日本経済はようやく持続的な本格回復を果たし、個人消費市場でも多くのヒット商品が誕生した。博報堂は、これらのヒット商品の特徴を分析し、景気回復とともに心の余裕を持ち直した生活者が、これまでのしがらみから開放され、新たな価値観を形成しつつある姿が浮かび上がるとして、こうした生活者の意識変化に伴う今年の消費傾向を「マインド構造改革」消費と名づけた。
博報堂が11月上旬に実施した「2005年ヒット商品調査」結果(有効回答数640人)によると、今年のヒット商品ランキングは、1)愛・地球博(愛知万博)、2)「電車男」、3)「ごくせん」、4)大画面薄型テレビ、5)クールビズ、6)携帯型デジタルオーディオプレーヤー、7)ブログ、8)「ハウルの動く城」、9)寒天、10)HDD/DVDレコーダーという結果になった。
また、博報堂では、「マインド構造改革」消費の6つの傾向として、まず、IT技術が人と人、人とお店などの関係性を変えた商品・サービスである「つながりの構造改革」を挙げ、「ブログ」、「音楽配信サービス」、「電子マネー」などを例示。次は「社会参画の構造改革」で、社会と個人の利害が一致することで生まれた社会参画型商品・現象として、「クールビズ」、「愛・地球博」、「ロハス」などを例示している。
3番目は「男と女の構造改革」で、従来の男と女の概念を変えた商品・現象として、「ミドル向け男性誌」、「ごくせん」、「おかまキャラ」、「乙女ロード」などを例示。4番目は「値ごろ感の構造改革」を挙げ、既存カテゴリーの枠を越えた価格設定の商品として、「100円生鮮コンビニ」、「大画面薄型テレビ」、「第3のビール/プレミアビール」、「国産高級車ブランド」などを例示した。
5番目の特徴としては「カラダの構造改革」を挙げ、体の内側から生まれ変わるというコンセプトの商品・サービスとして、「デトナックス(解毒)」、「寒天」、「ピラティス/パワーヨガ」などを例示。最後の特徴は「エンタメの構造改革」で、意表をつく企画によって成熟した娯楽文化の既成概念を変えた商品・サービスとして、「電車男」、「旭山動物園」、「秋葉原にオープンした新型店舗」、「中部国際空港」などを例示した。
「博報堂消費トレンドレポート2005」は↓
http://www.hakuhodo.co.jp/news/pdf/20051202.pdf