厚生労働省は4日、高齢者多数雇用事業所への税軽減などを盛り込んだ2009年度税制改正に向けた要望を公表した。主な要望事項は、(1)高齢者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度及び課税の特例の創設、(2)教育訓練費に係る税額控除制度の適用期限の延長、(3)事業所内託児施設に係る法人税の優遇措置(割増償却)の延長、(4)障害者雇用事業所等に係る税制上の特例措置の拡充等、(5)確定拠出年金に係る税制の見直しなどだ。
高齢者多数雇用事業所への税軽減は、70歳以上までの定年の引上げ、継続雇用制度の導入または定年の廃止により、70歳まで働ける制度を導入していることから、高齢者を多数雇用する事業所の負担を軽減するため、取得する機械・設備等について割増償却制度及び固定資産税の軽減措置を求めるもの。軽減対象は、常時雇用する65歳以上の高齢者が50%以上(20人以上の規模の場合は25%以上)の事業所を想定している。
教育訓練費については、中小企業を対象にした教育訓練費の一定割合(8~12%)を税額控除する特例措置の適用期限を2年延長する。また(4)は、障害者雇用促進法改正による短時間労働者の障害者雇用義務対象への追加を踏まえ、税制上の特例措置の対象となる障害者の範囲を拡充するとともに、障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却精度等の適用期限を2年延長することを要望している。
確定拠出年金に係る税制見直しについては、現在、企業型確定拠出年金においては個人拠出(マッチング拠出)が認められていないが、現行の拠出限度額(他の企業年金なし:4.6万円、他の企業年金あり:2.3万円)の枠内、かつ、事業主の掛金を超えない範囲で、個人拠出を認め、これを所得控除の対象とする。すでに個人型は、拠出限度額の範囲内で全額所得控除が適用されており、同じ控除の適用を求めている。
また、拠出限度額について、企業型は、年功序列賃金体系の下、壮年世代に係る掛金を拠出限度額の枠内におさえようとする結果として、若年世代の掛金が低くなることから、若年から壮年を通じた各世代において掛金が引き上げられるよう、拠出限度額を引き上げる。個人型についても1.8万円と、企業型に比べ低いことや半数が限度額付近まで拠出していることから、拠出限度額の引上げを要望している。
厚労省の2009年度税制改正要望の詳細は↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/08/h0829-6.html