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経営関連情報 (2004/03/19)

厚労省、年金制度改革案で参考資料を公表

 2004年年金制度の抜本改正は紛糾しているようだ。数字を明記しての給付減・負担増の改正案は大きな議論となっているが、厚生労働省は16日、今回の改正案についての参考資料を公表した。内容は、給付と負担の見直しをはじめ保険料(率)の引上げ、保険料水準固定方式によるマクロ経済スライド、第3号被保険者期間についての厚生年金の分割など18テーマ別になっており、改正案の内容を分かりやすく紹介している。

 給付と負担の見直しでは、給付水準を現行の59.3%を段階的に引き下げるが、最終的に50%台は維持すること、保険料負担は、厚生年金では今年9月から毎年0.354%(労使折半)ずつ引き上げ2017年度以降は18.3%に固定することが示されている。

 基礎年金国庫負担割合の引上げの財源については、2004年度の公的年金控除の見直しや老年者控除の廃止による増収分を充てることから始まり、2005年度・2006年度での個人所得課税の抜本的見直し(定率減税の縮小・廃止など)を経て、2007年度を目途に、消費税を含む抜本的税制改革による増収分で賄うことを明記。2009年度までに国庫負担割合の2分の1への引上げを完了するという道筋だ。

 また、4割近くが未納者という国民年金保険料の“空洞化”への対応として収納対策の強化も説明されている。そこでは、十分な所得があっても滞納している、他の被保険者の納付意欲に悪影響を与えかねない滞納者に対しては強制徴収を実施すること、そのために必要な所得情報を得るための法的整備を図ることを明らかにしている。未納者については、国民年金保険料に係る社会保険料控除の不適用措置も検討される。

 理解しずらいところがある年金制度改革だが、18テーマ別にまとめられた参考資料を見れば、基本的知識を得ることが可能かもしれない。興味のある方はぜひご一読を―。
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/03/tp0315-2.html