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経営関連情報 (2005/10/21)

景況感の分岐点50を14ヵ月ぶりに上回った中小

 商工中金が17日に発表した「中小企業の動向(2005年秋号)」(1000社調査)によると、中小企業の景況を表す9月の景況判断指数は50.4と前月比2.1ポイント上昇し、景況感の「好転」、「悪化」の分岐点である50を14ヵ月ぶりに上回った。景況判断指数は、2004年3~5月及び7月に50を上回ったが、その後は50を下回り、2005年1月には47.3まで低下。その後も8月までは指数48をはさんだ動きとなっていた。

 9月の景況判断指数を業種別にみると、製造業は50.9、非製造業も49.9とともに同2.1ポイント上昇した。製造業の判断指数が50を上回るのは今年3月以来6ヵ月ぶり。先行き10月は50.8を見込む。一方、非製造業は2004年6月以降16ヵ月連続で50割れを続けているが、先行き10月は50.3と50を超える見通し。なお、全産業の先行き10月は50.5と2ヵ月連続で50を上回るものと見込んでいる。

 8月の中小企業の売上高(前年同月比)は4.3%増と27ヵ月連続で増加した。増加率が4%台となるのは2004年6月以来。先行き9月は3.7%増、10月は3.1%増とともに増加を見込む。業種別にみると、製造業は5.2%増で、32ヵ月ぶりに減少した7月から反転増加。非製造業は3.4%増と5ヵ月連続で増加した。先行き9月・10月は、製造業が3.9%増、3.3%増、非製造業が3.6%増、3.0%増と安定した伸びを見込んでいる。

 そのほか、8月の中小企業の資金繰りDI(「好転」-「悪化」企業割合)は、+0.7と2000年6月の現行1000社調査開始以来初の「好転」超に転じた。同DIは、2001年11月の▲10.4を底に「悪化」超幅が縮小基調で推移し、2004年5月には「不変」の0.0まで改善。その後、小幅ながら14ヵ月連続の「悪化」超で推移していた。9月のDIは▲0.1だが、中小企業の資金繰りをめぐる環境は着実に改善している。

 「中小企業の動向」の詳細は↓
 http://www.shokochukin.go.jp/pdf/cb05other10.pdf