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経営関連情報 (2003/12/12)
中小企業も決算書を公開する時代(9)

~たな卸資産は、どのように取り扱うか?

 たな卸資産とは、生産・販売・管理活動を通じて売上収益を上げることを目的として、費消される資産、いわゆる在庫などのことである。例えば、卸売・小売業では商品・未着品・貯蔵品など、製造業では製品・半製品・仕掛品・原材料・貯蔵品など、建設業では未成工事支出金・原材料・貯蔵品などが該当する。

 たな卸資産の評価基準は、原価法または低価法を用いる。原価法を採用した場合において、たな卸資産の時価が取得原価より著しく低いときは将来回復の見込みがある場合を除いては、時価で評価しなければならない。

 たな卸資産の評価方法は、個々の取得価額で評価する「個別法」、先に入荷したものが先に出荷されたと仮定して評価する「先入先出法」、後から入荷したものが先に出荷されたと仮定して評価する「後入先出法」、期首の総額と期中取得分の合計額をそれらの総数量で割った単価により評価する「総平均法」、取得するたびにその平均単価を計算して取得価額を評価する「移動平均法」、事業年度の最後に取得したものの単価で評価する「最終仕入原価法」など、一般に認められる方法を用いて行う。

 たな卸資産の評価は、原則として種類・品質・型などの異なるものごとに行う。法人税法上の法定評価方法は、最終仕入原価法とされている。仕入単価があまり変動しない業種は、どの評価方法によっても利益は大きく変わらないが、仕入単価が著しく変動する業種は、評価方法によって利益が大きく変わるので、適切な評価方法を選ぶことが重要となる。

(続く)