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上場企業の今夏ボーナスの減少幅は過去最大

経営関連情報 - 2009年05月01日

 労務行政研究所が、東証第一部上場企業を対象に実施した「2009年夏季賞与・一時金の妥結水準調査」結果(有効回答数140社)によると、今年の東証一部上場企業の夏季ボーナスは、全産業平均で64万8149円となった。同一企業でみた昨夏の妥結実績(75万7076円)と比較すると、金額で10万8927円、対前年同期比で14.4%の減少となり、昨今の厳しい経済情勢による企業収益の悪化を反映する結果となった。

 夏季ボーナスの伸び率の推移をみると、2002年(対前年同期比6.1%減)以降、7年ぶりに対前年同期比マイナスに転じ、マイナス幅は調査を開始した1970年以降最大となった。つまり、現在60歳までの現役世代がこれまで経験したことがない、未曾有の下落率であるといえる。支給月数は、平均では2.03ヵ月となり、同一企業でみた場合、前年同期(2.46ヵ月)を0.43ヵ月下回った。支給月数の分布では、「2.0ヵ月台」が13.0%で最多。

 今春季交渉では、消費者物価の高まりを背景に、連合は8年ぶりの統一的なベースアップ要求を掲げた。しかし、いわゆる“リーマン・ショック”に端を発する景気の冷え込みのなか、要求時点からの数ヵ月間で企業業績はさらに急激な悪化をみせ、労使の見解は平行線をたどった。結果、厳しい収益環境化で企業の賃金抑制姿勢は変わることがなく、輸出依存度が高い製造業大手を中心に大幅な減少につながった。

 産業別にみると、製造業(103社)の支給水準は62万805円、同一企業でみた対前年同期比は18.7%減と2割近くの減少となった。特に、「機械」(32.8%減)、「輸送用機器」(24.3%減)などでマイナス幅が大きい。一方、非製造業(37社)は、集計社数は多くないものの、金額で72万4270円、対前年同期比2.1%減と、製造業に比べマイナス幅は小幅にとどまった。最大のマイナスでも「商業」の4.6%減だった。