労働政策研究・研修機構が実施した「メンタルヘルスケアに関する調査」結果(有効回答数95社)によると、ここ5年程度の間での職場におけるメンタルヘルス不全となった従業員数の増減については、「やや増えた」が55.8%と最多で、「増えた」の22.1%をあわせると、約8割で不全者が増えたと回答している。一方、「そもそもメンタル不全者はいない」ところはわずか6.3%にしかすぎない。
今後の見通しについては、53.7%と過半数の企業が「やや深刻になる」と感じており、「深刻になる」とする22.1%を加えると、状況が厳しくなるとする企業は8割近くを占めている。また、メンタルヘルス問題と企業パフォーマンスとの関連性については、「関係がある」とする企業が48.4%と約半数を占め、これに「密接に関係がある」(16.8%)をあわせると65.2%の企業が、その関連性を積極的に認識している。
メンタルヘルス不全の発生にもっとも関係している要因については、「仕事の責任のストレス」(26.3%)を挙げる企業がもっとも多く、ついで僅差で「職場の人間関係のストレス」(25.3%)、「職場の環境変化のストレス(企業再編など大きな変化)」(17.9%)、「仕事の量のストレス」(10.5%)などが続いた。「家庭の問題に基因するストレス」(3.2%)や「仕事の評価のストレス」(2.1%)を挙げた企業はわずかだった。
ここ5年程度の間で、メンタルヘルス不全による休職者がもっとも多い階層は、主任や補佐など課長職直前の「若年層後期」との回答が54.7%と半数を超え、ついで「若年層前期(役職なし、新卒入社10年程度まで)」が25.3%、「課長職」が8.4%などとなっており、休職者の発生が「若年層後期」に多くなっている。役職階層別での仕事の負荷は、「課長職」(44.2%)がもっとも高く、「若年層後期」(37.9%)が続く。
同調査の詳細は↓
http://www.jil.go.jp/press/documents/20051125.pdf