ゼイタックス

経営関連情報 (2004/03/26)

アウトソーシング活用による中小企業発展の可能性

 資金・人材が十分でない中小企業にとって、外部の経営資源を活用することで経営上必要な業務活動を補うアウトソーシングの必要性が年々高まっている。その活用による中小企業発展の可能性を探ったのは、中小企業金融公庫が24日に発表した中小公庫レポート(03-4)である。

 レポートによると、アウトソーシングの先進国の米国では、その活用分野が多様化するとともに、活用目的が「ビジネスプロセスの効率化」や「新たな付加価値を追求する手段」という戦略的意味合いが強まっている。対してわが国は、依然として「コスト削減」を目的とする企業が多く、米国のような「専門性の向上」や「本業への集中のため」という意識が低いと推察している。

 こうしたなか、わが国の中小企業においても戦略的にアウトソーシングを活用するところが現れており、レポートでは、戦略的に経営基盤強化や経営改善・経営革新を図っている10事例を採り上げ、ヒアリング調査したうえで分析を行った。その結果が、以下のような「アウトソーシングの戦略的活用のポイント」である。

 1)まず、市場の規模・成長性や顧客ニーズなど自社を取り巻く経営環境、自社の経営状況・経営資源を十分に把握して、自社の「強み」及び「課題・問題点」を明確化する、2)そのうえで、「強み」をさらに強化したり「課題・問題点」を克服・解決するために外部資源を活用するという観点から経営戦略を練り直す、3)自社及び顧客、並びに受委託する業務について、成長性・将来性を見極める。

 4)収益向上、コア事業の選択と集中、成長分野への円滑な進出、投資リスク回避などの観点から具体的・定量的に効果を見極める、5)より一層のメリハリある資源配分と積極的な外部資源活用のため、協業化・ネットワーク化を検討する。

 6)業務の受委託にあたって、取引条件の明確化、受託企業のQ(品質)C(価格・コスト)D(納期)F(柔軟性)管理の徹底、顧客への報告徹底、知的財産保護に係る取決めなどを行う、7)常に業務の受委託の妥当性について分析・検証し、収益性・安定性・将来性などの観点から、ほかに優れた顧客あるいはアウトソーサーが存在する場合には再選定・変更を柔軟に行う。

 中小公庫レポートの詳細は↓
 http://www.jfs.go.jp/jpn/result/c2_0304.pdf