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経営関連情報 (2005/04/01)

会社法施行による既存の有限会社の行方は?

 会社経営に関する規制緩和の集大成とも言われる会社法案は去る22日に今国会に提出された。会社法案要綱はA4判104ページ、法律案は857ページ、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」は3642ページにのぼる膨大なものとなっている。この整備法のなかに、注目されていた有限会社の廃止に伴う経過措置が設けられ、会社法施行後の既存の有限会社の取扱いなどが定められている。

 会社法案では、最低資本金規制の撤廃とともに、有限会社法制と株式会社法制とを新しい「株式会社」法制に統合し、有限会社制度を廃止することが注目点のひとつとなっている。そこで、既存の有限会社は会社法施行後、1)会社法の規定による株式会社として存続する、2)既存の有限会社の定款、社員、持分及び出資一口を、存続する株式会社の定款、株主、株式及び一株とみなすなどと定められた。

 ただし、「商号に関する特則」において、会社法の例外として、既存の有限会社は、通常の株式会社と区別するため、商号中に有限会社という文字を用いなければならない「特例有限会社」として存続することとされた。この整備法の経過措置は期限が設けられていないため、会社法施行後も既存の有限会社はこれまでと変わらず有限会社の商号を用いて業務を行うことができるわけだ。

 一方、特例有限会社から通常の株式会社に移行したい場合は、商号中に株式会社の文字を用いる定款変更をする株主総会の決議が必要になる。株主総会決議後、本店所在地においては2週間以内、その支店所在地においては3週間以内に、特例有限会社の解散の登記をして、商号変更後の株式会社の設立の登記をすればいいと定められている。

 なお、会社法の施行は、公布の日から1年6ヵ月を超えない範囲内で政令で定める日と定められているが、一部を除いて2006年4月1日からの施行が予定されている。