昨年秋頃から「ロコ・ロンドン貴金属取引」や「ロコ・ロンドン保証金取引」といった名称の取引について、「契約したが、大丈夫か」などの相談が、国民生活センターや消費生活センターに寄せられ始めているという。相談事例をみると、70~80歳代の高齢者が仕組みを理解できないまま、100万円以上の高額なお金を投資し、トラブルに巻き込まれるケースが多くみられ、国民生活センターでは注意を喚起している。
「ロコ」とは「…において」、「…渡し」といった意味であり、「ロコ・ロンドン金取引」とは、「ロンドンにおいて金を受け渡しする取引」という意味である。相談事例をみると、消費者が「金の現物が手に入る」と理解しているケースが目立つが、実際には、消費者が業者に証拠金(保証金)を預け、業者がその証拠金をもとに、証拠金の何十倍もの取引を行う「証拠金取引」であるという。
そのため、ロンドン市場の金価格が期待通りに変動した場合には大きな利益が得られるが、予想に反した場合には大きな損失が発生し、損失が最初に支払った証拠金を上回るおそれがある。また、消費者はロンドン市場の金価格や為替相場の動きを見ながら、売買の決断をする必要がある。ロコ・ロンドン金取引を規制する法律はなく、クーリング・オフ制度のように消費者が一方的に申込みの撤廃や契約の解除をすることは難しい。
国民生活センターでは、1)取引の仕組みが分からなければ、絶対に手を出さない、2)取引するつもりがないのなら、はっきり断る、3)金の現物は手に入らない、3)「利率のいい預貯金のようなもの」ではない、などとアドバイスしている。相談事例のなかには、消費者が証拠金を渡していないのに「取引はすでに成立してしまっているのでお金を払え」という業者もいるので、安易に契約しないように注意を呼びかけている。
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http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/locoLondon.html