「円高にメリットを感じない」が6割を占める
消費者庁は11月30日、商品・サービスに関し、円高メリットに関する消費者の認識を調査した「円高メリットに関する消費者緊急意識調査結果報告書」を公表した。同庁が募集したアンケートモニター589人が回答した。円高メリットとしては、「輸入工業製品、食品が割安で手に入る」との回答が最も多く31.6%、次いで「原油・穀物等の輸入原材料が割安になり、国内経済・産業によい影響がある」が25.6%だった。
円高メリットを実感しているかについては、「円高に特にメリットを感じたことはない」が最も多く60.8%、次いで「円高にまあまあメリットを感じたことがある」が32.1%、「円高に大きなメリットを感じたことがある」7.1%となっている。性別・年代別ともに「円高に特にメリットを感じたことはない」が、全体の6割を占めており、急激な円高にもかかわらず、消費者へのはね返りが鈍い。
円高メリットを感じない理由(複数回答)については、「既存の商品・サービスの価格の低下が実感できない」が68.7%、次いで「円高に対応した新しい商品・サービスの供給がない」が44.1%、「既に所有する外貨資産(外国預金、外国債など)の価値が減少する」との回答が21.5%となっている。性別では、女性・男性ともに「既存の商品・サービスの価格の低下が実感できない」との回答が最も多く、全体の約7割を占めている。
今年4月以降の円高による購買行動の変化については、「特に変わらない」が最も多く85.7%、次いで「少し変わった」が13.1%、「大きく変わった」との回答はわずか1.2%となっている。性別では、女性・男性ともに「特に変わらない」が最も多く約8割程度、年代別では、各年代ともに「特に変わらない」が最も多く約8割程度を占めている。行政ブロック別では、全てのブロックで「特に変わらない」が約8割を占めた。
円高で今後購買行動を変えようと思うかとの問いには、「特に変えようと思わない」が最も多く78.3%、「少し変えようと思う」は19.9%、「大きく変えようと思う」はわずか1.9%。性別では、女性・男性ともに「特に変えようと思わない」が最も多く約8割程度、年代別では、各年代ともに「特に変えようと思わない」が最も多く約7割から8割程度を占めている。円高メリットの活かし方が今後の大きなテーマになりそうだ。
同調査結果の詳細は↓
http://www.caa.go.jp/information/pdf/1130kouhyou2.pdf