日本政策金融公庫総合研究所が三大都市圏の同公庫取引先を対象に11月中旬に実施した「中小企業景況調査」結果(有効回答数581社)によると、2009年の業況見通しは、「改善」を見込む割合が前年調査から10.8ポイント減の13.6%と低下し、「悪化」を見込む割合が33.6ポイント増の48.1%と大幅に上昇した。すべての需要分野において「悪化」を見込む割合が大幅に上昇し、特に乗用車関連では70.7%が「悪化」すると回答している。
売上高及び計上利益額の見通しは、ともに「減少」を見込む割合が、前年調査からそれぞれ31.7ポイント増の45.4%、29.5ポイント増の46.0%と大幅に上昇している。2008年にプラス43.5と大幅に上昇した仕入価格DI(「上昇」-「低下」)については、2009年見通しは▲1.1とほぼトントンとなっているが、販売価格DI(同)については、2008年のプラス18.2から▲14.5と大幅にマイナスに転じている。
2009年に向けての経営上の不安要素は、「原材料価格・燃料コストの高騰」が前年調査から39.0ポイント減の34.6%と大幅に低下し、代わって国内外の景気低迷を受ける形で「国内の消費低迷・販売不振」の割合が同24.7ポイント増の85.5%、「取引先の経営不安・経営破たん」が同21.3ポイント増の34.1%、「海外経済の減速による輸出減少」が10.3ポイント増の22.9%と、それぞれ大幅に上昇している。
また、経営基盤の強化に向けて2009年に注力する分野は、「営業・販売力の強化」が前年調査から5.5ポイント増の75.0%と上昇。景気の低迷を受けて「販売価格引上げ、コストダウン」が同5.8ポイント減の43.0%、「人材の確保・育成」が同5.0ポイント減の31.2%、「供給能力の拡充(設備増強等)」が同4.2ポイント減の9.3%と低下する一方で、「既存事業の絞込み」が同5.4ポイント増の11.4%と増加している。
2009年の中小企業景況見通しの詳細は↓
http://www.jfc.go.jp/common/pdf/c3_0812.pdf