都市と地域の経済格差が年々拡大していくなか、地域においては観光・集客サービスの競争力を強化することにより、地域活性化を図ろうという動きが強まっている。こうしたなか、経済産業省は、全国59地域に来訪した観光客を対象に「全国観光客意識調査」を実施し、旅行者の満足度に関する基本的なデータを整理・分析して、「観光集客地における顧客満足度(CS)の活用に関する報告書」として公表した。
報告書によると、全国調査の結果(有効回答数1万5761人)、顧客満足度に与える影響が強い項目(100点満点の個別満足度評価点)は、「景観雰囲気」(88.5点)、「宿泊施設」(84.8点)、「食事」(82.7点)、「観光施設」(81.0点)の4項目となった。これらの項目は、地域を問わず顧客満足度への影響が高い傾向にあり、各地域で共通項目的に取り組むべき分野であるとの考えを示している。
また、上記4項目の次に「スタッフ対応」(78.4点)が続くが、顧客満足度が低い傾向にあるため、特に取組みを求めている。一方、個別満足度では低い傾向にある「地域内移動」(73.6点)や「情報案内」(74.9点)は、その改善に向けた取組みの必要性は低いとみている。同調査では、このように、顧客満足度に影響を及ぼす要素の抽出を行うことができ、戦略的な取組みポイントを明らかにすることができたとしている。
報告書は、個別地域レベルでの積極的なCS調査の実施を強く勧めており、調査実施にあたり地域として意識すべき事項として、(1)自地域にどのような観光客が訪れているかを測定、(2)自地域がどのようなCS構造になっているかを分析、(3)自地域が目指すべきターゲット顧客を意識、(4)ターゲット顧客の満足度向上に努力、(5)ターゲット顧客の地域における構成割合の向上に努力することの5つを提言している。
同報告書の詳細は↓
http://www.meti.go.jp/press/20080701005/cs_set.pdf