税 務 関 連 情 報 |
2003年02月17日-002
相続時精算課税制度の事業承継への活用は?
2003年度税制改正で創設される相続時精算課税制度は、非課税枠が2500万円と大きく、また、贈与財産は金銭・株式・土地等不動産を問わず何でもいいため、事業承継への活用が期待されるところだ。株式については、現行の生前贈与では適用されなかった自社株の特例(特定事業用資産の相続税の課税価格の計算の特例)が相続時精算課税制度の対象に取り込まれることになったことから考慮する向きも多いだろう。
しかし、土地については、事業用宅地の400平方メートルまで80%減額される小規模宅地等の特例は相続時精算課税制度を選択した場合には適用されないようだ。そうなると、相続時精算課税制度の事業承継への活用は株式が中心となるが、自社株の軽減措置についても、今回の改正で諸要件が見直されたように、今後も軽減措置は拡充される方向にある。同軽減措置は2002年度の税制改正で設けられたばかりで、軽減率も10%である。
そうなると、株式のほうも、事業承継を念頭に生前贈与を早急に考えることもないように思える。もちろん、自社株の軽減措置が今後拡大されるかどうかは不確定で、将来の相続時点ということも誰にも分からないことだから、現時点で割り切ることが一つの事業承継の方法ではある。いずれにせよ、生前の事業承継対策に相続時精算課税制度という選択肢が増えたことは間違いないが、慎重な対応が必要だろう。
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