世界同時不況の影響を受け、大手企業の多くが本格的なリストラを断行している。自社グループ内の事業再編にも取り組み、ノンコア事業からの撤退や子会社の統廃合を早期に決め、系列下の不振子会社や関連会社を法的整理するケースがここにきて相次いでいる。帝国データバンクが実施した「上場企業の子会社・関連会社等の倒産動向調査」では、2009年の上場企業系列の倒産は、7月時点で年間最多を更新したことが分かった。
調査結果によると、2009年は1~7月で33件発生し、集計開始の2005年以降で最多だった2007年、2008年の30件を7月時点ですでに上回った。月別推移をみると、国内景気の急速な悪化時期と年度末が重なった2009年3月に9件と多発。上場企業の系列倒産が2009年に増加した要因は、直近決算で業績が大きく落ち込んだ大手メーカーを中心に、事業の再編成や撤退を通じて収益基盤の再構築を早期に迫られたためとみられる。
倒産した系列企業の親会社を業種別にみると、「メーカー」は、2009年は14件と、前年の7件から倍増。世界的な需要急減で業況が悪化した自動車・電機・半導体関連を中心に、大手メーカーがグループ内事業のリストラに迫られた結果、「メーカー」系列の子会社や関連会社の法的整理が相次いだ。一方、「建設」(2006年10件)や「銀行」(2005年5件)は、すでに傘下企業の整理のピークが過ぎたこともあり、各2件、1件にとどまった。
態様別では、「特別清算」が27件と全体の8割強を占めた。例年、「特別清算」が全体の7割前後で推移しており、親会社によるグループ事業見直し・再編に伴い、親会社本体や関係会社に事業を譲渡した上で系列企業を清算処理するケースが大半を占めた。また、負債額別では、「10億円以上50億円未満」が12件でもっとも多く、次いで「1億円以上5億円未満」が6件、「50億円以上100億円未満」が5件となっている。
同倒産動向調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090801.pdf