税 務 関 連 情 報

2002年07月01日-001
金融庁研究会が金融税制の簡素化を要望

 現行の金融税制が複雑でまた効率的なものになっていないのは事実だが、それでは今、経済活性化などの観点から提唱されている「二元的所得税」は問題解決に資するのか。金融庁の「金融税制に関する研究会」は6月28日、今年2月から5回にわたって開かれた研究会の報告書を公表した。研究会では、「二元的所得税」をめぐる議論の論点整理を行いながら、今後の金融税制のあり方について検討を行った結果、現行の金融税制は投資家、金融機関等双方にとって複雑であり、また金融商品の実態に即した課税が行われていないことなどから金融税制を見直していく必要があるとの意見で一致している。

 二元的所得税については、1)税制の簡素化に資する、2)リスク・マネーの供給拡大に資する、3)金融の国際化に対応する、などの点から肯定的な評価がある一方で、1)現行税制の部分的修正で十分、2)商品の特性に応じた税率を適用すべき、など慎重な見解もみられた。

 現行の金融税制については、1)金融商品ごとに課税がバラバラで複雑なため、投資家、金融機関等双方にとって分かりにくく、金融商品に係る課税上の所得分類が複雑なことから課税上のリスクを負うなど商品開発に支障をもたらしている、2)同じような経済的意味を持つ金融商品についての損益が課税上の所得分類の違いから通算できないことがあるなど、金融商品の経済実態に即した課税となっていない、などの問題意識が広く共有されていることを改めて確認している。このような問題点を踏まえ、課税方法や税率の簡素化、損益通算の対象範囲の拡大に向けた金融税制見直しの必要性を要望している。

 

 

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