ゼイタックス

税務関連情報 (2004/08/23)

8月下旬から集中電話催告センターが全国に拡大

 国税の滞納未然防止・処理促進は税務当局の重要課題だが、2003年度までで新規滞納・滞納残高ともに5年連続の減少となった。その要因のひとつとして、10万円から100万円未満の少額滞納を専門に処理する「集中電話催告センター」が挙げられる。2002年に東京・大阪国税局、2003年に関東信越国税局に設置され大きな成果を上げているが、この8月末には残りの9国税局(所)に設置され、全国に拡大される。

 集中電話催告センターでは、KSK(国税総合管理)システムの滞納者情報のなかから100万円未満の滞納者へ自動的に電話をかけ、税務職員が、コンピュータ端末の画面上に表示された滞納情報を見ながら、納付の催告を行っている。国税庁によると、これまでの文書による催告と比べ、完納に結びつく割合は4~5倍にのぼり、滞納整理の効率化に役立っているという。

 2002年4月に初めて東京国税局に設置されて以降、大阪・関東信越国税局を含め、今年6月末までに30万1534件に対し電話による納付催告を行い、うち55.9%にあたる16万8567件から納付や納付誓約の申し出を受けるなど、順調な処理促進が図られている。8月末からは、この電話による納付催告が全国で行われることになるわけだから、滞納処理がさらに進むことが期待されている。

 少額滞納処理を効率的に進め、浮いた事務量を100万円以上の大口滞納事案や督促に応じない悪質事案に回せば、全体として滞納処理が大幅にアップするわけだ。しかし、楽観視できない事情もある。それは、消費税法改正による免税点引下げによって100万者(社)を超える新規課税業者が出てくることだ。国税当局では、振替納税の利用や期限内納付の勧奨など必至のPRに努めているが、新規滞納の発生などが懸念される状況にある。