企業を引き継いだ時の平均年齢は41.7歳
中小企業基盤整備機構はこのほど、「事業承継実態調査報告書」を公表した。調査は、今年1月~2月22日にかけて国内中小企業1万社に実施、2852社から回答を得た(有効回答28.5%)。企業の属性、事業承継の実績、事業承継の現状、事業承継に向けた取組み、後継者、事業承継に関する支援策、国、都道府県が行う事業等を聞いた。このなかで、事業承継の実績をみると、企業を引き継いだ年齢は平均41.7歳だった。
創業したまたは企業を引き継いだ年齢は、「30 歳代」(29.5%)、「40 歳代」(27.5%)の割合がそれぞれ3割近くと高くなっている。創業者の平均年齢は37.6 歳で、企業を引き継いだ時の経営者の平均年齢は41.7 歳となっている。業種別に平均年齢をみると、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、建設業の創業者が36 歳、2代目以降で40 歳と他の業種よりも若くなっている。
世代別にみると、世代交代を多く繰り返してきた企業ほど引継時の年齢が高い世代の割合が大きくなっており、引継時の平均年齢も高い結果となっている。経営者が何代目にあたるか尋ねたところ、「創業者」が45.7%で半数近くを占めている。創業者でない場合は、「2代目」が33.6%ともっとも多く、以下、「3代目」(12.7%)、「4代目」(3.4%)、「5代目以降」(3.0%)と続いている。
「経営者は創業者」以外を回答した1504社に、先代経営者から生前に事業承継が行われたかどうかを聞くと、「行われた」が66.2%、「行われなかった」が29.0%で、約3割は生前に事業承継が行われていないことが分かった。事業承継では、「経営理念の承継」など、経営者と後継者との意思の疎通が重要となるが、生前に十分な準備をもって事業承継が行われないと、承継後に思わぬ問題を引き起こすことになる、と報告書は結んでいる。