ゼイタックス

経営関連情報 (2005/05/30)

「賃上げ実施」中小企業は23.2%で2年連続増加

 大阪市信用金庫が4月中旬に実施した「中小企業における2005年の賃上げ状況調査」結果(有効回答数1107社)によると、「賃上げ実施」企業は23.2%で、昨年に比べ4.4ポイント増加した。2年連続の増加となり、4年ぶりに2割台を回復した。一方、「賃下げ実施」企業は4.0%で、昨年に比べ半減し、同調査を開始した1998年のレベルに戻った。ただ、当時は「賃上げ実施」企業(48.8%)は5割近くで今回の2倍以上あった。

「賃上げ実施」企業を業種別にみると、「卸売業」(28.4%)が3割近くでもっとも多く、「サービス業」(26.6%)、「製造業」(24.1%)が続く。もっとも少ないのは「運輸業」(11.1%)で1割程度。また、従業員規模別にみると、「賃上げ実施」企業は規模が小さくなるほど少なくなっており、「50人以上」(43.6%)では4割を超えているのに対し、「10人未満」(16.6%)は2割にも満たず、規模間の格差が大きい。

 全企業ベースの1人平均賃上げ率は0.59%で、3年連続の改善となった。ただ、昨年はその前年に比べ0.70ポイントの改善だったが、今年の改善幅は0.29ポイントにとどまっており、景気回復の一服感を反映した結果となったとみられている。一方、「賃上げ実施」企業ベースの平均賃上げ率は3.15%で、昨年より0.32ポイント低下した。業種別では「サービス業」(0.89%)がもっとも高く、「運輸業」(0.25%)がもっとも低い。

 賃上げ率を決める基準については、全体としてみると、「あくまでも自社業績のみ」(68.3%)が約7割でもっとも多く、次いで「自社業績主体で世間相場も考慮」(28.7%)が3割近く、「世間相場が主体」はわずか3.0%に過ぎない。業種別にみると、「自社業績のみ」は「サービス業」(74.1%)や「建設業」(70.3%)で比較的多くなっている。規模別にみると、「自社業績のみ」は規模が小さくなるほど多くなっている。