建設業は、建設投資減少の影響から市場規模が縮小するなかで、経営は厳しさを増している。そのような状況下、新分野進出など経営革新に取り組む動きが広がっている。国土交通省は24日、地域の中小・中堅建設業の新分野進出など経営革新に係る実態調査を公表した。回答企業の約6割が「資本金1千万円~5千万円未満」の企業で、全体の93%が資本金3億円未満の中小企業。
調査結果(有効回答数481社)によると、新分野進出(回答数403社)は、建設業で培った技術とノウハウを直接的に活かすことができるリフォームやまちづくりなど「建設業周辺分野」への進出が31%で最も多かった。以下、「環境・リサイクル分野」(23%)「農林水産分野」(11%)、「福祉分野」(9%)などへの進出が多くみられる。農業への進出は、農業生産法人の設立に伴い、地域における雇用の維持・創造に貢献している例が多いという。
新分野進出以外の経営革新(回答数369社)については、数多くの企業が「IT活用等による生産高度化・合理化」(28%)に取り組んでいるほか、「相互補完的経営統合等による経営基盤の強化」(15%)、「積算・設計の共同化等による事務処理効率の向上」(11%)も相当数ある。「その他」(22%)では、品質管理を目的としたISOの取得も広く行われ、また、人事制度の見直しも活発であり、人件費の削減、実績評価主義体系への移行への動きがみられる。