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経営関連情報 (2007/11/22)

今夏ボーナスの支給減は小規模企業の不振の影響

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2007年の夏季ボーナスが含まれる特別給与は、6~8月平均で前年比▲2.4%となったが、その要因を分析したのは内閣府のレポートだ。それによると、一般労働者のボーナス減に加え、ボーナス水準の低いパート労働者の比率上昇もマイナスに寄与したとみている。大企業製造業を中心とした企業業績の好調さにもかかわらず、ボーナスによる家計への還元が不十分との結果となった。

 他方、日本経団連や労務行政研究所などの民間調査によると、07年夏季のボーナスは2~3%の増加と前年を上回る結果となったが、これは、調査対象の違いに起因するとの考えだ。民間調査では製造業が対象の中心となっているが、勤労統計は非製造業の影響範囲が相対的に広い。また、民間調査は東証一部上場など大企業を調査対象としているが、勤労統計は5人以上の事業所を一律に対象としていると分析している。

 そこで、勤労統計における比較的規模の大きい従業員500人以上の事業所に限定した上で、勤労統計の特別給与変化率と各種民間調査のボーナス変化率を比較した結果、勤労統計における製造業については民間調査と同様の増加率だったが、非製造業では民間調査が総じて前年比増である一方、勤労統計は前年比減となった。これは、非製造業の不振が勤労統計の結果に影響を及ぼしていることを示唆しているとみている。

 次に、勤労統計において、07年6~8月平均の特別給与の変化率を事業所規模別、製造・非製造業別にみたところ、前年比増となっているのは事業所規模が500人以上の製造業のみであり、比較的規模の小さな事業所は、製造業・非製造業を問わず、前年比減となっている。これは、規模の小さな企業の不振が勤労統計の結果に影響を及ぼしていることを示唆していると分析している。

 レポートは、冬季のボーナスについても、勤労統計調査は他の民間調査より下回る傾向にあると指摘。すでに発表された経団連などの統計は前年比増加となっているものの、伸び率は昨年より低下しており、勤労統計ベースの今冬のボーナスは、夏に引き続きマイナスの伸びにとどまる可能性が高いと予測している。