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小企業の従業員の「不足」割合が8年ぶりに低下

経営関連情報 - 2008年10月31日

 日本政策金融公庫総研が28日に発表した「小企業の雇用動向調査」結果(有効回答数7749社)によると、7~9月期の従業員過不足DI(「不足」-「過剰」企業割合)は3.8と、前年同期に比べ5.2ポイント低下した。DIの低下幅は、2000~2001年調査以来の大きさであり、最近の景況悪化を反映した動きとなっている。「不足」企業割合は前年同期に比べ3.5ポイント低下の18.7%となった。「不足」割合が低下するのは8年ぶり。

 1年前と比べた従業員数が「増加した」とする企業は前年同期に比べ2.2ポイント低下の7.8%と、5年ぶりに10%を割り込んだ。また、従業員が「不足」とする企業の求人活動の有無は、「していない」とする企業が56.4%と過半となった。求人活動をしていない理由は、「人件費の負担に見合う収益が確保できていない」が62.2%と大半を占め、収益状況が厳しさを増すなか、求人にまで踏み切れない状況がうかがえる。

 従業員が「過剰」とする企業の人員削減予定の有無は、「予定がない」が67.8%となった。その理由は、「従業員の生活を考えると簡単に解雇できない」が36.3%、次いで「1人減らすほどの過剰感はない」が26.2%、「将来の不足に備えて確保しておきたい」が21.4%。経営者と従業員との関係が密接なことや従業員1人あたりの役割が大きいこと、そもそも人材確保が難しいことなど、小企業ならではの事業がみてとれる。

 過去1年間に新たに採用した従業員の雇用形態は、「パート等」が前年同期よりも6.4ポイント上昇し59.8%を占めた。「正社員」は4.3ポイント低下の34.5%。また、過去1年間に離職した従業員の雇用形態については、「パート等」が4.8ポイント上昇し61.0%にのぼった。「正社員」は4.8ポイント低下の34.7%。求人や人員削減に容易に取り組めない状況下で、雇用調整をパート等の採用、離職によって行う傾向がうかがえる。

 同雇用動向調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/t_news_081028_a.pdf