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経営関連情報 (2004/10/25)

将来の経営課題に「企業の社会的責任」が急浮上

 日本能率協会がわが国主要企業の経営者を対象に実施した「2004年度当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数1098人)によると、現在の経営課題(3つまで回答)では10位の「企業の社会的責任(CSR)」(11.3%)が、将来(3年後)の課題では2位(25.2%)に急浮上した。また、現在で14位の「能力開発」(10.0%)も、将来の課題では7位(16.2%)にランクアップしたのが目立つ。

 現在の課題で3位の「既存事業の強化・改革」(27.0%)、5位の「ローコスト経営」(23.6%)は、将来ではそれぞれ10位(12.5%)、11位(12.2%)へダウン。一方、昨年6位だった「新事業・新製品・新サービスの開発」が現在の課題では28.0%で2位へアップ、さらに将来の課題では1位(36.2%)となった。

 現在の課題でトップの「財務体質強化」(33.2%)は将来では3位(22.3%)に後退したが、将来の課題で2位に急浮上した「CSR」や7位に急浮上した「能力開発」など全体の結果からみると、資金・人材・企業イメージなどの経営基盤を重視する企業の姿勢がうかがえる。そのほか、「CS(顧客満足度)」は現在が24.7%、将来が20.6%でともに4位となっている。

 成果主義人事制度については、「良好に運営されており当面は現状を維持」は27.6%の企業割合にとどまり、「多少の手直しを検討」(64.7%)、「大幅な手直しを検討」(6.4%)という何らかの見直しを検討している企業が71.1%を占めた。しかし、「廃止を検討」している企業はゼロである。なお、導入の目的達成度について及第点は、「全社員の意識改革」と「年功序列からの脱却」の2点のみだった。