税 務 関 連 情 報

2003年06月13日-003
二国間の子会社配当・特許等使用料課税を廃止へ

 企業の国際取引や海外進出が当たり前の時代となっているが、わが国では現在、二重課税の回避や脱税の防止のために55ヵ国と租税条約を結んでいる。特に日米間の租税条約は1972年と30年以上も前に結んだことから、国際化の進展がより進んだ現在の実態に合わせるための改正交渉を進めていたが、このほど改正内容で基本合意し、来年中にも新条約の発効を目指す。

 新条約においては、日米間の配当や使用料(ロイヤリティ)の支払いについて源泉徴収税率を大幅に引き下げる。特に、商標・特許・著作権などの使用料や一定の親子会社間の配当、一定の主体が受け取る利子については課税を撤廃する予定だ。現行条約では、配当・使用料を支払う企業が自国政府に10%の源泉徴収税を支払っており、受け取る企業は源泉徴収分だけ利益が減ることになる。

 この使用料等の源泉地国課税をやめると、使用料を支払う企業がある国の税収が減り、受け取る側の国の税収が増えることになる。日米の特許使用料は今のところ日本側の支払超過(2001年:日銀統計)で、日本は税収減となるが、今後の日本企業は海外で使用料を稼ぐ「知的財産立国」を目指す。長い目でみれば日本に資する改正といえそうだ。なお、他国との条約改正においても、今回の日米間の新条約がモデルとなるようだ。

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