経 営 関 連 情 報

2003年05月21日-003
進む海外事業展開での強化地域の選択

 わが国製造業の海外事業展開はますます増加しているが、その展開先にも域内格差があり、強化地域の選択が進んでいるようだ。これは、開発金融研究所(国際協力銀行)がこのほど公表した2002年度海外事業展開に関するアンケート調査結果(回答企業508社)で明らかになったもの。

 海外事業に対する今後3年程度の中期的な姿勢をみると、「海外事業展開を強化・拡大する」と回答した割合が最も高かった地域は、「中国」(70.1%)、次いで「北米」(50.3%)の順で、その他の地域は「現状維持」が最も多い。

 国・地域別にみると、中国の中では華東・華南地域が圧倒的に強化・拡大姿勢が強く、ASEAN4のなかではタイが強い。このように、海外事業展開先にも域内格差が存在しており、強化地域の選択が進んでいることがうかがえる。

 中国における事業展開には大きな期待があるようだが、海外事業における売上高・収益性満足度評価では低下に転じたようだ。満足度評価では、ASEAN4を除く全地域にて低下がみられ、昨年度まで収益性満足度評価が上昇していた中国も、今年度の調査では低下に転じた。

 その要因については、「販売先確保が困難(他社との激しい競争)」との回答が昨年度より増えていることが注目される。このようなことから、海外事業における再構築への取組み姿勢について、「再構築の必要あり」との回答企業割合が最も多かったのは「中国」(67.8%)となっており、今後の再構築の成果が注目されるところだ。

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