経 営 関 連 情 報

2003年06月02日-001
正社員・非正社員という発想から脱却せよ!

 これまで多くの企業では、パートやアルバイトなどの非正社員に対しては定型的な仕事中心の役割を期待してきた。しかし、「多様な働き方の労働者の活用を図る」という点から、正社員と同じような役割を期待する企業が多くなっている。それは、人件費削減から正社員の減少を非正社員で補うという企業側の必要性の必然的な帰結でもある。そこで求められるのは、新たな人事管理システムである。

 労働問題リサーチセンターが提案するのは、正社員と非正社員の枠を取り払った「統合型」人事管理システム構想である。それは、正社員と非正社員を分けて考える発想から脱却し、雇用形態にかかわらず適材を適所に配置し公正に処遇するシステムだ。このため、従来の正社員・非正社員という区分ではなく、「働き方の違い」に基づく新たな社員区分を提案する。

 具体的には、雇用契約時点で職種(仕事の範囲)・勤務地(異動の範囲)・勤務時間(労働時間)という働き方についての限定条件があるかないかに着目して社員を区分する。まず限定条件のない社員群が1つと、さらに限定条件がある社員群を、1)職種限定社員(職種のみに限定)、2)勤務地限定社員(職種に加え勤務地を限定)、3)短時間勤務社員(職種・勤務地に加え勤務時間も限定)の3つに区分し、4つの均衡処遇モデルを示している。

 これらの働き方の異なる社員区分間の処遇の均衡を図るため、同じ社員ランクは同じ処遇とすることが原則だ。その上で、会社都合によって働く時間、働く場所、従事する仕事が変わるリスクを給与に反映させる。具体的には、リスクの違いに応じたプレミアムを「リスクプレミアム」として、給与の算定要素に明確に位置付け、これまで曖昧だった雇用契約の違いによる賃金格差に合理性を持つ一定のルールを示し、それによって均衡処遇の実現を目指す。

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