少子高齢化の進展のなかで、わが国の労働力不足を補う一方策として、外国人労働者の活用が挙げられている。日本商工会議所はこのほど、外国人労働者の積極的な受入れを求める要望及び報告書を公表。同要望では、地域や業種によって人材確保が特に困難である中小企業を支援していくことが喫緊の課題であるとの認識のもと、不足が想定される分野における外国人労働者の就労を認める新たな制度の構築を求めた。
具体的には、(1)専門的・技術的分野における優れた知識・技能を有する外国人労働者については、引き続き積極的に受け入れるべきこと、(2)現行の外国人研修・技能実習制度に代わり、不足が想定される分野における外国人労働者の就労を認める新たな制度が必要、(3)新たな制度の導入にあたっては、受入機関の要件の厳格化、送出し国における日本語教育など、一定の管理が必要、などとしている。
さらに、(4)長期的な課題として、移民の受入れについてどのように考えるかを検討すべき、(5)新制度の導入に時間を要する場合は、当面の対策として、現行の外国人研修・技能実習制度を早急に改善すべきことを要望している。(5)については、不適正な受入れへの厳正な対処や、受入機関が、適正な制度運営を行っている送出し機関を選択できるように対応策を検討、受入れ人数枠を緩和する方向で見直すこと、などを求めている。
わが国の労働力人口は、2006年に比べ2017年に101万人減少、さらに2030年には477万人減少するとみられており、いずれにしても労働力不足に直面することは避けられない状況にある。日商は、若者、女性、高齢者などが働くことができる環境整備や就業支援、少子化対策への全力での取組みなどに加え、外国人労働者の活用を早急かつ前向きに検討し、抜本的な対策を講じる必要があると訴えている。
「外国人労働者の受入れのあり方に関する要望」は↓
http://www.jcci.or.jp/nissyo/iken/080619fw.pdf