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ゆとり世代の特徴、「指示待ち」でミスが怖い

経営関連情報 - 2009年08月28日

 学習内容の削減や完全週休二日制など「ゆとり教育」を受けた世代について、1987年度生まれが「ゆとり第一世代」といわれている。順調に進むと、「ゆとり第一世代」は現在大学4年生で、来年から大卒社員でもこの世代が社会に出ることになる。産業能率大学は、6月に発表した「2009年度新入社員の会社生活調査」を年代別にクロス集計し、ゆとり世代(21歳以下)と、22歳以上層を比べてゆとり世代の特徴を見出した。

 それによると、上司の仕事で、「部下の報告を受ける」、「部下に指示を出す」、「部下からの相談にのる」の3つのうち一番大切と思うものを聞いた結果、「部下に指示を出す」の回答が、ゆとり世代は41%ある一方、22歳以上では30%と、11ポイントも開きがあった。同様に、上司に仕事の相談をする場合に、指示、判断、意見・アドバイスのどれを求めるかについても、「指示」についてゆとり世代は上の年齢層より高い数値が出ていた。

 また、新入社員のうちから責任ある仕事を任せられることについて、「やる気が出る」か「不安」かの二者択一で聞いた質問では、ゆとり世代は「不安」が70%に対し、「やる気が出る」は30%。22歳以上の層では「不安」は53%にとどまっており、20ポイント弱も「不安」が高い結果が出ている。これは、年齢の違いによる影響も考えられるが、ゆとり世代はミスを避けようとする意識が強いのかも知れない。

 就職先を選ぶ際に重視した項目(3つ選択)については、ゆとり世代、22歳以上のいずれも「仕事内容」、「業種」が1位、2位だが、これに続く3位は、ゆとり世代では「所在地」、22歳以上では「企業風土」(47%)だった。「企業風土」はゆとり世代では7位(15%)でほとんど重視されていない。ゆとり世代の数値が22歳以上の回答より目立って高いのは、「所在地」、「給与水準」、「企業規模」、「知名度」だった。

 これだけを並べてみると、ゆとり世代は、極言すると“中身”よりも“外見”を選択基準にしているような印象がある。転職のイメージは、ゆとり世代は「キャリアアップ」(52%)と「挫折」(48%)が拮抗しているが、22歳以上ではこれが、75%、25%と大きな開きがある。新入社員調査で近年の傾向をみても若年層の安定志向の高まりは顕著だが、ゆとり世代はより一層、転職を避けできるだけ同じ会社で働き続けたい意向が強そうだ。

 「2009年度新入社員に見るゆとり世代の特徴」の詳細は↓
 http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/yutori2009.pdf