日本能率協会が実施した「新任役員の素顔に関する調査」では、理想の経営者のトップは取締役も執行役員もともに昨年同様、本田技研工業の「本田宗一郎」氏、2位には松下電器産業の「松下幸之助」氏が選ばれた。経営環境が激しく変化する10年間にあっても、新任役員の理想の経営者像は今も変わらない。同調査は、今年1~6月に選任された上場企業の取締役203人、執行役員141人から有効回答を得たもの。
調査結果によると、3位には、取締役は京セラの「稲盛和夫」氏が、執行役員は日本電産の「永守重信」氏と伊藤忠商事の「丹羽宇一郎」が選ばれた。最近5年間、新任取締役が理想の経営者としてトップ5に選んだのは、「本田宗一郎」氏、「松下幸之助」氏、キャノンの「御手洗冨士夫」氏(今回4位)の3名だけ。01年以降常連で前年常連から姿を消した日産自動車の「カルロス・ゴーン」氏が、今回4位で再登場した。
一方、もっとも重要であるCSR(企業の社会的責任)への取組みは、「法令遵守への取組み」(29.1%)がトップだが、昨年調査から8.8ポイント減少。以下、「収益を上げ税金を納める」(21.7%)、「企業統治への取組み」(10.8%)など。また、多発する企業の不祥事については、「経営トップの認識の甘さに原因」が71.4%でトップ、05年以降増加傾向にある。次いで「不祥事を生じさせるような企業風土に問題」が59.1%だった。
社内における経営者育成のための教育実施状況は、何らかの教育を「受けてきた」人は32.0%と約3割にとどまり、「特に受けてきていない」(66.5%)を下回った。なお、回答者について、取締役の平均年齢は54.1歳(最年少30歳、最年長66歳)、平均在職年数は21.5年(最短0年、最年44年)、執行役員の平均年齢は52.0歳(最年少33歳、最年長62歳)、平均在職年数は22.3年(最短0.3年、最年40年)となっている。
同調査結果の詳細は↓
http://www.jma.or.jp/news_cms/upload/release/release20080805_f00025.pdf