原発関連企業は全国に少なくとも2258社
東日本大震災と、それに伴う福島原発の事故・停止によって、日本の原子力発電事業は大きな転換期を迎えている。地域経済に大きな恩恵をもたらしてきた原発事業は今や一気に縮小の機運を見せ始め、福島だけでなく原発を抱える自治体では、地元関連企業の活動に深刻な影響を及ぼすことも想定される。そこで、帝国データバンクが実施した「原発関連企業の実態調査」結果によると、原発関連企業は全国で少なくとも2258社判明した。
地域別にみると、東京電力や東芝、日立製作所といった主要企業があり、関係会社や下請企業が数多く存在する「関東」が1056社と最多で、原発関連企業のほぼ半数が関東に所在地がある。次いで、関西電力や神戸製鋼所などがある「近畿」が365社。地方では、今回被災した「東北」が240社、原発が計6箇所で最多の「北陸」が234社となった。東北全体では原発関連企業に約2万5千人の従業員がおり、今後の動向が懸念される。
年商規模別にみると、「年商1億円以上10億円未満」が1186社(構成比52.5%)で最多。「年商1億円未満」の322社(同14.3%)と合わせて、原発関連企業の3社に2社が年商10億円未満の中・小規模企業だ。年商10億円未満の企業数を都道府県別にみると、「茨城県」が157社で最多だが、原発関連企業のうち同レンジの企業が占める割合でみると、「福島県」の87.5%(105社)がもっとも割合が大きく、9割近くが中・小規模の企業だ。
業種別では、大分類ではプラントや発電機、部材などを製造する「製造業」が778社(構成比34.5%)で最多、次いで施設建設や保守などの「建設業」が636社(同28.2%)、検査業やシステム管理といった「サービス業」が442社(同19.6%)で続いた。より細かい業種分類でみると、計測機器類などの設置工事・保守を行う「機械器具設置工事業」が122社で最多、次いで電気設備工事を請け負う「一般電気工事業」が110社などとなっている。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110607.pdf