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民間一人あたり今夏賞与支給額は▲7.3%との予測

経営関連情報 - 2009年05月11日

 第一生命経済研究所がこのほど発表した2009年夏のボーナス予測に関するレポートによると、今夏のボーナスの民間企業一人あたり支給額は、前年比▲7.3%(支給額37万6373円)と大幅マイナスを予想している。夏のボーナスとしては3年連続の前年比マイナスとなり、マイナス幅も大きく拡大する見込み。また、支給対象者についても同▲2.5%と冬のボーナスに続いてマイナスが予想される結果、支給総額についても同▲9.7%となる。

 レポートによると、支給総額は、(1)ボーナス算定のベースとなる月例給与、(2)賞与の源泉である企業収益の状況と関係が深い。まず、賞与算定のベースとなる所定内給与の動向をみると、2月は前年比▲1.0%となり、前月よりマイナス幅も拡大した。先行きも、失業率の上昇や有効求人倍率の低下など労働需給が緩和傾向にあり、昨年急上昇した消費者物価も今後はマイナスの推移が見込まれるなど、所定内給与の押上げ要因は見当たらない。

 次に、日銀短観(3月調査)の2008年度下半期の経常利益計画をみると、景気の急激な悪化から前年比▲67.4%と、大幅な減益が見込まれている。夏のボーナスと年度下期の企業業績は関係が深いため、夏のボーナスは大きく押し下げられる。このように、夏のボーナスの一人あたりの平均支給額は、ベースとなる所定内給与、賞与の源泉となる企業収益ともに悪化したことから、大幅マイナスは避けられないとみられている。

 今後は、景気の急激な悪化の影響が遅れて雇用に波及してくるため、雇用は悪化を続けていく公算が大。また、所得についても、企業収益の悪化や労働需給の緩和、物価の下落など、賃金を押し上げる要因は見当たらず、悪化が続く見込み。物価の下落や定額給付金、高速道路料金の引下げなど消費の押上げ要因も散見されるが、それを上回るペースでの雇用所得環境の悪化が見込まれ、個人消費はしばらく低迷が続きそうと予測している。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/0905_7.pdf