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中小企業の業況DIは98年9月以来の低水準~日商

経営関連情報 - 2008年12月05日

 日本商工会議所がこのほど発表した早期景気観測11月調査結果によると、11月の全産業合計の業況DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、前月水準よりマイナス幅が2.1ポイント拡大して▲66.7となり、98年9月以来の低水準となった。産業別にみると、米国金融危機の影響や世界経済の減速により、受注が急減している「製造」(▲68.3)は01年12月以来、「卸売」(▲67.6)は02年2月以来の低水準となった。

 向こう3ヵ月(12月~09年2月)の先行き見通しについては、全産業合計の業況DI(今月比、「好転」-「悪化」)が▲60.6と、昨年同時期の先行き見通し(▲34.9)に比べて25ポイント以上悪化している。産業別にみても、前年同時期に比べ30.7ポイントも悪化した「製造」(▲62.4)を始め、全ての業種で昨年同時期の先行き見通しに対し、18ポイント以上マイナス幅が拡大している。

 売上DI(前年同月比、「増加」-「減少」)は、マイナス幅が0.9ポイント拡大して▲53.8と、8ヵ月連続で悪化し、02年2月以来の低水準。向こう3ヵ月についても、売上DI(今月比ベース)が▲51.7と、昨年同時期(▲25.4)に比べ26ポイント以上悪化している。また、採算DI(前年同月比、「好転」-「悪化」)は、マイナス幅が0.6ポイント拡大して▲59.7と、8ヵ月連続で悪化し、98年10月以来の低水準となった。

 景気に関する声、当面する問題としては、原油価格の下落により、今後の採算の改善を期待するといった声があるものの、各種原材料価格の高止まりや受注の急減、消費マインドの冷え込みにより、収益面では厳しい状況といった声や、米国金融危機の影響による先行きへの不安や売上の減少、金融機関の貸出姿勢のさらなる厳格化を訴える声が非常に多いという。このため、雇用面では過剰感が前月に引き続き強まっている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO200811.pdf