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税務関連情報 (2006/04/12)

国税庁、酒税法改正に伴い適正な転嫁を要請

 酒税法改正に伴い5月から酒税が見直される。原料がエンドウマメなどのビール風味アルコール飲料「第3のビール」は350ミリリットル1缶あたり3.8円増税、清酒は1升ビン(1.8リットル)あたり36.9円減税などの増減税となる。国税庁はこのほど、こうした酒税法改正に伴う増減税相当額が、原則として販売価格に適正に転嫁されるように、酒類を製造・販売する事業者団体に要請した。

 同庁は、事業者団体にあてた要請文書のなかで、「酒類の価格は自由価格であり、酒税法の改定に伴う価格改定については、個々の企業の自主的な判断により決定されるべきものだが、酒税が最終的に消費者負担を予定している税であることから、その税率の引上げや引下げ相当額は、原則として販売価格の引上げや引下げを通じて適正に転嫁されるべきものである」としている。

 また、価格改定にあたっては、合理的な価格の設定など「公正な競争による健全な酒類産業の発展のための指針(1998年4月国税庁)」に示された公正なルールに則った取引を行うとともに、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法など独占禁止法の規定に抵触することがないよう十分な配意を求めた。特に、価格改定に際しての取引条件の決定については、売り手と買い手の間であらかじめ十分な協議を行うよう要請している。

 合理的な価格の設定について、一般的には酒類の販売価格は、仕入価格(製造原価)、販売費や一般管理費などの費用に利潤を加えたものとなるはずだが、最近の国税庁の調査では、調査した95%の酒類販売場において総販売原価を下回る価格で販売するなど、合理的な価格設定がされていなかったことが判明している。酒類の特性上、酒類がおとり商品として使用されることは弊害が大きいとして、適正な価格設定を改めて要請したものだ。