2003年09月05日-001
厚労省、国民年金未納者は保険料控除不適用を要望
2004年度税制改正では年金課税制度の見直しが焦点のひとつとなるが、厚生労働省はこのほど、安定した年金制度を構築するための税制措置などを中心とした来年度税制改正要望をまとめた。そのなかで、国民年金保険料の未納者を個人年金保険の生命保険料控除(最高年5万円)を適用しないことを求めている。確定申告時に国民年金保険料の納付証明書類の添付を義務付けたい考えだ。
国民年金は未納者が約4割に達しており、厚労省では徴税強化のために、未納者が民間の個人年金に入っていても所得税の保険料控除を認めないことで、保険料納付を促す意図がある。これに対し生命保険協会は「国民年金の未納・未加入問題と個人年金保険料控除制度は全く別次元の問題」として強く反対し、未納者に対する懲罰的な観点からの保険料控除制度の見直しに疑問を呈している。
ほかでは確定拠出年金(日本版401K)への税制優遇措置の拡充を求めている。2001年に導入された確定拠出年金は公的年金を補う役割が期待されているが、現行の非課税となる掛け金の限度額が老後の所得保証を担うためには不十分との考えから、限度額の引上げを求めている。また、2004年度末まで課税を凍結している年金への積立金に対する特別法人税を撤廃することを要望している。
なお、来年度税制改正で大きな議論となりそうな公的年金等控除については、その縮小・廃止による基礎年金の国庫負担割合引き上げの財源としての目論見があるが、今回の要望では「見直し」との表現にとどまった。次期年金制度改正に係る厚労省案の提示に合わせて、意見を提出する予定という。
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