国土交通省が24日に公表した今年1月1日時点の公示地価は、全国全用途平均で▲5.0%と14年連続の下落となったが、下落幅は1.2ポイント縮小し、6年ぶりに縮小した前年に引き続き2年連続で縮小した。全国平均で住宅地が▲4.6%、商業地が▲5.6%の下落だが、住宅地は2年連続、商業地は3年連続で下落率が縮小、三大都市圏や地方圏とも下落率は縮小しており、地価の動向に変化の兆しが鮮明となった。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏は、全用途平均で▲3.9%の下落となったが、下落率は前年より2ポイント縮小、下げ幅は3年連続で縮小した。住宅地は前年より2.0ポイント縮小の▲3.7%、商業地は同2.6ポイント縮小の▲3.2%の下落となった。景気回復が底堅く推移するなか、オフィス需要の回復や不動産投資の拡大などを背景に、平均で上昇となる市・区や比較的高い上昇率を示す地点がみられた。
東京圏では、東京都区部で上昇、横ばい及びほぼ横ばいの地点が大半を占め、多摩地域、埼玉県、千葉県及び川崎市・横浜市の一部などのより広い範囲で上昇や横ばいの地点がみられた。なかでも、都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)、浦安市、武蔵野市などでは平均で上昇となった。都心回帰の動きがみられ、都市再生の取組みを背景に、賑わいをみせる都心や駅周辺などで上昇地点が増加している。
一方、地方圏は、全用途平均で13年連続の下落となる▲6.0%だったが、下落率は0.5ポイントとわずかながら8年ぶりに縮小した。住宅地は▲5.4%で8年ぶりの下落率縮小、商業地は▲7.5%で7年ぶりに下落率が縮小した。しかし、多くの地方都市では、マンションや郊外部の宅地の供給により需給が緩んでいることや、オフィス需要の低迷、郊外型大規模商業施設の進出の影響などにより、下落が続いている。