全日本トラック協会が発表した「2008年版トラック運送事業の賃金実態調査」によると、特別積合せ事業と一般事業を合わせたトラック運送事業全体の1人1ヵ月平均賃金(賞与を除く)は前年比0.4%減の32万1700円と2年ぶりに前年を下回った。同調査は、昨年5、6、7月に支給された給与の1ヵ月平均額と雇用条件等を調べたもの。なお、特別積合せ事業は、宅配など複数拠点での積替えを行う混載を許可されているもの。
調査結果(有効回答数1445社、うち特積事業者107社)によると、全職種1人1ヵ月平均賃金は、特積が32万500円(対前年比0.8%減)、一般が32万2400円(同0.1%減)、これに年間支給賞与の1ヵ月平均額を加えた月額は、特積が36万1300円(同1.6%減)、一般が36万3300円(同0.2%減)となった。平均賃金、賞与を加えた月額がともに前年を下回ったのは2年ぶり。特に特積は、賞与を加えた月額が5年連続で前年を下回った。
また、トラック運送事業従業員の7割近くを占める男性運転者(けん引、大型、普通)の賃金をみると、特積では1人1ヵ月平均賃金が33万1100円(対前年比1.4%減)、年間賞与を加えた月額が36万6800円(同2.4%減)となり、全職種平均の減少幅を上回った。一方、一般では平均賃金が33万2500円(同0.3%増)、賞与を加えると36万6500円(同0.2%増)と、2年連続前年を上回っている。
男性運転者の賃金を職種別にみると、特積、一般とも高いほうから、けん引、大型、普通の順となっている。大型運転者と普通運転者の格差は、特積の場合、1人1ヵ月平均賃金で7万6500円(前年7万700円)、賞与を加えると8万200円(同7万4700円)と前年より拡大し、一般は、平均賃金で4万8500円(同5万3600円)、賞与を加えると5万5800円(同6万1800円)と前年より格差が縮小した。
支給形態別にみると、歩合給(運行手当等)や時間外手当(早出、残業、深夜、休日出勤手当等)などの変動給に占める割合は運転者が高く、男性運転者のなかで、変動給の占める割合が高いのは概して特積で、大型運転者が62.1%、けん引運転者が55.1%、普通運転者が54.9%と5割を超えている。なお、男性運転者の平均年齢は43.2歳と前年より0.5歳上昇し、全職種平均では42.8歳、同0.2歳上昇している。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.jta.or.jp/chosa/chingin20/home.html
特別積み合わせ貨物自動車運送事業とは、貨物自動車運送事業法において認められている混載は、一拠点から出発して、一回の輸送で配達を終える形態のものに限られています。複数拠点での積替えを行う混載については、特別積合せ貨物自動車運送事業者のみに許可されています。