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不況下の中小企業の雇用戦略、約8割が人員数変えず

経営関連情報 - 2009年07月06日

 信金中金総研が6月始めに実施した「世界同時不況下における中小企業の雇用戦略調査」結果(有効回答数1万3822社)によると、今後1、2年の雇用方針は、正規社員については「増やす」が6.7%、「変えない」が80.4%、「減らす」が12.9%となった。非正規社員は、「増やす」が7.9%、「変えない」(51.7%)と「従来からいない」(29.7%)が計81.4%、「減らす」が10.6%と、正規・非正規とも約8割が人員数を変えない結果となった。

 今後1年程度の賃金改定の方向性では、正規社員は「引上げ」が6.3%、「据置き」が77.5%、「引下げ」が16.2%、非正規社員は、「引上げ」が2.3%、「据置き」(56.2%)と「いない予定」(32.6%)が合計88.8%、「引下げ」が8.9%となった。人手過不足感と照らし合わせると、正規社員では、人手過剰感のある企業の31.5%が賃金を引き下げる方向である一方、人手不足感のある企業でも引上げ方向にあるのは12.8%にとどまった。

 人材に求める能力や特性(3つまで回答)については、「営業力あり」が55.6%と突出して多く、以下、「同業種経験あり」(26.7%)、「コミュニケーション能力あり」(25.6%)、「年齢が若い」(25.2%)、「経営管理能力あり」(24.1%)、「低賃金で雇える」(21.6%)が20%台で続いた。規模の大きい企業では「経営管理能力」や「事務能力」を、規模の小さな企業では「PCスキル」や「低賃金」を、それぞれ重視する傾向にある。

 雇用の維持・拡大にあたって行政に求める施策(3つまで回答)については、「各種税制の優遇」が53.6%、「社会保険料の軽減」が51.4%と続いた。業種別にみても、建設業で「公共事業の拡大」が55.3%ともっとも多くなっているほかは、すべての業種で「各種税制の優遇」と「社会保険料の軽減」の順に求める割合が高い。なお、企業規模が小さいほど「期待することはない」の割合が高く、特に「1~4人」規模では12.0%となった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/release/release136.pdf