信金中央金庫総合研究所が実施した「中小企業の環境問題への取組みに関する調査」結果(有効回答数1万3871社)によると、環境問題に対して「やや意識」とする企業が55.9%、「強く意識」が15.5%と、計7割以上の企業が環境問題を意識していることが分かった。2001年の同様の調査と比べると、「強く意識」は若干低下したものの、「やや意識」が5.8ポイント増加したため、環境問題を意識している割合は5.1ポイント増加した。
環境問題に取り組むうえで、企業経営上期待する効果(複数回答)は、「省エネ・リサイクルによる経費削減」が41.3%、「イメージアップ」が35.1%となった。前回調査と比べ、「経費削減」が11.3ポイントと大きく増加しているのに対し、「プラス面の効果は期待できない」(15.5%)が7.1ポイント低下した。これは、実際に省エネ等に取り組んでいる企業において、何らかの経費削減効果が挙がっていることが想定される。
一方、「受注増」(15.8%)や「売上増」(11.1%)といった実際の取引に結びつく効果を期待する回答は、前回水準を下回る水準にとどまっており、環境問題への取組みを本業に活かすことの難しさがみてとれる。実施している環境問題への取組み(複数回答)は、「エネルギー等の節約(節電・節水)」が64.8%と高く、次いで「用紙利用削減の徹底」が31.6%、「冷暖房温度の適正化」が28.8%となっている。
環境問題に取り組むうえでの課題(複数回答)は、「費用負担が大きい」が37.4%、「ノウハウ・人材が不足」が36.1%となった。これらの課題は、製造業と建設業において、また、従業員数が大きくなるほど課題とする割合が高くなる傾向がみられる。そのほか、小売業、サービス業、不動産業において、約25%の企業が「課題は特にない」と回答し、製造業や建設業との差が大きくなっていることが特徴的な点だ。
同調査(「中小企業景況レポート」のなかの特別調査)の詳細は↓
http://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/scb79h20M133.pdf