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税務関連情報 (2007/06/25)

動き出した国税当局の新たな税務相談体制

 国税当局は、納税者からの税に関する疑問や相談に答えるため、税務相談官を全国の税務相談室に配置して、電話や面接によって税務相談に対応しているが、現在、その新たな税務相談体制が始動している。これまで税務相談室や税務署がそれぞれ個別に対応していた税務相談について、回答までの待ち時間の短縮など、納税者の利便性の向上を図るため、電話相談センターで集中的に受け付ける取組みを進めている。

 一般相談は国税局に設置する電話相談センターで集中処理し、内容が複雑で時間がかかり事実確認を必要とする個別照会は税務署で面接により対応する。電話相談センターは、これまで仙台・東京・福岡の各国税局に設置されており、今後、段階的に全国に拡大する方針だ。また、面接による税務相談は、事前に税務署に電話して面接の予約を申し込む「事前予約制」を導入している。

 例えば、東京国税局では、今年5月初めから東京上野・浅草・王子・荒川・足立・西新井・葛飾の7税務署で事前予約制を開始、残る77税務署は今年11月1日から開始する。事前予約制は一般納税者だけでなく税理士も対象とし、税理士が予約する場合には、顧問先の氏名・名称、住所、相談内容などが求められる。ただし、税理士からの相談は、基本的には税理士会内部で対応してもらうとの方針を立てた。

 つまり、一般的な税務相談は税理士自ら解決するよう協力を要請しており、税理士会内部に設置している会員相談室の利用や、国税庁のホームページに掲載されている法令解釈通達・質疑応答事例・タックスアンサーなどの利用を呼びかけている。ちなみに、2006年度における電話・面接の税務相談は296万件にのぼる。年々増加する納税者に比して職員増がままならない国税当局の相談体制も変わらざるを得ないようだ。