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「国の借金」は国民1人あたり663万円に増加

税務関連情報 - 2009年02月16日

 財務省が10日に公表した2008年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は846兆6905億円となり、前回発表の昨年9月末時点から3兆4111億円増加、1年前の2007年12月末時点からは8兆6855億円増えた。一方、地方が抱える長期債務残高は2008年度末で約197兆円と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、重複分34兆円を差し引いても1000兆円台を突破する。

 昨年12月末時点の国の借金は、1年前に比べ、国債は約2.9兆円増の681.6兆円で全体の約80%を占めた。うち普通国債が約10.9兆円増の545.5兆円とほとんどを占め過去最高となった。財政投融資特別会計国債は約7.8兆円減の133兆円だった。国債以外では、借入金は1年前から約0.8兆円減って56兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は同約6.6兆円増えて108.9兆円となっている。

 この「国の借金」846兆6905億円は、2009年度一般会計予算案の歳出総額88兆5480億円の約9.6倍、同年度税収見込み額46兆1030億円の18.4倍である。年収500万円のサラリーマンが9200万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の1月1日時点での総人口1億2765万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約663万円の借金となる。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 財務省によると、新規国債発行額は、2008年度(実績見込み)まで4年連続で減少してきたが、2009年度は経済対策の財源を確保するため一転、前年度から8兆円増の33.3兆円を発行する予定だ。国債発行額の実績ベースの過去最高値、1999年度の37.5兆円と比べると約4兆円少ないが、それでも33兆円を超える新規発行が必要な状況にある。税収の大幅減少が予想されるなか、財政再建の道は遠のきつつある。