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税務関連情報 (2007/02/16)

未払いの治療費は医療費控除の対象外

 給与所得者で1年間の給与収入が2000万円以下の人は通常、年末調整が行われるので確定申告をする必要はないが、雑損控除や医療費控除、中途退職者で年末調整をされなかった人は、確定申告をすれば源泉徴収された税金が還付されるケースもある。医療費控除は、自分や自分と生計を一にする親族のために支払った医療費が一定額を超える場合に、最高200万円を限度に所得から控除される。

 注意したいのは、医療費控除の対象となる医療費の金額は、あくまでも「その年中に支払った金額に限られる」ことだ。医療費を年をまたいで分割で支払った場合は、たとえその年中に治療が終わっていても、未払いとなっている医療費は対象とはされない。例えば、総額40万円の治療費を、昨年25万円、今年15万円支払った場合、今年の確定申告では25万円のみが対象で、15万円は今年分の医療費控除の対象となる。

 一方で、最近では、医療費をクレジットカードで支払ったり、医療費が高額だったことから借入金で支払うケースも少なくない。こうしたケースでクレジットの引落としや借入金の返済が翌年になった場合、その年に支払った医療費を未払い金と考えて、その年の医療費にはいれず、クレジットを引き落とした年や借入金を全額返済した年の医療費に含めるというミスが多い。

 例えば、医療費をクレジットカードで支払い、その引落としが翌年になった場合は、病院への治療費の支払いそのものが済んでおり、債務がクレジット会社に移行して、その時点では結果的に「ローン会社への返済金」とされることから、前年分の医療費控除の対象として認められる。同様に、借入金で支払い返済が翌年だった場合も、医療費の支払いは済んでいることから、医療費を支払った年分の対象となる。

 なお、医療費控除の対象となる金額は、「(医療費の支払額-保険金などで補てんされる金額)-10万円(年間合計所得金額が200万円未満の人はその5%の金額)」で計算した金額(最高200万円)となる。