2003年08月13日-001
商工会頭の過半数が「しばらく景気回復の見込みなし」
企業収益の改善や株式市場の復活を背景に、個人消費も底堅く推移した結果、4~6月期は前期比で実質・名目ともにプラス成長となって、やや明るい兆しが見えてきた。しかし、日本商工会議所がこのほど公表した全国527の商工会議所会頭を対象に7月後半に実施したアンケート調査結果(回答数332人)では、早期回復に否定的な見方が広がっていることが分かった。
調査結果によると、わが国の景気が本格的な回復に向かう時期については、「しばらく回復の見込みがない」が53.9%と過半数を超えた。これに「年明け以降」(33.1%)を合わせると全体の87%を占め、景気回復までには多くの時間を要するとの厳しい見方が多い結果となった。
デフレ克服・景気回復に向け優先すべき政策については、わが国企業の99%以上を占める「中小企業関連施策の拡充」(63.6%)を望む回答が3分の2を占め、公共事業の削減による景気への悪影響を反映して「真に必要な公共投資の促進」(62.1%)が次に多くなっている。
減税については、個人消費や企業の投資意欲を引き出し、民需に火を付ける「土地・住宅、証券、設備投資などの政策減税」(56.7%)が、「法人税・所得税などの減税」(54.2%)を若干上回った。ほかでは、「社会保障制度改革による将来不安の払拭」(51.8%)や「国・地方を通じた徹底的な歳出の見直し」(51.5%)が過半数を超えている。
一方、「不良債権処理」や「財政再建」など「構造改革なくして景気回復なし」とする小泉内閣の重要政策は優先順位が低く、政府が力点を置いている政策と地域経済のトップが必要と考える政策には、大きなズレがある結果となった。また、政府の経済運営についても辛口のコメントが相次いでいる。
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