ゼイタックス

経営関連情報 (2005/07/22)

個人情報にはプライバシーでない情報もある?!

 個人情報保護やプライバシーに対する意識の高まりのなかで、個人情報・プライバシーというと何か“聖域”としてその具体的な内容まで踏み込めず、及び腰で対応する面があるのは否めない。差別用語に歯止めがかからず一般常識を超えて広がる傾向と同じ様子がみられる。NEC総研では、そもそもの情報主体である生活者自身のプライバシー意識に焦点をあてた調査を実施し、プライバシー問題を探っている。

 調査結果(有効回答数1134人)によると、個人情報やプライバシーの言葉の意味(複数回答)については、「プライバシーの権利とは、自分の私的領域に他者に無断で侵入されない権利のこと」(73.5%)、「個人情報とは、特定の個人を識別できる情報のこと」(69.2%)、「プライバシーとは、他者の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由のこと」(63.4%)などの説明に同意する人が多かった。

 プライバシーに該当するもの(複数回答)では、生活者は自分に関する情報のすべてをプライバシーと捉えているわけではないことがわかった。「氏名」(39.0%)、「住所」(50.9%)、「生年月日」(50.4%)、「職業」(44.5%)、「出身地」(34.7%)、「趣味」(38.7%)などの情報については、プライバシーの意識が低い。また、約半数(47.7%)の人が「個人情報のなかにはプライバシーでない情報が含まれている」ことに同意している。

 逆にプライバシーという意識が高い情報は、「年収や貯金」(84.0%)、「手紙やメール、通話など通信の内容」(81.0%)、「病歴」(80.2%)、「通信履歴」(79.7%)、「ID番号(住民票コード、免許証番号、保険証番号、社員番号など)」(77.2%)などである。これらは、企業に提示したくない情報の内容でも上位に並んでいる。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.nepr.co.jp/pdf/seminar/publish/privacy2005.pdf