最近はオフィス内での喫煙場所を指定しているところが多い。厚生労働省がこのほど発表した「職場における喫煙対策の取組み状況調査」では、何らかの喫煙対策に取り組んでいる事業場が約8割にのぼった。しかし、受動喫煙を確実に防止する対策としては、まだ不十分な対策がみられる。また、対策が遅れている事業場は、「喫煙室設置のスペースがない」(38.7%)、「社内の合意が得られない」(27.7%)などの理由を挙げている。
調査結果(有効回答数1805事業場)によると、喫煙対策に取り組んでいる事業場は全体の82.8%(1495事業場)だったが、喫煙場所については、「喫煙場所を設けそれ以外での場所での喫煙は禁止」が92.2%、喫煙場所のうち「換気扇のある喫煙室などで喫煙」が62.6%だった。「事業場全体を喫煙」は10.2%に過ぎない。また、食堂や休憩室を設けている事業場のうち、その場所を禁煙しているのがそれぞれ39.6%、34.8%だった。
喫煙対策として空気清浄装置がよくみられるが、屋外に換気する方式とはせず、「空気清浄装置を単独で使用」している事業場は40.9%だった。ただ、空気清浄装置はガス状成分を除去できないため、厚労省の喫煙対策のための新ガイドラインでは喫煙室等に設置する「有効な喫煙対策機器」として推奨されていない。やむを得ない措置として設置する場合には、換気に特段の配慮をすることが必要とされている。
また、受動喫煙対策として職場の空気環境の測定が必要だが、浮遊粉じん濃度、一酸化炭素濃度、非喫煙場所から喫煙場所に向かう風速について測定を行っていない事業場が、それぞれ71.4%、72.2%、87.0%にのぼった。なお、新ガイドラインでは、受動喫煙防止対策として、1)非喫煙場所にたばこの煙が漏れない喫煙室の設置、2)たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策などを推奨している。