国税庁が21日に公表した「2006年分法人企業の実態調査」結果(速報)によると、2007年1月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などで使った交際費は、前年に比べ4.2%(1478億円)増の3兆6816億円となり、9年ぶりに増加に転じた前年に引き続き2年連続の増加となった。また、支払配当が同12.3%増の8兆6689億円と4年連続で増加し、過去最高を更新しており、企業業績の堅調な回復をうかがわせた。
2006年分の法人数は259万1914社で、前年より6881社(0.3%)増加した。このうち、連結親法人は540社、連結子法人は5546社。連結子法人を除いた258万6368社のうち、赤字法人は171万9021社で全体の66.5%を占めた。この赤字法人割合は前年に比べ0.6ポイント減少し、この10年間では2番目に低い数字となった。このうち、連結法人(540社)は、赤字法人割合が前年より6.3ポイント低下の56.7%となっている。
2006年分の営業収入金額は、前年に比べ2.4%増の1490兆5599億円と3年連続で増加し、景気回復傾向を反映した。黒字法人の営業収入金額は1062兆1579億円で前年に比べ8.2%増と、2001年分以来の1000兆円台となり、所得金額は21.6%増の51兆6623億円と大きく伸びた。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、1992年分の4.4%を0.5ポイント上回る4.9%と過去最高を記録した。
黒字法人の益金処分総額は25.7%増の60兆1107億円だった。内訳をみると、役員賞与5281億円(構成比0.9%)、支払配当8兆6689億円(同14.4%)、法人税額13兆2423億円(同22.0%)、その他の社外流出7兆8078億円(同13.0%)で、これらを差し引いた社内留保29兆8636億円は49.7%を占めた。役員賞与が占める割合0.9%は過去最低となる一方、支払配当は昨年に比べ12.3%増で過去最高となった。
また、交際費の支出額3兆6816億円のうち、税法上損金に算入されなかった金額は前年に比べ6.9%増の1兆8929億円と2年連続で増加し、損金不算入割合も前年より1.3ポイント増の51.4%となった。周知のように資本金1億円以上の企業の支出交際費は全額損金不算入。バブル崩壊以降の景気低迷を背景に交際費の支出抑制に努めてきた中堅・大企業だが、企業業績の改善が数字に表れてきたようだ。
同実態調査結果の概要は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2006/02.pdf