上場基準突破企業、3年連続減少も下げ止まり感
帝国データバンクが21日に発表した「第23回上場基準突破企業動向調査」結果によると、上場基準を突破した全国の未上場企業は、1月時点で前年比4.1%(60社)減少の1402社となった。これまでの推移をみると、2004年(1279社)から2008年(1922社)まで連続して過去最高を更新したものの、2009年(1888社)に失速、2010年は前年比22.6%(426社)減少の1462件と、これまでにない大きな落込みとなっていた。
今回は減少率が大幅に小さくなり、減少は3年連続となったものの、やや下げ止まり感がでてきたことがわかる。業種別動向をみると、22業種中12業種で前年比増(昨年は2業種)となった。「製造業」は399社(構成比28.5%)となり、前年に比べわずか7社だが、増加に転じた。昨年は前年比231社減の392社と過去になかった大幅な落込みだったが、2011年は製造業を構成する14業種中、8業種が増加に転じ、全体を底上げした。
また、「非製造業」(8業種)は1003社(構成比71.5%)となり、前年に比べ67社の減少となった。「商業」(減少率14.2%の381社)、「サービス」(同8.2%の191社)の落込みが目立った。特に、卸、小売業態を主力とする「商業」は、2008年の538社をピークに完全に失速。商流の停滞と企業の活力低下を象徴している。一方、「金融・保険」(増加率43.3%の43社)はリーマン・ショック前の水準に回復した。
売上高別にみると、「100億円以上300億円未満」(518社、構成比36.9%)がボリュームゾーンであり、以下、「300億円以上500億円未満」(223社、同15.9%)、「1000億円以上」(219社、同15.6%)と続き、“100億円以上500億円未満”で全体の52.9%を占める。資本金別では、「3億円以上5億円未満」(500社、同35.7%)、「10億円以上30億円未満」(299社、同21.3%)、「2億円以上3億円未満」(201社、同14.3%)と続く。
同調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110205.pdf