今後団塊世代がリタイアしていくことで、余暇や趣味などの分野で新しい市場やビジネスが生まれていくことが期待されているが、リタイア後の生活において「楽しみ」という極めて基本的な軸で考えることもビジネスチャンス発見のカギとなる。三菱総研が発表した「現代日本人の『楽しさ』の意識に関するアンケート調査」(gooリサーチが実施)では、「食」と「交流」に過半数の人が『楽しさ』を感じていることがわかった。
調査結果(有効回答数3万456人)によると、現代人が求める『楽しさ』(複数回答)については、「食べ物、飲み物、飲食すること」(57.5%)や「人とのコミュニケーション」(53.9%)が上位となり、「食」と「交流」により強く『楽しさ』を感じている。また、「イベント的なこと」(36.3%)、「買い物」(32.8%)、「自己表現・自己研鑽」(31.3%)といった比較的能動的なことに『楽しさ』を感じる傾向がみられた。
一方、「季節感」(29.9%)といったやや受動的なことにも約3割が『楽しさ』を感じると回答。季節感に関わる『楽しさ』については、「お花見や紅葉など自然の変化を楽しむ」(65.4%)との回答が多く、次いで「旬の食べ物を楽しむ」(45.4%)、「花火など季節のイベントを楽しむ」(37.9%)と続き、「イベント」や「食」を通して季節を楽しんでいることがわかる。
全体の53.9%が『楽しさ』を感じると回答した「コミュニケーション」については、91.2%が「親しい友人、家族等の身近な人」とのコミュニケーションを挙げた。一方、57.5%が『楽しさ』を感じる「食」については、67.0%が「友人や知人、恋人や家族等の親しい人との交流を持ちながら食事をすること」に『楽しさ』を感じている。また、51.0%が「その場の雰囲気」に、43.7%が「料理の味」を楽しんでいる。
三菱総研は、これらの結果から、「楽しみ」を機軸としたビジネスで成功するためには、1)「食」、「コミュニケーション」、「季節感」といった要素を組み合わせたコンセプトの構築、2)マス市場には「受動性」の強いコンセプトを、より細分化された市場には「能動性」を生かしたコンセプトを展開、3)リタイア後の「仕事」に対する「楽しみ」が増加することを踏まえ、「楽しみ」×「仕事」のコンセプトに合致するボランティアやNPO活動などへの関心が高まるとの予想、などに留意することが重要との考えを示している。
同調査の詳細は↓
http://www.mri.co.jp/PRESS/2005/pr051208_im102.pdf