経 営 関 連 情 報 |
2002年07月12日-002
経済のグローバル化の中での経営課題は?
厚生労働省がこのほど発表した平成13年度産業労働事情調査結果によると、景気低迷が長期化する中、現在企業が最も力を入れている経営課題(3つまでの複数回答)としては、「人材の育成強化」(60.4%)が最も高く、次いで「自社の独自性の発揮」(47.7%)となっている。うち、その経営課題が経済のグローバル化を反映したものとする企業は35.3%となっており、具体的には、「自社の独自性の発揮」(10.5%)が最も高く、次いで「人材の育成強化」(8.6%)となっている。調査は、従業員30人以上の民間企業を母集団として4,089社を抽出、昨年9月に実施し、経済のグローバル化に対応した企業活動の現状・問題点等を調べたもの(有効回答数3,153社、有効回収率77.1%)。
調査結果によると、経済のグローバル化が進む中で、実施中に経営面の対応策をみると、「国際標準規格ISO9000(品質保証)取得」(13.9%)が最も高く、次いで「ITを活用した生産性の向上」(13.3%)が続いている。また、企業において現在求められている人材能力(3つまでの複数回答)は、「販売・営業力」(54.2%)が最も高く、以下、「発想・企画力」(41.8%)、「コスト意識・財務センス」(40.1%)の順。うち、その人材能力が経済のグローバル化を反映したものとする企業の割合は、「発想・企画力」(7.7%)が最も高く、次いで「コスト意識・財務センス」(7.5%)、「販売・営業力」(6.0%)となっている。現在求められる人材能力の確保方法(2つまでの複数回答)としては、「内部社員の能力開発の強化」(60.2%)が最も高く、次いで「中途採用者の採用で対応」(52.1%)など。
以上を要約すれば、現在の企業の最優先課題は「人材の育成強化」であって、こと経済のグローバル化進展への対応には、「自社の独自性の発揮」が求められており、そのためには「発想・企画力」のある人材を育てる必要がある。しかも、本来は内部社員の能力強化がベストだが、ことは急を要しており、外部の人材で対応することもやむを得ないことになる。
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