2月1日の最高裁判決を受けて、国税庁は、贈与や相続によって取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費の取扱いを変更した。これまで、贈与等の際に支払われる不動産登記費用や名義書換手数料などは取得費に算入できないとしていた取扱いを改めたものだが、日本税理士会連合会では、同会ホームページ上にこれらの取扱いの注意点を解説している。確定申告すれば過去の分も還付される。
この取扱いの変更は除籍期間(5年)の制限から、平成11年分以降の所得税が対象となる。平成11年分から平成14年分については、「嘆願書」を提出して職権による更正を求める。特に、平成11年分については、除籍期間の制限があるため、今年の3月15日までに更正をする必要がある。送達に要する日時を考えると、遅くとも3月10日頃までに「嘆願書」を提出する必要があると注意している。
平成16年分については「確定申告」により、平成15年分については今年の3月15日までは「更正の請求」により(それ以降は「嘆願書を提出」)還付を求めることになる。なお、「嘆願書」は「更正の請求」の用紙に記載しても構わない。領収書などは必ずしも必要ではないが、「支払金額とその内容」及び「支払先の住所・氏名等」が記載された書類などは添付する必要がある。
取得費については、譲渡資産とそれ以外の資産を同時に名義書換えした場合は、その費用を贈与等のときの時価などで合理的に配分したうえで、譲渡資産に対応するもののみが取得費に算入される。また、収入金額の5%を概算取得費としている場合には、これに登記費用を加算することはできない。なお、この取扱いを適用した結果、実額が「概算取得費」を超過していた場合には、実額に変更して適用することが認められる。
そのほか、取得費から控除される償却費の計算などについては、日税連のホームページで↓
http://www.nichizeiren.or.jp/topics.html#050217