金融広報中央委員会が全国の2人以上の世帯を対象に今年6月から7月にかけて実施した「2008年家計の金融行動に関する世論調査」結果(有効回答数3886世帯)によると、2008年の1世帯あたりの金融資産の平均保有額は、前年比8.5%減の1152万円となった。金融資産を保有していない世帯(全体の22.1%)を除くと、平均値は7.1%減の1508万円。平均保有額は、ここ数年でみるとおおむね横ばいで推移している。
金融商品別にみると、「預貯金(郵便貯金を除く)」が全体の54.3%(625万円)を占めてもっとも多く、次いで「有価証券(債権・株式・投資信託)」が16.9%(195万円)、「簡易保険・生命保険」が16.8%(193万円)などで続く。「預貯金」の保有割合は前年比15.4ポイント上昇したが、これは今回調査から「郵便貯金」(前年14.2%)を含めたため。前年に2.8ポイント上昇した「有価証券」は2.6ポイント低下した。
一方、借入金のある世帯は4割強(41.1%)と、おおむね横ばい圏内の動きで推移している。借入金の平均額は、全体で前年比13.5%減の532万円、借入金のある世帯のみでは8.7%減の1353万円で、うち住宅ローンは12.6%減の1205万円となり、ともに低下した。借入の目的(3つまで回答)は、「住宅(土地を含む)の取得または増改築などの資金」(62.8%)が6割強、「耐久消費財の購入資金」(22.9%)が2割強となっている。
ところで、金融資産保有額の平均値が1152万円というと、多くの世帯が実感とかけ離れた印象を持つだろうが、これは、平均値が少数の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられてしまっているため。そこで、調査対象世帯を保有額の少ない(多い)順に並べたとき、中位に位置する世帯の金融資産額である「中央値」を算出すると、今回は430万円となる。中央値のほうが世帯全体の実感により近い数字と考えられる。
同世論調査結果の詳細は↓
http://www.shiruporuto.jp/finance/chosa/yoron2008fut/pdf/yoronf08.pdf