経営に影響を与えそうな要因、「国の政策の変化」
産業能率大学が中小企業経営者を対象に実施した「2011年の中小企業の経営施策に関する調査」結果(有効回答数688人)によると、今年、経営に影響を与えそうな要因(3つまで回答)は、「国の政策の変化」が45.9%で最多、次いで「需要の不足」(35.8%)、「国際情勢の悪化」(27.9%)などが続く。「国の政策の変化」は、「土木・建設業」(57.9%)や「不動産関連業」(59.5%)、「医療・福祉」(60.0%)では6割前後を占める。
今年、優先的に取り組みたいこと(3つまで回答)については、「営業力の強化」が33.0%で最多、次いで「利益率の向上(コスト構造の見直し)」(30.4%)、「顧客満足度の向上」(27.2%)、「市場シェアの拡大」(27.0%)、「従業員の教育・育成」(26.6%)と続く。業種別にみると、「土木・建設業」、「運輸・倉庫業」では「利益率の向上」が、「サービス業(外食・飲食)」、「サービス業(その他)では「顧客満足度の向上」がもっとも多い。
事業承継の考え方については、「まだ考えていない」が35.3%で最多、次いで「親族に承継したい」(24.6%)、「親族以外の従業員・役員に承継したい」(17.4%)と続き、「事業を譲渡したい」(9.2%)、「自分の代で廃業したい」(9.2%)と考えている経営者も1割弱いた。事業承継の候補者については、「承継候補はいない」(24.9%)は約4分の1にとどまり、少なからず候補者がいると考えている経営者が多いことがうかがえる。
経営者として重要度がもっとも高いと思う国による景気対策は、「法人税減税」が29.8%でトップ、次いで「消費刺激」(24.9%)、「公共投資」(12.9%)と続いた。また、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加すべきだと思うか尋ねたところ、「参加すべき」が83.3%と大半を占めた。その理由(複数回答)は、「日本の国際競争力が高まるから」(63.5%)が圧倒的に多く、これに「日本が孤立してしまうから」(35.3%)などが挙げられている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/forecast2011.pdf