OFF-JTは通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)のこと。厚生労働省がこのほどまとめた2003年度能力開発基本調査結果(有効回答数2077社及び従業員5039人)によると、2002年に正社員に対してOFF-JTを「実施した」企業割合は48.7%で、前年度の60.2%から11.5ポイント減と大幅に減少し、過半数を切った。
また、2002年度に正社員に対して計画的なOJTを「実施した」企業は41.6%で、こちらも前年度から3.2ポイント減少した。OJTは、日常業務につきながら行われる教育訓練のことであり、教育訓練に関する計画書を作成するなどして、教育担当者・対象者・期間・内容などを具体的に定めて段階的・継続的に実施するもの。
教育訓練方法の方針としては、OJT重視とOFF-JT重視とに大別されるが、「OJTを重視」とする企業が、全体のおよそ7割(71.2%)を占めている。それに対して「OFF-JTを重視」する企業は23.0%であり、多くの企業でOJTを重視した教育訓練が行われてきたことが分かる。今後の方針についても、「OJTを重視」が68.3%と多く、将来に向かって方針が維持される見込だ。
一方、2003年に自己啓発を行った人の割合は35.8%で、前年度より2.6ポイント上昇した。自己啓発とは、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動をいい、趣味や娯楽など職業に関係のないものは含めない。その目的は、「現在の仕事に必要な知識・能力を身に付けるため」(77.6%)が最も多く、次いで「将来の仕事やキャリアアップに備えて」(37.7%)、「資格取得のため」(32.8%)などが続く。