みずほ総研は17日、民間企業の今冬のボーナス支給額は1人あたり44万5148円となり、前年に比べ3.5%増と2年連続の増加となるとの試算を明らかにした。これは、1991年(3.9%増)以来の高い伸び率となる。この要因として、賞与額の算定基準となる所定内給与が今年4月に4年5ヵ月ぶりに前年比増加に転じたことや、賞与月数も企業業績の改善を背景に上積みされる可能性が高いことを挙げている。
また、今冬のボーナスの特徴的な動きとしては、1人あたりの支給額の増加だけでなく、支給対象となる雇用者の増加も見込まれることがある。これまで、企業は人件費削減のために、賃金が相対的に低く、かつ賞与も一般的には支給されないパートの雇用を重点的に拡大してきたが、今年に入るとパート化の流れに歯止めがかかり、フルタイム労働者が約8年ぶりに増加に転じている。
パートタイム労働者からフルタイム労働者へのシフトなどを反映して、今冬のボーナス支給対象者は前年比0.8%増程度になると予想する。したがって、1人あたり支給額と支給対象者数を乗じた賞与総額は、前年比4.3%増の16兆5120億円に拡大するとの試算を示している。
なお、公務員のボーナスも拡大傾向にある。例えば、今年度の国家公務員の給与に関して、人事院は、月給の引下げを勧告する一方で、ボーナスについては民間の支給状況にあうように引上げを勧告した。政府は人事院の勧告を受け入れ、ボーナスの支給月数は04年冬に比べて0.05ヵ月分の上積みが決定されている。ボーナスも含めた公務員の総人件費抑制は、道半ばの状況といえる。