情報処理推進機構が7日に公表したコンピュータウイルス届出状況によると、3月のウイルスの届出件数は4012件で、2月の1733件から2倍を超える増加となった。そのなかで、W32/Netskyウイルスが1795件と、2002年8月のW32/Klezの1062件以来19ヵ月ぶりに1000件を超える届出があった。続いて、W32/Mydoom479件、W32/Klez346件などとなっている。
3月はW32/Netskyの亜種が猛威を振るったが、特に新たに出現したNetsky.Qは発生とともに被害が拡大した。Netsky.Qに感染しているマシンを2004年4月8日~11日の間に起動すると、特定のWebサイトに対しDos攻撃(サービス妨害攻撃)を行う。Dos攻撃の発信元にならないように、事前に感染の有無を確認することが必要だ。
Netsky.Qは、メールの添付ファイルを介して感染を拡大する。エラー通知などを装ったメールの添付ファイルを開くと感染し、1)アドレス帳などパソコン内に存在するアドレスへウイルスメールを撒き散らす、2)特定のWebサイトへ4月8日~11日にDos攻撃(サービス妨害攻撃)を行う、3)断続的にビープ音を鳴らすという非常に稀な現象を起こす、などの活動を行う。
ウイルス対策を行ううえでワクチンソフトを利用することは非常に有効だが、過信は禁物だ。たとえ最新のウイルス検出データに更新していても、新種ウイルスを検出できない時間帯が発生する可能性がある。そこで、感染被害に遭わないためには、1)ワクチンソフトで発見されなくても怪しいメールは開かない、2)本文が不明なメールの添付ファイルは開かない、3)身に覚えのないメールは開かずに削除する、などを実践することだ。