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居住用家屋の共有持分の追加取得もローン控除適用

税務関連情報 - 2009年03月02日

 国税庁はこのほど、共有持分を追加取得した場合であっても「家屋を二以上有する場合」にあたらないとした国税不服審判所の裁決があったことから、当初から保有していた共有持分と追加取得した共有持分のいずれについても住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が適用されるよう取扱いを改めたことを明らかにした。これに伴い、税務署に更正の請求をすることや還付申告により、所得税額の減額が受けられる。

 これまで、例えば、離婚による財産分与によって居住用家屋の共有持分を追加取得した場合は、新たに家屋を取得したものとして、当初から保有していた共有持分と追加取得した共有持分のいずれかについて、住宅ローン控除の適用を受けられるが、共有持分の追加取得であっても、追加取得時に自己と生計を一にし、その取得後も引き続き生計を一にしている親族等からの取得は対象とならないとして取り扱われてきた。

 このように取り扱われてきたのは、住宅ローン控除の要件の一つに、居住の用に供する「家屋を二以上有する場合」、住宅ローン控除は、主として居住の用に供する一の家屋にのみ適用することとされていたためだ。今回、この取扱いが改められたことに伴い、すでに確定申告書を提出している年分については、更正の請求により、また、確定申告書を提出していない年分については、還付申告により再計算して所得税額を減額することができる。

 例えば、年末調整で住宅ローン控除の適用を受け、確定申告書を提出していない場合で、離婚した前夫から居住用家屋の共有持分を追加取得したケースでは、その年の翌年1月1日から5年間、還付申告することにより所得税額の減額が受けられる。なお、更正の請求ができるのは、この取扱いの変更を知った日の翌日から2ヵ月以内とされ、法定申告期限からすでに5年を経過している年分の所得税は、減額できないこととされている。