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現金主義的基準もある営業外収益の計上時期

税務関連情報 - 2008年08月18日

  税務においてしばしば論点となるのが、収益の計上時期である。すなわち、法人がその収益をいつの事業年度の収益として計上すべきかという問題である。収益には、大きく分けて営業収益と営業外収益があるが、収益計上時期が問題となるのは、受取配当や受取利息、税金の還付金等、資産の評価益、資産の譲渡等による損益、受贈益、補償金等などの営業外収益である。

 税法上、収益の計上は、営業外収益に限らず、営業収益についても「発生主義」が原則となるが、これには例外がある。営業外収益の一部については、税務調査の煩雑さや法人側の経理処理を合理化するため、課税上の弊害がない少額な収益となるようなものに限って、現金主義的基準によることができる特例がある。当然、これには金融保険業の利子収入等を除く一般業種を対象とするもので、継続的な経理処理が条件とされている。

 ただし、この特例の対象となる営業外収益は、受取配当や受取利息、不動産の賃貸料など毎年ほぼ定期的かつ定額的に発生する収益に限られる。これに対し、資産の譲渡に関する収益や借地権の対価あるいは各種の補償金、受贈金などのような偶発的に発生する収益は、その性質上なじまないとして対象から除かれている。

 なお、金融保険業を営む法人の利子収入に発生主義による計上を要求しているのは、これらの法人における利子収入が主たる事業収入であるからだ。したがって、例えば保険代理業のような場合には、その主たる事業収入は保険の取扱い手数料であり、預金利子等は正に営業外収入であると考えられるところから、発生主義による収益計上をする必要はなく、支払期日の属する事業年度に収益計上することが認められている。