国税庁が2日に公表した今年6月までの1年間(2004事務年度)における法人税調査事績によると、不正計算が想定されるなど調査必要度の高い12万4千法人(前年度比8.1%増)を実地調査した結果、うち73.4%にあたる9万1千件(同5.9%増)から前年度に比べ11.5%増の総額1兆4914億円の申告漏れを見つけた。加算税額550億円を含む3601億円(同12.5%増)を追徴。1件あたりの申告漏れは1202万円となる。
また、調査した19.7%にあたる2万4千件(前年度比2.1%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は3595億円(同4.1%減)だった。1件あたりの不正脱漏所得は1471万円(同6.1%減)と減少したが、過去最高だった2002年度の1591万円に比べれば100万円程度の減少にすぎず、不正事案の大口化は依然続いているとみていい。
不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が57.3%で3年連続のワースト1位となった。「バー・クラブ」は2000年度まで14年連続1位という不名誉な記録を続けていたワースト業種の常連(唯一2001年度がワースト2位)。次いでこれも常連の「パチンコ」(50.3%)が続き、「廃棄物処理」(34.5%)までのワースト3は前年度と変わりない。
一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい10業種では、「鉄鋼製造」が6526万円でランク外から一躍ワースト1位に踊り出た。以下、「パチンコ」(4206万円)、「木造建築工事」(3415万円)、「自動車・同附属品製造」(3272万円)、「その他の娯楽」(2806万円)までがワースト上位5業種。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は1753万円で8位と1件あたりの不正脱漏所得は少ない。