事業主の高齢化が進むにつれ後継者問題に悩む個人企業は少なくない。総務省が22日に公表した2003年個人企業経済調査によると、後継者がいるとした事業所の割合は、「製造業」は22.3%、「卸売・小売業」は25.1%、「飲食店、宿泊業」は20.0%、「サービス業」は23.7%で、前年に比べ、「製造業」「サービス業」はそれぞれ2.8ポイント、1.8ポイントの上昇、「卸売・小売業」「飲食店、宿泊業」はそれぞれ1.0ポイント、1.4ポイントの低下となった。
7割強から8割の個人企業は後継者がいないという結果になった。事業主の年齢いかんによっては緊急課題となるが、年齢が60歳以上の事業主の割合は、「製造業」が64.4%(対前年比5.1%増)、「卸売・小売業」が59.8%(同0.2%減)、「飲食店、宿泊業」が45.9%(同3.8%増)、「サービス業」が49.2%(同3.1%増)となっている。「卸売・小売業」以外は高齢化が進んでいる。
後継者問題を抱える個人企業の事業経営上の主な問題点(複数回答)では、いずれの業種も「需要の停滞(売上の停滞・減少)」(75~79%)がもっとも多い。次に多いのは、製造業は「販売価格の低下・値引要請」(49.6%)、飲食店、宿泊業は「原材料価格・仕入価格の上昇」(41.9%)、卸売・小売業とサービス業は「大手企業・同業者との競争激化」(57.5%、52.2%)となっている。
今後の事業展開については、事業規模の縮小や転業・休業・廃業したいと回答した「事業に対して消極的」な事業所の割合が、事業の拡大・店舗の増設、経営の多角化などを図りたいと回答した「事業に対して積極的」な事業所の割合より高くなった。「製造業」は積極的な事業所割合が12.4%に対し消極的が32.6%。同様に、「卸売・小売業」は18.7%に対し31.7%、「飲食店、宿泊業」は12.0%に対し34.3%、「サービス業」は14.8%に対し26.5%となっている。