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経営関連情報 (2007/03/23)

3年ぶりに前年比増の情報関連サービスの倒産件数

 東京商工リサーチの発表によると、2006年の情報関連サービス業の倒産件数は前年比24.0%増の227件となり、3年ぶりに前年を上回った。また、負債総額も同48.3%増の309億3200万円となり、4年ぶりに前年を上回った。これは負債10億円以上の大型倒産が6件(前年4件)発生したことによるが、全体でみると、負債1億円未満が同3.3ポイント上昇の74.8%(170件)と7割を占めた。

 倒産件数を都道府県別にみると、「東京」の115件を筆頭に、「大阪」41件、「神奈川」12件、「愛知」9件、「埼玉」7件と続き、東京・大阪だけで全体の約7割を占めた。情報関連サービス業のうち、ソフトウェア業は、顧客企業の本社所在地に近くて、人材確保が容易な大都市近辺に多いことから「大都市立地型産業」といわれる。ソフトウェア業倒産は前年比36.0%増の166件となり、全体を押し上げた。

 倒産原因別では、「業績不振(販売不振)」が前年比8.5%増の140件と最多、次いで「既往のシワ寄せ」が同70.5%増の29件、「他社倒産の余波」が同157.1%増の18件と続く。形態別では、企業の解体・消滅である「破産」が同29.9%増の178件で、全体に占める構成比が78.4%にのぼった。また従業員別では、「5人未満」が同36.8%増の141件、「5人以上10人未満」が同6.2%増の34件と、小規模企業倒産が目立った。

 倒産事例をみると、業績急拡大の一方でソフト開発などの先行投資負担が重くて支えきれなくなったケースや、同業他社との競合から低収益な経営を強いられたケースなど、業界内の厳しい競争が浮き彫りとなった。今後さらに競争を勝ち抜くためには、顧客の要望に応じることのできる技術を持った人材の確保が必須であることから、各社の人材の囲い込みも拍車を増すものとみられている。