社会経済生産性本部の情報化推進国民会議は26日、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の活用で、住民・行政に大きなベネフィットがもたらされており、その金額はすでに年間183億円、数年後には917億円が見込まれるとの試算結果を発表した。現在でも住基ネットの年間運用費用140~180億円はほぼ賄えており、構築費用391億円を加えても、数年後にはこれらを上回るベネフィットが得られるとみている。
試算によると、住基ネットの活用により、添付が必要とされていた「住民票の写しの省略」が335万件の削減件数、84万時間の節減時間で81.1億円のベネフィットがもたらされる。また、「共済年金の現況届出の簡素化」が同352万人、27万時間で、39.3億円のベネフィット。そのほか、「恩給受給者の申立書簡素化」や「転入通知のオンライン化」などによる節減効果で年間合計183.1億円のベネフィット結果となる。
同様に、今後数年以内に実施されるとの計画が明示されている手続きの削減件数や行政職員の節減時間、例えば、「住民票写し省略の事務数拡大」が2500万件の削減件数、625万時間の節減時間にのぼり534.3億円のベネフィット、「厚生年金・国民年金の簡素化」で同2980万人、140万時間の削減・節減効果があり、265.7億円のベネフィットとなるなど、年間合計916.7億円のベネフィットがあると試算している。
同国民会議では、より一層の行政サービスの利便性向上と行政事務の効率化を図るため、住基ネットを有効活用する施策として、1)住所・氏名変更などはワンストップで行えるようにする、2)国税・地方税の徴収事務や国民年金保険料の徴収に活用、3)住基ネットには氏名・住所などの4情報に加えて世帯に関する情報を記載、4)一定年齢以上の国民には「住基カード」を無料で配布することを提案している。
住基ネットの活用効果に関する試算結果・提言の発表資料は↓
http://www.jpc-sed.or.jp/contents/whatsnew-20060526-1.html