ゼイタックス

税務関連情報 (2006/03/31)

ついに1千兆円を超えた国・地方の借金

 財政再建の議論が本格化しているが、その間に国と地方を合わせた借金がついに1千兆円の大台を超えた。総務省が10日に公表した2006年度版地方財政状況によると、2004年度の地方自治体の決算における借入金残高は201兆4096億円と、200兆円を突破したが、財務省が24日に公表した2005年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は813兆1830億円となり、国・地方を合わせた借金が1千兆円を超えた。

 国の借金は、昨年9月末から約14兆円、1年前の昨年12月末からは約31兆円増え、初めて800兆円を超え、過去最悪の数字を更新した。1年前に比べ、国債は約37円増の663兆円で全体の約82%を占めた。うち普通国債がほとんどを占め526兆円と過去最高となった。国債以外では、借入金は対前年比約2000億円増の59兆円、政府の一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は同約6兆円減の90兆円となっている。

 この「国の借金」813兆円は、2006年度一般会計予算案の歳出総額79兆6860億円の10.2倍、同年度税収見込み額45兆8780億円の17.7倍である。年収500万円のサラリーマンが8850万円の借金を抱えていることになる。わが国の3月1日時点での総人口1億2765万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたり約637万円の借金となる勘定。これは、赤ちゃんや子ども、ご老人など未就業者を含めての数字である。

 この国の借金に上記の地方の借入金残高約201兆円を加えた総借金は、重複分を除いても3月末には1千兆円を超える見通しとなっている。2006年度の国債発行額は5年ぶりに3兆円を下回るが、それでも29兆9730億円を新規発行する予定だ。一方で、日銀が量的金融緩和政策を解除したことで、国債費の利払費の増加を懸念する声もある。財政再建の具体的な道筋を早急に示していただかないと、不安は高まるばかりだ。