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9月の倒産、負債総額は戦後2番目の5兆円台

経営関連情報 - 2008年10月15日

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数は1122件で、前月比は10.2%の増加、前年同月比でも42.9%の大幅増加となり、4ヵ月連続で1000件を突破した。集計対象を法的整理のみに変更した2005年4月以降では、2008年7月(1131件)、3月(1127件)に次ぐ3番目の高水準となった。景気後退局面を迎え、倒産件数はさらに増加基調を強めている。

 倒産件数が高水準で推移する背景には、サブプライムローン問題に伴う信用収縮、販売不振から不動産業の倒産が増加(40件、前年同月比33.3%増)したことや、関東の倒産が最多の442件に増加し、構成比も39.4%と40%に迫る高水準となったことがある。また、原料高関連の倒産が78件発生し、8月(69件)を上回り、過去最多を4ヵ月連続で更新したことも、倒産件数が増加する一因・背景となっている。

 一方、9月の負債総額は5兆3197億9400万円、前月比552.8%増、前年同月比1041.8%増と急増し、集計基準変更の2005年4月以降では最多となった。単月で5兆円を上回る負債額となったのは、協栄、千代田の生命保険会社2社が相次いで倒産した2000年10月(8兆5611億1400万円)以来で、戦後2番目の水準。これは、リーマン・ブラザーズ証券(東京都)が、戦後2番目の負債3兆4314億円で倒産したことが要因となった。

 また、不動産業を中心に、負債100億円以上の超大型倒産が13件発生(前月12件、前年同月8件)し、3ヵ月連続で最多を記録したことなども一因となった。一方で、倒産の中心は引き続き負債5000万円未満の零細企業で占められており、9月は413件、構成比36.8%となった。資本金別でも小規模倒産が大部分を占める一方、資本金1億円以上の倒産が50件、前年同月比117.4%増と前年を大きく上回り、最多となった。