東レ経営研究所が10日に発表した「2006年の世界経済を読み解く10のキーワード」と題したレポートは、2006年の世界経済は2005年に引き続き堅調な拡大を続けると予測し、原油高の持続が景気を押し下げる要因として存在すると指摘している。また、2006年は、エネルギー問題や大気・水・化学物質を規制する環境問題など中長期的な問題がクローズアップするとみている。
レポートは、注目すべき10のキーワードを使って2006年の世界経済を次のようにまとめている(カギカッコ内が注目すべきキーワード)。
2006年の世界経済が取り組むのはエネルギー問題と環境問題である。BRICsを中心とする高経済成長国が原油などのエネルギー需要を増加させており「『超』原油高時代」が到来する。そのエネルギー確保のために中国やインドは「資源外交」に奔走しており、政治的緊張が高まろう。一方、「ピークオイル説」がささやかれており、2006年以降、世界各国で「代替エネルギーの開発」と「省エネルギー化」が本格的に取り組まれることになる。
また、大気・水・化学物質に関する規制が世界的な動きにまで高まり、政府はもちろん企業もその動向を注視しなければならない。世界的な温暖化防止のために先進国や途上国の間で取決め(「ポスト京都議定書」)に向けての動きが本格化するが、市場原理を活用する「京都メカニズムの改革」がカギとなる。
さらに、世界的な「水不足」も心配されており、第4回世界水フォーラムの行方が注目される。自然界や人間界に悪影響を及ぼす鉛、カドミウムなどの化学物質に対する規制として、欧州では「予防原則」にのっとった「RoHS(ロース)」指令が出されている。このような化学物質に対する規制導入の動きは世界に広がっており、先進国企業は重い負担を強いられよう。
レポートの詳細は↓
http://www.tbr.co.jp/keizai/ronten/0601Ron.pdf