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非正規社員の53%が「正社員」としての就業を希望

経営関連情報 - 2009年07月13日

 転職サービスや求職・求人情報を提供するインテリジェンスが、1年以内にアルバイト・パートや契約社員、派遣社員のいずれかに就業した15~34歳の男女を対象に実施した「正社員希望の動きと働く意識の変化に関する調査」結果(有効回答数7608人)によると、非正規社員のうち53.3%が「正社員としての就業を希望」と回答した。対して「希望しない」は46.7%となり、やや希望者が多いが、概ね半々となっている。

 雇用形態別にみると、正社員希望者が最多だったのは「契約社員」で、実に77.2%、4人に3人は「正社員希望」となった。次いで「派遣社員」が57.0%と過半。対して「アルバイト・パート」は46.7%と、正社員希望者は契約社員、派遣社員を下回ったが、働き方や仕事内容では、非正規社員のうちもっとも正社員に遠いはずのアルバイト・パートが半数近く正社員を希望しているという意味では、かなり高い数値と捉えていい。

 非正規社員の仕事に対する意識の変化をみると、今年もっともアップしたのが「一つの仕事(またはアルバイト)を長く続けたい」で、昨年の48.1%から61.4%と、実に13.3ポイントも上昇。次いでアップ率が高かった「将来に不安を感じる」(7.1ポイント増の60.2%)とともに、長期で安定した雇用を望む意識の高まりがはっきり見て取れる。正社員希望の増加も、そうした意識がストレートに反映したものとみられる。

 また一方で、「仕事(またはアルバイト)を通して、自分の目標や夢を実現させたい」(6.8ポイント増の51.1%)や「仕事(またはアルバイト)を通してお金以外のものを得られると思う」(5.7ポイント増の78.6%)といった意識のアップも目立った。これらは、安定志向層とは異なり、雇用や収入の安定より、目標や夢の実現を優先させたい、あるいは経験や人との出会いを大事にしたい、といった意識が強い。

 そういった将来を見据えた層の増加にも注目すると同時に、その仕事への意欲やポジティブさを活かすことがカギとなる。インテリジェンスは、「思い切って任せてみて、環境や仕事への適応力や業務スキルが評価できる人材を正社員として活用していくと、いった試みが、今後の人材戦略のポイントの一つ」と指摘している。