲得するなどで、国内の繁栄につなげていく好循環を形成するしか途はないとして、そのためには法人税率の引下げが不可欠との考えだ。

 中間論点整理によると、グローバル化の深化に伴い、世界的に「税率引下げ競争」と「研究開発促進税制拡大競争」が激化しているなか、わが国の表面実効税率は、先進国平均が約27%のところ約40%と、世界でもっとも高い水準にある。また、わが国企業の実際の法人課税負担(税率から政策減税等を調整後の決算ベースの負担)は、05~07年平均で39.1%と、諸外国に比べほぼ10%程度高いと指摘している。

 ただし、財源に限りがあるなかでは、当面は経済効果が大きく国際競争力に直結する研究開発税制等の政策減税を優先させる。税制・財政抜本改革により財政再建に目途が立つ場合には、国際水準並みの法人税率を目指すべきだとした。その際、実際の課税負担差による再投資余力の不利を改善するため、ネット減税が重要であり、併せて、政策減税を含めた課税ベースの思い切った見直しは避けて通れないとの考えを示した。

 一方、消費税については、税率引上げに国民の理解を得るためには景気や低所得者への配慮が必要であり、税制のみならず歳出面を含めた総合的な取組みの検討が必要としている。将来、税率を大幅に引き上げる場合には、複数税率を極力回避し、仮にインボイス方式を導入せざるを得ない場合でも、中小企業者に極力負担がかからない簡易なものとし、簡易課税や免税点制度についても、必要な制度は維持することを求めている。

 同中間論点整理の概要は、
 http://www.meti.go.jp/press/20080916010/20080916010-3.pdf