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税務関連情報 (2005/04/01)

2005年度改正所得税法が参院本会議で成立

 定率減税の2分の1の縮減などを盛り込んだ2005年度改正所得税法が3月30日の参院本会議で可決・成立した。すでに、改正地方税法が3月18日に成立しており、定率減税については、所得税は2006年1月から、個人住民税は2006年6月徴収分から、軽減率が2分の1に縮減されることが決まった。定率減税は廃止の方向にあり、各種所得控除の見直しと合わせ個人負担増の波が押し寄せている。

 増税色の濃い今回の改正のなかで、減税の目玉は人材投資促進税制の創設だ。教育訓練費を基準額(前2事業年度の平均額)より増加させた企業について、その増加額の25%相当額を税額控除(当期法人税額の10%が限度)する。中小企業については、これに代えて、基準額より増加させた場合、教育訓練費の総額に対し、増加率の2分の1に相当する税額控除率(上限20%)を乗じた金額を税額控除することもできる。

 減税項目では、住宅税制における中古住宅に係る特例措置の対象範囲の拡大がある。例えば、現行の住宅ローン減税の対象となる中古住宅の取得には、床面積50平方メートル以上、マンションなどの耐火建築物は築後25年以内、それ以外の木造住宅などの建築物は築後20年以内という要件があるが、改正後は一定の耐震性能を満たしたものは築年数に関係なく対象に加えられる。

 金融・証券税制では、2004年12月末でタンス株を特定口座へ持ち込める期限が切れたが、2005年4月1日から2009年5月31日まで延長される。株券不発行制度が成立したことに伴いタンス株のままでは不都合が生じることもあって、持込期限の延長は個人投資家にとって朗報といえる。ただし、これまでのように「みなし取得価額」での持込みはできなくなる。実際の取得価額がわかる株式しか持ち込めない。

 ほかでは、1)個人投資家の譲渡益を2分の1に軽減する特例(エンジェル税制)の2年延長、2)社会保険料控除の適用に、国民保険料納付証明書の添付を義務づけ、3)パートなど短期就労者に対する住民税の課税強化(給与支払報告書の提出の義務付け)~改正地方税法、4)特定口座で管理されていた株式が上場廃止となって紙くずとなった場合は、株式等の譲渡損失とみなす特例、などの改正がある。