経済産業省が発表した不正アクセス行為の発生状況によると、2006年中に全国の都道府県警察から警察庁に報告があった不正アクセス行為の認知件数は、前年と比べ59.8%(354件)増の946件で、3年連続の増加となった。認知の端緒としては、警察職員による被疑者の取調べなど「警察活動」によるものが56.6%と過半を占め、次いで「ネットワークに接続されたコンピュータの利用者」からの届出によるものが37.8%だった。
不正アクセス行為後の行為としては、「インターネット・オークションの不正操作(他人になりすましての出品・入札等)」が前年に比べ66.6%増の593件ともっとも多く、全体の6割強を占める。以下、「オンラインゲームの不正操作」が同83.6%増の257件、「インターネットバンキングの不正送金」が約8倍増の39件、「ホームページの改ざん・消去」がほぼ横ばいの32件などだった。
2006年中における不正アクセス禁止法違反の検挙件数は703件(検挙事件数は84件)、検挙人数は130人と、前年に比べそれぞれ153.8%、12.1%増加した。不正アクセス行為に係る検挙件数698件のすべてが、アクセス制御されているサーバにネットワークを通じて、他人のID・パスワードを入力して不正に利用する「識別符号窃用型」であり、「セキュリティ・ホール攻撃型」はなかった。
犯行の手口は、「フィッシングサイトによるもの」が220件(前年1件)、「スパイウェア等の不正なプログラム」が197件(同33件)などの高度なコンピュータ技術を悪用したものが急増。その一方で、「ユーザーのパスワードの設定・管理の甘さにつけこんだもの」が178件(同95件)、「ID等を知り得る立場にあった元従業員や知人等によるもの」が49件(同33件)など、特に高度な技術を必要としない手口も増えている。
2006年における不正アクセス行為の発生状況の詳細は↓
http://www.meti.go.jp/press/20070222002/huseiaccess-p.r.pdf