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今冬の民間ボーナスは▲8.6%と最大の減少幅の予想

経営関連情報 - 2009年11月09日

 昨年秋以降の景気悪化を背景に企業収益が大幅に減少し、景気は持ち直してきているが、企業の収益環境は依然として厳しい。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが4日に発表した2009年冬のボーナス見通しによると、民間企業の今冬ボーナスの一人当たり平均支給額(事業所規模5人以上)は38万8000円、前年比▲8.6%と2年ぶりに減少し、減少率は、冬のボーナスとしては比較可能な1991年以降では最大になると予想している。

 これは、ボーナスの原資となる企業収益が大幅に減少したことを反映して、支給月数が前年を大きく下回ることに加え、ボーナスの算定の基準となる所定内給与も減少するため。産業別では、大企業を始めとして企業収益が大きく減少した製造業では44万円(前年比▲13.6%)と前年を大幅に下回り、2年ぶりに減少する、また、非製造業でも37万6000円(同▲6.8%)と2年ぶりに減少すると予想している。

 景気は持ち直しの動きが続いているが、企業の雇用過剰感は依然として強く、雇用者は前年比で減少が続いている。さらに、企業の収益環境の厳しさを反映して、小規模事業所を中心に賞与を支給する事業所数が減少し、支給される事業所に雇用される労働者の割合が低下するとみている。このため、支給労働者数は3663万人(前年比▲2.9%)と2年連続で減少すると見込んでいる。

 一人当たり平均支給額、支給労働者数がいずれも前年を下回るため、2009年冬のボーナス支給総額(民間企業ベース)は、14.2兆円(前年比▲11.2%)と大幅に減少すると見込んでいる。なお、2010年度については、景気の持ち直しの動きが続けば、企業収益が2009年度の水準からさらに落ち込むことは考えにくいことから、一人当たりボーナス支給額も下げ止まってくると予想している。

 同ボーナス見通しの詳細は↓
 http://www.murc.jp/report_pdf/20091104_122602_0254674.pdf