連合総研が実施した第12回「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」調査結果(有効回答数772人)によると、残業手当の支給対象者に対して残業手当が実際に支給される割合は、「すべて(10割支給)」が51.9%ともっとも多かったものの、「7~8割」が15.8%など、賃金不払い残業がある雇用者の比率は37.8%となった。1年前(43.2%)、2年前(39.2%)の調査からやや低下したが、引き続き約4割を占めている。
同調査は、首都圏・関西圏に居住する20~50歳代までの民間企業勤務者を対象に10月に実施したもの。不払い残業がある雇用者比率は、男性(42.7%)が女性(30.2%)よりも高く、正社員(41.8%)が非正社員(28.5%)よりも高い。週実労働時間別では「60時間以上」(51.6%)、「50時間以上60時間未満」(49.3%)が約5割と高く、労働時間が短くなるにつれて比率は低くなる。
残業手当の支給される時間の決定方法は、「自己申告の時間どおり」が40.7%、「タイムカードや電子機器等による記録どおり」が30.6%で続く。不払い残業のある雇用者比率が比較的低い後者の割合は上昇を続けている一方で、同比率の比較的高い「自己申告またはタイムカードや電子機器による記録をもとに上司等が調整」(今回10.5%)の割合が低下しており、これらの変化が「不払い残業のある雇用者比率」の低下に影響している。
なお、賃金不払い残業のある理由(複数回答)については、「上司の対応等の雰囲気により残業手当を申請しにくいから」が約4割(39.7%)ともっとも多く、この割合は、過去2回の調査と比較すると上昇している。一方、これまで第1位・第2位だった「残業時間の限度が定められているから」(32.2%)、「予算枠などで残業手当の支払いに上限があるから」(28.0%)の割合が低下している。
同アンケート調査結果の概要は↓
http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/kinroukurashi/enquete/No12/gaiyou.pdf