2006年秋以降、石油製品価格が下落し始めている。06年8月をピークに、ガソリンは7.7%、灯油は10.9%下落した(「企業物価指数」日本銀行)。こうした石油製品価格下落の影響を分析したのは内閣府のレポートである。同レポートは、ガソリンや灯油の下落が家計支出と乗用車購入に与えた影響を地域別に調べている。
まず、総務省の家計調査及び石油情報センターの給油所石油製品市況調査から、各地域の家計からみたガソリン価格と灯油価格の変化率の推移をみると、暖冬の影響もいくらか寄与していると思われるが、全国いずれの地域においても軒並み減少していることを指摘している。
次に、乗用車の新規登録・届出台数をみると、06年7~9月期では、沖縄を除く全地域で前年を下回っていたのが、同10~12月期では、東北、北関東、東海、北陸、九州の5地域で前年を上回った。また普通乗用車が増加に寄与する地域も多くみられた(日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会の公表資料)。その結果、全国で普通乗用車が増加に寄与することとなった。これは6四半期ぶりとのこと。
一方、最近の内閣府の景気ウォッチャー調査(06年12月、07年1月調査)には、「原油価格の低下及び暖房用灯油の在庫増により、石油製品価格が下落し、需要の増大が見込まれる」(ガソリンスタンド)や、「石油、ガソリンの価格が少し下がったことにより、客に安心感が出ている」(乗用車販売)といったコメントが寄せられている。このように、石油製品価格下落は家計動向にプラス要因となっている、とレポートは判断している。