住宅金融支援機構が、今年7月~10月における民間住宅ローン借入者を対象に実施した「民間住宅ローン利用者の実態調査」結果(有効回答数1047人)によると、住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定型」の利用割合が前回調査(08年7月実施)に比べ8.6ポイント減の17.3%に低下する一方、「変動型」が8.8ポイント増の35.3%に大幅増加した。「固定期間選択型」はほぼ横ばいの47.4%だが、当初10年固定への集約が進んでいる。
「変動型」が大幅に増加したのは、08年7月以降、長期金利は低下しているが、米国金融市場の混乱などから金利先高感が薄れたことが要因。「変動型」商品では、一般に半年ごとに適用金利が見直され、5年ごとの返済額見直しで返済額増加に対する一定の措置があるのが一般的だが、金利上昇が大きい場合、未払い利息発生により、将来的な支払いに課題を残す可能性もあり、「変動型」利用にあたっては注意が必要になる。
金利タイプ別の世帯年収分布をみると、「全期間固定型」利用者は、世帯年収「400万円以下」の層が16.6%、「400万円超600万円以下」が30.9%で、「600万円以下」の層が計5割未満(47.5%)、「1000万円超」が17.7%となっている。一方、「固定期間選択型」、「変動型」では、「600万円以下」が55.4%、50.6%と過半となっており、「1000万円超」は8.5%、10.8%と約1割となっている。
今後1年間の住宅ローンの金利見通しについては、「現状より上昇」との見方が全体で26.6%と、前回調査に比べ18.3ポイント減と、金利先高感が大幅に低下しする一方、「ほとんど変わらない」が27.0%(前回調査比0.7ポイント増)、「見当がつかない」が14.0%(同6.3ポイント増)と増えている。特に「変動型」利用者は、「現状より上昇」との見方が17.3%と低く、「ほとんど変わらない」が35.4%など、楽観的な見方をしている。
同実態調査結果の詳細は↓
http://www.jhf.go.jp/research/pdf/loan_anketo_h20_2.pdf