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税務関連情報 (2004/04/30)

老年者控除廃止で老年者要件外れた寡婦(夫)控除

 これまで老年者控除と寡婦(寡夫)控除とのダブル適用はできなかったが、周知のように2004年度改正で2005年分の所得税から老年者控除が廃止されることに伴い、寡婦(寡夫)控除の適用要件から「老年者に該当しない人」という要件が外された。つまり、来年分の所得税からは、所得税法上の65歳以上の老年者でも、一定要件を満たせば寡婦(寡夫)控除が適用され、27万円が所得控除されることになる。

 現行の寡婦控除と寡夫控除は適用要件がやや異なる。寡婦とは、老年者に該当しない人で、1)夫と死別・離婚してから結婚をしていない人、あるいは夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族または生計を一にする子ども(総所得金額が38万円以下で他の人の扶養親族等となっていない子)がいる人、2)夫と死別してから結婚していない人または生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人という要件のいずれかに該当する人だ。

 一方、寡夫とは、1)その年の12月末において満65歳に達しない人、2)合計所得金額が500万円以下であること、3)妻と死別・離婚してから結婚していないことまたは妻の生死が明らかでない一定の人、4)生計を一にする子ども(総所得金額が38万円以下で他の人の扶養親族等となっていない子に限る)の4要件のすべてに当てはまる人だ。

 要件は、寡婦控除のほうがやや緩いが、どちらも65歳以上の老年者に該当すれば控除は受けられない。税制改正で、この老年者要件が外されたわけだが、注意するのは所得要件だ。寡婦の1)に該当しない限りは所得要件がある。老年者控除では合計所得金額が1000万円以下であれば適用されたが、合計所得金額が500万円以上の老年者は、老年者控除の廃止後も寡婦(寡夫)控除も受けられないことになる。