経 営 関 連 情 報

2003年02月28日-002
低迷が続くアイスクリーム市場

 若年人口の減少で、アイスクリームの売上が落ちている、というのはあさひ銀行・あさひビジネスプラザのレポートだ。アイスクリームメーカーの販売額の不振が続いている。販売額は、ピーク時1994年度の4296億円から年平均3.2%の割合で7年連続減少し、2001年度には3432億円となった。

 販売不振が続く主な要因としては、購買層である若年人口の減少が挙げられる。住民基本台帳によると、5~19歳の人口の94年度から2001年度までの減少率は年平均2.4%となっている。また、経済環境悪化による家計支出の抑制や健康志向の高まりによるヨーグルト・茶系飲料などへ需要がシフトしていることなどが背景にある。

 こうしたことから、100円前後の価格帯の商品は、販売数量を伸ばすために、商品種別にかかわらず量販店等で特売されることが多くなっている。メーカーにとっては、量販店からの値下げ要請や販促費の増加で収益を悪化させる原因となっている。しかし一方で、価格が250円前後の「プレミアムアイスクリーム」と呼ばれる高級アイスクリームが売れている。

 高級アイスクリームを中心に販売するメーカーの売上は比較的好調なのだ。価格は多少高くとも、消費者に支持される商品の需要は底堅いことがうかがえる。大手メーカーなどが高級アイスクリームの新商品を相次いで投入するなど、プレミアムアイスクリーム分野における競争が激しくなっている。

 若年人口の減少といった構造的な問題は今後も続くことから、アイスクリーム市場の低迷は長引くとみられている。商品の低価格化が進む中、メーカーが収益力を維持するためには、コストを削減し、消費者に選ばれる魅力ある商品を開発することが課題といえる。うらめしい少子化だが、ベビー用品とかおもちゃ・子供服などの業界はどうなっているのだろうか。

 

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