帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、4月の倒産件数は795件で、2005年度では最高を記録した前月からは▲6.3%下回ったものの、前年同月に比べ31.4%増加した。ここ数ヵ月は前月比で増加と減少を繰り返しているが、4月は前年同月を大きく上回るなど倒産件数のベースラインは上昇しており、倒産は増加基調が続いていることがうかがえる。
4月の負債総額は4218億6200万円で、前月比▲11.0%となったものの、前年同月比では24.8%増となった。負債10億円以上の倒産は54件(前月74件)にとどまり、なかでも、負債50億円以上の大型倒産は7件で、2005年4月以降で最低を記録。また、負債5千万円未満(298件)と同5千万円以上1億円未満(135件)を合わせた負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は433件で、構成比は54.5%と過半を占めた。
このように、倒産企業のほとんどが事業不振に苦しむ中小企業で、倒産企業のおよそ4社に3社が不況型倒産であるほか、個人経営や資本金1億円未満の企業の構成比が97.2%に達している。加えて、バブル期に過剰債務を抱えた企業を整理する“戦後処理型”の大型倒産が目立つ。また、景気回復期にみられる特徴的な倒産として、事業拡大に着手したものの資金手当てができずに倒産するケースが散見される。
今後の倒産動向について、帝国データバンクでは、現在のトレンドに大きな変化は表れず、一進一退を繰り返しながらも増加していくと予想。しかし、原油高・円高・金利上昇から倒産予備軍が再びあぶり出されるおそれがあり、増税による消費不振も予想されることから、トレンドが大きく変化して“上ぶれ”する可能性も否定していない。