三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、4月に中堅中小企業に入社した新入社員を対象に実施した「2009年度新入社員意識調査」結果(有効回答数1189人)によると、「定年まで同じ会社で働きたい」とする回答割合は、2007年度までは毎年50%以下だったが、2008年度は55%となり、2009年度は64%となった。2007年度に比べ17ポイント上昇し、雇用不安を背景に就労意識に変化がみられる。
一方で、2004年度から2007年度の4年間は50%以上の新入社員が「自分に向かないと思えばすぐに転職したい」と回答していたが、2008年度は45%と50%を割り込み、2009年度には36%になった。また、33%の新入社員が「出世したい」と考えており、調査開始以来、出世意欲がもっとも高くなっている。「出世しなくとも好きな仕事を楽しくしたい」は67%で、前年度に比べ4ポイント減少、調査開始以来、もっとも低い。
さらに、「給料が増えなくても残業はないほうがいい」との回答割合は、2009年度は51%となっており、2004年度と比べて14ポイント上昇している。この比率は、2004年度以降2009年度まで逓増傾向を示している。会社・職場に望むこと(要望の強いものから順位をつけて回答)は、「人間関係がよい」、「自分の能力の発揮・向上ができる」、「公平な処遇」、「給料増」、「快適な職場環境」、「残業減・休日増」などの順となった。
理想の上司のタイプ(2つを選択)は、「人間関係に気を配り、明るい雰囲気の職場にしてくれる人」という人間関係重視タイプが昨年に引き続き1位で全体の77%が選択。次いで「仕事をよく教えてくれる人」(37%)、「部下の考えをよく聞いてくれる人」(34%)など。職場における「人間関係重視」の傾向は、依然として根強く、関心の高さを物語っている。この結果は社会情勢に関係ないことが、今回の調査から推察できる。
同意識調査結果の詳細は↓
http://www.murc.jp/report/press/090424_1.pdf