雇用調整助成金とは、事業活動の縮小を強いられても休業や教育訓練などを行い労働者の雇用維持に努める事業主を支援するもの。昨年12月1日から支給要件を大幅に緩和、中小企業緊急雇用安定助成金を創設するなどした結果、昨年12月に雇用調整助成金等に係る休業等実施計画届を受理した件数は、全国で1758事業所、対象者は13万7109人にのぼった。前月11月の199事業所、対象者8873人に比べ大幅に増加した。
こうしたなか、厚生労働省は、厳しさが増している雇用失業情勢に一層対応するため、さらに雇用調整助成金を拡充した。大企業に対する助成率を2分の1から3分の2に引き上げ(中小企業は12月から5分の4)、「最近3ヵ月の生産量が直前3ヵ月または前年同期比で5%以上減少」とする生産量要件については「売上高または生産量」で把握、支給限度日数を最初の1年間で200日、3年間で300日にそれぞれ引き上げる。
また、制度利用後1年経過しないと再利用できない「クーリング期間」や、休業延日数が所定労働延日数の大企業15分の1、中小企業20分の1以上とならないと助成対象とならない休業規模要件をともに撤廃、短時間休業の助成対象範囲を、従前の「従業員全員が一斉の短時間休業(1時間以上)を行った場合」に加え、「従業員ごとに短時間休業を行った場合」も対象とする。これらの雇用調整助成金の拡充は2月6日から施行された。
一方、離職者住居支援給付金については、やむを得ず派遣労働者や有期契約労働者との契約の中途解除や雇止め等を行った場合でも、その労働者に対し離職後も引き続き社員寮等を無料で貸与した場合、または住居に係る費用を負担した事業主を支援するため、1人あたり4万円~6万円を最大6ヵ月助成する制度を創設した。この離職者支援給付金は2008年12月9日に遡って適用する。