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経営関連情報 (2004/05/24)

4月の企業倒産1189件は5ヵ月ぶりの前月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した全国企業倒産(負債1千万円以上)状況によると、4月の企業倒産は1189件で、前月比11.5%減と5ヵ月ぶりの前月比減少となり、前年同月比では21.5%減少し16ヵ月連続して前年同月を下回った。不況型倒産は構成比74.1%と高水準にあるものの、2ヵ月ぶりに75%を下回り、昨年7月の79.3%をピークに75%前後のやや落ち着いた推移を示している。

 一方、負債総額は6119億2500万円で、前月比53.2%減、前年同月比でも32.2%減少し3ヵ月ぶりに1兆円を割り込んだ。月中に環境建設(負債526億6900万円、東京都)やジェネラスコーポレーション(負債233億2300万円、東京都)などの上場会社2社が倒産したが、負債規模上位の企業はゴルフ場を含めて不動産関連業種が大半を占めている。

 倒産が落ち着いた推移を示しているのは、政府の「中小企業金融セーフティネット」による資金支援や手形不渡りの減少が主因だが、企業再生への大合唱、中国特需、超金融緩和などによるトータルとしての景気回復ムードに支えられて、非製造業や中小企業の景況が“底打ち”の兆しをみせていることも影響している。

 しかし、すでに鋼材価格の高騰で好況業種のひとつに数えられる鉄鋼関連では、仕入価格の値上がり分を販売価格に転嫁できずに行き詰まる鉄鋼工事業者が相次ぐなど、これまでとは様相が異なる倒産も出始めている。素材価格の高騰や円高、ペイオフ全面解禁に向けて地域金融機関の再編など様々な懸念をはらんでいるうえ、破産による事業継続を断念するケースも増加傾向にあり、倒産増加の火種はいまだくすぶっているようだ。