全国47都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会は、経営不振に陥った中小企業の経営再建を支援している。中小企業庁が26日に発表した同協議会の活動状況によると、2003年2月以降、今年9月末現在で、7385社からの相談に応じ、うち640社の再生計画策定が完了し、428社は計画策定支援中となっている。その結果、4万6429名の雇用が確保されたとしている。
再生計画策定が完了した640社の特徴をみると、業種では「製造業」がもっとも多く全体の42%を占める266社、次いで「卸売・小売業」(139社:構成比22%)、「飲食店・宿泊業」(80社:同13%)と続き、この3業種で全体の8割弱を占めている。従業員数をみると、2名の零細企業から1770名の中堅企業まで広がりがあるが、全体の約8割は従業員21名以上の比較的規模が大きい中小企業だ。
また、金融機関からの持込案件が482社と全体の約75%を占め、増加傾向にある。協議会による複数金融機関や経営者との調整機能、事業再生における具体策の提案機能が高い評価を受けていることがうかがえる。債務者区分では、「要管理先」(232社)、「破綻懸念先」(206社)、「実質破綻先」(15社)といういわゆる不良債権として位置付けられている企業が約7割を占めており、これらの企業の再生が主体となっている。
協議会への相談があった7385社のうち、約45%(3295社)の企業は、経営改善や資金繰り改善についてのアドバイス、適切な関係機関への紹介を受け、さらに金融機関との調整によって新規運転資金が確保されるなど、相談段階で課題が解決している。約13%(969社)の企業は現在相談を継続中のほか、約8%(583社)の企業は、企業再生の可能性がきわめて低く、協議会の対応が困難なため、地元弁護士会への紹介などを行っている。