ゼイタックス

経営関連情報 (2005/01/12)

2004年のウイルス届出件数は約3倍増の5万件超

 情報処理推進機構(IPA)がこのほどまとめたコンピュータウイルス届出状況によると、2004年1年間の届出件数は5万2151件で、2003年の1万7425件から約3倍もの増加となって史上最悪となった。もっとも、実際にパソコンに感染した割合は、前年の7%から1%に激減している。届出されたウイルスは142種類(2003年94種類)で、2004年に初めて検出されたウイルスは53種類(同29種類)だった。

 もっとも届出件数の多かったウイルスは「W32/Netsky」(1万5895件)、次いで「W32/Bagle」(4838件)、「W32/Mydoom」(4388件)、「W32/Klez」(3498件)、「W32/Lovegate」(2569件)などの順となった。大量メール送信型のウイルスが猛威を振るい、特に「W32/Netsky」は3月以降の届出件数が10ヵ月連続でワースト1となった。

 ウイルスの亜種が次々に出現したことも2004年の特徴だ。「W32/Netsky」、「W32/Bagle」、「W32/Mydoom」と、それぞれ30種類以上の亜種が次々に出現したため、ウイルス対策ソフトが対応する前に感染が拡大するケースが見受けられた。4月以降、これら3種類の合計検出数が全体の約9割を占める状況が継続した。

 また、フィッシング詐欺を行うウイルスやバックドアを仕掛けユーザーの情報を盗もうとする悪質なものが多くなってきた。メールの添付ウイルスだけでなく、リンクをクリックするだけで感染する「W32/Bofra」ウイルスの出現など、ユーザーを欺く手口もより巧妙になっている。

 なお、12月の届出件数は4905件で、11月の5308件から7.6%の減少となり、5千件を下回った。ウイルス別届出件数の上位は、「W32/Metsky」が1296件、「W32/Bagle」488件、「W32/Mydoom」314件。届出者別にみると、「一般ユーザー」からのものが4348件で全体の88.6%を占め、「個人ユーザー」が247件、5.0%、「教育・研究機関」が310件、6.3%となっている。