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経営関連情報 (2005/07/25)

過去最高ペースで推移する老舗倒産の構成比

 2005年上半期の企業倒産は沈静化が目立ったが、一方で業歴30年以上の企業倒産、いわゆる老舗倒産の占める構成比が過去最高のペースで推移しているようだ。東京商工リサーチが20日に発表した「業歴30年以上の企業倒産構成比調査」結果によると、2005年上半期の老舗倒産の構成比は、前年同期比1.4ポイント上昇の28.6%を占めた。

 最近の老舗倒産の構成比は、1999年が19.1%、2000年21.2%、2001年24.4%、2002年26.7%、2003年27.0%、2004年26.6%と推移してきた。2005年上半期は28.6%だったが、このペースで推移すると2005年は、業歴30年以上の企業倒産構成比が年間ベースで過去最高となる可能性が高くなっている。

 2005年上半期における老舗倒産構成比を都道府県別にみると、もっとも高かったのは「新潟県」(52.2%)、次に「香川県」(48.7%)、「山梨県」(48.6%)、「熊本県」(48.5%)の順で、構成比が30%を超えたのは22道県にのぼった。これに対して老舗倒産構成比が低かったのは、「京都府」(15.2%)、「沖縄県」(17.5%)、「鳥取県」(19.0%)、「埼玉県」(20.0%)などだった。

 老舗倒産割合の高まりは、最近の企業開業率の低下によって業歴の長い企業が増加しているという側面も勘案しなければならないが、10年前には1割程度だった老舗倒産の構成比は、最近では約3割を占めるまで増加している。これは、経営環境の変化に対して、従来のビジネスモデルによる対応が難しくなるなか、老舗企業の淘汰が進んでいることを反映した結果とみられている。

 業歴の長い企業は、新興企業に比べて豊富な資産を保有している反面、容易には経営改革に踏み出せない側面もある。東京商工リサーチでは、「経営環境の変化の速度が速まるなかで、今後も業歴が長い企業の倒産が増える」と予測している。