税 務 関 連 情 報

2001年11月26日-001
連結導入先送りでどうなる来年度税制改正

 22日、来年度税制改正の最大の柱である連結納税制度の導入を1年先送りとの考えを塩川財務相が表明し波紋を呼んでいる。政府税調は20日、自民税調は21日それぞれ総会を開き、平成14年度の税制改正議論が本格的にスタートした翌日のことである。先送りの理由について同財務相は、法案作成作業が予想外に膨大で来年1月の通常国会への法案提出が不可能なこと、また、産業界との意見調整が難しく、必ずしも固まっていないことを挙げている。今回は導入を見送ったが、来年度半ばには法案作成を完了して来年度中の導入を目指すという。

 このような財務省の連結導入見送り方針に対し、産業界の反発と落胆は大きいものがあるが、制度導入見送りの原因が、主税局の法案作成準備作業の限界にあるとの“大義名分”であれば、自民税調や産業界にどのような反発・批判があろうとも受け入れざるを得ないとの見方が強い。この結果、来年度中に連結納税制度が導入されたとしても、大部分の企業が3月期決算であることから、同制度での納税は早くとも平成16年3月期決算からとなる。

 導入による税収減が約8,000億円との試算の連結納税制度が見送られる公算が強くなったことで注目されるのは、来年度税制改正の行方だ。当初、税収減の穴埋め策として浮上していた発泡酒の税率の引上げやたばこ税の増税、生命保険料控除の廃止・縮小などを中心とした租税特別措置の見直しはどうなるのか。先送りされたとはいえ、連結導入は既定路線に変わりなく、それこそ増税への“大義名分”はどのようにでもなることから、税収減穴埋めに増税が先行との可能性も否定できず、ビールやたばこなどの関係業界の不安はまだまだ続きそうだ。

 

 

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