11月企業倒産、3ヵ月連続で1000億円台の低水準
帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は971件で、前月比は7.2%、前年同月比も3.9%の増加となり、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。前年同月比の推移をみると、一ケタ台で増減を繰り返しながらも、徐々に反転の兆しを見せ始めている。金融支援策の効果や復興需要の恩恵により、東北が過去10年で最少の23件にとどまった。
一方、負債総額は1905億3800万円で、前月比は43.4%の増加となったものの、前年同月比は30.4%の減少となった。9月の1929億3400万円以降、3ヵ月連続で1000億円台の低水準が続いている。これは、負債100億円以上の大型倒産の発生が、ゴルフ場経営の名阪開発(株)(三重県)と、投資業の(株)人間と産業開発研究所(大阪府)の2件にとどまったことなどが要因とみられる。
業種別にみると、小売業(198件、前年同月比32.9%増)、とサービス業(188件、同19.0%増)の2業種で前年同月を上回り、小売業は今年最多を記録した。一方、建設業(240件、同6.3%減)、製造業(118件、同13.9%減)などの3業種は前年同月を下回った。小売業は、外食(63件、同16.7%増)を中心に増加。2011年1月~11月の合計は648件と2009年(646件)を上回り、2000年以降の年間最多件数を更新している。
負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は494件発生、構成比は50.9%と6ヵ月連続で50%を超えた。一方、負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が550件発生、構成比は56.6%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、971件すべてが中小企業に該当し、小規模企業は846件で同87.1%を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。
同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1111.html